タイトル: | 公表特許公報(A)_メタケイ酸アルミン酸マグネシウム含有放出制御錠剤 |
出願番号: | 2010508001 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 47/04,A61K 47/14,A61K 9/30,A61K 9/20 |
グレニア パスカル ナミアス アレイン バーグノート ガイ JP 2010527347 公表特許公報(A) 20100812 2010508001 20080516 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム含有放出制御錠剤 ヤゴテック アーゲー 505220996 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 川本 和弥 100121072 グレニア パスカル ナミアス アレイン バーグノート ガイ GB 0709541.7 20070517 A61K 47/04 20060101AFI20100716BHJP A61K 47/14 20060101ALI20100716BHJP A61K 9/30 20060101ALI20100716BHJP A61K 9/20 20060101ALI20100716BHJP JPA61K47/04A61K47/14A61K9/30A61K9/20 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IB2008002128 20080516 WO2008142572 20081127 20 20091225 4C076 4C076AA37 4C076BB01 4C076DD29B 4C076DD29M 4C076DD41C 4C076FF31 4C076FF33 本発明は、経口投与用の放出制御薬学的剤形に関し、特に、そのような医用薬剤を調製するために使用される賦形剤に関する。 薬学的活性剤の放出動態学に関して放出制御(放出遅延または徐放とも呼ばれる)特性を有する経口投与用の薬学的剤形は、疾患状態の処置に適していると同時に、過剰投与された場合に関連した毒物学的副作用を有しているか、または一日の流れの間に多数の錠剤の患者への投与を必要とする、多くの薬物の薬理学に関連した問題を克服するために有利であることが判明している。放出制御薬学的剤形は、一定の期間にわたり単一の錠剤からの活性剤の徐放を提供し、従って、速放および/または患者コンプライアンスの問題を回避することができる。 そのような放出制御錠剤の開発を可能にした薬学的製剤化技術は、重合体性物質、例えば、(患者の腸のような)水性環境において最初は不活性であるが、次いでその後に、水性環境において膨張し、かつ/またはゲル化し、それにより、活性剤が放出され得る孔を開く膨潤性かつ/またはゲル化性(gellable)重合体性物質の使用に依っている。そのような重合体の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)である。その他の多くの重合体物質が、物理的/化学的特徴のため、類似した理由で使用されている。 しかしながら、HPMCのような重合体の膨張および腐食の挙動は、錠剤が置かれた水性環境の性質に依ることが公知である。従って、活性剤の放出は、pH、イオン強度、および撹拌のような変数、またはその他の溶解条件に依存し得る。これらの重合体成分の「ゲル強度」は、錠剤からの活性剤の放出を駆動すると考えられている。また、そのような重合体から調製された錠剤または経口剤形は、例えば、周知の「食物効果」のような、錠剤の投与後のインビボ環境の影響に対しても脆弱である。 従来、錠剤製造において崩壊剤として使用されてきた賦形剤であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが、これらの問題を克服するかまたは少なくとも改善し、膨潤性かつ/またはゲル化性重合体物質を放出制御賦形剤として使用することを回避する、放出制御薬学的剤形を調製するための異なる様式で、使用できることが、驚くべきことに本発明において見出された。 本発明の第一の局面によると、最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、1種または複数種の薬学的活性剤と、任意で1種または複数種の薬学的に許容される希釈剤とからなる経口投与用の剤形が提供される。 剤形は、患者への経口投与用の任意の適切な構成の錠剤であり得る。それは、多層錠組成物または単一経口剤形または錠剤であり得る。 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、化学式Al2O3.MgO.2SiO2.xH2Oにより記載され得、好ましくは、酸化アルミニウムが25%〜40%の範囲で存在し、酸化マグネシウムが10%〜15%の範囲で存在し、かつ二酸化ケイ素が25%〜40%の範囲で存在する。水分を吸収する物質として、これらの割合は、7時間の110℃での物質の乾燥に基づく。本発明の好ましい態様において、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、Fuji Chemical Industry Co., Ltd.(www.fujichemusa.com)製のNeusilin(商標)であり得る。 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの放出制御特性は、この賦形剤の経口剤形中の割合が最低15%w/wで存在する場合に示される。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、15%〜95%、好適には40%〜90%または45%〜95%の範囲で存在し得、好ましい好適な割合は、経口剤形から放出される活性剤に依って、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である(全ての割合がw/wとして与えられている)。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの放出制御効果は、活性物質の水への溶解度にも依る場合がある。従って、可溶性に乏しいまたは低溶解度の活性物質には、より少量のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが必要とされる場合がある。 薬学的に許容される希釈剤には、マンノース、デンプン、マンニトール、乳糖、ソルビトール、キシリトール、タルク、ステアリン酸、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイドシリカ、マルトデキストリン、および当業者に公知のその他の賦形剤が含まれるが、これらに限定されない。 経口剤形中に存在する薬学的活性剤は、放出制御のために製剤化される必要がある任意の適切な薬剤であり得る。本明細書において使用されるように、薬学的活性剤という用語には、薬学的物質のみならず、食品栄養補助剤(例えば、ビタミン、ミネラル、グリコサミノグリカン等)のような生物学的効果を有するその他の物質も含まれる。経口剤形中に存在するメタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、薬学的活性剤のための吸収剤としては使用されない。従って、活性剤は、好ましくは、経口剤形を形成するための圧縮の前に粉末状の無水の物質として提供される。 錠剤の形態での経口投与に適した任意の薬学的活性物質が、本発明の経口剤形(または錠剤)へ製剤化され得る。従って、活性物質は、治療的用途を有する薬学的物質(薬物)であり、そのような物質には、診断のような非治療的用途の投与または食事目的のためのものも含まれる。 好ましくは、活性物質は、慢性疾患の処置を目的としたもの、例えば、心血管系に作用する薬物、抗不整脈薬、強心薬、血管拡張薬、カルシウム拮抗薬、抗高血圧薬、例えば、中枢および末梢の作用の抗アドレナリン作用物質、もしくは細動脈筋系に作用する物質、鎮痛物質、レニン‐アンギオテンシン系に作用する物質、抗高血圧薬および利尿薬の組み合わせ、抗パーキンソン病剤、利尿薬およびアルツハイマー病の処置のための薬物、抗ヒスタミン薬、ならびに/または抗喘息薬であり得る。 そのような薬学的形態において使用され得る活性物質の例は、以下の通りである:プロプラノロール、アテノロール、ピンドロール、ロピニロール、プラゾシン、ラミプリル、スピラプリル;スピロノラクトン、メチプラノロール、モルシドミン、モクソニジナ(moxonidina)、ナドロール、ナドキソロール、レボドパ、メトプロロール、チモロール。 鎮痛物質には、ステロイド性抗炎症薬、オピオイド鎮痛薬、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が含まれるが、これらに限定されない。鎮痛物質は、アセチルサリチル酸、サリチル酸、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フルビプロフェン(flubiprofen)、インドプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、ケトロラクのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、またはそれらの薬学的に許容される塩および/または誘導体または混合物であり得る。 その他の適切な鎮痛物質には、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘパタジン(ethoheptazine)、エチルメチルチアムブレン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィネ(myrophine)、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノオルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、サフェンタニル、トラマドール、チリジンのようなオピオイド鎮痛薬、および薬学的に許容されるそれらの塩および/または誘導体または混合物が含まれるが、これらに限定されない。 抗高血圧薬には、ジルチアゼム、トラピジル、ウラピジル、ベンズヨーダロン、ジピリダモール(dipiridamole)(ジピリダモール(dipyridamole))、リドフラジン、シュウ酸ナフトヒドロフリル(naphthydrofuryl oxalate)、マレイン酸ペルヘキセリン、塩酸オキシフェドリンが含まれ得る。抗ヒスタミン薬および/または抗喘息薬には、エフェドリン、テルフェナジン、テオフィリン、またはクロルフェニラミンが含まれ得る。 本特許出願の錠剤において、保持される活性物質は、例えば、0.01mg/L〜3000g/L、好ましくは10mg/L〜1000g/L、または0.01mg/L〜100g/Lの極めて広範囲の水への溶解度を有し得る。 活性物質は、好ましくは、剤形(または、剤形が多層錠である場合、活性層)の0.05重量%〜70重量%の割合で含有され、活性物質のより好ましい範囲は、0.05重量%〜40重量%、0.05重量%〜30重量%、0.05重量%〜10重量%、0.05重量%〜20重量%、0.05重量%〜25重量%、0.05重量%〜30重量%、0.05重量%〜35重量%、0.05重量%〜40重量%、0.05重量%〜45重量%、0.05重量%〜50重量%、0.05重量%〜55重量%、0.05重量%〜60重量%、0.05重量%〜65重量%、または0.05重量%〜70重量%である。 本発明に従って調製された経口剤形は、上記のような単一の薬学的製剤から構成された単一の均質の錠剤を含んでいてもよいし、または経口剤形は、多層錠を形成する複数の層を含んでいてもよい。そのような多層錠においては、層のうちの一つまたは複数が、一つの活性剤を含有し(または異なる活性剤を含有していてもよく)、層のうちの一つまたは複数が、錠剤の完全性を支援し、かつさらに本発明に従って製剤化された活性剤を含有している層からの活性剤の放出率を制御するバリア層または支持層として作用することができる。 別の錠剤構成は、外側バリア層の内部に含有されているコアの内部に活性物質が含有されている圧縮コーティング錠である。いくつかの態様において、コーティングは完全であってもよいし、その他の態様において、被包は部分的であってもよい。従って、例えば、コアがおよそ円柱形である場合、コアの基底側および外側に部分的なコーティングが適用され、上面は露出していてもよい。そのような錠剤の型も、複数の層から構成され得る。 本発明のいくつかの態様において、錠剤は、少なくとも80N、好適には85N〜230N、好ましくは90N〜210Nの範囲の強度に圧縮されることが好ましい場合がある。そのような経口剤形の放出制御特性は、圧縮圧力を増加させることにより調節され得、ここで、増加した圧力は、より長い期間にわたる、より遅い活性体の放出を提供する、増加した強度値をもたらす。 本発明の第二の局面によると、最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、薬学的活性剤と、薬学的に許容される脂質賦形剤と、任意で1種または複数種の薬学的に許容される希釈剤とからなる経口投与用の剤形が提供される。 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの放出制御特徴を改変するために特に有用な脂質賦形剤(または蝋様もしくは類脂肪賦形剤)には、精製木材パルプに由来する部分脱重合アルファセルロースの一つの型であり、Avicel(商標)PHの一般製品名で入手な微晶質セルロース、好適には、グレードPH101またはPH102が含まれる。もう一つの有用な賦形剤は、ベヘン酸グリセリル(またはトリベヘニン)、好適には、ベヘン酸によるグリセロールのエステル化に続く噴霧冷却により形成され、Compritol(商標)888 ATOの製品名で入手可能な、微粒ベヘン酸グリセリルの形態のものである。 本発明の第三の局面によると、最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含む顆粒状組成物へ活性剤を製剤化する工程を含む、剤形からの薬学的活性剤の放出を制御する方法が提供される。 本発明の第四の局面によると、薬学的活性物質の剤形への製剤化における放出制御賦形剤としてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの使用が提供される。メタケイ酸アルミン酸は、放出制御剤形に一般的に使用される重合体性材料を用いずに使用される。 本発明の第二以降の局面についての好ましい特色は、必要な変更を加え、第一の局面と同様である。 従って、本発明の一般に好ましい態様は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび活性物質からなり、さらなる成分は存在しない経口剤形である。活性物質の溶解度を考慮してメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの量を低下させる必要がある場合には、錠剤の残りを、乳糖またはマンノースのような薬学的に許容される希釈剤から調製することができる。本発明のその他の好ましい態様は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、活性物質と、微晶質セルロースおよび/またはベヘン酸グリセリルのような薬学的に許容される脂質賦形剤とからなる経口剤形である。 例示のためにのみ提供され、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない、以下の実施例および図面を参照することにより、以下に本発明をさらに記載する。多数の図面が参照される。Neusilin(商標)含量を92%w/wから0%w/wまで減少させた錠剤86E、88E、100E、99E、89E、90E、および87Eの溶解特性を示す。錠剤89E(Compritol(商標)888 ATO不含)、98E(19.2%w/w Compritol(商標)888 ATO)、および97E(14.9%w/wステアリン酸マグネシウム)の溶解特性を示す。錠剤104E(37.5%w/w活性体および60%w/wNeusilin(商標))、107E(25%w/w活性体および72.5%w/wNeusilin(商標))、ならびに106E(18.75%w/w活性体および78.75%w/wNeusilin(商標))の溶解特性を示す。錠剤104E、108E(104E+D1)、109E(104E+56B)、および112E(104E+63B)の溶解特性を示す。多層錠として製剤化された4種の異なる活性剤の溶解特性を示す。図5(a)は、8403活性体を含有している119E(単層錠)、123E(二層錠)、および127E(三層錠)の溶解特性の比較を示す。図5(b)は、8110活性体を含有している118E(単層錠)、122E(二層錠)、および126E(三層錠)の溶解特性の比較を示す。図5(c)は、9410活性体を含有している121E(単層錠)、125E(二層錠)および129E(三層錠)の溶解特性の比較を示す。図5(d)は、1022活性体を含有している120E(単層錠)、124E(二層錠)、および128E(三層錠)の溶解特性の比較を示す。三層錠の溶解特性の比較を示す。図6(a)は、89N(126E)、147N(126E2)、および230N(126E3)で圧縮された8110活性体を含有している三層錠の溶解特性を示す。図6(b)は、84N(115E)、130N(115E1)、および210N(115E2)の8403活性体を含有している三層錠の溶解特性の比較を示す。図6(c)は、8403活性体を含有し、95N(131E)、137N(131E1)、および199N(131E2)で圧縮された三層錠の溶解特性の比較を示す。無水リン酸水素カルシウムとの比較試験の結果を示す。図7(a)は、錠剤86E(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム/Neusilin(商標))および111E(リン酸カルシウム/Fujicalin(商標))の溶解特性を示す。図7(b)は、錠剤104E(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム/Neusilin(商標))および110E(リン酸カルシウム/Fujicalin(商標))の溶解特性を示す。実施例1:メタケイ酸アルミン酸マグネシウムで製剤化された活性体を含有している錠剤の調製 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(Fuji Chemical Co.よりNeusilin(商標)として入手可能)の従来の用途は、流動性増強のため、錠剤崩壊剤として、潮解性薬物の安定剤として、そして水または油の吸収のためであった。表1は、Fuji Chemical Co. USA(http://fujichemusa.com/Neusilin.htm)より入手可能なグレードUS2およびUFL2のNeusilin(商標)の特徴を示す。 薬学的活性剤は、以下のようにして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムで製剤化され得る。記載された全ての賦形剤および活性薬物を、(視覚的に)均質の混和物が入手されるまで、22rpmで15分間、低煎断ブレンダー(立方体ブレンダー)で混合した。次いで、この混和物を、単層錠の場合には、シングルパンチプレス(Korsch EKO)で、多層錠の場合には、多層ロータリープレス(Manesty LP 39)で圧縮した。実施例2:メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含む錠剤製剤の放出制御特性 プロトタイプ製剤86E(3.85%w/w活性体、92.3%w/w Neusilin(商標)US2、1.44%w/w Aerosil(商標)200、および2.4%w/wステアリン酸マグネシウム)を、参照として使用した。Neusilin(商標)をAvicel(商標)PH102に交換することによりNeusilin(商標)含量を92%w/wから0%w/wまで規則的に減少させた新たなプロトタイプ(88E、100E、99E、89E、90E、および87E)を調製した。溶解特性を図1に示す。 図1に報告された特性は、錠剤のNeusilin(商標)含量に従って並べられている。最も高いNeusilin(商標)含量が、最も遅い放出速度を与える。活性成分の80%の22時間での放出に相当する高度の放出制御が、Avicel(商標)PH102のような充填剤と共に少なくとも54%w/wのNeusilin(商標)を含有している錠剤により入手される。 全ての錠剤について、気泡の発生が認められ、錠剤は、Avicel(商標)PH102含量が増加すると、より容易に水中で崩壊する。このことは、多孔性構造が、打錠手順における圧縮工程を通して、錠剤において維持されることを証明している。 これらの結果から、高い量のNeusilin(商標)を含有している錠剤により入手される放出制御は、錠剤中に存在するNeusilin(商標)の量に依存するらしいことが理解される。高いNeusilin(商標)含量では、錠剤が浸漬された際の水の侵入に抵抗するために十分に頑強な孔ネットワークが形成される。可溶化された活性体は、溶解媒体に達するために孔ネットワークをたどらなければならない。従って、その放出は遅い。より低いNeusilin(商標)含量においては、水が孔に侵入した際にネットワークの完全性が失われ、活性体がより速く放出される。実施例3:メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いて製剤化された錠剤の放出制御溶解特性に対する付加的な賦形剤/佐剤の影響 同一のプロトタイプ製剤89E(46.15%w/w Neusilin(商標)US2、46.15%w/w Avicel(商標)PH102、2.4%w/wステアリン酸マグネシウム)に基づき、等しい量のNeusilin(商標)およびAvicel(商標)を、Compritol(商標)888 ATOに交換した錠剤98E(36.5%w/w Neusilin(商標)US2、36.5%w/w Avicel(商標)PH102、および19.2%w/w Compritol(商標)888 ATO)を圧縮した。錠剤89Eおよび98Eの溶解特性は、図2において比較される。 錠剤製剤89EへのCompritol(商標)888 ATOの添加は、活性成分放出速度に対する大きな効果を有する。98Eプロトタイプについては、活性体の30%が、89Eプロトタイプについての1時間の代わりに、9時間で放出される。従って、(Compritol(商標)を含む)錠剤98Eからは、(ステアリン酸マグネシウムを含む)錠剤97Eより速く活性体が放出される。Compritol(商標)(ベヘン酸グリセリル)のような蝋様または脂質物質の使用は、混和物のインターポロシティ(inter porosity)を低下させ、従って、錠剤の湿潤性を低下させ、それにより、活性薬物放出率を低下させることができる。ステアリン酸マグネシウムのような疎水性物質も、錠剤の湿潤性を低下させ、活性薬物放出率を低下させる。実施例4:活性体/メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの比率の影響 薬物放出を減速させるため、参照製剤104EにさらなるNeusilin(商標)を追加することにより、活性成分/Neusilin(商標)比率を増加させた(これは、より重い錠剤を与える)。 参照錠剤104Eは、重量160mgであり、37.5%w/w活性体および60%w/w Neusilin(商標)を含有している。錠剤107E(重量240mg、25%w/w活性体および72.5%w/w Neusilin(商標))および106E(重量320mg、18.75%w/w活性体および78.75%w/w Neusilin(商標))を、混和物30SRおよび29SRからの直接圧縮により調製した。錠剤104E、107E、および106Eの溶解特性を、図3に示す。図3に見られるように、活性成分/Neusilin(商標)比率の減少は、活性成分放出の減速を可能にする。実施例5:バリア層の追加 活性剤を含有している層からの活性薬物放出率を増加または減少させるため、錠剤の形状を改変する「バリア」層または「支持プラットフォーム」の使用を調査した。 39.875%w/w Methocel(商標)K100M、39.875%w/w乳糖、13.5%w/w Compritol(商標)888 ATO、5%w/w Plasdone(商標)K29-32、Aerosil(商標)、およびステアリン酸マグネシウムを含有しているバリア層混和物D1を調製した。 製剤D1に基づき、乳糖を全てNeusilin(商標)US2に交換したバリア混和物1002/56Bを調製した。 製剤D1に基づき、乳糖を全てNeusilin(商標)US2に交換し、Methocel(商標)K100Mの半分をCompritol(商標)888 ATOに、残りの半分をAvicel(商標)PH102に交換したバリア混和物1002/63Bを調製した。 それぞれ支持層D1、56B、および63Bと共に、(錠剤104Eのために使用された)27SR活性体混和物を圧縮することにより、二層錠108E、109E、および112Eを入手した。 錠剤104E、108E、109E、および112Eについての溶解特性は、図4に示される。二層錠の放出特性は、単層錠104Eのものより遅い。バリアの追加は、水と活性コアとの間の接触面積を低下させ、従って、腐食および活性成分放出を遅くする。さらに、単層プロトタイプ104Eについての一次放出特性が、バリアが追加された場合、ゼロ次放出特性に接近する。実施例6:多層錠 以下のような異なる溶解度を有する4種の異なる活性剤を、多層錠の調製のために選択した。8403(ジルチアゼムHCl)−溶解度は水中1200mg/mlに等しい。8110(ブシンドロール)−溶解度は水中257mg/mlに等しい。9410(プレドニゾン)−水中0.1mg/mlの溶解度。1022−水中0.03mg/mlおよびpH1.0で0.14mg/mlの溶解度。 これらの4種の活性体を、同一用量強度(1錠当たり10mg、10%w/w)およびNeusilin(商標)US2(86%w/w)を有する単層錠として製剤化した。 極めて可溶性の活性体8403、易溶性の活性体8110、可溶性の活性体9410、および難溶性の活性体1022を、Neusilin(商標)US2と混和して、それぞれ、活性体混和物1002/39SR、38SR、41SR、および40SRを得た。 次いで、これらの混和物を、多層錠のコアのために使用した。支持層混和物1002/63B(上記参照)を、支持層を調製するために使用した。 活性体8403は、二層錠1002/123Eおよび三層錠1002/127Eを与えた。活性体8110は、二層錠1002/122Eおよび三層錠1002/126Eを与えた。活性体9410は、二層錠1002/125Eおよび三層錠1002/129Eを与えた。活性体1022は、二層錠1002/124Eおよび三層錠1002/128Eを与えた。 これらの錠剤を、単層錠と同一の溶解条件で試験した。結果は、図5(a)、5(b)、5(c)、および5(d)に報告される。 活性体およびその溶解度に関わらず、一つの支持層の追加は、放出の減速に通じる。第二の支持層の追加は、活性成分放出をより強力に減速させる。 ヒドロキシプロピルメチルセルロース重合体の単層錠についても、この効果が観察され、周知であり、一つまたは二つのバリア層の追加により活性成分放出面積が低下する。Neusilin(商標)マトリックスの場合、活性成分放出のために利用可能な面積の減少が、バリア層が追加された際の放出の減速を説明することができた。バリア層の追加は、錠剤(またはコア)の完全性も改善し得る。実施例7:メタケイ酸アルミン酸マグネシウムにより製剤化された錠剤からの放出制御に対する圧縮の効果 錠剤に適用される圧縮力に対する活性成分放出の頑強さ、および結果としての強度を調査した。ブシンドロール 三層錠1002/126Eを、強度89Nにまで圧縮し、それぞれ強度147Nおよび230Nにまで圧縮された三層錠1002/126E2および1002/126E3と比較した。 錠剤126E、126E2、および126E3の溶解特性は、図6(a)に示される。図6(a)に見られるように、三層錠の最終的な強度は、活性成分放出率に対して大きな影響を及ぼす。より圧縮された錠剤が、より遅い放出を与える。そのような影響は、HPMC多層錠においてはさほど顕著でない。Neusilin(商標)錠の場合、圧縮力の効果は、より強く圧縮された場合に錠剤の完全性が改善され、錠剤がより強く圧縮された場合に(錠剤の寸法が減少して)空隙率が低下するという事実による。 これらの所見は、Neusilin(商標)系が、過剰に頑強にはしない錠剤強度および圧縮力に対して感受性であることを示している。同時に、このパラメーターは、活性成分放出率の微調整を可能にするはずである。ジルチアゼムHCl 二つの支持層L1の間の33SR活性層からなる三層錠から構成された参照プロトタイプ製剤ジルチアゼムHClを、以下のように改変した。 33SR活性体混和物は、主として、46.875%w/w活性体、36.5%w/w Methocel(商標)K100M、および10.4%w/wマンニトール60(商標)を含有している。L1支持層は、主として、80.39%w/w Methocel(商標)K100Mを含有している。 L1製剤に基づき、Methocel(商標)K100Mの半分をNeusilin(商標)US2に交換した支持層1002/64Bを調製した。33SR製剤に基づき、Methocel(商標)K100Mの3分の1およびマンニトール60(商標)の全てをNeusilin(商標)US2に交換した活性体混和物35SRを調製した(Neusilin(商標)含量は30%w/wに等しい)。 活性混和物35SRを支持層64Bと共に圧縮して、三層錠115E(35SR+2×64B)を得た。従って、プロトタイプ1002/115E(Neusilin(商標)を含むジルチアゼムHCl)を、強度130N(1002/115E1)および210N(1002/115E2)で調製した。 錠剤115E、115E1、および115E2の溶解特性は、図6(b)に示される。 三層プロトタイプ115Eにおいて、錠剤強度の主要な変化は、有意に異なる活性成分放出率に通じない。これは、この場合、コアおよびバリアの組成が、Methocel(商標)およびNeusilin(商標)の混和物からなっており、純粋なNeusilin(商標)ではないという事実により説明され得る。従って、活性成分放出は、(膨張し、ゲル化する)HPMCネットワークおよびNeusilin(商標)ネットワークによっている。 Methocel(商標)の全量をNeusilin(商標)に交換した新たなジルチアゼムHClマトリックスを調製した。得られた活性体混和物42SRを、二つの64B支持層と共に圧縮して、プロトタイプ131E(95N)、131E1(137N)、および131E2(199N)を得た。比較例1:無水リン酸水素カルシウム(Fujicalin(商標))による活性体の製剤化 Fujicalin(商標)は、Fuji Chemical Co.(http://fujichemusa.com/fujicalin.htm)より入手可能な無水リン酸水素カルシウムである。化学的には、それは、従来の製品(Emcompress(商標))と同一であるが、Fujicalin(商標)の高い空隙率および大きい比表面積は、完全に異なる特徴を作出している。Fujicalin(商標)の独特の特色は、大きい比表面積、高い吸収量、および高い圧縮可能性である。それは、従来、流動性増強のため、錠剤崩壊剤として、そして水または油の吸収のため、使用されてきた。表2は、Fujicalin(商標)の特徴的な特色を示す。 従って、製造業者により記載されたFujicalin(商標)の特性は、Neusilin(商標)について主張された特性に非常に類似している。Neuslin(商標)に類似した記載された特性および用途を有するこの材料が、錠剤製剤において放出制御特性を示すか否かを調査することに決定した。活性体1022 92.3%w/w Neusilin(商標)および3.85%w/w活性体1022を含有している混和物および錠剤製剤16SRおよび86Eに基づき、Neusilin(商標)をFujicalin(商標)に交換した混和物32SRおよび対応する錠剤111Eを調製した。錠剤86Eおよび111Eの溶解特性は、図7(a)において比較される。 Fujicalin(商標)により入手された活性成分放出は、Neusilin(商標)により入手されたものよりはるかに速い。Fujicalin(商標)による錠剤の崩壊も、同様に、はるかに速い。活性体8403 60%w/w Neusilin(商標)および37.5%w/w活性体8403を含有している混和物および錠剤製剤27SRおよび104Eに基づき、Neusilin(商標)をFujicalin(商標)に交換した混和物31SRおよび対応する錠剤110Eを調製した。錠剤104Eおよび110Eの溶解特性は、図7(b)において比較される。 この活性体で、Fujicalin(商標)マトリックスは、Neusilin(商標)マトリックスよりも速い活性成分放出に通じる。 いずれの場合にも(活性体1022および8403)、Fujicalin(商標)により入手されたマトリックスは、Neusilin(商標)マトリックスほど頑強でない。結論 従って、これらの結果より、吸収剤として機能することが公知である材料は、本質的に、経口投与用の錠剤への活性剤の製剤化のための放出制御賦形剤として機能することはできないと結論付けることができる。 最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、1種または複数種の薬学的活性剤と、任意で1種または複数種の薬学的に許容される希釈剤とからなる、経口投与用の剤形。 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが15%〜95%の範囲で存在する、請求項1記載の剤形。 存在する薬学的活性剤が薬物物質である、請求項1または請求項2のいずれか一項記載の剤形。 存在する薬学的活性剤が栄養補助剤である、請求項1または請求項2のいずれか一項記載の剤形。 活性物質が、剤形の0.05重量%〜50重量%の割合で含有されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の剤形。 活性剤を含有している一つまたは複数の層を含む多層錠である、請求項1〜5のいずれか一項記載の剤形。 圧縮コーティング錠である、請求項1〜6のいずれか一項記載の剤形。 最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、薬学的活性剤と、薬学的に許容される脂質賦形剤と、任意で1種または複数種の薬学的に許容される希釈剤とからなる、経口投与用の剤形。 脂質賦形剤が類脂質または蝋様化合物である、請求項8記載の剤形。 脂質賦形剤が微晶質またはベヘン酸グリセリルである、請求項8記載の剤形。 最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含む顆粒状組成物へ活性剤を製剤化する工程を含む、剤形からの薬学的活性剤の放出を制御する方法。 剤形への薬学的活性剤の製剤化における放出制御賦形剤としてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの使用。 本発明は、経口投与用の制御された薬学的剤形に関し、特に、そのような医用薬剤を調製するために使用される賦形剤に関する。例えば、最低15%w/wのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、1種または複数種の薬学的活性剤と、任意で1種または複数種の薬学的に許容される希釈剤とからなる経口投与用の剤形が提供される。