タイトル: | 再公表特許(A1)_新規ビフィズス菌、耐糖能改善剤、および抗肥満剤 |
出願番号: | 2010066193 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 35/74,A61P 3/04,A61P 3/10,C12N 1/20,A23L 1/30,C12R 1/01 |
近藤 しずき 清水 金忠 JP WO2011034166 20110324 JP2010066193 20100917 4834798 20111214 新規ビフィズス菌、耐糖能改善剤、および抗肥満剤 森永乳業株式会社 000006127 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 近藤 しずき 清水 金忠 JP 2009215836 20090917 A61K 35/74 20060101AFI20130118BHJP A61P 3/04 20060101ALI20130118BHJP A61P 3/10 20060101ALI20130118BHJP C12N 1/20 20060101ALI20130118BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130118BHJP C12R 1/01 20060101ALN20130118BHJP JPA61K35/74 AA61P3/04A61P3/10C12N1/20 EA23L1/30 AC12N1/20 EC12R1:01 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20130214 2011508756 30 4B018 4B065 4C087 4B018LB07 4B018LB08 4B018MD86 4B018MD87 4B018ME01 4B018MF13 4B065AA21X 4B065AC20 4B065BA22 4B065BB24 4B065BD11 4B065CA42 4B065CA44 4C087AA01 4C087AA02 4C087AA03 4C087BC59 4C087CA09 4C087MA01 4C087NA14 4C087ZA70 4C087ZC35 本発明は、特定のビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)を有効成分とする抗肥満剤、抗肥満用飲食品、耐糖能改善剤及び耐糖能改善用飲食品に関する。 本願は、2009年9月17日に、日本に出願された特願2009−215836号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。 日本人のライフスタイルの欧米化や高齢化の急速な進展に伴い、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病患者が増加している。このような生活習慣病の最大の誘因として肥満が挙げられており、肥満の予防・改善の重要性が唱えられている。また、容姿、美容などの点から肥満は好ましくないとする風潮があり、ダイエットを目的とした肥満の予防・改善に対する関心も高い。 このように肥満に対する意識が高まる中、生活習慣病を将来発症する確率が高い「メタボリックシンドローム」の診断基準がまとめられ、健診制度では、メタボリックシンドロームの予防と改善を目的として、ウエスト周囲長を測定することになっている。 従来から行われている肥満の解消法としては、食事療法(食事制限や絶食)、運動療法(運動によるエネルギー消費の促進)、薬物療法等が挙げられる。薬物療法に用いられる薬剤としては、現在、腸管での脂肪吸収を阻害するオルリスタット(例えばロシュ社製「Xenical(登録商標)」、グラクソスミスクライン社製「Alli(登録商標)」等)や、糖分解酵素(αグルコシダーゼ)阻害剤であるアカルボース(バイエル社製「グルコバイ(登録商標)」等)などが用いられている。 しかし、これらの療法は、過度に行うと健康を害したり、リバウンドによって逆に体重が増えたり、継続的、長期的な実行が困難である等の問題がある。特に薬物療法の場合、副作用の問題が生じやすい。また、薬物療法に用いられる薬剤は医薬品であり、容易に使用できるものではない。 これまでに、乳酸菌等の微生物により肥満を抑制する試みもなされている。例えば非特許文献1には、生きたまま乾燥したビフィドバクテリウム・ビフィダムG9−1株を10%混合した餌を食餌性高脂血症(ExHC)ラット、肥満(Wistar fatty)ラット、肥満・糖尿病(KK−Ay)マウスに給餌すると、血中や肝におけるトリアシルグリセロールやコレステロールが低下したことが報告されている。しかし、この菌株を用いる場合、効果を得るためには菌を餌に多量に混餌する必要があり、有効量を日常的、継続的に摂取することは難しい。 また、共役リノール酸(conjugated linoleic acid(CLA))が抗肥満作用等の生理活性を有することが知られている。例えば非特許文献2では、動物実験で、CLAを餌に0、0.25、0.5、1%混餌すると、0.5%以上で濃度依存的に体重や体脂肪が減少したことが報告されている。 CLAについては、ビフィドバクテリウム属菌等の細菌がリノール酸(linoleic acid(LA))をCLAに変換する能力(CLA変換能)を有することが知られており、かかる細菌を利用した技術も種々提案されている。例えば特許文献1には、ビフィドバクテリウム・ブレーベCBG−C2株、ビフィドバクテリウム・シュードカルテヌラータムCBG−C4株、エンテロコッカス・フェシウムCBG−C5株が高いCLA変換能を有することが開示され、表1には、ビフィドバクテリウム・ブレーベCBG−C2株が、54.7%という高いCLA転換率でLAをCLAに変換したことが記載されている。また、特許文献1には、これらの細菌の菌体を有効成分とするCLA生成用組成物を、CLAにより抑制される疾患(癌、動脈硬化、糖尿病、肥満等)の予防又は治療に用いることも開示されている。 しかし、肥満の治療や肥満防止のためのダイエット等を目的としてCLAや高いCLA変換能を有する細菌を投与した場合、副作用が生じるおそれがある。 CLAの副作用については、例えば非特許文献3に、マウスの餌に1%のCLAを混合して8ヶ月間投与すると、脂肪組織の萎縮、インスリン値の上昇、耐糖能の低下がみられることが報告されている。また非特許文献4に、ヒトが毎日3g程度のCLAを継続的に摂取すると、インスリン感受性が低下し、尿中の酸化マーカーが上昇するなど、耐糖能が悪くなることが報告されている。 また、日本人の平均的なLA摂取量は11g程度である(非特許文献5参照)ことから、高いCLA変換能を有する細菌を投与した場合、CLAが多量に生成する。例えば11gのLAが上述した54.7%という転換率でCLAに変換されると、6.02gのCLAが生成することとなる。このように多量のCLAが生成すると、上記のような副作用が引き起こされることが懸念される。特表2005−522216号公報「ビフィズス菌の肥満・糖尿病疾患モデル動物に対する効果」、医学のあゆみ、205(4), 273-274 (2003)"Conjugated linoleic acid rapidly reduces body fat content in mice without affecting energy intake", The American Journal of Physiology, 276, 1172-1179 (1999)"Conjugated Linoleic Acid Supplementation Reduces Adipose Tissue by Apoptosis and Develops Lipodystrophy in Mice", DIABETES, 49, 1534-1541 (2000)"Effects of cis-9, trans-11 conjugated linoleic acid supplementation on insulin sensitivity, lipid peroxidation, and proinflammatory markers in obese men", The American Journal of Clinical Nutrition, 80, 279-283 (2004)「リノール酸摂取量の現状」、脂質栄養学、11, 25-31 (2002) 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善に有効で、安全性にも優れた抗肥満剤及び耐糖能改善剤並びにそれらを含有する飲食品を提供することを目的とする。 本発明者は、鋭意検討を行った結果、共役リノール酸への変換能が低いビフィドバクテリウム・ブレーベが、共役リノール酸には依存せずに抗肥満作用と、耐糖能改善作用とを有することを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。 上記課題を解決する本発明は以下の態様を有する。 (1)下記手順により求められるリノール酸から共役リノール酸への変換率が10%以下のビフィドバクテリウム・ブレーベを有効成分とする抗肥満剤。 リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、下記式により、リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を求める。 変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100 (2)前記ビフィドバクテリウム・ブレーベは、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株及び/又はビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株である(1)に記載の抗肥満剤。 (3)(1)又は(2)に記載の抗肥満剤を含有する抗肥満用飲食品。 (4)下記手順により求められるリノール酸から共役リノール酸への変換率が10%以下のビフィドバクテリウム・ブレーベを有効成分とする耐糖能改善剤。 リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、下記式により、リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を求める。 変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100 (5)前記ビフィドバクテリウム・ブレーベは、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株及び/又はビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株である(4)に記載の耐糖能改善剤。 (6)(4)又は(5)に記載の耐糖能改善剤を含有する耐糖能改善用飲食品。 また、本発明は以下の側面を有する。 <1>抗肥満又は耐糖能改善における使用のためのビフィドバクテリウム属細菌であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌。 <2>ビフィドバクテリウム属細菌の抗肥満又は耐糖能改善のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌の使用。 <3>ビフィドバクテリウム属細菌の抗肥満又は耐糖能改善のための組成物、より好ましくは医薬組成物の製造のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌の使用。 <4>抗肥満又は耐糖能改善における使用のためのビフィドバクテリウム属細菌、及び医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記医薬組成物。 <5>ビフィドバクテリウム属細菌、及び医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物の抗肥満又は耐糖能改善のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記医薬組成物の使用。 <6>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<1>に記載のビフィドバクテリウム属細菌。 <7>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<6>に記載のビフィドバクテリウム属細菌。 <8>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<2>又は<3>に記載のビフィドバクテリウム属細菌の使用。 <9>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<8>に記載のビフィドバクテリウム属細菌の使用。 <10>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<4>に記載の医薬組成物。 <11>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<10>に記載の医薬組成物。 <12>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<5>に記載の医薬組成物の使用。 <13>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<12>に記載の医薬組成物の使用。 <14>ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする抗肥満剤又は耐糖能改善剤であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 <15>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<14>に記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 <16>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<15>に記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 <17> <14>〜<16>のいずれかに記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤を含有する、抗肥満用飲食品又は耐糖能改善用飲食品。 <18>ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)である菌株。 <19>抗肥満又は耐糖能改善における使用のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株。 <20>ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の抗肥満又は耐糖能改善のための使用。 <21>ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の抗肥満又は耐糖能改善のための組成物の製造のための使用。 <22>抗肥満又は耐糖能改善における使用のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株、並びに医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物。 <23>ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株、並びに医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物の抗肥満又は耐糖能改善のための使用。 <24>ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株を有効成分とする抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 <25>肥満の治療又は予防の方法であって、肥満の治療又は予防を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム属細菌の肥満の治療又は予防に有効な量を投与することからなり、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有する、前記肥満の治療又は予防の方法。 <26>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<25>に記載の肥満の治療又は予防の方法。 <27>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<26>に記載の肥満の治療又は予防の方法。 <28>耐糖能の改善の方法であって、耐糖能の改善を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム属細菌の耐糖能の改善に有効な量を投与することからなり、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有する、前記耐糖能の改善の方法。 <29>前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、<28>に記載の耐糖能の改善の方法。 <30>前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、<29>に記載の耐糖能の改善の方法。 <31>肥満の治療又は予防の方法であって、肥満の治療又は予防を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の肥満の治療又は予防に有効な量を投与することからなる、前記肥満の治療又は予防の方法。 <32>耐糖能の改善の方法であって、耐糖能の改善を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の耐糖能の改善に有効な量を投与することからなる、前記耐糖能の改善の方法。 本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善に有効で、安全性にも優れた抗肥満剤及び耐糖能改善剤、並びにそれらを含有する飲食品を提供することができる。また、本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善、インスリン抵抗性の改善に有効で、安全性にも優れた、ビフィドバクテリウム属細菌、特にビフィドバクテリウム・ブレーベ及びそれを含有する医薬組成物を提供することができる。試験例2における対照群及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株投与群の体重増加量の推移を示すグラフである。試験例2における対照群及びビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株投与群の体重増加量の推移を示すグラフである。試験例2における精巣上体付属脂肪組織重量の測定結果を示すグラフである。試験例2におけるHOMA−IR(Homeostasis model assessment of insulin resistance)値の測定結果を示すグラフである。 本発明に用いられるビフィドバクテリウム属細菌に属するビフィドバクテリウム・ブレーベ(以下、B.ブレーベ又はB. breveと記載する。)は、下記手順により求められるリノール酸(LA)から共役リノール酸(CLA)への変換率(以下、CLA変換率ということがある。)が10%以下のB.ブレーベである。 LAを500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記B.ブレーベの菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成したCLA量を測定し、下記式により、CLA変換率(%)を求める。 変換率(%)=(生成したCLA量/添加したLA量)×100 前記「生成したCLA量」は、例えば以下の手順で測定できる。 まず、48時間培養後の前記液体培地を遠心分離する。 その上清を回収し、前記上清の2倍体積量のイソプロピルアルコールを添加、混合した後、前記上清の1.5倍量のヘキサンを添加し、3分間混合し、静置してヘキサン層を回収する。前記ヘキサン層について、233nmの吸光度を測定し、標準物質(cis-9, trans-11 conjugated linoleic acid)との比較により、前記ヘキサン層中のCLA濃度(μg/mL)を求め、前記上清に含まれるCLA酸量(μg)を算出する。 別途、上清の回収後に残った残渣に5倍量の蒸留水を添加、混合して懸濁させ、前記懸濁液の2倍体積量のイソプロピルアルコールを添加、混合した後、前記懸濁液の1.5倍量のヘキサンを添加し、3分間混合し、静置してヘキサン層を回収する。前記ヘキサン層について、前記と同様にしてCLA濃度(μg/mL)を求め、前記残渣に含まれるCLA量(μg)を算出する。 上清、残渣それぞれに含まれるCLAの合計量が「生成したCLA量」となる。 液体培地としては、B.ブレーベを培養可能なものであればよく、公知の液体培地のなかから適宜選択できる。具体的には、MRS(de Man Rogossa Sharpe)培地、ABCM(anaerobic bacterial culture medium)培地、RCA(Reinforced clostridial agar)培地等が挙げられる。 なお、ここでは標準物質としてcis-9, trans-11 conjugated linoleic acidを用いる例を示したが、別の異性体、例えばtrans-10, cis-12 conjugated linoleic acidを用いた場合でも、算出されるCLA量はほぼ同じである。 前記CLA変換率は、前記B.ブレーベが有するCLA変換能(LAをCLAに変換する能力)の大きさを示す指標である。 CLA変換率が10%以下のB.ブレーベ(以下、CLA低変換性B・ブレーベということがある。)は、CLAによらない抗肥満作用を有する。 「抗肥満作用」は、体重増加抑制、体脂肪増加抑制等により肥満を予防又は改善する作用を意味する。 本発明における「肥満」とは、単に体重が多いことを意味するのではなく、体構成成分中、脂肪組織の占める割合が異常に増加した状態を意味する。 近年、皮下脂肪、内臓脂肪等の蓄積について、皮下組織にたまる皮下脂肪型肥満よりも、臓器の間にたまる内臓脂肪型肥満の方が高血圧、高脂血症、糖尿病などの成人病を合併しやすいことが報告されている。CLA低変換性B.ブレーベは、後述する試験例2に示すとおり、体重増加抑制効果を有し、特に内臓脂肪の蓄積を抑制する効果を有する。そのため、本発明の抗肥満剤及び前記抗肥満剤を含有する飲食品は、これらの疾患の予防又は治療に有効である。 また、CLA低変換性B.ブレーベは、LAをCLAに変換する能力が低いため、CLAによる副作用、例えば脂肪組織の萎縮、インスリン値の上昇、耐糖能の低下等が生じるおそれが少ない。すなわち、前記非特許文献5に記載のとおり、日本人の平均的なLA摂取量は11g程度であり、CLA変換能が高いと、生体内でLAがCLAに変換されてCLAによる副作用が生じるおそれがあるが、本発明に用いられるB.ブレーベは前記変換率が低いため、CLAによる副作用は生じないと推測され、非常に安全である。 従って、本発明の抗肥満剤は、安全に摂取することができ、前記抗肥満剤を飲食品に配合して肥満患者又はダイエットが必要な健康なヒトやペットに日常的、又は必要に応じて長期的に有効量を摂取させ、抗肥満作用を奏することができる。 また、CLA低変換性B.ブレーベは、CLAによる副作用の1つである耐糖能の異常を生じることなく、逆に、後述する試験例2に示すとおり、耐糖能の改善作用やインスリン抵抗性の改善作用を有している。 従って、本発明の耐糖能改善剤は、安全に摂取することができ、前記耐糖能改善剤を飲食品に配合して糖尿病患者又は耐糖能の改善が必要な健康なヒトやペットに日常的、又は必要に応じて長期的に有効量を摂取させ、耐糖能改善作用やインスリン抵抗性改善作用を奏することができる。 本発明に用いられるCLA低変換性B.ブレーベは、前記CLA変換率が10%以下のものであればよく、例えばヒト乳児の糞便などの試料から分離・同定された新規なB.ブレーベ菌株や公知のB.ブレーベ菌株について前記の手順によりCLA変換率を求め、10%以下のものを適宜選択すればよい。 CLA低変換性B.ブレーベ菌株としては、例えば、B.ブレーベMCC1274株、B.ブレーベATCC15700株等が挙げられる。 B.ブレーベMCC1274株は、以下に示す手順で本出願人が取得、同定した、ビフィドバクテリウム属細菌に属する菌株であり、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に2009年8月25日に寄託されている(受託番号:FERM BP−11175)。 (B.ブレーベMCC1274株の取得及び同定) 日本人乳児の糞便をサンプルとし、前記サンプルを嫌気性希釈液(「腸内菌の世界」(光丘知足著、1980年叢文社発行)の第322頁記載の希釈液)で希釈し、BL寒天培地(前記「腸内菌の世界」の第319頁記載)の平板に塗布し、37℃で72時間嫌気培養した。得られたコロニーの中で、ビフィドバクテリウム属細菌特有の形態を示し、かつ塗布標本の顕微鏡観察により、グラム陽性であり、棒状、棍棒状又は分岐状の菌形を示している菌を釣菌し、BL寒天培地に画線塗布し、前記と同様の方法で嫌気培養を反復し、純粋単離された菌株を得た。前記菌株をB.ブレーベMCC1274株と命名した。 B.ブレーベMCC1274株の菌学的性質として、細胞の形態、運動性、胞子形成、グラム染色性、カタラーゼ、グルコースからのガスの産生、糖の発酵性を調べた。糖の発酵性は、API 50CH(bioMerieux Japan製)を用い、キットに付属のマニュアル記載の方法にしたがって判定した。すなわち、1晩培養後の菌液を各基質に接種し、これを37℃の嫌気グローボックス中で培養し、培養7日目に各基質の糖発酵性状を判定した。それらの結果を表1に示す。 次に、B.ブレーベMCC1274株の遺伝学的性質を調べるため、前記菌株の16S rRNA遺伝子塩基配列を常法により同定した。B.ブレーベMCC1274株の16S rRNA遺伝子塩基配列について、米国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のデータベースより、BLAST解析により、前記塩基配列についての相同性検索を行ったところ、B.ブレーベの基準株であるB.ブレーベCM1192T株と99%の相同性があり、ビフィドバクテリウム・ブレーベと同種であることが示された。 以上の結果から、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株はビフィドバクテリウム・ブレーベの菌学的性質を有しており、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する菌株であることが確認された。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤が有効成分として含有するCLA低変換性B.ブレーベは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。 また、本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤は、前記有効成分のみからなるものであってもよく、前記有効成分と、有効成分以外の任意成分とを配合した組成物、又は医薬組成物であってもよい。前記任意成分としては、医薬として許容され得るものであれば特に限定されず、従来、医薬組成物に配合されている添加剤(例えば後述する製剤担体等)を配合できる。 本発明は、肥満の治療又は予防を必要とする対象に、本発明に係るB.ブレーベの肥満の治療又は予防に有効な量を投与することにより、かかる対象の肥満の治療又は予防の方法を提供するものである。 また、本発明は、耐糖能の改善を必要とする対象に、本発明に係るB.ブレーベの耐糖能の改善に有効な量を投与することにより、かかる対象の耐糖能の改善の方法を提供するものである。 ここで、肥満の「治療」とは、対象の体重を減少又は維持するための本発明の抗肥満剤の投与を示す。治療の1つの結果として、本発明の抗肥満剤の投与開始直前の対象の体重と比較したとき、その対象の体重の減少が挙げられる。また、治療の別の結果として、本発明の抗肥満剤の投与開始直前の対象の体重と比較したとき、その対象の体重の増加の抑制が挙げられる。 ここで、肥満の「予防」とは、肥満のリスクを持つ対象の体重を減少又は維持するための本発明の抗肥満剤の投与を示す。予防の1つの結果として、本発明の抗肥満剤の投与開始直前の「肥満のリスクを持つ対象」の体重と比較したとき、その対象の体重の維持又は減少が挙げられる。また、予防の別の結果として、本発明の抗肥満剤の投与開始直前の対象の体重と比較したとき、その対象の体重の増加の抑制が挙げられる。 ここで、耐糖能の「改善」とは、対象の耐糖能を維持又は向上させるための本発明の耐糖能改善剤の投与を示す。耐糖能改善の1つの結果として、本発明の耐糖能改善剤の投与開始直前の対象の耐糖能と比較したとき、その対象の耐糖能の維持又は向上が挙げられる。また、耐糖能改善の別の結果として、本発明の耐糖能改善剤の投与開始直前の対象の耐糖能と比較したとき、その対象の耐糖能の低下の抑制が挙げられる。 抗肥満剤又は耐糖能改善剤「の投与」及び/又は抗肥満剤又は耐糖能改善剤「を投与する」とは、治療、予防又は改善を必要とする対象に本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤を与えることを意味する。 本明細書において、治療、予防又は改善を必要とする「対象」とは、治療、予防、改善、観察、又は実験の対象となった動物であり、好ましくは哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。 治療、予防又は改善を必要とする「対象」とは、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医が定めた治療、予防又は改善の方法を必要とする対象である。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤の投与経路は、経口、非経口のいずれでもよく、好ましくは経口である。非経口の投与経路としては、経直腸等が挙げられる。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤の投与量は、特に限定されず、期待する抗肥満効果又は耐糖能改善効果に応じ、使用するCLA低変換性B.ブレーベが有する抗肥満作用又は耐糖能改善作用や投与経路等を考慮して適宜設定すればよい。 例えばB.ブレーベMCC1274株及び/又はB.ブレーベATCC15700株を有効成分とし、経口にて投与する場合、肥満の治療又は予防、或いは耐糖能改善のための有効な量としての1日投与量は、通常、体重1kgあたりの菌数(CFU/kg体重)に換算して、1×106CFU/kg体重以上であることが好ましく、1×108CFU/kg以上がより好ましい。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤は、1日投与量の全量を1回で投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤は、投与方法に応じ、適宜所定の剤形に製剤化することができる。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤の剤形としては、例えば経口投与の場合、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤などの液剤;等が挙げられる。また、非経口投与の場合、座剤、軟膏剤、噴霧剤等が挙げられる。 製剤化は、剤形に応じ、適宜公知の方法により実施できる。 製剤化に際しては、有効成分のみを製剤化してもよく、適宜、製剤担体を配合して製剤化してもよい。 製剤担体を配合する場合、本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤中の有効成分の配合量は、特に制限はなく、散剤、錠剤、又はカプセル剤等の剤形に合わせて適宜決定すればよい。含有菌量としては、通常、1×106〜1×1012CFU/gの範囲であることが好ましく、1×108〜1×1012CFU/gがより好ましく、1×1010〜1×1012CFU/gが特に好ましい。 前記製剤担体としては、剤形に応じ、医薬として許容され得る、慣用の各種有機又は無機の担体を用いることができる。 例えば固形製剤の場合の担体としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。 賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。 結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マグロゴール等が挙げられる。 崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。 滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。 安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。 矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。 経口投与用の液剤の場合の担体としては、水などの溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。 本発明の抗肥満剤又は耐糖能改善剤は、各種医薬品、食品、栄養剤等に添加して用いることができる。 本発明の抗肥満用飲食品は、上述した本発明の抗肥満剤を含有する。前記抗肥満用飲食品を摂取することにより、本発明の抗肥満剤を投与する場合と同様の効果が得られる。 本発明の抗肥満用飲食品は、体脂肪増加抑制、体脂肪減少等によるシェイプアップ、ダイエット等にも有用である。 本発明の抗肥満用飲食品における抗肥満剤の含有量は、特に制限はないが、効果的な抗肥満効果のための1日あたりの投与量を無理なく摂取できる程度の量のCLA低変換性B.ブレーベを含有することが好ましく、通常、1×106〜1×1012CFU/gの範囲内であることが好ましく、1×108〜1×1012CFU/gがより好ましく、1×1010〜1×1012CFU/gが特に好ましい。 本発明の抗肥満用飲食品は、抗肥満剤と、飲食品に含有させることが許容される他の成分とを原料として製造されたものであってもよく、また、本発明の抗肥満剤を、他の成分を含む既存の飲食品に添加したものであってもよい。 例えば、本発明の抗肥満用飲食品が発酵乳である場合、抗肥満用飲食品は、発酵乳にCLA低変換性B.ブレーベを添加したものであってもよく、CLA低変換性B.ブレーベをスターター菌として用いた発酵乳であってもよい。 飲食品に含まれる他の成分としては、食品衛生法などの食品規定で飲食品への使用が認められているものであれば、抗肥満作用を損なわない限り特に制限なく用いることができる。例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を含有させることができる。 飲食品の形態は特に制限されず、CLA低変換性B.ブレーベと飲食品として許容される担体とからなる可食性組成物のいかなる形態ものも含む。例えば、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、菓子、シリアル類等の固形食品、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー等のジャム状、クリーム状又はゲル状食品、ジュース、コーヒー、ココア等の飲料等のあらゆる食品形態にすることが可能である。また、調味料、食品添加剤等に配合することもできる。 本発明の抗肥満用飲食品が、CLA低変換性B.ブレーベをスターター菌として用いた発酵乳である場合、発酵に際しては、CLA低変換性B.ブレーベを単独で用いてもよく、CLA低変換性B.ブレーベと他のスターター菌との混合培養を行ってもよい。 他のスターター菌としては、一般的に発酵乳の製造に用いられているものが使用でき、例えば他のビフィドバクテリウム属細菌(ビフィズス菌:B.シュードカテヌラータム、B.カテヌラータム、B.ビフィダム、B.ロンガム、B.インファンティス、B.アドレスセンティス等)や、発酵乳のスターター菌として公知の乳酸菌を用いることができる。かかる乳酸菌の具体例としては、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ガセリ等が挙げられる。 発酵乳は、公知の方法により製造することができる。発酵乳の製造方法の一例を以下に示す。 まず、原料乳を含む原料ミックスを調製する。前記原料ミックスには、原料乳のほかに、所望に応じて油脂、糖類、水などのその他成分を配合することができる。例えば、油脂として、バターやクリームなどの脂肪を含有する原料を配合することができる。糖類として、蔗糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、デキストリン、還元麦芽糖等の通常の甘味剤を配合することができる。ハードヨーグルトを製造する場合は、予め膨潤したゼラチン及び/又は予め溶解した寒天溶液を配合することができる。ソフトヨーグルトを製造する場合は、ホエー蛋白質や増粘多糖類を配合することができる。ドリンクヨーグルトを製造する場合は、安定化剤としてハイメトキシルペクチンを0〜0.3質量%添加してもよいが、ハイメトキシルペクチンを全く含まないことが好ましい。 原料ミックスを調製する方法は特に限定されず、例えば、原料乳に、所望に応じてその他成分を添加し、攪拌混合して原料ミックスを得ることができる。 ここで、原料ミックスにおける原料乳の配合率は、無脂乳固形分として1〜15質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。 次いで、原料ミックスに加熱殺菌処理を施す。殺菌方法及び加熱条件は特に限定されないが、85〜140℃の加熱温度が好ましく、加熱時間は、バッチ式の場合は5〜15分間が好ましく、HTST法の場合は2秒間〜15分間が好ましい。 続いて、加熱殺菌された原料ミックスに、スターター菌を接種して発酵を行う。スターター菌の接種量、発酵温度、発酵時間等の発酵条件は、スターター菌の種類、得ようとする発酵乳の種類や性状等に応じて適宜設定することができる。製品形態によっては、スターターを接種した後、容器に充填してから発酵させてもよく、発酵タンク内で発酵させてもよい。 発酵後、速やかに冷却して発酵乳を得る。製品の種類や性状によっては、冷却後に均質化する工程や、冷却後に調味液等の他の原料を添加して混合する工程を行ってもよい。 このようにして得られた発酵乳は、更なる加熱殺菌を施さず、ビフィズス菌を生菌として摂取できる生菌タイプの製品とすることができる。生菌タイプの製品は、10℃以下、好ましくは0〜5℃の低温下で保存、流通・販売される。 本発明にかかる抗肥満用飲食品は、抗肥満のためとの用途が表示された飲食品等、例えば「抗肥満用と表示された、抗肥満効果を有する飲食品」等として販売することが好ましい。 なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、例えば「抗肥満用」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、抗肥満効果を表す文言であれば、本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。例えば、肥満予防効果、肥満改善効果、体重増加抑制効果、体脂肪増加抑制効果、ダイエット効果等が挙げられ、これらのなかから選ばれる1以上の文言が表示された飲食品等として販売することが可能である。 また、同様に、肥満が原因ともされる高脂血症、高血圧症、糖尿病等の生活習慣病の予防及び/又は改善用として、生活習慣病の予防及び/又は改善するためとの用途が表示された飲食品等として販売することも可能である。 本発明にかかる耐糖能改善用飲食品は、耐糖能改善のためとの用途が表示された飲食品等、例えば「耐糖能改善用と表示された、耐糖能改善効果を有する飲食品」等として販売することが好ましい。 なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、例えば「耐糖能改善用」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、耐糖能改善効果を表す文言であれば、本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。 また、同様に、耐糖能の低下やインスリン抵抗性が原因ともされる糖尿病や生活習慣病の予防及び/又は改善用として、糖尿病の予防及び/又は改善するためとの用途が表示された飲食品、生活習慣病の予防及び/又は改善するためとの用途が表示された飲食品等として販売することも可能である。 前記「表示」の行為(表示行為)には、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」の行為に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為を表示行為として挙げることができ、さらに商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為、等を例示できる。 一方、表示される内容(表示内容)としては、各国の行政等によって認可された表示(例えば、各国の行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。 また、例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができる。特に、日本国においては、厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。 次に、試験例及び実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。<試験例1:CLA変換率の測定> LAを500μg/mLの濃度となるように添加したMRS培地(MRS(de Man Rogossa Sharpe)ブロス、Difco(登録商標)製品、ベクトン・ディッキンソン社製)にB.ブレーベ(MCC1274株又はATCC15700株)の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した。 その後、上清を回収し、前記上清の2倍体積量のイソプロピルアルコールを添加、混合した後、前記上清の1.5倍量のヘキサン添加し、3分間混合し、静置してヘキサン層を回収した。前記ヘキサン層について、233nmの吸光度を測定し、標準物質(cis-9, trans-11 conjugated linoleic acid)を用いて検量線を作成し、前記検量線を用いて、前記ヘキサン層中のCLA濃度(μg/mL)を求め、前記上清に含まれるCLA酸量(μg)を算出した。 別途、上清の回収後に残った残渣に5倍量の蒸留水を添加、混合して懸濁させ、前記懸濁液の2倍体積量のイソプロピルアルコールを添加、混合した後、前記懸濁液の1.5倍量のヘキサンを添加し、3分間混合し、静置してヘキサン層を回収した。前記ヘキサン層について、前記と同様にしてCLA濃度(μg/mL)を求め、前記残渣に含まれるCLA量(μg)を算出した。 上清、残渣それぞれに含まれるCLAの合計量を「生成したCLA量」とし、下記式により、LAからCLAへの変換率(%)を求めた。その結果を表2に示す。 変換率(%)=(生成したCLA量/添加したLA量)×100 下記結果に示すとおり、2株(MCC−1274株、ATCC−15700株)ともCLA変換率は10%以下であった。<試験例2:食餌誘導性肥満モデルマウスへのCLA低変換能B.ブレーベの投与効果の検討> C57BL/6J雄マウスを1群6匹とし、合計18匹使用した。4週間、45%高脂肪食を投与して肥満させた後、対照群には10%脱脂粉乳を、MCC1274株投与群にはMCC1274株を懸濁した10%脱脂粉乳を、ATCC15700株投与群にはATCC15700株を懸濁した10%脱脂粉乳を、それぞれ餌に混ぜ、8週間摂取させた。このとき、MCC1274株又はATCC15700株の懸濁量並びに餌への添加量は、1日あたりのB.ブレーベ摂取量が1匹あたり10億個となるようにした。また、餌としては、脂肪酸含量22質量%(うち、リノール酸量3.1質量%)の飼料を用いた。 試験期間中は体重のみ測定し、試験終了後、これらを屠殺、解剖して体重及び精巣上体付属脂肪組織重量を測定した。 試験期間中の体重増加量の推移を図1〜2に示す。図1〜2の結果から、全群とも体重が増加したが、対照群と比較してMCC1274株又はATCC15700株を投与した2群で有意に体重の増加が抑制されたことが確認された(対照群と比較して試験群では約18%以上が減少し、p<0.05で有意差があった)。 また、解剖時の精巣上体付属脂肪組織重量を図3に示す。図3の結果から、解剖時の精巣上体付属脂肪組織重量は対照群2.66g、MCC1274株投与群2.17g、ATCC15700株投与群2.32gであり、MCC1274株又はATCC15700株によって脂肪重量の増加が抑制されたことが確認された(対照群と比較してMCC1274群では18.4%、ATCC15700群では12.8%減少し、p<0.05で有意差があった)。 以上の結果から、B.ブレーベMCC1274株及びATCC15700株の各菌株は、体重増加抑制作用、体脂肪増加抑制作用等の抗肥満作用を有し、とりわけ体脂肪の増加(蓄積)を抑制することが明らかになった。 さらに、解剖時の血中インスリン値及び血糖値を常法により測定し、その測定値から、下記数式(1)により、インスリン抵抗性の指標となるHOMA−IR値を算出した。HOMA−IR値=血糖値(mg/dL)×血中インスリン値(μIU/mL)÷405 …(1) その結果、図4に示すとおり、対照群32.10、MCC1274株投与群11.87、ATCC15700株投与群10.55であり、B.ブレーベMCC1274株又はATCC15700株によって耐糖能の改善、インスリン抵抗性の改善が認められた(対照群に比べてp<0.05で有意差あった)。 以上の結果から、B.ブレーベは共役リノール酸による副作用がないばかりでなく、耐糖能やインスリン抵抗性も改善することが明らかになった。 上記結果に示すとおり、CLA変換能が10%以下のCLA低変換性B.ブレーベは、食餌誘導性肥満マウスにおいて、体重増加抑制作用、体脂肪増加抑制作用等の抗肥満作用を示した。 ここで、上記試験例2において、CLA低変換性B.ブレーベにより、飼料中のLA(3.1%)がCLAに変換されたとすると、飼料中のCLA量は0.3%以下である。CLAによる食餌誘導性肥満マウスの抗肥満及び体脂肪減少には、飼料中に0.5%以上のCLAを混合する必要があるとされており(非特許文献5)、これらのことを考慮すると、CLA低変換性B.ブレーベが、CLAに依存しない抗肥満作用を有していることが示唆されるのである。<実施例1:粉末製剤> 還元脱脂粉乳培地(13重量%脱脂粉乳、0.5重量%酵母エキス含有)を95℃で30分間殺菌したのち、B.ブレーベATCC15700株のシードカルチャーを接種し、37℃で16時間培養し、得られた培養物を凍結乾燥してB.ブレーベATCC15700株の粉末製剤を得た。得られた粉末製剤中に含まれるB.ブレーベATCC15700株の菌数は8.5×1010CFU/gであった。 この粉末製剤は、このまま本発明の抗肥満剤、抗肥満用飲食品、耐糖能改善剤又は耐糖能改善用飲食品として使用し得る。<実施例2:粉末製剤> B.ブレーベATCC15700株の代わりにB.ブレーベMCC1274株を用いた以外は実施例1と同様にして粉末製剤を得た。得られた粉末製剤中に含まれるB.ブレーベMCC1274株の菌数は5.5×1010CFU/gであった。 この粉末製剤は、このまま本発明の抗肥満剤、抗肥満用飲食品、耐糖能改善剤又は耐糖能改善用飲食品として使用し得る。<実施例3:ヨーグルト> 0.5%(w/w)酵母エキス入り11%(w/w)脱脂粉乳培地1000mLを90℃で30分間殺菌し、B.ブレーベATCC15700株のシードカルチャーを100mL接種し、37℃16時間培養した。 別途、10%(w/w)還元脱脂乳培地1500mLを90℃で30分間殺菌し、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus、ハンゼン社製)及びラクトバチルス・ブルガリクス(Lacobacillus bulgaricus、ハンゼン社製)の混合カルチャー50mLを接種し、42℃で5時間培養した。 これとは別に、乳脂肪3.0%(w/w)、無脂乳固型分9%(w/w)からなる生乳50Lを70℃に加温し、15Mpaの圧力で均質し、90℃で10分間殺菌し、40℃に冷却した。この殺菌したベースに、前培養したB.ブレーベATCC15700株のカルチャー750mL及びストレプトコッカス・サーモフィルスとラクトバチルス・ブルガリクスの混合カルチャー300mLを接種し、アルミが挟み込まれた多層容器(500mL容量)に充填し、密封し、37℃で、pHが4.6になるまで培養し、直ちに冷却した。 得られたヨーグルトは、乳酸酸度0.81%で、B.ブレーベATCC15700株を1.1×108CFU/mL含有していた。 このヨーグルトは、このまま本発明の抗肥満用飲食品又は耐糖能改善用飲食品として使用し得る。<実施例4:ヨーグルト> B.ブレーベATCC15700株の代わりにB.ブレーベMCC1274株を用いた以外は、実施例3と同様にしてヨーグルトを得た。 得られたヨーグルトは、B.ブレーベMCC1274株を8.5×107CFU/mL含有していた。 このヨーグルトは、このまま本発明の抗肥満用飲食品又は耐糖能改善用飲食品として使用し得る。 本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善に有効で、安全性にも優れた抗肥満剤及び耐糖能改善剤並びにそれらを含有する飲食品を提供することができる。また、本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善やインスリン抵抗性の改善に有効で、安全性にも優れた、ビフィドバクテリウム属細菌、特にビフィドバクテリウム・ブレーベ及びそれを含有する医薬組成物を提供することができる。 FERM BP−11175 抗肥満又は耐糖能改善における使用のためのビフィドバクテリウム属細菌であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌。 ビフィドバクテリウム属細菌の抗肥満又は耐糖能改善のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌の使用。 ビフィドバクテリウム属細菌の抗肥満又は耐糖能改善のための組成物の製造のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記ビフィドバクテリウム属細菌の使用。 抗肥満又は耐糖能改善における使用のためのビフィドバクテリウム属細菌、及び医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記医薬組成物。 ビフィドバクテリウム属細菌、及び医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物の抗肥満又は耐糖能改善のための使用であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記医薬組成物の使用。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項1に記載のビフィドバクテリウム属細菌。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項6に記載のビフィドバクテリウム属細菌。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項2又は3に記載のビフィドバクテリウム属細菌の使用。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項8に記載のビフィドバクテリウム属細菌の使用。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項4に記載の医薬組成物。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項10に記載の医薬組成物。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項5に記載の医薬組成物の使用。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項12に記載の医薬組成物の使用。 ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする抗肥満剤又は耐糖能改善剤であって、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項14に記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項15に記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 請求項14〜16のいずれか一項に記載の抗肥満剤又は耐糖能改善剤を含有する、抗肥満用飲食品又は耐糖能改善用飲食品。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)である菌株。 抗肥満又は耐糖能改善における使用のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の抗肥満又は耐糖能改善のための使用。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の抗肥満又は耐糖能改善のための組成物の製造のための使用。 抗肥満又は耐糖能改善における使用のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株、並びに医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株、並びに医薬として許容され得る担体を含有する医薬組成物の抗肥満又は耐糖能改善のための使用。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株を有効成分とする抗肥満剤又は耐糖能改善剤。 肥満の治療又は予防の方法であって、肥満の治療又は予防を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム属細菌の肥満の治療又は予防に有効な量を投与することからなり、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有する、前記肥満の治療又は予防の方法。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項25に記載の肥満の治療又は予防の方法。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項26に記載の肥満の治療又は予防の方法。 耐糖能の改善の方法であって、耐糖能の改善を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム属細菌の耐糖能の改善に有効な量を投与することからなり、 前記ビフィドバクテリウム属細菌は、リノール酸を500μg/mLの濃度となるように添加した液体培地中に前記ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を2×107CFU/mLとなるように懸濁し、37℃で48時間培養した後、生成した共役リノール酸量を測定し、前記リノール酸から共役リノール酸への変換率(%)を、式:変換率(%)=(生成した共役リノール酸量/添加したリノール酸量)×100で求めたとき、10%以下の前記リノール酸から共役リノール酸への変換率を有する、前記耐糖能の改善の方法。 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである請求項28に記載の耐糖能の改善の方法。 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される、請求項29に記載の耐糖能の改善の方法。 肥満の治療又は予防の方法であって、肥満の治療又は予防を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の肥満の治療又は予防に有効な量を投与することからなる、前記肥満の治療又は予防の方法。 耐糖能の改善の方法であって、耐糖能の改善を必要とする対象に、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)及びビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株からなる群より選択される菌株の耐糖能の改善に有効な量を投与することからなる、前記耐糖能の改善の方法。 本発明は、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする抗肥満剤又は耐糖能改善剤であって、前記ビフィドバクテリウム属細菌は、10%以下のリノール酸から共役リノール酸への変換率を有することを特徴とする、前記抗肥満剤又は耐糖能改善剤等に関する。本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善に有効で、安全性にも優れた抗肥満剤及び耐糖能改善剤並びにそれらを含有する飲食品を提供することができる。また、本発明によれば、肥満の予防若しくは治療又は耐糖能の改善に有効で、安全性にも優れた、ビフィドバクテリウム属細菌、特にビフィドバクテリウム・ブレーベ及びそれを含有する医薬組成物を提供することができる。20110422A16333全文3 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)である菌株。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を有効成分とする耐糖能改善剤。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を有効成分とする抗肥満剤。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を含有する飲食品。 ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株を有効成分とする耐糖能改善剤。 請求項5に記載の耐糖能改善剤を含有する飲食品。 ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株を有効成分とする抗肥満剤。 請求項7に記載の抗肥満剤を含有する飲食品。20110706A16333全文3 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)である菌株。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を有効成分とする耐糖能改善剤。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を有効成分とする抗肥満剤。 ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株(FERM BP−11175)を含有する飲食品。 ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株を有効成分とする耐糖能改善剤。 ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株を有効成分とする抗肥満剤。