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タイトル:再公表特許(A1)_筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の進行度を判定し進行のモニターを行う方法
出願番号:2011054614
年次:2013
IPC分類:G01N 33/88,G01N 33/70,G01N 27/62


特許情報キャッシュ

篠澤 隆雄 裏出 良博 丸山 敏彦 渡部 大志 JP WO2011108534 20110909 JP2011054614 20110301 5069804 20121107 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の進行度を判定し進行のモニターを行う方法 篠澤 隆雄 505095589 吉田 研二 100075258 石田 純 100096976 篠澤 隆雄 裏出 良博 丸山 敏彦 渡部 大志 JP 2010044033 20100301 JP 2010058044 20100315 JP 2010290282 20101227 G01N 33/88 20060101AFI20130531BHJP G01N 33/70 20060101ALI20130531BHJP G01N 27/62 20060101ALI20130531BHJP JPG01N33/88G01N33/70G01N27/62 V AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20130627 2011548498 37 2G041 2G045 2G041CA01 2G041DA04 2G041DA05 2G041EA04 2G041FA10 2G041GA06 2G041LA08 2G045AA25 2G045CB03 2G045DA42 2G045DA59 2G045FA36 本発明は、プロスタグランディンD2とその代謝物およびクレアチニンの分析による筋萎縮性側索硬化症(ALS)の、進行度判定と進行のモニターを含めた、診断方法、治療における薬物の有効性を評価する方法および尿中のtPGDM濃度を推測するシステムに関する。 ルー・ゲーリック病または運動ニューロン疾患(MND)としても知られている筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」と略記する)は、中枢神経系の数種の神経変性疾患の一種である。ALSは、60,000人に1人が冒されており、発症平均年齢が50歳から55歳であり、最も一般的な成人発症運動ニューロン疾患であるが、筋委縮を伴い、筋ジストロフィー症に似た筋肉疾患の側面も持つ。筋ジストロフィーは骨格筋の変性・壊死を主病変とし、臨床的には進行性の筋力低下をみる遺伝性の疾患と定義される(M.A.Alderfer他 J Pediatr Psychol. 33:1046-1061 (2008)、Z.Wang,他ILAR J.50:187-198 (2009))。しかしALSは脳、脳幹、および脊髄における運動ニューロンの急速な進行性変性により特徴付けられる(Cleveland et al., Nat. Rev. Neurosci.,2, 806-19 (2001))。このようにALSの病態は神経と筋肉の両側面を有する点、さらに構音発声障害を伴う球麻痺の場合など患者の症状の多様性を特徴とするとも言える。進行度判定と進行モニターを含めて診断方法の確立は不十分で治療方法が未確立なこの難病は、診断時からの患者の生存期間中央値は5年である。 ALSは遺伝的背景が不明な散発性、および解明されている家族性型の両方が存在する。家族性ALS(FALS)は全ALS症例のわずか5〜10%である。過去10年間に、多くの基礎および治験研究で、この疾患の家族性型の解明に重点がおかれ、FALSに関連する8個の遺伝子変異体の同定につながった。Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ−1(SOD1)遺伝子の点突然変異体を発現させたトランスジェニックマウスは毒性機能獲得によりヒトALSと同様な日齢依存的進行性運動麻痺を発現する(Rosen et al., Nature, 362:59-62 (1993)、Rosen et al. Hum Mol Genet, 3:981-987 (1994)およびBorchelt et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91: 8292-8296 (1994))。 しかしながら、これらの遺伝子変異では散発性ALS(SALS)については説明できない。SALSの病因は多因子性である。一方、上述したSOD1トランスジェニックマウスおよびラットによる、インビトロ運動ニューロン初代培養または脊髄スライス培養、インビボ画像研究および組織試料の死後検査を含む多くのモデル系がALSの病因を解明するために利用されている(Subramaniam et al., Nat. Neurosci., 5: 301-307 (2002)、Nagai et al., J. Neurosci., 21: 9246-9254 (2001)、Menzies et al. Brain, 125: 1522-1533 (2002)、Kim et al. J. Neuropathol. Exp. Neurol., 62: 88-103 (2003)、およびRanganathan et al., Am. J. Pathol., 162: 823-835 (2003))。これらの研究が治療標的およびいくつもの臨床試験をもたらしてきたとはいえ、発症を遅らせる、または生存を延長させる有効な薬物はない。グルタミン酸アンタゴニストであるリルゾール(リルテック(Rilutek)(登録商標)、Aventis社)は現在のところ、ALSを治療するために入手可能である唯一のFDA(US Food and Drug Administration)認可、および日本で保険適用の薬物である。リルゾールはしかしながら、平均余命をほんの2〜3ヶ月しか伸ばせない(Miller et al., Amyotrophic Lateral Sclerosis & Other Motor Neuron Disorders, 4: 191-206 (2003))。クレアチンおよびα−トコフェノールはSOD1トランスジェニックマウスにおいてALSの症状を緩和するのに一定の効果を示すが、ヒトALS患者においてはわずかな効果を示すにすぎない(Groeneveld et al., Annals of Neurology, 53: 437-45 (2003)、およびDesnuelle et al., Amyotrophic Lateral Sclerosis & Other Motor Neuron Disorders, 2: 9-18 (2001))。 さらに、ALSのバイオマーカーとして生理活性物質を特定したものはない。 したがって、ALSの進行度判定を含めて特定的な診断法は存在せず、最終的にはMRI、MRA、CT、脳血管像映、髄液分析等からの除外診断である。診断には針筋電図検査も行われるが、この検査は職人技的でもある。筋肉障害の指標として血液検査でのクレアチンホスホキナーゼ値も着目されるが発症や進行とは必ずしも相関しない。腎臓障害により上昇し、その指標として広く普及している尿のクレアチニン値は、この物質が筋肉で合成されることを反映してALSではその値の低下が報告されている(Narayanan et al., Clin. Chem., 26: 1119-1126 (1980)、およびCorbett et al., Neurology, 32: 550-552 (1982))。 しかし、その詳細な解析と診断方法としての確立はなされていない。近年、プロテオミクスの手法により質量分析法(MS)を用い患者各部位の標本のタンパク質分析プロファイル比較により陽性・陰性を判断する方法が開発された。しかし、高価な機器が必要であり、かつ解析は特定のタンパク質を標的とするのではなく全体のMSスペクトルの複雑なピークの差異を判定するものである(Pasinetti et.al. Neurology 66: 1218-22 (2006))。このような正の診断方法の無いことは確定診断を遅らせ、発症年齢の高さと相まって、発症とその原因への疑問と生活に由来する行動により非常に危険な転倒事故などを多発する。Cleveland et al., Nat. Rev. Neurosci., 2: 806-819 (2001)Rosen et al., Nature, 362: 59-62 (1993)Rosen et al. Hum Mol Genet, 3: 981-987 (1994)Borchelt et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91: 8292-8296 (1994)Subramaniam et al., Nat. Neurosci., 5: 301-307 (2002)Nagai et al., J. Neurosci., 21: 9246-9254 (2001)Menzies et al. Brain, 125: 1522-1533 (2002)Kim et al. J. Neuropathol. Exp. Neurol., 62: 88-103 (2003)Ranganathan et al., Am. J. Pathol., 162: 823-835 (2003)Miller et al., Amyotrophic Lateral Sclerosis & Other Motor Neuron Disorders, 4: 191-206 (2003)Groeneveld et al., Annals of Neurology, 53: 437-445 (2003)Desnuelle et al., Amyotrophic Lateral Sclerosis & Other Motor Neuron Disorders, 2: 9-18 (2001)Pasinetti et.al. Neurology 66: 1218-1222 (2006) ALSの治療標的を同定するための改良された方法および該疾患を進行度判定と進行モニターを含めて診断するための改良された方法が緊急に必要である。 本発明の目的はプロスタグランディンD2とその代謝物およびクレアチニンの分析によるALSの進行度判定とそのモニターを含めた診断方法および治療等の薬物等の効果を評価する方法を提供することである。 プロスタグランディンD2は慢性的な神経疾患において、脳における免疫担当細胞であるミクログリアやアストロサイトの活性化を促して、炎症反応を増悪させる。また、クラッベ病のモデルマウスでプロスタグランディンD2産生抑制剤を使用すると、症状は軽減する(Mohri et al. Glia, 42: 263-274(2003)、Mohri et al. J Neurosci 26:4383-93(2006)およびMohri et al. J Neuropathol Exp Neurol.66:469-80 (2007))。 近年、プロスタグランディンD2はDuchenne型筋ジストロフィーでも産生が増えていることが推測されている。増加したプロスタグランディンD2は筋ジストロフィーモデルマウスの筋壊死を増悪させる。また、このマウスにプロスタグランディンD2産生抑制剤を与えると、筋肉の壊死は軽減する(谷池 他。厚生省精神・神経疾患研究8〜10年度研究報告書 筋ジストロフィーおよび関連疾患の臨床病態と治療法に関する研究 Page30-32. (1999)、Okinaga et al. Acta Neuropathol 104: 377-384. (2002)およびMohri I et.al.Am J.Path. 174:1735-44 (2009))。 上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す本発明に至った。 本発明は対象におけるALSを進行度判定および進行モニターを含めて、診断するための方法を提供する。該方法は(a)対象から試料を得る工程、(b)質量分析等により試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を解析する工程、(c)クレアチニン濃度を解析する工程および(d)試料中のクレアチニンとプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を、進行度および過去のデータを含めて、陽性または陰性標品と比較する工程を含む。 本発明はまた、ALSの治療における薬物の有効性を評価するための方法を提供する。該方法は(a)ALS患者および筋萎縮性側索硬化症(ALS)の疑いのある被験者から第1の試料を得る工程、(b)質量分析等により第1の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を解析する工程、(c)クレアチニン濃度を解析する工程、(d)対象に薬物等を投与する工程、(e)工程(d)の完了後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析等により第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を解析する工程、(g)クレアチニンの分析の工程、および(h)第1の試料中のクレアチニン濃度とプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度と比較する工程を含む。 本発明はまた、筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を患者の尿成分の解析に基づいて行う筋萎縮性側索硬化症の診断方法である。ここで、尿成分とは、尿に含まれるあらゆる測定可能な物質(タンパク質、ホルモン、糖、核酸、脂質、及びそれらの代謝物)を指す。さらに、本発明は、ひとつ以上の測定された尿に含まれる物質の相対関係をその診断方法の基本概念とする。 本願発明によれば、ALSのバイオマーカーとして、被験者の尿中のプロスタグランディンD2の代謝物の量または濃度の分析と、クレアチニンの量または濃度の分析を組み合わせることにより、被験者がALSを発症しているか否かが高精度で、また進行度および進行性を含めて判定可能である。また、尿中のプロスタグランディンD2およびプロスタグランディンD2の代謝物をALSのバイオマーカーとして用い、例えば、ALS患者の治療方法の開発、ALS患者への有効な薬剤の開発に利用することができる。プロスタグランディンD2の代謝物である11,15−dioxo−9−hydroxy−2,3,4,5−tetranorprostan−1,20−dioic acid(tetranor−PGDM、以下「tPGDM」と略記する)を液体クロマトグラフ質量分析により示す図である。ALS患者Sの尿中プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの液体クロマトグラフ質量分析による測定結果を示す図である。健常者の尿中プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの液体クロマトグラフ質量分析による測定結果を示す図である。図1Bに示したALS患者Sの6ヵ月後の、昼夜における尿中tPGDM濃度の推移を示す図である。昼夜における患者Sを含むALS患者(図中「ALSと表記」)の尿中tPGDM濃度の推移を示す図である。図3Aの昼夜におけるALS患者の尿中tPGDM濃度の低濃度部位の拡大図である。昼夜における健常者の尿中tPGDM濃度の推移を示す図である。図3Cの昼夜における健常者の尿中tPGDM濃度の低濃度部位の拡大図である。図2、図3A、図3Cに示した昼夜24時間におけるALS患者および健常者の尿中tPGDM平均濃度を比較した図である。図2、図3A、図3Cに示した昼間(午前6時から午後6時まで)におけるALS患者および健常者の尿中tPGDM平均濃度を比較した図である。図2、図3A、図3Cに示した夜間(午後6時から午前6時まで)におけるALS患者および健常者の尿中tPGDM平均濃度を比較した図である。図2、図3A、図3Cに示した昼夜における尿中tPGDM濃度を、それぞれのALS患者の最低値とそれぞれの健常者の最高値とを比較した図である。ALS患者と健常者の約24時間(朝から翌朝まで)採尿した総尿中のtPGDM濃度を示した図である。ALS患者と健常者の約24時間(朝から翌朝まで)採尿した総尿中のtPGDM総量を示した図である。患者の症状の歩行機能に着目し、進行度1を歩行出来る、2を車椅子生活、3を寝たきり生活、4を人工呼吸器装着に区分し横軸に、縦軸にそれぞれの患者の尿中プロスタグランディンD2代謝物であるtPGDMの昼夜平均濃度を示した図であり、健常者の昼夜平均濃度の平均は水平の破線で示した図である。図1Bに示したALS患者Sに対して、「ラジカット」(田辺三菱製薬(株)製、一般名「エダラボン」)を2日目15時から17時に点滴により30mg投与した場合の、前後を含めたそれぞれの時間の尿全量(排尿は全て採取)中のtPGDM濃度の推移を示した図である。図7Aに示した採尿総量中のtPGDM量を示した図である。昼夜にわたるクレアチニン濃度の推移を示した図であって、尿試料はtPGDM解析を行った同じ試料を用い、5名のALS患者のデータに、患者Sの2日間にわたるデータを加えた図である。昼夜にわたる健常者5名の尿中クレアチニン濃度の推移を示した図である。図8A、図8Bの昼夜のALS患者および健常者の尿中クレアチニン平均濃度を比較した図である。図8A、図8Bの昼間のALS患者および健常者の尿中クレアチニン平均濃度を比較した図である。図8A、図8Bの夜間のALS患者および健常者の尿中クレアチニン平均濃度を比較した図である。図8A、図8Bの昼夜のALS患者尿中クレアチニン濃度最高値と健常者最低値の比較図である。ALS患者と健常者の約24時間(朝から翌朝まで)採尿した総尿中のクレアチニン濃度を示す図である。ALS患者と健常者の約24時間(朝から翌朝まで)採尿した総尿中のクレアチニン総量を示す図である。尿中クレアチニン昼夜平均濃度と患者の症状の進行度との関係を調べた図であって、破線は健常者の尿中クレアチニン昼夜平均濃度の平均を示す図である。尿中のtPGDM濃度とクレアチニン濃度の相関をALS患者と健常者について、昼夜の平均濃度で調べた図である。尿中のtPGDM濃度とクレアチニン濃度の相関をALS患者と健常者について、24時間採取した総尿中の濃度で調べた図である。尿中のtPGDM量とクレアチニン量の相関をALS患者と健常者について、24時間採取した総尿中の総量で調べた図である。尿中のtPGDM濃度から最高濃度と最低濃度を推測するシステムにより得られた濃度推移モデルの一例を示す図である。 筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」と略記する)は、全身の筋肉の萎縮と筋力低下が徐々に進行し死に至る疾患である。この疾患は、その発症原因は十分には解明されておらず治療方法も確立していない、いわゆる難病の一種である。 本実施の形態は対象におけるALSを進行度判定と進行速度を含めて、診断するための方法を提供する。該方法は(a)対象から試料を得る工程、(b)質量分析等により試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を解析する工程、(c)クレアチニン濃度を解析する工程、および(d)試料中のクレアチニン濃度とプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を、進行度と本人の過去のデータを含めた、陽性または陰性標品と比較する工程を含む。 本明細書中で用いられる場合、用語「試料」は対象から単離された生体材料を示す。対象は、任意の適切な動物であり得るが、好ましくは、マウス、ラット、イヌ、サルまたはヒトなどの哺乳類である。前述の発明の方法は、対象が非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、サル、イヌなど)の場合に疾患の動物モデルにおけるALSを診断するのに用いることができることが意図される。 試料は例えば、生検、採血、採尿、腰椎穿刺(すなわち、脊椎穿刺)、脳室穿刺、および大槽穿刺によるなどの、当技術分野で公知の任意の適切な方法で得ることができる。本発明の好ましい実施態様において、試料は尿である。 アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、およびALSのような多くの神経変性疾患は、疾患の表現型に寄与するタンパク質異常の蓄積または存在により特徴付けられ、ゆえに当技術分野で「タンパク質病(Proteinopathies)」とも呼ばれる(Jellinger, Movement Disorders, 18, Suppl 6, S2-12 (2003)、およびPaulson, American Journal of Human Genetics, 64, 339-45 (1999))。生体試料中に存在する全てのタンパク質およびペプチドを一括して解析することは、当技術分野で「プロテオーム」と呼ばれることが多い。 一方、現時点で、ALSのバイオマーカーとして特定の物質および遺伝子産物は同定されていない。本発明は患者の負担が殆ど無い採尿により試料を得、プロスタグランディンD2およびその代謝物をクレアチニンと共に測定することにより、進行度と進行速度を含めて、早期の診断を可能とする。 試料調製後の、本発明の方法には、質量分析等による試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度の分析と、クレアチニン濃度の解析が含まれる。プロスタグランディンD2およびその代謝物の適切な質量分析法の例には、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI Matrix Laser Desorption Ionization)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間型(MALDI−TOF、(Proteinopathies Time−of−Flight))質量分析があるが、測定する物質が特定されているため、高速液体クロマトグラフィーやELISA等抗体を用いた検出、測定方法の利用も可能である。例えば、高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」と略記する)に質量分析計を直結した液体クロマトグラフ質量分析(以下「LC/MS」)を用いてもよい。 本実施の形態において、試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物は「LC/MS」質量分析により分析されることが好ましい。 本実施の形態はさらに、対象においてALSの治療における薬物等の有効性を評価するための方法を提供する。該方法は(a)ALS患者およびALSの疑いのある被験者から第1の試料を得る工程、(b)質量分析等により第1の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を解析する工程、(c)第1の試料中のクレアチニンを解析する工程、(d)対象に薬物等を投与する工程、(e)薬物等を投与した後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析等により第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を解析する工程、(g)クレアチニンを解析する工程、(h)第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を解析する工程、(i)第2の試料中のクレアチニンを解析する工程、および(j)第1の試料中と第2の試料中のクレアチニン濃度とプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度を比較する工程であって、ここで薬物等の有効性が評価される工程を含む。 本実施の形態では、ALSの治療における薬物等の有効性を評価するための方法としてプロスタグランディンD2という特定されたバイオマーカーを指標とするため、プロスタグランディンD2およびその代謝物のいかなる測定法も利用可能である。 本実施の形態における方法はALSの治療に適切な任意の薬物等の有効性を評価するのに用いることができる。適切な薬物等にはリルゾール(Rilutek(登録商標)、Aventis社)のような現在市販されているもの、および今後に開発されるものが挙げられる。 さらに本実施の形態では、11,15−dioxo−9−hydroxy−2,3,4,5−tetranorprostan−1,20−dioic acid(tetranor−PGDM、以下「tPGDM」と略記する)が主たるプロスタグランディンD2の代謝物である(Song, W., Wang, M., Ricciotti, E., et al. J.Biol.Chem 283,1179-1188 (2008))ことより、上記工程(b)および工程(f)において、好ましくはプロスタグランディンD2代謝物であるtPGDMが質量分析法により検出されている。但し、検出物質および検出方法はこれに限るものではない。 本実施の形態における筋萎縮性側索硬化症の診断方法は、筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を患者の尿成分の解析に基づいて行う。ここで、尿成分とは、尿に含まれるあらゆる測定可能な物質(例えばタンパク質、ホルモン、糖、核酸、脂質,及びそれらの代謝物)を指す。さらに、この診断方法では、ひとつ以上の測定された尿に含まれる物質の相対関係に基づいて、診断することを基本概念とする。 以下の実施例は本発明をさらに詳しく説明するものであるが、当然のことながら、その範囲の如何なる様式にも限定をするものと解釈されるべきではない。<第一部>プロスタグランディンD2とその代謝物の分析によるALSの、進行度判定とそのモニターを含めた診断方法および治療等の薬物等の効果を評価する方法: 本実施例での尿中のプロスタグランディンD2代謝物の抽出に関しては以下の手順でプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを抽出した。(I)尿は基本的に凍結保存する(−20℃以下)。(II)凍結尿の解凍は流水で行う。前日から低温室に放置してもよい。(III)解凍後、軽く遠心を行った後、上清を使用する。なお、濁りがとれなくても良い。(IV)上清1mLに対して、以下に示すメソッド1またはメソッド2の抽出精製操作を行う。(V)尿の一部(約1.9mL)を2mLチューブ1本に小分けして凍結保存(−20℃以下)する。その残りの尿は分析結果が出るまでの1〜2週間程度保存する。(VI)尿の一部でクレアチニンを測定する。 メソッド1[酢酸エチル抽出]:(i)尿検体または標準試料1mL(50〜1000μL)を分取する。(ii)10%酢酸20μLで酸性にする(最終2%)。(iii)内部標準品(IS)を添加する(d6−PGDM)。重水素ラベル化tPGDM使用。(iv)酢酸エチル2mLを加え攪拌する(5秒以上)。(v)遠心3分以上(4℃で)行う。(vi)酢酸エチル相を回収する(水相を取り込まないように注意)。(vii)上記操作(iv)〜(vi)を2回〜3回繰り返す。(viii)回収した酢酸エチル相を濃縮して(SpeedVac等により)乾固させる。 メソッド2[固相抽出/Sep−Pak C18 Plus]:(i)尿検体または標準試料1mL(50〜1000μL)を分取する。(ii)10%酢酸20μL(2%分の酢酸)で酸性にする。(iii)IS(内部標準品)を添加する(d6−PGDM)。重水素ラベル化tPGDM使用。(iv)「Sep−Pak C18 Plus」(360mg)のコンディショニング:メタノール2mLで湿潤、0.5%酢酸2mLで平衡化する。(v)試料をSep−Pak C18 Plusに注入する(注意:1mL/分以下の流速で)。(vi)0.5%酢酸0.5mLを流す。(vii)ヘキサン5〜6mLで洗浄(多すぎても問題はない。「Sep−Pak C18 Plus」内の水分を十分に除去)。(viii)酢酸エチル2mLでtPGDMを回収する。(ix)回収した酢酸エチル溶液を濃縮して(SpeedVac等により)乾固させる。(x)乾固後水分が残る場合、酢酸エチルを加えて酢酸エチル抽出操作を行う。(xi)使用後の「Sep−Pak C18 Plus」はイソプロパノール(IPA)1mLと、続けてメタノール2mL程度で洗浄する(「Sep−Pak C18 Plus」は数回の繰り返し使用可能)。[実施例1]ALS患者SにおけるtPGDMの検出: 図1AにはプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの標準試料の液体クロマトグラフ質量分析(以下「LC/MS」)による測定結果が示されている。ここで、LC/MSによる測定は基本的には前記のSong,W.他(2008)に準じている。検出はプレカーサーイオン;327amu、プロダクトイオン;155amuの条件にて行った。具体的には以下である。 図1BにはALS患者S(66歳、男性、体重58kg、発症約2年、発声構音と歩行障害、平地での自力での再起立不可。SOD1遺伝子および単球・マクロファージCD16(FCγ受容体III)の発現は正常。)の尿中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMのLC/MSによる測定結果が示されている。LC/MSによる測定条件は図1Aの場合と同様である。 図1Cには健常者の尿中のプロスタグランディンD2代謝物であるtPGDMのLC/MSによる測定結果が示されている。LC/MSによる測定条件は図1Aの場合と同様である。 プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMは分子量328の水溶性の高い化合物で、短時間で尿から排泄される。酢酸エチル抽出法と固相抽出法を用いて尿から抽出し、これを上記LC/MSにて分析した。この分析ではネガティブのイオン化を行い、327amuの質量数のプレカーサーイオンをターゲットとし、さらにフラグメント化を行い、155amuのプロダクトイオンを検出することで、プロスタグランディンD2の代謝物を高い選択性をもって検出することができる。図1AにはtPGDMの標準試料のクロマトグラムが示され、tPGDMは18.2分に溶出している。 図1Bに示すように、ALS患者Sの尿を分析したところ、tPGDMが検出され、tPGDMの標準試料で作成した検量線から定量を行った結果、2.6pg/μl(ng/ml)の濃度で尿中に存在することが判明した。 図1Cに示すように、健常者の尿を分析したところ、tPGDMは検出されなかった。 患者Sの尿には、プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMが特異的に検出されていることが分かる。従ってプロスタグランディンD2の代謝物である「tPGDM」は「ALSのバイオマーカー」になることが分かる。[実施例2] 実施例1に示したALS患者Sの6ヵ月後の昼夜における尿中のtPGDM濃度の推移を検証した。図2に示されるように、患者S尿中のtPGDMは時間によって濃度が変動するものの全ての時間に於いて検出された。[実施例3] 患者Sに加えて、新たに5名のALS患者(男性、53〜72歳)と6名の健常者に於いて、昼夜における尿中のtPGDM濃度の推移を検証した。 図3Aには、昼夜におけるALS患者の尿中tPGDM濃度の推移が示されている。図3Bは図3Aの低濃度領域を拡大した図である。図3Cには、昼夜における健常者の尿中tPGDM濃度の推移が示されている。図3Dは図3Cの低濃度領域を拡大した図である。 実施例2の図2に示した1名と実施例3の図3Aに示した5名の計6名のALS患者および図3Cに示した6名の健常者の尿中tPGDM平均濃度の比較を図4に示している。図4Aは昼夜24時間の、図4Bは昼間(午前6時から午後6時以前)の、図4Cは夜間(午後6時から午前6時以前)の平均濃度の比較を示した。さらに図4Dには、昼夜におけるそれぞれの患者最低濃度と健常者最高濃度の比較を示した。 患者の尿にはより高濃度のtPGDMが検出されており、片側t検定により患者と健常者の値を解析した。その結果、昼夜24時間、昼間および夜間の平均濃度の有意差はそれぞれ62.09ng/mL()、83.82ng/mL()及び56.24ng/mL()であった。 さらに、昼夜における患者最低濃度と健常者最高濃度との有意差は30.71ng/mL()であった。 tの計算式は、以下の通りである。 実施例2と3の結果から、患者の尿には健常者に対して有意に、如何なる時間帯でも高濃度にtPGDMが検出されることが分かった。 それでは最適な採尿時間帯は何時だろうか。図3のデータから患者の尿中のtPGDM濃度は夕刻に最低値を示し、その後上昇し午前3時〜5時の時間帯に最高値を示すことが分かる。従って、採尿はこの時間帯が最適と言える。[実施例4] ALS患者5名と健常者6名の24時間採尿の総尿中tPGDM濃度と総量を検証した。 図5AにはtPGDM濃度を、図5BにはtPGDM量を示した。患者の尿には、健常者に対して有意に、高濃度に(有意差66.45ng/mL()、かつより多量に(有意差67.79μg())tPGDMが検出されることが明らかになった。この結果は実施例3の結果を追認している。 以上の結果から、tPGDMをALSのバイオマーカーとして用いることに意義があり有効であることが判明した。[実施例5] 患者のALS症状の進行状態とtPGDM濃度の関係を検証した。 図6は患者の症状の歩行機能に着目し、進行度1を歩行出来る、2を車椅子生活、3を寝たきり生活、4を人工呼吸器装着に区分し横軸に、縦軸にそれぞれの患者の尿中プロスタグランディンD2代謝物であるtPGDMの図4Aの昼夜平均濃度を示した図である。健常者の昼夜平均濃度の平均は水平の破線で示してある。進行度が1から3に進むに伴い、患者の尿中プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの平均濃度が上昇しているのが分かる。この上昇の進行度に対する相関係数は0.84である。また、進行度1で値が飛びぬけたデータを除外した相関係数は0.98である。 相関係数の計算式は、以下の通りである。 従って、tPGDMはALSのバイオマーカーとしてのみならず、進行度の判定診断にも有効であるといえる。[実施例6]ALS治療薬投与におけるtPGDMの変化(薬剤効果のモニタリング): 実施例1の図1Bに示したALS患者Sに対して、16ヵ月後に「ラジカット」(田辺三菱製薬(株)製、一般名「エダラボン」)を投与(2日目の15時〜17時に点滴により30mgを500mLのリンゲル液ボタコールR(大塚製薬)に混合投与)した。前後を含めた1日目から5日目までの、それぞれの時間の尿全量(排尿は全て採取)中のtPGDMの濃度および量の推移を調べた。 図7Aには「ラジカット」投与前後のtPGDMの濃度を、図7Bには総量を示した。 点滴後は尿量が不安定であるためtPGDMの解析には総量を用いることでより精度の高い解析結果を得ることができる。点滴投与以後から翌日(図7A、7B中、3日目)は尿中のtPGDM量が少し低下し、一方、点滴投与後2〜3日目(図7A、7B中、4,5日目)の起床直後の尿に顕著に多量にtPGDMが検出された。[実施例のまとめ] 実施例1においてALS患者Sの尿中に健常者には見られないtPGDMの排出が見られた。これはALSのバイオマーカーとなりうることを示唆している。 実施例2の図2の結果は実施例1の図1Bの患者の6ヵ月後のものである。尿中のtPGDM濃度は6カ月間で2.6ng/mLから、最低5.0ng/mL、最高24.3ng/mL、平均17.1ng/mLに上昇している。この間、患者の症状は、歩行時の頭あげ不可、自力での車の昇降不可、発声の後退等の進行が認められた。さらに実施例6の図7Aの結果はその後10ヶ月のものである。ラジカット点滴前のコントロールとしてのその濃度は、最低16.2ng/mL、最高28.7ng/mL、平均22.7ng/mLに上昇している。この間の症状の進行は自力歩行困難化等である。このように、尿中のtPGDMはALSのバイオマーカーであり、その濃度は症状の進行速度のモニター等にも利用できることが判明した。 実施例3において患者Sに加えて5名のALS患者と6名の健常者について、尿中のtPGDM濃度を解析した。実施例2の患者Sを含め患者6名対健常者6名の解析より、患者の尿には有意に高濃度のtPGDMが排出されていることが明らかになった。また午前3〜5時ごろに採取した患者尿中に最も高濃度のtPGDMが排出されていることが明らかになった。 実施例4では24時間採尿し全てをプールした総尿量中のtPGDM濃度と総量を調べた。その結果、患者の尿では有意に高いtPGDM濃度と総量値を示した。 以上の結果からtPGDMはALSの診断に適したバイオマーカーである。 実施例5および実施例1,2の患者Sのデータより尿中tPGDM濃度とALSの進行状態に相関があることが明らかになった。このことは本法がALS進行および治療による回復のモニタリングとしても有効であることを示唆する。 実施例6においてラジカット投与直後尿中tPGDMの濃度が低下した。これはラジカットの体内動態の早さ(渡辺俊明他YAKUGAKU ZASSHI 124, 99-111 (2004)および田辺三菱製薬株式会社医薬品インタビューフォーム日本標準商品分類番号:87119)と符合した一時的な阻害効果と考えられる。また、その後(投与後2〜3日後)において顕著で多量な排出を確認した。これはいわゆるリバウンドのようでもあり、投与の何らかの効果を反映していると考えられる。 この結果のみから、「ラジカット」の点滴が治療に有効か判定することは難しいが、tPGDMをALSのバイオマーカーとして用い、薬効を解析することは可能であり、また「ラジカット」の点滴と他の方法を組み合わせる等の治療方法の有効性を判定することができるであろう。このように、本発明の分析により薬剤等の効果の判定が可能となる。<第二部>クレアチニン解析によるALSの診断方法: クレアチニンはクレアチンの代謝最終産物で、クレアチンから非酵素的にH2Oが取れた無水物である。クレアチンはグリシン、アルギニン、メチオニンの3つのアミノ酸から肝臓や腎臓で合成され、その大半はクレアチンまたはクレアチンリン酸として骨格筋に保有されている。筋肉細胞内ではクレアチンリン酸からクレアチンキナーゼ反応によってATPが生成し筋収縮活動に利用され、その代謝産物として生成したクレアチンからクレアチニンが産生される。血中非タンパク質性窒素化合物の一つであるクレアチニンは腎糸球体から濾過され、ほとんど再吸収されることなく尿中に排泄される。 従って、腎不全等の腎疾患では血清クレアチニン濃度は上昇し、尿中クレアチニン濃度は低下することから、腎機能の検定方法として広く普及している。 一方で、この物質は筋肉で合成されることから、筋ジストロフィーや多発性筋炎のような筋肉疾患において血清中・尿中両方でクレアチニン濃度の低下が報告されている(吉村学他:日本臨床 53−増−464-468 (1995)、大澤進:Medical Technology 26,389-395(1998))。 クレアチンは細胞のエネルギー産生機構に影響を及ぼすことにより奏功する。遺伝子工学的にALSを発症するような変異を加えられたマウスに、食餌によりクレアチンを与えたところ、クレアチンの投与を受けなかったマウスよりも平均26日間寿命が延びたというものである。クレアチンの経口投与の効果は投与量に依存性で、飲料水への1%および2%の添加で延命の程度は大幅に改善したという報告がある(Peter Kliveny 他Nature Medicine 5, 347-350 (1999))。このクレアチンの効果はAdhihettyとBealによっても示された(Neuromolecular Med 10, 275-90 (2008))。 尿中のクレアチニン濃度は腎臓疾患と筋肉疾患の両方で低下し、これらの疾患の診断に有効である(吉村学他:日本臨床 53−増−464-468 (1995)および大澤進:Medical Technology 26, 389-395 (1998))。 本実施例での尿中のクレアチニンの解析には第一部tPGDM解析で調製された尿を使用し、解析法は腎臓疾患検査で用いる既存の方法による。具体的には、和光純薬社のクレアチニン測定キットを使用する。 実施例2,3でtPGDMを解析した6名のALS患者と2名の健常者、さらに3名の健常者における尿中のクレアチニンを解析した。[実施例7]ALS患者と健常者の昼夜24時間の尿中クレアチニン濃度の推移: 実施例2,3で用いたものと同じ尿試料、更に健常者3名の尿試料を用い、昼夜におけるALS患者の尿中クレアチニン濃度24時間の推移を検証した。図8AにはALS患者の、図8Bには健常者の尿中のクレアチニン濃度が示されている。[実施例8]ALS患者と健常者のクレアチニン平均濃度の比較: 図9Aは昼夜におけるALS患者および健常者の尿中クレアチニンの平均濃度を比較した図である。有意差は高濃度の患者一名を除くと−1135.52μg/mL()である。また、全員の測定回数を取り入れた場合の有意差は、下記の計算から−1040.53μg/mL()である。 図9Bは昼間におけるALS患者および健常者の尿中クレアチニンの平均濃度を比較した図である。有意差は高濃度の患者一名を除くと−1149.12μg/mL()である。また、全員の測定回数を取り入れた場合の有意差は、下記の計算から−1013.41μg/mL()である。 図9Cは夜間におけるALS患者および健常者の尿中クレアチニンの平均濃度を比較した図である。有意差は高濃度の患者一名を除くと−1128.77μg/mL()である。また、全員の測定回数を取り入れた場合の有意差は、下記の計算から−1069.11μg/mL()である。 図9Dは昼夜におけるALS患者および健常者の尿中クレアチニンのそれぞれの患者最高濃度と健常者最低濃度を比較した図である。患者が低濃度の有意差はない。[実施例9] ALS患者5名と健常者5名の24時間採尿の総尿中クレアチニン濃度と総量を検証した。 図10Aにはクレアチニン濃度を図10Bにはクレアチニン量を示した。濃度ではt検定での有意差は−1318.6μg/mL()であり、総量では−1695.52mg()である。 また高濃度の患者一名を除くと有意差は、濃度では−1491μg/mL()、総量では−1757.51mg()である。したがって、患者の尿には、健常者に対して有意に、低濃度、少量のクレアチニンが検出されることが明らかになった。この結果は上記の実施例8の結果を追認している。 尿中のクレアチニン量は腎臓疾患に大きく影響を受けることが知られている。本実施例ではALS患者の尿中クレアチニン濃度は有意に健常者より低いことが明らかにされた。 第一部の実施例1から6ではtPGDMの解析を行った。クレアチニンの解析は第一部でtPGDMの解析に用いたものと同じ試料を用いている。 tPGDMの解析では健常者との区別が不能であったALS患者において本実施例のクレアチニン解析では明らかに健常者と区別が可能となった。 tPGDM解析とクレアチニン解析を組み合わせることにより精度の高い診断法が可能となる。[実施例10]ALSの進行度とクレアチニン濃度の関係: 実施例6でtPGDM濃度を解析したALS患者と同じ試料を使用しクレアチニン濃度の解析を行った。 患者のALS進行度の基準は実施例5に記載したように歩行機能に着目し、進行度1を歩行出来る、2を車椅子生活、3を寝たきり生活、4を人工呼吸器装着に区分した。 図11には患者の症状進行度と図9A昼夜のクレアチニン平均濃度の関係を示している。図中の破線は健常者のクレアチニン昼夜平均濃度の平均を示している。 進行度1のALS患者1例を除き全ての患者のクレアチニン濃度は破線で示された健常者のクレアチニン平均濃度を有意に下回っていたが進行度との相関は見られなかった。[実施例のまとめ] 尿中のクレアチニン濃度と総量は、ALS患者では健常者に比べて有意に低い。その濃度は症状の進行度に相関しないが、その分析はALSの診断に応用できる。採尿の最適時間帯は午後7時付近である。更に、tPGDM濃度や総量の低い患者に於いてもクレアチニン濃度と総量は低い。したがって、tPGDM分析では見落とされる患者も検出でき、tPGDM分析を補完し両者を組み合わせることで、より精度の高いALS診断が可能になる。<第三部>tPGDM解析とクレアチニン解析の組み合わせによるALSの診断方法: 筋肉にはクレアチンリン酸と呼ばれるエネルギーを貯めた窒素化合物が含まれている。これが酵素の働きによってクレアチンに分解されるときエネルギーを放出し、そのエネルギーを使って筋肉は動く。クレアチンは役割を終えると、クレアチニンに変えられる。 体内の窒素は腎臓からしか排泄されないので、クレアチニンも血液を介してすべて腎臓より尿中に排泄される。このため腎疾患の進行とともに、腎機能が正常の半分以下に低下すると血清クレアチニン濃度は上昇し始める。また腎疾患により尿中のその濃度は低下する。 一方、本法で開発されたALSバイオマーカーtPGDMはALS疾患において尿中で上昇する。 tPGDM解析とクレアチニン解析を組み合わせることで、より高精度のALSの診断が可能になる。[実施例11]tPGDM濃度とクレアチニン濃度の相関: 以下の図のデータは第一部と第二部それぞれから使用している。図12Aに昼夜の両平均濃度の相関を示した。横軸にはクレアチニン平均濃度を、縦軸にはtPGDM平均濃度を示した。 図12Bは昼夜24時間の採尿で得た総尿中の、tPGDMとクレアチニンそれぞれの濃度を、図12Cは総尿量中のtPGDMとクレアチニンそれぞれの総量を示している。 tPGDM濃度とクレアチニン濃度、または総量の二つのパラメーターを用いることで、6名のALS患者と2名の健常者が完全に分離できることが明らかになった。[概日リズムのデータを利用して、任意の採尿時刻の任意の濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測するシステム(プログラム)の作成] 尿中のtPGDM濃度の経時変化(図3)に概日リズム(サーカディアン・リズム)が確認された。tPGDMは睡眠物質として知られているプロスタグランディンD2の代謝物である。(要すれば、Urade Y, Hayaishi O.,“Prostaglandin D2 and sleep regulation. ”Biochim Biophys Acta. 1999 Jan 4;1436(3):606-15. 及びHayaishi O, Urade Y., “Prostaglandin D2 in sleep-wake regulation: recent progress and perspectives.”Neuroscientist. 2002 Feb;8(1):12-5.) 尿中のtPGDM濃度の概日リズムの根拠は上記に由来すると考えられる。しかし、多数の新規患者を時間指定や複数回採尿は難しい。そこで、この概日リズムのデータを利用修正して、任意の採尿時刻の任意の濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測するシステム(プログラム)を作成することが出来た。図13は、その試作モデルである。患者の採尿時刻とtPGDM濃度を記入し計算をクリックすると、尿中のtPGDM濃度の経時変化(図13に示す)のデータから予め作成された基準曲線から、その患者の最高濃度と最低濃度が推算されて表示される。更に24時間の濃度変化の推算グラフが表示される。 このシステムにより多数の患者のそれぞれの濃度の経時変化や最高濃度と最低濃度を推測することで患者の状態の把握や患者同士の相互比較ができて、より精度の高い診断が可能である。 このシステムでは、図13に示すように、画面の採尿時刻とtPGDM濃度を記入し計算をクリックすると画面に最高濃度と最低濃度が表示され合わせて各時間の濃度を示すグラフが表示される。クレアチニンに関しても図8Aから図11に於いて概日リズムが確認され同様なシステムの作成が可能である。[好ましい態様] 本発明は、さらに、睡眠物質、ヒト成長ホルモン、性周期に連動したホルモン、食事後の血糖値では経時変化が予測できるので前記のような既知データを元にした推算システムが可能である。 本発明の活用例として、ALS患者の治療方法の開発および確立、ALS患者への有効な薬剤の開発などへの適用がある。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2およびその代謝物を用いる方法。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断法としてプロスタグランディンD2およびその代謝物の解析とクレアチニンの解析を組み合わせて用いる方法。 対象における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を診断するための方法であって、(a)対象から試料を得る工程、(b)試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を測定する工程、(c)試料中のクレアチニンを測定する工程および(d)試料の陽性または陰性標品のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度およびクレアチニン濃度を比較する工程であって、ここで対象がALSとして診断される工程を含む方法。 標品が陽性標品である、請求項3に記載の方法。 標品が、筋萎縮性側索硬化症の患者又は筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者から得られた試料を含む、請求項3に記載の方法。 筋萎縮性側索硬化症の治療における薬物の有効性を評価するための方法であって、(a)筋萎縮性側索硬化症の、および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者から第1の試料を得る工程、(b)質量分析などにより第1の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を分析する工程、(c)クレアチニンを分析する工程、(d)対象に薬物等を投与する工程、(e)工程(d)の完了後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析法などにより第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を分析する工程、(g)クレアチニンの分析の工程、および(h)第1の試料のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度およびクレアチニン濃度を、第2の試料のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度およびクレアチニン濃度と比較する工程であって、ここで薬物等の有効性が評価される工程を含む方法。 薬物等の有効性が、第1の試料のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度およびクレアチニン濃度と比べた第2の試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物濃度およびクレアチニン濃度の変化として測定される、請求項6に記載の方法。 対象がヒトである、請求項3に記載の方法。 筋萎縮性側索硬化症の患者および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者がマウス、ラット、イヌからなる群から選択されるALSモデル動物およびヒトである、請求項6に記載の方法。 筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を患者の尿成分の解析に基づいて行い、 前記尿成分は、尿に含まれるタンパク質、ホルモン、糖、核酸、脂質、及びそれらの代謝物を含む群から選択される測定可能な物質であり、 ひとつ以上の測定された尿成分の相対関係に基づき診断を行う、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の方法。 尿中のtPGDM濃度の経時変化における概日リズム(サーカディアン・リズム)のデータを利用して、任意の採尿時刻の任意のtPGDM濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測するシステム。 対象における筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」と略記する)を、患者の症状の進行度判定と進行のモニターを含めて、診断するための方法、ALSの治療等における薬物等の有効性を評価するための方法を提供する。対象におけるALSを、患者の症状の進行度判定と進行のモニターを含めて、診断するための方法であって、(a)対象から試料を得る工程と、(b)質量分析等により試料中のプロスタグランディンD2およびその代謝物を分析する工程とクレアチニンの分析の工程を含む。幾つかの実施態様において、ALS患者およびALSの疑いのある被験者の尿、血液などの試料に含まれるこれらの物質を分析することで、患者の症状の進行度判定も含めて診断し、進行をモニターする。さらに薬物等や治療等の効果を評価する。尿成分は、尿に含まれるタンパク質、代謝物、ホルモン等の測定可能な物質である。20111115A1633000143 本発明は対象におけるALSを進行度判定および進行モニターを含めて、ALSを判定するための方法を提供する。該方法は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを用い、(b)尿試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを測定する工程、(c)試料中のクレアチニン濃度を測定する工程、(d)試料中の陽性または陰性標品のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を比較する工程を含む。A1633000153 本発明はまた、ALSの治療における薬物の有効性を評価するための方法を提供する。該方法は(b)筋萎縮性側索硬化症の、および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者からの尿を第1の試料とし、質量分析法より第1の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(c)クレアチニン濃度を分析する工程、(d)対象に薬物を投与する工程、(e)工程(d)の完了後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析により第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(g)クレアチニンの分析の工程、および(h)第1の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を、第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度と比較する工程であって、ここで薬物等の有効性が評価される工程を含む。A16333全文3 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを用いる方法。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の判定に際し、プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの解析とクレアチニンの解析を組み合わせて用いる、請求項1に記載の方法。 請求項1に記載の方法において、さらに、 対象における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を判定するために、(b)尿試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを測定する工程、(c)試料中のクレアチニンを測定する工程、(d)試料の陽性または陰性標品のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を比較する工程を含む方法。 標品が陽性標品である、請求項3に記載の方法。 標品が、筋萎縮性側索硬化症の患者又は筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者から得られた試料を含む、請求項3に記載の方法。 請求項1に記載の方法において、さらに、 筋萎縮性側索硬化症の治療における薬物の有効性を評価するために、(b)筋萎縮性側索硬化症の、および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者からの尿を第1の試料とし、質量分析により第1の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(c)クレアチニンを分析する工程、(d)対象に薬物を投与する工程、(e)工程(d)の完了後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析により第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(g)クレアチニンの分析の工程、および(h)第1の試料のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を、第2の試料のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度と比較する工程であって、ここで薬物等の有効性が評価される工程を含む方法。 薬物等の有効性が、第1の試料のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度と比べた第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度の変化として測定される、請求項6に記載の方法。 対象がヒトである、請求項3記載の方法。 筋萎縮性側索硬化症の患者および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者がマウス、ラット、イヌからなる群から選択されるALSモデル動物およびヒトである、請求項6記載の方法。 筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を患者の尿成分の解析に基づいて行い、 前記尿成分は、前記プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM、クレアチニンに加え、尿に含まれるタンパク質、ホルモン、糖、核酸、脂質、及びそれらの代謝物を含む群から選択される測定可能な物質のひとつ以上の測定された尿成分の相対関係に基づき、筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を行う、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の方法。 尿中のtPGDM濃度の経時変化における概日リズム(サーカディアン・リズム)のデータを利用して、任意の採尿時刻の任意のtPGDM濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の状態を判定する、請求項1記載の方法。20120427A1633000143 本発明は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを用い、尿中のtPGDM濃度の経時変化における概日リズム(サーカディアン・リズム)のデータを利用して、任意の採尿時刻の任意のtPGDM濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の進行度を判定し進行のモニターを行う方法である。なお、本発明の参考形態は、対象におけるALSを進行度判定および進行モニターを含めて、ALSを判定するための方法を提供する。該方法は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを用い、(b)尿試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを測定する工程、(c)試料中のクレアチニン濃度を測定する工程、(d)試料中の陽性または陰性標品のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を比較する工程を含む。A1633000153 本発明の参考形態は、また、ALSの治療における薬物の有効性を評価するための方法を提供する。該方法は(b)筋萎縮性側索硬化症の、および筋萎縮性側索硬化症の疑いのある被験者からの尿を第1の試料とし、質量分析法より第1の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(c)クレアチニン濃度を分析する工程、(d)対象に薬物を投与する工程、(e)工程(d)の完了後、対象から第2の試料を得る工程、(f)質量分析により第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを分析する工程、(g)クレアチニンの分析の工程、および(h)第1の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度を、第2の試料中のプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDM濃度およびクレアチニン濃度と比較する工程であって、ここで薬物等の有効性が評価される工程を含む。A1633000163 本発明の参考形態は、また、筋萎縮性側索硬化症の発症、進行、及び治療効果の評価を患者の尿成分の解析に基づいて行う筋萎縮性側索硬化症の診断方法である。ここで、尿成分とは、尿に含まれるあらゆる測定可能な物質(タンパク質、ホルモン、糖、核酸、脂質、及びそれらの代謝物)を指す。さらに、本発明は、ひとつ以上の測定された尿に含まれる物質の相対関係をその診断方法の基本概念とする。A16333全文3 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカーとしてプロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMを用い、尿中のtPGDM濃度の経時変化における概日リズム(サーカディアン・リズム)のデータを利用して、任意の採尿時刻の任意のtPGDM濃度の患者の最高濃度と最低濃度を推測して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の進行度を判定し進行のモニターを行う方法。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の進行度を判定し進行のモニターを行うのに際し、プロスタグランディンD2の代謝物であるtPGDMの解析とクレアチニンの解析を組み合わせて用いる、請求項1に記載の方法。


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