タイトル: | 再公表特許(A1)_微細藻類の培養装置 |
出願番号: | 2010056008 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C12M 1/00 |
貞松 久人 JP WO2010116946 20101014 JP2010056008 20100401 微細藻類の培養装置 株式会社エフティエルインターナショナル 300019490 茅原 裕二 100130410 貞松 久人 JP 2009091674 20090406 C12M 1/00 20060101AFI20120921BHJP JPC12M1/00 E AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20121018 2011508345 14 4B029 4B029AA02 4B029BB04 4B029CC01 4B029DA03 4B029DG10本発明は、微細藻類を培養する培養タンクと、そのタンク内に光を照射する照明装置とを備えた微細藻類の培養装置に関する。この種の培養装置によって商業的に大量培養される微細藻類としては、淡水性単細胞緑藻の一種であるヘマトコッカス藻 (Haematococcus pluvialis)などがある。ヘマトコッカス藻は、2本の鞭毛を有する直径20μm程度の微細な植物プランクトンであって、その増殖期においては、光合成を司るクロロフィルの含量が多く、体色が緑色を呈しているが、成熟期になると、体内に赤色の天然色素であるアスタキサンチン(astaxanthine)を生成・蓄積して、体色が緑色から褐色に変化し、更には赤色へと変化する。赤色色素のアスタキサンチンを蓄積したヘマトコッカス藻の乾燥加工品は、マダイなどの赤色養殖魚の色揚げ剤や鶏卵の卵黄着色剤として、養殖魚や鶏の配合飼料に添加使用されている。また、ヘマトコッカス藻から抽出したアスタキサンチンは、生物の体内に発生する活性酸素を抑制して紫外線や脂質過酸化から生体を防御する抗酸化力に優れていることから、化粧品や健康補助食品、健康飲料等に使用されており、近年その需要が著しく増大している。このアスタキサンチンの需要増大に伴って、高品質のヘマトコッカス藻を効率的に大量培養することが可能な培養装置の開発が進められている。微細藻類を培養する従来装置としては、屋外に設置した開放型の培養タンク内に太陽光を照射して微細藻類の光合成を促進させる屋外型(オープンポンド方式)と、屋内に設置した密閉型の培養タンク内に人工照明光を照射して微細藻類の光合成を促す屋内型とがある。しかし、太陽光に依存する屋外型の培養装置は、微細藻類の光合成が日照時間に左右され、その日照時間が季節や天候によって著しく変動するため、微細藻類の品質や生産量が一定しないという問題があり、更に、雨、風や野生生物などの外的要因により培養タンク内に異物等が入り込んで培養液が汚染されるリスクが大きいという問題もあった。これに対し、密閉型の培養タンク内に人工照明光を照射する屋内型の培養装置は、微細藻類の光合成を促す光の照射時間が季節や天候の変化によって変動することがなく、その照射時間を一定に制御することができるから、微細藻類の品質や生産量が安定し、また、外的要因によって培養タンク内の培養液が汚染されるリスクも小さいという利点がある。この屋内型の培養装置としては、培養タンクの外部から当該タンク内に光を照射する外部照射型と、培養タンクの内部から光を照射する内部照射型とがある。外部照射型の培養装置は、培養タンクのタンク本体が透明プラスチックや透明ガラス等の光透過性材料で形成されて、そのタンク本体の周りを囲うように、蛍光ランプやナトリウムランプ等で成る照明装置の光源が多数配置されたものが一般的である(特許文献1参照)。また、内部照射型の培養装置は、照明装置の光源もしくはその光源から光ファイバで伝送される光を放射する光放射体を収納した多数本の細長い透明ケースが、培養タンク内を密閉する当該タンクの上蓋に取付支持されて、培養液を充たした培養タンクのタンク本体内に一定の間隔で垂れ下がるように配置されたものが一般的である(特許文献2、3及び4参照)。しかしながら、外部照射型の培養装置は、緑色の体色を呈する微細藻類の培養濃度が高まって培養液中における光透過損失が増大すると、培養タンクの外部から照射する光がタンクの中程まで届き難くなって、微細藻類の光合成が低下するおそれがあるから、大容量の培養タンクを用いて微細藻類の高濃度培養・大量培養を行うことが困難であるという欠点があった。これに対し、内部照射型の培養装置は、例えば図5に示すように、照明装置の光源から光ファイバ41で伝送される光を放射する多数本の細長い発光担体(光放射体)42、42…が、培養タンク43内を密閉する当該タンクの上蓋44から培養液で充たされたタンク本体45内に垂直に垂れ下がるように配置されて、そのタンク本体45の内部から培養液中に光を照射する構成となっているので、タンク本体45が大容量のものであっても、その中程から胴部45a側にかけて略均等に光を照射することが可能である(特許文献2の図1参照)。また、図6に示す内部照射型の培養装置は、培養タンク61が、ポリカーボネート樹脂製のタンク本体62と、プラスチック製あるいは金属製の上蓋63とで形成されて、当該上蓋63には、透明なアクリル樹脂で形成された多数本の細長い円筒状の光源収納ケース64、64…が、等間隔で垂直に垂れ下がるように取り付けられている。そして、それら各ケース64の内部には、照明装置の光源となる多数の発光ダイオード(LED)が、直列的に接続されてケース64の長手方向に並ぶように配置された状態で収納されている。また、上蓋63の上面には、光源収納ケース64、64…内に収納されたLED光源を点灯させる制御装置65が設置されている(特許文献3の図3参照)。上記の如く構成された図6の培養装置は、同図(a)の如く、培養タンク61の上蓋63を閉じて、その上蓋63から垂れ下がるように取り付けられた多数本の光源収納ケース64、64…をタンク本体62内の培養液中に配置し、それらケース64、64…内に収納された照明装置のLED光源から放射される光をタンク本体62内に照射する。しかし、LED光源を収納するケース64、64…は、細長い円筒状のケースであるから、その円筒部64aの光放射面積に比べて、下端部64bの光放射面積が著しく小さい。そのため、光源収納ケース64の円筒部64aからタンク本体62の胴部62a方向へ照射される光量に比べて、光源収納ケース64の下端部64bからタンク本体62の底部62b方向へ照射される光量が著しく少ないので、タンク本体62内の光照射密度を全体的に均一なものとすることができず、タンク本体62の底部62b側のゾーンは、他のゾーンに比べて光照射密度が低いという欠点がある。また、光源収納ケース64、64…内に収納された光源の交換作業や保守点検作業を行うときは、図6(b)の如く、培養タンク61の上蓋63をタンク本体62から離脱させて上方に持ち上げるようにして開放し、その上蓋63に取り付けられた多数本の光源収納ケース64、64…を一括的にタンク本体62内から取り出さなければならないので、作業労力の負担が大きいという欠点がある。特に、微細藻類を大量培養するために培養タンク61の容量を大きくすると、上蓋63が大型化すると同時に、その上蓋63に取り付ける光源収納ケース64の使用本数も多くなって、上蓋63全体の重量が重くなるから、光源の交換作業や保守点検作業に要する労力の負担が著しく大きいものとなる。また、光源の交換作業や保守点検作業を行っている間は、培養タンク61の上蓋63が開放された状態となっているから、そのタンク内に微細藻類の繁殖を阻害する有害微生物や有害細菌等が侵入して培養液が汚染されるおそれがある。また、培養タンク61の外部に取り出された光源収納ケース64、64…の表面にゴミや埃、汚れ等の異物が付着して、その異物が、光源収納ケース64、64…を培養タンク61内に再設置する際にタンク本体62内に持ち込まれて培養液が汚染されるおそれもある。また、例えばヘマトコッカス藻の繁殖に適した培養温度は、15〜25℃程度とされているが、上蓋63で密閉された培養タンク61の内部に照明装置の光源を収納したケース64、64…内が配置されていると、その光源から放出される熱が培養タンク61の内部にこもって、培養液の温度が著しく上昇することがあるから、培養液の温度を適温に保つ冷却装置の負荷が大きくなって、冷却コストが嵩むという欠点がある。なお、図6の培養装置が有する上記のような欠点は、内部照射型の従来装置に共通する欠点であり、図5の培養装置も同様の欠点を有している。また、内部照射型の培養装置は、培養タンクの内部から培養液中に光を照射するが、その培養液が停滞していると、微細藻類に光が均一に当たらないため、培養液を攪拌・流動させる必要がある。そこで従来は、培養タンク内の培養液を攪拌・流動させるために、培養タンク内から培養液の一部をポンプで抜き出して再び培養タンク内に戻すように循環させる方法や、微細藻類の光合成に必要な炭酸ガス(CO2)を含むガスを培養タンク内に通気して培養液中に気泡を生じさせる方法、あるいは培養タンク内に回転翼を設ける方法等を用いている。例えば図5の培養装置は、培養タンク43内に配置された発光担体(光放射体)42、42…の下方に、ブロアー47によって送給されるCO2を含んだガスを培養液中に通気する通気管48が設置され、当該通気管48のノズル49、49…から放出されるガスの気泡が培養液中を立ち昇って培養液を攪拌するようになっている。しかしながら、微細藻類が増殖してその培養濃度が高まると、培養液の流動性が低下するため、その培養液中に気泡を立ち昇らせるのみでは、必要十分な撹拌効果が得られなくなる。なお、気泡の発生量を多くすれば、培養液の撹拌効果が向上するが、気泡の発生源となるガスを過剰に通気すると、微細藻類の生育を却って阻害するおそれがあるから、培養液中に大量の気泡を発生させることは好ましくない。また、図5の培養装置には、培養タンク43内の培養液をタンク本体45の底部45bに設けられた排水口46から抜き出す培養液引き抜きポンプ50と、当該ポンプで抜き出された培養液中から微細藻類を分離してその藻体を外部に排出する固液分離機51と、当該固液分離機で微細藻類が分離された培養液に培地を補給する培養液調整槽52と、その培養液を培養タンク43内に供給する培養液供給ポンプ53とを備えた培養液循環径路54が設けられているが、当該循環径路54を通じて培養タンク43に供給される培養液は、培養タンク43の上部に開口した供給口55からタンク本体45内に落とし込まれるだけであるから、その培養液によって培養タンク43のタンク本体45内に充たされた培養液を全体的に流動させることは困難である。なお、上述の回転翼によって培養液を攪拌・流動させる方法は、その回転翼によって培養液中の微細藻類にダメージを与えるおそれがあると同時に、回転翼を設置する培養タンクの構造が煩雑になってその設備も嵩むという欠点がある。特開平11−275994号公報特開平10−108565号公報特開2001−352968号公報特開2002−256号公報本発明は、外部照射型と内部照射型の培養装置が有する上述の欠点を一挙に解消することを目的としており、その目的を達成するために、培養タンク内に光を照射する照明装置の光源(もしくは光放射体)を培養タンクの外部に配置して、培養タンクを密閉状態にしたまま、前記光源の交換作業や保守点検作業を迅速且つ容易に行えるようにすると共に、前記光源から放出される熱によって培養タンク内の培養液の温度が上昇することを抑制し、更に、前記光源を培養タンクの外部に配置しても、培養タンクの内部全体にわたって必要十分な量の光を照射することができるようにすることを主たる技術的課題としている。上記課題を解決するために、本発明は、微細藻類を培養する培養タンクと、当該タンク内に光を照射する照明装置とを備えた微細藻類の培養装置において、前記培養タンクに、そのタンク本体を水平方向に貫通する多数本の透光性パイプが互いに間隔をあけて上下左右に並ぶように設けられ、前記照明装置の光源もしくは光放射体が、前記透光性パイプの開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれていることを特徴とする。本発明によれば、培養タンク内に光を照射する照明装置の光源もしくは光放射体が、培養タンクの内部に配置されずに、当該培養タンクのタンク本体を水平方向に貫通するように設けられた透光性パイプの開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれて、培養タンクの外部に配置されているから、培養タンクを密閉状態にしたまま、前記光源もしくは光放射体の交換作業や保守点検作業を迅速且つ容易に行うことができると同時に、その作業を行なう際に、培養タンクの内部に有害微生物や異物等が侵入して培養液が汚染されることを防止することができる。また、前記光源もしくは光放射体から放出される熱の一部を前記透光性パイプの開口端から大気中に逃がして、その熱による培養液の温度上昇を抑制することができる。また、前記光源もしくは光放射体が、培養タンクの外部に配置されていても、その光源もしくは光放射体から放射される光は、培養タンクのタンク本体を水平方向に貫通するように設けられた前記各透光性パイプの外周部からその周方向に沿って全方位的に放射されるので、培養タンク内の培養液中における微細藻類の培養濃度が高くても、その内部全体にわたって必要十分な量の光を照射することができる。したがって、大容量の培養タンクを用いて高品質の微細藻類を高効率・高濃度で大量培養することが可能となるという優れた効果がある。また、本発明によれば、培養タンクのタンク本体が不透明な材料で作られたものであっても、タンク本体の外部からその内部に光を照射することができるので、成形加工が容易で材料費も安いステンレス鋼板等の金属板で製作した安価な培養タンクを用いることができる。また、表面が光反射性を有するステンレス鋼板等の金属板によって培養タンクのタンク本体を製作すれば、当該タンク本体の内部に照射される光がその内面で反射して、タンク本体内の光照射密度が全体的に均一化するという効果も得られる。本発明の実施例に係る培養装置を構成する培養タンクを正面から見た縦断面図と培養タンク内の培養液を循環させる培養液循環径路を概略的に示す図。図1の培養タンクを側面から見た縦断面図。図1の培養タンクの上蓋が開放された状態の平面図。図1の培養タンク内に充たされた培養液を流動・攪拌させる機構を示す平面図。従来の培養装置を示す図。従来の培養装置を示す図。本発明に係る培養装置の実施形態は、ヘマトコッカス藻などの微細藻類を培養する培養タンクと、当該タンク内に光を照射する照明装置とを備え、培養タンクには、そのタンク本体を水平方向に貫通する多数本の透光性パイプが互いに間隔をあけて上下左右に並ぶように設けられ、培養タンク内に光を照射する照明装置の光源(もしくは光源から光ファイバ等で伝送される光を放射する光放射体)が、前記各透光性パイプの開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれている。培養タンクのタンク本体を水平方向に貫通する前記透光性パイプは、その両端がタンク本体の外方へ突出した状態に設けられている。また、当該パイプは、光透過性に優れ、機械的強度や耐熱性にも優れたポリメチルメタアクリレートや、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の透明プラスチックによって円筒パイプに成形されている。そして、その円筒パイプに成形された透光性パイプの内部に差し込む照明装置の光源が、直管型の蛍光ランプで形成されている。培養タンクは、角筒状の胴部と排水口が設けられた角型漏斗状の底部とを有するタンク本体と、当該タンク本体内を密閉する上蓋とで構成されて、タンク本体の角筒状胴部の一面とその対向面を貫通するように前記各透光性パイプが設けられ、その貫通部がパッキン等のシーリング材によってシールされている。また、培養タンクには、そのタンク本体の底部に設けられた排水口から培養液の一部を循環ポンプで抜き出して再びタンク本体内に還流させる培養液循環径路が設けられると共に、当該循環径路を通じて還流する培養液をタンク本体の胴部側からタンク本体内の培養液中に吐出する少なくとも一対の培養液吐出ノズルが、互いに対向して培養液をすれ違い方向に吐出させ得るように配置されて、タンク本体の胴部に取り付けられている。また、前記培養液吐出ノズルは、多数本の透光性パイプが上下左右に並ぶように設けられている透光性パイプの設置ゾーンを挟んでその上方側と下方側に少なくとも一対ずつ配置され、下方側に配置された培養液吐出ノズルは、その先端部がタンク本体の底部側に向けられている。図1〜図4に示す実施例の培養装置は、ヘマトコッカス藻などの微細藻類を培養する培養タンク1が、角筒状の胴部2aと角型漏斗状の底部2bとを有するタンク本体2と、当該タンク本体2の内部を密閉する上蓋3とで構成されている。タンク本体2と上蓋3は、プラスチックに比べて成形加工が容易で加工コストも安いステンレス鋼板等の金属板で製作されており、タンク本体2は、胴部2aと底部2bの角隅部を湾曲面に形成することにより、その角隅部に微細藻類が停滞することを防止している。そして、培養タンク1には、そのタンク本体2を水平方向に貫通する多数本の透光性パイプ4、4…が互いに一定の間隔をあけて上下左右に並ぶように設けられている。透光性パイプ4は、光透過性と耐熱性に優れた高強度のアクリル系樹脂によって円筒パイプに成形され、タンク本体2の角筒状胴部2aの一面とその対向面を貫通するように設けられて、その貫通部がパッキン等のシーリング材(図示せず)によってシールされている。また、透光性パイプ4は、その長さがタンク本体2の角筒状胴部2aの幅員よりも長く形成されて、当該パイプの両端がタンク本体2の外方へ一定長さ突出して設けられている。培養タンク1のタンク本体2内に光を照射する照明装置5は、タンク本体2を水平方向に貫通するように設けられた透光性パイプ4、4…の開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれる直管型の蛍光ランプで成る光源6、6…と、それら光源6、6…を全灯点灯および部分点灯させるように制御する点灯制御装置7とで構成されて、微細藻類の生育・繁殖状況に応じて光源の点灯数を調整できるようになっている。また、培養タンク1には、タンク本体2内の培養液Wの一部を底部2bに設けられた排水口8から循環ポンプ9で抜き出して再びタンク本体2内に還流させる培養液循環径路10が設けられている。培養液循環径路10には、その径路10を形成する配管10aとタンク本体2内の培養液Wを外部に排出するドレーン配管11とをタンク本体2の底部2aに設けられた排水口8に対して切換接続する電磁三方弁12と、タンク本体2内の培養液Wの温度を検出する電子温度計13から出力される温度検出信号に基づいて培養液の温度を調節する温度調節器14と、微細藻類の光合成に必要なCO2や微細藻類の生育・繁殖に必要な窒素等の栄養素を培養液中に補給する培地補給装置15と、ダイアフラムポンプ等の往復ポンプで成る循環ポンプ9が介装されている。そして、培養タンク1のタンク本体2には、培養液循環径路10を通じて還流する培養液をタンク本体2の胴部2a側からタンク本体2内の培養液W中に吐出する各一対の培養液吐出ノズル16R、16Lおよび17R、17Lが、図4の如く、各々互いに対向して培養液をすれ違い方向に吐出させ得るように配置されて、タンク本体2の胴部2aに取り付けられている。培養液吐出ノズル16R、16Lは、透光性パイプ4、4…が設置されたゾーンの上方側に配置され、そのゾーンの下方側に培養液吐出ノズル17R、17Lが配置されている。また、培養液吐出ノズル17R、17Lは、その先端部がタンク本体2の底部2b側に向けられている。なお、実施例の如く、培養タンク1が熱伝導性の良い金属製のタンクである場合は、培養液循環径路10に設けた温度調節器14に代えて、図2に示すように、培養タンク1のタンク本体2に冷却ジャケット18を装着させ、当該冷却ジャケット18でタンク本体2内の培養液Wを直接冷却するようにしてもよい。以上の如く構成された実施例の培養装置は、培養タンク1のタンク本体2内に光を照射する照明装置5の光源6、6…が、タンク本体2の内部に配置されずに、当該タンク本体2を水平方向に貫通するように設けられた透光性パイプ4、4…の開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれて、培養タンク1の外部に配置されているから、培養タンク1の上蓋3を閉じてタンク本体2内を密閉状態にしたまま、培養タンク1の外部から光源6、6…の交換作業や保守点検作業を迅速且つ容易に行うことができ、その作業を行なう際に、培養タンク1の内部に有害微生物や異物等が侵入してタンク本体2内の培養液Wが汚染されるおそれもない。また、透光性パイプ4の内部に差し込まれた光源6から放出される熱の一部が、透光性パイプ4の開口端から大気中に放散されて、その熱による培養液の温度上昇が抑制されるから、培養液を冷却する温度調節器14や冷却ジャケット18の負荷が軽減される。また、実施例の如く、透光性パイプ4の両端をタンク本体2の外方へ突出させた構成にすると、放熱効果が高まって、培養液の温度上昇を抑制する効果も高まる。また、光源6から放射される光は、培養タンク1のタンク本体2を水平方向に貫通するように設けられた各透光性パイプ4の外周部からその周方向に沿って全方位的に放射されるので、タンク本体2の中程から、その胴部2a側、底部2b側および液面側に向けて略均等に光が照射されることとなる。また、タンク本体2は、表面が光反射性を有するステンレス鋼板等の金属板で製作されているから、その内部に照射される光が反射して、タンク本体2内の光照射密度が全体的に均一化する。したがって、タンク本体2内の培養液W中における微細藻類の培養濃度が高くても、その内部全体にわたって必要十分な量の光を均一に照射することができる。更に、タンク本体2内の培養液Wは、培養液循環径路10を通じて循環せられるのみならず、当該循環径路10を通じてタンク本体2内の培養液W中に還流する培養液が、互いに対向して配置された培養液吐出ノズル16R、16L(17R、17L)から、図4の実線矢印の如く、すれ違い方向に吐出されることにより、タンク本体2内の培養液W中に、図4に破線で示すような旋回流ないし渦流が生じて、培養液Wが全体的に攪拌・流動せられるので、その培養液W中の微細藻類に光を均一に当てることができる。また、タンク本体2は、胴部2aと底部2bの角隅部が湾曲面に形成されて、その角隅部に微細藻類が停滞することが防止されると同時に、培養液吐出ノズル17R、17Lからタンク本体2の底部2b側に吐出される培養液の液流によって、その底部2bに微細藻類が沈降・沈積することも防止される。また、培養液を回転翼によって攪拌・流動させる従来方法は、その回転翼によって培養液中の微細藻類にダメージを与えるおそれがあるが、実施例の如く、培養液吐出ノズル16R、16L(17R、17L)から培養液を吐出して生ずる旋回流ないし渦流によって攪拌・流動させる方法は、微細藻類にダメージを与えるおそれがない。また、培養液を循環させるポンプとして回転ポンプを用いると、微細藻類にダメージを与えるおそれがあるが、実施例の循環ポンプ9は、ダイアフラムポンプ等の往復ポンプを用いているから、微細藻類にダメージを与えるおそれが少ない。したがって、本発明によれば、大容量の培養タンクを用いて高品質の微細藻類を高効率・高濃度で大量培養することが可能となる。なお、実施例の培養装置は、透光性パイプ4の内部に差し込む光源6が、直管型の蛍光ランプであるが、これに限らず、例えば、多数の発光ダイオードが透光性パイプ4の内部に対して抜き差し自在な細長い配線基板の長さ方向に沿って直列的に接続されたLEDランプであってもよい。また、実施例では、透光性パイプ4の内部に光源6が差し込まれているが、これに限らず、例えば、金属蒸気放電ランプ等の高輝度光源から光ファイバで伝送される光を放射する光放射体が差し込まれるものであってもよい。また、透光性パイプ4は、プラスチックパイプに限らず、ガラスパイプを用いることもできる。また、培養タンク1は、金属製のものに限らず、プラスチック製のものであってもよい。本発明は、高品質の微細藻類を高効率・高濃度で大量培養することができる培養装置を提供するものである。 1…培養タンク 2…タンク本体 2a…タンク本体の胴部 2b…タンク本体の底部 3…上蓋 4…透光性パイプ 5…照明装置 6…光源 8…タンク本体の排水口 9…循環ポンプ10…培養液循環径路 W…培養液16R、16L…一対の培養液吐出ノズル17R、17L…一対の培養液吐出ノズル微細藻類を培養する培養タンクと、当該タンク内に光を照射する照明装置とを備えた微細藻類の培養装置において、前記培養タンクに、そのタンク本体を水平方向に貫通する多数本の透光性パイプが互いに間隔をあけて上下左右に並ぶように設けられ、前記照明装置の光源もしくは光放射体が、前記透光性パイプの開口端からその内部に抜き差し自在に差し込まれていることを特徴とする微細藻類の培養装置。前記透光性パイプの両端が、前記タンク本体の外方へ突出している請求項1記載の培養装置。前記培養タンクが、角筒状の胴部と排水口が設けられた角型漏斗状の底部とを有するタンク本体と、当該タンク本体内を密閉する上蓋とで構成され、タンク本体の角筒状胴部の一面とその対向面を貫通するように前記透光性パイプが設けられている請求項1又は2記載の培養装置。前記透光性パイプが、透明プラスチックで成形された円筒パイプで成り、前記照明装置の光源が、直管型の蛍光ランプで成る請求項1、2又は3記載の培養装置。前記培養タンクに、そのタンク本体の底部に設けられた排水口から培養液の一部を循環ポンプで抜き出して再びタンク本体内に還流させる培養液循環径路が設けられると共に、当該循環径路を通じて還流する培養液を前記タンク本体の胴部側からタンク本体内の培養液中に吐出する少なくとも一対の培養液吐出ノズルが、互いに対向して培養液をすれ違い方向に吐出させ得るように配置されて、前記タンク本体の胴部に取り付けられている請求項1、2、3又は4記載の培養装置。前記培養液吐出ノズルが、前記透光性パイプの設置ゾーンよりも上方側と下方側に少なくとも一対ずつ配置され、その下方側に配置された培養液吐出ノズルの先端部が、前記タンク本体の底部側に向けられている請求項5記載の培養装置。 培養タンク内に光を照射する照明装置の光源を培養タンクの外部に配置して、その光源の交換作業や保守点検作業を容易に行えるようにすると共に、光源から放出される熱によって培養タンク内の培養液の温度が上昇することを抑制し、更に、光源を培養タンクの外部に配置しても、培養タンクの内部全体にわたって必要十分な量の光を照射することができるようにする。培養タンク(1)内に光を照射する照明装置の光源(6)が、培養タンク(1)の内部に配置されずに、そのタンク本体(2)を水平方向に貫通するように設けられた透光性パイプ(4、4…)の内部に抜き差し自在に差し込まれて、培養タンク(1)の外部に配置されている。(図1)