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タイトル:特許公報(B2)_修飾抗ヘパリン/PF4複合体抗体及びHIT抗体標準品
出願番号:2010526729
年次:2014
IPC分類:C07K 16/18,C12P 21/08,G01N 33/53,G01N 33/564,G01N 33/577


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星野 信広 JP 5618831 特許公報(B2) 20140926 2010526729 20090826 修飾抗ヘパリン/PF4複合体抗体及びHIT抗体標準品 株式会社LSIメディエンス 591122956 森田 憲一 100090251 山口 健次郎 100139594 星野 信広 JP 2008218801 20080827 20141105 C07K 16/18 20060101AFI20141016BHJP C12P 21/08 20060101ALI20141016BHJP G01N 33/53 20060101ALI20141016BHJP G01N 33/564 20060101ALI20141016BHJP G01N 33/577 20060101ALI20141016BHJP JPC07K16/18C12P21/08G01N33/53 DG01N33/564 ZG01N33/577 B C07K 1/00−19/00 CA/MEDLINE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) PubMed CiNii 米国特許第06964854(US,B1) 米国特許第05478753(US,A) 欧州特許出願公開第00636886(EP,A1) CLINICAL AND VACCINE IMMUNOLOGY,2007年,vol.14 no.10,pp.1307-1310 ARTHRITIS & RHEUMATISM,1999年,vol.42 no.11,pp.2461-2470 JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY,1998年,vol.36 no.5,pp.1277-1284 8 JP2009064828 20090826 WO2010024271 20100304 15 20110425 白井 美香保 本発明は、ヘパリン/PF4複合体に反応するが、PF4単体には反応しない、修飾抗ヘパリン/PF4複合体抗体に関する。本発明の前記修飾抗体は、PF4単体の存在に影響を受けることなく、ヘパリン/PF4複合体を測定することができ、また、HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)を検査する際のHIT抗体を測定するために用いる安定供給可能なHIT抗体標準品として使用することもできる。従って、本発明は、更に、該HIT抗体標準品、該HIT抗体標準品の作製方法、該HIT抗体標準品を使用してHIT抗体を定量的に測定する方法、及び、該HIT抗体標準品を含むHIT抗体測定キットに関する。 ヘパリンは抗凝固薬の一つであり、血栓塞栓症や播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療、人工透析、体外循環での凝固防止などに用いられる。 しかし、ヘパリンを投与することによってHIT(ヘパリン起因性血小板減少症)が発症する事があることが知られ、その原因はヘパリンが結合した血小板第4因子(PF4)に対して自己抗体(HIT抗体)ができるためといわれている。そのため、HIT抗体が産生されているか否か測定することで、この疾患の診断が行われている。HIT抗体はヘパリン/PF4に強く反応し、PF4単独にはほとんど反応しないことから、具体的には、ELISA法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)において、ヘパリン/PF4複合体を固定化したプレートにヒト血漿検体を反応させた後、酵素標識抗ヒトイムノグロブリン抗体を反応させ、その後酵素反応をさせることでHIT抗体の有無を調べる方法が知られている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。 しかし、いずれの文献においても、検体に含まれるHIT抗体を吸光度(OD値)による定性的、あるいは、半定量的にしか測定していない。「トロンボーシス・アンド・ヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasis)」,(独国),1992年,第68巻,第1号,p. 95-96「トロンボーシス・アンド・ヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasis)」,(独国),1994年,第71巻,第2号,p. 247-251「トロンボーシス・アンド・ヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasis)」,(独国),1995年,第73巻,第1号,p. 21-28 本発明者らは、HITの治療効果を高めるため、検体に含まれるHIT抗体を定量的に測定することが重要であると考えた。また、HITの発症因子であるヘパリン/PF4複合体の量を、PF4単体の存在に影響を受けることなく、定量的に測定することも重要であると考えた。 すなわち、検体に含まれるHIT抗体を定量的に測定するためには、検体中のHIT抗体と同等な活性を有する標準物質が必要である。しかし、HIT抗体はヒトが作る自己抗体であるため、その測定試薬の標準物質として必要な物質は(1)ヒト(HIT患者)から抽出したHIT抗体を利用するか、(2)ヘパリン/PF4複合体を動物に免疫して得られるヘパリン/PF4抗体のヒトイムノグロブリンとの交差反応性を利用するしかない状態であった。(1)はヒト(HIT患者)材料を用いることから倫理的制約、数量的限界、安定的性能確保等の面で成約を受けるため現実的な実用化は不可能である。一方、(2)は動物に免疫して得られる抗体は、通常、ヘパリン/PF4複合体ともPF4単体とも反応してしまうため、ヘパリン/PF4複合体特異的な標準物質とは言えなかった。(2)の方法の中にはPF4単体に弱く、ヘパリン/PF4複合体に強く結合するマウスモノクローナル抗体が得たという報告が文献(G.M.Arepally et al. Blood, 95(5),1533-1540, 2000)に紹介された例があるが、この特異性を持つモノクローナル抗体が得られることは非常に稀で、全ての当該業者が入手できる状態ではなかった。さらに、この場合、ヒトイムノグロブリンの交差性を利用して測定するため、検体との相関がない恐れが考えられる。 本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討し、比較的入手しやすい、ヘパリン/PF4複合体を動物に免疫して得られる抗体を使用して、PF4単体と反応せず、ヘパリン/PF4複合体と反応する修飾抗体を容易に作製すること、また、前記修飾抗体を、ヘパリン/PF4複合体特異的なHIT抗体標準品として使用することを可能にした。 従って、本発明の課題は、ヘパリン/PF4複合体特異的なHIT抗体標準品としても使用可能な、PF4単体と反応せず、ヘパリン/PF4複合体と反応する修飾抗体を提供することにある。 発明者らは、ヘパリン/PF4複合体をマウスに免疫し、定法に従って、その脾臓細胞及びミエローマ細胞から作られたハイブリドーマ細胞を用いてマウスモノクローナル抗体を得た。このマウスモノクローナル抗体はヘパリン/PF4複合体に対して反応したが、PF4単独に対しても80%程度の反応性を示した。次に、このマウスモノクローナル抗体にヒトIgGあるいはそのFc分画(IgG-Fc分画)を架橋剤で結合し、PF4単独とヘパリン/PF4複合体に対する反応性を調べたところ、予想外にもヘパリン/PF4複合体との反応性は維持したまま、PF4単独への反応性が激減することがわかった。以上のことから、ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体、及び、ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体は、抗ヘパリン/PF4ヒト抗体(HIT抗体)と同等の反応性を有する、HIT抗体の定量的な測定法に用いることが可能なHIT抗体標準品となることがわかり、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を提供するものである。(1)ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来抗体フラグメントを結合させたことを特徴とする、修飾された抗ヘパリン/PF4複合体抗体。(2)ヘパリン/PF4複合体に反応し、PF4単体には反応しない、前記(1)の修飾抗ヘパリン/PF4複合体抗体。(3)ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来抗体フラグメントを結合させたことを特徴とする、HIT抗体標準品。(4)ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来抗体フラグメントを結合させることを特徴とする、HIT抗体標準品の作製方法。(5)前記(3)のHIT抗体標準品を使用することを特徴とする、検体中のHIT抗体を定量的に測定する方法。(6)前記(3)のHIT抗体標準品を含むことを特徴とする、HIT抗体測定キット。 本明細書において、「HIT抗体」とは、ヒト体内で産生される自己抗体であって、ヘパリン/PF4複合体に強く反応するが、PF4単体にはほとんど反応しない抗体を意味する。 また、用語「抗ヘパリン/PF4複合体抗体」は、特に断らない限り、PF4単体への反応性やその由来に関係なく、ヘパリン/PF4複合体に反応する抗体の意味で使用する。従って、「抗ヘパリン/PF4複合体抗体」には、ヘパリン/PF4複合体に反応する限り、例えば、PF4単体にも反応する抗体、PF4単体には反応しない抗体、ヒト体内で産生される自己抗体(例えば、HIT抗体)、ヒトを除く動物に免疫して得られる抗体等が含まれる。 本発明により、PF4単体と反応せず、ヘパリン/PF4複合体と反応する修飾抗体が提供される。また、安定に再現性良く、容易に入手可能なHIT抗体標準品、及び、該HIT抗体標準品の作製方法が提供される。さらに、該HIT抗体標準品を用いたHIT抗体の定量的な測定方法、及び、HIT抗体を定量的に測定するキットが提供される。ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体のゲルろ過HPLCによる分画パターンを示すクロマトグラムである。ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体のゲルろ過HPLCによる分画パターンを示すクロマトグラムである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対するヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(5A1)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対するヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(5A1)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対するヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(2D6B)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対するヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(10E6)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対する抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(5A1)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対する抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(2D6B)の反応性を示すグラフである。ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対する抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(10E6)の反応性を示すグラフである。本発明のHIT抗体標準品を用いて作成した標準曲線を示すグラフである。(1)ヘパリン/PF4複合体の作製 血小板第4因子(PF4)は、分子量7,800のサブユニットの4量体からなる、分子量31,000のタンパク質である。生体内でヘパリンとPF4は種々の割合で複合体を形成しているが、2つのPF4に1つのヘパリンが結合した状態が、電荷が打ち消しあった最適比とされている。本発明の修飾抗体を作製するために使用するヘパリン/PF4複合体は、ヒト血小板から精製したPF4にヘパリンを混合しても良いが、公知の方法に基づき、公知のリコンビナントタンパク質作成法や後の実施例1に示す融合タンパク質発現法により作製することができ、生体内に存在するヘパリン/PF4複合体と同等の活性を有していれば、ヘパリンの種類や、PF4のアミノ酸配列の一部改変は限定されることはない。生体内に存在するヘパリン/PF4複合体と同等の活性とは、例えば、HIT患者が有するHIT抗体が、作製したヘパリン/PF4複合体に対し、生体内に存在するヘパリン/PF4複合体と同等の反応性を示すことが挙げられる。 PF4の作製は、公知の組み換えタンパク質作製技術を使用することができ、宿主としては、大腸菌・酵母・昆虫細胞・カイコ・動物細胞などから、適宜選択することができる。 また、使用するヘパリンは、未分画ヘパリン・高分子分画ヘパリン・低分子分画ヘパリンなどから、適宜選択することができる。(2)抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体の作製 本発明で使用することのできる抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体は、例えば、公知の細胞融合法で作製されたハイブリドーマによるモノクローナル抗体産生法により得ることができる。抗体産生細胞としては、ヒトを除く動物、例えば、マウス・ラット・モルモット等から選択することができる。すなわち、ヘパリン/PF4複合体を抗原として使用し、次いで、該複合体を用いてスクリーニングを実施することによって、本発明で使用できるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを調製することができ、そのハイブリドーマから目的のモノクローナル抗体を調製することができる。ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の調製は、定法、例えば、続生化学実験講座(日本生化学会編)又は免疫生化学研究法(日本生化学会編)に記載の方法に従って行うことができる。 所望のモノクローナル抗体は、そのモノクローナル抗体を産生することのできるハイブリドーマ(例えば、マウスハイブリドーマ)を、例えば、適当な培地又は哺乳動物(例えば、マウス)の腹腔内で培養することにより製造することができる。ハイブリドーマは、一般的には、例えば、ヘパリン/PF4複合体で免疫した哺乳動物又は鳥類(例えば、マウス)の脾臓細胞と哺乳動物(例えば、マウス)のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを、Nature, 第256巻, 495頁(1975年)に記載の方法により細胞融合して製造することが可能である。詳細には、下記実施例に記載の方法によって製造することができる。 前記のハイブリドーマを培養することのできる培地としては、ハイブリドーマの培養に適した培地であればよく、好適にはダルベッコ氏変法イーグル氏最小必須培地(Dulbeccos modified Eeagle's minimum essential medium:以下、DMEと称する)にウシ胎児血清、L−グルタミン、L−ピルビン酸、及び抗生物質(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む培地が用いられる。前記のハイブリドーマの培養は、培地中で行う場合には、例えば、5%CO2濃度及び37℃の条件下で約3日間行う。あるいは、マウスの腹腔内で行う場合には、例えば、約14日間行う。 このようにして製造された培養液又は哺乳動物の腹水から、例えば、タンパク質の単離・精製に一般的に用いられている方法により、モノクローナル抗体を分離・精製することが可能である。そのような方法としては、例えば、硫安塩析、イオン交換セルロースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プロテインA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグラフィー、透析、又は凍結乾燥等を挙げることができる。 本発明で用いることのできる「抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体」には、抗体フラグメントが含まれる。前記抗体フラグメントは、所望のモノクローナル抗体のフラグメントであって、しかも、もとのモノクローナル抗体と同じ反応性を有する抗体フラグメントである。本発明の抗体フラグメントには、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、又はFv等が含まれる。これらのフラグメントは、例えば、モノクローナル抗体を常法によりタンパク質分解酵素によって消化し、続いて、タンパク質の分離・精製の常法に従って得ることができる。(3)ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体およびヒトIgG由来抗体フラグメント結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体の作製 本発明に使用するヒトIgGは、AbD serotec社などから購入することができる。また、ヒトIgG由来抗体フラグメントも、BETHYL社等から購入することもできるし、上記(2)に記載の抗体フラグメントと同様に調製することもできる。また、公知の方法によりヒト血清からヒトIgGを精製することもできる。 本発明に使用するヒトIgG由来抗体フラグメントとしては、もとのヒトIgGと同じ反応性を有するか否かは必要でなく、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fc、又はFv等が挙げられる。 本発明に使用する抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体に結合させるヒトIgG成分としては、ヒトIgG全体、ヒトIgG由来抗体フラグメント(Fab、Fab'、F(ab')2、Fc、又はFv等)から、好適なものを選択することができるが、好ましくは、ヒトIgG全体、ヒトIgG由来Fc分画、ヒトIgG由来Fab分画を使用することができる。明細書中、ヒトIgG由来Fc分画をヒトIgG-Fc分画と記載する場合がある。 ヒトIgGあるいはヒトIgG由来抗体フラグメントと抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体の結合は、タンパク質同士を結合させる方法であれば、常法に従って結合方法や条件を選択し、行うことができる。例えば、タンパク質を修飾するための架橋剤を使用することができる。架橋剤としてはスクシンイミド基を末端に持つジスクシンイミジルグルタレート又はその類似化合物、マレイミド基を末端に持つビスマレイミドトリエチレングリコール又はその類似化合物、その両者を末端に持つマレイミドカプロイルオキシスクシンイミドエステル又はその類似化合物、あるいは、グルタルアルデヒドなどの架橋剤を用いることができる。(4)修飾抗体又はHIT抗体標準品の評価 このようにして作製した修飾抗体(例えば、ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体あるいはヒトIgG由来抗体フラグメント結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体)が、ヘパリン/PF4複合体と反応し、PF4単体には反応しないこと、あるいは、HIT抗体標準品として使用できるか否かの評価は、ヘパリン/PF4複合体の反応性とPF4単独の反応性を測定し、生体中のHIT抗体と同等の反応性を示すかどうかを検討することで行うことができる。例えば、実施例5及び6に記載の方法により、ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4単独プレートを作製し、ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体あるいはヒトIgG由来抗体フラグメント結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体のそれぞれへの反応性を測定する。ヘパリン/PF4複合体プレートにもPF4単独プレートにも同等の反応を示す抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体が、ヒトIgG、あるいはヒトIgG由来抗体フラグメントを結合されたことにより、ヘパリン/PF4複合体プレートへの反応性は変わらず、PF4単独プレートへの反応性が激減し、生体中のHIT抗体と同等の低い反応性を示すかどうか検討する。 さらに加えて、作製したヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体あるいはヒトIgG由来抗体フラグメント結合抗ヘパリン/PF4複合体モノクローナル抗体を、いくつかの濃度に調製し、標準曲線が描けるか検討する。標準曲線は、公知の手法を使用することができ、例えばエクセル3次近似式や、スプラインなどの計算式に基づいて作成することができる。 上記の検討で適しているものを、本発明の修飾抗体又はHIT抗体標準品として、使用することができる。(5)HIT抗体標準品を使用した検体中のHIT抗体の定量方法 検体中のHIT抗体の定量方法としては、公知の免疫学的測定方法を使用することができる。免疫学的測定方法としては、ELISA法やRIA法、免疫凝集法やイムノクロマト法などが挙げられる。 ELISA法の例としては、ヘパリン/PF4複合体を不溶性担体に固定化し、この固定化されたヘパリン/PF4複合体と、被検試料として検体若しくは、本発明のいくつかの濃度に調製したHIT抗体標準品とを接触させ、続いて、抗ヒトイムノグロブリン抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した検出用抗体と接触させると、前記固定化ヘパリン/PF4複合体と結合した測定試料中のHIT抗体と結合した前記検出用抗体の前記標識からの信号を検出することができる。次に、本発明のいくつかの濃度に調製されたHIT抗体標準品から検出された検出値をもとに標準曲線を作成し、前記標準曲線を用いて、検体から検出された検出値から、検体に含まれるHIT抗体の濃度を得ることができる。 免疫凝集法の例としては、ヘパリン/PF4複合体と、抗ヒトイムノグロブリン抗体若しくはその抗体フラグメントを不溶性担体に固定化し、これらの固定化したヘパリン/PF4複合体又は抗ヒトイムノグロブリン抗体若しくはその抗体フラグメントと、被検試料として検体若しくは、本発明のいくつかの濃度に調製したHIT抗体標準品とを接触させると、検体中のHIT抗体と凝集反応をおこし、その凝集度合いを検出することができる。次に、本発明のいくつかの濃度に調製されたHIT抗体標準品から検出された検出値をもとに標準曲線を作成し、前記標準曲線を用いて、検体から検出された検出値から、検体に含まれるHIT抗体の濃度を得ることができる。 前記HIT抗体標準品による標準曲線の作成は、検体の測定と同時に行っても良いし、別に行って参照しても良い。 このように、本発明によるHIT抗体標準品を用いて、本発明の検体中のHIT抗体を定量的に測定する方法を実施することができる。本発明のHIT抗体を定量的に測定する方法に用いる被検試料は、本発明による濃度既知のHIT抗体標準品や、HIT抗体を含む可能性のある試料であれば特に限定されるものではないが、例えば、検体として、生体試料、特には血液、血漿、血清、又は尿、好ましくは血漿又は血清である。 本発明のELISA法による免疫学的分析方法に使用することのできる不溶性担体は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子、その他ニトロセルロース、紙、アガロース及びこれらの組み合わせ等を例示することができる。 標識物質としては、酵素、蛍光物質、又は発光物質を使用するのが有利である。酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等、また、蛍光物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート等、また、発光物質としては、例えば、アクリジニウムエステル、ルシフェリン等を使用することができる。 凝集反応を利用する本発明の免疫学的分析方法において、不溶性担体としては、一般に抗原抗体反応の凝集反応を利用する免疫学的分析方法において用いられる任意の不溶性担体を用いることができ、例えば、ラテックス粒子(特には、ポリスチレンラテックス粒子)を挙げることができる。モノクローナル抗体を不溶性担体に固定化させるには、公知の方法、例えば、化学結合法(架橋剤としてカルボジイミド、グルタルアルデヒド等を用いる)又は物理吸着法を用いることができる。こうして、モノクローナル抗体と不溶性担体との複合体(抗体/担体複合体)を形成し、これを本発明の免疫学的分析方法に用いることができる。 HIT抗体は、HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)の原因物質であるので、本発明のHIT抗体を定量的に測定する方法を用いて、検体に含まれるHIT抗体の量を測定し、前記HITの有無及び/又は程度を検出することができる。 本発明を簡便に実施するためには、HIT抗体標準品、ヘパリン/PF4複合体からなる試薬キットを利用することが好ましい。HIT抗体標準品は、至適濃度に既に調製されたものをでも良いし、使用時に適宜調製しても良い。また、ヘパリン/PF4複合体を固定する不溶性担体をさらに添付しても良いし、既にヘパリン/PF4複合体が固定化された不溶性担体を添付しても良い。また、検出用の標識抗ヒトイムノグロブリン抗体あるいは標識抗ヒトイムノグロブリン抗体フラグメントを添付しても良い。調製方法や使用方法は、添付の説明書に記載してある内容を参考にして行うことができる。 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。《実施例1》ヘパリン/PF4複合体の作製 リコンビナント血小板第4因子(Platelet Factor 4; PF4)は、以下のように作製した。 ヒト血小板第4因子[NCBI (National Center for Biotechnology Information) Accession No.P02776]の32-101番目のアミノ酸に対応する遺伝子をPCR法により化学合成し、大腸菌発現系にて直接発現を行うため、GST(glutathione S-transferase)とPSP(PreScission Protease)切断配列をN末端に有するPF4(GST-PF4)発現ベクターを構築した。これらにより大腸菌宿主BL21(DE3)を形質転換し、培養条件の検討を行った。 GST-PF4ではGlutathione Sepharose 4Bアフィニティー精製収量が1 L培養液あたり約20 mgであった(PF4相当に換算すると約5 mg。SDS-PAGEにより定量)。さらに、PSPによる切断を一終夜間行ったところ、GST-PF4の切断効率はほぼ100%であり、精製純度向上のため、切断後のサンプルをRESOURCE S(NaCl溶出)により精製した後、HiTrap Heparin HP(NaCl溶出)により精製した。その結果、3 L培養液相当の菌体より6.4 mg/mL(Abs280の吸光度より換算)のPF4が1.1 mL得られた。 次に、PF4を6 mol/Lグアニジン塩酸及び50 mmol/L DTT(dithiothreitol)存在下で変性・還元を行い、その後、8 mol/L尿素および5 mmol/L DTTからなる変性溶液に置換した。変性状態のPF4を10 mg/mLまで濃縮後、1 mmol/L酸化型グルタチオン、10 mmol/L還元型グルタチオンを含むリフォールディング緩衝液に対して室温で100倍希釈することによりリフォールディングを行った。リフォールディング溶液をヘパリンカラムにアプライし、10 mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.5)において0.3 mol/Lから2 mol/L NaClの直線濃度勾配によりPF4を溶出させ、1.6 mol/L NaClで溶出されるヘパリン高親和性画分を分取した。これをリコンビナントPF4として、以降の実験に使用した。 次に、Heparin-induced Trombocytopenia (Marcel Dekker, Inc. New York, T.E.Warkentin et al) に記載の方法に従って、上記のように作製した470μg/mLリコンビナントPF4と14単位/mLヘパリン、ナトリウム塩(ブタ小腸粘膜由来、CALBIOCHEM)をpH7.5の緩衝液中で、2時間、室温で混合して、ヘパリン/PF4複合体を作製した。《実施例2》マウス抗ヘパリン/PF4抗体の作製 実施例1で作製したヘパリン/PF4複合体を、7週齢のメスBALB/Cマウスに免疫してマウス抗ヘパリン/PF4抗体を作製した。具体的には、ヘパリン/PF4複合体を4倍希釈後、フロイントのコンプリートアジュバントと等量混合して、500μLを皮内と腹腔内に免疫した。これと同様に2週おきに3回の免疫を行い、脾臓細胞から通常の方法でハイブリドーマ作製した。実施例5に示すELISA法により、上記で作製したハイブリドーマの中から、ヘパリン/PF4複合体に反応する5クローン(10E6、6G5-6H4、5A1、1G2B、2D6B)を選択した。また、定法に従ってモノクローナル抗体のタイピングを行ったところ、すべてIgGkであることがわかった。このハイブリドーマをマウス腹腔に投与し、2週間後から腹水を採取し、腹水をプロテインGカラムでIgGに精製して、抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体を作製した。 また、上記5クローンにおいて、PF4のみとの反応性を実施例5に示すELISA法により検討したところ、いずれもPF4にも高い反応を示した。《実施例3》HIT抗体標準品の作製(ヒトIgGのマウス抗ヘパリン/PF4抗体への結合) 0.5mgの市販精製ヒトIgG(1mL、0.25mol/L食塩を含む50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0)に21.3μgのLC-SPDP(Succinimidyl 6-(3-[2-pyridyldithio]-propionamido)hexanoate、ピアス社、10μLジオキサン)を加え、室温で1時間、回転させながら反応させた。次いで、140mmol/Lのジチオスレイトール(蒸留水)を0.28mL加え、室温30分、静置し還元させ、1mmol/LのEDTAを含む50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0で平衡化したセファデックスG-25カラム(1.5cm×12cm)を通し、最初に溶出されるタンパク質のピークを280nmでモニターしながら取得した。 一方、0.5mgの上記で作製した抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(クローン 5A1、1mL、0.25mol/L食塩を含む50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0)に52μgのSMCC(Succinimidyl-4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate、ピアス社、30μLジメチルホルムアミド)を加え、室温で1時間、回転させながら反応させた。次いで、1mmol/LのEDTAを含む50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0で平衡化したセファデックスG-25カラム(1.5cm×12cm)を通し、最初に溶出されるタンパク質のピークを280nmでモニターしながら取得した。 上記で作製したSH基導入ヒトIgGとマレイミド基導入抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体を等量混合し、4℃で一夜、静置反応後、過剰のマレイミド基のブロック剤として3mg/mLの2-メルカプトエチルアミン(蒸留水)を10μL加え、室温で2時間静置し、反応させた。この反応産物を、生理食塩水で平衡化したセファクリルS-200カラム(2.5×40cm)で分画し、上記ヒトIgG及び抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体より先に溶出するヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体のピークを分取した。 ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体のゲルろ過HPLCによる分画パターンを図1に示す。溶出時間30〜50分付近のピークをヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体として得た。抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体に1つ以上のヒトIgGが結合していると考えられる。 なお、溶出時間50分付近のピークは、反応しなかった過剰のヒトIgGであり、溶出時間80分付近のピークは、反応しなかった過剰の架橋剤(ブロック剤)などの低分子である。《実施例4》HIT抗体標準品の作製(ヒトIgG-Fc分画のマウス抗ヘパリン/PF4抗体への結合) ヒトIgG-Fc分画1mg(BETHYL社、カタログ番号P80-204、コスモバイオ扱い)を、マウス抗ヘパリン/PF4抗体 (5A1、2D6B、10E6)のそれぞれ0.5mgと結合させた。対象抗体クローン及びヒトIgGの代わりに、ヒトIgG-Fc分画を使用したこと以外は、実施例3の方法と同様に行った。 ヒトIgG-Fc分画結合マウス抗ヘパリン/PF4抗体(5A1)のゲルろ過HPLCによる分画パターンを図2に示す。溶出時間30〜50分付近の最初のピークをヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体として得た。抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体に1つ以上のヒトIgG-Fc分画が結合していると考えられる。 なお、溶出時間60分付近のピークは、反応しなかった過剰のヒトIgG-Fc分画であり、溶出時間80分付近のピークは、反応しなかった過剰の架橋剤(ブロック剤)などの低分子である。《実施例5》HIT抗体標準品の反応性の確認 実施例3及び4で調製したヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体、ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体の反応性の確認は以下のように行った。 物理吸着用ELISAプレート(コースターEIA/RIAプレート、ハイバインディング2592:コースター社製)に、実施例1で作製した1.2μgのリコンビナント血小板第4因子(PF4)と0.04単位のヘパリン(ヘパリン、ナトリウム塩、ブタ小腸粘膜由来/CALBIOCHEM社製)を含む10mmol/L PBSpH7.3を100μL分注し、4℃で一夜静置し、反応ウェルをコートした。また、別の反応ウェルを、ヘパリンを含まないPF4入り緩衝液を100μL分注し、4℃で一夜静置コートした。 次に、上記の反応ウェルを洗浄液(0.1%Tween20を含むPBS)で3回洗浄した後、20%正常ヤギ血清を含む希釈液(PBS)で段階希釈したヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体、あるいは、ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体を加え、室温で1時間、静置反応させた。 洗浄液で3回希釈した後、希釈液で3000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体(ペルオキシダーゼ標識アフィニティー精製抗ヒトイムノグロブリン・ヤギ抗体F(ab')2分画/ジャクソンイムノリサーチ社製)を100μLずつ分注し、室温で1時間、静置反応させた。次に、洗浄液で4回洗浄した後、発色液(0.006%過酸化水素と2mgのオルトフェニレンジアミンを含む50mmol/L酢酸緩衝液pH5.5)を100μLずつ分注し、室温で10分間、反応させた。停止液(0.5mol/L硫酸)を100μLずつ加えた後、ELISAプレートリーダー(マイクロプレートリーダーMPR-A4i/東ソー社)に主波長492nm、副波長620nmのフィルターをセットして、発色度を測定した。 ヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対するヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体の反応性を図3に、ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体の反応性を図4(5A1)、図5(2D6B)、図6(10E6)に示す。 陰性の対象実験として、抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体のヘパリン/PF4複合体プレートとPF4プレートに対する反応性を、上記と同様の方法で実施した。抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体は、ヒトIgG成分を有しないため、標識抗体にHRP標識抗マウスイムノグロブリン抗体(西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン・ウサギIgG抗体/DAKO社製)を用いた。その結果を図7(5A1)、図8(2D6B)、図9(10E6)に示す。 すなわち、いずれの抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体においても、ヒトIgG成分を結合することにより、ヒト自己抗体(HIT抗体)と同様に、PF4単独とは反応しにくく、ヘパリン/PF4複合体に強く反応する修飾抗体が得られた。 したがって、上記修飾抗体(ヒトIgG結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体、及び、ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体)は、ヒト検体中のHIT抗体を測定する際のHIT抗体標準品として使用できることが示された。《実施例6》ヒト検体中のHIT抗体の測定と定量 まず、ヒト検体中のHIT抗体を定量するために、上記で作製したHIT抗体標準品(ヒトIgG-Fc分画結合抗ヘパリン/PF4マウスモノクローナル抗体(5A1))により、標準曲線を作成した。HIT抗体標準品は、1μg/mLあたり2単位に相当する。HIT抗体標準品を0、0.3、0.6、1μg/mL(それぞれ、0、0.6、1.2、2単位に相当)にそれぞれ調製し、実施例5と同様に、ヘパリン/PF4複合体プレートに対する反応性を測定した。OD値は、それぞれ、0.005、1.140、1.743、2.191を示した。次に、スプライン近似曲線の式により標準曲線を作成した。この結果を図10に示す。得られた4点を通る標準曲線が描けることがわかった。 実検体(80検体)はそれぞれ101倍に希釈し、実施例5と同様に、ヘパリン/PF4複合体プレートに対する反応性を測定した。得られたOD値を用い、上記で作成した標準曲線から、濃度(μg/mL)を求めた。この結果を表1に示す。いずれの検体においても、標準曲線から、検体中に含まれるHIT抗体濃度を求めることができた。 本発明の修飾抗体は、HITの発症因子であるヘパリン/PF4複合体の分析に適用することができる。また、本発明の修飾抗体は、HIT抗体標準品としても使用することができる。 以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。 ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来Fc領域を含むフラグメントを架橋剤により結合させた、修飾された抗ヘパリン/PF4複合体抗体であって、結合させる前の前記モノクローナル抗体が、ヘパリン/PF4複合体に反応し、且つ、PF4単体に反応する、前記抗体。 ヘパリン/PF4複合体に反応し、PF4単体には反応しない、請求項1に記載の修飾抗ヘパリン/PF4複合体抗体。 ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来Fc領域を含むフラグメントを架橋剤により結合させた、HIT抗体標準品であって、結合させる前の前記モノクローナル抗体が、ヘパリン/PF4複合体に反応し、且つ、PF4単体に反応する、前記HIT抗体標準品。 ヘパリン/PF4複合体に反応し、PF4単体には反応しない、請求項3に記載のHIT抗体標準品。 ヘパリン/PF4複合体を動物(ヒトを除く)に免疫して得られるモノクローナル抗体に、ヒトIgGあるいはヒトIgG由来Fc領域を含むフラグメントを架橋剤により結合させる、HIT抗体標準品の作製方法であって、結合させる前の前記モノクローナル抗体が、ヘパリン/PF4複合体に反応し、且つ、PF4単体に反応する、前記作製方法。 HIT抗体標準品が、ヘパリン/PF4複合体に反応し、PF4単体には反応しない、請求項5に記載の作製方法。 請求項3又は4に記載のHIT抗体標準品を使用することを特徴とする、検体中のHIT抗体を定量的に測定する方法。 請求項3又は4に記載のHIT抗体標準品を含むことを特徴とする、HIT抗体測定キット。


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