タイトル: | 再公表特許(A1)_3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸及び相当する酸無水物、並びにこれらの製造方法 |
出願番号: | 2011073265 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07C 69/76,C07C 67/317,C07C 67/343,C07C 67/313,C07D 307/89,C07B 61/00 |
山本 祥史 吉田 慈孝 矢田部 光 山内 禎啓 辻 哲郎 JP WO2012046857 20120412 JP2011073265 20111007 3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸及び相当する酸無水物、並びにこれらの製造方法 宇部興産株式会社 000000206 伊藤 克博 100106297 小野 暁子 100129610 山本 祥史 吉田 慈孝 矢田部 光 山内 禎啓 辻 哲郎 JP 2011014419 20110126 JP 2010228108 20101008 C07C 69/76 20060101AFI20140128BHJP C07C 67/317 20060101ALI20140128BHJP C07C 67/343 20060101ALI20140128BHJP C07C 67/313 20060101ALI20140128BHJP C07D 307/89 20060101ALI20140128BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140128BHJP JPC07C69/76 AC07C67/317C07C67/343C07C67/313C07D307/89 ZC07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN 再公表特許(A1) 20140224 2012537782 25 4C037 4H006 4H039 4C037RA11 4H006AA01 4H006AA02 4H006AA03 4H006AB84 4H006AC12 4H006AC24 4H006AC46 4H006BA02 4H006BA16 4H006BA20 4H006BA25 4H006BA32 4H006BA48 4H006BA51 4H006BA69 4H006BE30 4H006BJ50 4H006BS30 4H006KA31 4H039CA41 4H039CA65 4H039CC20 4H039CC30 4H039CD20 4H039CD90 4H039CL25 本発明は、新規な化合物である、3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物および3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)、ならびにこれらの製造方法に関する。 ポリイミド製造の原料等として用いられるビフェニルテトラカルボン酸及びその酸無水物、並びにその製造方法が多く開示されている(特許文献1〜4等)。例えば、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸無水物を製造する方法として、特許文献3には、ハロゲン化フタル酸類の二量化による方法、特許文献4には、3,4,3’,4’−テトラメチルビフェニルのメチル基の酸化による方法が記載されている。特開昭61−106541号公報特開昭55−141417号公報特公平5−3857号公報特開昭48−54048号公報 本発明は、新規化合物である、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)および3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物、ならびにこれらの製造方法を提供する。 すなわち、本発明は以下の事項に関する。 1.一般式(1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)。(式中、R11及びR12は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。) 2.一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 3.一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 4.一般式(1−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)の製造方法であって、 一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物、または一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物を酸化する工程(以下、酸化工程という)を含む製造方法。(式中、R1及びR2は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。) 5.前記酸化工程において、金属化合物及び酸化促進剤の存在下、分子状酸素で酸化する、上記4記載の製造方法。 6.前期酸化促進剤が臭化物、ヒドロキシイミド化合物又はそれらの混合物である、上記5記載の製造方法。 7.一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物の製造方法であって、 一般式(4−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−アルキルベンゼン化合物と金属触媒の存在下、脱水素反応させる製造方法。(式中、R1、R2、R3、R4は前記と同義である。) 8.一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物の製造方法であって、 塩基及びパラジウム触媒の存在下、一般式(5)で示される4−ハロゲノフタル酸化合物と、一般式(6−1)で示される3,4−ジアルキルフェニルホウ素化合物とを反応させる製造方法。(式中、R1及びR2は前記と同義であり、Xはハロゲン原子を示す。)(式中、R3、R4は前記と同義であり、Yはヒドロキシル基、または同一もしくは異なっていても良い直鎖状もしくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルコキシル基を示す。なお、これらのアルコキシル基の炭素は互いに結合して環を形成していても良い。) 9. 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはその無水物の製造における、一般式(1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)の使用。 本発明の3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)、および3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物は、新規化合物であり、例えばポリイミドの原料として用いられる、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(以下、s−BPTAと称することもある)及びその酸無水物(以下、s−BPDAと称することもある)に誘導できる有用な化合物である。また、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸は、ふたつのカルボキシル基を有していることから、発泡ポリイミドや末端修飾剤等としても使用され得る。 本発明の3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)(以下、化合物(1)と称することもある)は、下記一般式(1)によって示される。化合物(1)は新規化合物である。 (式中、R11及びR12は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。) なお、相当する酸無水物とは、一般式(1’)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸無水物を示す。この一般式(1’)で示される化合物は、一般的な加水分解反応によって、容易に3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(化合物(1))に変換することが可能である。 (式中、R11及びR12は前記と同義である。) 前記一般式(1)及び(1’)において、R11及びR12は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R11及びR12は、同一であっても異なっていてもよい。又、nは水和水の数を示し、0又は1である。すなわち、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸が、水和水を含まないか1水和物のいずれかの形態をとり得る。 本発明の3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物(以下、化合物(2)と称することもある)は、下記一般式(2)によって示される。化合物(2)は新規化合物である。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 一般式(2)において、R1及びR2は、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよい。 本発明においては、化合物(2)のうち、例えば、R3およびR4がメチル基であり、一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物(以下、化合物(3)と称することもある)が好ましい。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 上記化合物(2)または化合物(3)を酸化する工程(以下、この工程を「酸化工程」と記載することもある)を含む製造方法により、下記一般式(1−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)を製造することができる。 式中、R1、R2は、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、nは水和水の数を示し、0又は1である。なお、化合物(1−1)が、n=0で表される化合物とn=1で表される化合物との混合物で得られるときは、分析結果として、nが0と1の間の数になることもある。<化合物(2)または(3)の製造方法> まず、一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物(化合物(2))または一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物(化合物(3))の製造方法について説明する。これらは、以下の方法(A)又は(B)で示す合成方法によって得ることができる。[方法(A)] 方法(A)においては、一般式(4−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−ジアルキルベンゼン化合物(以下、化合物(4−1)と記載することもある)、または一般式(4−2)で示される3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−ジメチルベンゼン化合物(以下、化合物(4−2)と記載することもある)を、金属触媒の存在下、脱水素反応させる。化合物(2)を製造するためには、化合物(4−1)を用い、化合物(3)を製造するためには化合物(4−2)を用いる。(式中、R1、R2、R3、R4は前記と同義である。)(式中、R1及びR2は前記と同義である。) 上記一般式(4−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−ジアルキルベンゼン化合物は、イオン交換能を有する無機構造体に、二価以上の金属イオンを担持させてなる、アルキル化反応用触媒の存在下、o−ジアルキルベンゼンと3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキセンとを反応させることによって、3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−ジアルキルベンゼンを製造することができる。 本発明の方法(A)において使用する金属触媒としては、例えば、触媒担体に金属原子が担持されたものが好適に使用される。前記金属触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含む金属触媒が挙げられる。前記触媒担体としては、金属原子を担持できるものならば特に限定されないが、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、イオン交換樹脂等が好適に使用される。なお、これらの金属触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記金属触媒の使用量は、化合物(4−1)または化合物(4−2)に対して、好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。 本発明の方法(A)においては、化合物(4−1)または化合物(4−2)と、金属触媒とを混合して、不活性ガス雰囲気にて反応させる。その際の反応温度は、好ましくは100〜500℃、更に好ましくは250〜400℃であり、反応圧力は、好ましくは0.01〜0.3MPa、更に好ましくは0.05〜0.1MPaである。なお、反応形態は、気相又は液相、固定床又は流動床のいずれの形態でも構わないが、好ましくは固定床流通反応で行われる。[方法(B)] 方法(B)においては、塩基及びパラジウム触媒の存在下、一般式(5)で示される4−ハロゲノフタル酸化合物(以下、化合物(5)と記載することもある。)と、一般式(6−1)で示される3,4−ジアルキルフェニルホウ素化合物(以下、化合物(6−1)と記載することもある)または一般式(6−2)で示される3,4−ジメチルフェニルホウ素化合物(以下、化合物(6−2)と記載することもある)とを反応させる。化合物(2)を製造するためには化合物(6−1)を用い、化合物(3)を製造するためには化合物(6−2)を用いる。(式中、R1及びR2は前記と同義であり、Xはハロゲン原子を示す。) (式中、R3、R4は前記と同義であり、Yはヒドロキシル基、または同一もしくは異なっていても良い直鎖状もしくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルコキシル基を示す。なお、これらのアルコキシル基の炭素は互いに結合して環を形成していても良い。) (式中、Yはヒドロキシル基、または同一もしくは異なっていても良い直鎖状もしくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルコキシル基を示す。なお、これらのアルコキシル基の炭素は互いに結合して環を形成していても良い。) 一般式(5)において、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示す。 前記3,4−ジアルキルフェニルホウ素化合物(化合物(6−1))または3,4−ジメチルフェニルホウ素化合物(化合物(6−2))の使用量は、4−ハロゲノフタル酸化合物(化合物(5))1モルに対して、好ましくは1.0〜1.5モル、更に好ましくは1.01〜1.3モル、特に好ましくは1.01〜1.1モルである。 本発明の方法(B)において使用する塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ金属酢酸塩;リチウムメトキシド、リチウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;フッ化セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム等のアルカリ金属ハロゲン化物が挙げられる。なお、これらの塩基は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記塩基の使用量は、4−ハロゲノフタル酸化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.5〜5モル、さらに好ましくは1〜2モルである。 本発明の方法(B)において使用するパラジウム触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。前記パラジウム触媒が、例えば、銅、ニッケル、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム等の後周期遷移金属を含んでいても良い。なお、これらのパラジウム触媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良く、又、予め反応系内で調製して使用しても良い。 前記パラジウム触媒の使用量は、4−ハロゲノフタル酸化合物1モルに対して、好ましくは0.001〜0.15モル、更に好ましくは0.01〜0.1モルである。 本発明の方法(B)における反応は溶媒の存在下で行うことが望ましく、使用する溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、水;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタノール、t−アミルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類が挙げられる。なお、これらの溶媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記溶媒の使用量は、4−ハロゲノフタル酸化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜10L、更に好ましくは1〜5Lである。 本発明の方法(B)は、例えば、4−ハロゲノフタル酸化合物、3,4−ジアルキルフェニルホウ素化合物または3,4−ジメチルフェニルホウ素化合物、塩基、パラジウム触媒及び溶媒を混合し、攪拌しながら反応させることにより行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは20〜100℃であり、反応圧力は、特に制限されないが、通常は大気圧である。 上記方法(A)又は方法(B)によって得られた3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物(化合物(2))または3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物(化合物(3))は、反応終了後、例えば、濾過、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって単離・精製される。 上記により得られた3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物、または、3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物は、後述するように、アルキル基またはメチル基を酸化することにより3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)、または、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸に誘導することができる。<化合物(1−1)の製造方法> 次に、一般式(2)または一般式(3)で示される化合物を用いて、化合物(1−1)を製造する方法について説明する。上述のとおり、化合物(1−1)は化合物(2)または化合物(3)を酸化する酸化工程を含む製造方法により得ることができる。この酸化工程においては、金属化合物及び酸化促進剤の存在下、化合物(2)または化合物(3)を分子状酸素で酸化する方法が好ましい。 本発明の酸化工程で使用する金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、銅、モリブデン及び鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が挙げられるが、好ましくはコバルト、マンガン及びジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が使用される。なお、金属化合物の形態としては、例えば、有機酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩等が挙げられるが、好ましくは酢酸塩、臭化物が使用される。これら金属化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。 前記金属化合物の使用量は、化合物(2)または化合物(3)1モルに対して、好ましくは0.001〜0.2モル、更に好ましくは0.005〜0.1モル、特に好ましくは0.01〜0.05モルである。金属化合物の使用量の範囲を前記範囲とすることにより、反応終了後の金属化合物の除去が容易となり、又、反応を十分に進行させることができる。 本発明の酸化工程で使用する酸化促進剤としては、例えば、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、臭化水素等の臭素化物;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、トリヒドロキシイソシアヌル酸、N−アセトキシフタル酸イミド、N−アセトキシコハク酸イミド等のイミド化合物が好ましい。ここで、イミド化合物のヒドロキシル基は保護されていても構わない。なお、これらの酸化促進剤は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記酸化促進剤の使用量は、化合物(2)または化合物(3)1モルに対して、好ましくは0.001〜1モル、更に好ましくは0.01〜0.5モル、特に好ましくは0.03〜0.3モルである。酸化促進剤の使用量を当該範囲とすることで、反応終了後の酸化促進剤の除去が容易となり、又、反応を十分に進行させることができる。更には、反応装置の腐食をも回避できる。 本発明の酸化工程において使用する分子状酸素は、特に限定されず、純粋な酸素を使用しても良く、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈された酸素を使用してもよいが、経済的な面から空気が好適に使用される。 本発明の酸化反応において、分子状酸素の使用量は、化合物(2)または化合物(3)1モルに対して、好ましくは2モル以上、更に好ましくは3〜10000モル、特に好ましくは6〜1000モルである。基質(化合物(2)または化合物(3))に対して過剰量の分子状酸素を用いることで、反応系内が酸素欠乏状態になるのを防ぎ、脱炭酸等の副反応を回避できる。 本発明の酸化工程は、好ましくは溶媒の存在下で行われる。使用される溶媒としては反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、低級脂肪族カルボン酸が挙げられ、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸等の炭素数が1〜4個の脂肪族カルボン酸、更に好ましくはギ酸、酢酸が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用することもでき、又、水溶液として使用しても良い。 前記溶媒の使用量は、化合物(2)または化合物(3)1gに対して、好ましくは1〜100g、より好ましくは2〜50g、更に好ましくは5〜30gである。 本発明の酸化工程においては、例えば、化合物(2)または化合物(3)と、金属化合物と、酸化促進剤と、溶媒とを混合し、化合物(2)または化合物(3)と分子状酸素(例えば、空気)とを接触させる等の方法によって行われる。酸素は、連続供給、逐次供給、一括供給等、様々な方法で反応系に導入することができる。その際の反応温度は、好ましくは20〜170℃、更に好ましくは80〜150℃であり、反応圧力は、好ましくは常圧〜5MPa、更に好ましくは0.3〜4MPaである。 本発明の酸化工程によって、3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)(化合物(1)または化合物(1−1))が得られる。反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィ−等の一般的な方法によって単離・精製することができる。 上記により得られた3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)は、更に加水分解することによってビフェニルテトラカルボン酸(s−BPTA)へ誘導でき、s−BPTAを脱水することによってビフェニルテトラカルボン酸無水物(s−BPDA)へ誘導することができる。 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、反応生成物の分析はガスクロマトグラフィー(FID検出器、内部標準法)により行った。<参考例1>(ランタン担持ゼオライト(以下、La/HY触媒と称する)の合成) H型Yゼオライト(東ソー製;HSZ−320HOA)5gをイオン交換水200mlに加えた懸濁液に、硝酸ランタン六水和物2gをイオン交換水100mlに溶解させた液を室温で滴下後、90℃で3時間攪拌した。攪拌終了後、遠心分離器で固体を分離し、イオン交換水45mlで5回洗浄した後に85℃で一晩乾燥させた。乾燥後、空気雰囲気にて、500℃で2時間焼成させた。得られた固体をICP(誘導結合プラズマ)で分析したところ、ランタン原子の含有率は5.6質量%であった。<参考例2>(3,4−ジカルボメトキシシクロヘキシル−3’,4’−ジメチルベンゼンの合成) 50mlガラス内挿管付SUS製オートクレーブのガラス内挿管にLa/HY触媒0.1g、オルトキシレン3g(28.3mmol)及びシクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸メチルエステル0.1g(0.5mmol)を加えた。当該オートクレーブを予め180℃に設定しておいたオイルバスに浸け、窒素雰囲気にて、2時間反応させた。反応終了後、反応器を水冷して圧力内ガスを開放し、反応液を分析したところ、3,4−ジカルボメトキシシクロヘキシル−3’,4’−ジメチルベンゼンが0.075g生成していた(シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸メチルエステル基準の反応収率;50%)。<実施例1>(3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルの合成(方法(A)) 参考例2で得られた反応液をロータリーエバポレーターにてオルトキシレンを留去、濃縮した。この濃縮液に10質量%Pd/C(キシダ化学製)0.03gを添加し、窒素雰囲気にて250℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を分析したところ、3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル0.03gが生成していた(反応収率;20%)。<実施例2−1>(3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルの合成(方法(B)) 攪拌装置、温度計及び還流冷却管を備えた三つ口の500mL丸底フラスコに、4−ブロモフタル酸ジメチル24.1g(88mmol)、3,4−ジメチルフェニルボロン酸14.5g(97mmol)及び炭酸カリウム24.4g(176mmol)を加え反応系内をアルゴン雰囲気とした。次いで、トルエン270mL、メタノール30mL及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム3.1g(4.4mmol)を加えた後、攪拌しながら80℃で4時間反応させた。 反応終了後、反応液を室温まで放冷してセライトで濾過した。濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、得られた粗生成物を熱メタノール100mLに溶解させて結晶を析出させ、白色固体として3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル23.6gを得た(単離収率;90%)。 なお、得られた3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。融点;92〜94℃1H−NMR(300MHz,CDCl3(δ(ppm));2.31(s,3H),2.33(s,3H),3.92(s,3H),3.94(s,3H),7.20〜7.39(m,3H),7.70〜7.88(m,3H)13C−NMR(75MHz,CDCl3(δ(ppm));19.4,19.8,52.5,52.6,124.4,126.9,128.2,128.9,129.2,129.6,130.2,133.0,136.4,137.1,137.2,144.3,167.5,168.4IR(KBr,cm−1);3448,3073,3030,2984,2946,2914,2860,1739,1714元素分析;炭素:72.36%,水素:5.97%(理論値(C18H18O4);炭素:72.47%、水素:6.08%)<実施例2−2>(R1=R2=R3=R4=メチル基;3,4−ジメチル−ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルの合成) 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた三つ口の500mL丸底フラスコに、4−ブロモフタル酸ジメチル24.1g(88mol)、3,4−ジメチルフェニルボロン酸14.5g(97mmol)及び炭酸カリウム24.4g(176mmol)を加え、反応系内をアルゴン雰囲気とした。次いで、トルエン270ml、メタノ−ル30ml及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム3.1g(4.4mmol)を加え、攪拌しながら80℃で4時間反応させた。 反応終了後、反応液を室温まで放冷した後にセライトで濾過し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製した後に濃縮した。得られた濃縮物を加熱したメタノ−ル100mlを用いて再結晶させ、白色固体として、3,4−ジメチル−ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル23.6gを得た(単離収率;90%)。 なお、3,4−ジメチル−ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルの物性値は以下の通りであった。融点:92〜94℃1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):2.31(s,3H),2.33(s,3H),3.92(s,3H),3.94(s,3H),7.20〜7.39(m,3H),7.70〜7.88(m,3H)13C−NMR(CDCl3,δ(ppm)):19.4,19.8,52.5,52.6,124.4,126.9,128.2,128.9,129.2,129.6,130.2,133.0,136.4,137.1,137.2,144.3,167.5,168.4IR(KBr,cm−1):3448,3073,3030,2984,2946,2914,2860,1739,1714.元素分析(C18H18O4):炭素;72.47%,水素;5.77%(計算値:炭素;72.47%、水素;6.08%)<実施例3−1>(3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸の合成) 実施例2−1と同様な方法で得られた3,4−ジメチルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル、酢酸コバルト四水和物、酢酸マンガン四水和物、N−ヒドロキシフタルイミド及び酢酸を混合し、空気雰囲気下(3MPa)、攪拌しながら150℃で5時間反応を行った。反応終了後、得られた反応液を分析したところ、3,4−ジカルボメトキシ-ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸を反応収率99%で得た。<実施例3−2>(R1=R2=メチル基、n=0;3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸及び3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸無水物の合成) 内容積100mLチタン製オートクレーブに、3,4−ジメチル−ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル2.98g(10mmol)、酢酸コバルト四水和物12.4mg(0.05mmol)、酢酸マンガン四水和物12.2mg(0.05mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(以下、NHPIと称する)163mg(1.0mmol)及び酢酸15mlを加え、空気雰囲気(内圧3MPa)にて、150℃で反応を開始した。反応開始1時間後、反応器を室温まで冷却し内ガスを開放した。そこへ先程と同量のNHPIを添加した後、150℃で反応を再開した。1時間後に再びこの一連の操作(冷却−開圧−添加−再加圧・加熱撹拌)を繰り返し、合計3時間反応を行った。 反応終了後、反応器を室温まで冷却して内ガスを開放した。得られた反応液から溶媒を留去し、そこへ酢酸エチルと水を加えて分液した後、酢酸エチル層を水で洗浄して金属化合物を除去した。 得られた有機層を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸が生成していた(反応収率;93%)。 更に前記有機層を濃縮した後、濃縮物を減圧下にて蒸留することにより、白色固体として、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸無水物2.37gを得た(単離収率;70%)。 なお、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸無水物は、以下の物性値で示される新規な化合物である。融点:200〜202℃1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):3.94(s,3H),3.95(s,3H),7.79〜8.22(m,6H)13C−NMR(CDCl3,δ(ppm)):52.8,53.0,124.1,126.4,127.9,129.8,130.1,130.5,132.4,132.5,133.2,134.8,140.8,147.3,162.2,162.4,167.2,167.3IR(顕微ATR法,cm−1):2958,1856,1832,1813,1773,1732,1719元素分析(C18H12O7):炭素;63.36%,水素;3.35%(計算値:炭素;63.53%、水素;3.55%)<実施例4>(R1=R2=メチル基、n=1;3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸1水和物の合成) 冷却管を備えた内容積100mlのナスフラスコに、実施例3−2と同様な方法で合成した3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸無水物5.10g(15mmol)及び水30mlを加え、攪拌しながら100℃で2時間反応させた。 反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した固体を濾過して水で洗浄した。得られた固体を乾燥させ、白色固体として、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸1水和物5.62gを得た(単離収率;99%)。 なお、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸1水和物は、以下の物性値で示される新規な化合物である。融点:114〜116℃1H−NMR(acetone−d6,δ(ppm)):3.899(s,3H),3.903(s,3H),7.89〜8.13(m,6H)13C−NMR(acetone−d6,δ(ppm)):52.9,53.0,128.2,128.3,130.2,130.5,130.7,130.8,132.3,133.1,134.3,134.9,142.3,142.8,167.9,168.2,168.3,168.6IR(顕微ATR法,cm−1):3535,3414,3163,2955,2638,2510,1731,1709,1669,1633元素分析(C18H14O8・H2O):炭素;57.42%,水素;4.10%(計算値:炭素;57.45%、水素;4.29%)<実施例5>(R1=R2=メチル基、n=1;3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸1水和物の合成) 内容積100mLチタン製オートクレーブに、3,4−ジメチル−ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル2.98g(10mmol)、酢酸コバルト四水和物12.4mg(0.05mmol)、酢酸マンガン四水和物12.2mg(0.05mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(以下、NHPIと称する)163mg(1.0mmol)及び酢酸15mlを加え、空気雰囲気(内圧3MPa)にて、150℃で反応を開始した。反応開始1時間後、反応器を室温まで冷却し内ガスを開放した。そこへ先程と同量のNHPIを添加した後、150℃で反応を再開した。1時間後に再びこの一連の操作(冷却−開圧−添加−再加圧・加熱撹拌)を繰り返し、合計3時間反応を行った。 反応終了後、反応液を室温まで冷却し、析出した固体を濾過した後にメタノ−ル/水で洗浄した。得られた濾物を乾燥させて、3,4−ジカルボメトキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸1水和物2.82gを得た(単離収率;75%)。<実施例6>(3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物の合成) 実施例3−1で得られた3,4−ジカルボメトキシ-ビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸と濃塩酸とを反応させ、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPTA)を得た。更に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を無水酢酸中で加熱しながら反応させ、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物(s−BPDA)を得た。 一般式(1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)。(式中、R11及びR12は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。) 一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物。(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。) 一般式(1−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)の製造方法であって、 一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸化合物、または一般式(3)で示される3,4−ジメチルビフェニルジカルボン酸化合物を酸化する工程(以下、酸化工程という)を含む製造方法。(式中、R1及びR2は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。) 前記酸化工程において、金属化合物及び酸化促進剤の存在下、分子状酸素で酸化する、請求項4記載の製造方法。 前期酸化促進剤が臭化物、ヒドロキシイミド化合物又はそれらの混合物である、請求項5記載の製造方法。 一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物の製造方法であって、 一般式(4−1)で示される3,4−ジカルボアルコキシシクロヘキシル−3’,4’−アルキルベンゼン化合物と金属触媒の存在下、脱水素反応させる製造方法。(式中、R1、R2、R3、R4は前記と同義である。) 一般式(2)で示される3,4−ジアルキルビフェニルジカルボン酸化合物の製造方法であって、 塩基及びパラジウム触媒の存在下、一般式(5)で示される4−ハロゲノフタル酸化合物と、一般式(6−1)で示される3,4−ジアルキルフェニルホウ素化合物とを反応させる製造方法。(式中、R1及びR2は前記と同義であり、Xはハロゲン原子を示す。)(式中、R3、R4は前記と同義であり、Yはヒドロキシル基、または同一もしくは異なっていても良い直鎖状もしくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルコキシル基を示す。なお、これらのアルコキシル基の炭素は互いに結合して環を形成していても良い。) 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはその無水物の製造における、一般式(1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)の使用。 本発明は、一般式(1)で示される3,4−ジカルボアルコキシビフェニル−3’,4’−ジカルボン酸(相当する酸無水物も含む)に関する。(式中、R11及びR12は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。nは水和水の数を示し、0又は1である。)