タイトル: | 公開特許公報(A)_油性ビタミンC経口投与用組成物 |
出願番号: | 2010262116 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 31/375,A61K 9/08,A61K 9/10,A61K 47/14,A61K 47/24,A61K 47/46 |
高橋 雅人 仲亀 達也 JP 2012111712 公開特許公報(A) 20120614 2010262116 20101125 油性ビタミンC経口投与用組成物 東洋カプセル株式会社 000222200 有限会社クレア・ラボ・ジャパン 510185653 赤岡 迪夫 100060368 赤岡 和夫 100124648 高橋 雅人 仲亀 達也 A61K 31/375 20060101AFI20120518BHJP A61K 9/08 20060101ALI20120518BHJP A61K 9/10 20060101ALI20120518BHJP A61K 47/14 20060101ALI20120518BHJP A61K 47/24 20060101ALI20120518BHJP A61K 47/46 20060101ALI20120518BHJP JPA61K31/375A61K9/08A61K9/10A61K47/14A61K47/24A61K47/46 4 OL 5 4C076 4C086 4C076AA14 4C076AA16 4C076BB01 4C076CC22 4C076DD46M 4C076DD46N 4C076DD46Q 4C076DD63M 4C076DD63N 4C076DD63Q 4C076EE55M 4C076EE55N 4C076EE55Q 4C076FF31 4C076FF34 4C076FF63 4C076GG45 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA18 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA17 4C086MA21 4C086MA52 4C086NA03 4C086NA11 4C086NA12 4C086ZC28本発明は、医薬品または栄養サプリメントとして服用される油性ビタミンC経口投与用組成物に関する。 ビタミンC(アスコルビン酸)は、ビタミン類の中では最も多量に必要とされ、その所要量は成人で1日50mg〜2000mgとされる。ビタミンCはビタミンC欠乏症の治療および予防のほか、その還元作用に基く有益な生物学的作用を持っており、近年栄養サプリメントとしての摂取が増加している。 高濃度のビタミンCを含む液剤を望む場合、アスコルビン酸およびナトリウム塩のようなその塩の水溶液は不安定で、空気中の酸素により生理学的に不活性な酸化型ビタミンCに速やかに酸化されるので液剤には不適であるばかりでなく、消化管からの吸収率および有効血中濃度持続時間が満足でない。 これらの欠点を改良したビタミンCを封入したリポソームがサプリメントとして市販されている。しかしながらその製造は複雑な操作を必要とし、有効血中濃度持続時間も満足ではない。 L−アスコルビン酸、その塩およびそのエステルを油脂に懸濁させた油性L−アスコルビン酸製剤が特開昭62−77320号公報に提案されている。この製剤は、体内において不飽和脂肪酸の活性酸素による過酸化脂質への酸化防止の働きをするビタミンEを酸化型から還元型へ戻す役目を果すため、単位重量当りのビタミンC含有量を他の製剤よりも多くする目的で開発されたものである。従って脂溶性のビタミンEと同時に投与されることが必要で、ビタミンCの消化管からの吸収や有効血中濃度の長時間持続を意図したものではない。特開昭62−77320号公報 従って本発明の課題は、化学的に安定で、消化管からの吸収性および有効血中濃度持続性にすぐれた経口投与用ビタミンCの油性製剤を提供することである。 本発明によれば、中鎖脂肪酸トリグリセライドを主体とし、これにミツロウおよび大豆レシチンを加えた液状混合物中に、ビタミンCパルミチン酸エステルを溶解/懸濁してなる油性ビタミンC経口投与用組成物が提供される。 好ましい具体例では、前記液状混合物は中鎖脂肪酸トリグリセライド100重量部に対し、ミツロウ5〜20重量部、および大豆レシチン30〜60重量部を含んでいる。ビタミンCパルミチン酸エステルは組成物全体の20〜40重量%を占めるように前記液状混合物中に添加される。服用を容易にするため製剤は適量の甘味剤および香料を含むことができる。 本発明の油性製剤は、1回分または多数回分を任意の包装に液密に収容して出荷することもできるほか、常法により軟カプセルまたは硬カプセルに封入して出荷することもできる。ビタミンCリポソーム製剤およびビタミンC(アスコルビン酸)水溶液と比較した、本発明のビタミンC油性製剤のマウスを使用した吸収性および持続性試験の結果を示すグラフである。製造法 中鎖脂肪酸トリグリセライドを60℃に加温し、ミツロウを加えてミキサー中高速で攪拌し、均一に溶解する。さらに大豆レシチンを加え、30℃に冷却した後ビタミンCパルミチン酸エステルおよび甘味料を加え、ゆるやかに攪拌しながら香料を加え、20℃に冷却する。 得られた製品は粘性ある褐色の液体である。この液体7000mgまたは適量をシール包装、スティック、ボトルなどに包装して出荷するか、または常法により適量を軟カプセルまたは硬カプセルに充填する。吸収性試験 1群3匹よりなる16〜28ケ月、体重約30gのマウスを使用し、実施例で得た本発明のビタミンC油性製剤(パルミテートVC)と、市販のビタミンCリポソーム製剤(リポソームVC)と、L−アスコルビン酸水溶液(VC水)の吸収性比較実験を行った。マウスは実験前2週間はビタミンC欠乏飼料と、1.5g/LのVC水で飼育し、1夜絶食させ、翌朝尾静脈から採血後、パルミテートVC、リポソームVCおよびVC水をそれぞれの群にゾンデを使って強制的に経口投与し、3時間後、6時間後、12時間後および24時間後に採血し、血漿VC濃度を測定した。結果を図1のグラフに示す。 投与量は、ビタミンCとして45mg/30g体重となるように、リポソームVCは250μl/30g体重、パルミテートVCは411μl/30g体重、VC水は250μl/30g体重とした。最初の採血後から24時間後の採血までは、マウスにはビタミンC欠乏飼料を与え、VC水の代りに匹敵するpH値の塩酸水を自由に摂取させた。 血液サンプル中のビタミンC濃度は、高速液体クロマトグラフィーと電気化学検出器を組合せて測定した。図1のグラフが示すように、リポソームVC投与群とパルミテートVC群は3時間後および12時間の血漿VC濃度がVC水投与群に比べて有意に高かった。投与25時間後では、リポソーム投与群ではVC水投与群と同様に血漿VC濃度は初期値まで低下するのに対し、パルミテートVC投与群では初期値の約2倍を維持し、本発明の油性ビタミンC製剤の長い有効血中濃度持続時間を証明している。 中鎖脂肪酸トリグリセライドを主体とし、これにミツロウおよび大豆レシチンを加えた液状混合物中に、ビタミンCパルミチン酸エステルを溶解/懸濁してなる油性ビタミンC経口投与用組成物。 中鎖脂肪酸トリグリセライド100重量部に対し、ミツロウ5〜20重量部および大豆レシチン30〜60重量部を含んでいる請求項1の油性ビタミンC経口投与用組成物。 ビタミンCパルミチン酸エステルが組成物全体の20〜40重量%を占める請求項1または2の油性ビタミンC経口投与用組成物。 適量の甘味剤および香料を含有する請求項1ないし3のいずれかの油性ビタミンC経口投与用組成物。 【課題】化学的に安定で、消化管からの吸収性および有効血中濃度持続時間がすぐれた経口投与用ビタミンC液剤を提供する。【解決手段】中鎖脂肪酸トリグリセライドを主体とし、これにミツロウおよび大豆レシチンを加えた液状混合物中に、ビタミンCパルミチン酸エステルを溶解/懸濁してなる油性ビタミンC経口投与用組成物。好ましくは、前記液状混合物は中鎖脂肪酸トリグリセライド100重量部に対し、ミツロウ5〜20重量部、および大豆レシチン30〜60重量部を含んでいる。ビタミンCパルミチン酸エステルは組成物全体の20〜40重量%を占めるように前記液状混合物中に添加される。服用を容易にするため製剤は適量の甘味剤および香料を含むことができる。【選択図】なし