タイトル: | 公開特許公報(A)_ゲル状組成物 |
出願番号: | 2010253487 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 8/25,A61K 8/86,A61K 8/02,A61K 8/44,A61Q 19/00,A61Q 17/04 |
佐藤 知子 JP 2012102060 公開特許公報(A) 20120531 2010253487 20101112 ゲル状組成物 株式会社 資生堂 000001959 長谷川 洋子 100098800 佐藤 知子 A61K 8/25 20060101AFI20120427BHJP A61K 8/86 20060101ALI20120427BHJP A61K 8/02 20060101ALI20120427BHJP A61K 8/44 20060101ALI20120427BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120427BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20120427BHJP JPA61K8/25A61K8/86A61K8/02A61K8/44A61Q19/00A61Q17/04 4 OL 15 4C083 4C083AA122 4C083AB212 4C083AB242 4C083AB432 4C083AB441 4C083AB442 4C083AB472 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC172 4C083AC342 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC622 4C083AD022 4C083AD041 4C083AD042 4C083AD052 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD152 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD212 4C083AD262 4C083AD352 4C083AD412 4C083AD532 4C083AD642 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC19 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD41 4C083EE01 4C083EE06 本発明は水膨潤性粘土鉱物を含むゲル状組成物に関する。さらに詳しくは、経時で離水や水膨潤性粘土鉱物からの金属溶出が生じず、使用性(乾燥間際のべたつきがない等)に優れるゲル状組成物に関する。 本発明のゲル状組成物に近い従来技術を記載した文献として、以下の4文献が挙げられる。 すなわち、特開平4−334316号公報(特許文献1)には、5質量%以上の水膨潤性粘土鉱物と、0.3〜0.7質量%のポリエチレングリコールを配合することにより、製造時の粘度の低下を図った皮膚外用剤に関する発明が記載されている。しかし該特許文献1の皮膚外用剤は、水膨潤性粘土鉱物の配合により基剤硬度を高めてクリーム基剤を調製するもので、本発明のような流動性のあるゲルの形成を目的としたものでない。また十分な離水安定性を確保するのが難しい。 特開2009−96779号公報(特許文献2)には、水溶性金属塩、層状ケイ酸塩鉱物の微粒子、水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、および水を含む噴霧可能な水性ゲル状組成物が、噴霧面を急速な乾燥から保護し、長期にわたり湿潤状態を保つことができるということが記載されている。しかし該特許文献2の水性ゲル状組成物では、pH調整についての記載はなく、また水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロースナトリウム)によるべたつきが生じ、使用性がよくない。 特開昭61−194014号公報(特許文献3)には、スメクタイトおよび水溶性高分子を含有する親水性基剤がゲル状軟膏剤として有用で、展延性およびぬり込みやすさに優れ、また経時的変化が少ないなどの特性も有するということが記載されている。そして上記水溶性高分子としてポリエチレングリコールを用いる場合、その分子量が100〜20,000のものがよいことが記載されている。しかし該特許文献3の親水性基剤は、その組成からおそらく高pH値であると考えられ、pHについて具体的な範囲が記載されておらず、実施例でもpHについて記載がない。 特開2002−29928号公報(特許文献4)には、pH調整剤(カルボキシビニルポリマー等)と増粘性を有するケイ酸塩鉱物を含有し、系のpHが7.0未満の弱酸性である低刺激性パック化粧料に関する発明が記載されている。しかし該特許文献4には製剤の離水安定性に関する記載・示唆はなく、また、カルボキシビニルポリマーによるpH調整では経時で粘土鉱物から金属が溶出すると考えられる。特開平4−334316号公報特開2009−96779号公報特開昭61−194014号公報特開2002−29928号公報 本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもので、経時で離水や水膨潤性粘土鉱物からの金属溶出が生じず、使用性(乾燥間際のべたつきがない等)に優れるゲル状組成物を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために本発明は、水相中に(a)水膨潤性粘土鉱物と、(b)1質量%水溶液のpHが3以上の有機酸と、(c)質量平均分子量が4,000〜5,000,000のポリエチレングリコールを含有し、(b)成分/(a)成分が0.01〜1.5(質量比)であり、(c)成分/(a)成分が0.2〜10(質量比)であり、組成物のpHが6.5〜8.1である、上記ゲル状組成物を提供する。 また本発明は、(b)成分の有機酸がアミノ酸(アミノ基の水素原子が有機基に置換されていてもよい)である、上記ゲル状組成物を提供する。 また本発明は、(b)成分がL−セリン、グリシン、グリシルグリシンの中から選ばれる1種または2種以上である、上記ゲル状組成物を提供する。 また本発明は、(a)成分の配合量が水相中に0.1〜10質量%である、上記ゲル状組成物を提供する。 本発明により、経時で離水や水膨潤性粘土鉱物からの金属溶出が生じず、使用性(乾燥間際のべたつきがない等)に優れるゲル状組成物が提供される。 以下、本発明について詳述する。 (a)成分としての水膨潤性粘土鉱物は、結晶性ケイ酸塩を含む層と、Al、Mg等の金属を中心とした層とが積み重なった、層状結晶性ケイ酸塩鉱物であり、スメクタイト属粘土鉱物、膨潤性の雲母などが挙げられる。スメクタイト属粘土鉱物としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、テニオライト等が挙げられる。膨潤性の雲母としてはフッ素四ケイ素雲母等が挙げられる。これらは天然または合成品のいずれであってもよい。市販品では、クニピア、スメクトン(いずれもクニミネ工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)、ダイモナイト、フッ素四ケイ素雲母(いずれもトピー工業社製)、ラポナイト(Rockwood Additive社製)等がある。また、水中で層間剥離する性質をもつ剥離型層状複水酸化物(=剥離型ハイドロタルサイト)も挙げられ、アクリル酸型ハイドロタルサイト、乳酸型ハイドロタルサイト、酢酸型ハイドロタルサイト等が例示される。中でもスメクタイト属粘土鉱物が、化粧品成分として汎用されていることもあり、好ましい。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (b)成分は、1質量%水溶液のpHが3以上の有機酸である。本発明では有機酸としてアミノ酸が好ましく用いられる。アミノ酸はアミノ基の水素原子が有機基(例えば、グリシル基等)に置換されたものであってもよい。このようなアミノ酸としては、L−セリン(1質量%水溶液のpH約6.5)、グリシン(同約6.2)、グリシルグリシン(同約5.9)等が挙げられる。1質量%水溶液のpHが3未満では経時での粘土からのマグネシウム溶出量が多く、製剤が経時で凝集し離水を起こす。また酸の中でも特にアミノ酸等の有機酸を用いることで、無機酸等を用いた場合に比べ、肌への負担が少ない。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (c)成分は質量平均分子量(Mw。以下、単に「分子量」とも記す)が4,000〜5,000,000のポリエチレングリコール(PEG)である。分子量は好ましくは4,000〜4,000,000であり、特に好ましくは4,000〜100,000である。分子量が4,000未満では離水を抑制する効果が不十分となり、一方、分子量が5,0000,000超ではべたつきが強く、化粧品として好ましくない。(c)成分の具体例としてPEG4,000、PEG11,000、PEG20,000、PEG4,000,000等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。(c)成分は1種または2種以上を用いることができる。 本発明では上記(a)〜(c)成分を必須成分とする。(a)成分を含む分散液のpHは高いが、これをpKa(酸解離定数)の低い酸で中和しようとすると、経時で(a)成分から金属が溶出し、凝集が起こり離水する。そこで(b)成分を組み合せることで経時での(a)成分からの金属溶出が少ない状態で組成物の系のpHを中性付近に調整することができた。しかし、(a)成分と(b)成分のみの組み合せでは、製剤調製後、(a)成分からは、初期の構造変化に伴う離水がみられた。そこで本発明では(c)成分を配合することで、上記効果を損なわずに維持しつつ、離水を抑制することができたというものである。 本発明のゲル状組成物において、上記(a)〜(c)成分は水相に含有される。本発明組成物は水相からなるゲル状組成物であってもよく、あるいは水相と油相の乳化系のゲル状組成物であってもよい。乳化系では水中油型、油中水型のいずれの乳化系であってもよい。油相を含む場合、組成物中、水相を99.8〜60質量%、油相を0.2〜40質量%とするのが好ましい。 (a)成分の配合量は水相中に0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1〜2質量%である。(a)成分配合量が水相中に0.1質量%ではゲル化機能を発揮しないおそれがあり、一方、10質量%超ではゲルが硬くなりすぎて化粧品として好ましくない。 (b)成分の配合量は、(a)成分に対し0.01〜1.5倍(質量比)であり、好ましくは0.05〜0.8倍(質量比)、特に好ましくは0.2〜0.4倍(質量比)である。(a)成分に対する(b)成分の配合比(質量比)が0.01未満ではpH緩衝効果を十分に発揮するのが難しく、一方、1.5を超えると粘土からのMg溶出量が増えて製剤が凝集する傾向がみられ、好ましくない。なおゲル状組成物中における(b)成分配合量は0.3質量%程度以上とするのが好ましい。 (c)成分の配合量は、(a)成分に対し0.2〜10倍(質量比)であり、好ましくは1〜5倍(質量比)である。(a)成分に対する(c)成分の配合比(質量比)が0.2未満では離水抑制効果を十分に発揮するのが難しく、一方、10を超えるとべたつきが強く化粧品として好ましくない。なおゲル状組成物中における(c)成分配合量は0.3質量%程度以上とするのが好ましい。 本発明のゲル状組成物は、上記した必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧品や医薬品等の外用剤に用いられる他の成分、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、水溶性高分子、キレート剤、低級アルコール、多価アルコール、酸化防止剤、粉末成分、紫外線吸収剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。ただしこれら例示に限定されるものでない。 油脂としては、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、落花生油、トリイソオクタン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、硬化油等の固体油脂等が挙げられる。 ロウ類としては、ミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン等が挙げられる。 炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、セレシン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の油分が挙げられる。 高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。 高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。 合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、乳酸セチル、イソステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、クロタミトン(C13H17NO)等が挙げられる。 シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン等が挙げられる。 アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム等)等が挙げられる。 カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。 両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤などが例示される。 親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。 親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEステロール・水素添加ステロール(例えば、POEフィトステロール、POEフィトスタノール等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。 水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、カラギーナン、ペクチン、トウモロコシデンプン等);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム等);ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)等が挙げられる。 キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。 低級アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。 多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)等が挙げられる。 酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。 粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、ベントナイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化亜鉛等);有機粉末(例えば、セルロース粉末等);無機顔料(例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等);有機顔料(例えば、アルミニウムレーキ等)等が挙げられる。 紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d、1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2、2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。 その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);抗炎症剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アラントイン等);ビタミン類(例えば、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEおよびその誘導体、パンテノール等);各種抽出物(例えば、イザヨイバラ、セイヨウノコギリソウ、メリロート、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジル等);清涼化剤(例えば、l−メントール、ユーカリ油等)、紫外線吸収剤等が挙げられる。 本発明のゲル状組成物は常法により製造することができる。好ましくは、(a)成分を少量の水に分散させた(a)成分分散水溶液をあらかじめ調製しておき、この(a)成分分散水溶液と、(c)成分を溶解させた水溶液とを混合し、次いで、これら混合液と、(b)成分、他任意成分を溶解した水相とを混合して本発明ゲル状組成物を得る。水相と油相を含む乳化系では、油相成分を、(b)成分、(c)成分を含む水相成分に添加して乳化物を調製した後、この乳化物と(a)成分分散水溶液を混合して本発明ゲル状組成物を得るのが好ましい。ただしこれら製造方法に限定されるものでないことはもちろんである。 本発明のゲル状組成物のpHは6.5〜8.1であり、好ましくは6.8〜7.6である。pHが上記範囲を逸脱すると肌に刺激が出る場合もあり、好ましくない。 本発明のゲル状組成物がとり得る剤型は特に限定されず、例えば水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、化粧料全般にわたって本発明を適用することが可能である。またその用途も、化粧水、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧品や、口紅、ファンデーション等のメーキャップ化粧料、シャンプー、リンス、染毛剤等の頭髪用製品、日焼け止め等の特殊化粧品など、多くの種類の化粧品にわたる。 本発明のゲル状組成物は乾燥間際のべたつきがないという使用性に優れる。また、他の水溶性高分子を用いた場合の欠点であるぬめりがなく、のびがよく、肌なじみもよい。 次に実施例によりさらに本発明を詳述するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。なお配合量は特記しない限り質量%(実分)で示す。 1.(a)成分と(b)成分とによる系のpH調整: 下記表1に示す各アミノ酸(中和剤)を、水膨潤性粘土鉱物(「スメクトンSA」;クニミネ工業社製)2gを水100g中に分散させた水膨潤性粘土鉱物分散水溶液中に添加し、添加直後、7日間経過後、3カ月間経過後の、Mg溶出量(mg/g)を測定し、外観(透明性、離水性)を目視により観察した。結果を表1に示す。なおMg溶出量はエリオクロムブラックTを用いたキレート滴定法により測定した。表1の「7日後外観」評価中、○:離水なし、×:離水がみられた、を意味する。なお、表1〜5中、「×(凝集)」と記載されている試料は、多量のMg溶出による粘土鉱物粒子の凝集により、ゲルが崩壊したようなドロドロした状態を呈していた。 表1の結果から明らかなように、水膨潤性粘土鉱物を配合した系に中和剤を配合しなかった場合、7日間経過後のMg溶出量も低く、外観も透明で離水を生じなかったものの、系のpHが略9.6という高pH値のままであった。中和剤として1質量%水溶液のpHが3以上のL−セリン、グリシン、グリシルグリシンを配合した場合、添加直後、7日間経過後のpH、3カ月間経過のpHはいずれもpHが略中性〜弱アルカリ性となり、pH値が中性側に近づき、ほぼ一定のpH値を維持した。しかし7日間経過後、離水した。一方、1質量%水溶液のpHが3未満であるコハク酸を配合した場合、添加直後、7日間経過後のpH、3カ月間経過のpHは変動し、7日間経過後は粘土鉱物のMgの溶出により凝集し白濁した。 2.比較例1〜6、実施例1〜6 (a)〜(c)成分配合によるpHおよび外観への影響を調べるため、下記表2に示す組成の試料について、調製直後、1週間経過後のpH、外観(離水の有無。目視による観察)について評価した。結果を表2に示す。表2中、離水評価は、○:離水なし、×:離水がみられた、を意味する。なお表2中、「スメクタイト(*1)」は「ラポナイトXLG」(Rockwood Additive社製)を用いた。 表2の結果から明らかなように、(a)成分、(b)成分を含む系に、本発明範囲内の分子量のポリエチレングリコールを配合した実施例1〜3、4〜6では経時での離水が生じなかったが、本発明範囲外の分子量のポリエチレングリコールを配合した比較例2〜3、5〜6、ポリエチレングリコールを配合しなかった比較例1、4では離水が生じた。 3.比較例7〜13、実施例7 PEG以外の保湿剤、高分子によるpHおよび外観への影響について調べるため、下記表3に示す組成の試料について、調製直後、1週間経過後のpH、外観(離水の有無。目視による観察)について評価した。結果を表3に示す。表3中、離水評価は、○:離水なし、×:離水がみられた、を意味する。なお表3中、「スメクタイト(*1)」は「ラポナイトXLG」(Rockwood Additive社製)を用いた。 表3に示す結果から明らかなように、PEG20,000以外の、一般に化粧料で保湿剤、ゲル化剤等として汎用されている他の水溶性高分子を用いた試料では、1週間後に離水が生じた。 4.比較例14〜17、実施例8〜12 (b)成分の配合量を変動させてpH、離水性への影響を調べるために、下記表4に示す試料を用いて、試料調製直後のpH、1週間経過後の外観(離水の有無。目視による観察)について評価した。結果を表4に示す。表4中、離水評価は、○:離水なし、×:離水がみられた、を意味する。なお表4中、「スメクタイト(*1)」は「ラポナイトXLG」(Rockwood Additive社製)を、「スメクタイト(*2)」は「スメクトンSA」(クニミネ工業社製)を、それぞれ用いた。 5.比較例18〜19、実施例13〜16 (c)成分の配合量を変動させてpH、離水性への影響を調べるために、下記表5に示す試料を用いて、試料調製直後のpH、1週間経過後の外観(離水の有無。目視による観察)について評価した。併せて乾燥間際のべたつき(使用性)について下記評価基準により評価した。結果を表5に示す。表5中、「スメクタイト(*1)」は「ラポナイトXLG」(Rockwood Additive社製)を、「ベントナイト(*3)」は「クニピアG4」(クニミネ工業社製)を、それぞれ用いた。[乾燥間際のべたつき](評価基準)○:すっとなじんでべたつかない×:ぐっと止まるようなべたつきがある[離水](評価基準)○:離水が認められなかった○△:微量の離水が認められたが、実用上問題のない程度であった×:離水が認められた さらに以下に処方例を示す。 (処方配合例1:美容液) (配 合 成 分) (質量%)スメクタイト(「スメクトンSA」;クニミネ工業社製) 1.5グリシルグリシン 0.3PEG6,000 5グリセリン 5トラネキサム酸ナトリウム 2フェノキシエタノール 0.3イオン交換水 残余製法 スメクタイトを水50部に分散し、スメクタイト以外の物質を残りの水に溶解し、スメクタイト分散液と混合する。 (処方配合例2:美容液) (配 合 成 分) (質量%)スメクタイト(「ラポナイトXLG」;Rockwood Additive社製) 1.8グリシルグリシン 0.6PEG11,000 71,3−ブチレングリコール 5アスコルビン酸グルコシド 2グリチルリチン酸ジカリウム 0.05フェノキシエタノール 0.3イオン交換水 残余製法 スメクタイトを水50部に分散し、PEG11,000を溶解させた水溶液と混合する。その後、スメクタイト、PEG11,000以外の物質を溶解した水相と混合する。 (処方配合例3:乳化組成物) (配 合 成 分) (質量%)ベントナイト(「クニピアG4」;クニミネ工業社製)) 2グリシルグリシン 0.4PEG4,000 6グリセリン 5変性アルコール 5POE・POPランダム共重合体 3POE(60)硬化ヒマシ油 0.2ジメチルポリシロキサン・メチル(POE)ポリシロキサン共重合体 0.1スクワラン 5ジメチルシリコーン 62−エチルヘキサン酸エチル 4フェノキシエタノール 0.3イオン交換水 残余製法 50部の水にベントナイトを分散させる。油相成分をベントナイトを除く水相成分に添加して乳化組成物を調製し、ベントナイト分散液と混合する。 (処方配合例4:乳化組成物) (配 合 成 分) (質量%)フッ素化マイカ(フッ素四ケイ素雲母) 2グリシルグリシン 0.4キサンタンガム 0.03PEG20,000 5PEG400 5グリセリン 3ベヘニルアルコール 1.2ステアリルアルコール 1.8モノステアリン酸POE(60)グリセリン 1.3オレフィンオリゴマー 6ホホバ油 4イソドデカン 3フェノキシエタノール 0.3イオン交換水 残余製法 50部の水にフッ素化マイカを分散させ、10部の水にPEGを溶解した水溶液と混合する。油相成分をフッ素化マイカとPEGを除く水相成分に添加して乳化物を調製し、上記フッ素化マイカ・PEG分散液と混合する。 (処方配合例5:日焼け止め組成物) (配 合 成 分) (質量%)スメクタイト(「スメクトンSA」;クニミネ工業社製) 1.7グリシルグリシン 0.4会合性ポリウレタン(「アデカノールUH750」;旭電化社製) 0.3PEG4,000 6ジプロピレングリコール 5変性アルコール 5POE(60)硬化ヒマシ油 0.5ジメチルポリシロキサン・メチル(POE)ポリシロキサン共重合体 1.3オクチルメトキシシンナメート 5デカメチルシクロペンタシロキサン 52−エチルヘキサン酸エチル 6二酸化チタン 3酸化亜鉛 0.3フェノキシエタノール 0.3イオン交換水 残余製法 50部の水にスメクタイトを分散させる。粉末を分散した液状油分を加熱して、界面活性剤と混合し、スメクタイト以外の成分を溶解した水相に油相成分を加えて乳化物を調製した後、スメクタイト分散液と混合する。 本発明のゲル状組成物は、経時で離水や水膨潤性粘土鉱物からの金属溶出が生じず、使用性(乾燥間際のべたつきがない等)に優れる。 水相中に(a)水膨潤性粘土鉱物と、(b)1質量%水溶液のpHが3以上の有機酸と、(c)質量平均分子量が4,000〜5,000,000のポリエチレングリコールを含有し、(b)成分/(a)成分が0.01〜1.5(質量比)であり、(c)成分/(a)成分が0.2〜10(質量比)であり、組成物のpHが6.5〜8.1である、ゲル状組成物。 (b)成分の有機酸がアミノ酸(アミノ基の水素原子が有機基に置換されていてもよい)である、請求項1記載のゲル状組成物。 (b)成分がL−セリン、グリシン、グリシルグリシンの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載のゲル状組成物。 (a)成分の配合量が水相中に0.1〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状組成物。 【課題】経時で離水や水膨潤性粘土鉱物からの金属溶出が生じず、使用性(乾燥間際のべたつきがない等)に優れるゲル状組成物を提供する。【解決手段】水相中に(a)水膨潤性粘土鉱物と、(b)1質量%水溶液のpHが3以上の有機酸(例えば、L−セリン、グリシン、グリシルグリシン等のアミノ酸など)と、(c)質量平均分子量が4,000〜5,000,000のポリエチレングリコールを含有し、(b)成分/(a)成分が0.01〜1.5(質量比)であり、(c)成分/(a)成分が0.2〜10(質量比)であり、組成物のpHが6.5〜8.1である、ゲル状組成物。【選択図】なし