タイトル: | 特許公報(B2)_多用途に使えるスポイト |
出願番号: | 2010518088 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | B65D 83/00,A61J 1/05,B65D 77/24,B65D 77/04,B65D 25/20,B65D 81/32,A61Q 90/00,A61K 8/02 |
長野 智一 JP 5500690 特許公報(B2) 20140320 2010518088 20090623 多用途に使えるスポイト 株式会社ルミカ 000230630 橋本 克彦 100098154 橋本 京子 100092864 長野 智一 JP 2008164005 20080624 20140521 B65D 83/00 20060101AFI20140424BHJP A61J 1/05 20060101ALI20140424BHJP B65D 77/24 20060101ALI20140424BHJP B65D 77/04 20060101ALI20140424BHJP B65D 25/20 20060101ALI20140424BHJP B65D 81/32 20060101ALI20140424BHJP A61Q 90/00 20090101ALN20140424BHJP A61K 8/02 20060101ALN20140424BHJP JPB65D83/00 JA61J1/00 313DB65D83/00 FB65D83/00 GB65D77/24B65D77/04 EB65D25/20 EB65D81/32 PA61Q99/00A61K8/02 B65D 83/00 A61J 1/05 国際公開第2007/077941(WO,A1) 国際公開第2007/052848(WO,A1) 特開平11−227774(JP,A) 特開2007−015723(JP,A) 7 JP2009061804 20090623 WO2009157578 20091230 9 20120525 永冨 宏之 本発明は、長期間保存可能で、簡単で便利な多用途に使えるスポイトに関するものである。例えば殺菌、消毒用塗布具、化粧用塗布具、衛生用、医薬用、医薬部外用、接着用の容器、検査キットの容器、機械器具(オーディオ機器)の掃除や洗浄など薬液の保存容器として幅広い用途がある。 消毒用のチューブ状の容器は実用新案登録第3073488号公報、薬剤と薬剤の薬剤反応用具セットは特開2003−313133号公報に先行技術として公知となっている。 実用新案登録第3073488号は、一端には折られるシール部材と、他端には少なくとも一つの開口部とを備えたチューブ本体を有し、この本体は中空に形成され、中には異なる用途に適用している液体を収納することが可能である。利用者が密封されているシール部材を折って切り放すと、チューブ状の本体に充填されている液体がその折った開口部を介して流出するチューブ状の容器である。 特開2003−313133号では、パイプに液体Aを詰め、左端を開放端とし、開放端から退いた状態で右端を密閉端とし、密閉端側に折り取り用の切れ込みを設けて、液体封入パイプを形成する。薬剤容器にこの液体と反応させる薬剤Bを準備する。使用にあたっては、薬剤容器内に液体Aが落ちるように液体封入パイプの開放端を下向きにした状態で、切れ込み部から折り取って液体Aを容器内に滴下して、薬剤Bと反応させる。 上記の考案および発明は、いずれも液体を排出する手段は、パイプの開放端を下向きにした状態で、切れ込み部から折り取るという制約がともなう。 また、液体はチューブ(パイプ)に充填されており、合成樹脂製チューブ内の保存には限られた液体のみとなり、また一方が開口しているので密閉された状態ではなく長期保存に不適であった。 本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は薬液、消毒液、化粧用液などを長期保存可能とし、使用にさいしても簡便な多用途に使えるスポイトを提供することを課題とするものである。 本発明は柔軟な中空の膨らんだ部分と可撓性を有するチューブ状の容器からなり、薬液等の液体を薄肉ガラスアンプルに充填密封し、該アンプルを前記チューブ状の容器に一本以上収容し、膨らんだ部分とチューブ状の容器の連結付近に、チューブ状の容器の内側に向けて凹部を設けてガラスアンプルが通過できない空洞部を設けてストッパーとし、かつチューブの開口部内にフィルターを挿入したことを特徴とする。 本発明によると、封入された液体はチューブ状容器を曲げて薄肉ガラスアンプルが破砕されて初めて外気に触れる状態となるため、液体の長期保存が可能であり品質が保たれる。かつ使用時の扱いも簡便な多用途に使えるスポイトを提供できる。選定される液体は特に、酸化され易い液体、水分で劣化しやすい液体、揮発性の高い液体の保存に適しているが、これらに限定するものではない。 図1は本発明の実施例1の断面説明図である。 図2は本発明の実施例2の断面説明図である。 図3は本発明の実施例3の断面説明図である。 図4は本発明の実施例4の断面説明図である。 図5は本発明の実施例5の断面説明図である。 図6は本発明の実施例6の断面説明図である。 図7は本発明の実施例7の断面説明図である。 図8は本発明の実施例8の断面説明図である。 図9は本発明の実施例9の断面説明図である。 1 柔軟な中空の膨らんだ部分 2 チューブ状の容器 3 ストッパー 4 薄肉ガラスアンプル 5 開口部 6 フィルター 10 薬液等の液体 10a 化学発光を呈する薬液 10b 化学発光を呈する薬液 10c 残留洗剤検出用組成物 10d 残留洗剤検出用組成物 11 ガラスアンプルの首 13 吸収性素材(綿球) 14 キャップ 15 刷毛 薬液等の液体は限定しないが下記に一例を挙げる。 消毒剤には、重金属化学物質、アルコール類、アルデヒド類、フェノール類、ビグアナイド類、界面活性剤、塩素化合物、ヨウ素類、過酸化物、酸、アルカリ、色素類がある。殺菌剤には、医薬品としての殺菌剤(ヨードチンキ、ポビドンヨード、マーキュロクロム液、アクリノール等)、農薬などの殺菌剤(ボルドー液、石灰硫黄合剤、微小管阻害剤、呼吸阻害剤)がある。 化粧用としての除光液(アセトン、エチルアルコール、炭酸プロピレン、変性アルコールその他香料等)や化粧おとし具。 ピンポイント用殺虫剤として油剤、乳剤、懸濁剤、エマルジョン剤、マイクロカプセル剤、液剤などの液状用殺虫剤。 接着剤としては、アクリル変成シリコーン樹脂(アクリル−α−シアクリレートを主成分とする接着剤)なおポリエチレン、ポリプロピレ、ポリアセタール、シリコーンゴムのどの難接着剤料の短時間接着(表面改質プライマーと瞬間接着剤の併用)等があり、1液タイプ、2液混合タイプに対応できる。 各種の化学実験の保存用容器として使用できる。例えば2種類の液を混合することにより化学発光現象が生起する学習の教材として最適である。また水質(pH)チェッカーの検査具として、あるいは呈色試薬をアンプルに入れ、定性分析、定量分析としても利用できる。なお上記の物質で固体のものは溶媒に溶かして、或いは懸濁液として使用する。 図1は全長81.3mm、柔軟な中空の膨らんだ部分1の直径φ8mm、長さ16.3mm。可撓性を有するチューブ状の容器2の全長65mm、内径はφ3mm、ストッパー3の空洞部の内径約2mmのスポイトAをブロー成形で一体的に成形する。チューブ状の容器2内に全長60mm、外径φ2.55mmの薄肉ガラスアンプル4を収容し、チューブ2の開口部5のチューブ内にフィルター6を詰めた構造となっている。このガラスアンプル4には0.2mLの80%エチルアルコールを主成分とした消毒液10(選定された液体)が充填されている。なお薄肉ガラスアンプル4の肉厚は80ミクロン〜200ミクロンが割れやすく、ガラスの破片によるチューブの壁の損傷が小さく抑えられる。 なお本実施例1(以下の実施例の場合)をふくめ、揮発性液体や空気や水分により劣化がすすむ液体の充填封入にはガラスアンプルに首11を作っておき、液体注入後首の部分を炎にて瞬間的に密封するのが効果的である。ただしこの方法に限定するものではない。 使用するときは、チューブ状の容器2を曲げてガラスアンプル4を破割し、柔軟な中空の膨らんだ部分1を指で挟むと、加圧された気体により消毒液はフィルター6を通って開口部5より排出され、人体の傷の部分に滴下される。なおフィルター6はガラスの砕片が通過しない密度となっている。 本実施例(図2)では、チューブ2の開口部5に吸収性素材(綿球)13を取り付けたものであり、実施例1のフィルター6を必ずしも必要としないのは吸収性素材13がフィルターの役目を果たすからである。この実施例ではアンプル4内にはアセトンなどの除光液10が充填されている。吸収性素材(綿球)に浸み込んだ除光液10にてマニキュアをおとす。本実施例の構造では薬液を変えると、実施例1の消毒用スポイトとしても使える。 本実施例(図3)では、ガラスアンプル4を2つのフィルター6で挟んだ構成となっており、袋状の柔軟な中空の膨らんだ部分にガラスの細片が入らないようにするためである。ガラスの細片が入ると袋状の膨らんだ壁が破れるおそれがあるからである。 本実施例(図4)では、一度で使い切る検査や作業ではなく時間を置いて行う場合に外気に触れさせないために実施例1の開口部にキャップ14を付けたものである。 本実施例(図5)では実施例3の開口部に吸収性素材(綿球)13を取り付けたものである。 本実施例(図6のBまたはC)では実施例1および実施例3のチューブの開口に刷毛15を挿入したものであり、農薬などの殺虫剤10をガラスアンプル4に充填したものである。草、木の害虫にピンポイントで塗りつけることが出来るから、噴霧による飛散もなく、子供のいる家庭菜園に最適である。 本実施例(図7)では、2本のスポイトAを準備する。2種類の薬液の混合により化学発光を呈する一方の薬液10aを一方のスポイトA内のガラスアンプル4内に充填し、他方の薬液10bを他方のスポイトA内のガラスアンプル4内に充填する。それぞれのスポイトAを曲げて薬液をチューブ状の容器2に溜め、別途準備したシャーレにそれぞれの液を滴下すると2液が混合し化学発光がスタートする。このように化学実験の教材として便利であり、手も汚れない。2種類以上の化学物質の反応実験は上記のように各スポイトに分離保存された状態にあるため簡単に進めることが出来る。またガラスアンプル4の大きさは自由に変えることができるので混合比率も自由に選ぶことができる。 本実施例(図8のDまたはE)では、チューブ状の容器2内に2本のガラスアンプル4を収容し、一方のガラスアンプルにはシュウ酸エステル、蛍光物質および有機溶剤からなる組成物10cを充填し、他方のガラスアンプルには過酸化水素、有機強酸、有機溶媒からなる組成物10dを充填したものである。有機強酸はシュウ酸エステルと過酸化水素との反応を抑制する負の触媒としての働きを有し、有機強酸としては芳香族スルホン酸(ベンゼンスルホン酸)、脂肪族スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸)などがある。 なお、上記では2本のガラスアンプルを平行して収容したが、長さ方向に2本直列に入れること、或いはガラスアンプルの中に小さなガラスアンプルを入れる構造とすることも本発明に属する。 このスポイトは、家庭や工場における食器、トレイ洗い後の残留洗剤の検出具として使用するものである。 つまり、チューブ状の容器2内の2本のガラスアンプルを破割すると、前記2種類の組成物が混ざる。この検査用液体を食器16の内壁面に滴下すると、残留洗剤が残っていれば、その触媒作用により化学発光現象が生起する。暗い所で観察すれば肉眼で簡単に視認できる。 図9ではチューブ状の容器2の開口部の吸収性素材(綿球)13で食器の内壁面を払拭して対象物を移したのち、実施例8と同様に検査用液体10を吸収性素材13に移行させることでも確認できる。 なお、上記実施例において、チューブ開口端の開口面積を狭くしてフィルターが飛び出すのを防止する構造とすることもある。 本発明に係るスポイトは、封入された液体はチューブ状容器を曲げて薄肉ガラスアンプルが破砕されて初めて外気に触れる状態となるため、液体の長期保存が可能であり品質が保たれ、かつ使用時の扱いも簡便な多用途に使用可能であることより、例えば殺菌、消毒用塗布具、化粧用塗布具、衛生用、医薬用、医薬部外用、接着用の容器、検査キットの容器、機械器具(オーディオ機器)の掃除や洗浄など薬液の保存容器として幅広い産業上の利用可能性がある。 柔軟な中空の膨らんだ部分が上部に連結されているとともに前記中空の膨らんだ部分への連結付近に内側に向けた凹部を形成してブロー成形により一体に成形された可撓性を有するチューブ状の容器からなり、薬液等の液体を充填密封した薄肉のガラスアンプルを前記チューブ状の容器に一本以上収容し、前記凹部を前記ガラスアンプルが通過できない空洞部からなるストッパーとし、前記チューブ状の容器を曲げて前記ガラスアンプルを破割して薬液等を溜め、前記柔軟な中空の膨らんだ部分を指で挟んで加圧した気体により前記チューブ状の容器に溜まっている薬液などを前記チューブ状の容器の下端に形成した開口部に取り付けた前記破割させたガラスアンプルの破片通過防止用の綿球から滴下することを特徴とする多用途に使えるスポイト。 柔軟な中空の膨らんだ部分が上部に連結されているとともに前記中空の膨らんだ部分への連結付近に内側に向けた凹部を形成してブロー成形により一体に成形された可撓性を有するチューブ状の容器からなり、薬液等の液体を充填密封した薄肉のガラスアンプルを前記チューブ状の容器に一本以上収容し、前記凹部を前記ガラスアンプルが通過できない空洞部からなるストッパーとし、前記チューブ状の容器を曲げて前記ガラスアンプルを破割して薬液等を溜め、前記柔軟な中空の膨らんだ部分を指で挟んで加圧した気体により前記チューブ状の容器に溜まっている薬液などを前記チューブ状の容器の下端に形成した開口部内に挿入した前記破割させたガラスアンプルの破片通過防止用のフィルターを通して滴下することを特徴とする多用途に使えるスポイト。 前記アンプルとストッパーの間に破割させたガラスアンプルの破片通過防止用のフィルターを介在させたことを特徴とする請求項2記載の多用途に使えるスポイト。 上記フィルターを多孔性スポンジ、濾紙、不織布とした請求項2または3記載の多用途に使えるスポイト。 チューブの開口部に綿球を付けた請求項2または3記載の多用途に使えるスポイト。 チューブの開口部にキャップを付けた請求項2または3記載の多用途に使えるスポイト。 請求の範囲2または3記載のチューブの開口部のフィルターを付けたまま或いはフィルターを除き、刷毛を付けた請求項2または3記載の多用途に使えるスポイト。