生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_肌質分類方法及び化粧料選択方法
出願番号:2010245853
年次:2012
IPC分類:A61B 5/00,A61K 8/00,A61Q 1/00,A61Q 19/00


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妹尾 正巳 JP 2012095825 公開特許公報(A) 20120524 2010245853 20101102 肌質分類方法及び化粧料選択方法 株式会社コーセー 000145862 特許業務法人 小野国際特許事務所 110000590 妹尾 正巳 A61B 5/00 20060101AFI20120420BHJP A61K 8/00 20060101ALN20120420BHJP A61Q 1/00 20060101ALN20120420BHJP A61Q 19/00 20060101ALN20120420BHJP JPA61B5/00 MA61B5/00 AA61K8/00A61Q1/00A61Q19/00 5 1 OL 8 4C083 4C117 4C083EE50 4C083FF04 4C117XA05 4C117XB13 4C117XD05 4C117XE03 4C117XE12 4C117XE20 4C117XJ60 本発明は、肌質の分類方法に関し、更に詳細には、気象条件変化に対する追従性を指標とする肌質分類方法およびこれに基づき適切な化粧料を選択する化粧料選択方法に関するものである。 肌の性質に基き、その肌タイプに合わせた適切な化粧料を選択することは、美しい肌を維持するために重要なことである。従来、この肌タイプとしては、普通肌(ノーマル)、乾燥肌(ドライ)、油性肌(オイリー)、油性乾燥肌(オイリードライ)に分類する方法が汎用されている(特許文献1等)。 しかしながら、前記のような肌タイプは、一般には一回の肌状況の観察により判断するため、化粧品の使用者が実感する肌タイプと、専門家が判定する肌タイプの間に差がある場合があり、使用者が求める適切な化粧料が選択できていないとか、専門家の判定にずれがあるため有効なカウンセリングが得られていないのではないかとの疑念が生じていた。特開2001−275993 従って本発明は、従来行われていた肌タイプの分類に代わる、より化粧料使用者の実感にあった肌分類法を開発し、この方法を適用してより使用者にあった化粧料を提供することをその課題とするものである。 本発明者らは、ヒトの肌の性質について種々研究を行っていたところ、例えば冬には一般に乾燥するといわれるように、肌の性質は季節に応じて変化しうることを知った。そして更に、この変化の要因について解明を進めていたところ、多くの場合は、肌の水分量が、ある程度の期間の温度や湿度等の気象条件に依存するが、肌の水分量が気象条件によらず一定であったり、気象条件とは無関係に変動する場合があることを知った。そして、この知見に基づいてヒトの肌を分類すれば、より実感にあった化粧料を提供しうることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、気象条件の異なる時期に、複数回にわたって同一被験者の肌の水分量を測定し、次いで、測定時の平均温度または平均湿度と肌の水分量の間の相関係数を算出し、この相関係数を指標として肌タイプを定める肌質分類方法である。 また本発明は、上記肌質分類方法によって肌タイプを分類し、肌タイプに応じて異なる化粧料を推奨する化粧料選択方法である。 本発明によれば、化粧料使用者の肌の気象条件変化に対する追従性を把握することができるので、従来に比べ、より使用者に対し、適切な化粧料を選択、提供することが可能となる。実施例1で求めた49名の被験者の、肌の水分量と、平均気温および平均湿度との相関係数をプロットした図面である。 本発明の肌質分類方法は、肌の水分含量と気象条件の変化の相関を元に、肌タイプを分類するものである。 本発明方法では、まず肌の水分含量と気象条件の変化の相関を求める必要があるので、肌の水分量の測定は、異なる気象条件下において、複数回、少なくとも2回は測定する必要がある。 この肌の水分量の測定は、多ければ多いほど良いが、測定回数を多くできない場合は、なるべく異なる気象条件の時に行うことが好ましく、例えば、梅雨時のような高温多湿の時期と、晩秋から冬のような低温乾燥な時期に行ない、これらのデータを元に相関を求めても良い。また、平均気温のみが異なるとか、平均湿度のみが異なる時期に測定し、温度または湿度の一方と肌の水分量の相関を求めても良い。 この肌の水分量の測定方法は、既に公知の方法を利用することができ、例えば、静電容量より角層水分量を間接的に算出するキャパシタンス測定法や、電気伝導度から角層水分量を間接的に算出するコンダクタンス測定法、さらには経表皮水分喪失測定等を利用することができる。この肌水分量は、例えば、洗顔料等で顔の皮膚を洗浄した後、一定時間をおいてから、肌の数カ所で測定し、その平均値を肌水分量とすることが好ましい。 本方法における気象条件としては、平均気温や、平均湿度が利用される。この平均気温や、平均湿度としては、例えば1日のような短期間ではなく、ある程度の期間、例えば、1週間ないし10日間程度の期間の平均値を使用することが好ましい。具体的には、気象庁より日本全国の各都道府県にて測定した、1日の外気温湿度の平均値が発表されるので(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)、本発明方法を実施する場所に最も近い場所の値を1週間ないし10日間程度の期間の平均気温ないし平均湿度を算出する際に利用することが好ましい。 上記のようにして、複数回測定した肌の水分量と、測定時の平均気温または平均湿度の値との間の相関係数を測定する。そして、平均気温または平均湿度と被測定者の肌の水分量の間の相関係数により、肌タイプを分類する。 この分類に使用する相関係数範囲をどのように定めるかについては特に制限は無いが、全範囲である−1から1の間を等分すると、グループ内の人数が同程度になるため好ましい。グループの数についても特に制限は無いが、2から6の範囲であれば肌タイプとして分類したときに特徴が明確になり、好ましい。以下においては、3グループに等分した場合(n=3の場合)について例を取り、詳細に説明する。即ち、平均気温と肌の水分量の相関係数が0.34ないし1である場合を、被験者の肌は温度依存性がある肌と評価され、同様に、平均湿度と肌の水分量の間の相関係数が、0.34ないし1である場合、被験者の肌は湿度依存性があると評価される(以下、このような被験者を「タイプ1」とすることがある)。 一方、例えば、平均気温と被測定者の肌の水分量の間の相関係数が、例えば、0.34ないし−0.34の範囲である場合、被験者の肌は温度依存性がないと評価され、また、平均湿度と被測定者の肌の水分量の間の相関係数が、例えば、0.34未満ないし−0.34の範囲である場合、被験者の肌は湿度依存性がないと評価される(以下、このような被験者を「タイプ2」とすることがある)。 更に、平均気温と被測定者の肌の水分量の間の相関係数が、例えば、−0.34ないし−1の範囲である場合、被験者の肌は温度逆依存性があると評価され、また、平均湿度と被測定者の肌の水分量の間の相関係数が、−0.34未満ないし−1の範囲である場合、被験者の肌は湿度逆依存性があると評価される((以下、このような被験者を「タイプ3」とすることがある))。 以上のように、被験者の肌は肌の水分量と平均温度ないし平均湿度との相関性から、いくつかのグループ(上記説明の例では、3グループ)に分類されるが、この分類に基づき、適切な化粧料を選択するのが本発明の化粧料選択方法である。 例えば、タイプ1の肌水分量が外気温湿度に連動する需用者に対しては、季節に応じた肌のお手入れを推奨することができ、例えば、夏になれば肌水分量が多くなるので、化粧崩れしにくいお化粧法やファンデーションなどの製品を推奨することができる。また、冬には、反対に肌の水分量が少なくなるので、水分を補うスキンケア製品を推奨することができる。 また、タイプ2の肌水分量が外気温湿度に連動しない需用者は、肌水分量と季節が無関係であるので、季節に関係なく一般的な肌のお手入れを推奨することができる。例えばアクネ、抗老化、美白などの季節に関連しない肌悩みに対応した化粧料を推奨する事が出来る。また、仕上がりの好みに応じたファンデーションを推奨する事が出来る。更に、タイプ3の肌水分量が外気温湿度に逆に連動する需用者は、住環境や、職場環境(エアコンなど)に原因がある場合や、他の分類方法で選択した化粧料を用いるなど、肌のお手入れ方法が間違っている可能性があるので、問診の上、それぞれの方に適した肌のお手入れ方法を個別に推奨する必要がある。 このように、本発明の肌質分類方法を利用することで、それぞれの需要者に適し、各需用者もより満足する肌の手入れ方法を指導、推奨することが可能となる。 次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。実 施 例 1 20〜50代の女性49名について、異なる時期に7回、下記方法で肌水分量を測定した(表1;一部の被験者では、7回全てで測定されてはいない)。 得られた肌水分量と、測定時期の外気温湿度(表2)についてその相関を求め、表3に示した。 肌水分量測定: 測定機器; 表皮角質水分量測定装置(SKICON 200EX/アイ・ピイ・ エス株式会社) 測定箇所; (1) 額 (2) 頬中央(右顔) データ解析; 各箇所7回測定後、上下2データを除外し、5データの平均を算出 測定時期; 第1回 2008年8月初旬 第2回 2008年10月初旬 第3回 2008年12月初旬 第4回 2009年2月初旬 第5回 2009年4月初旬 第6回 2009年6月初旬 第7回 2009年8月初旬 測定場所; 恒温恒湿度環境試験室 室内温度 21.5〜23.0℃ 室内湿度 46.2〜50.4% 測定手順; 被験者に、洗顔料(毎回同じ)で洗顔してもらった後、約30分程度安静状 態にしてもらった。次いで、リクライニングチェアーに横になった状態で、肌 の皮膚水分量を測定した。 表3の結果から明らかなように、肌水分量と、外気温湿度の、平均温度および平均湿度との間で、高い相関関係が認められる被験者、高い逆相関が認められる被験者および相関関係がほとんど認められない被験者の3グループに分けられた。 表3の結果から作成された、各被験者についての、皮膚水分量と、外気温度および外気湿度との相関関係を示した図面は、図1の通りである。 本発明の肌質分類方法を利用することで、それぞれの需要者に適し、かつ各需用者もより高い満足感を得る肌の手入れ方法を指導、推奨することが可能となる。 従って、本発明方法は、肌質判断方法として、化粧品開発や、化粧品の店頭販売の参考として利用できるものである。 気象条件の異なる時期に、複数回にわたって同一被験者の肌の水分量を測定し、次いで、測定時の平均温度または平均湿度と肌の水分量の間の相関係数を算出し、この相関係数を指標として肌タイプを定める肌質分類方法。 水分量の測定を顔面で行う請求項1記載の肌質分類方法。 水分量の測定を、少なくとも、高温多湿の時期と、低温乾燥な時期に行う請求項1または2記載の肌質分類方法。 測定した肌の水分量と、測定時の平均温度または平均湿度との相関係数に基づき、その相関係数−1から1の間をn(nは2から6の整数)等分し、比測定者をnグループに分ける請求項1ないし3の何れかの項記載の肌質分類方法。 請求項1から4に記載の何れかの肌質分類方法によって肌タイプを分類し、肌タイプに応じて異なる化粧料を推奨する化粧料選択方法。 【課題】従来行われていた肌タイプの分類に代わる、より化粧料使用者の実感にあった肌分類法を開発し、この方法を適用してより使用者にあった化粧料を提供すること。【解決手段】気象条件の異なる時期に、複数回にわたって同一被験者の肌の水分量を測定し、次いで、測定時の平均温度または平均湿度と肌の水分量の間の相関係数を算出し、この相関係数を指標として肌タイプを定める肌質分類方法およびこれに基づき適切な化粧料を選択する化粧料選択方法。【選択図】図1


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