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タイトル:再公表特許(A1)_流動特性測定用金型、流動特性測定方法、半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置の製造方法
出願番号:2010006733
年次:2013
IPC分類:G01N 11/00


特許情報キャッシュ

西川 敦准 JP WO2011064964 20110603 JP2010006733 20101117 流動特性測定用金型、流動特性測定方法、半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 住友ベークライト株式会社 000002141 速水 進治 100110928 西川 敦准 JP 2009265872 20091124 G01N 11/00 20060101AFI20130315BHJP JPG01N11/00 C AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20130411 2011543097 23 本発明は、流動特性測定用金型、流動特性測定方法、半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形の際の狭路充填性を評価するのに適した流動特性測定用金型、流動特性測定方法、この流動特性測定方法により選択される半導体封止用樹脂組成物、ならびに、この半導体封止用樹脂組成物を用いる半導体装置の製造方法に関するものである。 IC、LSI等の半導体素子の封止方法として、樹脂組成物のトランスファー成形が低コスト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体の高集積化も年々進み、また半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用樹脂組成物への狭路への充填性の要求は益々厳しいものとなってきている。このため、狭路充填性と整合できる流動特性評価方法が極めて重要となっている。 従来、ANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型を用いて、螺旋状の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して樹脂組成物の流動長を測定する流動特性測定が半導体封止用樹脂組成物の流動特性評価方法として多く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型の螺旋状流路の断面形状は、半径R1.6mm(R0.63インチ)の半円状と大きいものであったため、これまでの半導体装置であればこの評価手法で半導体封止用樹脂組成物の半導体装置への充填性との整合性が充分にとれていたものの、昨今の薄型化に伴う小型の半導体装置においては、スパイラルフロー測定結果と実際の半導体装置での狭路充填性との整合性が十分にとれていなかった。また、ANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型に規定された螺旋状流路の流路長は、約102インチ(約260cm)であり、これを超えるような高流動性の樹脂組成物の流動特性を評価することは不可能であった。 上記のような事情から、従来、狭路充填性の評価は、実際の半導体素子を用いて行われていた。例えば、MAP基板上にフリップチップを表面実装し、そこへ半導体封止用樹脂組成物を実際に流し込み、超音波画像測定装置等により狭路充填性を評価するしか方法が無かった。ICチップは非常に高価であり、表面実装の手間など、非常に工数のかかる評価であり、効率が悪いものであった。また、例えば、多段に積層された半導体素子を封止成形するのに適した半導体封止用樹脂組成物のように、スパイラルフロー測定用金型を用いた流動特性評価において、流動長が102インチ(260cm)を超えるような高流動性の樹脂組成物の流動特性を定量的に評価できるものはなかった。特開2008−291155号公報 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形時における狭路充填性の評価を、高価なICチップを使用しない低コストで簡便な評価方法を提供することにある。また、極めて高流動性である樹脂組成物の流動特性を定量的に評価できる方法を提供することにある。 本発明によると、金型に設けられた流路に被測定物である樹脂組成物を注入して前記樹脂組成物の流動特性を測定するために使用する流動特性測定用金型であって、 前記流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.02mm以上、0.4mm以下であることを特徴とする流動特性測定用金型が提供される。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定用金型において、上記流路が螺旋状の流路である。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定用金型において、上記流路の断面形状が、長方形、台形又は蒲鉾形である。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定用金型において、上記流路の断面形状の最大幅(w)と最大高さ(h)とがw≧hの関係にある。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定用金型において、上記流路の断面形状の上記最大高さが0.05mm以上、0.8mm以下である。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定用金型において、上記流路の断面形状の上記最大幅が0.5mm以上、10mm以下である。 本発明によると、上記流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して一方向に流動させる工程と、上記樹脂組成物の上記流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求める工程を含む、流動特性測定方法が提供される。 本発明の一実施形態によると、上記流動特性測定方法において、流動距離を流動長として求める上記工程が、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度140〜190℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間60〜180秒の条件で実施される。 本発明によると、上記流動特性測定方法により、樹脂組成物の流動特性を評価する樹脂組成物の検査方法であって、上記樹脂組成物が半導体封止用樹脂組成物であり、上記半導体封止用樹脂組成物の製品検査として上記半導体封止用樹脂組成物の流動長を測定し、その値を予め定められた製品規格と比較して合否判定する工程を含む半導体封止用樹脂組成物の検査方法が提供される。 本発明によると、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)無機充填材及び(D)硬化促進剤を含む半導体封止用樹脂組成物であって、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する上記流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上記流動特性測定方法に従って、上記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が50cm以上である半導体封止用樹脂組成物が提供される。 本発明の一実施形態によると、上記半導体封止用樹脂組成物は、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する上記流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上記流動特性測定方法に従って、上記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長をL1とし、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が半径R1.6mmの半円形である螺旋状の流路を有するANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した流動長をL2としたとき、下記式: 0.25L2≦L1を満たす。 本発明の一実施形態によると、上記半導体封止用樹脂組成物は、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する上記流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上記流動特性測定方法に従って、上記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が60cm以上である。 本発明の一実施形態によると、上記半導体封止用樹脂組成物は、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する上記流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上記流動特性測定方法に従って、上記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が80cm以上である。 本発明によると、ダイパッド部を有するリードフレーム又は回路基板上に積層もしくは並列して搭載された1以上の半導体素子を、上記半導体封止用樹脂組成物により封止成形する半導体装置の製造方法であって、上記半導体装置が最小高さ0.01mm以上、0.1mm以下の狭路を有する半導体装置の製造方法が提供される。 本発明に従うと、狭路充填性に優れた半導体封止用樹脂組成物及び極めて高流動性である半導体封止用樹脂組成物を安定して得ることができるため、狭路を有する半導体装置及び多段に積層された半導体素子を有する半導体装置等に有用な半導体封止用樹脂組成物の選定、品質管理等に好適に用いることができる。 本発明に従うと、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形時における狭路充填性の評価を、安価かつ簡便な評価で行うことが可能であり、極めて高流動性である樹脂組成物の流動特性を定量的に評価することが可能である。また本手法により半導体封止用樹脂組成物の品質を管理することにより、狭路充填性に優れた半導体封止用樹脂組成物、ならびに、充填不良等のない半導体装置を安定して得ることができる。本発明に係る流動特性測定用金型の一例について、下型キャビティを示した図である。本発明に係る半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。 本発明の流動特性測定金型は、金型に設けられた流路に被測定物である樹脂組成物を注入して樹脂組成物の流動特性を測定するために使用する流動特性測定用金型であって、流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.02mm以上、0.4mm以下であることを特徴とする。また、本発明の流動性測定方法は、上述の流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して一方向に流動させ、樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めることを特徴とする。これにより、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形時における狭路充填性の評価を、安価かつ簡便な評価で行うことが可能となり、極めて高流動性である樹脂組成物の流動特性を定量的に評価することが可能となる。 また、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)無機充填材、および(D)硬化促進剤を含む半導体封止用樹脂組成物であって、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する上述の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、上述の流動特性測定方法に従って、半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が50cm以上であることを特徴とする。これにより、狭路充填性に優れた半導体封止用樹脂組成物、あるいは、極めて高流動性である半導体封止用樹脂組成物を安定して得ることができる。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、ダイパッド部を有するリードフレーム又は回路基板上に積層もしくは並列して搭載された1以上の半導体素子を、上述の半導体封止用樹脂組成物により封止成形することを特徴とする。これにより、0.01mm以上、0.1mm以下の狭路を有する半導体装置であっても、充填不良等のない半導体装置を安定して得ることができる。以下、本発明について詳細に説明する。 先ず、本発明の流動特性測定用金型及び流動特性測定方法について説明する。本発明の流動特性測定用金型は、金型に設けられた流路に被測定物である樹脂組成物を注入して樹脂組成物の流動特性を測定するために使用する流動特性測定用金型であって、流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.02mm以上、0.4mm以下であるものを用いることができる。これにより、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形時における狭路充填性の評価を、安価かつ簡便な評価で行うことが可能となるものである。また、極めて高流動性である樹脂組成物の流動特性を定量的に評価することが可能となるものである。 本発明の流動特性測定用金型における流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離は、0.02mm以上、0.4mm以下であることが好ましいが、特に、MAP基板上にフリップチップを表面実装したもの等を半導体封止用樹脂組成物で封止成形するMAP成形における狭路充填性との整合性を考慮した場合には、0.04mm以上、0.3mm以下であることがより好ましい。 ANSI/ASTM D 3123−72に規定された従来のスパイラルフロー測定用金型では、流路の断面形状がR1.6mm(R0.63インチ)の半円形であり、断面重心から外郭線までの最小距離は、約0.7mmと大きいものであったため、狭路を有する実際の半導体装置において受ける熱量と比較して金型表面から受ける熱量が少なく、樹脂の硬化が相対的に遅くなるため、結果として実際の半導体装置での充填性との整合性がとれていなかった。これに対して、本発明の流動特性測定用金型では、流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離を上記の範囲に設定することにより、狭路を有する実際の半導体装置での充填性との整合性をも向上させることができる。 本発明の流動特性測定用金型における流路は、特に限定されるものではないが、樹脂の流動を阻害せずに金型の大きさをコンパクトにできるという観点から、螺旋状の流路であることが好ましい。 本発明の流動特性測定用金型における流路の断面形状は、特に限定されるものではなく、長方形、台形、蒲鉾形、半円形、三角形及び円形のいずれであってもよいが、狭路を有する実際の半導体装置での充填性との整合性という観点では、実際の半導体装置における流路形状に近い、長方形、台形又は蒲鉾形であるものが好ましい。換言すると、最大幅(w)と最大高さ(h)とがw≧hの関係にあるものが好ましい。このような形状であれば、最大高さが小さい場合でも、被測定物である樹脂組成物の流量を比較的多くすることができるため、測定のバラツキを低減できるという観点でも好ましい。尚、流路の断面形状が長方形である場合、金型から樹脂硬化物を取り出し易くするために、側面に抜きテーパーがついていたり、エッジ部に丸みがついていたりしてもよい。 本発明の流動特性測定用金型における流路の断面形状における最大高さについては、狭路を有する実際の半導体装置の形状に合わせて適宜選択することで、実際の半導体装置での充填性との整合性を向上させることができるが、最大高さが0.05mm以上、0.8mm以下であることが好ましい。特に、MAP基板上にフリップチップを表面実装したもの等を半導体封止用樹脂組成物で封止成形するMAP成形における狭路充填性との整合性を考慮した場合には、0.08mm以上、0.6mm以下であることが好ましい。 本発明の流動特性測定用金型における流路の断面形状における最大幅については、狭路を有する実際の半導体装置の形状に合わせて適宜選択することで、実際の半導体装置での充填性との整合性を向上させることができるが、最大幅が0.5mm以上、10mm以下であることが好ましい。特に、MAP基板上にフリップチップを表面実装したもの等を半導体封止用樹脂組成物で封止成形するMAP成形における狭路充填性との整合性を考慮した場合には、0.8mm以上、8mm以下であることが好ましい。 本発明の流動特性測定用金型における流路の長さについては、被測定物である樹脂組成物の流動特性によって適宜設定することが可能であり、特に限定するものではないが、70cm以上、160cm以下が好ましく、80cm以上、150cm以下がより好ましい。特に、MAP基板上にフリップチップを表面実装したもの等を半導体封止用樹脂組成物で封止成形するMPA成形における狭路充填性を考慮した場合には、90cm以上、140cm以下とすることが好ましい。また、本発明の流動特性測定用金型における流路の長さが、80cm以上あれば、従来のスパイラルフロー測定用金型を用いた流動特性評価において、流動長が102インチ(260cm)を超えるような高流動性の樹脂組成物であっても、その流動特性を定量的に評価することができる。 図1は、本発明の流動特性測定用金型の一例について、下型キャビティを示した図である。図1に示した流動特性測定用金型は、図1中の「矢視図」に示すような、断面形状が長方形の流路を有する。同図に示すように、流路の断面形状は、幅5mm、高さ0.2mmの長方形であり、断面重心から外郭線までの最小距離は0.1mmである。また、流路長113cmの螺旋状である。 本発明の流動特性測定方法は、本発明の流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して一方向に流動させ、樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めるものであり、これにより、半導体封止用樹脂組成物による半導体素子の封止成形時における狭路充填性の評価を、安価かつ簡便な評価で行うことが可能となる。流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入する方法及びその条件は特に限定されるものではないが、例えば、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度140〜190℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間60〜180秒の条件で行うことができる。 本発明では、上述した本発明の流動特性測定用金型を使用した本発明の流動特性測定方法に従って、半導体封止用樹脂組成物の製品検査としてその流動長を測定し、その値を予め定められた製品規格と比較して合否判定することができる。このようにして、半導体封止用樹脂組成物の流動特性を所定範囲内に管理することによって、狭路充填性に優れた半導体封止用樹脂組成物、あるいは、極めて高流動性である半導体封止用樹脂組成物を安定して得ることができる。 次に、本発明の半導体封止用樹脂組成物について説明する。本発明の半導体封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)無機充填材及び(D)硬化促進剤を含む半導体封止用樹脂組成物であって、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する本発明の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、本発明の流動特性測定方法に従って、半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動の始点から終点までの流動距離である流動長が、50cm以上であるものが好ましく、60cm以上であるものがより好ましく、80cm以上であるものがさらに好ましい。これにより、狭路を有する半導体装置、あるいは、多段に積層された半導体素子を有する半導体装置に適した半導体封止用樹脂組成物を得ることができる。 また、MAP基板上にフリップチップを表面実装したもの等を半導体封止用樹脂組成物で封止成形するMPA成形における狭路充填性を考慮した場合には、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する本発明の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、本発明の流動特性測定方法に従って、半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長をL1とし、低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状がR1.6mmの半円形である螺旋状の流路を有するANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した流動長をL2としたとき、下記式: 0.25L2≦L1を満たすものがより好ましい。 金型キャビティに1パッケージ分の半導体素子を設置して樹脂封止するものと比較して、金型キャビティに複数パッケージ分の半導体素子を設置して一括で樹脂封止するMAP成形においては、高さ0.2mm程度の狭路に、封止樹脂を長い距離で流動させる必要がある。流動長L1とL2との関係が上記範囲となる樹脂組成物を用いることで、高さ0.2mm程度の狭路に、封止樹脂を長い距離で流動させることが可能となる。 金型キャビティに1パッケージ分の半導体素子を設置して樹脂封止するものを想定した従来の封止樹脂では、生産性の観点で硬化性が重視され、L1の値が0.25L2を下回るものであったため、従来の流動特性測定方法であるスパイラルフロー金型での流動長が200cmを超えるようなものであっても、本発明の流動特性評価金型での流動長が50cmを下回るものとなり、MAP成形における流動性が不足し、充填不良等が発生するものであった。特に、MAP基板上にフリップチップを表面実装したものを半導体封止用樹脂組成物で封止成形する場合においては、フリップチップと基板との隙間が0.01〜0.1mm程度となる場合があり、これに対しては、本発明の流動特性評価金型での流動長が60cm以上であるものを用いることが好ましい。 本発明では、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂系硬化剤(B)、無機充填材(C)および硬化促進剤(D)の種類や配合割合を適宜選択し、樹脂組成物の溶融粘度と硬化性とを調整することにより、上記方法で測定した半導体封止用樹脂組成物の流動長を上記下限値以上とすることができる。また、樹脂組成物の流動長は、粒径の大きな粒子の混入により影響を受けるため、無機充填材(C)の粒度分布を制御することにより、流動長を調整することができる。以下、半導体封止用樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)を含む。本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定するものではないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ヒドロキシナフタレン及び/又はジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂;ビスフェノールS型エポキシ樹脂等の硫黄原子含有型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用しても差し支えない。狭路を有する半導体装置における充填性を考慮すると、樹脂組成物の低粘度化が重要であり、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)全体の配合割合としては、特に限定されないが、全半導体封止用樹脂組成物中に、1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上、25質量%以下であることがより好ましい。(A)エポキシ樹脂全体の配合割合が上記下限値以上であると、流動特性の低下等を引き起こす恐れが少ない。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、フェノール樹脂系硬化剤(B)を含む。本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられるフェノール樹脂系硬化剤(B)は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型樹脂等の多官能型フェノール樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;ビスフェノールS等の硫黄原子含有型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用しても差し支えない。狭路を有する半導体装置における充填性を考慮すると、樹脂組成物の低粘度化が重要であり、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂が好ましい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物で用いられるフェノール樹脂系硬化剤(B)の配合割合は、特に限定されないが、全半導体封止用樹脂組成物中に、0.5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。フェノール樹脂系硬化剤(B)の配合割合が上記下限値以上であると、流動特性の低下等を引き起こす恐れが少ない。 本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂系硬化剤(B)との配合比率としては、全エポキシ樹脂のエポキシ基数(EP)と全フェノール樹脂系硬化剤のフェノール性水酸基数(OH)の比(EP/OH)が0.8以上、1.4以下であることが好ましい。この範囲内であると、樹脂組成物の硬化性の低下、或いは樹脂硬化物のガラス転移温度の低下、耐湿信頼性の低下等を抑えることができる。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、無機充填材(C)を含む。本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられる無機充填材(C)としては、一般に半導体封止用樹脂組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化珪素等が挙げられ、最も好適に使用されるものとしては、球状の溶融シリカである。これらの無機充填材(C)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用しても差し支えない。無機充填材(C)の最大粒径については、特に限定されないが、狭路を有する半導体装置における充填性を考慮すると、狭路の高さを超えるような粒径の大きな粒子が混入しないことが重要であり、また、45μm以上の割合が全無機充填材の1質量%以下であることが好ましく、32μm以上の割合が全無機充填材の1質量%以下であることがより好ましく、24μm以上の割合が全無機充填材の1質量%以下であることが特に好ましい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられる無機充填材(C)の含有割合は、特に限定されないが、全半導体封止用樹脂組成物中50質量%以上、92質量%以下が好ましく、60質量%以上、90質量%以下がより好ましい。無機充填材(C)の含有割合が上記下限値以上であると、耐半田性の低下等を抑えることができる。無機充填材(C)の含有割合が上記上限値以下であると、流動特性の低下等を抑えることができる。狭路を有する半導体装置における充填性を考慮すると、樹脂組成物の低粘度化が重要であり、50質量%以上、88質量%以下が好ましい。また、MAP成形における半導体封止用樹脂組成物の充填性を考慮すると、60質量%以上、88質量%以下が好ましい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含む。本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いられる硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基とフェノール樹脂系硬化剤(B)の水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に使用される硬化促進剤を用いることができる。具体例としては、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等の窒素原子含有化合物が挙げられる。狭路を有する半導体装置における充填性を考慮すると、樹脂組成物の低粘度化が重要であり、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物が好ましい。また、MAP成形における半導体封止用樹脂組成物の充填性を考慮すると、ゲル化が速くなり過ぎないことが重要であり、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物が好ましい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を用いることができる。本発明の半導体封止用樹脂組成物で用いることができるシランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、メルカプト基を有するシランカップリング剤、2級アミノ基を有するシランカップリング剤、1級アミノ基を有するシランカップリング剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルキル基を有するシランカップリング剤、ウレイド基を有するシランカップリング剤、アクリル基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。狭路を有する半導体装置における充填性、及びMAP成形における半導体封止用樹脂組成物の充填性を考慮すると、2級アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。 メルカプト基を有するシランカップリング剤(E)としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのほか、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのような熱分解することによってメルカプト基を有するシランカップリング剤と同様の機能を発現するシランカップリング剤など、が挙げられる。 2級アミノ基を有するシランカップリング剤(F)としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン等が挙げられる。 1級アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、等が挙げられる。 エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。 アルキル基を有するシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。 ウレイド基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。 アクリル基を有するシランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。 また、これらのシランカップリング剤は、予め加水分解反応させたものを配合してもよい。これらのシランカップリング剤は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。 本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いることができるシランカップリング剤の配合割合の下限値は、全樹脂組成物中0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。配合割合が、上記下限値以上であれば、各種金属系部材との密着力を増し、耐半田性を向上させる効果を得ることができる。また、シランカップリング剤の配合割合の上限値としては、全樹脂組成物中1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.7質量%以下である。配合割合が、上記上限値以下であれば、樹脂組成物の硬化物の吸水性が増大することがなく、半導体装置における良好な耐半田性を得ることができる。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂系硬化剤(B)、無機充填材(C)、硬化促進剤(D)、シランカップリング剤に加え、更に必要に応じて、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸とその金属塩類及びパラフィン等の離型剤;カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、フタロシアニン、ペリレンブラック等の着色剤;ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物等のイオントラップ剤;シリコーンオイル、ゴム等の低応力添加剤;チアゾリン、ジアゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン等の密着性付与剤;臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤等の各種添加剤を適宜配合しても差し支えない。 また、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、前述の各成分を、例えば、ミキサー等を用いて常温混合したもの、さらにその後、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶融混練し、冷却後粉砕したものなど、必要に応じて適宜分散度や流動特性等を調整したものを用いることができる。 次に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。本発明の半導体装置は、ダイパッド部を有するリードフレーム又は回路基板上に積層もしくは並列して搭載された1以上の半導体素子を封止する封止材を備えた半導体装置である。本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止して、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。また、複数の半導体素子を一括で封止成形した後、個片化する工程を経て半導体装置を得ることもできる。本発明の流動特性測定用金型を使用した本発明の流動特性測定方法に従って、半導体封止用樹脂組成物の製品検査として流動特性を所定範囲内に管理することによって得られた、流動長が50cm以上である本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止成形して得た半導体装置は、狭路を有する半導体装置であっても、充填不良等を生じることなく、安定して得ることができる。 本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて封止を行う半導体素子としては、特に限定されるものではなく、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられる。 本発明の半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)、プラスチック・リード付きチップ・キャリヤ(PLCC)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)、薄型クワッド・フラット・パッケージ(TQFP)、テープ・キャリア・パッケージ(TCP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)等が挙げられる。また、半導体封止用樹脂組成物による封止成形後に個片化する工程を経て得られる半導体装置の形態としては、MAP型のボール・グリッド・アレイ(BGA)、MAP型のチップ・サイズ・パッケージ(CSP)、MAP型のクワッド・フラット・ノンリード(QFN)等が挙げられる。 上記トランスファーモールドなどの成形方法で封止された半導体装置は、そのまま、或いは80℃から200℃程度の温度で、10分から10時間程度の時間をかけて完全硬化させた後、電子機器等に搭載される。 図2は、本発明の半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置の一例であり、回路基板に並列に搭載した複数の半導体素子を一括で封止成形した後、個片化する半導体装置(MAPタイプのBGA)における一括封止成形後(個片化前)の概略を示す断面図である。回路基板6上に、ダイボンド材硬化体2により半導体素子1が並列に複数固定されている。半導体素子1の電極パッド5と回路基板6の電極パッド7とはボンディングワイヤ3によって電気的に接合されている。回路基板6の半導体素子1が搭載された面と反対側の面には半田ボール8が形成されており、この半田ボール8は回路基板6の電極パッド7と回路基板6の内部で電気的に接合されている。封止材4は、例えば、半導体封止用樹脂組成物の硬化物により形成されたものであり、回路基板6の半導体素子1が複数搭載された片面側のみがこの封止材4により一括で封止成形されている。尚、ダイシングライン9に沿ってダイシングすることで、個片化される。図2では、個片化後の半導体装置において、回路基板6上に半導体素子1が1個搭載されたものを示したが、2個以上が並列又は積層されて搭載されていてもよい。 以下に本発明の実験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、実験例で用いた流動特性評価用金型及び半導体封止用樹脂組成物について以下に示す。 (流動特性評価用金型) 本発明に従う図1に示された流動特性評価用金型(以下、「フラットフロー金型」ともいう。):流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.1mm(流路の断面形状が、幅5mm、高さ0.2mmの長方形)であり、流路が螺旋状である流動特性評価用金型 ANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型(以下、「スパイラルフロー金型」ともいう):流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が約0.7mm(流路の断面形状が、R1.6mm(R0.63インチ)の半円形)であり、流路が螺旋状である流動特性評価用金型 (半導体封止用樹脂組成物) 表1に記載の配合割合で以下に示す各成分を配合し、ミキサーにて混合後、熱ロールを用いて95℃で8分間混練し、さらに冷却後粉砕して半導体封止用樹脂組成物を得た。 (エポキシ樹脂) エポキシ樹脂1:下記式(1)で表されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273) エポキシ樹脂2:下記式(2)で表される化合物を主成分とするビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名YX−4000、エポキシ当量190、融点105℃) (フェノール樹脂系硬化剤) フェノール樹脂系硬化剤1:下記式(3)で表されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成株式会社製、商品名MEH−7851SS、軟化点107℃、水酸基当量204) フェノール樹脂系硬化剤2:下記式(4)で表されるフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名XLC−LL、水酸基当量165、軟化点79℃) (無機充填材) 溶融球状シリカ1(平均径6μm、篩により、24μm以上の粗粉を除去したもの) (硬化促進剤) 硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン 硬化促進剤2:下記式(5)で表される硬化促進剤 硬化促進剤3:下記式(6)で表される硬化促進剤 (カップリング剤) シランカップリング剤1:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製、商品名KBM−573) (その他の添加剤) カルナバワックス(日興ファインプロダクツ株式会社製、商品名ニッコウカルナバ) カーボンブラック:(三菱化学株式会社製、商品名MA−600) 得られた半導体封止用樹脂組成物を、以下の方法で評価した。結果を表1に示す。 評価方法 フラットフロー:低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS−15)を用いて、流動特性評価用金型(フラットフロー金型)に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、半導体封止用樹脂組成物を注入し、半導体封止用樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めた。単位はcm。 スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS−15)を用いて、スパイラルフロー測定用金型(スパイラルフロー金型)に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、半導体封止用樹脂組成物を注入し、半導体封止用樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めた。単位はcm。 ゲルタイム:175℃の熱板上で樹脂組成物を練り、硬化するまでに要した時間を測定した。単位は秒。 狭路充填性:上型に略直方体(幅50mm×奥行き50mm×高さ350μm)のキャビティを4パネル分有する金型の下型上に、MAP基板(基板サイズ:60mm×250mm×230μm厚)に半田バンプ高さ35μmのフリップチップ(チップサイズ:10mm×10mm×180μm厚)36個(縦3個×横3個×4パネル)を実装したものを設置したのち、低圧トランスファー成形機(TOWA製)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、MAP基板に実装されたフリップチップを半導体封止用樹脂組成物により一括封止成形したのち、個片化して半導体装置(パッケージサイズ:15mm×15mmで樹脂封止部の厚み350μm)を得た。この際、半導体封止用樹脂組成物の流路で最も薄い部分は、基板とチップ間のバンプの部分であり、その断面形状は、幅10mm、高さ0.035mmであった。得られた半導体装置36個を、超音波映像装置(日立建機製、FineSAT)で充填性を確認した。全ての半導体装置で未充填がなければ○、1個でも未充填があれば×と判定した。 金型に設けられた流路に被測定物である樹脂組成物を注入して前記樹脂組成物の流動特性を測定するために使用する流動特性測定用金型であって、 前記流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.02mm以上、0.4mm以下であることを特徴とする流動特性測定用金型。 前記流路が螺旋状の流路である、請求項1に記載の流動特性測定用金型。 前記流路の断面形状が、長方形、台形又は蒲鉾形である、請求項1に記載の流動特性測定用金型。 前記流路の断面形状の最大幅(w)と最大高さ(h)とがw≧hの関係にある、請求項1に記載の流動特性測定用金型。 前記流路の断面形状の前記最大高さが0.05mm以上、0.8mm以下である、請求項4に記載の流動特性測定用金型。 前記流路の断面形状の前記最大幅が0.5mm以上、10mm以下である、請求項4に記載の流動特性測定用金型。 請求項1に記載の流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して一方向に流動させる工程と、前記樹脂組成物の前記流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求める工程を含む、流動特性測定方法。 流動距離を流動長として求める前記工程が、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度140〜190℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間60〜180秒の条件で実施される、請求項7に記載の流動特性測定方法。 請求項7に記載の流動特性測定方法により、樹脂組成物の流動特性を評価する樹脂組成物の検査方法であって、前記樹脂組成物が半導体封止用樹脂組成物であり、前記半導体封止用樹脂組成物の製品検査として前記半導体封止用樹脂組成物の流動長を測定し、その値を予め定められた製品規格と比較して合否判定する工程を含む、半導体封止用樹脂組成物の検査方法。 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)無機充填材及び(D)硬化促進剤を含む半導体封止用樹脂組成物であって、 低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する請求項1に記載の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、請求項7に記載の流動特性測定方法に従って、前記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が50cm以上である、半導体封止用樹脂組成物。 低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する請求項1に記載の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、請求項7に記載の流動特性測定方法に従って、前記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長をL1とし、 低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が半径R1.6mmの半円形である螺旋状の流路を有するANSI/ASTM D 3123−72に規定されたスパイラルフロー測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、前記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した流動長をL2としたとき、下記式: 0.25L2≦L1を満たす、請求項10に記載の半導体封止用樹脂組成物。 低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する請求項1に記載の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、請求項7に記載の流動特性測定方法に従って、前記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が60cm以上である、請求項10に記載の半導体封止用樹脂組成物。 低圧トランスファー成形機を用いて、流路の断面形状が幅5mm、高さ0.2mmの略長方形である螺旋状の流路を有する請求項1に記載の流動特性測定用金型の流路に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、請求項7に記載の流動特性測定方法に従って、前記半導体封止用樹脂組成物を注入して測定した際の流動長が80cm以上である、請求項10に記載の半導体封止用樹脂組成物。 ダイパッド部を有するリードフレーム又は回路基板上に積層もしくは並列して搭載された1以上の半導体素子を、請求項10に記載の半導体封止用樹脂組成物により封止成形する半導体装置の製造方法であって、前記半導体装置が最小高さ0.01mm以上、0.1mm以下の狭路を有する、半導体装置の製造方法。 本発明によれば、金型に設けられた流路に被測定物である樹脂組成物を注入して樹脂組成物の流動特性を測定するために使用する流動特性測定用金型であって、流路の断面形状における断面重心から外郭線までの最小距離が0.02mm以上、0.4mm以下であることを特徴とする流動特性測定金型、およびこの流動特性測定用金型の流路に被測定物である樹脂組成物を注入して一方向に流動させ、樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めることを特徴とする流動特性測定方法が提供される。


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