生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法
出願番号:2010220868
年次:2012
IPC分類:F17C 9/02,G01N 23/04


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門馬 勲 逸見 信二 坂野 圭一郎 廣澤 誠 鈴木 敬三 土田 修 萩原 政和 瀬戸 真一 JP 2012077778 公開特許公報(A) 20120419 2010220868 20100930 LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法 東京電力株式会社 000003687 門馬 勲 逸見 信二 坂野 圭一郎 廣澤 誠 鈴木 敬三 土田 修 萩原 政和 瀬戸 真一 F17C 9/02 20060101AFI20120323BHJP G01N 23/04 20060101ALI20120323BHJP JPF17C9/02G01N23/04 2 6 OL 10 2G001 3E172 2G001AA01 2G001BA11 2G001CA01 2G001DA01 2G001DA09 2G001GA06 2G001GA13 2G001HA12 2G001HA15 2G001JA01 2G001JA06 2G001KA03 2G001LA02 2G001MA06 3E172AA03 3E172AA06 3E172AB04 3E172BA06 3E172BB04 3E172BB13 3E172BB17 3E172DA29 3E172GA15 3E172GA23 本発明は、火力発電所等で液化天然ガス(LNG)を熱交換により気化するLNGオープンラック式気化器の診断方法に関するものである。 図1は発電所における一般的なLNG系統を説明する図であり、図2はLNGオープンラック式気化器の構造を説明する図である。LNG基地では、図1に示すようにLNGタンク101、102中では液化ガスとして貯留されているLNGをLNGオープンラック式気化器200、400でガス化してガスタービン、またはボイラーへ供給している。このLNGオープンラック式気化器200は図2のような構造をしている。下部マニホールド210に接続された下部ヘッダー221、222、223と上部マニホールド250に接続された上部ヘッダー241、242、243と、上部ヘッダーと下部ヘッダーをつなぐ伝熱管パネル231、232、233からなっている。伝熱管パネルは一組の上下ヘッダー部に接続されている伝熱管の組の総称である。図1におけるLNGオープンラック式気化器400も図示はしないが同様の構造を有している。 また、上部ヘッダーを挟み込むようにトラフ301、302、303が備えられ、ここから常温の海水が供給される。LNGは下部マニホールドから供給され、下部ヘッダー、伝熱管、上部ヘッダーを経由するうちに、海水と熱交換して気化され、天然ガス(NG)として上部マニホールドから送出される。 図3はLNGオープンラック式気化器の気化原理を説明する図である。トラフ301、302からあふれ出た海水が、伝熱管231の外側を伝って流れる際に、伝熱管内部にあるLNGを暖め、LNGがNGへ気化される。このためLNGオープンラック式気化器の伝熱管パネル231は大きい熱応力にさらされており、気化器の部材に亀裂が入ることが散見されている。 従来、内部構造物の亀裂はX線の撮影で探傷しているが、通常のX線では検出できないような線状欠陥が不具合の原因になる場合がある。このため、高解像度であるマイクロフォーカスX線検査装置を用いる必要があるが、これは焦点寸法が小さいという問題点を有する。 一般的に、ひとつの伝熱管パネルは複数の伝熱管からなり、また、一台のLNGオープンラック式気化器は数千本の伝熱管パネルを備えている。このため、1本の伝熱管の撮影に複数回の撮影が必要となる焦点寸法の小さいマイクロフォーカスX線検査装置では、LNGオープンラック式気化器全体を調査するためには現実的でない枚数の撮影が必要となる。 このため、本発明は、マイクロフォーカスX線を用いた、実際に実施可能である、効率的な内部欠陥の診断方法を提供することを目的とする。 発明者は上記課題について鋭意検討を行い、LNGオープンラック式気化器の内部欠陥発生の原因を特定し本発明をするにいたった。 すなわち、本発明は以下のとおりである。LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの内部欠陥の有無を判断する診断方法であって、撮影開始部位選定ステップ、マイクロフォーカスX線撮影ステップ、画像形成ステップ、画像分析ステップ、損傷追跡ステップ、残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ、伝熱管パネル内部欠陥判断ステップを含み、撮影対象部位選定ステップでは、伝熱管ヘッダー内部に備えられたスパージ管ガス抜き穴にもっとも近く設置されたスパージ管付け根を撮影開始部位として選択するとともに、前記伝熱管パネル内部欠陥判断ステップでは、当該パネルのスパージ管ガス抜き穴すべてについて、各々にもっとも近く設置された伝熱管付け根部それぞれの撮影画像において傷が発見されない場合には、当該パネルには内部欠陥がないと判断するLNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法である。さらに画像分析ステップは内部欠陥追跡ステップを含み、前記画像分析ステップで内部欠陥を認識した場合に、前記追加撮影要否判定ステップにおいて、当該傷が撮影画像の外へ延びている場合には、傷に沿って撮影部位を変更し撮影を繰り返すLNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法である。 本発明は、発明者が発見した、以下のようなLNGオープラック式気化器の内部欠陥メカニズムに立脚している。図4は、スパージ管ガス抜き穴から噴出するLNGによるサーマルショックストレスのイメージを説明する図である。図4において、下部マニホールド210から供給されたLNGは下部ヘッダー221内のスパージ管281のスパージ管ガス抜き穴291aから噴出し、下部ヘッダーを満たした後に伝熱管パネル231の各々の伝熱管に溜まっていく。LNGオープンラック式気化器が定常的に運転されているときは、伝熱管231内部のLNGの液体レベルは安定しているが、LNGオープンラック式気化器の起動時には、291aから噴出したLNGは伝熱管2311の付け根の溶接部A付近を急激に冷却し、応力を加える。発明者は、このスパージ管281のスパージ管ガス抜き穴291aから噴出するLNGの与えるサーマルショックストレスが、LNGオープンラック式気化器の伝熱管パネルに内部欠陥を引き起こす主たる原因であることを発見した。さらに、この発見からスパージ管ガス抜き穴近傍のパネルチューブ付け根の溶接部を詳細にマイクロフォーカスX線で撮影し、ここで傷がなければ内部欠陥なしと判断し、ここで傷を発見したらその傷を追跡し、その大きさを特定するという診断方法を発明したものである。本発明によれば、通常のX線では検出できないような線状欠陥についても、効率的にその有無を診断することが可能になった。発電所におけるLNGオープンラック式気化器LNGオープンラック式気化器の構造LNGの気化の原理スパージ管ガス抜き穴から噴出するLNGによるサーマルショック?のイメージLNGオープンラック式気化器パネル診断方法のフロースパージ管ガス抜き穴近傍のマイクロフォーカスX線撮影形態 以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない 図5は本診断方法のフローである。本フローは単一の伝熱管パネルの診断を対象としている。LNGオープンラック式気化器全体では複数のパネルがあるため、パネル全数を診断する。 撮影開始部位選定ステップ(S01)では、撮影開始位置を選定する。具体的には、上方を向いているスパージ管ガス抜き穴もっとも近いところにある伝熱管の溶接部を選定する。図4においては、伝熱管2311の溶接部Aを選定する。前述したように、この部位が一番サーマルショックストレスが厳しいからである。 マイクロフォーカスX線撮影ステップ(S02)では、マイクロフォーカスX線による撮影を行う。 図6はスパージ管ガス抜き穴近傍のマイクロフォーカスX線撮影形態を説明する図である。撮影は図6に示す7アングルを組み合わせて行う。撮影は撮影箇所をマイクロフォーカス線源401とイメージングプレート402にて挟み、図6に示す位置関係において撮影を行う。具体的には伝熱管241の付け根の溶接部Aを水平に3アングル(図6(a)は横から見た図、図6(b)は上部から見た図)、下部ヘッダー221の中心を通過するように下から上に3アングル(図6(b))、さらに対象となる伝熱管231aの溶接部Aを下から1アングル(図6(c))である。これにより、最大で7アングルという少ない枚数で伝熱管弱点部位の診断が可能となる。 本実施例ではイメージングプレート402を使用しているが、通常のフィルムを用いても良い。 画像形成ステップ(S03)では、画像を形成する。イメージングプレートの場合には専用のソフトウェアを用いてコンピューター上で画像を形成するが、通常のフィルムの場合には現像により形成する。 画像分析ステップ(S04)では、形成した画像から傷の有無を目視で確認する。傷がない場合には。残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)へ進み、傷があった場合には内部欠陥追跡ステップ(S05)へ進む。 内部欠陥追跡ステップ(S05)では、発見された傷が撮影画像からはみ出すように伸びているか否かを確認する。この場合には、当該画像中で傷の大きさを特定・記録し(S06)、残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)へ進む。一方、傷が画像からはみ出すように伸びている場合には、この傷を追跡するように撮影箇所を変更設定し撮影を繰り返す(S07)。 図8はステップS07での傷の追跡を示すイメージ図である。傷が伸びている方向のカバーするように箇所を移動して撮影し、傷の終端が撮影できるまでこれを繰り返す。 残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)では、当該パネルに撮影未実施のスパージ管ガス抜き穴が残っているかを判断する。本発明では、下部を向いているドレン穴は対象外としている。これは、噴出するLNGの方向に伝熱管付け根の溶接部が存在しないからである。本実施例におけるLNGオープンラック式気化器においては、ひとつのスパージに複数のスパージ管ガス抜き穴が存在する。 伝熱管内部欠陥判断ステップ(S09)では、当該パネルに存在した撮影対象となるスパージガス抜き穴近傍の撮影から、傷が発見されたかどうかにより、伝熱管内部欠陥の有無を判断している。傷が発見されなければ、「当該パネルに傷なし」と判断し(S10)、傷があった場合にはS06で記録した傷のデータを呼び出し(S11)本診断の結論とする。101、102 LNGタンク102 LNGタンク(別系統)200、400 LNGオープンラック式気化器210 下部マニホールド221、222、223 下部ヘッダー231、232、233 伝熱管231a 伝熱管241、242、243 上部ヘッダー261 伝熱管パネル270 上部マニホールド281 スパージ管291 スパージ管ガス抜き穴301、302、303 トラフ401 マイクロフォーカス線源402 イメージングプレートLNGオープンラック式気化器伝熱管内部欠陥の有無を判断する診断方法であって撮影開始部位選定ステップとマイクロフォーカスX線撮影ステップと画像形成ステップと画像分析ステップと内部欠陥追跡ステップと残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップと伝熱管内部欠陥判断ステップを含み前記撮影対象部位選定ステップでは、伝熱管ヘッダー内部に備えられたスパージ管ガス抜き穴のうち上向きの穴にもっとも近く設置された伝熱管付け根を撮影開始部位として選択するとともに、前記伝熱管内部欠陥判断ステップでは、当該パネルの上向きのスパージ管ガス抜き穴すべてについて、各々にもっとも近く設置された伝熱管付け根部それぞれの撮影画像において傷が発見されない場合には、当該パネルには内部欠陥がないと判断することを特徴とするLNGオープンラック式気化器伝熱管の診断方法前記画像分析ステップは、内部欠陥追跡ステップをさらに含み、前記画像分析ステップで傷を認識した場合に、前記追加撮影要否判定ステップにおいて、当該傷が撮影画像の外へ延びている場合には、傷に沿って撮影部位を変更し撮影を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のLNGオープンラック式気化器伝熱管の診断方法 【課題】LNGオープンラック式気化器の伝熱管内部欠陥の有無を診断する方法を提供するものである。【解決手段】LNGオープンラック式気化器内部欠陥の有無を判断する上で、伝熱管ヘッダー内部に備えられたスパージ管ガス抜き穴のうち、上向きの穴にもっとも近く設置された伝熱管付け根部を撮影開始部位として選択し、マイクロフォーカスX線により当該付け根部の傷を撮影し、映像から傷の有無を確認し、内部欠陥状況を確認する診断方法。【選択図】図6


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特許公報(B2)_LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法

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タイトル:特許公報(B2)_LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法
出願番号:2010220868
年次:2015
IPC分類:F17C 9/02,G01N 23/04


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門馬 勲 逸見 信二 坂野 圭一郎 廣澤 誠 鈴木 敬三 土田 修 萩原 政和 瀬戸 真一 JP 5783437 特許公報(B2) 20150731 2010220868 20100930 LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法 東京電力株式会社 000003687 門馬 勲 逸見 信二 坂野 圭一郎 廣澤 誠 鈴木 敬三 土田 修 萩原 政和 瀬戸 真一 20150924 F17C 9/02 20060101AFI20150907BHJP G01N 23/04 20060101ALI20150907BHJP JPF17C9/02G01N23/04 F17C 9/02 G01N 23/04 特開2002−243666(JP,A) 特開平06−221840(JP,A) 特開2011−112484(JP,A) 特開2011−169494(JP,A) 特開2009−144936(JP,A) 特開平10−103896(JP,A) 特表2003−530546(JP,A) 特開2006−308406(JP,A) 実開昭62−180289(JP,U) 特開2007−120878(JP,A) 2 2012077778 20120419 10 20130315 種子島 貴裕 本発明は、火力発電所等で液化天然ガス(LNG)を熱交換により気化するLNGオープンラック式気化器の診断方法に関するものである。 図1は発電所における一般的なLNG系統を説明する図であり、図2はLNGオープンラック式気化器の構造を説明する図である。LNG基地では、図1に示すようにLNGタンク101、102中では液化ガスとして貯留されているLNGをLNGオープンラック式気化器200、400でガス化してガスタービン、またはボイラーへ供給している。このLNGオープンラック式気化器200は図2のような構造をしている。下部マニホールド210に接続された下部ヘッダー221、222、223と上部マニホールド250に接続された上部ヘッダー241、242、243と、上部ヘッダーと下部ヘッダーをつなぐ伝熱管パネル231、232、233からなっている。伝熱管パネルは一組の上下ヘッダー部に接続されている伝熱管の組の総称である。図1におけるLNGオープンラック式気化器400も図示はしないが同様の構造を有している。 また、上部ヘッダーを挟み込むようにトラフ301、302、303が備えられ、ここから常温の海水が供給される。LNGは下部マニホールドから供給され、下部ヘッダー、伝熱管、上部ヘッダーを経由するうちに、海水と熱交換して気化され、天然ガス(NG)として上部マニホールドから送出される。 図3はLNGオープンラック式気化器の気化原理を説明する図である。トラフ301、302からあふれ出た海水が、伝熱管231の外側を伝って流れる際に、伝熱管内部にあるLNGを暖め、LNGがNGへ気化される。このためLNGオープンラック式気化器の伝熱管パネル231は大きい熱応力にさらされており、気化器の部材に亀裂が入ることが散見されている。 従来、内部構造物の亀裂はX線の撮影で探傷しているが、通常のX線では検出できないような線状欠陥が不具合の原因になる場合がある。このため、高解像度であるマイクロフォーカスX線検査装置を用いる必要があるが、これは焦点寸法が小さいという問題点を有する。 一般的に、ひとつの伝熱管パネルは複数の伝熱管からなり、また、一台のLNGオープンラック式気化器は数千本の伝熱管パネルを備えている。このため、1本の伝熱管の撮影に複数回の撮影が必要となる焦点寸法の小さいマイクロフォーカスX線検査装置では、LNGオープンラック式気化器全体を調査するためには現実的でない枚数の撮影が必要となる。 このため、本発明は、マイクロフォーカスX線を用いた、実際に実施可能である、効率的な内部欠陥の診断方法を提供することを目的とする。 発明者は上記課題について鋭意検討を行い、LNGオープンラック式気化器の内部欠陥発生の原因を特定し本発明をするにいたった。 すなわち、本発明は以下のとおりである。 LNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの内部欠陥の有無を判断する診断方法であって、撮影開始部位選定ステップ、マイクロフォーカスX線撮影ステップ、画像形成ステップ、画像分析ステップ、損傷追跡ステップ、残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ、伝熱管パネル内部欠陥判断ステップを含み、撮影対象部位選定ステップでは、伝熱管ヘッダー内部に備えられたスパージ管ガス抜き穴にもっとも近く設置されたスパージ管付け根を撮影開始部位として選択するとともに、前記伝熱管パネル内部欠陥判断ステップでは、当該パネルのスパージ管ガス抜き穴すべてについて、各々にもっとも近く設置された伝熱管付け根部それぞれの撮影画像において傷が発見されない場合には、当該パネルには内部欠陥がないと判断するLNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法である。さらに画像分析ステップは内部欠陥追跡ステップを含み、前記画像分析ステップで内部欠陥を認識した場合に、前記内部欠陥追跡ステップにおいて、当該傷が撮影画像の外へ延びている場合には、傷に沿って撮影部位を変更し撮影を繰り返すLNGオープンラック式気化器伝熱管パネルの診断方法である。以上 本発明は、発明者が発見した、以下のようなLNGオープラック式気化器の内部欠陥メカニズムに立脚している。図4は、スパージ管ガス抜き穴から噴出するLNGによるサーマルショックストレスのイメージを説明する図である。図4において、下部マニホールド210から供給されたLNGは下部ヘッダー221内のスパージ管281のスパージ管ガス抜き穴291aから噴出し、下部ヘッダーを満たした後に伝熱管パネル231の各々の伝熱管に溜まっていく。LNGオープンラック式気化器が定常的に運転されているときは、伝熱管231内部のLNGの液体レベルは安定しているが、LNGオープンラック式気化器の起動時には、291aから噴出したLNGは伝熱管2311の付け根の溶接部A付近を急激に冷却し、応力を加える。発明者は、このスパージ管281のスパージ管ガス抜き穴291aから噴出するLNGの与えるサーマルショックストレスが、LNGオープンラック式気化器の伝熱管パネルに内部欠陥を引き起こす主たる原因であることを発見した。さらに、この発見からスパージ管ガス抜き穴近傍のパネルチューブ付け根の溶接部を詳細にマイクロフォーカスX線で撮影し、ここで傷がなければ内部欠陥なしと判断し、ここで傷を発見したらその傷を追跡し、その大きさを特定するという診断方法を発明したものである。本発明によれば、通常のX線では検出できないような線状欠陥についても、効率的にその有無を診断することが可能になった。発電所におけるLNGオープンラック式気化器LNGオープンラック式気化器の構造LNGの気化の原理スパージ管ガス抜き穴から噴出するLNGによるサーマルショック?のイメージLNGオープンラック式気化器パネル診断方法のフロースパージ管ガス抜き穴近傍のマイクロフォーカスX線撮影形態 以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない 図5は本診断方法のフローである。本フローは単一の伝熱管パネルの診断を対象としている。LNGオープンラック式気化器全体では複数のパネルがあるため、パネル全数を診断する。 撮影開始部位選定ステップ(S01)では、撮影開始位置を選定する。具体的には、上方を向いているスパージ管ガス抜き穴もっとも近いところにある伝熱管の溶接部を選定する。図4においては、伝熱管2311の溶接部Aを選定する。前述したように、この部位が一番サーマルショックストレスが厳しいからである。 マイクロフォーカスX線撮影ステップ(S02)では、マイクロフォーカスX線による撮影を行う。 図6はスパージ管ガス抜き穴近傍のマイクロフォーカスX線撮影形態を説明する図である。撮影は図6に示す7アングルを組み合わせて行う。撮影は撮影箇所をマイクロフォーカス線源401とイメージングプレート402にて挟み、図6に示す位置関係において撮影を行う。具体的には伝熱管241の付け根の溶接部Aを水平に3アングル(図6(a)は横から見た図、図6(b)は上部から見た図)、下部ヘッダー221の中心を通過するように下から上に3アングル(図6(b))、さらに対象となる伝熱管231aの溶接部Aを下から1アングル(図6(c))である。これにより、最大で7アングルという少ない枚数で伝熱管弱点部位の診断が可能となる。 本実施例ではイメージングプレート402を使用しているが、通常のフィルムを用いても良い。 画像形成ステップ(S03)では、画像を形成する。イメージングプレートの場合には専用のソフトウェアを用いてコンピューター上で画像を形成するが、通常のフィルムの場合には現像により形成する。 画像分析ステップ(S04)では、形成した画像から傷の有無を目視で確認する。傷がない場合には。残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)へ進み、傷があった場合には内部欠陥追跡ステップ(S05)へ進む。 内部欠陥追跡ステップ(S05)では、発見された傷が撮影画像からはみ出すように伸びているか否かを確認する。この場合には、当該画像中で傷の大きさを特定・記録し(S06)、残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)へ進む。一方、傷が画像からはみ出すように伸びている場合には、この傷を追跡するように撮影箇所を変更設定し撮影を繰り返す(S07)。 ステップS07での傷の追跡は、傷が伸びている方向のカバーするように箇所を移動して撮影し、傷の終端が撮影できるまでこれを繰り返す。以上 残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップ(S08)では、当該パネルに撮影未実施のスパージ管ガス抜き穴が残っているかを判断する。本発明では、下部を向いているドレン穴は対象外としている。これは、噴出するLNGの方向に伝熱管付け根の溶接部が存在しないからである。本実施例におけるLNGオープンラック式気化器においては、ひとつのスパージに複数のスパージ管ガス抜き穴が存在する。 伝熱管内部欠陥判断ステップ(S09)では、当該パネルに存在した撮影対象となるスパージガス抜き穴近傍の撮影から、傷が発見されたかどうかにより、伝熱管内部欠陥の有無を判断している。傷が発見されなければ、「当該パネルに傷なし」と判断し(S10)、傷があった場合にはS06で記録した傷のデータを呼び出し(S11)本診断の結論とする。101、102 LNGタンク102 LNGタンク(別系統)200、400 LNGオープンラック式気化器210 下部マニホールド221、222、223 下部ヘッダー231、232、233 伝熱管231a 伝熱管241、242、243 上部ヘッダー261 伝熱管パネル270 上部マニホールド281 スパージ管291 スパージ管ガス抜き穴301、302、303 トラフ401 マイクロフォーカス線源402 イメージングプレートLNGオープンラック式気化器伝熱管内部欠陥の有無を判断する診断方法であって撮影開始部位選定ステップとマイクロフォーカスX線撮影ステップと画像形成ステップと画像分析ステップと内部欠陥追跡ステップと残存スパージ管ガス抜き穴確認ステップと伝熱管内部欠陥判断ステップを含み前記撮影対象部位選定ステップでは、伝熱管ヘッダー内部に備えられたスパージ管ガス抜き穴のうち上向きの穴にもっとも近く設置された伝熱管付け根を撮影開始部位として選択するとともに、前記伝熱管内部欠陥判断ステップでは、当該パネルの上向きのスパージ管ガス抜き穴すべてについて、各々にもっとも近く設置された伝熱管付け根部それぞれの撮影画像において傷が発見されない場合には、当該パネルには内部欠陥がないと判断することを特徴とするLNGオープンラック式気化器伝熱管の診断方法前記画像分析ステップは、内部欠陥追跡ステップをさらに含み、 前記画像分析ステップで傷を認識した場合に、 前記内部欠陥追跡ステップにおいて、 当該傷が撮影画像の外へ延びている場合には、 傷に沿って撮影部位を変更し撮影を繰り返すことを特徴とする 請求項1に記載のLNGオープンラック式気化器伝熱管の診断方法


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