生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_麻酔薬節約効果を得るためのNMDA拮抗薬を用いる組成物および方法
出願番号:2010523089
年次:2010
IPC分類:A61K 45/06,A61K 31/662,A61K 31/08,A61K 31/4468,A61P 43/00,A61P 23/00,A61K 31/05


特許情報キャッシュ

セシル マーク エプラー ウィリアム ダブリュー. ミューア III デイヴィッド ロバート ハステッド トーマス ジェラード カレン ラファエル ジョハネス ガーハーダス ズウィジュネンバーグ JP 2010537999 公表特許公報(A) 20101209 2010523089 20080826 麻酔薬節約効果を得るためのNMDA拮抗薬を用いる組成物および方法 ワイス・エルエルシー 309040701 室伏 良信 100096666 ▲高▼橋 宏次 100131934 宮澤 純子 100137040 四本 能尚 100133927 セシル マーク エプラー ウィリアム ダブリュー. ミューア III デイヴィッド ロバート ハステッド トーマス ジェラード カレン ラファエル ジョハネス ガーハーダス ズウィジュネンバーグ US 60/968,236 20070827 A61K 45/06 20060101AFI20101112BHJP A61K 31/662 20060101ALI20101112BHJP A61K 31/08 20060101ALI20101112BHJP A61K 31/4468 20060101ALI20101112BHJP A61P 43/00 20060101ALI20101112BHJP A61P 23/00 20060101ALI20101112BHJP A61K 31/05 20060101ALI20101112BHJP JPA61K45/06A61K31/662A61K31/08A61K31/4468A61P43/00 111A61P23/00A61P43/00 121A61K31/05 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2008074317 20080826 WO2009029618 20090305 46 20100413 4C084 4C086 4C206 4C084AA20 4C084MA02 4C084MA55 4C084MA66 4C084NA05 4C084NA06 4C084ZA041 4C084ZA042 4C084ZC422 4C084ZC752 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086DA34 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA08 4C086MA55 4C086MA56 4C086MA66 4C086NA05 4C086NA06 4C086ZA04 4C086ZC42 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206CA17 4C206CA23 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA14 4C206MA24 4C206MA75 4C206MA86 4C206NA05 4C206NA06 4C206ZA04 本開示は、一般的に、動物用医薬を包含する医薬の分野に関する。より具体的に、本開示は、化合物:[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸およびその誘導体を包含するがそれらに限定されないNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を含む組成物、組合せ、キットおよび方法を提供し、化合物、組成物、組合せ、キットおよび方法は、麻酔薬節約効果を得るのに有効である。 麻酔薬節約効果は、麻酔薬の、有益な効果を補完するため、および/または望ましくない副作用を緩和するために使用されるいくつかのクラスの薬物について認められている。これらのいわゆる「麻酔補助(anesthetic adjuvant)」薬は、α2アドレナリン作動薬(Soaresら、American Journal of Veterinary Research 96:854〜859(2004)ならびにMuirおよびLerch、Am.J.Vet.Res.67:782〜789(2006))、ベンゾジアゼピン(Hallら、Anesthesiology 68:862〜866(1988))、およびオピオイド(Machadoら、Veterinary Anesthesia and Analgesia 33:70〜77(2006)およびMuirら、Am.J.Vet.Res.64:1〜6(2003))を包含する。麻酔薬節約は、NMDAグルタミン酸受容体をブロックすることにより得ることもできる。非競合的NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬であるケタミンは、麻酔薬の催眠/解離/鎮痛補助剤として一般に使用される。臨床的に通常使用される投与量においてケタミンにより提供される10〜20%の麻酔薬節約効果は、やや低めであるが(Muirら、Am.J.Vet.Res.64:1〜6(2003))、麻酔補助剤としてのケタミンの有益性の1つであると今でも見なされている。 しかしながら、現在使用されている麻酔補助薬を介して達成できる麻酔薬節約効果は、望ましくない副作用により制限される。例えば、上で言及したケタミンの解離および他の不快効果は、それらが望ましくない副作用であると見なされる術後環境になっても続くことがある。ケタミンは、これらの副作用を避けるため、ボーラスIV注射(より好都合である)によるのではなく、相対的に低い投与量でIV注入により投与されることが多い。他の麻酔補助薬の使用を制限する副作用は、α2アドレナリン作動薬(Salmenperraら、Anesthesiology 80:837〜846(1994))とオピオイド(Ilkiwら、Canadian Journal of Veterinary Research 58:248〜253(1994))の両方についての徐脈およびオピオイドについての呼吸抑制(van den Bergら、British Journal of Clinical Pharmacology 38:533〜543(1994);Willetteら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 240:352〜358(1987))を包含する。ベンゾジアゼピンは、有意な麻酔薬節約効果を提供することができるが、それらは、臨床的に使用される投与量においてやや低めである傾向があり(典型的には、25%未満)(Tranquilliら、American J.of Vet.Res.52:662〜664(1991);Muirら、Journal of Veterinary Pharmacology and Therapeutics 14:46〜50(1991))、呼吸抑制および同時に使用するオピオイドの鎮痛効果の低下などの副作用が生じることがある(Gearら、Pain 71:25〜29(1997)およびDagheroら、Anesthesiology 66:944〜947(1987))明らかに非臨床的な投与量においてのみ約50%レベルに達する(Hallら、Anesthesiology 68:862〜866(1988))。 グルタミン酸およびアスパラギン酸は、必須アミノ酸としておよび主要な興奮性神経伝達物質として中枢神経系(CNS)において二重の役割を果たしている。少なくとも4つの興奮性アミノ酸受容体:NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体、AMPA(2−アミノ−3−(メチル−3−ヒドロキシイソオキサゾール−4−イル)プロパン酸)受容体、カイニン酸受容体、および代謝調節型受容体がある。これらの興奮性アミノ酸受容体は、生理学的脳機能に影響を与える広範囲なシグナル伝達事象を調節する。例えば、NMDA受容体の活性化は、多くの疾患状態における興奮毒性および神経細胞死、ならびに頭部外傷、脳卒中後、および心停止後の低酸素症および虚血の結果につながる中枢性事象であることが明らかにされている。NMDA受容体は、記憶および学習などの多くの高等な認知機能の根底にあるシナプス可塑性、特定の侵害受容性経路、ならびに疼痛の知覚において主要な役割を果たしていることも知られている。さらに、NMDA受容体の特定の特性は、それらが、意識自体の根底にある脳内の情報処理に関与していることを示唆している(上記情報。(Petrenkoら、Anesth.Analg.97:1108〜1116(2003)に総説がある))。 NMDAグルタミン酸受容体(または「NMDA受容体」)は、CNSの至る所、およびCNSから末梢組織に至る神経に局在する。NMDA受容体は、それらが、グリシンとの組合せでグルタミン酸により活性化された場合に、ナトリウム、カリウム、およびカルシウムイオン流出を調節するリガンド開口型陽イオンチャネルである(ChildersおよびBaudy、Journal of Medicinal Chemistry 50:2557〜2562(2007)に総説がある)。機能的NMDA受容体は、1〜3個のNR1サブユニットおよび1〜3個のNR2サブユニット(一般的に、2NR1+2NR2と描かれる)からなるヘテロ四量体である。この異質性は、少なくとも8個のNR1スプライス変異体および4個のNR2サブユニット(NR2A〜NR2D)の存在により大きく拡大される。単独で発現された場合にイオンチャネルを構築することができるNR1サブユニットは、グリシン結合部位を含有する。完全なイオンコンダクタンスに必要であるNR2サブユニットは、グルタミン酸結合部位と、ポリアミンおよびZn2+のためのアロステリックな調節部位も含有する。NMDA受容体は、Mg2+により占有された場合にチャネルを介するイオン流をブロックする、イオンチャネルの細孔内に位置するMg2+結合部位も含有する。 NMDA受容体の活性化は、末梢組織および神経の損傷に伴う疼痛の誘発において主要な役割を果たしている(Sindrupら、Pain 83:389〜400(1999)およびSalter、Cur.Topics in Med.Chem.5:557〜567(2005))。普通の(侵害受容性の)疼痛の条件下で、脊髄後角において求心性ニューロンから受ける興奮性シグナルは、主にグルタミン酸受容体の急速に不活化する(fast−inactivating)カイニン酸およびAMPAサブタイプにより媒介される。より大きな持続時間および強度の疼痛性刺激は、Mg2+イオンによるその緊張性ブロックからグルタミン酸受容体のNMDAサブタイプを開放する長時間のゆっくりと脱分極するシナプス電位を蓄積させる。NMDA受容体の活性化は、持続的脱分極を倍加させ、「ワインドアップ」と呼ばれるプロセスにおける後角侵害受容ニューロンの放電の増加に寄与する。NMDA受容体の長時間の活性化は、「中枢性過敏化」と呼ばれる一群のプロセスにおける活性化に対する侵害受容ニューロンの応答性を高める細胞内シグナル伝達経路の修飾につながることがある。タンパク質の可逆的翻訳後修飾などの中枢性過敏化の要素は、短期と長期の両方にわたって作用することがある。中枢性過敏化は、短期の可逆的成分(タンパク質の翻訳後修飾など)と長期要素の両方を包含する。神経障害性疼痛に伴うと考えられている1つのそのような長期要素は、調節性チロシンキナーゼSrcのアップレギュレーションを介する興奮性入力に対するNMDA受容体自体の応答増強である。YuおよびSalter、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96:7697〜7704(1999)。 NMDA受容体拮抗薬が、「ワインドアップ」応答を阻害することができるであろうという以前の証明は、中枢性過敏化におけるNMDA受容体の関与に関する最初の証拠を提供し、この機構を標的として新規な鎮痛薬を開発するためのさらなる努力を支えた。摘出した神経線維および後角感覚ニューロンを使った基礎研究において、D−CPP、d−APV、およびMK−801を包含する様々な競合的および非競合的NMDA受容体拮抗薬は、持続的脱分極などのワインドアップおよび中枢性過敏化の細胞性相互相関を阻害し、反復刺激による活動電位放電を増加させた(DaviesおよびLodge、Brain Research 424:402〜406(1987);DickensonおよびSullivan、Neuropharmacology 26:1235〜1238(1987);ならびにWoolfおよびThompson、Pain 44(3):293〜299(1991))。ケタミンを使った臨床研究は、神経障害性および術後の疼痛の有意な減少を示した(Eideら、Pain 61:221〜228(1995);Roytblatら、Anesth.Analg.77:1161〜1165(1993);およびDich−Nielsenら、Acta Anesthesiologica Scandinavica 6:538〜587(1992))。 NMDA受容体拮抗薬は、NMDA受容体の構造の複雑性を鑑みて予想されるように、機構によりいくつかのクラスに分類される。NMDA受容体グルタミン酸部位拮抗薬とは、NR2サブユニットのグルタミン酸結合部位と競合的に相互作用する化合物、例えば、CGS−19755(セルホテル(Selfotel);cis−4−ホスホノメチル−2−ピペリジンカルボン酸);CPP(3−(2−カルボキシピペラジン−4−イル)プロピル−1−ホスホン酸);およびAP5(D−2アミノ5−ホスホノペンタン酸)を指す。例えば、KarlstenおよびGordh、Drugs and Aging 11:398〜412(1997)を参照されたい。ストリキニーネ非感受性グリシン部位(グリシンβ)において相互作用する、例えば、L−701324(7−クロロ−4−ヒドロキシ−3−(3−フェノキシ)フェニル−2(1H)−キノリン)、およびNR2B含有受容体、例えばイフェンプロジルのポリアミン活性化をブロックする(または、間接的に調節する)拮抗薬も開発されている。非競合的NMDA受容体チャネルブロッキング拮抗薬は、ジゾシルピン(MK−801)、ケタミン、デキストロメトルファン、メマンチン、およびアマンタジンを包含する。 上に列挙されているすべての化合物は、前臨床疼痛モデルにおいて活性を示した。例えば、Haoら、Pain 66:279〜285(1996);Bennett、J.Pain Symptom Management 19:S2(2000);ならびにChildersおよびBaudy、J.Med.Chem.50:2557〜2562(2007)を参照されたい。非競合的チャネルブロッカーは、鎮痛のために臨床的に現在使用されているNMDA受容体拮抗薬の唯一のクラスである。ケタミンは、外傷後疼痛および異疼痛(Maxら、Clinical Neuropharmacology 18:360〜368(1995));神経障害性疼痛(Leungら、Pain 91:77〜187(2001)ならびにChizhおよびHedley、Curr.Pharm.Design 11:2977〜2994(2005));および術後疼痛(SlingsbyおよびWaterman−Pearson、Res.Vet.Sci.69:147〜152(2000)ならびにDeKockら、Pain 92:373〜380(2001))に対する有効性を示した。デキストロメトルファンは、糖尿病性神経障害性疼痛を治療すること(Nelsonら、Neurology 48:1212〜1218(1997)およびSangら、Anesthesiology 96:1053〜1061(2002))および、奏効する場合もあれば奏効しない場合もあるが、オピオイドに付加する物として術後疼痛(Duedahlら、Acta Anesthesiol.Scand.50:1〜13(2006))に対する有効性を示した。アマンタジンは、癌患者における術後神経障害性疼痛(Pudら、Pain 75:349〜354(1998))および幻肢痛(Wiechら、Anesth.Analg.98:408〜413(2004))を治療するのに使用されている。 しかしながら、非競合的チャネルブロッキングNMDA拮抗薬の臨床的有用性は、聴覚および視覚の障害および幻覚、非現実感、身体分離感、眩暈、鎮静、悪心、ならびに嘔吐などの有害効果により制限されている(ChizhおよびHedley、Curr.Pharm.Design 11:2977〜2994(2005);KohrsおよびDurieux、Anesth.Analg.87:1186〜1193(1998);ならびにMaxら、Clin.Neuropharm.18:360〜368(1995))。これらの効果の一部は、NMDA受容体における同じ部位と相互作用する乱用性の精神作用物質、フェンシクリジン(PCP)の効果と類似している(JavittおよびZukin、Am.J.Psychiatry 148:1〜10(1991)ならびにParsonsら、Drug News Perspect.11:523〜569(1998))。デキストロメトルファン、アマンタジン、およびメマンチンなどの低親和性チャネルブロッカーは、高親和性ブロッカーよりも有害効果が少ないことが示唆されているが(Rogawski、Trends Pharmacol.Sci.14:325(1998))、これらの薬物の臨床的有効性は、相対的に低く、問題のある副作用を依然として伴っている(Nelsonら、Neurology 48:1212〜1218(1997);Sangら、Anesthesiol.96:1053〜1061(2002);ChizhおよびHedley、Curr.Pharm.Design 11:2977〜2994(2005);ならびにSang、J.Pain and Symptom Management 19S:21〜25(2000))。また、ジゾシルピン(極めて高親和性)とメマンチン(相対的に低親和性)は共に、PCPと食塩水を区別するように訓練されたラットにおいてPCP様の弁別刺激効果の代わりをし(Moriら、Behav.Brain Res.119:33〜40(2001))、メマンチンは、サルにおいてPCP様の自己投与を維持することが明らかにされており、ヒトにおける乱用の可能性を有することが示唆されている(Nicholsonら、Behav.Pharmacol.9:231〜243(1998))。 NMDA受容体グルタミン酸拮抗薬は、NMDA受容体チャネルブロッカーと同じ程度のヒトにおける精神作用性副作用も非ヒトにおけるPCP様の弁別刺激効果も有していないが、それらは、多くの望ましくない副作用を有することが明らかにされている(BaronおよびWoods、Psychopharmacol.118:42〜51(1995);Moriら、Behav.Brain Res.119:33〜40(2001);Franceら、J.Pharm.Exp.Ther.257:727〜734(1991);ならびにFranceら、Eur.J.Pharmacol.159:133〜139(1989))。例えば、NMDAグルタミン酸拮抗薬CGS−19755は、行動的に有効な投与量においてマウスおよびラットの帯状および後板状皮質の一部の層における空胞の一過性の可逆的誘発を有することが明らかにされている(すなわち、有効性:空胞化の比が1;Herringら、「Excitatory Amino Acids Clinical Results with Antagonists」、(Academic Press、第1章(1997))。空胞化の機能的意味は不明であるが、以前の研究は、この空胞化が、NMDA受容体拮抗薬により引き起こされる精神作用効果と相関関係があり、ジゾシルピンの場合のような限定されたニューロン細胞死につながることを示唆している(Olneyら、Science 244:1630〜1632(1989);Olneyら、Science 254:1515〜1518(1991);およびFixら、Exp.Neurol.123:204〜215(1993))。 Kinneyらによる米国特許第5,168,103号(「’103特許」)は、神経保護薬および抗痙攣薬として有用な特定の[[2−(アミノ−3,4−ジオキソ−1−シクロブテン−1−イル)アミノ]アルキル]−酸誘導体を開示している。これらの[[2−(アミノ−3,4−ジオキソ−1−シクロブテン−1−イル)アミノ]アルキル]−酸誘導体は、痙攣、脳細胞傷害、および関連する神経変性障害などの特定の中枢神経系障害を治療するのに有用な競合的NMDA拮抗薬として開示されている。’103特許に開示されている化合物のうちの1つ、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸(ペルジンホテルおよびEAA−090としても知られている)の副作用は、患者における脳卒中関連虚血を治療するための化合物を開発することに関連して行われた欧州における第I相臨床試験で健常ヒト志願者において評価された(Bradfordら、Stroke and Cerebral Circulation、Abstract(1998))。 Brandtらによる米国特許第7,098,200号(「’200特許」)は、ペルジンホテルが、様々な前臨床疼痛モデルにおいて抗痛覚過敏効果を引き起こすのに有効であることを開示している。例えば、ペルジンホテルは、比較NMDA受容体拮抗薬が引き起こさない条件下で抗痛覚過敏効果を引き起こした。さらに、ペルジンホテルは、抗痛覚過敏効果を引き起こすのに必要とされる用量において、知られているNMDA受容体拮抗薬により示される有害副作用の程度を有していなかった。例えば、ペルジンホテルは、前臨床疼痛モデルにおいて痛覚過敏を緩和するのに必要とされる投与量において、他の報告されている競合的グルタミン酸拮抗薬(CGS−19755)、競合的ポリアミン拮抗薬(イフェンプロジル)および使用依存的チャネルブロッカー(MK−801、メマンチン;ジゾシリピン(dizocilipine)、ケタミン)と比較して運動失調も鎮静も引き起こさなかった。 さらに、CGS−19755などの一部のNMDA受容体拮抗薬は、マウスおよびラットの帯状および後板状皮質の一部の層における空胞の一過性の可逆的誘発を示すことが分かっている。行動的に有効な投与量において空胞化を引き起こすCGS−19755とは対照的に、ペルジンホテルは、16もの大きな有効性:空胞化比を有していた。さらに、NMDAグルタミン受容体チャネルブロッキング拮抗薬とは異なり、ペルジンホテルは、ラットにおいてPCPの代わりとならず、この化合物が、PCP様の精神作用効果とは関係なく、PCP様の乱用傾向も含有しないことを示唆した。さらに、ペルジンホテルは、虚血モデルにおいて有効な投与量より4〜10倍高い投与量まで多くのPCP様の効果を欠いていた。 ペルジンホテルは、有効性対精神作用副作用に関して優れた治療係数を示す強力で選択的な競合的NMDA拮抗薬として記載されている(Childersら、Drugs of the Future 27:633〜638(2002))。ペルジンホテルは、典型的なα−アミノ酸の代わりに生物学的等価性のスクアリン酸を有し、NR2Aサブユニットを有するげっ歯類NMDA受容体に対して10倍選択的であると報告されている(Sunら、J.Pharm.Exp.Ther.310:563〜570(2004))。ペルジンホテルは、腹腔内と経口の両方で投与された場合に、炎症性疼痛の動物モデルにおける有効性を示した(Brandtら、J.Pharm.Exp.Ther.313:1379〜1386(2005))。 Baudyによる米国特許公開第2006/0079679号(’679公開)は、ジエチル3,3’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエートおよびその誘導体などのペルジンホテルの有用な誘導体を開示している。これらの化合物は、「プロドラッグ」として機能し、ペルジンホテルに比べて改善された経口吸収を提供し(親油性の増加に起因する)、血漿エステラーゼによる加水分解によりインビボでペルジンホテルを与える。 イソフルラン節約効果が、競合的NMDA拮抗薬CPPおよびCGS−19755について前臨床的に(ラットにおいて)明らかにされているが(Kurodaら、Anesth.Analg.77:795〜800(1993))、臨床使用は、上記、ならびにHoyteら(Current Molecular Medicine 4:131〜136(2004))ならびにChilersおよびBaudy(J.Med.Chem.50:2557〜2562(2007))により報告されている許容できない副作用のためにありそうにない。したがって、望ましくない副作用の低減を示すと同時に麻酔薬節約効果の改善を得るための、ペルジンホテルおよびその誘導体などのNMDA拮抗薬を用いる組成物および方法を包含する組成物および方法の必要性が当技術分野において残っている。 本開示は、麻酔薬単独に比べて心肺機能の改善という驚くべき付加的利益も提供すると同時に、驚くべき強い麻酔薬節約効果を媒介するのに有効である、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸(ペルジンホテル)およびその誘導体を包含するがそれらに限定されないNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を含む組成物、組合せ、および方法を提供することにより、これらの必要性および他の関連する必要性を満たす。すなわち、本明細書に開示されている組成物および方法は、麻酔レジメンと併せて使用される場合に、等しいレベルの麻酔を得るために、NMDA受容体拮抗薬がない場合に必要とされるよりも低減された濃度の麻酔薬を使用することを可能にする。そのような麻酔薬節約効果は、本明細書において、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテル、および、例えば、ジエチル3,3’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエートなどのその誘導体により例示される。これらの化合物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,168,103号および第7,098,200号ならびに米国特許公開第2006/0079679号に開示および記載されている。 本明細書においてさらに詳細に開示されているように、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルは、イソフルランが本明細書において例示されているがそれに限定されない麻酔薬との組合せで使用される場合に、実質的な麻酔薬節約効果を引き起こすことができる。より具体的に、ペルジンホテルは、心肺機能の低下が観察されない投与量において約60%までの麻酔薬節約効果を与えることが証明される。実際に、特定の実施形態内で、NMDA受容体拮抗薬:麻酔薬組合せ、例えば、本明細書において例示されるペルジンホテル:イソフルラン組合せは、麻酔薬単独で得られる効果と比較して、心肺機能の改善を示す。 本明細書において提供されるNMDA拮抗薬は、手術手順中に投与され、イソフルランを包含するがそれに限定されない低減された量の麻酔化合物により有効な麻酔が引き起こされることを可能にする。手術手順の安全性は、必要とされる低濃度の麻酔薬によって改善され、心肺機能および他の機能を調節するホメオスタシス機構ならびにペルジンホテルおよびその誘導体の濃度が麻酔薬節約効果を得るために用いられる場合に、麻酔薬単独に比べて変化しないか増加(意識の増加に向かって)するかのどちらかである、脳波データから導かれる意識喪失深度の尺度である二波長指数に対する有害効果を減少させる結果になる。 本発明のこれらおよび他の実施形態、特徴、および利点は、以下で本明細書に記載される詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。 上述の通り、本開示は、ペルジンホテル、およびその誘導体を包含する特定のNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬が、例えば、イソフルランなどの麻酔薬との組合せで使用される場合に、実質的な麻酔薬節約効果を引き起こすことができるという予想外の発見に基づいている。すなわち、手術手順中に投与される場合に、ペルジンホテルは、有効な麻酔が、低減された量の麻酔化合物で得られることを可能にする。ペルジンホテルは、約13%〜約59%の麻酔薬節約効果を与え、等しいレベルの麻酔を引き起こすのに必要とされる投与量における麻酔薬単独に比べて心肺機能が改善される。 本発明は、下記の定義を参照することにより最も良く理解されるであろう。 定義 本明細書で使用する「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素鎖を指し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルなどの直鎖または分岐鎖を包含するが、これらに限定されるものではない。低級アルキルは、1〜3個の炭素原子を有するアルキルを指す。本発明の一部の実施形態において、アルキルは、C1〜C8であることが好ましく、C1〜C6であることがより好ましい。 本明細書で使用する「アルキレニル(alkylenyl)」という用語は、連結するアルキル基(すなわち、二価アルキル基)、例えば、−−CH2−−または−−(CH2)2−−を指す。 本明細書で使用する「アルケニル」という用語は、1〜3個の二重結合を含有する2〜7個の炭素原子を有する脂肪族の直線または分岐状の炭化水素鎖を指す。アルケニルの例は、ビニル、プロプ−1−エニル、アリル、メタリル、ブト−1−エニル、ブト−2−エニルまたはブト−3−エニルなどの直線または分岐状のモノ−、ジ−、またはポリ−不飽和基である。 本明細書で使用する「アルケニレニル(alkenylenyl)」という用語は、連結するアルケニル基(すなわち、二価アルケニル基)、例えば、−−CH=CH−−を指す。 本明細書で使用する「アルキニル」という用語は、1〜3個の三重結合を含有する2〜7個の炭素原子を有する脂肪族の直線または分岐状の炭化水素鎖を指す。 本明細書で使用する「アシル」という用語は、Rが、1〜6個の炭素原子のアルキル基である基R−−C(=O)−−を指す。例えば、C2〜C7アシル基は、Rが、1〜6個の炭素原子のアルキル基である基R−−C(=O)−−を指す。 本明細書で使用する「アルカンスルホニル」という用語は、Rが、1〜6個の炭素原子のアルキル基である基R−−S(O)2−−を指す。 本明細書で使用する「アリール」という用語は、フェニルまたはナフチルなどの芳香族5〜13員単環式または二環式炭素環を指す。アリール部分を含有する基は、環内に5〜7個の炭素原子を有する単環式であってよい。ヘテロアリールは、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択することができる1〜5個のヘテロ原子を有する芳香族5〜13員炭素含有単環または二環を意味する。ヘテロアリール部分を含有する基は、環員のうちの1〜2個が、独立して、窒素、酸素または硫黄から選択される、環内に5〜7個のメンバーを有する単環式であってよい。アリールまたはヘテロアリール部分を含有する基は、以下で定義されるような置換基で置換されているか、置換されていなくてもよい。 本明細書で使用する「アロイル」という用語は、Arが、上記で定義されているようなアリールである基Ar−−C(=O)−−を指す。例えば、C6〜C14アロイル部分は、Arが、芳香族5〜13員炭素環式環である基Ar−−C(=O)−−を指す。 本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。 本明細書で使用する「置換されている」という用語は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基および/または1〜約3個置換基を有する、アリールまたはヘテロアリール部分などの部分を指す。 本明細書で使用する「対象」または「動物」という用語は、互換的に、イヌ、ネコ、オオカミ、イタチ、げっ歯類(例えば、ラシン(racine)およびマウスなど)、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタの種などの哺乳類の種、および霊長類(後者は、ヒトを包含する)のメンバーを包含するがこれらに限定されない脊椎動物を指す。 本明細書で使用する「薬学的に許容できる」という語句は、毒性学的視点から医薬応用における使用を許容でき、活性成分と有害に相互作用しない物質を指す。「薬学的に許容できる」は、対象に投与された場合に、生理学的に忍容性があり、典型的には、アレルギー反応または胃の不快感、眩暈などの類似の有害反応を引き起こさない分子実体および組成物を包含する。「薬学的に許容できる」という用語は、連邦政府または州政府の規制機関により認可されているか、動物、より詳細には、ヒトで使用するための米国薬局方または他の一般的に認められた薬局方に列挙されている分子実体および組成物を包含することがある。 本開示の麻酔薬節約性の組成物および方法において有用な化合物は、本明細書において提供されるNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の薬学的に許容できる塩も包含する。「薬学的に許容できる塩」とは、対応する塩を形成するために薬学的に許容できる塩基または酸を、本明細書において提供される化合物に添加することにより形成される任意の化合物を意味する。薬学的に許容できる塩は、現在開示されている化合物のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、またはリチウム)もしくはアルカリ土類金属(カルシウムまたはマグネシウム)塩、または化合物の、アンモニアもしくは塩基性アミンから誘導される薬学的に許容できる陽イオンとの塩であることが好ましい。後者の例は、アンモニウム、モノ−、ジ−、もしくはトリメチルアンモニウム、モノ−、ジ−、もしくはトリエチルアンモニウム、モノ−、ジ−、もしくはトリプロピルアンモニウム(イソおよびノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム、1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ−、ジ−、もしくはトリエタノールアンモニウム、トリス−(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、またはフェニルモノエタノールアンモニウムを包含するが、これらに限定されるものではない。 「担体」という用語は、化合物と一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような担体は、水およびラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物もしくは合成起源のものを包含する油などの無菌の液体であってよい。水または水溶液食塩溶液ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液は、担体として、特に、注射用液剤のために用いられることが好ましい。適当な担体は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第18版に記載されている。 具体的実施形態において、「約」または「およそ」という用語は、統計的に意味のある値の範囲内にあることを意味する。企図されている正確な適用に応じて、そのような範囲は、所与の値または範囲の20%以内、または10%以内、または5%以内であってよい。「約」または「およそ」という用語により包含される許容できる変動は、研究中の特定のシステムによって異なり、当業者により容易に理解できる。 本明細書で使用する「対象」という用語は、ヒトおよびイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ブタ、ラマ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ファロージカ、トナカイ、ミンク、チンチラ、フェレット、アライグマ、ニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒルなどの非ヒト動物を包含する。 本発明の一実施形態は、対象において麻酔薬節約効果を得るための方法であって、前記対象に、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を投与することを含み、 麻酔薬節約効果が、対象において得られる方法を提供する。 本発明の別の実施形態は、対象を麻酔するための方法であって、対象に、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を投与することを含む方法を提供する。 別の実施形態は、対象において麻酔薬節約効果を得るための全身麻酔薬と組み合わせたNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用を提供する。別の実施形態は、対象において麻酔を延長させるための全身麻酔薬と組み合わせたNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用を提供する。 別の実施形態は、対象において麻酔薬節約効果を得るための、全身麻酔薬との同時投与、個別投与または連続投与による組合せ療法のための医薬品の製造におけるNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用を提供する。 本明細書に記載されている実施形態のうちのいずれかの別の実施形態において、全身麻酔薬は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の投与前に投与される。代替方法として、全身麻酔薬は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の投与中または投与後に投与される。 NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその互変異性体もしくは薬学的に許容できる塩であることが好ましい。 別の実施形態において、前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは互変異性体であり、 式中、Aは、1〜4個の炭素原子のアルキレニルであり、 R1およびR2は、独立して、水素であり、または−C(O)R3、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、 R3は、独立して、水素、−OR4、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、またはフェニルであり、 式中、アリールまたはヘテロアリール部分を有する任意のR3〜R6基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 より詳細には、前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸もしくはジエチル3,3’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエートまたは薬学的に許容できるそれらの塩である。 別の実施形態において、前記全身麻酔薬は、吸入により、または静脈内に投与される。別の実施形態において、前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、非経口的に(すなわち、皮下に、静脈内に、筋肉内に、胸骨内に、または注入技法により)投与される。 別の実施形態は、追加の麻酔薬を投与することをさらに含む。別の実施形態において、前記追加または全身麻酔薬は、ケタミン、チオペンタール、メトヘキシタール、エトミデート、プロポフォール、フルマゼニル、レタミン(retamine)、レミフェンタニル、ミダゾラム、ペントタール、およびエビパル(evipal)プロカインからなる群から選択される。より詳細には、全身麻酔薬は、イソフルランであり、追加の麻酔薬は、プロポフォールである。別の実施形態において、前記全身麻酔薬は、ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン、エチレン、シクロプロパン、エーテル、クロロホルム、亜酸化窒素、およびキセノンからなる群から選択される。より詳細には、前記全身麻酔薬は、イソフルランである。 別の実施形態は、前記対象に、鎮痛薬、筋弛緩薬、および催眠薬/解離薬からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を投与するステップをさらに含む。 別の実施形態は、前記対象に、ベンゾジアゼピン、オピオイド、α2アドレナリン作動薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、バルビツレート、非バルビツレート催眠薬、解離薬、チャネルブロッキングNMDA拮抗薬、および注射薬からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を投与するステップをさらに含む。別の実施形態において、前記ベンゾジアゼピンは、ゾラゼパムまたはバリウム(Valium)である。別の実施形態において、前記オピオイドは、モルヒネ、ブトルファノールまたはフェンタニルである。別の実施形態において、前記α2アドレナリン作動薬は、メデトミジンまたはキシラジンである。別の実施形態において、前記NSAIDは、エトドラク、カルプロフェン、デラコキシブ、フィロコキシブ、テポキサリン、またはメロキシカムである。別の実施形態において、前記コルチコステロイドは、コルチゾールである。別の実施形態において、前記バルビツレートは、フェノバルビタールまたはチオペンタールである。別の実施形態において、前記非バルビツレート催眠薬は、エトミデートまたはアルファキサン(alphaxan)である。別の実施形態において、前記チャネルブロッキングNMDA拮抗薬は、ケタミンまたはチレタミンである。別の実施形態において、前記注射薬は、プロポフォールまたはアルファキサン(alfaxan)である。 本発明の好ましい実施形態において、前記対象は、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、またはブタである。 本発明の別の実施形態は、対象において麻酔を延長させるための方法であって、対象に、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその薬学的に許容できる塩および全身麻酔薬を投与することを含む方法を提供する。より詳細な実施形態において、全身麻酔薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその薬学的に許容できる塩の投与前に投与される。別の実施形態において、全身麻酔薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその薬学的に許容できる塩の投与中または投与後に投与される。 本発明の別の実施形態は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を含むキットを提供する。より詳細な実施形態において、前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその薬学的に許容できる塩である。より詳細には、キットは、追加の麻酔薬をさらに含む。より詳細には、全身麻酔薬は、イソフルランであり、追加の麻酔薬は、プロポフォールである。 本発明の別の実施形態は、対象において麻酔薬節約効果を得るための全身麻酔薬と組み合わせてNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を含む医薬品の調製を提供する。別の実施形態は、対象において全身麻酔薬との組合せで麻酔薬節約効果を得るためのNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を含む医薬品の調製を提供する。 本発明の別の実施形態は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を含む組成物を提供する。NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬は、個別容器中にあるか混合していてもよい。NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸(ペルジンホテル)およびその誘導体 上述のように、本発明は、例えば、イソフルランなどの麻酔薬と一緒に(すなわち、その前に、それと同時に、またはその後に)、ペルジンホテルにより例示されるNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を投与すると、ペルジンホテルおよび麻酔薬が同時に有効であるように、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬がない場合に必要とされる麻酔薬の最小肺胞内濃度(MAC)と比較して実質的に低減される麻酔薬のMACにおいて麻酔の維持が可能になるという発見に基づいている。この麻酔薬節約効果が、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルの様々な誘導体を包含するがそれらに限定されない追加または代替NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬により得られることは理解されるであろう。 本明細書において提供される例示的NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸であり、下記式、により表される「ペルジンホテル」(EAA−090)である。 上述のように、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸などのNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の誘導体は、その公開がその全体として参照により本明細書に組み込まれている2005年10月6日に出願された米国特許公開第2006/0079679号に開示されている。 特定の実施形態内で、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸のこれらの誘導体は、下記式(I)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩により表され、 式中、Aは、1〜4個の炭素原子のアルキレニル、または2〜4個の炭素原子のアルケニレニルであり、 R1およびR2は、独立して、水素であり、または−−C(O)R3、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC5〜C7アリールであり、 R3は、水素、−OR4、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、またはC5〜C7アリールであり、 式中、アリールまたはヘテロアリール部分を有する任意のR3〜R6基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 式(I)の化合物の別の実施形態において、 Aは、1〜4個の炭素原子のアルキレニルであり、 R1およびR2は、独立して、水素であり、または−C(O)R3、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、 R3は、独立して、水素、−OR4、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、またはフェニルであり、 式中、アリールまたはヘテロアリール部分を有する任意のR3〜R6基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 他の実施形態内で、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸の誘導体は、下記式(II)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩により表され、 式中、R1およびR2は、独立して、水素またはであり、 R3は、水素、−OR4、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、OH、アルコキシ、またはC5〜C7アリールであり、 式中、アリールまたはヘテロアリール部分を有する任意のR3〜R6基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 さらなる実施形態内で、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸の誘導体は、下記式(III)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩により表され、 式中、 R1およびR2は、独立して、水素またはであり、 ただし、R1およびR2のうちの少なくとも1つは、水素ではなく、 R3は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 式中、任意のアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 さらなる実施形態内で、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸の誘導体は、下記式(III)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩により表され、 式中、 R1およびR2は、独立して、水素またはであり、 R3は、−OR4であり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 式中、任意のアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい。 さらなる実施形態において、本開示は、上記に記載されている、式(I)、(II)、または(III)のうちの少なくとも1つの化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を含む組成物を提供する。式(I)、(II)、または(III)の上記化合物のうちのいずれかの別の実施形態において、R1およびR2のうちの少なくとも1つは、水素ではない。NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸(ペルジンホテル)およびその誘導体を合成するための方法論 NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸ならびに本明細書に開示されている誘導体および中間体を合成するための方法論は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,168,103号、第5,990,307号、および第6,011,168号;米国特許公開第2006/0079679号;ならびにSynthetic Communications、20(16):2559〜2564(1990)に詳細に提供されている。 スキーム1、2および3は、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸の合成における本幹を描いている。スキーム1は、下記の5ステッププロトコルによる[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−イル)アルキル]ホスホン酸の調製を描いている。3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミン(「t−Boc−プロパンアミン」) メチルt−ブチルエーテル(MTBE)200mL中のジ−t−ブチルカーボネート(50.1g、0.23モル)の溶液を、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)600mL中の1,3−ジアミノプロパン(83g、1.12モル)の溶液に3時間かけて滴加し、25℃未満まで冷却する。混合物を室温にて22時間にわたって撹拌し、溶媒を減圧下で除去し、油を生成させる。水(1000mL)を残渣に加え、不溶のビス置換生成物((3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル)を濾過により除去する。濾液に塩化ナトリウム(5グラム)を加える。濾液をMTBE(5×150mL)で抽出する。合わせた有機物を、飽和塩化ナトリウム(1×25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮すると、収率69%でt−Boc−プロパンアミン(28.1g)が得られる。NMR (DMSO-d6, 400 Mhz): 1.30 (s, 2H)), 1.45 (s, 9H), 1.5- 1.65 (m, 2H), 2.74 (t, 2H), 3.25 (q, 2H), 4.95 (bs), 1H).N−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)プロピル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル メタノール(500mL)中の3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミン(77g、0.44モル)の溶液に、窒素下でジエチルビニルホスホネート97%(75g、0.44モル)を加え、48時間にわたって約20℃にて水浴中に保つ。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣(約160g)を、「フロリジル(Florosil)」(3”×6”)のパッド上に置き、塩化メチレン:ヘキサン1:1、次いで、塩化メチレン、最後に、塩化メチレン:メタノール9:1で溶出すると、無色の油としてN−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)プロピル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル(121g、80%)が得られる。NMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.32 (t, 6H)), 1.43 (s, 9H), 1.65(t, 2H), 1.80 (br, 1H), 1.97 (dt, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.85 (dt, 2H), 3.20 (q,2H), 4.09 (m, 4H), 5.08 (br, 1H).N−[3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−N−[4−エトキシ−2,3−ジオキソシクロブト−1−エン−1−イル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル メタノール(1.2L)中の3,4−ジエトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(45g、0.265モル)の溶液に、窒素下で、メタノール(600mL)中のN−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)プロピル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル(80g、0.24モル)の溶液を滴加し、反応混合物を15時間にわたって室温にて撹拌する。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60 F−254(厚さ0.25mm)プレート(紫外光および/またはヨウ素蒸気で可視化)89%塩化メチレン、10%メタノール、および1%水酸化アンモニウム)は、反応が完全であることを示す。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエン(100mL)を加え、次いで、減圧下で除去し、粘稠な油としてのN−[3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−N−[4−エトキシ−2,3−ジオキソシクロブト−1−エン−1−イル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル(117g、96%)とする。NMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.34 (t, 6H)), 1.43 (s, 9H), 1.46 (t,3H), 1.80 (m, 2H), 2.12 (m, 2H), 3.14 (m, 2H), 3.49 (t, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.73(t, 1H), 3.90 (m, 1H), 4.10 (m, 4H), 4.74 (m, 4H), 5.05 (br, 1H).[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸ジエチルエステル トルエン(500mL)中のN−[3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−N−[4−エトキシ−2,3−ジオキソシクロブト−1−エン−1−イル]−2−アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル(100g、0.22モル)の溶液を、氷の中で冷却し、トリフルオロ酢酸(300mL)で処理する。反応混合物を一夜にわたって周囲温度まで温める。溶液を、最高温度40℃にて減圧下で濃縮する。トルエンを加え(2×100mL)、溶液を濃縮すると、粘稠な油(159.5g)が得られる。粘稠な油をメタノールに溶かし、メタノール(1.5L)中のトリエチルアミン(350mL)の溶液に8時間かけて滴加し、室温にて8時間にわたって撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して油とし、酢酸エチル(1L)に取る。化合物を結晶化し、氷の上で冷却し、濾過し、まず酢酸エチルで、最後に、ヘキサンで洗浄すると、白色の化合物として表題化合物(40g、58%)が得られる。NMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.34 (t, 6H)), 2.06 (m, 2H), 2.20(dt, 2H), 3.50 (m, 4H), 4.05 (m, 2H), 4.15 (m, 4H), 7.87 (br 1H). ). MS(DEI) M+ m/z 316. LC分析(カラム: Microsorb-MV C-18, 150 x 4.6 mm: 溶出液30/70MeOH/0.01 M NH4H2PO4 pH 4.7; 流速レート: 1mL/分; 210 nmのUV検出器; C13H21N205Pの分析計算値: C, 49.36; H, 6.69; N, 8.85%; 実測値: C,49.476; H, 6.74; N, 8.77%.[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸 [2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸を下記の通り調製する。窒素雰囲気下で、ブロモトリメチルシラン(83mL、96.3g、0.63モル)を、塩化メチレン(50mL)中の[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸ジエチルエステル(37.6g、0.12モル)の溶液に速い速度で滴加する。反応混合物を15時間にわたっておよそ20℃にて水浴中に保つ。透明溶液を減圧下で濃縮し、泡状残渣を、激しくかき混ぜながらアセトン(600mL)に取ると、希薄な懸濁液が得られる。水(50mL、2.78モル)を加えると、ゴム状沈殿が得られ、直ちに固化する。懸濁液を10分にわたって激しくかき混ぜ、濾過し、アセトンで洗浄すると、黄色の固体化合物が得られる。固体を沸騰水(450mL)に取り、熱溶液をひだ折り濾紙に通して濾過し、少量の不溶材料を除去する。透明溶液を氷の上で冷却し、結晶化を始める。濃厚な結晶性の塊を、アセトン(800mL)をゆっくり加えることにより希釈し、1時間にわたって冷却して保ち、濾過し、まず、アセトンで、次いで、ヘキサンで洗浄すると、淡黄色の固体(20.2g)が得られる。母液からの第二クロップ(LCにより100%純度)は、全収率87%となる追加(約6.5g)を与える。NMR (DMSO-d6, 400 Mhz): 1.90 (m, 4H)), 3.25 (m, 2H), 3.36(m, 2H), 3.84 (q, 4H), 8.45 (s, 1H). LC分析: (カラム: Nova Pak C18, 300x3.9 mm; 溶出液: 20/80MeOH/0.00r M Pic A; 流速レート: 1 mL/分; 210 nmのUV検出器). C9H13N205P.1H2Oの分析計算値: C, 41.26; H, 5.08; N, 10.69%; 実測値: C,41.17; H, 5.04; N, 10.42%; カールフィッシャー分析: 0.55% H2O;-FAB [M-H]- m/z 259. スキーム2は、下記の3ステッププロトコルによる[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−イル)アルキル]ホスホンの調製を描いている。2,6−ジアザ−ビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−8,9−ジオン メタノール(180mL)中の3,4−ジエトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(6.8g、0.04モル)の溶液およびMeOH(75mL)中の1,3−ジアミノプロパン(4.46g、0.06モル)の溶液を、激しく撹拌しながらMeOH(100mL)に、周囲温度にて乾燥窒素下で10分かけて並行して滴加する。反応混合物を一夜にわたって周囲温度にて撹拌した後、沈殿した生成物を濾過し、氷冷MeOH(10mL)で洗浄する。得られるわずかに黄色がかった粉末を、高真空下で乾燥すると、2,6−ジアザ−ビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−8,9−ジオン約4.7g(約95%)が得られる;(mp:335℃;MS(ES−):m/e151.1[M−H])。[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸ジエチルエステル N,N−ジメチルホルムアミド(75mL)中の2,6−ジアザ−ビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−8,9−ジオン(1.21g、0.08モル)の懸濁液を、油中60%水素化ナトリウム(0.328g、0.083モル)で乾燥窒素および撹拌下で処理する。室温にて30分後、反応混合物を0℃まで冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中のジエチルビニルホスホネート97%(1.09g、0.08モル)の溶液を、激しい撹拌下で一度に加える。次いで、反応物を一夜にわたって室温にて撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣を、5%塩化アンモニウム水溶液(30mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配する。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム(1×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、乾燥状態まで減圧下で蒸発させる。残渣を、シリカゲル(60g)上でフラッシュクロマトグラフィーにかける。塩化メチレン中2%メタノールで溶出すると、白色の固体として表題化合物(0.81g、35%)が得られるNMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.34 (t, 6H)), 2.06 (m, 2H), 2.20(dt, 2H), 3.50 (m, 4H), 4.05 (m, 2H), 4.15 (m, 4H), 7.87 (br 1H). ). MS(DEI) M+ m/z 316. LC分析(カラム: Microsorb-MV C-18, 150 x 4.6 mm: 溶出液30/70MeOH/0.01 M NH4H2PO4 pH 4.7; 流速レート: 1mL/分; 210 nmのUV検出器; C13H21N205Pの分析計算値: C, 49.36; H, 6.69; N, 8.85%; 実測値: C, 49.476;H, 6.74; N, 8.77%.[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸 [2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸を、スキーム1におけるのと同じ方法を使用して調製する。 スキーム3は、下記の3ステッププロトコルによる[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−イル)アルキル]ホスホンの調製を描いている。N−(3−アミノプロピル)アミノエタンホスホン酸ジエチルエステル 磁気撹拌機および窒素注入口を備えた500mLの三つ口フラスコに、メタノール(150mL)および1,3−ジアミノプロパン(12.7g、0.152モル、5.0当量)を加える(発熱的、20℃〜40℃)。反応混合物を10分にわたって撹拌し、次いで、メタノール(10mL)中のジエチルビニルホスホネート97%(5g、0.03モル)を流加する。混合物を室温にて一夜にわたって撹拌し、溶媒を減圧下で除去し、次いで、真空を高め、未反応の1,3−ジアミノプロパンを除去すると、無色の油として生成物(7.08g、98%収率)が得られる。NMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.18 (t, 6H)), 1.47 (t, 2H), 1.80 (br,3H), 1.83 (dt, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.63 (dt, 2H), 2.76 (q, 2H), 3.95 (q, 4H).[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸ジエチルエステル 磁気撹拌機および窒素注入口を備えた500mLの三つ口フラスコに、メタノール(150mL)を55〜60℃まで加熱する。3,4−ジエトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(1.04g、0.006モル)をメタノール(50mL)に溶かし、溶液を添加漏斗に移す。同様に、N−(3−アミノプロピル)アミノエタンホスホン酸ジエチルエステル(1.46g、0.0061モル)をメタノール(50mL)に溶かし、添加漏斗に移す。二つの溶液を、5〜6時間かけて、予熱したメタノール中に同時に滴加する。混合物を室温にて一夜にわたって撹拌する。メタノールを減圧下で除去し、酢酸エチル(50mL)を残渣に加える。氷浴中で冷却した後、生成物を濾過して乾燥すると、得られる(1.53g、79%)。NMR (CDCl3, 400 Mhz): 1.34 (t, 6H)), 2.06 (m, 2H), 2.20(dt, 2H), 3.50 (m, 4H), 4.05 (m, 2H), 4.15 (m, 4H), 7.87 (br 1H). ). MS (DEI) M+m/z 316. LC分析(カラム: Microsorb-MVC-18, 150 x 4.6 mm: 溶出液30/70 MeOH/0.01 M NH4H2PO4pH 4.7; 流速レート: 1mL/分; 210 nmのUV検出器.[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸 [2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸を、スキーム1におけるのと同じ方法を使用して調製する。 別の実施形態において、式(I)、(II)、および(III)に描かれているNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸の誘導体、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩は、スキーム4に描かれている方法論により合成することができる。 約0℃〜約50℃の範囲の温度における、好ましくは、約20℃〜約30℃の範囲の温度における、メタノール、エタノールなどの適当なプロトン性溶媒中でのジアミノアルカンとジアルコキシスクアレート(1)の反応は、式(2)の二環式中間体を提供する。「適当な溶媒」とは、アミンとスクアレートが共に、少なくとも部分的に溶けやすく、両方と実質的に反応しない溶媒を意味する。典型的には、反応時間は、約10時間〜約25時間、より好ましくは、約12時間〜約18時間である。 一部の実施形態において、ジアミノアルカンは、ジアミノプロパン(例えば、1,3−ジアミノプロパン)である。他の実施形態において、Rは、C1〜C4アルコキシである。さらなる実施形態において、ジアルコキシスクアレートは、各Rが、−OEtであるジエトキシスクアレートである。一部の実施形態において、R5およびR6は、共に水素である。さらなる実施形態において、R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、またはC5〜C7アリールである。アルキル、アルコキシ、およびC5〜C7アリールの各々は、上述のように置換されていてもよい。 二環式中間体(2)の陰イオンは、(2)を、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの適当な非プロトン性溶媒中で、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウムなどを包含する水素化物またはアルコキシドなどの適当な塩基と接触させることにより生成させることができる。次いで、陰イオンは、A1が、(CH2)2であることが好ましいが、C2〜C4アルケニルまたはC2〜C4アルキニルであってよく、R1およびR2が、であることが好ましいホスホネートエステル中間体(3)で処理される。混合物は、約10時間〜約25時間、より典型的には、約12時間〜約18時間、周囲温度にて撹拌される。式(I)の望ましい化合物は、フラッシュクロマトグラフィーまたは高圧液体クロマトグラフィーなどの適当な精製技法を使用して反応混合物から単離される。 ホスホネートエステル中間体(3)は、式(4)の化合物の、Xが、ハライドであり、A1が、上記で定義されている通りであり、R1およびR2が、であるホスホノジハライド(i)による、約0℃〜約30℃の範囲の温度における、ジクロロメタンなどの適当な非プロトン性溶媒中でのアルキル化により調製することができる。好ましい実施形態において、A1は、(CH2)2であり、Xは、Clである。反応時間は、約10時間〜約25時間、より典型的には、約12時間〜約16時間である。「適当な溶媒」とは、両方の試薬が少なくとも部分的に溶けやすく、両方の試薬と実質的に反応しない溶媒を意味する。有機アミンなどの酸捕捉剤(反応の酸ハロゲン化物副生物と反応させるための)は、場合により、中間体(3)を形成するための反応において反応混合物に添加される。有機アミンは、典型的には、二級アミンまたはトリエチルアミンなどの三級アミンである。 代替方法として、式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩は、その1調製が上記に記載されている中間体(3)を、周囲温度にてテトラヒドロフランなどの適当な非プロトン性溶媒中でモノ保護ジアミノアルカン(5)に加えることによりスキーム5に示すように得ることができる。ジアミノアルカンは、t−ブトキシカルボニルなどの適当な保護基(PG)を使用してモノ保護することができる。得られる二置換ジアミノアルカン誘導体(6)を、アセトニトリルなどの適当な溶媒中で、ジアルコキシスクアレート(1)で、好ましくは、周囲温度にて処理すると、三置換ジアミノアルカン誘導体(7)が得られる。後者(7)を、例えば、塩化メチレンなどの適当な非プロトン性溶媒中でトリフルオロ酢酸を使用して脱保護した後、環化を、アセトニトリルなどの適当な溶媒中で、例えば、有機塩基、好ましくは、トリエチルアミンなどの三級アミンを使用して行う。当業者は、この合成において使用することができる適当な保護基を容易に理解するであろう。 ジエチル2,2’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル−}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエート;ジエチル4,4’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル−}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエート;ビス(4−アセチルフェニル){2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホネート;ビス(3−アセチルフェニル){2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホネート;ビス(2−アセチルフェニル){2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホネートを包含する代替の例示的[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸誘導体の合成は、米国特許公開第2006/0079679号に記載されている。麻酔薬節約効果を得るためのNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の投与 本開示のNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内、硬膜外、髄腔内、静脈内、皮下、舌下もしくは鼻腔内などの粘膜内、膣、直腸または経皮投与によるなどの、経口または非経口投与によるものを包含する、当業者に知られている任意の方法で投与することができる。本明細書に開示されている実施形態において、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬組成物は、経口的に、粘膜内に、筋肉内に、皮下に、または静脈内に投与される。本開示は、吸入麻酔薬イソフルランの投与前または投与後の麻酔薬節約NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸の非経口投与により例示される。 式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を含む組成物を包含する本開示の組成物は、麻酔を維持するのに必要とされる、麻酔薬、特に、吸入麻酔薬の濃度(例えば、最小肺胞内濃度すなわち「MAC」)を低減する(すなわち、「麻酔薬節約」効果を得る)際に哺乳動物に対して麻酔薬節約効果を得るのに十分な量で投与される。本明細書で使用する「麻酔薬節約量」とは、投与すべき麻酔薬についての麻酔薬節約効果を得るのに必要とされる化合物またはその薬学的に許容できる塩形態の少なくとも最少量である。麻酔薬節約量は、使用される特定の化合物、投与の経路、麻酔薬の性質、および治療されている特定の対象などの可変条件によって異なるであろう。 投与すべき化合物の麻酔薬節約量を決定するため、獣医師または医師は、例えば、望ましい麻酔薬節約効果が得られるまで用量を徐々に増加させることにより、対象における式(I)、(II)、(III)の所与の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩の効果を評価することができる。次いで、継続的な投与量レジメンを、望ましい結果を得るために修正することができる。例えば、静脈内(IV)用量の場合、本開示の化合物を、望ましい麻酔薬節約効果が得られるまで、5mg/kg〜20mg/kgのおよその範囲にわたって対象において徐々に増加させることができる。さらなる投与量を必要に応じて投与することができるが、本明細書において提供される例は、単回IV投与後5時間までにわたって低下しない有効性を示す。類似の技法に従って、生物学的利用能および/または有効性データに基づいて、皮下、筋肉内、または経口によりなどの他の投与経路についての有効投与量範囲を決定することができる。 別の実施形態において、式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を含む組成物を包含する本開示の組成物は、術中環境において使用される様々な他の薬学的に活性な薬剤のうちの1つまたは複数と一緒に哺乳動物に投与することができる。そのような薬学的に活性な薬剤の例は、鎮痛薬、筋弛緩薬、催眠薬/解離薬、麻酔薬、またはそれらの組合せを包含する。これらの薬剤は、ベンゾジアゼピン(例えば、ゾラゼパムおよびバリウム(Valium))、オピオイド(例えば、モルヒネ、ブトルファノール、およびフェンタニル)、α2アドレナリン作動薬(例えば、メデトミジンおよびキシラジン)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、エトドラク、カルプロフェン、デラコキシブ、フィロコキシブ、テポキサリン、およびメロキシカム)、コルチコステロイド(例えば、コルチゾール)、バルビツレート(例えば、チオペンタールおよびフェノバルビタール)、チャネルブロッキングNMDA拮抗薬(例えば、ケタミンおよびチレタミン)、吸入用(例えば、セボフルラン、ハロタン)および注射用(例えば、エトミデート、プロポフォールおよびアルファキサン)クラスを包含する麻酔薬などの医薬クラスのメンバーであってよいだろう。これが、ペルジンホテルとの組合せで潜在的に投与することができる薬学的に活性な薬剤の包括的リストであることは意図されていない。薬学的に活性な薬剤のより完全なリストは、Medical Economics Co.,Inc.、Montvale、N.Jにより出版されたthe Physicians’ Desk Reference、第55版、2001およびNorth American Compendiums;Inc.、Port Huron、MIにより出版されたthe Compendium of Veterinary Products(CVP)、第10版、2007中に見いだすことができる。これらの薬剤の各々は、Medical Economics Co.,Inc.、Montvale、N.Jにより出版されたthe Physicians’ Desk Reference、第55版、2001で製品について記載されているものなどの、当技術分野において知られている治療上有効な用量およびレジメンに従って投与することができる。 1つまたは複数の他の薬学的に活性な薬剤は、式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を含む組成物を包含する本開示の1つもしくは複数の組成物と同時に(例えば、同時に個別に、または医薬組成物中で一緒になど)、および/または連続的に治療上有効な量で投与することができる。 他の薬学的に活性な薬剤の投与方法は、本開示の組成物について使用される投与経路と同じかまたは異なってもよい。例えば、他の薬学的に活性な薬剤は、例えば、筋肉内、腹腔内、硬膜外、髄腔内、静脈内、粘膜内(例えば、鼻腔内または舌下)、皮下、または経皮投与によるなどの、経口または非経口投与により投与することができる。好ましい投与経路は、選択された特定の薬学的に活性な薬剤および当業者に知られているその1つまたは複数の推奨投与経路によって異なるであろう。 当業者は、哺乳動物に投与されるこれらの他の薬学的に活性な薬剤の用量が、問題の特定の薬剤および望ましい投与経路によって異なることを理解するであろう。したがって、他の1つまたは複数の他の薬学的に活性な薬剤は、Medical Economics Co.,Inc.、Montvale、N.Jにより出版されたthe Physicians’ Desk Reference、第55版、2001などの参考文献に開示されているものなどの、当業者に知られている実践に従って投薬および投与することができる。 本発明の特定の実施形態内で、式(I)、(II)、および/または(III)の麻酔薬節約化合物を含む組成物は、本明細書において前に記載されている方法に従って少なくとも1つのオピオイド鎮痛薬と一緒に投与することができる。モルヒネまたはフェンタニルなどの少なくとも1つのオピオイド鎮痛剤と一緒に投与された場合(例えば、実施例2に開示されているように)、式(I)、(II)、および/または(III)の麻酔薬節約化合物を含む組成物は、疼痛知覚を相乗的に減少させること、および/または麻酔薬節約効果などの有益な効果を有することがある。 式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を含む組成物を包含する本開示の麻酔薬節約組成物は、ニートで(すなわち、そのままで)または少なくとも1つの薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物中で投与することができる。したがって、本発明は、薬学的に有効な量の少なくとも1つの式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物も提供する。本発明の医薬組成物中に存在すべき好ましい化合物は、好ましいとして前に記載されている式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を包含する。薬学的に許容できる担体は、製剤中の他の成分と適合し、生物学的に許容できる担体である。 麻酔薬節約組成物として有用な医薬組成物は、液体形態または固体形態などの、当業者に知られている任意の形態であってよい。成分の比率は、式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩の溶解性および化学的性質、および選択された投与経路などの因子によって異なるであろう。そのような組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonso R.Gennaro編、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1985)に記載されているような許容できる薬学的手順に従って調製される。 医薬組成物は、麻酔薬節約量の本明細書に開示されている化合物のうちの1つまたは複数および薬学的に許容できる担体の他に、医薬組成物を製剤化するための当業者に知られている1つまたは複数の他の成分を包含することができる。 固体医薬組成物は、本開示の1つまたは複数の麻酔薬節約化合物および1つまたは複数の固体担体、ならびに、場合により、矯味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤または錠剤崩壊剤またはカプセル化材料などの1つもしくは複数の他の添加剤を含有することができる。適当な固体担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスもしくはイオン交換樹脂、またはそれらの組合せを包含する。粉末医薬組成物において、担体は、微粉化された活性成分と混ぜられている微粉化された固体であってよい。錠剤において、活性成分を、必要な圧縮特性を有する担体、および、場合により、他の添加剤と適当な比率で混ぜ、望ましい形状およびサイズに圧縮することができる。散剤および錠剤などの固体医薬組成物は、活性成分99%までを含有することが好ましい。 液体医薬組成物は、本開示の1つまたは複数の麻酔薬節約化合物、および、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、または加圧組成物を形成するための1つもしくは複数の液体担体を含有することができる。薬学的に許容できる液体担体は、例えば、水、有機溶媒、薬学的に許容できる油もしくは脂肪、またはそれらの組合せを包含する。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝液、保存剤、甘味料、矯味剤、懸濁化剤、粘稠剤、着色料、粘性調節剤、安定化剤もしくは浸透圧調節剤、またはそれらの組合せなどの他の適当な医薬添加剤を含有することができる。 経口または非経口投与に適している液体担体の例は、水(カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体などの添加剤を含有することが好ましい)、アルコールもしくはその誘導体(一価アルコールまたはグリコールなどの多価アルコールを包含する)、または油(例えば、分留ココナッツ油およびラッカセイ油)を包含する。非経口投与の場合、担体は、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油状エステルであってもよい。加圧組成物のための液体担体は、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に許容できる噴射剤であってよい。 滅菌した液剤または懸濁剤である液体医薬組成物は、非経口的に、例えば、筋肉内、腹腔内、硬膜外、髄腔内、静脈内、または皮下注射により投与することができる。経口または経粘膜投与のための医薬組成物は、液体組成物形態か固体組成物形態のどちらかであってよい。 医薬組成物を包含する麻酔薬節約組成物は、錠剤またはカプセル剤などの単位用量形態であってよい。そのような形態において、麻酔薬節約組成物は、適切な量の、例えば、式(I)、(II)、および/または(III)の化合物、および/または薬学的に許容できるそれらの塩を包含する活性成分を含有する単位投与量に細分される。単位用量形態は、包装された組成物、例えば、パケット化された散剤、バイアル剤、アンプル剤、プレフィルドシリンジ剤、または液剤を含有するサシェ剤であってよい。単位用量形態は、例えば、カプセルもしくは錠剤自体であってよく、または、適切な数のパッケージ形態の任意のそのような組成物であってよい。 したがって、本開示は、治療上有効な単位用量の少なくとも1つの本発明の麻酔薬節約化合物を含有する単位用量形態で医薬組成物を提供する。当業者が理解しているように、好ましい単位用量は、例えば、投与方法および治療されている状態によって異なるであろう。例えば、単位用量は、体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約1mg〜体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約1g;体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約2mg〜体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約100mg;または体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約5mg〜体重1kg当たり麻酔薬節約化合物約20mgの範囲であってよい。 本発明は、式(I)、(II)、(III)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩を包含する本発明の化合物を、治療されている哺乳動物に分配するための治療用パッケージも提供する。治療用パーケージは、本発明の麻酔薬節約化合物の1つまたは複数の単位用量および1つまたは複数の単位用量を含有する容器ならびに哺乳動物において麻酔薬節約効果を得るためのパッケージの使用を指示する表示を含有することができる。麻酔薬 典型的には、本明細書において提供されるNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬との組合せで用いられる麻酔薬は、全身麻酔薬である。全身麻酔薬は、可逆的な意識喪失をもたらす麻酔薬である。全身麻酔薬は、適切に投与された場合、患者が意識を失うように中枢神経系の進行性抑制を引き起こすであろう。本明細書で使用する「全身麻酔」という語句は、痛覚のないことおよび体全体にわたる骨格筋の弛緩を伴う、バランスのとれた意識喪失状態の誘導を指す。全身麻酔は、麻酔薬の投与によって誘導され、大手術および他の侵襲的手術手順中に使用される。 手術操作の前に投与される全身麻酔薬の目的は、a)患者の動きを阻止し、患者の筋肉を弛緩させて、操作を妨害することがある不随意な反射性の筋肉の動き防ぐこと(すなわち、筋弛緩を引き起こすこと)、b)操作中に患者が気付かないようにすること(すなわち、意識喪失、または鎮静)、c)操作中に患者が痛みを感じないようにすること(すなわち、感覚喪失、または鎮痛)、およびd)患者が手術中の事象も議論も記憶しないようにすること(すなわち、記憶喪失)を包含し得る。麻酔は、血圧を危険な程度(例えば、平均動脈圧(MAP)について約60mmHgまたは約50mmHg未満)まで下げてはならない。患者の「麻酔深度」または「麻酔水準(plane of anesthesia)」をモニターするため、熟練した麻酔科医は、患者のバイタルサインを示す選択された生理学的パラメーター(例えば、呼吸、血圧など)、および、約30〜約65(手術環境において得られる意識喪失のレベルで)から約100(完全に意識がある)の範囲であるEEGデータから誘導される数値スコアである二波長指数(BIS)をモニターし、より多くの麻酔薬が必要とされるかより少ない麻酔薬が必要とされるかを決定する。 特定の実施形態内で、全身麻酔薬は、吸入麻酔薬または静脈麻酔薬であってよい。麻酔性を有する気体または蒸気である吸入麻酔薬は、揮発性麻酔薬のハロタン、イソフルラン、セボフルラン、およびデスフルランならびに気体のエチレン、シクロプロパン、エーテル、クロロホルム、亜酸化窒素、およびキセノンを包含する。吸入麻酔薬または揮発性麻酔薬は、肺を通して体に入り、血液により体組織に運ばれる化合物である。吸入麻酔薬は、典型的には、注射または静脈内注入により投与される非揮発性静脈内麻酔薬との組合せで使用される。静脈内全身麻酔薬は、ケタミン、チレタミン、チオペンタール、メトヘキシタール、エトミデート、およびプロポフォールを包含する。 ペルジンホテルの麻酔薬節約効果は、麻酔薬イソフルランとの組合せにより本明細書において例示される。多種多様な麻酔化合物を、本明細書に開示されている麻酔薬節約法において満足のいくように用いることができることは理解されるであろう。例えば、本開示は、イソフルランの他に、麻酔薬として一般的に用いられる代替フルオロエーテル化合物の使用を企図している。麻酔薬として使用される適当なフルオロエーテル化合物の例は、セボフルラン(フルオロメチル−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル);エンフルラン((±)−2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル);イソフルラン(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル);メトキシフルラン(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエチルメチルエーテル);およびデスフルラン((±)−2−ジフルオロメチル1,2,2,2−テトラフルオロエチルエーテル)を包含する。ハロタンなどの他の麻酔薬も、用いることができる。 患者への麻酔薬の提供をモニターおよび/または制御するための方法および機器について記載している下記特許:Tsutsumiらによる米国特許第6,315,736号;Ennenらによる米国特許第6,317,627号;Johnによる米国特許第6,016,444号;Johnによる米国特許第5,699,808号;Kangasらによる米国特許第5,775,330号;Johnによる米国特許第4,557,270号;Chamounによる米国特許第5,010,891号;およびSilbersteinによる米国特許第4,869,264号は、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。実施例 本開示は、下記の非限定的な実施例を参照することにより最も良く理解されるであろう。(実施例1)麻酔薬節約剤としてのNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテル この実施例は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルが、イヌにおいて麻酔を維持するために必要とされるイソフルランの最小肺胞内濃度(MAC)を低減するのに有効であることを証明する。 イソフルランのMACを、6頭のイヌについて、ペルジンホテル50mg/ml、水酸化ナトリウム(NaOH)8.3mg/ml、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)0.4mg/mlを含有する滅菌水溶液として製剤化されたペルジンホテルのIVボーラス投与量を投与する前後に決定した。麻酔は、意識喪失および激しい侵害刺激(電気ショック)に対する非反応性として定義した。 表1は、麻酔を維持するために必要とされるイソフルランの最小肺胞内濃度(MAC)に対するNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルの効果を示している。MAC値は、呼気(呼気終末)ガス中のイソフルランの%として表される。「ベースライン(BASELINE)」MAC値をまず確立し、その後の決定において各イヌの初期イソフルラン投与量を設定するのに使用する。ペルジンホテルの効果を評価するため、対照MACを、まず、IV食塩水を投与してからおよそ1時間後に決定し、続いて、対照MACを決定してから3〜5分後にペルジンホテルをIV投与し、ペルジンホテルの投与からおよそ2時間(「1回目」)および5時間(「2回目」)後にさらに2回MACを決定する。 IVペルジンホテル5、10および20mg/kgを投与した後の平均MAC値は、それぞれ1.01、0.93、および0.71であった(表1)。これらのMAC値は、対照またはベースラインMAC値(平均して約1.3%)よりも有意に低く、互いと有意に異なっていた。これらのデータは、NMDAグルタミン酸拮抗薬ペルジンホテルが、イヌにおいて麻酔を維持するために必要とされるイソフルランのMACを低減するのに有効であることを証明している。 意識/催眠の尺度である二波長指数(BIS)は、MAC決定と同時に集められた脳波データから計算した。ペルジンホテルの投与後のBIS値は、ベースラインおよび食塩水対照と比べて変化しないか増加した。このことは、MACに対するペルジンホテルの効果は、BISが、意識のレベルと相関関係があり、補足的麻酔から予想されるようには減少しなかったことから、おそらく、1つまたは複数の麻酔機構よりはむしろ鎮痛機構を介して媒介されたことを示している。 表2は、二波長指数に対するペルジンホテルの効果を示している。二波長指数は、表1に示すMAC決定と同時に集められた脳波(EEG)データから計算した。BIS値は、侵害刺激の直前に取ったEEGの読み取り値から計算した。 血行動態および呼吸パラメーターもMAC決定と同時に集めた。これらは、体温、呼吸数、平均動脈圧(MAP)、心拍数、酸素ヘモグロビン飽和度(SpO2)、収縮期動脈圧(SAP)、拡張期動脈圧(DAP)、呼気終末[呼気]酸素濃度(ETO2)、および呼気終末[呼気]二酸化炭素濃度(ETCO2)を包含した。表3に示すこれらの結果は、ペルジンホテルが、血行動態のイソフルラン誘発性抑制を低減するように作用したことを示している。例えば、10および20mg/kgペルジンホテルにおいて、すべての血圧パラメーター(MAP、SAP、およびDAP)は、イソフルラン単独による対照レベルと有意に異なっていた。MAP結果は、特に、イソフルランが、正常な意識レベル未満に血圧を下げ、ペルジンホテルの添加が、意識範囲に向かって有意に血圧を回復させたことを示している。同じパターンは、心拍数について観察された。 表3は、ペルジンホテル(EAA−090)およびイソフルランの投与後の血行動態および呼吸パラメーターの要約を示している。血行動態および呼吸パラメーターは、覚醒イヌデータを除いて、表1に示すMAC決定と同時に測定した。(実施例2)NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルとオピオイド作動薬、フェンタニルの間の協力的相互作用 この実施例は、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルとオピオイド作動薬フェンタニルの間の協力的相互作用を証明する。 術中使用のために導入される新規な薬物(例えば、麻酔薬節約剤)は、既存の麻酔補助剤と適合することが極めて望ましい。この理由から、麻酔薬節約効果(イソフルラン単独に対して)を、3処置:1.ペルジンホテル(20mg/kgIVボーラス);2.フェンタニル(5μg/kgIVボーラスと、続く、0.15μg/kg/分IV注入);3.フェンタニルとペルジンホテルの組合せ(1.および2.と同じように投与した)についてイヌで決定した。フェンタニルをこの実施例のために選択したのは、フェンタニルが、手術手順のために一般的に使用される鎮痛化合物であり、米国特許第7,098,200号が、ペルジンホテルとオピオイド鎮痛薬の間の特に好ましい相互作用を開示しているためである。 イソフルランの最小肺胞内濃度(MAC)に対するペルジンホテル、フェンタニル、およびフェンタニル:ペルジンホテル(組合せ)の比較効果を、フェンタニルおよびペルジンホテルの麻酔薬節約効果が、極めて相補的であることを証明する表4に示す。フェンタニル:ペルジンホテル組合せの平均麻酔薬節約効果、66%は、およそ、ペルジンホテルおよびフェンタニルの個別効果(それぞれ39%および34%)の和であった。イソフルランで麻酔され、フェンタニル:ペルジンホテル組合せを投与されたイヌの心肺機能は、イソフルランで麻酔され、フェンタニル単独を投与されたイヌの心肺機能未満には低下しなかった。フェンタニル:ペルジンホテル組合せの麻酔薬節約効果は、フェンタニル単独により安全に得ることができるよりも大きい。例えば、高投与量のフェンタニルは、胸部硬直(thoracic rigidity)(典型的なオピオイド誘発性呼吸抑制の他に)、徐脈性不整脈、低体温症、および括約筋緊張の喪失を引き起こすことがある。基本的方法は、表1に記載されている方法と同様であった(しかしながら、異なる群の6頭のイヌをこれらの実験で使用したことに留意されたい)。「ベースライン」MAC値は、イソフルラン(他の処置なし)を開始してからおよそ1.4時間(「1回目」)および5.5時間(2回目)後に決定した。対照MACは、IV食塩水を投与してからおよそ1.5時間後に決定した。フェンタニルにより影響を受けたMACは、フェンタニル投与(初期IVボーラスと、続く、定速IV注入)を始めてからおよそ1.5時間後に決定した。ペルジンホテル(IVボーラス)は、フェンタニルに影響されるMACの決定から3〜5分後に投与した(フェンタニル注入は、実験が終わるまで続けた)。フェンタニル:ペルジンホテル組合せにより影響を受けたMACは、ペルジンホテルの投与からおよそ1時間(「1回目」)および3時間(「2回目」)後に決定した。 要約すると、5、10、および20mg/kgのペルジンホテルのIVボーラス投与量の投与は、イソフルランのMACに投与量依存的な麻酔薬節約性低下を引き起こした。ペルジンホテルの単回投与の効果は、少なくとも5時間(投与と2回目のMAC決定の間の最長間隔)にわたって維持された。MAC低下は、同時のBIS値が変化しないか増加した(意識の増加に向かって)ことから、おそらく、鎮痛機構(麻酔機構ではなく)に起因した。他の同時測定から、体温は変化せず、呼吸数は変化しないか増加し、すべての血圧指数は増加し、心拍数は変化しないか増加した(すべての結果は、イソフルランで麻酔したイヌにおけるビヒクル対照に対する)。さらに大きなMAC低下が、ペルジンホテルをオピオイド鎮痛薬フェンタニルと組み合わせることにより引き起こされた。したがって、ペルジンホテルは、心肺安全性を犠牲にすることなく、吸入麻酔剤と一緒に一般的に使用される薬物のうちの少なくとも1つに対して極めて補完的である。(実施例3) 試験を、6処置ラテン方格クロスオーバーデザインを使用して行った。6頭のイヌを、各処置に割り当てた。各イヌは、試験の期間を通じてペルジンホテルのすべての投与量/経路を受けたが、単一処置のみを所与の時点に投与した。処置を表5に示す。 イソフルランのベースライン/対照MAC(MAC0)は、対照品(食塩水)による前処置後に決定した。少なくとも1週(7日)後、MACを、表5内の処置のうちの1つの投与後に再決定した。 処置(表5)後、全身麻酔を確立し、MACを2回:麻酔発現からおよそ15分後(MAC1)、および2時間後(MAC2)に決定した。このプロセスを、およそ7日の間隔で残りの処置について繰り返した。 MAC値の他に、動脈圧、心電図(ECG)、呼吸数、ヘモグロビン酸素飽和度(SpO2)、呼気終末ガス(酸素、二酸化炭素、およびイソフルラン)およびBIS値を測定した。 対照条件(すなわち、食塩水の投与)の下で、侵害(電気)刺激に対応する全意図的動作を防ぐのに必要とされるイソフルランのMACは、それぞれ麻酔発現からおよそ15分後および2時間後に決定した場合に、1.13および1.20であった。表6に示すように、ペルジンホテルは、すべての投与量においておよびすべての投与経路(IV、IM、SC)によりイソフルランMACを実質的に減少させた。 ペルジンホテルのすべての投与量および投与経路は、BISを増加させ、ペルジンホテルは、イソフルラン麻酔により引き起こされる心肺抑制の量も減少させた。ブトルファノール、0.2mg/kgIM、とペルジンホテル、20mg/kgIMの同時投与は、イソフルランMACに最大の減少を引き起こした。この効果は、実験の期間中維持された。 実施例1〜3中のデータは、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬ペルジンホテルが、麻酔薬イソフルランについて麻酔薬節約効果を得るのに有効であることを証明している。したがって、手術手順中に投与された場合、ペルジンホテルは、低減された量の麻酔化合物により有効な麻酔が引き起こされるのを可能にする。これらの効果は、中枢神経系における1つまたは複数の鎮痛機構を介して媒介される可能性が高い。中枢性のホメオスタシス機構の抑制による合併症の危険性が少ない(例えば、心肺機能の改善)有効な麻酔は、手術患者にとっての実質的な利益である。 対象において麻酔薬節約効果を得るための全身麻酔薬と組み合わせたNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用。 前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬が、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは互変異性体である請求項1に記載の使用(式中、Aは、1〜4個の炭素原子のアルキレニルであり、 R1およびR2は、独立して、水素であり、または−C(O)R3、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、 R3は、独立して、水素、−OR4、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R4は、水素、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、 R5およびR6は、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、またはフェニルであり、 式中、アリールまたはヘテロアリール部分を有する任意のR3〜R6基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜約5個の置換基でアリールまたはヘテロアリール部分上で置換されていてもよい)。 前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬が、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)エチル]ホスホン酸またはその互変異性体もしくは薬学的に許容できる塩である、請求項1または2に記載の使用。 前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬が、ジエチル3,3’−[({2−[8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1(7)−エン−2−イル]エチル}ホスホリル)ビス(オキシ)]ジベンゾエートまたはその互変異性体もしくは薬学的に許容できる塩である、請求項1または2に記載の使用。 前記全身麻酔薬が、吸入により、または静脈内に投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。 前記NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬が、非経口的に投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。 追加の麻酔薬を投与することをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。 前記全身麻酔薬が、ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン、エチレン、シクロプロパン、エーテル、クロロホルム、亜酸化窒素、およびキセノンからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。 前記全身麻酔薬がイソフルランである、請求項8に記載の使用。 前記全身麻酔薬が、ケタミン、チオペンタール、メトヘキシタール、エトミデート、プロポフォール、フルマゼニル、レタミン、レミフェンタニル、ミダゾラム、ペントタール、およびエビパルプロカインからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。 全身麻酔薬がイソフルランであり、追加の麻酔薬がプロポフォールである、請求項7に記載の使用。 前記対象に、鎮痛薬、筋弛緩薬、および催眠薬/解離薬からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。 前記対象に、ベンゾジアゼピン、オピオイド、α2アドレナリン作動薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、バルビツレート、非バルビツレート催眠薬、解離薬、チャネルブロッキングNMDA拮抗薬、および注射薬からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。 前記ベンゾジアゼピンがゾラゼパムまたはバリウム(Valium)であり、前記オピオイドがモルヒネ、ブトルファノールもしくはフェンタニルであり、前記α2アドレナリン作動薬がメデトミジンもしくはキシラジンであり、前記NSAIDがエトドラク、カルプロフェン、デラコキシブ、フィロコキシブ、テポキサリン、もしくはメロキシカムであり、前記コルチコステロイドがコルチゾールであり、前記バルビツレートがフェノバルビタールもしくはチオペンタールであり、前記非バルビツレート催眠薬がエトミデートもしくはアルファキサンであり、前記チャネルブロッキングNMDA拮抗薬がケタミンもしくはチレタミンであり、および/または前記注射薬がプロポフォールもしくはアルファキサンである、請求項13に記載の使用。 前記対象が、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、またはブタである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。 対象において麻酔を延長させるための全身麻酔薬と組み合わせたNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用。 対象において麻酔薬節約効果を得るための、全身麻酔薬との同時投与、個別投与または連続投与による組合せ療法のための医薬品の製造におけるNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の使用。 全身麻酔薬が、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の投与前に投与される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。 全身麻酔薬が、NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬の投与中または投与後に投与される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。 NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を含むキット。 NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬および全身麻酔薬を含む組成物。 対象において麻酔薬節約効果を得るための全身麻酔薬と組み合わせてNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を含む医薬品の調製。 本明細書では、麻酔を維持するのに必要とされる麻酔薬の量を低減するのに(すなわち、麻酔薬節約効果を得るのに)有効である、[2−(8,9−ジオキソ−2,6−ジアザビシクロ[5.2.0]ノン−1−(7)−エン−2−イル)アルキル]ホスホン酸およびその誘導体などのNMDAグルタミン酸受容体拮抗薬を包含するがそれらに限定されないNMDA拮抗薬を含む組成物、組合せ、および方法を提供する。


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