タイトル: | 公開特許公報(A)_プロテオグリカンの製造方法 |
出願番号: | 2011055916 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07K 1/14 |
澤田 重美 JP 2012176925 公開特許公報(A) 20120913 2011055916 20110225 プロテオグリカンの製造方法 澤田 重美 598040020 澤田 重美 C07K 1/14 20060101AFI20120817BHJP JPC07K1/14 6 2 書面 8 4H045 4H045AA20 4H045BA53 4H045CA40 4H045CA50 4H045EA01 4H045EA15 4H045EA20 4H045FA71 4H045GA01 4H045GA10 4H045GA15 本発明は、医薬品原料、医療用品材料、化粧品原料、食品材料、工業用材料等として有用なプロテオグリカンを含有する生物学的試料、例えば魚類、軟体動物、鳥類及び哺乳類の軟骨組織から抽出し、製造する方法に関する。 従来のプロテオグリカンの製造方法には、鮭の鼻軟骨等の生物学的試料から脱脂処理後、プロテオグリカンをイオン交換樹脂に選択的に吸着させて分離精製する方法(特許文献1参照)がある。また、プロテオグリカンの抽出溶媒として酢酸を用いる方法(特許文献2参照)がある。また、プロテオグリカンの抽出溶媒として無機のアルカリ水溶液を用いる方法(特許文献3)がある。 特開2001−172296号公報特許3731150特許4219974 本発明は、魚類、軟体動物、鳥類又は哺乳類、特にそれらの廃棄部位から低コストで経口摂取可能なプロテオグリカンを効率的に製造する方法の開発を課題とするものである。 本発明者らは、製薬業界や清涼飲料業界で使用される酸素系殺菌剤を一定濃度で使用することで、原料の殺菌と同時に、糖タンパク質複合体であるプロテオグリカンを効率よく生物学的試料から回収することができることを見出し、下記の各発明を完成した。(1)プロテオグリカンを含有する生物学的試料を酸素系殺菌剤に浸漬する工程、並びに浸漬後の溶液を回収する工程を含む、プロテオグリカンの製造方法。(2)回収した溶液からプロテオグリカンを分離する工程をさらに含む、(1)に記載の製造方法。(3)酸素系殺菌剤が過酢酸製剤の溶液である、(1)又は(2)に記載の製造方法。(4)過酢酸製剤溶液の組成が、過酢酸5×10−5〜1重量%、過酸化水素5×10−5〜1重量%、酢酸3×10−5〜2重量%である(1)〜(3)の製造方法(5)プロテオグリカンを含有する生物学的試料が、魚類、軟体動物、鳥類若しくは哺乳類の軟骨組織、又は皮である、(1)〜(3)の何れかに記載の製造方法。(6)プロテオグリカンを含有する生物学的試料が、魚類の軟骨組織である、(4)に記載の製造方法。 過酢酸は海外、特に北米ではすでに食品添加物に認定されており、野菜・果物や食肉に直接作用され、微生物制御に定期要している事例もある。製造装置、製造環境や容器包装等の殺菌方法については、種々の殺菌方法が存在するが、なかでも過酸化水素や過酢酸製剤等の酸素系殺菌剤を用いる方法は、微生物に対する殺菌効果が非常に強いのが特徴である。特に過酢酸は、芽包菌を含む細菌、真菌(カビ・酵母)及びウイルスに対して幅広い殺菌性を示し、俗説では過酸化水素の100〜200倍の殺菌力があると言われている。 プロテオグリカンの製造プロセスは、コア蛋白質の変性を防ぐため、加熱殺菌する工程を入れることができない。このため、抽出原料をいかに無菌の状態にするかが工程の衛生管理の重要なポイントとなってくる。過酢酸を抽出溶媒とすることで、抽出工程が殺菌工程の役割を果たし、なおかつタンパク質を変性させずに効率良くプロテオグリカンを抽出する事が出来るので、通常、加熱殺菌プロセスを入れることのできないプロテオグリカン製造プロセスの衛生管理を容易に維持する事が可能である。なお、抽出溶媒温度は、4〜15℃程度が望ましい。 一定条件下で過酢酸を用いて生物学的試料から抽出したプロテオグリカンは、精製前から非常に純度の高いプロテオグリカンを得ることが出来る。(図2参照)液体クロマトグラフィ−によるゲル濾過法で分子量分布を分析すると、非常にシャープな単一ピークを得ることが出来る。既に公開されている特許4219974号のアルカリ抽出法により抽出したプロテオグリカンの分子量分布は、メインピークであるプロテオグリカンの130万Dalton以外に6〜8万Dalton付近にも5〜15重量%程度の分子量分布を持つピークが検出されることが確認されている。これはプロテオグリカンの骨格の一部であるコンドロイチン硫酸のピークであり、部分的に分解が生じていることが判る。医薬品の一次原料を目指す場合、一般的に複数の分子量分布を持つことは好ましくないと言われており、過酢酸により抽出したプロテオグリカンは、医薬品一次原料にもなりうる分子量分布と純度を兼ね備えたプロテオグリカンであり、精製プロセスを容易に構築する事が可能である。 過酢酸を抽出溶媒とすることで、抽出工程が殺菌工程の役割を果たし、なおかつタンパク質を変性させずに効率良くプロテオグリカンを抽出する事が出来る。 過酢酸により抽出したプロテオグリカンは、医薬品一次原料にもなりうる単一ビークの分子量分布と純度の高さを兼ね備えており、精製プロセスを容易に構築する事が可能である。 過酢酸製剤、苛性ソーダならびに酢酸を用いたときのウロン酸量(プロテオグリカン量)の回収量の比較を示す図である。過酢酸製剤、苛性ソーダならびに酢酸を用いたときのコンドロイチン硫酸(プロテオグリカン)の純度の比較を示す図である。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 −40℃で冷凍保管したシロサケの頭部から摘出した鼻軟骨を電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものを100g用意し、出発原料とした。2Lの抽出用容器にあらかじめ4℃に冷却しておいた蒸留水799.92gを入れ、さらに過酢酸製剤0.08gを投入し、総量800gの過酢酸水溶液を準備した。この抽出用容器に出発原料100.00gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、24時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液を凍結し、真空凍結乾燥した後、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、100.00gの出発原料から、換算値でその2.2%に相当する2.2gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量(図1参照)してプロテオグリカン量を計算した。さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質25.0%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)72.2%、脂質0.05%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが72.2%であることから計算して、純度は約77.3%(CS×1.07)と推定(図2参照)される。またプロテオグリカンの重量平均分子量は約129万Daであった。 −40℃で冷凍保管したシロサケの頭部から摘出した鼻軟骨を電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものをアセトンに浸漬し、鼻軟骨から脱脂及び脱水を行った。処理後の鼻軟骨を減圧乾燥したもの12.00gを出発原料とした。3Lの抽出用容器にあらかじめ10℃に冷却しておいた蒸留水1678.3gを入れ、さらに液状の過酢酸製剤(三菱ガス化学:ダイヤパワー)1.68gを投入し、総量1680g(0.1%)の過酢酸製剤溶液を準備した。この抽出容器に出発原料12.00gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、48時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液を凍結し、真空凍結乾燥した後、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、12gの出発原料から、換算値でその32%に相当する3.84gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量してプロテオグリカン量を計算した。 さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質16.0%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)83.2%、脂質0.05%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが83.2%であることから計算して、純度は約89%と推定される。またプロテオグリカンの重量平均分子量は約127万Daであった。 −40℃で冷凍保管したシロサケの頭部から摘出した鼻軟骨を電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものをアセトンに浸漬し、鼻軟骨から脱脂及び脱水を行った。処理後の鼻軟骨を減圧乾燥したもの12.00gを出発原料とした。3Lの抽出用容器にあらかじめ9℃に冷却しておいた蒸留水1678.3gを入れ、さらに液状の過酢酸製剤(三菱ガス化学:ダイヤパワー)1.68gを投入し、総量1680g(0.1%)の過酢酸製剤溶液を準備した。この抽出容器に出発原料12.00gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、48時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液の液量に対し2〜4倍量のエタノールと混合した後、塩析させ沈殿物を減圧乾燥で乾燥させ、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、12gの出発原料から、換算値でその25%に相当する3.36gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量してプロテオグリカン量を計算した。 さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質18.0%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)81.2%、脂質0.02%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが81.2%であることから計算して、純度は約86.9%と推定される。またプロテオグリカンの重量平均分子量は約127万Daであった。 国内産鶏ヤゲン軟骨から手作業で肉片を除去した後、電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものをアセトンに浸漬し、鶏ヤゲン軟骨から脱脂及び脱水を行った。処理後の軟骨を減圧乾燥したもの12.0gを出発原料とした。3リットルの抽出用容器にあらかじめ12℃に冷却しておいた蒸留水1678.3gを入れ、さらに液状の過酢酸製剤1.18gを投入し、総量1680g(0.07%)の過酢酸水溶液を準備した。この抽出容器に出発原料12.0gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、24時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液の液量に対し2〜4倍量のエタノールと混合した後、塩析させ沈殿物を減圧乾燥で乾燥させ、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、12gの出発原料から、換算値でその22.5%に相当する2.7gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量してプロテオグリカン量を計算した。 さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質30.50%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)57.8%、脂質0.5%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが57.8%であることから計算して、純度は約61.8%と推定される。またプロテオグリカンの重量平均分子量は約92万Da(15%)、46万Da(70%)、7万Da(15%)の主に3成分から成っていた。 ガンギエイ(カスベ)から手作業で摘出した軟骨を電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものをアセトンに浸漬し、脱脂及び脱水を行った。処理後の軟骨を通風又は減圧乾燥したもの12.00gを出発原料とした。3リットルの抽出用容器にあらかじめ8℃に冷却しておいた蒸留水1678.74gを入れ、さらに液状の過酢酸製剤1.51gを投入し、総量1680.00g(0.09%)の過酢酸水溶液を準備した。この抽出容器に出発原料12.00gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、24時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液を真空凍結乾燥した後、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、12.0gの出発原料から、換算値でその18.7%に相当する2.24gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量してプロテオグリカン量を計算した。さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質45.2%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)38.0%、脂質0.3%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが38.0%であることから計算して、純度は約40.7%(CS×1.07)と推定される。またプロテオグリカンの重量平均分子量は約153万Da(85%)、7万Da(15%)の主に2成分から成っていた。 サメから手作業で摘出した軟骨を電動のミートチョッパーで細かく破砕しミンチ状にしたものをアセトンに浸漬し、脱脂及び脱水を行った。処理後の軟骨を減圧乾燥したもの12.00gを出発原料とした。3リットルの抽出用容器にあらかじめ5℃に冷却しておいた蒸留水1678.74gを入れ、さらに液状の過酢酸製剤2.02gを投入し、総量1680.00g(0.15%)の過酢酸水溶液を準備した。この抽出容器に出発原料12.00gを投入し、スターラーを用いて攪拌しながら、48時間浸漬した。 浸漬終了後、himac CF7D2型の遠心分離機を用いて7000rpm、15分の遠心分離を行い、固形分(SS分)ならびに油脂分を除去して、プロテオグリカンを含む液相を回収した。 さらに、この液相をフィルターペーパー(アドバンテック社製)を用いて濾過し、日本ミリポア製 Biomax100K膜を用いて濾液の8倍量の蒸留水で、分画と濃縮を同時に行った。 得られた濃縮液を真空凍結乾燥した後、乾燥重量を測定した。測定は、乾燥炉(YAMATO DVS602)により、105℃、16時間乾燥させ、完全に水分を蒸発させた後、残った固形分をデジタル計量器(A&D社 GF−8K2)で精密に測定した。その結果、12.0gの出発原料から、換算値でその13.2%に相当する1.56gの乾燥固形分を得ることができた。 また、ケルダール法により乾燥固形分中の窒素量を定量し、タンパク質量を算出するとともに、ガランボス法によりウロン酸量を定量してプロテオグリカン量を計算した。さらに高速液体クロマトグラフィ装置(日立製作所、カラムTSK−GEL G4000PWXL)を用いて、プロテオグリカンの分子量を測定した。 これらの分析の結果、固形分中にタンパク質39.5%、コンドロイチン硫酸(以下:CS)38.7%、脂質0.2%が存在することが判った。特許文献1によれば、プロテオグリカンのコアタンパク質の重量比はGAGに対して約7.0%と記載されており、従って本発明におけるプロテオグリカンは、CSが38.7%であることから計算して、純度は約41.4%(CS×1.07)と推定される。またプロテオグリカンの重量分子量は約145万Daであった。 本発明によれば、殺菌工程と抽出工程を同時に実施でき、しかもプロテオグリカンを変性させずに高純度に抽出することが可能となり、各種の生物学的試料からプロテオグリカンを分離精製することに適用可能である。 プロテオグリカンを含有する生物学的試料を酸素系殺菌剤に浸漬する工程、並びに浸漬後の溶液を回収する工程を含む、プロテオグリカンの製造方法。 回収した溶液からプロテオグリカンを分離する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。 酸素系殺菌剤が過酢酸製剤の溶液である、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。 過酢酸製剤溶液の組成が、過酢酸5×10−5〜1重量%、過酸化水素5×10−5〜1重量%、酢酸3×10−5〜2重量%である請求項1〜請求項3の製造方法 プロテオグリカンを含有する生物学的試料が、魚類、軟体動物、鳥類若しくは哺乳類の軟骨組織、又は皮である、請求項1〜請求項3の何れかに記載の製造方法。 プロテオグリカンを含有する生物学的試料が、魚類の軟骨組織である、請求項4に記載の製造方法。 【課題】 天然資源からのプロテオグリカンの回収を、効率的かつ安価に行う方法を提供する。【解決手段】プロテオグリカンを含有する生物学的試料から過酢酸等の酸素系殺菌剤を含む水溶液を抽出溶媒としてプロテオグリカンを抽出することを特徴とするプロテオグリカンの製造方法。【選択図】図2