生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_筋萎縮阻害剤
出願番号:2010044113
年次:2013
IPC分類:A61K 31/353,A61K 31/7048,A61P 21/00,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

立花 宏文 JP 2013126951 公開特許公報(A) 20130627 2010044113 20100301 筋萎縮阻害剤 国立大学法人九州大学 504145342 小野 新次郎 100140109 社本 一夫 100089705 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 中濱 明子 100135415 立花 宏文 A61K 31/353 20060101AFI20130531BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20130531BHJP A61P 21/00 20060101ALI20130531BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130531BHJP JPA61K31/353A61K31/7048A61P21/00A23L1/30 ZA23L1/30 B 5 2 OL 15 4B018 4C086 4B018LB01 4B018LB02 4B018LB08 4B018LB09 4B018LB10 4B018MD07 4B018MD59 4B018ME14 4B018MF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086EA04 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA94 本発明は、筋萎縮を阻害する効果を有する組成物に関する。 骨格筋は人体で最大の組織であり、エネルギー代謝、糖取込み、運動において重要な役割を果たす。骨格筋の量と質はその機能に重要であり、筋肉タンパク質の量と質は絶え間ない合成と分解によるタンパク質代謝回転により維持されている。また骨格筋は身体活動の程度やホルモン、成長因子、ストレスや栄養状態によってその筋量を調節している。骨格筋量が減少すると、身体的な活動を低下させることによりQOL(Quality of Life:生活の質)を低下させ、また筋力を低下させ疲労抵抗性が低下することから、高齢化の進む日本において筋萎縮を防ぐことは意義深いと考えられる。 骨格筋萎縮は様々な要因によって起こることが知られており、加齢や筋肉を使用せずにいることといった活動量の低下により起こるが、一方で慢性閉塞性肺疾患、重度のやけどなどにおける悪液質、代謝性疾患、ガン、神経変性病など様々な病態によっても生じることが知られている。(Ann Surg., 233, 9-17(2001); Pharmacol Ther., 113, 461-487(2007); N Engl J Med., 335, 1897-1905(1996))。また特にいくつかの悪液質では、グルココルチコイドの一種であるコルチゾールのレベルが上昇することが筋萎縮に関係していると考えられている(J. Am. Coll. Cardiol., 30, 997-1001(1997); J. Am. Coll. Surg., 188,98-103.(1999); Am. J. Physiol., 264, E668-E676.(1993))。 こういった筋萎縮において、タンパク合成と分解の代謝回転が分解に傾くことがその原因のひとつであるとされている。骨格筋の構成タンパク質を分解する経路の一つにユビキチン化タンパク質を分解するユビキチン・プロテアソーム経路がある。ユビキチン・プロテアソームタンパク質分解経路では、ユビキチン活性化酵素、ユビキチン結合酵素とユビキチンリガーゼの酵素群からなるユビキチン化システムにより分解すべきタンパク質にユビキチンという小さなタンパク質を次々に結合させ、26Sプロテアソームによってポリユビキチンを認識し、タンパク質を分解する。またその経路の中では基質の特異性を決定するユビキチンリガーゼの発現がこの経路の律速段階であると考えられている。 ユビキチンリガーゼの中でもMuRF1 (muscle RING finger protein-1)やatorogin-1/MAFbx-1 (muscle atrophy F-box protein-1)は骨格筋や心筋に発現し、またこれらの遺伝子をノックアウトしたマウスが筋萎縮に抵抗性を示したことにより、筋萎縮原因遺伝子(atrogenes)と示され注目されている(Science 294, 1704(2001))。これらのMuRF1とatrogin-1はグルココルチコイド処理、筋肉の不使用や酸化ストレスなど、少なくとも13種類の筋萎縮で発現が上昇し、萎縮現象のマーカーであるとされている(Science 294, 1704(2001); FEBS Lett. 544, 214-217(2003); Cell Biol., 37, 1974-1984(2005); Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 289, E969-E980(2005); J. Biol. Chem. 280, 2737-2744(2005); J. Am. Soc. Nephrol., 15, 1537-1545(2004); Am. J. Physiol. Cell Physiol., 285, C806-C812(2003); FASEB J., 19, 362-370(2005); Cell, 117, 399-412(2004); Int. J. Biochem. Cell Biol., 35, 698-705(2003))。 またグルココルチコイドは筋肉分解の重要なメディエーターであり、骨格筋においてユビキチン・プロテアソーム経路依存性のタンパク分解を引き起こす(Crit. Care. Med., 35, S602-S608(2007))。また合成グルココルチコイドの一種であるデキサメタゾンは骨格筋においてMuRF1およびatrogin-1の発現を上昇させることが明らかになっている(J. Cell. Biochem., 105, 353-364(2008))。グルココルチコイド処理した培養筋管細胞は筋萎縮のモデルとして多くの研究で用いられてきた。デキサメタゾンによってもたらされる代謝的な変化は、動物や患者の筋萎縮において見られる変化と似ており、デキサメタゾン処理された筋管は筋萎縮のメカニズムを解析するために良く用いられている。 一方、ポリフェノールはその抗酸化活性などの機能性によって注目されている食品成分である。中でもアントシアニン類はパソコン作業による疲労を軽減させるなどの活性から注目されている(Altern. Med. Rev., 5, 553-562(2000))。また緑茶に含まれるポリフェノールであるカテキンは様々な生理機能を有する。中でも茶葉に含まれるカテキンの約半分量を占めるエピガロカテキンガレート(Epigallocatechin-3-O-gallate :EGCG)はその生理活性に抗酸化作用、抗ガン作用などが知られている。 骨格筋の筋萎縮に関するポリフェノールの作用については、酸化ストレスの関与が示唆されている廃用性筋萎縮の抑制を目的として、果実ポリフェノール(具体的にはりんごポリフェノール)を有効成分として含有することを特徴とする廃用性筋萎縮抑制組成物が報告されている(特許文献1:特開2001−89387)。りんごポリフェノールの主成分はプロシアニジンやプロアントシアニジンである。また、プロアントシアニジンを有効成分と含有する筋肉萎縮抑制剤(特許文献2:特開2002−338464)、果実由来ポリフェノールを有効成分とする廃用性筋萎縮時の筋繊維タイプの移行を抑制する筋繊維タイプ移行抑制剤(特許文献3:特開2006−328031)、カテキン類を有効成分とする筋機能低下抑制剤(特許文献4:特開2008−13473)も開示されている。 しかしながら、これらの文献において、筋萎縮原因遺伝子やユビキチンリガーゼに対するポリフェノールの作用に関する言及はない。特開2001−89387号公報特開2002−338464号公報特開2006−328031号公報特開2008−13473号公報Ann Surg., 233, 9-17(2001)Pharmacol Ther., 113, 461-487(2007)N Engl J Med., 335, 1897-1905(1996)J. Am. Coll. Cardiol., 30, 997-1001(1997)J. Am. Coll. Surg., 188,98-103.(1999)Am. J. Physiol., 264, E668-E676.(1993)Science 294, 1704(2001)FEBS Lett. 544, 214-217(2003)Cell Biol., 37, 1974-1984(2005)Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 289, E969-E980(2005)J. Biol. Chem. 280, 2737-2744(2005)J. Am. Soc. Nephrol., 15, 1537-1545(2004)Am. J. Physiol. Cell Physiol., 285, C806-C812(2003)FASEB J., 19, 362-370(2005)Cell, 117, 399-412(2004)Int. J. Biochem. Cell Biol., 35, 698-705(2003)Crit. Care. Med., 35, S602-S608(2007)J. Cell. Biochem., 105, 353-364(2008)Altern. Med. Rev., 5, 553-562(2000) 筋萎縮原因遺伝子の発現阻害作用を有するポリフェノールを特定し、骨格筋萎縮の防止を目的とする新たな用途を提供することが本発明の課題である。 本発明者らは、ストレスホルモンであるグルココルチコイドの合成薬剤であるデキサメタゾンによる骨格筋萎縮において、筋萎縮原因遺伝子の発現に対するポリフェノールの作用を検討した。そして、デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、EGCGの各ポリフェノールが筋萎縮を阻害する可能性を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の要旨は以下の通りである。 (1)デルフィニジン、デルフィニジングルコシド及びEGCGから選択されるポリフェノールを含有する、筋萎縮阻害作用を有する組成物。 (2)筋萎縮原因遺伝子の発現を抑制することにより、筋萎縮を阻害する作用を有する、(1)の組成物。 (3)デルフィニジンまたはデルフィニジングルコシドを含有する、(1)または(2)の組成物。 (4)筋萎縮原因遺伝子がMuRF1である、(2)の組成物。 (5)組成物が食品、栄養補助食品、機能性食品または医薬品である、(1)から(4)のいずれかに記載の組成物。 本発明により、食品由来の機能性成分として知られるアントシアニンおよび緑茶カテキンを、骨格筋萎縮阻害を目的とした食品、栄養補助食品、機能性食品または医薬品などの組成物に利用することが可能となった。特に、飲食品による筋萎縮阻害が可能になるので、病者や高齢者のQOL改善に資する新たな手段を提供することができる。図1は、マウス骨格筋細胞株C2C12におけるデキサメタゾン(Dex)によるMuRF1発現を示す。図2は、マウス骨格筋細胞株C2C12におけるデキサメタゾン誘導性MuRF1発現におよぼすアントシアニン類の影響を示す。図3は、マウス骨格筋細胞株C2C12におけるデキサメタゾン誘導性MuRF1発現におよぼすEGCGの影響を示す。 骨格筋はグルココルチコイド長期投与・ガン・糖尿病・エイズなどの病気、加齢、栄養不足、あるいはギプス固定や寝たきりによって骨格筋を長い間使用しない場合などによって萎縮し、骨格筋機能が低下することが知られ、その結果、生活の質の低下がもたらされる。 この骨格筋萎縮にはユビキチン・プロテアソーム系が関与しており、特にユビキチンリガーゼであるmuscle RING finger protein-1 (MuRF1)やatrogin-1といった遺伝子が注目されている。MuRF1やatrogin-1は筋萎縮原因遺伝子であり、筋萎縮において初期に誘導されるなど重要な遺伝子であり、様々な筋萎縮に関与していることが知られている。 一方、ストレス誘導ホルモンであるコルチゾールはグルココルチコイドの一種であり、異化の働きを持つことにより筋萎縮との関連が考えられている。またデキサメタゾンは合成グルココルチコイドの一種であり、in vitroおよびin vivoにおいて骨格筋萎縮を招くため、デキサメタゾン処理された筋管細胞は筋萎縮のメカニズムを検討するために用いられる評価系である。 本発明者らは、機能性食品因子として知られるポリフェノールに着目し、ポリフェノールが筋萎縮原因遺伝子の発現に及ぼす作用を検討した。具体的には、骨格筋細胞株においてデキサメタゾン処理により誘導されたMuRF1発現に対して、ポリフェノールが及ぼす影響を評価した。ポリフェノールとしては、各種アントシアニン及びEGCGを用いた。 その結果、デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、EGCGの各ポリフェノールが、筋萎縮原因遺伝子であるMuRF1の発現を抑制することを見出した。 以上の結果より、これらアントシアニンやEGCGを、筋萎縮原因遺伝子の発現を抑制するための組成物の有効成分として利用することが可能であることが分かった。 筋萎縮原因遺伝子の具体例としては、MuRF1やatrogin-1が挙げられる。MuRF1は多くの筋萎縮で発現が上昇し、また骨格筋において構成タンパク質の分解に関わるため、上述の組成物は骨格筋の筋萎縮を阻害するために利用することができると考えられる。 すなわち、本発明は、哺乳動物において筋萎縮原因遺伝子の発現の抑制により骨格筋の筋萎縮を阻害する、ポリフェノールを含有する組成物を提供する。 本発明の組成物は、デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、またはEGCGを含有する食品やサプリメント(栄養補助食品)、あるいはこれらポリフェノールを利用した筋萎縮阻害剤の形態であることができる。 これらのポリフェノールは食品由来の成分であることから、特に、経口投与あるいは経口摂取により筋萎縮予防効果を発揮する医薬用組成物あるいは食品としての利用が好ましい。 経口投与剤としての形態に特に制限はなく、例えば、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤などの固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤などの液剤その他に適宜製剤化し得る。製剤化にあたっては、有効成分であるデルフィニジン、デルフィニジングルコシド、またはEGCGの他に、経口投与剤に一般に用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、基剤、懸濁化剤、乳化剤、保湿剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、矯味剤などを適宜添加し、常法に従って製造できる。 デルフィニジン、デルフィニジングルコシドまたはEGCGを含有する食品としては、例えば、その摂取により筋萎縮の予防効果が期待できる旨の表示を付した飲食品、例えば、病者用食品、高齢者用食品、特定保健用食品などの特別用途飲食品や機能性食品またはサプリメントとしての利用が考えられる。 食品の形態には特に制限はなく、飲料、ヨーグルト、ジャムなどの液状若しくはペースト状食品、麺類、パン、キャンディー、ゼリー、クッキー、ガム、豆腐などの固形状食品、あるいは粉茶、ふりかけ調味料、粉末状スープなどの粉末状食品などいかなる形態でもよい。デルフィニジン、デルフィニジングルコシドまたはEGCGは、食品製造時に原料の一部として添加あるいは食品製造終了後に添加できる。 デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、EGCGは、公知の方法により適当な原料から抽出される粗精製物、生成物あるいは市販品のいずれを用いても良い。 デルフィニジンおよびデルフィニジングルコシドは、例えばサクランボ、ビルベリー、ブルーベリー、クロフサスグリ、カーラント、ブドウ、ツルコケモモ、イチゴ、茶品種「サンルージュ」の抽出物から調製できる。精製処理の方法として、順相又は逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙げられる。これらの方法を組み合わせて用いることもできる。上記の果汁又は抽出物からデルフィニジンおよびデルフィニジングルコシドを単離精製する方法は特に限定されないが、例えばHPLC、合成吸着剤クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過等があり、特に合成吸着剤クロマトグラフィーが好ましい。この場合、溶出条件としては、例えば10〜50%エタノール溶液を用いて溶出することが好ましい。またさらに、デルフィニジンおよびデルフィニジングルコシドは酸性条件下で安定化するため、この溶出液に塩酸又は酢酸などを加え酸性にすることが特に好ましい。 EGCGは「べにふうき」、「べにふじ」、「べにほまれ」、「やえほ」、「するがわせ」、「ゆたかみどり」、「かなやみどり」、「やぶきた」、「さやまかおり」、「さえみどり」、「あさつゆ」、「おおいわせ」、「おくむさし」、「めいりょく」、「ふうしゅん」、「おくゆたか」、「青心大パン」、「青心烏龍」、「大葉烏龍」、「鳳凰単叢」、「鳳凰水仙」、「白葉単叢水仙」、「黄枝香」、「武夷水仙」、「紅花」、「べにひかり」、「やまかい」、「やまとみどり」、「からべに」、「香駿」、「おくみどり」及び「サンルージュ」からなる群から選ばれる緑茶葉の抽出液から調製できる。精製処理の方法として、順相又は逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙げられる。これらの方法を組み合わせて用いることもできる。緑茶葉からEGCGを単離精製する方法は特に限定されないが、例えばHPLC、合成吸着剤クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過等があり、特に合成吸着剤クロマトグラフィーが好ましい。この場合、溶出条件としては、例えば10〜50%エタノール溶液を用いて溶出することが好ましい。またさらに、EGCGは酸性条件下で安定化するため、この溶出液に塩酸又は酢酸などを加え酸性にすることが特に好ましい。 本発明に用いるデルフィニジン、デルフィニジングルコシドまたはEGCGの有効投与量は、成人一日用量として0.1mg〜2000mg、または、0.1mg〜1000mg、または、0.1mg〜200mg、好ましくは、0.1mg〜100mgを使用する。本発明においては、ポリフェノールの有効投与量が前記範囲となるように、組成物中に適宜配合すればよい。 具体的な実施態様において、本発明の組成物中の有効成分として、デルフィニジン及びデルフィニジングルコシドから選択されるアントシアニンが好適に使用される。 本発明の組成物は、活動量の低下により起こる筋萎縮(廃用性筋萎縮)、あるいは様々な病態による筋萎縮のいずれの要因による筋萎縮の抑制にも用いられる。言い換えると、本発明の組成物は、ユビキチン・プロテアソーム系が関与する、あらゆる要因による筋萎縮の予防、抑制または改善を目的として用いることができる。そのような筋萎縮の抑制においてはユビキチン・プロテアソーム系を阻害することが有益であるので、例えば、MuRF1またはatrogin-1の発現を阻害することにより、筋萎縮阻害作用を得ることができる。あるいは、本発明の組成物は、グルココルチコイドにより誘導される筋萎縮、またはコルチゾールのレベルが上昇することで特徴付けられる病態に伴う筋萎縮の予防、抑制または改善を目的として用いることができる。[実験材料および実験方法] 1)デキサメタゾンによる骨格筋萎縮誘導作用の評価 骨格筋萎縮誘導作用の評価に用いたマウス骨格筋細胞株C2C12(ATCC)は10% ウシ胎児血清(FCS)(BIOLOGICAL INDUSTRIES)添加DMEMにて37℃、水蒸気飽和した5% CO2条件下で継代、維持した。細胞は対数増殖期で培養維持した。培養に使用したDMEM培地は、dH2O 1 Lあたり、ダルベッコMEM培地(コスモ・バイオ株式会社、東京)13.38 g、HEPES(和光純薬工業株式会社、大阪) 5.958 g、注射用ペニシリン G カリウム20万単位(明治製菓株式会社、東京) 0.5 vial、硫酸ストレプトマイシン注射用1g(明治製菓株式会社、東京) 0.1 vial、NaHCO3(nacalai tesque、京都)3.7 gを懸濁した後、フィルター滅菌した。そして、ウシ胎児血清(FCS)をDMEM培地に添加し、細胞培養に使用した。細胞の継代の際は、PBSで洗浄した後、トリプシン溶液で細胞をはがした。PBSはdH2O 1LあたりNaCl (nacalai tesque、京都)8.0 g、KCl (nacalai tesque、京都)0.2g、Na2HPO4(和光純薬工業株式会社、大阪)1.15 g、KH2PO4(nacalai tesque、京都)0.2 gを懸濁し、オートクレーブ滅菌した。トリプシン溶液は、100 mL PBSあたりEDTA・2Na (和光純薬工業株式会社、大阪)0.05 g、トリプシン(nacalai tesque、京都)0.02 gを懸濁し、フィルター滅菌した。また、細胞の継代・維持には10 mL接着dish(nunc TM、東京)を使用した。 骨格筋萎縮誘導作用の評価にはデキサメタゾンによるMuRF1の発現上昇を用いた。マウス骨格筋細胞株C2C12を1x104cells/mLに調整して2 mL dish (nunc TM、東京)に播種し、10% FCS含有DMEMにて24時間培養した。その後、0.5% FCS含有DMEM(分化培地)に培地交換することにより分化誘導をかけた。分化培地は誘導開始48時間後に培地交換した。誘導開始96時間後、デキサメタゾン(Sigma)終濃度0、0.1、1 μMを含む分化培地に培地交換し24時間後処理した。デキサメタゾンはジメチルスルホキシド(DMSO) (Nacalai tesque, Inc. Kyoto, Japan)にて10 mMとなるように溶解し、-30℃にて保存した。使用に際しては適宜解凍して用いた。その後、上清を除去し、PBS 1 mLにて洗浄し、TRIzolTMReagent (invitogen、東京)800 μLによって細胞を回収し、室温で5分間放置した。次に、クロロホルム(nacalai tesque、京都)200 μLを添加・撹拌し、室温で3分間放置後、4℃で15分間遠心(12,000 x g)した。その後、上層を取り出し、2-プロパノール(nacalai tesque、京都)500 μLを添加・撹拌し、室温で10分間放置後、4℃で10分間遠心(12000 x g)した。その後、上清を除去し、75% EtOH(nacalai tesque、京都) in DEPE水(DEPC (SIGMA-ALDRICH 、東京)1 mLをdH2O 1 Lに溶かし、オートクレーブ滅菌したもの)を1 mL添加・撹拌後、4℃で5分間遠心(12000 x g)した。その上清を完全に除去し、DEPC水を20から25 μL入れて懸濁した。その後、PrimixScript RT reagent kit (TaKaRa)を用いてcDNAを合成した。調製したcDNAは-20℃で保存した。その後リアルタイムPCRによってMuRF1およびGAPDHの発現を検討した。リアルタイムPCRにはThermal Cycler Dice Real Time System TP800 (TaKaRa)を用いた。PCR反応液の組成は、1サンプルにつきdH2O 8.5 μL、SYBR Premix Ex Taq II (TaKaRa) 12.5 μL、Forward primer (10 μM) 1 μL、Reverse primer (10 μM) 1 μL、鋳型2 μLとした。PCR条件は初期変性を95℃10秒間行い、その後95℃5 秒間、60℃20 秒間で50サイクルとした。プライマーはMuRF1はForward : 5'-TGAGGTGCCTACTTGCTCCT-3'Reverse : 5'-TCACCTGGTGGCTATTCTCC-3'を用いた。プライマーは株式会社ジーンネット(福岡)に合成を委託した。GAPDHのプライマーはタカラバイオから購入した。各プライマーはTE bufferによって溶解・保存した。TE bufferは、500 mLあたり、10mM Tris(nacalai tesque) 0.605 g、EDTA・2Na (和光純薬工業株式会社)0.186 g を約350 mLのdH2Oに溶解してHCl(和光純薬)によってpH 8.0に調整後、500 mLにフィルアップし、オートクレーブ滅菌をした。実験結果の統計処理にはStudent’s t検定を用いた。 2)アントシアニン及びEGCGの筋萎縮阻害作用の検討(mRNAレベル) アントシアニン及びEGCGのデキサメタゾン誘導性ユビキチンリガーゼ発現に対する評価を行った。C2C12を2x104cell/mLにて2 mL dishに播種し、分化誘導した。分化培地は誘導開始から48時間後に交換した。誘導開始から72時間後にアントシアニンであるCyanidin-3-O-galactoside、Cyanidin-3-O-glucoside、Cyanidin、Delphinidin-glucoside、DelphinidinおよびEGCG各終濃度5 μM含有分化培地に置換し、24時間前処理した。その後、各被験物5 μMおよびデキサメタゾン1 μMを含有する分化培地にて24時間処理した。 Cyanidin-3-O-galactoside、Cyanidin-3-O-glucoside、Cyanidin、Delphinidin-3-glucoside、DelphinidinはEXTRASYNTHESEから購入した。各々5 mMになるように、Cya-gal、Cya-glu、Del-gluは超純水に、Cyanidin、DelphinidinはDMSOにそれぞれ溶解し、-30℃で保存した。EGCGはSigmaより購入し、5 mMとなるように超純水に溶解し、-15℃で凍結保存した。各試薬とも用いる際は適宜解凍して用いた。 デキサメタゾン処理の後、細胞をTrizolにて回収後、cDNAを合成し、MuRF1およびGAPDHの発現レベルをリアルタイムPCRによって検討した。 3)アントシアニン及びEGCGの筋萎縮阻害作用の検討(タンパク質レベル) 次に、アントシアニン及びEGCGのデキサメタゾン誘導性ユビキチンリガーゼ発現に対する評価をタンパク質レベルで行った。C2C12を1x104cell/mLにて24 well plate (nunc TM、東京)に播種し、分化誘導した。分化培地は誘導開始から48 時間後に交換した。誘導開始から72時間後に、アントシアニンであるCyanidin-3-O-galactoside、Cyanidin-3-O-glucoside、Cyanidin、Delphinidin-glucoside、DelphinidinおよびEGCG各終濃度5 μM含有分化培地に置換し、24時間前処理した。その後、各被験物5 μMおよびデキサメタゾン1 μMを含有する分化培地にて24時間処理した。その後上清を除去し、PBS 1 mLで洗浄後、処理した細胞に細胞溶解バッファー(50 mM Tris (nacalai tesque)-HCl(和光純薬工業) (pH 7.5)、150 mM NaCl(和光純薬工業)、1% (v/v) Triton-X100(nacalai tesque)、1 mM EDTA (和光純薬工業)、50 mM NaF(nacalai tesque), 30 mM Na4P2O7(nacalai tesque)、1 mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride(和光純薬)、2 μg/mL Aprotinin、1 mM pervanadate(和光純薬))を加え溶解した。その後、12000 x rpm で 10 min 遠心し、上清を回収した。これをサンプルとしてBicinchoninic Acid (BCA) Protein Assay Reagent (Rockford, IL)を用いてタンパク質の定量を行った。サンプルバッファー(0.5 M Tris-HCl (pH6.8)、10% (w/v) sodium dodecyl sulfate (SDS,和光純薬),50% glycerol(nacalai tesque)、1 % (w/v) bromophenol blue(和光純薬)、0.65 M 2-mercaptoethanol(和光純薬工業))をサンプルに対して等量加えて、10分煮沸し熱変性を行った。これを6% polyacrylamideゲルに供し(acrylamide monomer (nacalai tesque)使用)、0.02 A 110分でSDS-polyacrylamide gel electrophoresis(SDS-PAGE)を行った。その後、ゲルを氷冷しながら、100 V 60分でエレクトロブロッティングを行い、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell , Keene , NH )に転写した。この膜を、2.5% Bovine serum albumin (BSA)(Roche)-TTBS (0.1% Tween20 (nacalai tesque)含有Tris buffered saline;20 mM Tris-HCl, pH7.6)にて室温で1時間ブロッキングを行った。ブロッキング後に、1次抗体を2.5% BSA-TTBSで希釈し4℃で一晩反応させ、2次抗体を室温で1時間反応させた。TTBSで4 回洗浄後、Chemi-Lumi Oneキット(nacalai tesque)またはECL キット(GE Healthcare)を用いて発色反応を行い、ChemiImagerTM 5500(Alpha Innotech)で検出を行った。 1次抗体に用いた抗体は抗MuRF1抗体および抗β-Actin抗体である。Rabbit anti-MuRF1 monoclonal antibodyはSanta Cruz Biotechnologyより購入し、1000倍希釈して用いた。Mouse anti-β-Actin monoclonal antibodyはSigmaより購入し、10000倍希釈して用いた。Mouse anti-Horseradish peroxidase (HRP)-conjugated anti-Rabbit IgG antibody及びHRP-conjugated anti-Mouse IgG antibodyはROCKLANDより購入し、10000倍希釈して用いた。 [結果] 1)デキサメタゾンによる MuRF1 発現 C2C12細胞における筋萎縮原因遺伝子であるユビキチンリガーゼMuRF1の発現を誘導するデキサメタゾンの濃度を決定するために、分化させたC2C12筋管にデキサメタゾン処理を行った。 C2C12細胞を2 mL dishに2 x 104 cells/mLとなるように播種し、増殖培地である10% FCS-DMEMにて24 時間前培養後、分化誘導培地である0.5% FCS-DMEMに培地交換し分化誘導をかけた。分化培地は48時間後に一回交換した。分化4日後、デキサメタゾンを0(コントロール)、0.1、もしくは1 μM 含有する分化培地に置換し24時間処理後、細胞を回収しリアルタイムPCRによってMuRF1の発現を検討した。 その結果を図1に示す。デキサメタゾン0.1、1μMによってMuRF1の発現量は有意に増加した。C2C12細胞におけるデキサメタゾン処理によるユビキチンリガーゼ発現に関して、文献などでは1μMにてよく検討されているため、以後の検討にはデキサメタゾン1μMを用いることにした。 2)デキサメタゾン誘導性MuRF1発現におよぼすアントシアニン類の影響 骨格筋細胞におけるデキサメタゾン誘導性MuRF1発現に及ぼすアントシアニン類の影響を見るために、分化させたC2C12にアントシアニン類を24時間添加し、その後デキサメタゾン処理した。 結果を図2に示す。 図2Aでは、C2C12を2 mL dishに2 x 104 cells/mLとなるように播種し、増殖培地である10% FCS-DMEMにて24時間前培養後、分化誘導培地である0.5% FCS-DMEMに培地交換し分化誘導をかけた。分化培地は48時間後に一回交換した。分化3日後、各アントシアニン5 mM含有分化培地に置換し、24時間前処理後、各成分を5 mMおよびデキサメタゾンを1 mM含有する分化培地にて24時間刺激した。その後細胞を回収しリアルタイムPCR によってMuRF1の発現(mRNA)を検討した。 シアニジンガラクトシド、シアニジングルコシド、シアニジンにはMuRF1発現低下作用は見られなかったが、デルフィニジングルコシド、デルフィニジンはデキサメタゾン誘導性MuRF1発現レベルを有意に低下させた(図2A)。 図2Bでは、C2C12を24 well plateに1 x 104 cells/wellとなるよう播種し、増殖培地である10% FCS-DMEMにて24時間前培養後、分化誘導培地である0.5% FCS-DMEMに培地交換し分化誘導をかけた。分化培地は48時間後に一回交換した。分化3日後、各アントシアニン5 mM含有分化培地に置換し、24時間前処理後、各成分を5 mMおよびデキサメタゾンを1 mM含有する分化培地にて6日間刺激した。その後細胞を回収しウェスタンブロット解析によってMuRF1の発現(タンパク質)を検討した。 タンパクレベルでは、シアニジングルコシドおよびシアニジンに若干の低下作用が、またデルフィニジングルコシドおよびデルフィニジンには明らかなMuRF1発現低下作用が見られた(図2B)。 3)デキサメタゾン誘導性MuRF1発現におよぼすEGCGの影響 骨格筋細胞におけるデキサメタゾン誘導性MuRF1発現に及ぼすEGCGの影響を見るために、分化させたC2C12にEGCGを24時間添加し、その後デキサメタゾン処理した。 結果を図3に示す。 図3Aでは、C2C12を2 mL dishに2 x 104 cells/mLとなるように播種し、増殖培地である10% FCS-DMEMにて24時間前培養後、分化誘導培地である0.5% FCS-DMEMに培地交換し分化誘導をかけた。分化培地は48時間後に一回交換した。分化3日後、EGCG 5 μM含有分化培地に置換し、24時間前処理後、EGCG 5 μMおよびデキサメタゾンを1 μM含有する分化培地にて24時間刺激した。その後細胞を回収し、リアルタイムPCRによってMuRF1 の発現(mRNA)を検討した。 EGCGはデキサメタゾン誘導性MuRF1の発現を有意に阻害した(図3A)。 図3Bでは、C2C12を24 well plateに1 x 104 cells/wellとなるよう播種し、増殖培地である10% FCS-DMEMにて24 時間前培養後、分化誘導培地である0.5% FCS-DMEMに培地交換し分化誘導をかけた。分化培地は48時間後に一回交換した。分化3日後、EGCG 5 mM含有分化培地に置換し、24時間前処理後、EGCG 5 μMおよびデキサメタゾン1 μMを含有する分化培地にて6日間刺激した。その後細胞を回収しウェスタンブロット解析によってMuRF1の発現(タンパク質)を検討した。 タンパク質レベルでも、MuRF1の発現誘導は顕著に阻害されていた(図3B)。 [考察] デキサメタゾン誘導性のMuRF1発現に対し、シアニジン、シアニジンガラクトシド、シアニジングルコシドは影響を及ぼさなかったが、デルフィニジンおよびデルフィニジングルコシドはMuRF1発現低下作用を発揮した。また、緑茶カテキンの一種であるEGCGも顕著にMuRF1の発現誘導を阻害することが明らかになった。 MuRF1は多くの筋萎縮で発現が上昇し、また骨格筋において構成タンパク質の分解に関わるため、デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、EGCGは筋萎縮を防ぐ可能性が示された。 [参考文献] Anker, S.D., Clark, A.L., Kemp, M., Salsbury, C., Teixeira, M.M., Hellewell,P.G., and Coats, A.J., Tumor necrosis factor and steroidmetabolism in chronic heart failure: possible relation to muscle wasting, Journal of American College of Cardiology, 30, 997-1001. (1997) Dehoux, M.J.M., van Beneden, R.P., Fernandez-Celemin, L., Lause, P.K., and Thissen, J-P.M., Induction of MafBx and Murf ubiquitin ligase mRNAs in rat skeletal muscle after LPS injection, FEBS Letters, 544, 214-217(2003) Glass, D.J. Skeletal muscle hypertrophy and atrophy signaling pathways. The International Jounal of Biochemistry & Cell Biology, 37, 1974-1984(2005) Hasselgren, P.O., Burns and metabolism, Journal of American College of Surgeons, 188,98-103. (1999) H.Fujino, A.Ishihara, S.Murakami, T.Yasuhara, H.Kondo, S.Mohri, I.Takeda and R.R.Roy, Protective effects of exercise preconditioning of hindlimb unloading-induced atrophy of rat soleus muscle, Acta Physiologica, 197, 65-74 (2009) Krawiec, B.J., Frost, R.A., Vary, T.C., Jefferson, L.S., and Lang, C.H., Hindlimb casting decreases muscle mass in part by proteasome-dependent proteolysis but independent of protein synthesis, American Journal of Physiology-Endocrinology and metabolism, 289, E969-E980(2005) Latres, E., Amini, A.R., Amini, A.A., Griffiths, J., Martin, F.J., Wei, Y., Lin, H.C., Yancopoulos, G.D., and Glass, D.J. Insulin-like growth factor-1 (IGF-1) inversely regulates atrophy-induced genes cia the phosphatidylinositol 3-kinase/akt/mammalian target of rapamycin (PI3K/Akt/mTOR) pathway, Journal of Biological Chemistry, 280, 2737-2744(2005) Lee, S.W., Dai, G., Hu, Z., Wang, X., Du, J., and Mitch, W.E., Regulation of muscle protein degradation: coordinated control of apoptotic and ubiquitin-proteasome systems by phosphatidylinositol 3 kinase, Journal of American Society of Nephrology, 15, 1537-1545(2004) Li, Y.-P., Chen, Y., Li, A.S., and Reid, M.B., Hydrogen peroxide stimulates ubiquitin conjugating activity and expression of genes for specific E2 and E3 proteins in skeletal muscle myotubes, American Journal of Physiology-Cell Phisiology, 285, C806-C812(2003) Li, Y.-P., Chen, Y., John, J., Moylan, J., Jin, B., Mann, D.L., and Reid, M.B., TNF-{alpha} acts via p38 MAPK to stimulates expression of the ubiquitin ligase atrogin1/MAFbx in skeletal muscle. 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Wei W, Hasselgren PO., Role of glucocorticoids in the molecular regulation of muscle wasting, Critical Care Medicine, 35, S602-S608(2007) Michael Menconi, Patricia Gonnella, Victoria Petkova, Stewart Lecker, and Per-Olof Hasselgren, Dexamethasone and corticosterone induce similar, but not identical, muscle wasting responses in cultured L6 and C2C12, Journal of Cellular Biochemistry, 105, 353-364(2008) Nakaishi H.,, Matsumoto H., Tominaga S., Hirayama M., Effects of Black Currant Anthocyanoside Intake on Dark Adaptation and VDT Work-induced Transient Refractive Alteration in Healthy Humans, Alternative Medicine Review, 5, 553-562(2000) Sandri, M., Sandri, C., Gilbert, A., Skurk, C., Calabria, E., Picard, A., Walsh, K., Schiaffino, S., Lecker, S.H., and Goldverg, A.L., Foxo transcription factors induce the atrophy-related ubiquitin ligase atrogin-1 and cause skeletal muscle atrophy, Cell, 117, 399-412(2004) Sue C.Bodine, et al., Identification of ubiquitin ligases required for skeletal muscle atrophy, Science 294, 1704-1708(2001) Wing, S.S., and Goldberg, A.L., Glucocorticoids activate the ATP-ubiquitin-dependent proteolytic system in skeletal muscle during fasting, American Journal of Physiology, 264, E668-E676. 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