タイトル: | 公開特許公報(A)_ロキソプロフェン含有医薬組成物 |
出願番号: | 2010138126 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 31/192,A61K 31/137,A61P 29/00,A61P 19/02,A61P 19/00,A61P 11/00 |
高宮 雅哉 春原 政明 薄井 俊樹 JP 2011021011 公開特許公報(A) 20110203 2010138126 20100617 ロキソプロフェン含有医薬組成物 興和株式会社 000163006 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 高宮 雅哉 春原 政明 薄井 俊樹 JP 2009143836 20090617 A61K 31/192 20060101AFI20110107BHJP A61K 31/137 20060101ALI20110107BHJP A61P 29/00 20060101ALI20110107BHJP A61P 19/02 20060101ALI20110107BHJP A61P 19/00 20060101ALI20110107BHJP A61P 11/00 20060101ALI20110107BHJP JPA61K31/192A61K31/137A61P29/00A61P19/02A61P19/00A61P11/00 8 OL 10 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA23 4C206FA10 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA72 4C206NA06 4C206ZA59 4C206ZA96 4C206ZB11 本発明は、ロキソプロフェンを含有する医薬組成物に関する。 ロキソプロフェンは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られている(非特許文献1)。 また、ロキソプロフェンは、ケトプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン等の他のNSAIDに比べ、副作用として消化管障害(胃粘膜刺激、小腸での潰瘍形成等)を生じにくいとされている。しかしながら、実際にロキソプロフェンに消化管障害の虞が全くないわけではなく、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減させる方策が種々検討されている。例えば、ロキソプロフェンと、胃・胃粘膜保護作用を有する生薬(特許文献1)、プロトンポンプ阻害剤(特許文献2)又は制酸剤(特許文献3)とを組み合わせた組成物が知られている。 一方、エフェドリン類は、交感神経興奮作用に基づく気管支拡張作用により、鎮咳効果をもたらすことが知られている。このため、OTC薬としては、鎮咳成分として、かぜ薬、鎮咳・去痰薬に配合され、また、血管収縮作用による鼻づまりの緩和を目的として鼻炎用内服薬等に配合される薬物である(非特許文献2及び3)。 ロキソプロフェンとエフェドリン類の組み合せは幾つか知られている。例えば、ロキソプロフェンとメチルエフェドリンを組み合わせることにより、抗炎症作用及び解熱作用が増強すること(特許文献4)、ロキソプロフェンとプソイドエフェドリンを組み合わせることにより、ロキソプロフェンの抗くしゃみ作用が増強すること(特許文献5)、ロキソプロフェンとメチルエフェドリン塩酸塩を組み合わせると、気道杯細胞過形成抑制作用を示すこと(特許文献6)が知られている。 しかしながら、エフェドリン類と、ロキソプロフェンとを併用した場合に、消化管に対する作用がどのように変化するかについては知られていない。特開2004−161667号公報特表2007−522217号公報特開2006−52210号公報特開2000−143505号公報特開2004−2362号公報特開2007−314517号公報第15改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C−4790−4795頁OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報センター 第290頁OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報センター 第369頁 本発明の課題は、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減又は抑制する新たな手段を提供することにある。 本発明者らは、ロキソプロフェンの消化管障害の発現の軽減・抑制策について鋭意研究したところ、ロキソプロフェン又はその塩に、エフェドリン類を配合すると、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減又は抑制できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物を提供するものである。 また、本発明は、エフェドリン類を有効成分とするロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤を提供するものである。 エフェドリン類は、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減する。 したがって、エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物とすることで、消化管障害の虞がなく、ロキソプロフェンの優れたNSAIDの効果を奏し、かつエフェドリン類の優れた鎮咳作用、血管収縮作用等をも奏することができるため、優れた医薬組成物となり得る。また、エフェドリン類は、ロキソプロフェンに起因する消化管障害の軽減又は抑制剤の有効成分として有用である。 本発明は、エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物に関する。 本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩には、ロキソプロフェンのみならず、ロキソプロフェンの製薬上許容される塩、さらには水やアルコール等との溶媒和物が含まれる。これらは公知のものであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。 本発明の医薬組成物にはエフェドリン類が含まれる。当該エフェドリン類は、エフェドリン及びエフェドリンの誘導体並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を含む概念である。このうち、エフェドリンの誘導体が好ましい。 上記エフェドリン誘導体としては、ノルエフェドリン(フェニルプロパノールアミン)、メチルエフェドリン等が挙げられ、メチルエフェドリンが特に好ましい。また、塩としては、無機酸や有機酸の塩が挙げられ、好適な具体例としては、塩酸塩、硫酸塩、サッカリン塩が挙げられる。 また、エフェドリンには2つの不斉炭素が存するため、種々の光学異性体を有するが、本発明においては、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。本発明においては、l−体、dl−体が好ましい。 なお、エフェドリン類は、公知物質であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。 本発明におけるエフェドリン類の好適な具体例としては、例えば、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。なお、エフェドリンとプソイドエフェドリンは互いにエナンチオマーの関係にあるものである。 また、エフェドリン類としては、これらを成分として含有するマオウ(麻黄)も用いることができる。 マオウは、第十五改正日本薬局方に掲載されているとおり、Ephedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A.又はEphedra equisetina Bunge(Ephedraceae)の地上茎を意味する。マオウは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができる。例えば、マオウの粉末は「マオウ末」という。 また、マオウは、第十五改正日本薬局方製剤総則等に記載の公知の方法に基づき、適当な大きさとした後に、適当な浸出剤を加えて浸出した液や浸出液を濃縮した液、すなわち「エキス」や「チンキ」等としてもよい。浸出剤としては、メタノール、エタノール及びn−ブタノール等の低級一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びグリセリン等の低級多価アルコール、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン及びエチルメチルケトン等のケトン類、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジクロロメタン及びクロロホルム等のハロゲノアルカン類、ベンゼン及びトルエン等芳香族炭化水素、及び水等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。さらにエキスは乾燥することもできる。 本発明において、エフェドリン類としてマオウを用いる場合、マオウ末、マオウ流エキス、マオウ軟エキス、マオウ乾燥エキス、マオウエキス等が好ましい。これらは、上述のとおり、公知の方法により製造してもよいし、また市販品を用いてもよい。さらに、マオウを用いる場合は、マオウを含む漢方処方である、葛根湯、小青竜湯、麻黄湯等を用いることもできる。 本発明の医薬組成物に含まれる成分の含有量は、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよいが、経口投与の場合、ロキソプロフェン又はその塩は、1日あたり、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜300mg服用できる量が好ましく、30〜240mg服用できる量がより好ましく、30〜180mg服用できる量がさらに好ましく、60〜180mg服用できる量が特に好ましい。 また、エフェドリン類は、1日あたり、5〜500mg服用できる量が好ましく、10〜360mg服用できる量がより好ましく、20〜240mg服用できる量がさらに好ましい。 なお、エフェドリン類の一部又は全ては、上述のマオウに代替することができる。マオウは、1日あたり、0.1〜25g(原生薬換算量)服用できる量が好ましく、0.25〜10g(原生薬換算量)服用できる量がより好ましく、0.4〜4g(原生薬換算量)服用できる量がさらに好ましい。 これら投与量は、年齢、性別、症状等により適宜増減することができ、1日1〜4回に分けて服用すればよい。 本発明の医薬組成物中に含まれるロキソプロフェン又はその塩の割合は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、例えば、医薬組成物全体に対してロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1〜97質量%が好ましく、5〜90質量%がさらに好ましく、7〜80質量%が特に好ましい。 また、本発明の医薬組成物中に含まれるエフェドリン類の割合は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、例えば、医薬組成物全体に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。 本発明の医薬組成物において、ロキソプロフェン又はその塩とエフェドリン類の配合比は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェンナトリウム無水物1質量部に対してエフェドリン類が、0.015〜50質量部が好ましく、0.05〜12質量部がより好ましく、0.1〜4質量部が特に好ましい。 本発明の医薬組成物には、医薬成分として、エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩以外の薬物、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、抗コリン剤、生薬類、漢方処方、カフェイン類、キサンチン系成分等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいても良い。 解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸ナトリウム、イソプロピルアンチピリン、チアラミド塩酸塩等が挙げられる。 抗ヒスタミン剤としては、例えば、アゼラスチン塩酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、アリメマジン酒石酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、 dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、メキタジン、エピナスチン塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩等が挙げられる。 鎮咳剤としては、例えば、アロクラミド塩酸塩、クロペラスチン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、チペピジンクエン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、チペピジンヒベンズ酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ジメモルファンリン酸塩、エプラジノン塩酸塩等が挙げられる。 ノスカピン類としては、例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。 気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。 去痰剤としては、例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸カリウム、塩化アンモニウム、l−メントール、アンモニア・ウイキョウ精、エチルシステイン塩酸塩、メチルシステイン塩酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、カルボシステイン等が挙げられる。 催眠鎮静剤としては、例えば、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等が挙げられる。 ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。 抗炎症剤としては、例えば、塩化リゾチーム、セラペプターゼ、ブロメライン、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、セアプローゼ、プロクターゼ、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、トラネキサム酸等が挙げられる。 胃粘膜保護剤としては、例えば、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルジオキサ、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、スクラルファート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、ゲファルナート、テプレノン等が挙げられる。 抗コリン薬としては、例えば、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩、メチキセン塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、チペピジウム臭化物、メチルアトロピン臭化物、メチルアニソトロピン臭化物、メチルスコポラミン臭化物、メチル−l−ヒヨスチアミン臭化物、メチルベナクチジウム臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等が挙げられる。 生薬類としては、例えば、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、エンゴサク(延胡索)、エンメイソウ(延命草)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、カンゾウ(甘草)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、ボレイ(牡蠣)、ロクジョウ(鹿茸)等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。 漢方処方としては、例えば、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯等が挙げられる。 カフェイン類としては、例えば、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。 キサンチン系成分としては、例えば、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、プロキシフィリン等が挙げられる。 本発明の医薬組成物は、製剤化に際して、第十五改正日本薬局方製剤総則等に記載の公知の方法により製することができ、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬品添加物を用いて製することができる。 本発明の医薬組成物の剤形としては、特に限定されるべきものではなく、例えば、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、トローチ剤等の経口投与製剤や外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲルクリーム剤、パップ剤、経皮吸収型製剤、貼付剤、リニメント剤、ローション剤、坐剤等の非経口投与製剤が挙げられる。本発明においては、経口投与製剤が好ましく、中でも固形製剤がより好ましい。なお、固形製剤は公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により被覆されていても良い。 本発明の医薬組成物は、鎮咳作用、血管収縮作用等を有するエフェドリン類及びNSAIDの一種であるロキソプロフェンを含有するので、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(のどの痛み、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、せき、たん等に効能又は効果を有するものである。 本発明の医薬組成物は、エフェドリン類を含有することにより、ロキソプロフェンに起因する消化管障害の虞がなく優れたものである。従って、消化性潰瘍の罹患者や既往歴のある患者も、ロキソプロフェンに起因する消化管障害の虞なく、ロキソプロフェン又はその塩を服用することができる。 また、エフェドリン類は、ロキソプロフェン以外のアルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド、テノキシカム、トルフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、プログルメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロキソプロフェン、ロルノキシカム等の他のNSAIDの副作用としての消化管障害(胃粘膜刺激、小腸での潰瘍形成等)を軽減又は抑制することが期待できる。 以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制作用 Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重200.6〜239.4g)を用い、1群6匹として試験を実施した。ラットは、試験開始前日(16時間以上)より絶食とした。水の摂取は試験開始前1時間までは自由摂取とし、以後絶水とした。 被験薬物として、メチルエフェドリン(ME)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁し、所定量(20、60、180mg/5mL/kg)経口投与した。また、対照群には溶媒(0.5%MC)のみをそれぞれ同容量(5mL/kg)経口投与した。 被験薬物投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kgを各群のラットに経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。 胃粘膜障害の程度の評価は、胃を大弯に沿って切開した後、実体顕微鏡下にて腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(mm)を測定することにより行い、ラット1匹当たりの損傷の総和を潰瘍指数(U.I.:Ulcer Index)として算出した。次式に従い、被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出した。 潰瘍抑制率(%)={1−(被験薬物の潰瘍指数/対照群の潰瘍指数)}×100結果を表1に示す。 表1から明らかなように、メチルエフェドリンはロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。この結果から、エフェドリン類がロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減することが判明した。 本発明は、エフェドリン類と、ロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物を提供するものであり、本発明の医薬組成物は、NSAIDの一種であるロキソプロフェン及び鎮咳作用、血管収縮作用等を有するエフェドリン類を含有する。 したがって、本発明の医薬組成物は、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(のどの痛み、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、せき、たん等に効能又は効果を有する。 また、本発明によれば、エフェドリン類はロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減した。したがって、本発明によると、ロキソプロフェンに起因する消化管障害が軽減され、上述のすぐれた効能又は効果を示す医薬組成物を提供することができ、消化性潰瘍の罹患者や既往歴のある患者も、ロキソプロフェンに起因する消化管障害の虞なく、ロキソプロフェン又はその塩を服用することができるため、極めて有用なものである。 エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物。 ロキソプロフェン又はその塩がロキソプロフェンナトリウム水和物である請求項1記載の医薬組成物。 ロキソプロフェンナトリウム水和物を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で、10〜300mgを1日量として含有する請求項2記載の医薬組成物。 エフェドリン類が、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3記載いずれか1項記載の医薬組成物。 エフェドリン類を、5〜500mgを1日量として含有する請求項1〜4いずれか1項記載の医薬組成物。 経口投与製剤である請求項1〜5いずれか1項記載の医薬組成物。 固形製剤である請求項1〜6いずれか1項記載の医薬組成物。 エフェドリン類を有効成分とするロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤。 【課題】ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減又は抑制する新たな手段の提供。【解決手段】エフェドリン類とロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物。【選択図】なし