生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カキドオシを主原料とする頭髪用剤
出願番号:2011056753
年次:2012
IPC分類:A61K 36/53,A61K 8/97,A61Q 7/00,A61P 17/14


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杉山 俊博 永井 繁春 夏井 美幸 JP 2012193131 公開特許公報(A) 20121011 2011056753 20110315 カキドオシを主原料とする頭髪用剤 杉山 俊博 502020951 杉山 俊博 永井 繁春 夏井 美幸 A61K 36/53 20060101AFI20120914BHJP A61K 8/97 20060101ALI20120914BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20120914BHJP A61P 17/14 20060101ALI20120914BHJP JPA61K35/78 QA61K8/97A61Q7/00A61P17/14 2 6 OL 11 4C083 4C088 4C083AA111 4C083AA112 4C083CC37 4C083DD27 4C083EE12 4C083EE22 4C083FF01 4C088AB38 4C088AC05 4C088AC11 4C088CA04 4C088MA17 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA89 4C088ZB22 本発明は、発毛促進、育毛、薄毛・脱毛の予防、毛生促進、養毛や壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防とする発毛,育毛,増毛,養毛などに有効な頭髪用剤およびシャンプー・コンディショナーなどの毛・皮膚ケアー商品を提供する。 発毛等を促進する頭髪用剤としては、各種のものが知られている。国内での育毛剤・発毛剤の状況は次のようにまとめられる。 1)花王・ポーラ・資生堂・住友電工などでは毛をつくる細胞を直接刺激する物質を使う新タイプの育毛剤の開発をねらっている。エピモルフィン・FGF-5S・DHA・IL-1・TGFβ・βカテニンやリポ酸などが知られている。 2)武田薬品と藤沢薬品は、加齢による肥満・脱毛・性的不全向けの生活改善薬を共同開発している。市場規模1千億円といわれる第二の「バイアグラ」「リアップ」をねらったものである。 3)協和発酵はリンゴに含まれるポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」は毛母細胞を増殖させて活性化する働きを持つことを発見した。 4)育毛剤として、循環改善剤(ミノキシジル)・飲むタイプ育毛剤「プロペシア(フィナステリド)」ホルモン・DHA、IL-1・ハーブエキスなど合成化合物から天然抽出物まで種々である。大手3社が国内出荷額総額350億円の3分の2以上を占めている。 最近、非常に優れた発毛作用がある物質としてカキドオシ・エキスが着目されている。本発明の原料となるカキドオシ(しそ科カキドオシ属)は古くから生薬・薬草として利用され、開花時に採取したものを日陰干しにして、それを煎じて飲むことで前期の生薬・薬草の効果を得ていた。本発明は、ツルの成長が著しくなる開花後の成長期にあたるカキドオシを原料とするエキスから有機相と水相に分画し、なかでも水相画分の分子量3000未満に著しい発毛効果を持つことを見出し完成するに至ったものである。特許文献1(特開2003-171240号公報)には、カキドオシの抽出物(エキスに該当)が毛乳頭の増殖因子の発現を増加させる作用を奏することが記載されている(実施例1、表1)。また、この実施例の結果から、養毛や育毛の効果も期待できることが記載されているとの意見があった。特許文献1は、白髪予防改善剤及び毛髪有効成分のスクリーニング方法に係る発明に関するものである。白髪予防改善剤に含有される植物成分の中の1つの選択として、カキドオシが記載されている。実施例1および表1には、23種の植物について、それぞれ、毛包内で発現が知られている増殖因子に対する個別の影響が検討されている。解析に供した23種の植物のうち、カキドオシに着目すると、SCF(Stem cell factor)にのみ影響し、その他の因子には影響していないことが読み取れる。非特許文献1の記載の内容からは、カキドオシは、白髪防止に何らかの関連がありそうである、という程度にしか読み取れない。彼らのデータは白髪の予防効果を調べているのであり、メラノサイトの増殖に関する遺伝子を検討していますが、メラノサイトの増殖と毛髪の毛母細胞は違ったものである。彼らが記載しているSCFについて、これまで発表された論文をPubMedで「hair(毛)、follicle(毛包)」で検索したところ、18件の発表があった。 1) SCFは、造血幹細胞の表面に発現しているc-kitレセプターのリガンドであり、造血細胞の増殖・分化を促す膜結合型の増殖因子として知られている。 2)近年、ヒト組み替えSCFが生体内でヒトのマスト細胞と色素細胞の過形成と機能を亢進することを明らかにした。即時型アレルギーへの関与を始めとして、SCFの生体内作用に関する研究が進められている(非特許文献1、7、10)。 3)皮膚にのみSCFを発現させるトンラスジェニックマウスにおいて、肥満細胞の誘導とメラノサイトの増殖により、メラニン合成が増強されることが判明した(非特許文献2)。 4)抗KIT抗体を投与することによりMTTFやチロシナーゼの発現が消失して、その結果齧歯類の再生毛髪やヒト毛髪器官培養系において可逆的な脱色素が起きた(非特許文献3)。 5)SCFとその受容体c-kitは色素細胞の生存維持に不可欠である(非特許文献4〜6,8,9)。これらの論文によると、SCF-KITシグナル系は、色素細胞の増殖および色素沈着に深く関与することが記載されている。しかし、SCFが毛包細胞の増殖に及ぼす作用は報告されていない。また、毛包細胞内でSCFの遺伝子増幅が認められるという論文はみられない。特許文献引用文献1ではPCRによるSCFの増殖活性を検討しるが、PCRによる検査は微量のDNA分画を数十倍に増幅して検査するものであり、偽陽性が出やすい傾向にある。また、PCRで陽性となっても細胞、生体でのタンパクとして発現が認められなければ、活性はない。このデータだけでは遺伝子レベルでのSCFのDNA合成は増幅しているが、タンパクの発現は示されていない。ことから遺伝子の発現だけで生体での活性は判断できないと思われる。特許文献引用文献1の実施例1と表1には、23種の植物が列挙されている中の1つとして、カキドオシが記載されているにすぎず、さらに、インビトロでの解析の対象となっている増殖因子のうち、SCFのみに影響していることが示されているだけである。他の植物には、複数の増殖因子に作用しているものもあり(サンザシ、ヘパリノイド、クコシ、ジュクジオウ、イラクサなど)、これらと比較すると、SCFのみにしか作用していないカキドオシは、白髪防止に何らかの関連がある可能性があったとしても、特に優れたものとも見えず、わざわざこれらの中から単独に選択されるようなものではない。しかも、このSCFについては、従来、造血幹細胞の表面に発現しているc−kitレセプターのリガンドであり、造血細胞の増殖・分化を促す膜結合型の増殖因子として知られている。近年、メラニンの生産にSCFが深く関与すると考えられていることなどは報告されている(例えば、特許文献2(従来技術の項を始めとする各種文献))。このことは、特許文献1の本来の目的である白髪防止には合致している。従って、SCFについてのみ影響を与え得るカキドオシは、白髪防止という目的に結びつけられる可能性が否定はできない一方で、毛髪を増やす、という目的に使用できる、ということにはなっていない。特許文献1の「養毛や育毛の効果などの白髪予防改善以外の効果を期待して、これらの物質を増殖因子の発現増加剤として頭皮頭髪の外用剤に配合することも可能である」との記載は、カキドオシについての記載ではなく、むしろ、複数の増殖因子に作用している他の植物を指す、と考えるのが自然である。また、SCFにしか作用していないカキドオシが、「明らかにヒトの発毛剤としての効果がある。」という実際の生体における実施例について何も記載がない。したがって、特許文献1を見た当業者は、カキドオシを本願発明のような発毛剤として使用する、という発想は決して持ちえない。上記毛乳頭が、上皮細胞との相互作用により、発毛を促進させることは、例えば非特許文献11、および特許文献3−4に記載されており、当業者に周知のことであると言う意見がある。 1)非特許文献11の序論に「ほ乳類の皮膚においては、毛嚢の上皮系の細胞群が毛乳頭との相互作用を介して増殖、分化し最終的に毛を形成する。」と記載があるが、これはあくまで仮説であって科学的に証明されたものは未だない。本参考文献Aは毛根由来細胞にカツラの抽出物を添加して毛根由来細胞の増殖を促進したという結果に過ぎず、決して発毛形成を証明していない。 2)特許文献3(段落番号0006)「毛乳頭は毛包上皮細胞を増殖させ毛髪の分化伸長を促進する。本発明の養毛剤はこの毛乳頭を刺激し細胞増殖を促している。」とある。しかし、ヒト被験者頭部に当該植物由来の抽出物を散布して発毛感を調査したという実施例が挙げられているに過ぎない。この文献でも毛包細胞に直接作用して毛髪形成をしたという実施例はない。 3)特許文献4(段落番号0019)「休止期の毛包における毛芽を、毛乳頭との相互作用による活発な分裂増殖により毛母細胞に分化させ、新しい毛髪を生む段階に至らせる作用が認められることになる。」とあるが、実施例では当該薬剤をマウスに塗布して皮膚の黒化により発毛効果を観察したもので、決して細胞培養系で細胞間の相互作用を証明したものではない。本願発明者らは、カキドオシから得たエキスが、優れた発毛効果を有することを初めて見出し、特許を出願した(特許文献5)。本発明では、カキドオシの抽出物が、有機溶媒により分離後水相画分に含まれる分子量3000未満の抽出物であることを見いだし、本発明を完成したものである。特開2003-171240号公報特開2008-31091号公報特開2003-327511号公報特開2003-149230号公報特開2003-171240号公報J J Costa et al. J Exp Med 183:2681-2686.Takahiro Kunisada et al. J Exp Med 187:1565-1573.Hachiya A et al. J Pathol. 2009 May;218(1):30-39.Randall VA et al. J Endocrinol. 2008 Apr;197(1):11-23.Botchkareva NV et al. FASEB J. 2001 Mar;15(3):645-658.Yoshida H et al. J Investig Dermatol Symp Proc. 2001 Nov;6(1):1-5.Galli SJ et al. Am J Pathol. 1993 Apr;142(4):965-974.Hibberts NA et al. Biochem Biophys Res Commun. 1996, 15;222(2):401-405.Peters EM et al. J Histochem Cytochem. 2002 Jun;50(6):751-766.Kumamoto T et al. Blood. 2003 Sep 1;102(5):1654-160.日本農芸化学会誌, 2001年,Vol.75臨時増刊,p.252. 1982年からの推移は、日本人の推定薄毛人口は急速に拡大している。同年には推定620万人であったが、2004年には1293万人と2倍に膨らんだ。薄毛率は26.0%に達し、20歳以上の成人男性の4人に1人は薄毛ということになる。 本発明は、カキドオシ・エキスの水相画分は天然物由来であり、高い安全性・低コストで、発毛・育毛効果のある発毛剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。本発明はまた、壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防に有用である。発明はまた、シャンプー・コンディショナーなどの毛・皮膚ケアー商品となる。また、本発明の頭髪用剤は上記のエキスに加え必要に応じて、医薬品類、医薬部外品、化粧品類などの製剤に使用される成分や添加剤を任意に選択し併用することが出来る。 本発明によれば、カキドオシ・エキス水相画分が毛根細胞ないし毛母細胞に作用してそれらを活性化するため、優れた発毛効果を得ることができる。以上詳述したように、本発明により、男性型脱毛症の他、種々の原因により生じる薄毛や脱毛症に適用可能で、脱毛防止作用及び発毛,育毛作用が相乗的に向上し、且つ頭皮に対し安全性の高い頭部用外用剤を提供することができる。人におけるカキドオシ・エキスの発毛効果例人におけるカキドオシ・エキスの発毛効果マウスでのカキドオシ・エキスの発毛促進効果マウス毛包器官培養開花期及び成長期のカキドオシの毛包伸張度有機相画分と水相画分における発毛効果水相画分における有効成分の分子量検定SCFの発毛効果 以下に、製造例、試験例を上げて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。 本発明のカキドオシとは、シソ科カキドオシ属の植物であって、別名カンナリソウ、生薬名連銭草とも呼ばれている。 本発明でいう成長期とは、開花した後に落花し、ツルが伸びて葉が繁茂し始めるときから葉が枯れ始めるときまでをいう。 本発明の原料となるカキドオシの部位には特に制限はなく、葉、茎、根も含まれる。 本発明のエキスとは、成長期のカキドオシをそのまま或は粉砕後搾取したもの、又はそのまま或は粉砕後、溶媒で抽出したものである。抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、或はプロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒を、単独で或は2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することが出来る。 最初に、本実施例の頭髪用剤の抽出方法について説明する。 カキドオシ・エキスの調製は次の通りである。 1)朝早く水分の多い内にカキドオシを採取する。 2)カキドオシと雑草を1本づつより分け、根に付着している、土、砂を取り除く。 3)カキドオシを水洗いする。最初に土、砂を取り除く、その後4,5回 洗い枯葉、土、塵を取り除き洗い流す。カキドオシを2cm位に細かくきざみ、水をスプーン7杯(約30ml)に、きざんだカキドオシをミキサー(2L用)の回転出来る範囲で数回に分けて入れ撹絆(約1分)液を取り出す。液と粕に分けて粕を捨てる、1晩寝かせて翌朝まで待つ気泡が上に浮く。 4)翌朝気泡を静かに掻き混ぜ、気泡を少なくする。 5)翌日より毎日掻き混ぜて、適温にて分離を待つ(約1週間位、16度前後)。 6)分離後、上澄みを取って サラシ袋で濾過する。 7)更に底の沈殿物を取り除くため再度濾過する。 8)日数がたつに連れ上澄みの濁りが無くなる。 9)分離、濾過後、冷蔵庫にて保管する。この状態の溶液をカキドオシ原液と称する。 10)このカキドオシ原液に、ゴマ、焼酎を添加することにより濁りが除かれる。この工程は必須ではない。この状態の溶液をカキドオシ・エキスと称する。 11)カキドオシ原液にザクロ・ハマボウフウ、シソ、藤の抽出物を添加することも可能である。カキドオシ液成分の分離調製法脂溶性成分は、カキドオシ原液を、水飽和酢酸エチルで2回抽出し、抽出した酢酸エチル相を減圧下で除去し、得られた固体を、少量のメタノール、エタノールで溶解する。さらに水を加えて、抽出に使用した原液と同量に調整する。水溶性成分は、水飽和酢酸エチル抽出後の水相画分を凍結乾燥させて水を除き、もう一度原液と同量の水に溶解させる。本願発明者らは、カキドオシ原液、カキドオシ・エキスが、優れた発毛効果を有することを初めて見出し、特にそのうち、成長期のカキドオシが顕著な効果を発揮することに着目して、本発明を完成したものである。目的・方法:人におけるカキドオシ・エキスの発毛促進効果の臨床試験 現在までに、ボランティア45名によってカキドオシ使用による発毛効果確認試験を行った。ボランティアの被験者は全て、完全な脱毛状態の部位を頭部に持つ男性であった。実施例と同様にして得たカキドオシ・エキスを、毎日1回、5mlずつ頭部に塗布した。結果:1〜3年間以内に顕著改善〜やや改善が(35人中33人)95%、つまり外観での評価に改善が見られた。発毛効果のあった1例を図1に示す。被験者の約3分の2の被験者が「塗布前に比較して髪の毛が太くなった。抜け毛が少なくなった。」という実感をもった。全員が何らかの効果が見られ、そのうち2人は1年間の使用で約40%回復した。安全性上の問題は全く見られなかった。アンケートの結果を図2に示す。目的・方法:脱毛マウスを用いた実験において、1%カキドオシ・エキスを14日間塗布した。結果:コントロール(生食)と比べて明らかに発毛を促進した(図3)。目的:毛包器官培養系での発毛促進効果試験方法:GFPマウスの頬部分の皮膚を切り取り、頬髭の根元から上部を切り除き、皮膚の裏側から毛包を周囲の組織を付着させたまま切り離し採取した(図4)。目的・方法:マウス頬髯器官培養法を用いて、開花期(乾燥品水抽出成分)・成長期(乾燥品水抽出成分)のカキドオシの毛包伸張度を測定した。この毛包器官培養系にカキドオシ原液を添加して、4日目の頬髯の伸張を測定した。コントロールは、培地のみ、開花期は、開花期カキドオシ水抽出成分1%と培地、成長期は、成長期カキドオシ水抽出成分1%と培地からなる。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数は成長期のカキドオシ水抽出成分の方は13本に対して開花期のそれは5本で、2.6倍多くなった。この結果、開花期よりは成長期のカキドオシの方が強い発毛効果があることが分かった(図5)。目的・方法:毛包培養系に1%カキドオシ原液、1%カキドオシ水相画分、及び1%有機相画分を添加した。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数はカキドオシ原液5本(13%)、水相画分10本(25%)、及び有機相画分6本(14%)であった。水相画分は、カキドオシ原液又は有機相画分に対して約2倍の伸張効果が観察された。この結果、発毛促進成分は水相画分に多く存在することが判明した。(図6)。目的・方法:先に見いだした水相画分をさらに限外濾過法により有効成分を分析した。スピンカラムにより分子量3000以上と3000未満の2分画を得た。マウス頬髯器官培養法を用いて、分子量3000以上と3000未満の2分画の毛包伸張度を測定した。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数は分子量3000未満の画分では14本に対して分子量3000以上の画分のそれは9本で、1.6倍多くなった。この結果、発毛促進成分は分子量3000未満の水溶性画分に多く存在することが判明した。(図7)。目的:SCFのマウスでの発毛作用SCFしか作用していないカキドオシが、「明らかにヒトの発毛剤としての効果がある。」という実際の生体における実施例について何も記載がない。そこで、発毛効果を科学的に評価する「毛包器官培養法」を用いてSCFのマウスでの発毛作用を検証した。実験方法:マウス(♂ 5週齢)4匹から摘出した髭毛包64本を無作為に選び、毛包器官培養実験に使用しました。50ngSCFを毛包培養系に添加して、4日後、髭の伸張を計測した。結果:図8において、緑線は50ngSCF添加、そして青線はコントロールである。毛包器官培養実験系でのSCFの髭伸張度は1mm伸張した髭の数はコントロール8本に対して7本で、明らかに伸張効果はみられませんでした。かえってSCFは髭の伸張を抑制していることが判明した。以上示した通り、本発明のカキドオシ・エキスを含有する発毛剤は、このように、極めて優れた発毛効果を示す。1.発毛促進、育毛、薄毛・脱毛の予防、毛生促進、養毛2. 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防これまでの基礎研究や臨床治験から、カキドオシ・エキス育毛剤は各社の主力商品と比較すると、1.男性・女性にも有効2.外傷・医原性脱毛に有効3.高い有効性4.天然物由来であり、高い安全性という点で十分差別化できる。成長期のカキドオシの葉、茎、根のエキスを有機溶媒により分離後水相画分に含まれる抽出物を含有して成る、頭部用外用剤。カキドオシの抽出物が、有機溶媒により分離後水相画分に含まれる分子量3000未満の抽出物であることを特徴とする、請求項1に記載の頭部用外用剤。 【課題】種々の原因により生じる薄毛や脱毛症に適用可能で、脱毛防止作用及び発毛,育毛作用が相乗的に向上し、且つ頭皮に対し安全性の高い頭部用外用剤を提供する。【解決手段】本発明は、カキドオシ・エキスの水相画分は天然物由来であり、高い安全性・低コストで、発毛・育毛効果ある発毛剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。本発明はまた、壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防に有用である。発明はまた、シャンプー・コンディショナーなどの毛・皮膚ケアー商品となる。また、本発明の頭髪用剤は上記のエキスに加え必要に応じて、医薬品類、医薬部外品、化粧品類などの製剤に使用される成分や添加剤を任意に選択し併用することが出来る。【選択図】図6


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特許公報(B2)_カキドオシを主原料とする頭髪用剤

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タイトル:特許公報(B2)_カキドオシを主原料とする頭髪用剤
出願番号:2011056753
年次:2013
IPC分類:A61K 36/53,A61K 8/97,A61Q 7/00,A61P 17/14


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杉山 俊博 永井 繁春 夏井 美幸 JP 5146789 特許公報(B2) 20121207 2011056753 20110315 カキドオシを主原料とする頭髪用剤 杉山 俊博 502020951 杉山 俊博 永井 繁春 夏井 美幸 20130220 A61K 36/53 20060101AFI20130131BHJP A61K 8/97 20060101ALI20130131BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20130131BHJP A61P 17/14 20060101ALI20130131BHJP JPA61K35/78 QA61K8/97A61Q7/00A61P17/14 A61K 36/53 A61K 8/97 A61P 17/14 A61Q 7/00 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開2009−114165(JP,A) 特開2006−104187(JP,A) 特開2003−171240(JP,A) 特開2000−143488(JP,A) 角田利枝 他,カキドオシの化学成分(第3報)フェノ-ル配糖体の化学構造について ,日本薬学会年会要旨集,2008年,Vol.128th,No.2,Page.97 野原稔弘 他,連銭草の成分研究(2) ,日本生薬学会年会講演要旨集,2008年,Vol.55th,Page.72 YAMAUCHI Hirotsugu et al,Two New Glycosides from the Whole Plants of Glechoma hederacea L. ,Chem Pharm Bull ,Vol.55,No.2,Page.346-347 山崎律 他,連銭草の薬理と化学成分の研究(1) ,日本薬学会年会要旨集,2008年,Vol.128th,No.2,Page.71 2 2012193131 20121011 11 20120615 鶴見 秀紀 本発明は、発毛促進、育毛、薄毛・脱毛の予防、毛生促進、養毛や壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防とする発毛,育毛,増毛,養毛などに有効な頭髪用剤およびシャンプー・コンディショナーなどの毛・皮膚ケアー商品を提供する。 発毛等を促進する頭髪用剤としては、各種のものが知られている。国内での育毛剤・発毛剤の状況は次のようにまとめられる。 1)花王・ポーラ・資生堂・住友電工などでは毛をつくる細胞を直接刺激する物質を使う新タイプの育毛剤の開発をねらっている。エピモルフィン・FGF-5S・DHA・IL-1・TGFβ・βカテニンやリポ酸などが知られている。 2)武田薬品と藤沢薬品は、加齢による肥満・脱毛・性的不全向けの生活改善薬を共同開発している。市場規模1千億円といわれる第二の「バイアグラ」「リアップ」をねらったものである。 3)協和発酵はリンゴに含まれるポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」は毛母細胞を増殖させて活性化する働きを持つことを発見した。 4)育毛剤として、循環改善剤(ミノキシジル)・飲むタイプ育毛剤「プロペシア(フィナステリド)」ホルモン・DHA、IL-1・ハーブエキスなど合成化合物から天然抽出物まで種々である。大手3社が国内出荷額総額350億円の3分の2以上を占めている。 最近、非常に優れた発毛作用がある物質としてカキドオシ・エキスが着目されている。本発明の原料となるカキドオシ(しそ科カキドオシ属)は古くから生薬・薬草として利用され、開花時に採取したものを日陰干しにして、それを煎じて飲むことで前期の生薬・薬草の効果を得ていた。本発明は、ツルの成長が著しくなる開花後の成長期にあたるカキドオシを原料とするエキスから有機相と水相に分画し、なかでも水相画分の分子量3000未満に著しい発毛効果を持つことを見出し完成するに至ったものである。特許文献1(特開2003-171240号公報)には、カキドオシの抽出物(エキスに該当)が毛乳頭の増殖因子の発現を増加させる作用を奏することが記載されている(実施例1、表1)。また、この実施例の結果から、養毛や育毛の効果も期待できることが記載されているとの意見があった。特許文献1は、白髪予防改善剤及び毛髪有効成分のスクリーニング方法に係る発明に関するものである。白髪予防改善剤に含有される植物成分の中の1つの選択として、カキドオシが記載されている。実施例1および表1には、23種の植物について、それぞれ、毛包内で発現が知られている増殖因子に対する個別の影響が検討されている。解析に供した23種の植物のうち、カキドオシに着目すると、SCF(Stem cell factor)にのみ影響し、その他の因子には影響していないことが読み取れる。非特許文献1の記載の内容からは、カキドオシは、白髪防止に何らかの関連がありそうである、という程度にしか読み取れない。彼らのデータは白髪の予防効果を調べているのであり、メラノサイトの増殖に関する遺伝子を検討していますが、メラノサイトの増殖と毛髪の毛母細胞は違ったものである。彼らが記載しているSCFについて、これまで発表された論文をPubMedで「hair(毛)、follicle(毛包)」で検索したところ、18件の発表があった。 1) SCFは、造血幹細胞の表面に発現しているc-kitレセプターのリガンドであり、造血細胞の増殖・分化を促す膜結合型の増殖因子として知られている。 2)近年、ヒト組み替えSCFが生体内でヒトのマスト細胞と色素細胞の過形成と機能を亢進することを明らかにした。即時型アレルギーへの関与を始めとして、SCFの生体内作用に関する研究が進められている(非特許文献1、7、10)。 3)皮膚にのみSCFを発現させるトンラスジェニックマウスにおいて、肥満細胞の誘導とメラノサイトの増殖により、メラニン合成が増強されることが判明した(非特許文献2)。 4)抗KIT抗体を投与することによりMTTFやチロシナーゼの発現が消失して、その結果齧歯類の再生毛髪やヒト毛髪器官培養系において可逆的な脱色素が起きた(非特許文献3)。 5)SCFとその受容体c-kitは色素細胞の生存維持に不可欠である(非特許文献4〜6,8,9)。これらの論文によると、SCF-KITシグナル系は、色素細胞の増殖および色素沈着に深く関与することが記載されている。しかし、SCFが毛包細胞の増殖に及ぼす作用は報告されていない。また、毛包細胞内でSCFの遺伝子増幅が認められるという論文はみられない。特許文献引用文献1ではPCRによるSCFの増殖活性を検討しるが、PCRによる検査は微量のDNA分画を数十倍に増幅して検査するものであり、偽陽性が出やすい傾向にある。また、PCRで陽性となっても細胞、生体でのタンパクとして発現が認められなければ、活性はない。このデータだけでは遺伝子レベルでのSCFのDNA合成は増幅しているが、タンパクの発現は示されていない。ことから遺伝子の発現だけで生体での活性は判断できないと思われる。特許文献引用文献1の実施例1と表1には、23種の植物が列挙されている中の1つとして、カキドオシが記載されているにすぎず、さらに、インビトロでの解析の対象となっている増殖因子のうち、SCFのみに影響していることが示されているだけである。他の植物には、複数の増殖因子に作用しているものもあり(サンザシ、ヘパリノイド、クコシ、ジュクジオウ、イラクサなど)、これらと比較すると、SCFのみにしか作用していないカキドオシは、白髪防止に何らかの関連がある可能性があったとしても、特に優れたものとも見えず、わざわざこれらの中から単独に選択されるようなものではない。しかも、このSCFについては、従来、造血幹細胞の表面に発現しているc−kitレセプターのリガンドであり、造血細胞の増殖・分化を促す膜結合型の増殖因子として知られている。近年、メラニンの生産にSCFが深く関与すると考えられていることなどは報告されている(例えば、特許文献2(従来技術の項を始めとする各種文献))。このことは、特許文献1の本来の目的である白髪防止には合致している。従って、SCFについてのみ影響を与え得るカキドオシは、白髪防止という目的に結びつけられる可能性が否定はできない一方で、毛髪を増やす、という目的に使用できる、ということにはなっていない。特許文献1の「養毛や育毛の効果などの白髪予防改善以外の効果を期待して、これらの物質を増殖因子の発現増加剤として頭皮頭髪の外用剤に配合することも可能である」との記載は、カキドオシについての記載ではなく、むしろ、複数の増殖因子に作用している他の植物を指す、と考えるのが自然である。また、SCFにしか作用していないカキドオシが、「明らかにヒトの発毛剤としての効果がある。」という実際の生体における実施例について何も記載がない。したがって、特許文献1を見た当業者は、カキドオシを本願発明のような発毛剤として使用する、という発想は決して持ちえない。上記毛乳頭が、上皮細胞との相互作用により、発毛を促進させることは、例えば非特許文献11、および特許文献3−4に記載されており、当業者に周知のことであると言う意見がある。 1)非特許文献11の序論に「ほ乳類の皮膚においては、毛嚢の上皮系の細胞群が毛乳頭との相互作用を介して増殖、分化し最終的に毛を形成する。」と記載があるが、これはあくまで仮説であって科学的に証明されたものは未だない。本参考文献Aは毛根由来細胞にカツラの抽出物を添加して毛根由来細胞の増殖を促進したという結果に過ぎず、決して発毛形成を証明していない。 2)特許文献3(段落番号0006)「毛乳頭は毛包上皮細胞を増殖させ毛髪の分化伸長を促進する。本発明の養毛剤はこの毛乳頭を刺激し細胞増殖を促している。」とある。しかし、ヒト被験者頭部に当該植物由来の抽出物を散布して発毛感を調査したという実施例が挙げられているに過ぎない。この文献でも毛包細胞に直接作用して毛髪形成をしたという実施例はない。 3)特許文献4(段落番号0019)「休止期の毛包における毛芽を、毛乳頭との相互作用による活発な分裂増殖により毛母細胞に分化させ、新しい毛髪を生む段階に至らせる作用が認められることになる。」とあるが、実施例では当該薬剤をマウスに塗布して皮膚の黒化により発毛効果を観察したもので、決して細胞培養系で細胞間の相互作用を証明したものではない。本願発明者らは、カキドオシから得たエキスが、優れた発毛効果を有することを初めて見出し、特許を出願した(特許文献5)。本発明では、カキドオシの抽出物が、有機溶媒により分離後水相画分に含まれる分子量3000未満の抽出物であることを見いだし、本発明を完成したものである。特開2003-171240号公報特開2008-31091号公報特開2003-327511号公報特開2003-149230号公報特開2003-171240号公報J J Costa et al. J Exp Med 183:2681-2686.Takahiro Kunisada et al. J Exp Med 187:1565-1573.Hachiya A et al. J Pathol. 2009 May;218(1):30-39.Randall VA et al. J Endocrinol. 2008 Apr;197(1):11-23.Botchkareva NV et al. FASEB J. 2001 Mar;15(3):645-658.Yoshida H et al. J Investig Dermatol Symp Proc. 2001 Nov;6(1):1-5.Galli SJ et al. Am J Pathol. 1993 Apr;142(4):965-974.Hibberts NA et al. Biochem Biophys Res Commun. 1996, 15;222(2):401-405.Peters EM et al. J Histochem Cytochem. 2002 Jun;50(6):751-766.Kumamoto T et al. Blood. 2003 Sep 1;102(5):1654-160.日本農芸化学会誌, 2001年,Vol.75臨時増刊,p.252. 1982年からの推移は、日本人の推定薄毛人口は急速に拡大している。同年には推定620万人であったが、2004年には1293万人と2倍に膨らんだ。薄毛率は26.0%に達し、20歳以上の成人男性の4人に1人は薄毛ということになる。 本発明は、カキドオシ・エキスの水相画分は天然物由来であり、高い安全性・低コストで、発毛・育毛効果のある発毛剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。本発明はまた、壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防に有用である。発明はまた、シャンプー・コンディショナーなどの毛・皮膚ケアー商品となる。また、本発明の頭髪用剤は上記のエキスに加え必要に応じて、医薬品類、医薬部外品、化粧品類などの製剤に使用される成分や添加剤を任意に選択し併用することが出来る。 本発明によれば、カキドオシ・エキス水相画分が毛根細胞ないし毛母細胞に作用してそれらを活性化するため、優れた発毛効果を得ることができる。以上詳述したように、本発明により、男性型脱毛症の他、種々の原因により生じる薄毛や脱毛症に適用可能で、脱毛防止作用及び発毛,育毛作用が相乗的に向上し、且つ頭皮に対し安全性の高い頭部用外用剤を提供することができる。人におけるカキドオシ・エキスの発毛効果例人におけるカキドオシ・エキスの発毛効果マウスでのカキドオシ・エキスの発毛促進効果マウス毛包器官培養開花期及び成長期のカキドオシの毛包伸張度有機相画分と水相画分における発毛効果水相画分における有効成分の分子量検定SCFの発毛効果 以下に、製造例、試験例を上げて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。 本発明のカキドオシとは、シソ科カキドオシ属の植物であって、別名カンナリソウ、生薬名連銭草とも呼ばれている。 本発明でいう成長期とは、開花した後に落花し、ツルが伸びて葉が繁茂し始めるときから葉が枯れ始めるときまでをいう。 本発明の原料となるカキドオシの部位には特に制限はなく、葉、茎、根も含まれる。 本発明のエキスとは、成長期のカキドオシをそのまま或は粉砕後搾取したもの、又はそのまま或は粉砕後、溶媒で抽出したものである。抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、或はプロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒を、単独で或は2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することが出来る。 最初に、本実施例の頭髪用剤の抽出方法について説明する。 カキドオシ・エキスの調製は次の通りである。 1)朝早く水分の多い内にカキドオシを採取する。 2)カキドオシと雑草を1本づつより分け、根に付着している、土、砂を取り除く。 3)カキドオシを水洗いする。最初に土、砂を取り除く、その後4,5回 洗い枯葉、土、塵を取り除き洗い流す。カキドオシを2cm位に細かくきざみ、水をスプーン7杯(約30ml)に、きざんだカキドオシをミキサー(2L用)の回転出来る範囲で数回に分けて入れ撹絆(約1分)液を取り出す。液と粕に分けて粕を捨てる、1晩寝かせて翌朝まで待つ気泡が上に浮く。 4)翌朝気泡を静かに掻き混ぜ、気泡を少なくする。 5)翌日より毎日掻き混ぜて、適温にて分離を待つ(約1週間位、16度前後)。 6)分離後、上澄みを取って サラシ袋で濾過する。 7)更に底の沈殿物を取り除くため再度濾過する。 8)日数がたつに連れ上澄みの濁りが無くなる。 9)分離、濾過後、冷蔵庫にて保管する。この状態の溶液をカキドオシ原液と称する。 10)このカキドオシ原液に、ゴマ、焼酎を添加することにより濁りが除かれる。この工程は必須ではない。この状態の溶液をカキドオシ・エキスと称する。 11)カキドオシ原液にザクロ・ハマボウフウ、シソ、藤の抽出物を添加することも可能である。カキドオシ液成分の分離調製法脂溶性成分は、カキドオシ原液を、水飽和酢酸エチルで2回抽出し、抽出した酢酸エチル相を減圧下で除去し、得られた固体を、少量のメタノール、エタノールで溶解する。さらに水を加えて、抽出に使用した原液と同量に調整する。水溶性成分は、水飽和酢酸エチル抽出後の水相画分を凍結乾燥させて水を除き、もう一度原液と同量の水に溶解させる。本願発明者らは、カキドオシ原液、カキドオシ・エキスが、優れた発毛効果を有することを初めて見出し、特にそのうち、成長期のカキドオシが顕著な効果を発揮することに着目して、本発明を完成したものである。目的・方法:人におけるカキドオシ・エキスの発毛促進効果の臨床試験 現在までに、ボランティア45名によってカキドオシ使用による発毛効果確認試験を行った。ボランティアの被験者は全て、完全な脱毛状態の部位を頭部に持つ男性であった。実施例と同様にして得たカキドオシ・エキスを、毎日1回、5mlずつ頭部に塗布した。結果:1〜3年間以内に顕著改善〜やや改善が(35人中33人)95%、つまり外観での評価に改善が見られた。発毛効果のあった1例を図1に示す。被験者の約3分の2の被験者が「塗布前に比較して髪の毛が太くなった。抜け毛が少なくなった。」という実感をもった。全員が何らかの効果が見られ、そのうち2人は1年間の使用で約40%回復した。安全性上の問題は全く見られなかった。アンケートの結果を図2に示す。目的・方法:脱毛マウスを用いた実験において、1%カキドオシ・エキスを14日間塗布した。結果:コントロール(生食)と比べて明らかに発毛を促進した(図3)。目的:毛包器官培養系での発毛促進効果試験方法:GFPマウスの頬部分の皮膚を切り取り、頬髭の根元から上部を切り除き、皮膚の裏側から毛包を周囲の組織を付着させたまま切り離し採取した(図4)。目的・方法:マウス頬髯器官培養法を用いて、開花期(乾燥品水抽出成分)・成長期(乾燥品水抽出成分)のカキドオシの毛包伸張度を測定した。この毛包器官培養系にカキドオシ原液を添加して、4日目の頬髯の伸張を測定した。コントロールは、培地のみ、開花期は、開花期カキドオシ水抽出成分1%と培地、成長期は、成長期カキドオシ水抽出成分1%と培地からなる。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数は成長期のカキドオシ水抽出成分の方は13本に対して開花期のそれは5本で、2.6倍多くなった。この結果、開花期よりは成長期のカキドオシの方が強い発毛効果があることが分かった(図5)。目的・方法:毛包培養系に1%カキドオシ原液、1%カキドオシ水相画分、及び1%有機相画分を添加した。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数はカキドオシ原液5本(13%)、水相画分10本(25%)、及び有機相画分6本(14%)であった。水相画分は、カキドオシ原液又は有機相画分に対して約2倍の伸張効果が観察された。この結果、発毛促進成分は水相画分に多く存在することが判明した。(図6)。目的・方法:先に見いだした水相画分をさらに限外濾過法により有効成分を分析した。スピンカラムにより分子量3000以上と3000未満の2分画を得た。マウス頬髯器官培養法を用いて、分子量3000以上と3000未満の2分画の毛包伸張度を測定した。結果:髭が1.0mm以上伸張した毛包の数は分子量3000未満の画分では14本に対して分子量3000以上の画分のそれは9本で、1.6倍多くなった。この結果、発毛促進成分は分子量3000未満の水溶性画分に多く存在することが判明した。(図7)。目的:SCFのマウスでの発毛作用SCFしか作用していないカキドオシが、「明らかにヒトの発毛剤としての効果がある。」という実際の生体における実施例について何も記載がない。そこで、発毛効果を科学的に評価する「毛包器官培養法」を用いてSCFのマウスでの発毛作用を検証した。実験方法:マウス(♂ 5週齢)4匹から摘出した髭毛包64本を無作為に選び、毛包器官培養実験に使用しました。50ngSCFを毛包培養系に添加して、4日後、髭の伸張を計測した。結果:図8において、緑線は50ngSCF添加、そして青線はコントロールである。毛包器官培養実験系でのSCFの髭伸張度は1mm伸張した髭の数はコントロール8本に対して7本で、明らかに伸張効果はみられませんでした。かえってSCFは髭の伸張を抑制していることが判明した。以上示した通り、本発明のカキドオシ・エキスを含有する発毛剤は、このように、極めて優れた発毛効果を示す。1.発毛促進、育毛、薄毛・脱毛の予防、毛生促進、養毛2. 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防これまでの基礎研究や臨床治験から、カキドオシ・エキス育毛剤は各社の主力商品と比較すると、1.男性・女性にも有効2.外傷・医原性脱毛に有効3.高い有効性4.天然物由来であり、高い安全性という点で十分差別化できる。成長期のカキドオシの葉、茎、根を水により抽出したエキスを有機溶媒により分離後水相画分に含まれる分子量3000未満の抽出物を含有して成る、頭部用外用剤。 前記有機溶媒が酢酸エチルであることを特徴とする、請求項1に記載の頭部用外用剤。


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