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タイトル:公開特許公報(A)_4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法
出願番号:2010209565
年次:2012
IPC分類:C07C 37/11,A61K 31/05,A61P 3/04,A61P 43/00,A61P 17/00,A61P 35/00,A61K 8/34,A61Q 19/00,C07C 39/21,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

松川 泰治 來住 明宣 土井 聡 野島 正朋 松居 雄毅 山田 泰正 山田 一郎 JP 2012062292 公開特許公報(A) 20120329 2010209565 20100917 4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法 ユーハ味覚糖株式会社 390020189 柳野 隆生 100074561 森岡 則夫 100124925 関口 久由 100141874 松川 泰治 來住 明宣 土井 聡 野島 正朋 松居 雄毅 山田 泰正 山田 一郎 C07C 37/11 20060101AFI20120302BHJP A61K 31/05 20060101ALI20120302BHJP A61P 3/04 20060101ALI20120302BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120302BHJP A61P 17/00 20060101ALI20120302BHJP A61P 35/00 20060101ALI20120302BHJP A61K 8/34 20060101ALI20120302BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120302BHJP C07C 39/21 20060101ALI20120302BHJP C07B 61/00 20060101ALN20120302BHJP JPC07C37/11A61K31/05A61P3/04A61P43/00 111A61P17/00A61P35/00A61K8/34A61Q19/00C07C39/21C07B61/00 300 6 OL 20 4C083 4C206 4H006 4H039 4C083AA122 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC232 4C083AC302 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC471 4C083AC472 4C083AD092 4C083CC01 4C083CC02 4C083CC03 4C083CC05 4C083DD31 4C083EE07 4C083EE12 4C083EE13 4C083EE14 4C083FF01 4C206AA01 4C206AA02 4C206CA19 4C206MA01 4C206MA04 4C206MA42 4C206MA54 4C206MA55 4C206MA72 4C206MA83 4C206NA14 4C206ZA70 4C206ZA89 4C206ZB26 4C206ZC20 4H006AA02 4H006AA03 4H006AB10 4H006AB12 4H006AB20 4H006AB28 4H006AC21 4H006AC26 4H006BA05 4H006BA06 4H006BA07 4H006BA19 4H006BA32 4H006FC52 4H006FC74 4H006FE13 4H039CA12 4H039CA21 4H039CF10 4H039CG40 4H039CL11 本発明は、4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法に関するものである。また、該4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を含むリパーゼ阻害剤、抗肥満剤、皮膚疾患治療剤、抗癌剤、食品、医薬品、又は化粧品に関するものである。 カフェ酸は植物の二次代謝産物の一つであり、例えば樹木の主成分であるリグニンやリグナンの前駆体となるほか、クロロゲン酸やロズマリン酸などの機能性成分の前駆体にもなっており、天然界に比較的多く存在する成分である。クロロゲン酸としてコーヒー豆などに、ロズマリン酸としてシソ科の植物に多く含まれている。また、カフェ酸としては、多くの果物の果実や果皮に含まれている。これらは全て食経験があり人に対する安全性も高い成分である。カフェ酸の有用性や、有用なカフェ酸誘導体等の開示があるが、カフェ酸から4−ビニルカテコール重合化合物を生成させる製造方法は見出されていない。 カフェ酸の生理機能に関連した先行技術がある。例えば、カフェ酸とフェルラ酸からなる高血圧予防・治療剤(特許文献1)、カフェ酸を有効成分とする自律神経機能向上剤(特許文献2)、カフェ酸を有効成分とする血管内皮機能改善剤(特許文献3)、カフェ酸を有効成分とする血液流動性改善剤(特許文献4)、カフェ酸を有効成分とする大脳疲労回復剤(特許文献5)、カフェ酸を有効成分とする二次胆汁酸低下剤(特許文献6)が知られている。 また、カフェ酸誘導体に関連した先行技術がある。例えば、カフェ酸アミド誘導体を有効成分とする化粧料用又は皮膚外用剤用組成物(特許文献7)、カフェ酸の糖転移物を有効成分とする抗微生物剤(特許文献8)、カフェ酸誘導体を有効成分とする神経突起伸長剤(特許文献9)、カフェ酸のセロトニンアミドやその配糖体を有効成分とする血行動態改善剤(特許文献10)、カフェオイルキナ酸を有効成分とするアルツハイマー病予防又は治療剤(特許文献11)、プロポリス中の微量成分であるカフェ酸フェネチルエステルを効率的に製造する方法(特許文献12)、桂皮酸誘導体の酵素合成法(特許文献13)、2−カフェ酸シクロヘキサエステル等のカフェ酸誘導体を有効成分とする抗がん剤(特許文献14)、カフェ酸等を原料の一つとして酵素合成におり得た新規ポリフェノール化合物(特許文献15)が知られている。 このようにカフェ酸、そしてカフェ酸誘導体は優れた有用性を示すものが多いことから、原料やリード化合物としてのカフェ酸を効率的に製造する技術開示もなされている。例えば、コーヒー粕から製造する方法(特許文献16)、ゴボウ葉からの製造方法(特許文献17)、甘しょ焼酎蒸留粕からの製造方法(特許文献18)が知られている。 一方、コーヒー生豆を200℃以上で焙煎することで、多数の4−ビニルカテコールのオリゴマーが高温での加熱反応によりコーヒー豆中に僅かに生成することが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。しかしながら、これらの4−ビニルカテコールのオリゴマーはコーヒー飲料中のpH4.9〜6.5では非常に不安定であり、天然界には殆ど存在しない希少成分でもあるため、現在までのところ、その生理活性に関する報告はなく、前記非特許文献1、2でも、焙煎後のコーヒーの苦味の一因となる化合物であることが示唆されているにすぎない。コーヒー飲料は、長きに渡って人が喫してきた安全な飲み物であるが、4−ビニルカテコール重合化合物の存在量は、一般に高感度であるLC/MS/MSで定量しなければならない程に少ないものである。したがって、前記コーヒー生豆の焙煎による製造方法では、4−ビニルカテコール重合化合物の劇的な生産効率の改善は困難であり、多量のコーヒー豆を必要とするためにコストがかかり、また焙煎時の温度条件は200℃以上の高温を要するからそもそも工業化には不向きなものである。 このような状況から、有用なカフェ酸関連化合物である4−ビニルカテコール重合化合物を容易に工業化できる効率的な生成方法の確立が望まれていた。特許第3548102号公報特許第4077149号公報特開2003−261444号公報特開2004−168749号公報特開2007−297304号公報特開2009−227609号公報特許第3934937号公報特開2004−315386号公報特開2007−230946号公報国際公開第2007/032551号パンフレット国際公開第2007/091613号パンフレット特開2010−158223号公報特開2009−207492号公報特開2010−180167号公報国際公開第2010/038842号パンフレット特開2009−201473号公報特許第4355797号公報特許第4336746号公報J.Agric.Food Chem.2007, 55, 1945−1954J.Agric.Food Chem.2010, 58, 3720−3728 本発明者らは、カフェ酸、カフェ酸誘導体に関する前記の状況を鑑みて、新規な生理活性を有するカフェ酸関連化合物の探索と、その製造方法を確立すべく鋭意検討した結果、驚くべきことにカフェ酸を金属塩存在下で加熱処理することで、前記式(1)で示したカフェ酸関連化合物である4−ビニルカテコール重合化合物を生成できることを初めて見出し、さらに該前記式(1)で示した4−ビニルカテコール重合化合物が原料であるカフェ酸には認められない優れたリパーゼ阻害活性、抗癌活性を有することを明らかにし、本発明を完成するに至った。 したがって、本発明は、優れた抗癌活性及びリパーゼ阻害活性を有する前記式(1)で示した4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。 また、本発明は、前記式(1)で示した4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有するリパーゼ阻害剤、抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤、さらには前記式(1)で示した4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品、又は化粧品を提供することを目的とする。 本発明の要旨は、〔1〕カフェ酸を金属塩存在下で加熱処理することにより下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物を生成することを特徴とする式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法。〔2〕前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなるリパーゼ阻害剤。〔3〕前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる抗肥満剤。〔4〕前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる皮膚疾患治療剤。〔5〕前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる抗癌剤。〔6〕前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とする食品、医薬品、又は化粧品。に関する。 本発明により、前記のように生理活性に優れた4−ビニルカテコール重合化合物及びその薬学的に許容可能な塩を効率よく安全に製造することができる。 本発明に用いられる4−ビニルカテコール重合化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、カフェ酸と比べて、リパーゼ阻害活性及び抗癌活性が高いことから、優れた抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤を提供することができる。 また、本発明の4−ビニルカテコール重合化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、前記のような生理活性に優れることに加えて、安全性にも優れることから、食品、医薬品、又は化粧品に配合することができる。図1は、実施例1で行ったHPLCの分析結果を示す。上図が反応前、中図が1回目の反応、下図が2回目の反応の結果であり、「B」が4−ビニルカテコール重合化合物のピークを示す。図2は実施例4の細胞増殖抑制試験より得られた結果を示すグラフである。 図2の縦軸は細胞生存率を、横軸は各試料の濃度を示している。図3は実施例5のDNAラダー法より得られた電気泳動の結果であり、アポトーシス誘導能を示したものである。図4は、実施例5のタンパク質抽出物の電気泳動写真であり、活性化されたカスパーゼ3の検出を示したものである。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明のリパーゼ阻害剤、抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤における有効成分である4−ビニルカテコール重合化合物は、式(1):で表される構造式を有する。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物は、薬学的に許容可能な塩でもよい。薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩; マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩; アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩; アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬理的に許容し得る塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩(以下、本発明品中の有効成分である4−ビニルカテコール重合化合物と略する)は、前駆体であるカフェ酸には認められない強いリパーゼ阻害活性及び抗癌活性を有する化合物である。 本発明において、前記4−ビニルカテコール重合化合物は、カフェ酸を、金属塩存在下で加熱処理することで、生成することができる。 前記4−ビニルカテコール重合化合物は、非特許文献1で示されているように、焙煎したコーヒー豆などから加熱反応させることで入手可能である。しかし、その含有量は微量で、その含有を確認する為にLC/MS/MSという高感度の分析機器が必要であるなど産業化する上でコスト面において大きな障害がある。これに対して、本発明の製造方法は、比較的安価に入手できるカフェ酸を金属塩存在下で加熱処理する工程を有するものであり、有害な試薬や、危険な工程を必要としない効率的で安全な製造方法である。 本発明の製造方法では、4−ビニルカテコール重合化合物の前駆体としてカフェ酸が必要である。カフェ酸は、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のカフェ酸を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、その後の所望の反応が進み最終的に4−ビニルカテコール重合化合物が得られるから、混合物であっても問題ない。ただし、回収量の観点からは、カフェ酸を5重量%以上含有する混合物が原料として望ましい。このような原料としては、様々な果実やジュース、濃縮果汁、又は、破棄されることの多い果皮の抽出物、あるいは先行技術に示されるような微生物発酵によるカフェ酸含有培養液や酵素反応後のカフェ酸含有溶液等が挙げられる。 カフェ酸の純品、あるいはカフェ酸含有混合物を、適切な溶媒に溶解させる。この際、溶媒が水のみであればカフェ酸の溶解度が著しく低いために、水と有機溶媒の混液や、有機溶媒のみに溶解させればよい。水と有機溶媒の配合比や、有機溶媒の種類に特に制限はなく、カフェ酸が十分に溶解すれば良い。望ましくは、メタノールやエタノールのみか、水とメタノール、水とエタノールの混液を使用することが、安全性やコスト面から望ましい。最終的な精製を十分に適用せずに食品に使用する場合には、安全性や法規面からエタノールや含水エタノールの使用が望ましい。 前記金属塩としては、酸性塩、塩基性塩、正塩のいずれでもよく、また、単塩、複塩、錯塩のいずれでもよい。さらに、金属塩は1種類であっても、複数種類の混合物であってもよい。金属塩の例としては、食品添加物として認可されているものが安全性の面で好ましい。例えば、食品に添加することが認められているマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、銅塩などが挙げられる。 また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社 グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。 本発明において、前記金属塩を含有したカフェ酸含有溶液を加熱する。所望の反応を効率的に進ませるために、加熱温度は90℃以上が必要である。溶媒の沸点から考え、加圧加温が望ましい。開放容器にカフェ酸含有溶液を入れ高温で容器を加温する、密閉容器にカフェ酸含有溶液を入れ加温する、レトルト装置やオートクレーブを用いて加圧加温する等、少なくとも部分的に溶液温度が90℃以上に達することが必要である。回収効率面から、溶液温度が均一に90℃〜150℃になることが、さらに好ましい。150℃を越えると回収効率が低く適さない。加熱時間も加熱温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。特に、加熱時間は加熱温度との兼ね合いによるものであり、加熱温度に応じた加熱時間にすることが望ましい。例えば、130℃付近で加熱する場合は、5分〜300分の加熱時間が望ましい。また、加熱反応は、一度でも良いし、複数回に分けて繰り返し加熱しても良い。効率面から判断すればよい。 また、本発明では、前記金属塩を含有したカフェ酸含有溶液のpHは9未満の範囲に調整することが好ましい。前記非特許文献2に記載のように、4−ビニルカテコールのオリゴマーは、もともとpHが4.9〜6.5付近では非常に不安定であることが知られていたが、本発明では、金属塩存在下で加熱することにより、pHが4.9〜6.5付近の範囲としても安定して4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を製造することができる。 前記の金属塩存在下で加熱処理することでカフェ酸同士が反応して、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を含有した混合物が得られる。安全な原料のみを用いた工程で得られた場合には、混合物の状態で使用することが可能である。例えば、天然由来のカフェ酸をエタノール溶媒に溶解し、ミネラルミックスやミネラルウォーターを加え、加熱反応させた場合には、混合物として食品原料の一つとして使用が可能である。 風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を濃縮して濃度を高める、あるいは精製し純品を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等の溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出して濃縮できる。カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことも可能である。再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。最後に減圧乾燥や凍結乾燥により溶媒除去すると、粉末状の前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の純品を得ることができる。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩は、後述のように、優れたリパーゼ阻害活性、抗癌活性を有する。 ここで、従来から、からだの脂肪組織及び種々の臓器に異常な脂肪沈着を来し、その結果起こる肥満、あるいは血清脂質が異常に高い症状を示す高脂血症は、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの各種生活習慣病の発症に密接に関与していることがわかっている。例えば、ヒトが食べた食餌中の脂肪は、膵臓のリパーゼで分解されて小腸から体内に吸収されるため、リパーゼ阻害剤を用て、肥満を防止したり、高脂血症状を改善したり、ニキビ等の皮膚疾患を治療することが可能とされており、その相関性も確認されている(例えば、特許第3689099号公報、特許第3826698号公報)。 したがって、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤として使用することができる。また、前記抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤では、他の有効成分を含有しても良い。 また、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩は、前記抗肥満効果、皮膚疾患治療効果又は抗癌効果を目的として、液状、ペースト状、ゲル状、及び固形状の食品、医薬品、化粧品等として使用することができる。 例えば、食品の場合には、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤等のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせて、また医薬品の場合には、担体、賦形剤、希釈剤、安定剤等と組み合わせて、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を使用することが出来る。特に、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の有する生理活性を考慮すると、抗肥満効果によるメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防、癌予防・癌治療等の健康維持増進、さらには疾病治癒分野において用いることが好ましい。また、ニキビ治療や予防を目的とした美容分野における化粧品などで用いることが望ましい。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩が持つさらなる効果効能は、得られた生理活性データより類推できる範囲で使用できる。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を医薬用途で使用する場合、例えば、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の摂取量は、所望の改善、治療又は予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。 前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩は、機能性食品、健康食品、健康志向食品等の食品に使用することができる。食品の形態としては、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子等、どのような形態でもよく、例えば、菓子類の中でも、その容量等から保存や携帯に優れた、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット等が挙げられるが、特に限定はない。 また、前記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を医薬品又は食品として経口から投与又は摂取する場合には、常法に基づいて、錠剤、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等としてもよい。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したりすることもできる。又は胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。 前記化粧品としては、ローション、乳液、クリーム、パック剤、仕上げ化粧品、頭髪用化粧品、洗顔剤、浴剤、制汗剤等が挙げられる。これらの化粧品では、リパーゼ阻害効果からニキビ治癒に特に効果が期待され、ニキビ予防・治癒等の目的で利用することができる。 前記の医薬品又は食品は、安全性に優れたものであるので、ヒトに対してだけでなく、例えば、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。 次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。(実施例1:4−ビニルカテコール重合化合物の生成) カフェ酸(和光純薬工業(株)製)1gをエタノール20mlに溶解し、ミネラルウォーター(商品名「ゲロルシュタイナー」サッポロ飲料(株)製)20mlを加えた混合液(pH5.0)をオートクレーブ(商品名「SANYO LABO AUTOCLAVE」、三洋電機(株)製)にて130℃、40分間加熱した(1度目の加熱処理)。得られた反応後組成物1mlをメタノールにて50mlにメスアップし、このうちの10μlをHPLCにより分析した。さらに、エタノール10ml、ミネラルウォーター10mlを加え(pH5.4)、再度オートクレーブにて130℃、40分間加熱し(2度目の加熱処理)、同様に希釈後、HPLC分析した。 HPLC分析は以下条件にて行った。カラム:逆相用カラム「Develosil(登録商標)C−30−UG−5」(4.6mmi.d.×250mm)移動相:A・・・H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B・・・アセトニトリル(0.1%TFA)流速:1ml/min注入:10μl検出:254nm勾配(容量%):80%A/20%Bから20%A/80%Bまで30分間、20%A/80%Bから100%Bまで5分間、100%Bで10分間(全て直線) 得られたクロマトグラムを図1に示す。上からカフェ酸、1度目の加熱、2度目の加熱のクロマトグラムを示している。上図ではカフェ酸のピークが示されている。次いで、1度目の加熱でAのピーク(中図)で示された4−ビニルカテコールが増大し、さらに、2度目の加熱で、カフェ酸、とAのピークが減少し、増大したピークがいくつか確認されたことから、複数の化合物が生成されていることが確認された。中でも、最大のBのピークで示された化合物は、カフェ酸から、4−ビニルカテコールを経て、生成されていることがわかる。(実施例2:4−ビニルカテコール重合化合物の単離・構造決定) 実施例1で得られた反応物のうち、図1のBで示したピークに含まれる化合物を分取HPLCにより単離した。常法に従って、乾燥したところ、褐色粉末状の4−ビニルカテコール重合化合物(以下、UHA6005)が30mg得られた。 次いで、前記UHA6005の分子量を高分解能電子イオン化質量分析法(Electron Ionization−Mass Spectrometry)にて測定したところ、測定値は272.2955であり、理論値との比較から、以下の分子式を得た。理論値C16H16O4(M+): 272.2958分子式C16H16O4 次に、前記UHA6005を核磁気共鳴(NMR)測定に供し、1H−NMR、13C−NMR及び各種2次元NMRデータの解析から、UHA6005が前記式(1)で表される構造を有することを確認した。このことから、式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物は本発明の方法で効率的に生成できることが示された。 なお、NMR測定値について、式(1)で表されるUHA6005の各部位をとし、1H核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ表1で示す。値はδ、ppmで、メタノール−d3で測定した値である。 また、UHA6005の物理化学的性状は、以下のようになった。(性状)褐色粉末(溶解性)水: 不溶メタノール: 可溶エタノール: 可溶DMSO: 可溶クロロホルム: 可溶酢酸エチル: 可溶(実施例3:UHA6005のリパーゼ阻害作用) リパーゼに対する各化合物の阻害作用を見るため、ラット腸由来リパーゼを用いての阻害作用試験を行った。 リパーゼは、ラット腸アセトンパウダー(シグマアルドリッチジャパン(株)製)100mgを100mMクエン酸バッファー(pH6.0)1mlに懸濁して4℃で1時間撹拌し、これを遠心分離(15000rpm、45分間、4℃)した上清を400倍希釈したものをリパーゼ溶液として使用した。 試料は、カフェ酸(和光純薬工業(株)製)と、本発明品であるUHA6005、従来よりリパーゼ阻害作用が高いとされる緑茶成分のエピガロカテキンガレート(EGCg、和光純薬工業(株)製)の3種類を用いた。試料調製については、各々の化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド、和光純薬工業(株)製)にて溶解し、0.1mM、0.5mM、1mM、2mM、4mMに調製したものを使用した。 活性測定には「リパーゼキットS」(商品名、大日本製薬(株)製)を使用した。まず、リパーゼキットSのカタログに記載の調製法に従い発色液を調製した。発色液を70μl、エステラーゼ阻害剤を2μl、リパーゼ溶液を10μl、試料を10μl(終濃度10μM、50μM、100μM、200μM、400μM)混合した反応液を調製し、30℃で5分間プレインキュベートした後に基質溶液を8μl添加して反応を開始した。10分間の反応後、リパーゼキットSのカタログに記載の調製法に従い調製した反応停止液を150μl添加して反応を停止した。これを測定波長415nmの吸光度測定をおこなった。試料の溶媒であるDMSOのみを添加した反応液をポジティブコントロールとし、リパーゼ溶液の代わりに100mMクエン酸バッファー(pH6.0)10μlを添加したものをネガティブコントロールとした。これらから得られたデータを基に算出したリパーゼ阻害率と各化合物濃度の関係から、リパーゼ活性を50%阻害する濃度IC50(50%阻害濃度:half maximal inhibitory concentration)を算出した(表2)。これらの結果からUHA6005には高いリパーゼ阻害活性が認められた。この効果はカフェ酸では認められず、エピガロカテキンガレートよりも高い活性を有していることからカフェ酸を4−ビニルカテコール重合化合物に変換する有意性が強く示唆された。 したがって、UHA6005は優れたリパーゼ阻害作用を奏することから、抗肥満剤として、さらにはメタボリックシンドローム予防剤として有用であると考えられる。また、皮膚におけるリパーゼ阻害はニキビ予防・治癒に有効であるから、ニキビ予防・治癒などの皮膚疾患治療剤としても有用であると考えられる。(実施例4:UHA6005の抗癌作用1) 次に癌細胞に対する各化合物の効果を見るため、HL−60細胞(Human promyelocytic leokemia cells:ヒト骨髄球性白血病細胞)を用いた癌細胞増殖抑制作用について試験した。 HL−60細胞の培養には、4mMグルタミン(L−Glutamine、シグマアルドリッチジャパン(株)製)、10%FBS(Foetal Bovine Serum、バイオロジカルインダストリーズ社製)を含む高栄養培地RPMI−1690(シグマアルドリッチジャパン(株)製)を使用した。試験には細胞培養用96ウェルプレート(コーニングジャパン(株)製)を用い、5×105cells/mlとなるように細胞数を調整したHL−60細胞を1ウェルあたり100μlずつ播種した。 試料は、カフェ酸と、本発明品であるUHA6005との2種類を用いた。試料調製については、各々の化合物をDMSOにて溶解し、HL−60細胞培養液中の最終濃度がそれぞれ6.3μM、12.5μM、25μM、50μM、及び100μMとなるように調製し、試験を開始した。 生存細胞数の定量は「Cell counting kit−8」(商品名、ドージンドー・モレキュラー・テクノロジー(株)製)を用いたMTT法にて行った。試験開始より24時間後、各ウェルにCell counting kit−8溶液を10μl添加し、よく攪拌した。1時間の遮光反応後にプレートリーダー(「BIO−RAD Model 680」、バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)製)を用いて測定波長450nmの吸光度測定を行い、得られたデータをもとに細胞生存率を算出した(図2)。細胞生存率とは、溶媒であるDMSOのみを添加した培養液の生存細胞数を100%とし、各化合物の濃度下における細胞の生存細胞数を相対値として算出した値である。各化合物濃度と細胞生存率の関係から、細胞増殖を50%抑制する濃度IC50(50%阻害濃度:half maximal inhibitory concentration)を算出した(表3)。これらの結果から、UHA6005には、強い癌細胞増殖抑制能が認められた。この効果は、カフェ酸には全く認められず、カフェ酸を4−ビニルカテコール重合化合物に変換する有意性が強く示唆された。(実施例5:UHA6005の抗癌作用2) 次いで、抗癌作用の試験を、HL−60細胞を用いて実施した。HL−60細胞を5.0×105cells/mlとなるように100mmスタンダードディッシュ(「BD Falcon」商品名、日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)に播種し、DMSOにて調整したカフェ酸とUHA6005をそれぞれ37.5μM、75μM、100μMとなるように添加した。24時間培養を行い、回収した細胞をPBS(DulBecco's PBS(−)、和光純薬工業(株)製)にて洗浄し、既知のDNA抽出法を用いて細胞からDNAを抽出した。得られたDNAサンプルを1%アガロースゲル(「Agarose TAKARA」、タカラバイオ(株)製)に200ng/wellとなるようにアプライした。電気泳動を行い、染色反応はエチジウムブロマイド(Ethidium Bromide Solution、バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)製)を用いて行った。また、同様の条件にて培養した細胞から既知のタンパク質抽出法を用いて細胞からタンパク質を抽出した。得られたタンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲル(「READY GRLS J」、バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)製)に200ng/wellとなるようにアプライした。電気泳動を行い、PVDF膜(「Immobilon-PSQ」商品名、日本ミリポア(株)製)にタンパク質を転写した。検出抗体は一次抗体にカスパーゼ3ウサギポリクローナム抗体(「Caspase−3 Rabbit AB」商品名、セル・シグナリング・テクノロジー・ジャパン(株)製)、二次抗体にHRP連結ウサギIgGポリクローナム抗体(「Anti−Rabbit IgG HRP−linked AntiBody」商品名、セル・シグナリング・テクノロジー・ジャパン(株)製)を使用した。検出反応にはテトラメチルベンジジン溶液(「3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine TMB Stabilized Substrate for HRP」商品名、プロメガ(株)製)を用いて行った。 得られた結果を図3、図4に示す。 図3は、各試料のDNA抽出物の電気泳動写真であり、電流は上から下に流されている。レーン左より、DNA分子量マーカーλ/Pst(第1レーン)、通常培養細胞(第2レーン)、DMSO処理(第3レーン)、カフェ酸37.5μM処理(第4レーン)、同75μM処理(第5レーン)、同100μM処理(第6レーン)、UHA6005 37.5μM処理(第7レーン)、同75μM処理(第8レーン)、同100μM処理(第9レーン)を流した。無添加の培養細胞(第2レーン)及びDMSO処理細胞(第3レーン)ではDNAラダーが確認されないことから、本実験の信頼性が確認できる。 また、UHA6005を37.5μM以上で処理した細胞(第7、第8、第9レーン)にてDNAのラダー化が観察できるのに対して、同濃度のカフェ酸ではDNAのラダー化は観察されなかった(第3、第4、第5レーン)。 図4は、各試料のタンパク質抽出物の電気泳動写真であり、電流は上から下に流されている。レーン左より、タンパク質分子質量マーカー(「Precision Plus ProteinTM Standards」商品名、バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)製、第1レーン)、以下のレーンは先のDNA抽出物の電気泳動写真のレーンに準じている。無添加の培養細胞(第2レーン)及びDMSO処理細胞(第3レーン)では17kDa付近に活性化されたカスパーゼ3は検出されていないことから、本実験の信頼性が確認できる。 また、UHA6005を37.5μM以上で処理した細胞(第7、第8、第9レーン)にて活性化されたカスパーゼ3が17kDa付近に観察できるのに対して、同濃度のカフェ酸ではカスパーゼ3の活性化は観察されなかった(第3、第4、第5レーン)。この結果は先に示したDNAラダーと同様の傾向を示している。これより、UHA6005はアポトーシスを誘導する高い効果を有し、その効力はカフェ酸よりも顕著に高いことが示された。 したがって、UHA6005は優れた抗癌作用を奏することから、抗癌剤とて、さらには癌予防剤として有用であると考えられる。(実施例6:加熱温度によるUHA6005の生成量の違い) カフェ酸100mg、エタノール1ml、ミネラルウォーター1mlの混合溶液(pH=5.0)を、オートクレーブにて70℃、90℃、110℃、130℃の各温度条件で20分間加熱した。それぞれの温度条件で得られた反応後組成物1mlをメタノールにて50mlにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析した。 その結果、70℃以外の条件下においてUHA6005の生成は確認できた。カフェ酸からUHA6005の生成比率は70℃で非生成、90℃で極微量、110℃で0.5重量%、130℃で3重量%であった。すなわち、130℃での加熱が最も効率的であった。(実施例7:UHA6005含有エキスの調製) キウィフルーツジュース濃縮物10g、エタノール10ml、ミネラルウォーターを10ml加えて調製した混合溶液を、オートクレーブにて130℃、60分間加熱した。得られた反応溶液を減圧加熱させて乾固し、UHA6005含有エキスを10g得た。得られたUHA6005エキス10g中には、実施例6と同様の手法で確認したところUHA6005が0.015g含有されていた。必要に応じてこの作業を繰り返した。(実施例8:UHA6005を含有する食品) 実施例7で得たUHA6005含有エキス1gをあらかじめ100mLのエタノールに溶解させ、これに砂糖500g、水飴400gを混合溶解し、生クリーム100g、バター20g、練乳70g、乳化剤1.0gを混合した後、真空釜にて−550mmHg減圧させ、115℃の条件下で濃縮し、水分値3.0重量%のミルクハードキャンディを得た。このミルクハードキャンディは、菓子として食べ易いものであることはもちろん、肥満を改善したり、肥満を予防したり、癌患者における癌の拡散のリスクを低減したり、癌の発症のリスクを低減したり、癌の予防を期待した機能性食品としても利用できる。(実施例9:UHA6005を含有する医薬品) 実施例1及び2と同様の方法で得たUHA6005をエタノールに溶解し、これを微結晶セルロースに吸着させた後に、減圧乾燥させた。これを常法に従い、打錠品を得た。処方は、UHA6005を10重量部、コーンスターチ23重量部、乳糖12重量部、カルボキシメチルセルロース8重量部、微結晶セルロース32重量部、ポリビニルピロリドン4重量部、ステアリン酸マグネシウム3重量部、タルク8重量部の通りである。本打錠品は、肥満改善や肥満防止、癌の治癒を目的とする医薬品として有効に利用できる。(実施例10:UHA6005を含有する化粧品) テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット1重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル0.5重量部、親油型モノステアリン酸グリセリン1重量部、ピルビン酸0.5重量部、ステアリルアルコール0.5重量部、アボガド油1重量部、実施例1及び2と同様の方法で得たUHA6005の0.1重量部を、常法に従って溶解させ、これに、乳酸ナトリウム1重量部、プロピレングリコール5重量部、カルボキシビニルポリマー0.1重量部、ごく少量の香料及び精製水89.3重量部を加え、ホモゲナイザーにかけ乳化し、乳液を得た。本乳液は、ニキビなどの皮膚疾患治療や予防効果をもつ薬用化粧品として有効に利用できる。 カフェ酸を金属塩存在下で加熱処理することにより下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物を生成することを特徴とする式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法。下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなるリパーゼ阻害剤。 下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる抗肥満剤。 下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる皮膚疾患治療剤。 下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる抗癌剤。 下記式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有することを特徴とする食品、医薬品、又は化粧品。 【課題】優れた抗癌活性及びリパーゼ阻害活性を有する4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩を効率よく製造する方法、4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有するリパーゼ阻害剤、抗肥満剤、皮膚疾患治療剤及び抗癌剤、さらには4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品、又は化粧品を提供する。【解決手段】カフェ酸を金属塩存在下で加熱処理することを特徴とする式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩の製造方法、及び式(1)で表される4−ビニルカテコール重合化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含有する抗肥満剤、皮膚疾患治療剤、抗癌剤、さらには食品、医薬品又は化粧品。【選択図】なし


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