生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_皮膚貼付基布
出願番号:2010180405
年次:2012
IPC分類:A61K 9/70,D04H 1/4391


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松下 淳一 武田 茂樹 井上 翔太 JP 2012036160 公開特許公報(A) 20120223 2010180405 20100811 皮膚貼付基布 日本バイリーン株式会社 000229542 松下 淳一 武田 茂樹 井上 翔太 A61K 9/70 20060101AFI20120127BHJP D04H 1/4391 20120101ALI20120127BHJP JPA61K9/70 401D04H1/42 Y 1 OL 9 4C076 4L047 4C076AA77 4C076BB31 4C076EE24 4L047AA27 4L047AB09 4L047BA04 4L047CA19 4L047CB10 4L047CC16 本発明は薬効成分を含む膏体を塗布して外用貼付薬を構成するための皮膚貼付基布、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布に関する。 外用貼付薬は肘、膝、肩等の関節に貼付するなど、屈曲部に貼付する場合が多々あるため、外用貼付薬の基布として、伸縮性不織布が採用されている。この伸縮性不織布の1つの製造方法は、潜在捲縮性短繊維を含む繊維を、不織布の代表的な製造方法であるカード法或いはエアレイ法によって開繊して繊維ウエブを形成した後、熱を作用させることにより潜在捲縮性短繊維の捲縮を発現させて伸縮性不織布とすることが知られている。例えば、本出願人は特開2001−11762号公報(特許文献1)において、「顕在化した潜在捲縮繊維を主体とし、該潜在捲縮繊維の平均繊維長が40mm以下であることを特徴とする伸縮性不織布。」を提案した。この伸縮性不織布は、潜在捲縮繊維の捲縮発現時に繊維同士が収縮して絡み合っても、1本の繊維長が比較的短いために、引き伸ばされた際に繊維同士を拘束する引張強さが低く抑えられる結果、患者が動作に違和感を覚えないというものである。この伸縮性不織布はある程度、患者の違和感を解消できるものであったが、更に違和感のない皮膚貼付基布が求められていた。 また、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布として、前記と同様の伸縮性不織布が知られている(特許文献2、3)が、使用者が顔面に貼付した際に顔面の凹凸に十分に追従することができず、使用時に違和感を覚える場合があった。特開2001−11762号公報特開2008−285433号公報特開2000−128732号公報 本発明はこのような状況下においてなされたものであり、使用時に、更に違和感のない皮膚貼付基布を提供することを目的とする。 本発明の請求項1にかかる発明は「高捲縮繊維を主体とする不織布からなる皮膚貼付基布であり、前記不織布の次の式から算出される換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であることを特徴とする皮膚貼付基布。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す」である。 本発明の請求項1にかかる発明は、換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下と曲げ剛性の小さいものであるため、使用時に、容易に変形して皮膚に密着できるため、違和感のない皮膚貼付基布である。 本発明の不織布は伸縮性を有し、屈曲部の動き及び/又は皮膚の凹凸に対応でき、皮膚から剥離することがないように、高捲縮繊維を主体として構成されている。高捲縮繊維とは50個/インチ以上の捲縮数を有する繊維をいう。このような高捲縮繊維は、例えば、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させることによって得ることができる。なお、捲縮数はJIS L1015:2010 8.12.1 けん縮数に規定する方法により得られる値である。 この潜在捲縮繊維としては、例えば、熱収縮率の異なる複数の樹脂が複合された複合繊維、繊維の一部に特定の熱履歴を施した繊維を挙げることができる。より具体的には、複合繊維として、偏心型芯鞘構造のもの、又はサイドバイサイド型構造のものを好適に用いることができる。熱収縮率の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−低融点ポリエステル、ポリアミド−低融点ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−低融点ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレンなど種々の合成樹脂を組み合わせたものが使用できる。特に、ポリエステル−低融点ポリエステル若しくはポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組み合わせからなる潜在捲縮繊維は、化学的な耐性と伸度特性の点で優れているため好ましい。また、繊維の一部に特定の熱履歴を施した潜在捲縮繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる繊維の一側面を熱刃などにあてながら通過させたものを使用できる。 この潜在捲縮繊維の繊度は特に限定するものではないが、曲げ剛性が小さく、使用時に違和感がないように、繊度は1.5dtex以下であるのが好ましく、1.4dtex以下であるのがより好ましく、1.3dtex以下であるのが更に好ましく、1.2dtex以下であるのが更に好ましく、1.1dtex以下であるのが更に好ましい。繊度の下限は特に限定するものではないが、乾式法により繊維ウエブを形成する場合には、均一な地合いの繊維ウエブを形成できるように、また、引張り伸縮性に優れているように、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのがより好ましい。なお、繊度の異なる潜在捲縮繊維を2種類含んでいる場合、次の式により算出される平均繊度が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。また、繊度の異なる潜在捲縮繊維を3種類以上含んでいる場合も同様にして算出した値が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。 Fav=1/{(Pa/100)/Fa+(Pb/100)/Fb} ここで、Favは平均繊度(単位:dtex)、Paは繊維ウエブに占める一方の繊維(繊維A)の質量割合(単位:mass%)、Faは繊維Aの繊度(単位:dtex)、Pbは繊維ウエブに占める他方の繊維(繊維B)の質量割合(単位:mass%)、Fbは繊維Bの繊度(単位:dtex)をそれぞれ意味する。 また、潜在捲縮繊維の繊維長は特に限定するものではないが、曲げ剛性が小さく、使用時に違和感がないように、繊維長は60mm以下であるのが好ましく、50mm以下であるのがより好ましく、45mm以下であるのが更に好ましい。繊維長の下限は特に限定するものではないが、乾式法により繊維ウエブを形成する場合には、均一な地合いの繊維ウエブを形成できるように、25mm以上であるのが好ましく、30mm以上であるのがより好ましい。 本発明の不織布は上述のような高捲縮繊維を主体とするものであるが、「主体」とは高捲縮繊維を50mass%以上含むことを意味し、高捲縮繊維が多ければ多いほど、伸縮性に優れ、屈曲部の動き及び/又は皮膚の凹凸に対応でき、皮膚と密着して皮膚から剥離することがないため、70mass%以上含むのがより好ましく、90mass%以上含むのが更に好ましく、100mass%高捲縮繊維からなるのが最も好ましい。 なお、高捲縮繊維以外の繊維は特に限定するものではないが、高捲縮繊維が潜在捲縮繊維の捲縮を発現させたものである場合、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させる際の熱によって溶融しない繊維であるのが好ましく、例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、ポリアミド系繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、又はコットンやレーヨン等のセルロース系繊維を含むことができる。 本発明の不織布は高捲縮繊維を主体とするものであれば良く、その製造方法は特に限定するものではないが、例えば、潜在捲縮繊維を主体とする繊維ウエブをカード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、又はスパンボンド法などの直接法により形成した後、ニードルや水流などの流体で絡合し、形態維持性を付与する。 また、流体により絡合すると、強度維持性に優れているため好適である。なお、この絡合条件が強いと、繊維同士の絡合が強くなり、曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、適宜絡合条件を調整するのが好ましい。例えば、水流によって絡合する場合には、段階的に水圧を高くして絡合するのが好ましい。特に、水圧は高くても3MPaとするのが好ましい。また、絡合させる前に、水と繊維ウエブとの馴染みを良くするために、シャワー等により、繊維ウエブを湿らすのが好ましい。なお、流体絡合に使用する繊維ウエブを搬送する支持体は不織布の地合いを乱すことがないように、50〜100メッシュのプラスチック製又は金属製の平織り又は綾織りネットを使用するのが好ましい。 次いで、絡合した繊維ウエブに対して加熱処理を施し、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させて、不織布を製造することができる。なお、加熱手段としては、例えば、熱風ドライヤー、赤外線ランプ、加熱ロールなどを挙げることができるが、繊維同士の接合が強くなり、曲げ剛性が高くなる結果、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、熱風ドライヤー、赤外線ランプなどの固体による強力な圧力がかからない条件下で実施するのが好ましい。特に、潜在捲縮繊維が十分に捲縮を発現し、伸縮性に優れるように、捲縮の発現による繊維ウエブの収縮分を見込んでオーバーフィードしながら加熱し、捲縮を発現させるのが好ましい。 本発明の皮膚貼付基布は上述のような不織布からなるが、換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下である。この換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)よりも高いと使用時の違和感が強くなる傾向があるためである。好ましい換算曲げ剛性Bcは4.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であり、より好ましい換算曲げ剛性Bcは3.5×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であり、最も好ましい換算曲げ剛性Bcは3.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下である。 この換算曲げ剛性は次の式から算出される値である。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す。なお、たて方向とは不織布生産時の流れ方向を指し、よこ方向とは不織布生産時の幅方向を指す。この曲げ剛性は皮膚貼付基布(不織布)を曲げた時の剛性であるが、皮膚貼付基布(不織布)の目付が大きくなると、曲げ剛性も大きくなり、目付と曲げ剛性とは比例関係があるため、曲げ剛性の目付の影響を排除するために、本発明においては、算術平均曲げ剛性を目付で除している。 この算術平均曲げ剛性Brは純曲げ試験機(カトーテック(株)製、KES−FB2)を用いて、「風合い評価の標準化と解析第2版」(川端季雄ら著、風合い計量と規格化研究委員会編)の第27〜28頁に記載の方法により測定される値である。即ち、試料の不織布(皮膚貼付基布)を幅1cmの間隔で長さ20cmにわたってチャックに把持し、曲率K=−2.5〜2.5cm−1の範囲において、変形速度0.50cm−1/sec.で等速度曲率の純曲げを行い、この際の曲げモーメントを測定することにより、単位長さ当たりの曲げ剛性(gf・cm2/cm)を求める計測を、不織布(皮膚貼付基布)のたて方向、よこ方向について、それぞれ3回づつ行い、その算術平均した値である。 目付Mは1m2あたりの質量であり、JIS L 1085:1998 6.2 単位面積当たりの質量に規定する方法により得られる値である。 なお、目付にかかわらず、曲げ剛性が低く、使用時の違和感が小さいように、算術平均曲げ剛性は0.050gf・cm2/cm以下であるのが好ましく、0.045gf・cm2/cm以下であるのがより好ましい。 また、目付は皮膚貼付基布の地合いが優れているように、30g/m2以上であるのが好ましく、40g/m2以上であるのがより好ましい。他方で、目付が高いと曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなるため、120g/m2以下であるのが好ましく、100g/m2以下であるのがより好ましい。 更に、皮膚貼付基布の厚さが厚いと、曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、1.0mm以下であるのが好ましく、0.8mm以下であるのがより好ましい。なお、この「厚さ」は圧縮弾性試験機を用い、接触面積5cm2、荷重0.98N{100gf}の条件で測定した値である。 なお、皮膚貼付基布(不織布)における繊維配向がたて方向に偏っていると、たて方向における曲げ剛性が大きくなり、使用時に違和感を感じやすくなる傾向があるため、皮膚貼付基布(不織布)における(たて方向の引張り強さ)の(よこ方向の引張り強さ)に対する比は8/1〜0.5/1であるのが好ましく、4/1〜1/1であるのがより好ましい。 なお、引張り強さは、不織布(皮膚貼付基布)から巾が50mm、長さが300mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片が破断するまでの最大荷重を測定する。なお、つかみ間隔200mm、引張速度500mm/分の条件で測定する。この最大荷重の測定を不織布(皮膚貼付基布)の機械方向(たて方向)、及びそれに直交する方向(よこ方向)について、それぞれの方向について3点づつ測定し、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとする。 なお、前述の通り、目付が低ければ低いほど、曲げ剛性が低くなる傾向があるため、目付を低くして曲げ剛性を低くするということも考えられるが、その場合には皮膚貼付基布の地合いが悪くなり、膏体の抜け、化粧液の脱落、意匠性の低下などの問題が生じやすいため、地合いも優れているのが好ましい。具体的には、次に定義する平均地合指数が0.25以下であるのが好ましく、0.22以下であるのがより好ましく、0.20以下であるのが更に好ましい。 平均地合指数は特願平11−152139号に記載されている方法により得られる値であり、次のようにして得られる値である。(1)光源から被測定物(皮膚貼付基布)に対して光を照射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。(2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。(8)この地合指数の測定を3回繰り返し行い、その平均値を平均地合指数とする。 以下に、本発明の実施例について特定条件を挙げて説明するが、これら条件は説明の理解を容易とするための例示に過ぎず、本発明は、これら特定条件にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で設計変更及び変形を行い得る。 (実施例1) ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維A(繊度1.1dtex、繊維長44mm)を100mass%用いて、カード機にかけてクロスラッパーによりクロスレイウエブを形成した後、90メッシュのポリエステル製綾織ネット(支持体)を用いて、20m/min.で搬送しながら水流により絡合した。なお、水流絡合の条件は次の通りとした。1.シャワー(片面「A面」とする)2.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから2MPa(A面)3.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから2.5MPa(A面)4.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから3MPa(A面の反対面) 次いで、水流絡合不織布を110℃で乾燥した後、オーバーフィードしながら、熱風ドライヤーによる温度185℃での熱処理を約15秒間加えることによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、最終的な目付が70g/m2である皮膚貼付基布を得た。 (実施例2) 実施例1と同じ潜在捲縮繊維Aに加えて、ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維B(繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用意し、潜在捲縮繊維Aと潜在捲縮繊維Bとを70:30の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付が59g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:1.3dtex)を得た。 (実施例3) 目付を100g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして、皮膚貼付基布を得た。 (実施例4) 実施例1と同じ潜在捲縮繊維Aに加えて、ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維C(繊度1.7dtex、繊維長51mm)を用意し、潜在捲縮繊維Aと潜在捲縮繊維Cとを50:50の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付98g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:1.3dtex)を得た。 (比較例1) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bを100mass%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付80g/m2の皮膚貼付基布を得た。 (比較例2) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bを100mass%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付100g/m2の皮膚貼付基布を得た。 (比較例3) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bに加えて、実施例4と同じ潜在捲縮繊維Cとを70:30の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付98g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:2.0dtex)を得た。 (比較例4) 水流絡合の条件を次のようにしたこと以外は実施例1と同様にして、目付72g/m2の皮膚貼付基布を得た。1.シャワーをすることなく、ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから4MPa(A面)2.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから4Ma(A面の反対面) (物性評価) 前述の手順に従って、引張り強さ、曲げ剛性、換算曲げ剛性Bc、及び平均地合指数を、それぞれの皮膚貼付基材について計測した。この結果は表1、2の通りであった。#:N/5cm幅(単位)#:gf・cm2/cm(単位)*:gf・cm2/cm/(g/m2)(単位) 表2から、本発明の皮膚貼付基布は平均曲げ剛性が0.043gf・cm2/cm以下と小さいばかりでなく、換算曲げ剛性Bcが4.4×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下と曲げ剛性が小さく、使用時に、容易に変形して皮膚に密着できる違和感のない皮膚貼付基布であった。また、平均地合指数が0.22以下と地合いも優れるものであった。 本発明の皮膚貼付基布は使用時に違和感のないものであるため、薬効成分を含む膏体を塗布して外用貼付薬を構成するための皮膚貼付基布、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布として好適に使用できる。高捲縮繊維を主体とする不織布からなる皮膚貼付基布であり、前記不織布の次の式から算出される換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であることを特徴とする皮膚貼付基布。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す 【課題】 使用時に、更に違和感のない皮膚貼付基布を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明の皮膚貼付基布は、高捲縮繊維を主体とする不織布からなる皮膚貼付基布であり、前記不織布の次の式から算出される換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下である。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す」である。【選択図】 なし


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特許公報(B2)_皮膚貼付基布

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_皮膚貼付基布
出願番号:2010180405
年次:2015
IPC分類:A61K 9/70,D04H 1/42


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松下 淳一 武田 茂樹 井上 翔太 JP 5661371 特許公報(B2) 20141212 2010180405 20100811 皮膚貼付基布 日本バイリーン株式会社 000229542 松下 淳一 武田 茂樹 井上 翔太 20150128 A61K 9/70 20060101AFI20150108BHJP D04H 1/42 20120101ALI20150108BHJP JPA61K9/70 401D04H1/42 A61K8/00−9/72,47/00−47/48, D04H1/00−18/04 特開平07−197355(JP,A) 特開2008−285433(JP,A) 特開2001−011762(JP,A) 特開2009−079325(JP,A) 特開平01−280058(JP,A) 特開2006−063496(JP,A) 特開2002−348764(JP,A) 特開平02−133615(JP,A) 特開2010−007212(JP,A) 1 2012036160 20120223 9 20130514 澤田 浩平 本発明は薬効成分を含む膏体を塗布して外用貼付薬を構成するための皮膚貼付基布、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布に関する。 外用貼付薬は肘、膝、肩等の関節に貼付するなど、屈曲部に貼付する場合が多々あるため、外用貼付薬の基布として、伸縮性不織布が採用されている。この伸縮性不織布の1つの製造方法は、潜在捲縮性短繊維を含む繊維を、不織布の代表的な製造方法であるカード法或いはエアレイ法によって開繊して繊維ウエブを形成した後、熱を作用させることにより潜在捲縮性短繊維の捲縮を発現させて伸縮性不織布とすることが知られている。例えば、本出願人は特開2001−11762号公報(特許文献1)において、「顕在化した潜在捲縮繊維を主体とし、該潜在捲縮繊維の平均繊維長が40mm以下であることを特徴とする伸縮性不織布。」を提案した。この伸縮性不織布は、潜在捲縮繊維の捲縮発現時に繊維同士が収縮して絡み合っても、1本の繊維長が比較的短いために、引き伸ばされた際に繊維同士を拘束する引張強さが低く抑えられる結果、患者が動作に違和感を覚えないというものである。この伸縮性不織布はある程度、患者の違和感を解消できるものであったが、更に違和感のない皮膚貼付基布が求められていた。 また、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布として、前記と同様の伸縮性不織布が知られている(特許文献2、3)が、使用者が顔面に貼付した際に顔面の凹凸に十分に追従することができず、使用時に違和感を覚える場合があった。特開2001−11762号公報特開2008−285433号公報特開2000−128732号公報 本発明はこのような状況下においてなされたものであり、使用時に、更に違和感のない皮膚貼付基布を提供することを目的とする。本発明の請求項1にかかる発明は「繊度1.5dtex以下の潜在捲縮繊維が捲縮発現した高捲縮繊維を主体とする水流絡合不織布からなる、厚さ0.8mm以下の皮膚貼付基布であり、前記水流絡合不織布の次の式から算出される換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下、かつ平均地合指数が0.25以下であることを特徴とする皮膚貼付基布。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す」である。 本発明の請求項1にかかる発明は、換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下と曲げ剛性の小さいものであるため、使用時に、容易に変形して皮膚に密着できるため、違和感のない皮膚貼付基布である。 本発明の不織布は伸縮性を有し、屈曲部の動き及び/又は皮膚の凹凸に対応でき、皮膚から剥離することがないように、高捲縮繊維を主体として構成されている。高捲縮繊維とは50個/インチ以上の捲縮数を有する繊維をいう。このような高捲縮繊維は、例えば、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させることによって得ることができる。なお、捲縮数はJIS L1015:2010 8.12.1 けん縮数に規定する方法により得られる値である。 この潜在捲縮繊維としては、例えば、熱収縮率の異なる複数の樹脂が複合された複合繊維、繊維の一部に特定の熱履歴を施した繊維を挙げることができる。より具体的には、複合繊維として、偏心型芯鞘構造のもの、又はサイドバイサイド型構造のものを好適に用いることができる。熱収縮率の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−低融点ポリエステル、ポリアミド−低融点ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−低融点ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレンなど種々の合成樹脂を組み合わせたものが使用できる。特に、ポリエステル−低融点ポリエステル若しくはポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組み合わせからなる潜在捲縮繊維は、化学的な耐性と伸度特性の点で優れているため好ましい。また、繊維の一部に特定の熱履歴を施した潜在捲縮繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる繊維の一側面を熱刃などにあてながら通過させたものを使用できる。 この潜在捲縮繊維の繊度は特に限定するものではないが、曲げ剛性が小さく、使用時に違和感がないように、繊度は1.5dtex以下であるのが好ましく、1.4dtex以下であるのがより好ましく、1.3dtex以下であるのが更に好ましく、1.2dtex以下であるのが更に好ましく、1.1dtex以下であるのが更に好ましい。繊度の下限は特に限定するものではないが、乾式法により繊維ウエブを形成する場合には、均一な地合いの繊維ウエブを形成できるように、また、引張り伸縮性に優れているように、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのがより好ましい。なお、繊度の異なる潜在捲縮繊維を2種類含んでいる場合、次の式により算出される平均繊度が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。また、繊度の異なる潜在捲縮繊維を3種類以上含んでいる場合も同様にして算出した値が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。 Fav=1/{(Pa/100)/Fa+(Pb/100)/Fb} ここで、Favは平均繊度(単位:dtex)、Paは繊維ウエブに占める一方の繊維(繊維A)の質量割合(単位:mass%)、Faは繊維Aの繊度(単位:dtex)、Pbは繊維ウエブに占める他方の繊維(繊維B)の質量割合(単位:mass%)、Fbは繊維Bの繊度(単位:dtex)をそれぞれ意味する。 また、潜在捲縮繊維の繊維長は特に限定するものではないが、曲げ剛性が小さく、使用時に違和感がないように、繊維長は60mm以下であるのが好ましく、50mm以下であるのがより好ましく、45mm以下であるのが更に好ましい。繊維長の下限は特に限定するものではないが、乾式法により繊維ウエブを形成する場合には、均一な地合いの繊維ウエブを形成できるように、25mm以上であるのが好ましく、30mm以上であるのがより好ましい。 本発明の不織布は上述のような高捲縮繊維を主体とするものであるが、「主体」とは高捲縮繊維を50mass%以上含むことを意味し、高捲縮繊維が多ければ多いほど、伸縮性に優れ、屈曲部の動き及び/又は皮膚の凹凸に対応でき、皮膚と密着して皮膚から剥離することがないため、70mass%以上含むのがより好ましく、90mass%以上含むのが更に好ましく、100mass%高捲縮繊維からなるのが最も好ましい。 なお、高捲縮繊維以外の繊維は特に限定するものではないが、高捲縮繊維が潜在捲縮繊維の捲縮を発現させたものである場合、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させる際の熱によって溶融しない繊維であるのが好ましく、例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、ポリアミド系繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、又はコットンやレーヨン等のセルロース系繊維を含むことができる。 本発明の不織布は高捲縮繊維を主体とするものであれば良く、その製造方法は特に限定するものではないが、例えば、潜在捲縮繊維を主体とする繊維ウエブをカード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、又はスパンボンド法などの直接法により形成した後、ニードルや水流などの流体で絡合し、形態維持性を付与する。 また、流体により絡合すると、強度維持性に優れているため好適である。なお、この絡合条件が強いと、繊維同士の絡合が強くなり、曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、適宜絡合条件を調整するのが好ましい。例えば、水流によって絡合する場合には、段階的に水圧を高くして絡合するのが好ましい。特に、水圧は高くても3MPaとするのが好ましい。また、絡合させる前に、水と繊維ウエブとの馴染みを良くするために、シャワー等により、繊維ウエブを湿らすのが好ましい。なお、流体絡合に使用する繊維ウエブを搬送する支持体は不織布の地合いを乱すことがないように、50〜100メッシュのプラスチック製又は金属製の平織り又は綾織りネットを使用するのが好ましい。 次いで、絡合した繊維ウエブに対して加熱処理を施し、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させて、不織布を製造することができる。なお、加熱手段としては、例えば、熱風ドライヤー、赤外線ランプ、加熱ロールなどを挙げることができるが、繊維同士の接合が強くなり、曲げ剛性が高くなる結果、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、熱風ドライヤー、赤外線ランプなどの固体による強力な圧力がかからない条件下で実施するのが好ましい。特に、潜在捲縮繊維が十分に捲縮を発現し、伸縮性に優れるように、捲縮の発現による繊維ウエブの収縮分を見込んでオーバーフィードしながら加熱し、捲縮を発現させるのが好ましい。 本発明の皮膚貼付基布は上述のような不織布からなるが、換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下である。この換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)よりも高いと使用時の違和感が強くなる傾向があるためである。好ましい換算曲げ剛性Bcは4.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であり、より好ましい換算曲げ剛性Bcは3.5×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下であり、最も好ましい換算曲げ剛性Bcは3.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下である。 この換算曲げ剛性は次の式から算出される値である。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す。なお、たて方向とは不織布生産時の流れ方向を指し、よこ方向とは不織布生産時の幅方向を指す。この曲げ剛性は皮膚貼付基布(不織布)を曲げた時の剛性であるが、皮膚貼付基布(不織布)の目付が大きくなると、曲げ剛性も大きくなり、目付と曲げ剛性とは比例関係があるため、曲げ剛性の目付の影響を排除するために、本発明においては、算術平均曲げ剛性を目付で除している。 この算術平均曲げ剛性Brは純曲げ試験機(カトーテック(株)製、KES−FB2)を用いて、「風合い評価の標準化と解析第2版」(川端季雄ら著、風合い計量と規格化研究委員会編)の第27〜28頁に記載の方法により測定される値である。即ち、試料の不織布(皮膚貼付基布)を幅1cmの間隔で長さ20cmにわたってチャックに把持し、曲率K=−2.5〜2.5cm−1の範囲において、変形速度0.50cm−1/sec.で等速度曲率の純曲げを行い、この際の曲げモーメントを測定することにより、単位長さ当たりの曲げ剛性(gf・cm2/cm)を求める計測を、不織布(皮膚貼付基布)のたて方向、よこ方向について、それぞれ3回づつ行い、その算術平均した値である。 目付Mは1m2あたりの質量であり、JIS L 1085:1998 6.2 単位面積当たりの質量に規定する方法により得られる値である。 なお、目付にかかわらず、曲げ剛性が低く、使用時の違和感が小さいように、算術平均曲げ剛性は0.050gf・cm2/cm以下であるのが好ましく、0.045gf・cm2/cm以下であるのがより好ましい。 また、目付は皮膚貼付基布の地合いが優れているように、30g/m2以上であるのが好ましく、40g/m2以上であるのがより好ましい。他方で、目付が高いと曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなるため、120g/m2以下であるのが好ましく、100g/m2以下であるのがより好ましい。 更に、皮膚貼付基布の厚さが厚いと、曲げ剛性が高くなり、使用時の違和感が強くなる傾向があるため、1.0mm以下であるのが好ましく、0.8mm以下であるのがより好ましい。なお、この「厚さ」は圧縮弾性試験機を用い、接触面積5cm2、荷重0.98N{100gf}の条件で測定した値である。 なお、皮膚貼付基布(不織布)における繊維配向がたて方向に偏っていると、たて方向における曲げ剛性が大きくなり、使用時に違和感を感じやすくなる傾向があるため、皮膚貼付基布(不織布)における(たて方向の引張り強さ)の(よこ方向の引張り強さ)に対する比は8/1〜0.5/1であるのが好ましく、4/1〜1/1であるのがより好ましい。 なお、引張り強さは、不織布(皮膚貼付基布)から巾が50mm、長さが300mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片が破断するまでの最大荷重を測定する。なお、つかみ間隔200mm、引張速度500mm/分の条件で測定する。この最大荷重の測定を不織布(皮膚貼付基布)の機械方向(たて方向)、及びそれに直交する方向(よこ方向)について、それぞれの方向について3点づつ測定し、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとする。 なお、前述の通り、目付が低ければ低いほど、曲げ剛性が低くなる傾向があるため、目付を低くして曲げ剛性を低くするということも考えられるが、その場合には皮膚貼付基布の地合いが悪くなり、膏体の抜け、化粧液の脱落、意匠性の低下などの問題が生じやすいため、地合いも優れているのが好ましい。具体的には、次に定義する平均地合指数が0.25以下であるのが好ましく、0.22以下であるのがより好ましく、0.20以下であるのが更に好ましい。 平均地合指数は特願平11−152139号に記載されている方法により得られる値であり、次のようにして得られる値である。(1)光源から被測定物(皮膚貼付基布)に対して光を照射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。(2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。(8)この地合指数の測定を3回繰り返し行い、その平均値を平均地合指数とする。 以下に、本発明の実施例について特定条件を挙げて説明するが、これら条件は説明の理解を容易とするための例示に過ぎず、本発明は、これら特定条件にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で設計変更及び変形を行い得る。 (実施例1) ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維A(繊度1.1dtex、繊維長44mm)を100mass%用いて、カード機にかけてクロスラッパーによりクロスレイウエブを形成した後、90メッシュのポリエステル製綾織ネット(支持体)を用いて、20m/min.で搬送しながら水流により絡合した。なお、水流絡合の条件は次の通りとした。1.シャワー(片面「A面」とする)2.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから2MPa(A面)3.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから2.5MPa(A面)4.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから3MPa(A面の反対面) 次いで、水流絡合不織布を110℃で乾燥した後、オーバーフィードしながら、熱風ドライヤーによる温度185℃での熱処理を約15秒間加えることによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、最終的な目付が70g/m2である皮膚貼付基布を得た。 (実施例2) 実施例1と同じ潜在捲縮繊維Aに加えて、ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維B(繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用意し、潜在捲縮繊維Aと潜在捲縮繊維Bとを70:30の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付が59g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:1.3dtex)を得た。 (実施例3) 目付を100g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして、皮膚貼付基布を得た。 (実施例4) 実施例1と同じ潜在捲縮繊維Aに加えて、ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮繊維C(繊度1.7dtex、繊維長51mm)を用意し、潜在捲縮繊維Aと潜在捲縮繊維Cとを50:50の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付98g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:1.3dtex)を得た。 (比較例1) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bを100mass%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付80g/m2の皮膚貼付基布を得た。 (比較例2) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bを100mass%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付100g/m2の皮膚貼付基布を得た。 (比較例3) 実施例2と同じ潜在捲縮繊維Bに加えて、実施例4と同じ潜在捲縮繊維Cとを70:30の質量比率で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付98g/m2の皮膚貼付基布(平均繊度:2.0dtex)を得た。 (比較例4) 水流絡合の条件を次のようにしたこと以外は実施例1と同様にして、目付72g/m2の皮膚貼付基布を得た。1.シャワーをすることなく、ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから4MPa(A面)2.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから4Ma(A面の反対面) (物性評価) 前述の手順に従って、引張り強さ、曲げ剛性、換算曲げ剛性Bc、及び平均地合指数を、それぞれの皮膚貼付基材について計測した。この結果は表1、2の通りであった。#:N/5cm幅(単位)#:gf・cm2/cm(単位)*:gf・cm2/cm/(g/m2)(単位) 表2から、本発明の皮膚貼付基布は平均曲げ剛性が0.043gf・cm2/cm以下と小さいばかりでなく、換算曲げ剛性Bcが4.4×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下と曲げ剛性が小さく、使用時に、容易に変形して皮膚に密着できる違和感のない皮膚貼付基布であった。また、平均地合指数が0.22以下と地合いも優れるものであった。 本発明の皮膚貼付基布は使用時に違和感のないものであるため、薬効成分を含む膏体を塗布して外用貼付薬を構成するための皮膚貼付基布、化粧用ゲルを塗布して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布、又は化粧液を含浸して顔面パック材を構成するための皮膚貼付基布として好適に使用できる。繊度1.5dtex以下の潜在捲縮繊維が捲縮発現した高捲縮繊維を主体とする水流絡合不織布からなる、厚さ0.8mm以下の皮膚貼付基布であり、前記水流絡合不織布の次の式から算出される換算曲げ剛性Bcが5.0×10−4gf・cm2/cm/(g/m2)以下、かつ平均地合指数が0.25以下であることを特徴とする皮膚貼付基布。 Bc=Br/M ここで、Brはたて方向の曲げ剛性とよこ方向の曲げ剛性の算術平均曲げ剛性(単位:gf・cm2/cm)を表し、Mは目付(単位:g/m2)を表す


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