タイトル: | 公開特許公報(A)_非水性結腸下剤処方物 |
出願番号: | 2010257326 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 33/42,A61P 1/10,A61K 33/04,A61K 31/194,A61K 47/26,A61K 47/38,A61K 9/48,A61K 9/20,A61P 43/00 |
レオナルド エス. ジャコブ タフィー ジェイ. ウィリアムス ロバート ディー. クレル クレイグ エイ. アロンチック JP 2011032291 公開特許公報(A) 20110217 2010257326 20101117 非水性結腸下剤処方物 サリックス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 506275586 山本 秀策 100078282 安村 高明 100062409 森下 夏樹 100113413 レオナルド エス. ジャコブ タフィー ジェイ. ウィリアムス ロバート ディー. クレル クレイグ エイ. アロンチック US 08/829,080 19970331 A61K 33/42 20060101AFI20110121BHJP A61P 1/10 20060101ALI20110121BHJP A61K 33/04 20060101ALI20110121BHJP A61K 31/194 20060101ALI20110121BHJP A61K 47/26 20060101ALI20110121BHJP A61K 47/38 20060101ALI20110121BHJP A61K 9/48 20060101ALI20110121BHJP A61K 9/20 20060101ALI20110121BHJP A61P 43/00 20060101ALI20110121BHJP JPA61K33/42A61P1/10A61K33/04A61K31/194A61K47/26A61K47/38A61K9/48A61K9/20A61P43/00 121 1 2003297910 19980330 OL 11 4C076 4C086 4C206 4C076AA36 4C076AA53 4C076BB01 4C076CC16 4C076DD67 4C076DD67F 4C076EE31F 4C086AA01 4C086HA02 4C086HA04 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA72 4C086ZC75 4C206DA35 4C206MA01 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA05 4C206MA55 4C206MA57 4C206MA72 4C206NA14 4C206ZA72 4C206ZC75 本発明は、無機塩に基づく結腸下剤処方物に関する。より具体的には、手術または診断手順のために結腸を準備するための、カプセルまたは錠剤形態で投与され得る非水性結腸下剤処方組成物に関する。 (発明の背景) いくつかの医学的手順、例えば、結腸鏡検査、レントゲン検査および腸の手術を受ける患者の準備においては、直腸をできるだけ空にすることがしばしば、重要である。例えば、満足なエックス線写真を撮るためには、特に結腸からのガスの除去に関して、腸が十分に洗浄(cleanse)されていることが、しばしば、本質的である。結腸が、手術または診断手順(例えば、結腸鏡検査)のために予備的に準備される場合も条件は同様に適用される。この場合、糞便廃棄物を除去することも必要である。 典型的な従来技術の結腸下剤手順は、水浣腸剤を用いて結腸を空にすることを含んでいた。ここで、大量の水が結腸に導入されて、結腸の内容物が懸濁液の形態で追い出されて空にすることを誘発する。しかしながら、浣腸剤の使用は、患者を傷つけ得ることが理解されている。大量の水浣腸剤に関連する危険および不利益を考慮して、代替方法は、大量の水浣腸剤の代わりに典型的に、様々な塩の高浸透圧の水溶液の浣腸剤を導入してきた。これらの塩形態の利点は、それらが、その投与において、顕著に少ない水しか必要としないことである。これらの高浸透圧浣腸剤の効果は、結腸内の浸透圧の上昇に基づき、これは、特に、高浸透圧溶液が結腸の壁を通過して全体に拡散し、そして体内の体液のバランスを破壊する場合、望ましくない副作用を有し得る。これは単純な水浣腸剤に対する改善であるが、この潜在的副作用はこれらの組成物の有用性を制限する。 さらに、水溶液中の多くの浣腸剤組成物は、結腸中で蠕動を引き起こす接触緩下薬を、過剰な量の水の必要なく緩下するのに十分な濃度で含む。このような組成物はしばしば、塩の混合物を含み、そしてまた化学的試剤(例えば、プロピレングリコールおよびポリエーテルアルコールのような非イオン性湿潤剤)を含み得る。このような製剤についての問題は、浣腸剤投与のしばしば問題になる方法以外に、不完全な腸の排出、繰り返し投与および結腸壁への刺激効果を有し得る特定の化学物質を含むことである。さらに、結腸を有効にきれいにするためには、繰り返し洗浄浣腸剤を用いることがしばしば必要であり、このような化学的刺激の可能性が非常に増大する。 より最近では、多くの経口的に投与される液体薬学的組成物が、診断目的のための胃腸洗浄剤として、または瀉下性緩下剤として使用するために開発されている。このような調製物は、ポリエチレングリコールおよび電解質(例えば、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム)の水溶液からなる。これらの経口的に投与される組成物は、診断目的のための急速な結腸の洗浄に特に有用である。例えば、強力な胃腸洗浄が必要とされる場合、このような調製物が、約4リットルの量で、一般的に投与される。この組成物は典型的には、以下に従って処方される:ポリエチレングリコール59g、硫酸ナトリウム5.68g、重炭酸ナトトリウム1.69g、塩化ナトリウム1.46g、塩化カリウム0.745g、および1リットルとするための水。緩下および比較的に完全に近い排出が、浣腸処方物によりしばしば、一般的には浣腸剤投与でしばしば発生する問題がなく顕著に改善される。 これらの調製物を使用することの、他の経口的投与調製物を越える利点は、洗浄時間の劇的な減少(3〜2日から4〜5時間へ)および水および電解質の損失の最小化である。これらのタイプの溶液が提供する利点は、調製物の2つの本質的な特徴、すなわち、生理学的液体とのその等張性(isoosmoticity)および溶液中のイオン種のバランスから生じ、その結果、胃腸吸収を調節する輸送メカニズムを補償する。これらの特徴は、消化管壁の組織における調製物と細胞内流体および細胞外流体との間の実質的な等張性をもたらす。 これらの処方物を含んで、市販されている製品は、典型的には、補充のための電解質の混合物を有する非吸収性浸透圧剤として機能するポリエチレングリコール処方物(formula)を利用し、その結果、患者は脱水状態にならない。患者は、浄化するために、顕著な量の容積を摂取することを必要とする。これは、8分の1オンスのコップで10分ごと、合計1ガロンの流体を含み得る。この容積が非常に大きいという事実により、このタイプの処方物の使用は、しばしば顕著な規模での膨張および吐き気に関連する。 これらの公知の調製物の別の重大な欠点は、それらの不快で、苦い、生理食塩水の味であり、これは、比較的敏感な患者においては、嘔吐をもたらし得、これにより、摂取が防止される。しかし、前記の利点を得るためには、溶液等張性の要件が必要なので、例えば、味を変えるための水溶性アジュバントの導入は、避けなければならない。最も一般的な天然の甘味料(例えば、グルコース、フルクトース、サッカロース、およびソルビトール)でさえ、これらの溶液の浸透圧を変化させ得、そしてこれらのアジュバントの含有は、一般的に、明白に禁止されている。さらに、これらの市販の調製物において、これらの調製物の不快な味を、人工的な甘味料または調香料で変化させることさえ、避けなければならない。なぜなら、これらもまた、重要な等張性を変化させ得るからである。 さらにまた、公知技術の前記の調製物において、感知できるほどの量の、腸のフローラにより発酵され得る物質の添加を避けるべきであることもまたよく理解されている。なぜなら、ガスを形成し得、これは、電気メスによる結腸鏡検査の場合には、極めて危険であり得るからである。 大きい容積のタイプの調製物に関する問題を避ける試みにおいて、他の研究者らは、リン酸塩の水溶液からなる摂取可能な調製物を利用している。このリン酸塩水溶液は、途方もない浸透圧効果を、腸管の腔内の内容物に与え、それゆえに、腸管の排出は、途方もない水および電解質の結腸への流入増加とともに起こる。これは、結腸便通に必要な容積を減少させる特別の目的のために開発された。1つのこのような調製物は、基本的に、安定化緩衝化水溶液中の、1リットルあたり480グラムの1塩基性リン酸ナトリウムおよび1リットルあたり180グラムの2塩基性リン酸ナトリウムから構成され、そして商品名FleetsPhospho-Sodatmで販売される。患者は、典型的には、合計6オンスを3時間間隔で分けて、この調製物の2〜3オンスの投薬量を必要とする。これは、他の大容積調製物に必要とされる大容積と比較して顕著な減少である。 このような濃縮リン酸水溶液投与の主な欠点は、この水溶液が極めて不味く、あまりの不味さのために推奨される投薬量形態が不快な生理食塩水味を最小化するための氷冷投薬であることである。しばしば、患者は、調製物の極めて塩辛い味に次いで、重度の吐き気および嘔吐を訴える。調香剤の使用により、味を部分的に隠した場合でさえ、多くの場合、患者は、最初の投薬のこの調製物の摂取に耐えることさえできず、そしてしばしば、不快な極めて塩辛い味により、2回目の投薬がさらにやっかいになる。従って、濃縮便通溶液は、便通を誘発する他の方法に較べて多少の改良を意味するが、これらの溶液の欠点は、容易に明らかになる。 上記のことから、容易にそして快適に投与され得、そして公知の処方物の問題およびやっかいな味を避ける経口的に投与される結腸下剤処方物を有することが望ましいことが理解され得る。従来の処方物で必要とされる大容積の水なしで投与され得、そして他の潜在的に刺激性の化学物質または浸透圧に影響を与え得る化学物質を避ける、このような下剤処方物が望ましいこともまた理解され得る。 本発明の目的は、容易にそして快適に投与される有効な結腸下剤の投薬処方物を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、従来技術のリン酸ナトリウム錠剤よりも少ない塩の投薬量で下剤活性を提供する結腸下剤処方物を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、患者の不快感を最小量にして結腸下剤を投与する方法を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、腸内のフローラにより分解され得る他の成分の添加を避ける結腸下剤のための処方物を提供することである。 本発明の、これらのおよび他の目的及び利点は、以下の説明を読むことにより、明らかになる。 本発明によると、以下の項目1〜27が提供され、上記目的が達成される。 (項目1.)患者の結腸の便通を誘発し得る経口投与可能な非水性組成物であって、リン酸、硫酸および酒石酸のマグネシウム塩およびナトリウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される化合物の非水性混合物の下剤有効量を含む、組成物。 (項目2.)患者の結腸の便通を誘発し得る経口投与可能な非水性組成物であって、Mg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩の非水性混合物の下剤有効量を含む、組成物。 (項目3.)前記塩がリン酸塩である、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目4.)前記リン酸塩が、一塩基性リン酸マグネシウム、二塩基性リン酸マグネシウム、および三塩基性リン酸マグネシウムからなる群から選択される、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目5.)前記リン酸塩が、二塩基性リン酸マグネシウム、または二塩基性リン酸マグネシウムと一塩基性リン酸マグネシウムとの混合物である、項目3に記載の組成物。 (項目6.)前記塩が、前記患者の体重1キログラム当たり約0.05グラム〜体重1キログラム当たり約2.0グラムの範囲の量で含まれる、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目7.)前記リン酸マグネシウム塩が、前記患者の体重1キログラム当たり約0.1〜約1.2グラムの範囲の量で含まれる、項目4に記載の組成物。 (項目8.)前記リン酸マグネシウム塩が、前記患者の体重1キログラム当たり約0.2〜約0.7グラムの範囲の量で含まれる二塩基性リン酸マグネシウムである、項目4に記載の組成物。 (項目9.)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムからなる群から選択される緩衝剤をさらに含む、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目10.)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムからなる群から選択される緩衝剤をさらに含む、項目4に記載の組成物。 (項目11.)無水ラクトース、微結晶セルロース、およびACDI-SOLからなる群から選択される分散剤をさらに含む、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目12.)無水ラクトース、微結晶セルロース、およびACDI-SOLからなる群から選択される分散剤をさらに含む、項目10に記載の組成物。 (項目13.)非イオン性界面活性剤、機械的接着剤、および微結晶セルロースからなる群から選択される結合剤をさらに含む、項目1または項目2に記載の組成物。 (項目14.)非イオン性界面活性剤、機械的接着剤、および微結晶セルロースからなる群から選択される結合剤をさらに含む、項目10に記載の組成物。 (項目15.)以下の工程: (a)リン酸、硫酸および酒石酸のマグネシウム塩およびナトリウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される下剤塩の非水性混合物を調製し、下剤処方物を形成する工程; (b)該下剤処方物の経口投与可能な投薬形態を形成する工程; (c)患者へ該処方物の下剤有効投薬量を経口投与する工程;および (d)該投与された投薬量により便通を誘発させる工程、を包含する患者の結腸の便通を誘発する、方法。 (項目16.)以下の工程: (a)Mg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される下剤塩の非水性混合物を調製し、下剤処方物を形成する工程; (b)該下剤処方物の経口投与可能な投薬形態を形成する工程; (c)患者へ該処方物の下剤有効投薬量を経口投与する工程;および (d)該投与された投薬量により便通を誘発させる工程、を包含する患者の結腸の便通を誘発する、方法。 (項目17.)工程(a)が、緩衝剤、分散剤、およびバインダーからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを前記下剤処方物に添加する工程をさらに含む、項目15または項目16に記載の方法。 (項目18.)前記経口投与可能な投薬形態が、ゼラチンカプセルおよび錠剤からなる群から選択される、項目15または項目16に記載の方法。 (項目19.)工程(a)で形成された混合物が、二塩基性リン酸マグネシウム、一塩基性リン酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される下剤塩を含む、項目15または項目16に記載の方法。 (項目20.)前記下剤塩が、体重1キログラム当たり約0.2グラム〜体重1キログラム当たり12.0グラムの範囲の量で含まれる二塩基性リン酸マグネシウムである、項目19に記載の方法。 (項目21.)前記下剤塩が、体重1キログラム当たり約0.2グラム〜体重1キログラム当たり12.0グラムの範囲の量で含まれる二塩基性リン酸マグネシウムと一塩基性リン酸マグネシウムとの混合物である、項目19に記載の方法。 (項目22.)前記二塩基性リン酸マグネシウムが、体重1キログラム当たり約0.2グラム〜体重1キログラム当たり0.7グラムの割合で投与される、項目20に記載の方法。 (項目23.)工程c)が少なくとも1回繰り返される、項目15または項目16に記載の方法。 (項目24.)工程c)が少なくとも1回繰り返される、項目19に記載の方法。 (項目25.)患者の結腸の便通を誘発し得る経口投与可能な非水性組成物であって、リン酸、硫酸および酒石酸のマグネシウム塩およびナトリウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される塩の非水性混合物の下剤有効量を、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、および三塩基性リン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種のリン酸ナトリウム塩の下剤有効量と共に含む、組成物。 (項目26.)項目25に記載の組成物であって、該組成物が、水性リン酸ナトリウム塩;ポリエチレングリコール;水性ポリエチレングリコール;硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、または塩化カリウムの水溶液;Mg(OH)2;クエン酸マグネシウムのようなクエン酸塩;乳酸マグネシウムのような乳酸塩;ソルビトール;炭酸水酸化マグネシウム;フェノールフタレイン;ビサコジル;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム;プシリウム;トラガカント;ブラン;酒石酸カリウムナトリウム;ヒマシ油;センナ;カスカラサグラダ;アロエ;ダントロン;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;スルホコハク酸ジオクチルカルシウム;鉱油;およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の組成物の有効量をさらに含む、組成物。 (項目27.)患者の結腸の便通を誘発し得る経口投与可能な非水性組成物であって、該組成物が、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、および三塩基性リン酸ナトリウムからなる群から選択されるリン酸ナトリウム塩の非水性混合物の下剤有効量を、水性リン酸ナトリウム塩;ポリエチレングリコール;水性ポリエチレングリコール;硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、または塩化カリウムの水溶液;Mg(OH)2;クエン酸マグネシウムのようなクエン酸塩;乳酸マグネシウムのような乳酸塩;ソルビトール;炭酸水酸化マグネシウム;フェノールフタレイン;ビサコジル;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム;プシリウム;トラガカント;ブラン;酒石酸カリウムナトリウム;ヒマシ油;センナ;カスカラサグラダ;アロエ;ダントロン;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;スルホコハク酸ジオクチルカルシウム;鉱油;およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の組成物の有効量と共に含む、組成物。 (発明の簡単な要旨) 本発明は、Mg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩の下剤活性量を含む、安定な非水性錠剤投薬形態の結腸下剤処方物に関する。1つの好ましい実施態様では、投薬処方物は、二塩基性リン酸マグネシウム(MgHPO4)を含む。好ましい実施態様では、この処方物は、有効量の下剤塩(好ましくは、二塩基性リン酸マグネシウム)を、体重1キログラム当たり約0.05〜約2.0グラム含み、この処方物は、錠剤またはカプセル形態で患者に簡便に投与され得る。好ましくは、下剤塩の患者への投薬量は、体重1キログラム当たり約0.1〜約1.2グラムの範囲内のリン酸マグネシウム塩であり、より好ましくは、体重1キログラム当たり約0.2〜0.7グラムの範囲内である。本発明に従う好ましい実施態様では、塩は、リン酸水素マグネシウム(二塩基性リン酸マグネシウム)であるか、またはリン酸水素マグネシウムとリン酸二水素マグネシウム(一塩基性リン酸マグネシウム)との混合物である。 他の好ましい実施態様では、処方物は、二塩基性リン酸マグネシウムと一塩基性リン酸マグネシウムとの混合物であり得、これらの2種の塩の総量は上記の範囲内である。本発明の処方物は、錠剤バインダー、分散剤および/または緩衝剤をさらに含み得る。さらに他の実施態様では、処方物は、一塩基性リン酸マグネシウムもしくは二塩基性リン酸マグネシウムのいずれか、またはその両方に加えて、三塩基性リン酸マグネシウムを上記の範囲内で含み得る。 (発明の詳細な説明) 用語「患者」は、本発明の組成物で処置が施される動物、好ましくはヒトを記述するために明細書全体にわたって使用される。特定の動物(例えば、ヒト患者)に対して特異的である状態を処置するために、この用語「患者」は特定の動物を意味する。本発明の記載におけるほとんどの場合では、用語「患者」は、ヒトの患者を意味する。 用語「塩」または「下剤塩」は、本発明の下剤製品での使用を見い出す1種以上の無水化合物を記述するために明細書全体にわたって使用される。本発明の塩は、その無水形態か、または水和結晶形態(すなわち、1つ以上の水分子と共に錯体化するかまたは結晶化する)で見い出され得る。本発明における使用のための下剤塩は、例えば、Mg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、またはそれらの混合物を含む。好ましい塩は、リン酸マグネシウム塩であり、特に好ましい塩は、リン酸一水素マグネシウム(二塩基性リン酸マグネシウム)、またはリン酸一水素マグネシウム塩とリン酸二水素マグネシウム塩との混合物である。リン酸マグネシウム塩は、リン酸アニオンおよびマグネシウムカチオンの両方により生じる二重の効果のために、本発明における使用のために好ましい。この二重の効果の結果として、リン酸マグネシウム塩は、本発明では、「低用量」とみなされる量(すなわち、他の塩(例えば、無水下剤処方物での使用を見い出したリン酸ナトリウム塩)を基準として、または他の塩に比べて予期せずに低い用量)で使用され得る。 用語「下剤有効量」または「下剤有効投薬量」は、下剤効果(すなわち、腸からその内容物の除去(elimination)または排泄(evacuation))を生じるのに有効な本発明で使用される下剤塩の量または濃度を記述するために明細書全体にわたって使用される。リン酸マグネシウム塩の場合、これらの塩は、リン酸ナトリウム塩より著しく低い量で有利に使用されることが予期せず見い出された。用語「下剤活性」は、下剤活性の形態で、生物学的または薬理学的活性を示す本発明の塩を記述するために使用される。本発明の化合物または関連する先行技術の化合物(例えば、リン酸ナトリウムの一、二、および三塩基性塩)と組み合わせて使用され得る瀉下化合物/組成物の場合、用語「有効量」は、意図した結果または効果が瀉下効果であっても、下剤効果であっても、意図した結果を生じるのに有効であると考えられる量である。 用語「無水」とは、本発明の下剤塩が投与される形態を記述するために明細書全体にわたって使用される。無水処方物は、塩が、少量の水で水和されるか、または錯体化される場合を除いて、処方物から水を実質的に排除したものである。 腸の分泌および吸収の生理学は、報告された文献に反映されるように一般的に周知である。理論に限定されないが、出願人の発明は、小腸の管腔内液が著しい程度で増加することにより、および/または管腔へのナトリウムおよび水の正味の分泌を可能にする腸内の好ましい浸透圧状態を生じることにより機能すると考えられる。さらに、リン酸マグネシウムアニオンを使用する特定の実施態様において、リン酸アニオンの浸透圧効果は、マグネシウムカチオンの運動性増大効果と一緒になって相乗下剤効果を生じ、これは、リン酸マグネシウム塩を本発明における使用に特に好ましくする。これは、胃腸管腔内に存在する水のすさまじい流動を可能にし、これは増大した運動性を示し、それにより、予期せぬ有効な下剤効果を生じる。 本発明の処方物の製造の際、好ましい実施態様では、本発明は、無水形態の、二塩基性リン酸マグネシウムまたは一塩基性リン酸マグネシウムと二塩基性リン酸マグネシウムとの混合物の乾燥混合物からなる。本発明の処方物は、1種以上の本発明の下剤塩を、薬学的形態で、成分の完全な混合を達成するためにリボンブレンダー(ribbonblender)または他の類似の破砕装置(mung apparatus)に配置することにより調製され得る。約0.025重量%〜25重量%(好ましくは、約1重量%〜5重量%)の範囲の追加の構成要素(例えば、錠剤バインダー、分散剤および/または緩衝剤)もまた、この混合物中に含まれ得る。この処方物は、患者への経口送達のために、錠剤またはカプセル形態で処方され得る。 本発明に従う好ましい実施態様では、リン酸塩として、好ましくはリン酸マグネシウム塩、より好ましくはリン酸一水素マグネシウムまたはリン酸一水素マグネシウムとリン酸二水素マグネシウムとの混合物が使用される。他の好ましい実施態様では、リン酸二水素マグネシウムの量は、その全体において実質的に低減されるか排除され得る。これらの処方物において、二塩基性リン酸塩または三塩基性リン酸塩(例えば、二塩基性リン酸マグネシウムおよび三塩基性リン酸マグネシウム)は、完全な下剤効果を維持しながら、単独あるいは処方物におけるリン酸塩の主要な形態(principalform)または唯一の形態(exclusive form)として組み合わせて使用され得る。本発明の他のリン酸塩もまた使用され得るが、これらの塩の好ましさはより低い。摂取時、リン酸塩は、かなりの量の水を腸内へ引き寄せる。このような水の流入は、管腔内圧の増加を生じ、次いで、機械的刺激を与えて、腸の運動性の増大を生じさせる。リン酸塩の下剤効果は、リン酸塩のアニオン性状態の増加と比例的な関連があるようであり、作用様式に関して、限定された瀉下効果を生じ得る他の塩処方物と区別され得る。このような塩の1つである硫酸マグネシウムは、例えば、腸内の過剰な運動性を生じるマグネシウムカチオンによりその効果を生じる。理論に限定されないが、本発明のリン酸マグネシウム塩は、リン酸アニオンおよびマグネシウムカチオンの組み合わせの活性(二重の効果を生じる)のために、予期せぬ増強された活性を生じると考えられる。 本発明の混合物は、当該分野で周知の方法により、容易に投与される投薬形態(例えば、錠剤またはカプセル)に形成される。本明細書で使用される用語「混合物」は、少なくとも1種の下剤塩(好ましくは、リン酸塩またはマグネシウム塩、より好ましくは、少なくとも1種のリン酸マグネシウム塩、さらにより好ましくは、リン酸水素マグネシウム(単独、または別の下剤塩(好ましくは、リン酸マグネシウム塩)と組み合わせて))と、本明細書に開示されるような他のリン酸塩または他の添加剤を含む少なくとも1種の他の成分とを含む処方物を意味する。下剤処方物を含む錠剤を形成するとき、塩が均一な混合物に圧縮され得ること、そして必要に応じて、錠剤バインダーのような不活性な希釈剤を含み得ることが理解される。好ましくは、錠剤バインダーは、薬学的に受容可能なバインダーであり、そして顕著な浸透圧効果を生じないものである。有用なバインダーの例として、以下が挙げられる:Pluronictmシリーズ(例えば、PluronicF-68(BASF-Wyandotte Chemicalsの登録商標であり、エチレンオキシドと、プロピレンオキシドおよびプロピレングリコールの縮合物との縮合物として規定される))からの非イオン性界面活性剤、関連する非イオン性界面活性剤、機械的接着剤(mechanicaladhesive)(例えば、ポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム)、多くの他のもの。微結晶セルロース(MCC)もまた、錠剤またはカプセル形態への下剤塩の圧縮性を増大させるために使用され得る。処方物を経口送達に最適化するために、当業者は、本発明の下剤塩と組み合わされる添加剤を容易に改変し得る。 本発明の別の好ましい実施態様では、錠剤またはカプセルはまた、不活性な分散剤を含有し得る。この薬剤は、患者の胃内で錠剤またはカプセルの内容物の溶解を促進する。好ましくは、この分散剤は、薬学的に受容可能な分散剤である。この薬剤はまた、認識可能な浸透性の影響を生じない。受容可能な分散剤の例には、微結晶セルロース(これはまた、圧密剤としても有用である)および無水ラクトースを含む。好ましい分散剤は、架橋デンプンであるAC-DI-SOLである。 本発明の別の好ましい実施態様では、好ましい組成物はまた、本願発明者らの下剤処方物の摂取に伴い得る酸不均衡を最小化するための緩衝剤を含み得る。適切な緩衝剤には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムが挙げられる。 本発明の結腸下剤処方物の重要な特性は、これらが公知の処方物と比較して低い容積の投薬量で投与された場合に、下剤として効果的に機能することである。この様式では、錠剤のサイズおよび重量に依存して、用量あたり2〜12個の錠剤、および好ましくは4〜10個の錠剤と、錠剤を飲み込むのを補助するのに必要な流体だけで、完全な便通が提供される。投薬量は、単回のアプリケーション(application)で投与され得るが、好ましくは、ほぼ2〜4時間毎に分けた2回のアプリケーションで投与され得る。錠剤形式での本発明の処方物の使用は、大量の水の注入を必要とすることなく、結腸の内容物を効果的に除去する。歴史的におよび現在市販されている、従来の下剤製品では、所望の結果を得るために、より大量の容積の液体を用いる必要があった。 本発明のさらなる局面は、他の先行技術の下剤および/または緩下剤の化合物および/または組成物と、本明細書中で開示される下剤塩とを組み合わせて含むことに関する。従って、有効量の、本発明の任意の下剤塩の1つ以上は、有効量の、多くの他の下剤塩および/または緩下剤化合物(例えば、CraigAronchickの米国特許第5,616,346号(例えば、ポリエチレングリコール、電解質(例えば、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および塩化カリウムなど、とりわけMg(OH)2を含むもの、クエン酸マグネシウムのようなクエン酸塩、ソルビトール、および水酸化炭酸マグネシウム(magnesiumcarbonatehydroxide)など)などの水性のリン酸ナトリウム塩の調製に関する)の、リン酸ナトリウム塩(一塩基性塩、二塩基性塩、および三塩基性塩)と組み合わせられ得るか、および/または同時投与され得る。 本発明のさらに別の局面では、相乗的下剤活性を潜在的に生じさせるために、リン酸ナトリウム塩(一塩基性塩、二塩基性塩、および三塩基性塩)を、本発明の化合物または先行技術の化合物の1つ以上と、有効量で組み合わせ得る。従って、本発明のこの局面では、先行技術の組成物および/または単独で用いられた化合物と比較して、相乗的活性を示すような下剤および/または緩下剤組成物を製造するために、Aronchickにより米国特許第5,616,346号で開示されるリン酸ナトリウム塩(一塩基性塩、二塩基性塩、および三塩基性塩)を、本発明のMg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、またはそれらの混合物の1つ以上と組み合わせるか、あるいはAronchickの先行技術のリン酸塩は、以下を包含する先行技術の下剤または緩下剤化合物または組成物の1つ以上と組み合わせられ得る:例えば、有効量の、水性リン酸ナトリウム塩、ポリエチレングリコールまたは水性ポリエチレングリコール、電解質溶液(例えば、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および塩化カリウム、とりわけMg(OH)2を含むもの、クエン酸マグネシウムのようなクエン酸塩、乳酸マグネシウムのような乳酸塩、ソルビトール、水酸化炭酸マグネシウム、フェノールフタレインおよびビサコジル(bisacodyl)のようなジフェニルメタン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プシリウム(psyllium)(プランタゴ(plantago))調製物、トラガカントおよび関連する天然ゴム、ブラン(bran)および他の繊維、酒石酸カリウムナトリウム、ひまし油、センナ、カスカラサグラダ(cascarasagrada)、アロエ、およびダントロン(danthrone)のようなアントラキノン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルカルシウム、および鉱油。本発明のこの局面では、上記化合物の組み合わせは、下剤または瀉下/緩下効果を生じるための有効量で、患者に投与される。これらの化合物/組成物は、固体または液体(水性)の形態で投与され得、そしてこれらは経口的に取り込まれて、意図された効果を生じる。当業者は、特定の患者を処置するのに用いられる化合物/組成物の量および型を容易に決定し得る。上記のような化合物/組成物の組み合わせは、同時に投与され得るか、あるいは使用される第1の化合物または組成物の効果を増強するために第1の化合物/組成物の活性の期間内に投与され得る。この意味で、本明細書中に記載の化合物または組成物の組み合わせは、同時投与されて、増強された下剤効果を生じ得る。 上記の記載は、示される好ましい実施態様を例示するものである。本発明が、示されかつ記載されている特定の処方に限定されることは意図していない。しかし、本開示から、応用および改変が明らかであり、そしてこれらは請求の範囲の範囲内にあることが意図されることが理解される。明細書中に記載の発明。 【課題】容易にそして快適に投与される有効な結腸下剤の投薬処方物を提供すること。【解決手段】経口投与可能な結腸下剤処方物、および哺乳動物の結腸の部分的または完全な便通を起こすためのそれらの使用方法。この処方物は、Mg3(PO4)2、MgHPO4、Mg(H2PO4)2、MgSO4、MgCl2、Na2SO4、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される下剤塩の非水性混合物からなり、下剤有効濃度で錠剤またはカプセル形態で投与される。好ましい実施態様では、少なくとも1種のリン酸マグネシウム塩(より好ましくは、二塩基性リン酸マグネシウム)を使用し;他の好ましい実施態様は、バインダー、分散剤および緩衝剤の添加を含むが、これらは、下剤処方物の浸透圧または有効性に悪影響を与えるものではない。【選択図】なし