| タイトル: | 特許公報(B2)_消臭材 |
| 出願番号: | 2009553452 |
| 年次: | 2011 |
| IPC分類: | A61L 9/01,A61K 8/87,A61Q 15/00,B01J 20/26,D01F 6/70 |
田中 利宏 井上 裕邦 石渡 弘則 JP 4663812 特許公報(B2) 20110114 2009553452 20090213 消臭材 東レ・オペロンテックス株式会社 502179282 岩谷 龍 100077012 田中 利宏 井上 裕邦 石渡 弘則 JP 2008035223 20080215 20110406 A61L 9/01 20060101AFI20110317BHJP A61K 8/87 20060101ALI20110317BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20110317BHJP B01J 20/26 20060101ALI20110317BHJP D01F 6/70 20060101ALI20110317BHJP JPA61L9/01 KA61K8/87A61Q15/00B01J20/26 AD01F6/70 Z A61L 9/00- 9/22 A61K 8/87 A61Q 15/00 B01J 20/00-20/34 D01F 6/70 C08L 75/04 特開2007−204686(JP,A) 特開2006−097173(JP,A) 特開2004−131866(JP,A) 特開2001−172868(JP,A) 12 JP2009052360 20090213 WO2009101995 20090820 24 20100806 樺澤 朝美 本発明は、加齢臭の一種であるノネナールに対して著しく優れた消臭性を有する消臭材に関する。 近年、日常生活の中で快適性への要望が高まっており、消臭材が注目されている。 例えば、木綿繊維等のセルロース系繊維にメタクリル酸をグラフト共重合させて得られる改質セルロース系繊維は、アンモニアや屎尿臭等の悪臭に対する消臭性に優れたものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、消臭性については、高齢化社会の進行により、特に加齢臭の消臭機能が求められている。一般に、加齢臭とは、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸及びノネナールの各臭気成分よりなるものと考えられており、社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)公表の「消臭加工繊維製品認証基準」の評価基準によれば、加齢臭の消臭には、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸及びノネナールの全ての成分を減少させる機能が必須とされている。 各種の消臭機能を備えた消臭材を得るために種々の試みがなされており、酸化チタン光触媒を付着させた原繊維を編成してなる布帛(例えば、特許文献2参照)、および布帛製品自体を光触媒含有処理液に投入して加工処理する方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。 しかしながら、出願人の知る限り、ノネナールや加齢臭に対する優れた消臭性を備えた消臭材については、未だ報告されていないのが現状である。特開平6−184941号公報特開2002−030552号公報特開2007−126764号公報 上記の通り、ノネナールや加齢臭の満足できる消臭性を備えた消臭材は報告されていない。本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、優れた消臭性、特に加齢臭消臭機能を備えた消臭材を提供することを目的とする。 本発明者等は、優れた消臭材を開発する過程で、ポリウレタン系樹脂が加齢臭の一成分であるノネナールに対し驚くべき消臭性を発現することを発見した。本発明は、このような知見に基づいて、更に鋭意開発を重ねて完成に至ったものである。 すなわち、本発明は以下の構成からなる。[1] ノネナールを消臭するポリウレタン系樹脂を含有することを特徴とする消臭材。[2] ポリウレタン系樹脂が、アンモニア、酢酸、およびイソ吉草酸からなる群より選択される少なくとも1種をさらに消臭する[1]記載の消臭材。[3] ポリウレタン系樹脂のガラス転移点(Tg)が−100〜0℃である[1]または[2]に記載の消臭材。[4] ポリウレタン系樹脂が、ポリウレタンウレア系繊維である[1]〜[3]のいずれかに記載の消臭材。[5] さらに、カルボキシル基を含有する繊維を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の消臭材。[6] カルボキシル基を含有する繊維が、カルボキシル基濃度30〜3000meq/kgのカルボキシル基を含有する[5]記載の消臭材。[7] カルボキシル基を含有する繊維が、親水性ビニル系モノマーが2〜30重量%グラフト重合されたセルロース系繊維である[5]記載の消臭材。[8] ノネナールを消臭する消臭材を製造するためのポリウレタン系樹脂の使用。 また、本発明の消臭材で使用されるポリウレタン系樹脂の好ましい実施態様は以下に記載した通りのストレッチ布帛である。[1’] (A)カルボキシル基を含有するセルロース系繊維を紡績糸に対して100〜5重量%およびポリエステル繊維を紡績糸に対して0〜95重量%含む紡績糸、および(B)ポリウレタン系弾性繊維を含有し、(A)紡績糸を布帛に対して99〜70重量%、および(B)ポリウレタン系弾性繊維を1〜30重量%含有する布帛であって、抗菌剤が吸尽もしくは担持されているストレッチ布帛。[2’] カルボキシル基を含有するセルロース系繊維がセルロース系繊維にメタクリル酸をグラフト共重合反応させて得られる改質セルロース系繊維である[1’]記載のストレッチ布帛。[3’] 紡績糸が、リング・トラベラー法、オープンエンド法、結束法および精紡交撚法のいずれか1種以上の製造方法により得られたものである[1’]または[2’]に記載のストレッチ布帛。[4’] ポリエステル繊維の1g当たりの繊維表面積が約0.1m2以上またはポリエステル繊維の単繊維繊度が約3デニール以下である[1’]〜[3’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[5’] ポリウレタン系弾性繊維を構成するポリウレタンのウレタン基濃度が約0.2mol/kg以上3.5mol/kg以下である[1’]〜[4’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[6’] ポリウレタン系弾性繊維が、下記の構造単位(a)を5〜25モル%及び構造単位(b)を95〜75モル%含む数平均分子量が250〜10000であるポリアルキレンエーテルジオールと、ジイソシアネート化合物と、ジアミノ化合物とを重合させて得られるポリウレタンウレアからなる[1’]〜[5’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。(ただし、R1は炭素原子数が1〜3の直鎖のアルキレン基、R2は水素または炭素原子数が1〜3のアルキル基をそれぞれ表す。)[7’] ポリウレタン系弾性繊維を構成するポリウレタンの有効末端アミン濃度が15〜50meq/kgである[1’]〜[6’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[8’] 抗菌剤が有機窒素硫黄系化合物、第4級アンモニウム系化合物、リン酸エステル系化合物および金属イオンを含有する無機系化合物のいずれか1種以上から選択されている[1’]〜[7’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[9’] 目付が100〜1000g/m2であり、タテ方向および/またはヨコ方向の伸長率が5%以上である[1’]〜[8’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[10’] 紡績糸が6〜60英式綿番手である[1’]〜[9’]のいずれかに記載のストレッチ布帛。[11’] 抗菌剤による吸尽もしくは担持処理に際し、抗菌剤を含む処理液のpHが5.0以上6.0以下の範囲である[1’]〜[10’]のいずれかにに記載のストレッチ布帛。 本発明の消臭材は、消臭性、特に加齢臭消臭機能を備えており、さらに、加齢臭の成分であるノネナールの消臭効果が大きく、その持続性が驚くほど優れている。 以下、本発明の好ましい実施の態様を説明する。 まず、本発明のポリウレタン系樹脂を説明する。 本発明に使用されるポリウレタン系樹脂は、主構成成分がポリマージオールおよびジイソシアネートであるポリウレタンであれば任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。なお、主構成成分とは、ポリウレタンを形成する成分の内、50重量%以上を構成する成分をいう。 すなわち、例えば、ポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤としてジアミノ化合物(低分子量ジアミン)からなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマージオールとジイソシアネートと鎖伸長剤として低分子量ジオールからなるポリウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。 ここで、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂を構成する代表的な構造単位について述べる。 ポリウレタン系樹脂を構成する構造単位のポリマージオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に消臭性、柔軟性、繊維とした際に高い伸度を付与する観点からポリエーテル系グリコールが使用されることが好ましい。 ポリエーテル系グリコールは、次の一般式(I)で表される単位を含む共重合ジオール化合物を含むことが好ましい。(但し、a、cは1〜3の整数、bは0〜3の整数、R3、R4はH又は炭素数1〜3のアルキル基) このポリエーテル系グリコール化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコール、変性ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフランおよび2,3−ジメチル−テトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフラン及びネオペンチルグリコールの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフランとエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が挙げられる。本発明のポリウレタン系樹脂としては、これらポリエーテル系グリコール類の1種を使用してもよいし、2種または3種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。中でもPTMGまたは変性PTMGを使用するのが好ましい。 また、ポリウレタン系樹脂における耐摩耗性や耐光性を高める観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとポリプロピレンポリオールの混合物をアジピン酸等と縮重合することにより得られる側鎖を有するポリエステルジオールなどのポリエステル系グリコールや、3,8−ジメチルデカン二酸及び/又は3,7−ジメチルデカン二酸からなるジカルボン酸成分とジオール成分とから誘導されるジカルボン酸エステル単位を含有するポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。 また、これらのポリマージオールは単独で使用してもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。 次に、本発明で用いるポリウレタン系樹脂を構成する構造単位のジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートなどが好ましい。芳香族ジイソシアネートとしては、例えばジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。また、脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタンの黄変を抑制する際に有効に使用できる。中でも好ましくは、4,4’−MDIである。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 次に、ポリウレタン系樹脂を構成する構造単位の鎖伸長剤としては、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうち少なくとも1種または2種以上を使用するのが好ましい。なお、エタノールアミンのように、水酸基とアミノ基の両方を分子中に有するものであってもよい。 好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン(以下、EDAと略す)、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。特に好ましくはEDAである。EDAを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた樹脂を得ることができる。これらの鎖伸長剤に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を、効果を失わない程度に加えてもよい。 また、好ましい低分子量ジオールとしては、エチレングリコール(以下、EGと略す)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどは代表的なものである。特に好ましくはEG、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性が高く、また、ポリウレタン系繊維とした場合に強度を高くすることができる。 なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒を1種もしくは2種以上混合して使用することも好ましい。 アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。 また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。 本発明のポリウレタン系樹脂となるポリウレタンの合成方法は、溶融重合法や溶液重合法など、特に限定されず、常法に従うものである。 溶液重合法の場合、かかるポリウレタンは、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略す)、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、上記の原料を用い合成することにより得られる。例えば、こうした溶剤中に、各上記原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリマージオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前述の鎖伸長剤と反応させてポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。この場合、得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。 本発明において、ノネナール、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸などの臭気成分を消臭するとは、社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)が定める消臭加工繊維製品認証基準(2007年9月1日版)に規定されている消臭性基準に従って判断される。 消臭性能の試験は、例えば、容器に臭気成分とサンプルを入れ、2時間放置後の臭気成分の残留濃度(2時間後の試料試験濃度)を測定することにより行われる。ノネナール及びイソ吉草酸の残留濃度はガスクロマトグラフィー法により測定し、アンモニア及び酢酸の残留濃度は検知管法により測定する。臭気成分のみを入れた容器の残留濃度を空試験濃度として、下式より臭気成分の減少率を計算し、減少率が以下の通りであれば、臭気成分を消臭するという。 減少率(%)=(2時間後の空試験濃度−2時間後の試料試験濃度)/(2時間後の空試験濃度)×100 さらに、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂には、後述の各種添加剤類を添加することが好ましい場合がある。各種添加剤類の添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法など各種の手段が採用できる。ここで、添加される各種添加剤類は、ポリウレタンを溶液重合により合成する場合、ポリウレタンへの均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。 なお、各種添加剤類のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタン溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生する場合がある。この現象を防止する観点から、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤を1種または2種以上混合して使用することも好ましい。 さらに、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、安定剤として、ジビニルベンゼンとp−クレゾールとの付加重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462)、耐光剤、酸化防止剤などとして、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80などをはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製“チヌビン”等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー”P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などを添加してもよいし、またポリマーと反応させて存在させてもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるためには、酸化窒素捕捉剤として例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150や、熱酸化安定剤として例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80等、光安定剤として例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ”300#622などを含有させてもよい。 また、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂のガラス転移点(Tg)は、その消臭性能の指標の一つとなる。つまり、理由は定かではないが、Tg以上の雰囲気で使用すれば対象ガスの透過性が優れ、消臭機能が高まるのである。すなわち、消臭材の使用温度はTgより高いことが好ましく、実用上、高い消臭性能を得る観点から、Tgは−100〜0℃であることが好ましい。 ガラス転移点(Tg)の測定法としては、粘弾性率測定機を用いる手法が挙げられる。例えば、レオメトリック社製動的弾性率測定機RSAIIを用い、昇温速度10℃/分で、動的貯蔵弾性率E’の温度分散、動的損質弾性率E”の温度分散からの損失正接tanδ=E”/E'として測定できる。 そして、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂として特に好ましいのは、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、高耐熱性に優れたものを得る観点から、ポリマージオールとジイソシアネートとを反応させて得られるものからなり、かつ高温側の融点が150℃以上300℃以下の範囲となるものである。ここで、高温側の融点とは、示差走査熱量計(DSC)で測定した際のポリウレタンまたはポリウレタンウレアのいわゆるハードセグメント結晶の融点が該当する。 ポリウレタンまたはポリウレタンウレアのTgを−100℃以上0℃以下、および高温側の融点を150℃以上300℃以下の範囲内とする方法としては、例えば、ポリマージオールとジイソシアネートの比率をコントロールする方法が挙げられる。例えば、ポリマージオールの数平均分子量が1000以上の場合、(ジイソシアネートのモル数)/(ポリマージオールのモル数)=1.5以上の割合で、重合を進めることにより、Tgが−100℃以上、高温側の融点が150℃以上のポリウレタンを得ることができる。 さらに、消臭性を高める観点から、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂を構成するポリウレタンのウレタン基濃度は、好ましくは約0.2mol/kg以上3.5mol/kg以下、より好ましくは約0.4mol/kg以上1.0mol/kg以下である。ウレタン基濃度は、(ポリウレタン系樹脂に含有されるポリマージオール(mol))×2/(ポリウレタン系樹脂重量(kg))として算出される。 また、本発明で使用されるポリウレタン系樹脂を構成するポリウレタンの有効末端アミン濃度は、15〜50meq/kgであることが好ましい。有効末端アミン濃度は、以下の方法によって算出される。まず、ポリウレタンまたはポリウレタンウレアの溶液をDMAcで希釈して、濃度が2重量%の溶液25mlとし、p−トルエンスルホン酸(0.01N)で電位差滴定して、第1級アミンと第2級アミンの総濃度(a)を求める。次いで、この溶液にサリチルアルデヒドを添加して、第1級アミンと反応させた後、第2級アミンをp-トルエンスルホン酸(0.01N)で電位差滴定し、第2級アミン濃度(b)を求める。有効末端アミン濃度は次式により算出される。 有効末端アミン濃度(meq/kg)=(a)−(b) 本発明で使用されるポリウレタン系樹脂の好ましい形態としては、繊維、フィルム、樹脂成形品(シート、棒状体、筒状体、異型成形品、これらの発泡体等)、微細化物の圧縮成形物、含浸物などが挙げられ、最も好ましくは繊維である。繊維とした場合、他の素材との混用が容易となり、様々な布帛や繊維構造物として適用できる。 本発明で使用されるポリウレタン系樹脂を繊維として用いる場合、ポリマージオールとして下記の構造単位(a)が5〜25モル%、及び構造単位(b)が95〜75モル%であり、かつ数平均分子量が250〜10000であるポリアルキレンエーテルジオールと、ジイソシアネート化合物と、鎖伸長剤からなるポリウレタン系繊維であり、特に好ましくは、鎖伸長剤としてジアミノ化合物(低分子ジアミン)を使用して重合されるポリウレタンウレアからなることが好ましい。また、ポリウレタン系繊維は通常の方法にて紡糸することによって得られる。 (ただし、R1は炭素原子数が1〜3の直鎖のアルキレン基、R2は水素または炭素原子数が1〜3のアルキル基をそれぞれ表す。) 上記構造単位(a)は、ポリアルキレンエーテルジオール中に側鎖を導入したものであり、例えば、3−メチルテトラヒドロフランに由来する構造単位や、ネオペンチルグリコールに由来する構造単位で代表される。なかでも、前記式中、R1が炭素数2の直鎖アルキレン基、R2が水素である構造単位が特に好ましい。 このようにポリアルキレンエーテルジオールが、分子鎖中に側鎖を有することにより得られるポリウレタン系繊維は、高い柔軟性と高い回復性をもち、かつTgが低く、より高い消臭性を得ることができる。さらに、高温染色や高温熱セットに対する耐久性が向上し、回復応力の低下を著しく抑制することができる。 また、上記構造単位(a)と上記構造単位(b)とからなる共重合物は、好ましくはブロック共重合、ランダム共重合により得られるものであるが、そのランダム性は、特に、分子鎖の末端部分に上記構造単位(a)がより多く存在することが好ましい。即ち、分子鎖のOH基に隣接する位置を占める上記構造単位(a)の割合(末端a割合)が、分子鎖全体中の上記構造単位(a)の割合(全体a割合)よりも多く、例えば、全体a割合に対する末端a割合の値が2倍以上であることが好ましい。このようにすれば、特に高温染色時のポリウレタン系繊維がポリウレタン系弾性繊維である場合、その回復応力の保持率を高くすることができる。 このように上記構造単位(a)が分子鎖末端部分に多く存在するためには、上記構造単位(a)を形成させるモノマーと上記構造単位(b)を形成させるモノマーとを重合させる工程の終期において、上記構造単位(a)を形成させるモノマーを追加供給して反応させる重合方法をとればよい。この追加供給するモノマーの量や供給タイミング等により、分子鎖のOH基に隣接する位置に存在する構造単位(a)割合を所望水準に制御することができる。 なお、上記した両モノマーとして、3−メチル−テトラヒドロフランとテトラヒドロフランとを用いる場合には、触媒として、例えばテトラヒドロフランを開環させ得る強酸であるクロロスルホン酸、2−フロロスルホン酸、過塩素酸などを存在させ、0〜50℃程度の温度で共重合反応させて、上記構造単位(a)及び構造単位(b)からなるポリアルキレンエーテルジオールを製造することができる。 ポリアルキレンエーテルジオール中において、上記構造単位(a)の全体a割合は5〜25モル%であり、好ましくは8〜20モル%である。上記構造単位(b)は残りの割合である。このような割合で上記構造単位(a)が含まれることにより高温での染色がより好ましくできる。 本発明に使用されるポリマージオールの分子量は、ポリウレタン系繊維にした際の消臭性、伸度、強度、耐熱性などを所望水準とするために、数平均分子量で1000〜8000が好ましく、1800〜6000がより好ましい。この範囲の分子量のポリマージオールを使用することにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性、消臭性に優れたポリウレタン系繊維やポリウレタン系弾性繊維を得ることができる。 本発明で好ましく用いるポリウレタン系繊維は、上記した特定のポリアルキレンエーテルジオールをポリマージオールとして用いる重合によって得られるポリウレタンまたはポリウレタンウレアから構成されるので、その伸度及び強度が高いポリウレタン系弾性繊維となり、さらに数度の染色も可能となり、染色後も、高い伸縮性を保持することができる。 また、ポリマージオールと反応させるジイソシアネート化合物としては通常のものが用いられ、例えば、MDIが用いられる。 本発明で使用するポリウレタン系繊維を構成する好ましいジアミノ化合物(低分子量ジアミン)として、対称性ジアミノ化合物が挙げられ、エチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンやp−フェニレンジアミン等が挙げられるが、消臭性の点からはEDAが好ましい。 なお、ポリマージオールとして数平均分子量が1000以上8000以下、好ましくは1800以上6000以下の範囲にあるPTMGまたは変性PTMG、ジイソシアネートとしてMDI、鎖伸長剤としてEG、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、EDA、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種が使用されてこれらが反応に供されて合成され、かつ、Tgが−100〜0℃、高温側の融点が150℃以上300℃以下の範囲であるポリウレタンから製造されたポリウレタン系繊維は、特に消臭性と伸度が高くなるので好ましく、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の問題はなく、かつ、高耐熱性にも優れるので好ましい。 本発明において好ましく用いられるポリウレタン系繊維の製造方法においては、ポリウレタン溶液、また、その溶液中の溶質であるポリウレタンを製造する方法は、溶融重合法、溶液重合法のいずれであってもよく、他の方法であってもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少ないので、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン系繊維を製造しやすい。また、溶液重合の場合、溶液にする操作が省けるという利点がある。 かかるポリウレタン系繊維は、例えば、DMAc、DMF、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、上記の原料を用い合成することにより得られる。例えば、こうした溶剤中に、各上記原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリマージオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前述の鎖伸長剤と反応させてポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。この場合、得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。 このようなポリウレタン系繊維のうち、伸度の高いポリウレタンウレア系弾性繊維を、必要に応じて後述のカルボキシル基を含有する紡績糸と共に用いることにより、本発明の好ましい実施の態様としての伸縮性に富んだストレッチ布帛を得ることができる。 ポリウレタン系樹脂として、前記ポリウレタン系弾性繊維は、さらに、130℃のスチーム中で、100%伸長下で1分間処理した糸の回復応力の保持率(未処理の糸の回復応力と比較しての保持率。以下、スチーム保持率という。)が85%以上、さらに好ましくは90%以上のものである。このようなスチーム保持率を有するポリウレタン系弾性繊維をカルボキシル基を含有する紡績糸とともに用いて伸縮性繊維構造物としての布帛を製造すると、高温染色や繰り返し染色でのトラブル発生が少ないストレッチ布帛ができるのである。 そして、さらに好ましいのは、200℃の空気中で、100%伸長下1分間処理した際の回復応力の保持率(未処理の糸の回復応力と比較しての保持率。以下、乾熱保持率という。)が50%以上、より好ましくは55%以上であるポリウレタンウレア系弾性繊維を用いることである。かかるポリウレタンウレア系弾性繊維を用いれば、染色加工時に高温で熱セットすることが必要とされるカルボキシル基を含有する紡績糸を用いた布帛に伸縮性付与素材として混用させても問題なく熱セットすることができ、良好なストレッチ布帛が得られるのである。 本発明で好ましく用いるポリウレタンウレア系弾性繊維は、前述した特定のポリウレタンウレアからなるとともに、さらに上述したような特性を有することが好ましい。かかる特性のポリウレタンウレア系弾性繊維の製法は特に限定されるものではないが、ポリウレタンウレアの組成、分子量や紡糸条件等を任意に制御することによって製造できる。 次に、本発明の消臭材はカルボキシル基を含有する繊維を含有することも好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基を含有するセルロース系繊維を含有することも好ましい。以下に説明する。 カルボキシル基を含有する繊維を構成するカルボキシル基濃度は30〜3000meq/kgであることが好ましい。カルボキシル基濃度は、カルボキシル基を含有する繊維の溶液(溶媒はDMAcとアセトンの混合溶媒や塩化リチウム含有DMAc溶液など)を濃度が2重量%の溶液25mlとし、水酸化ナトリウムの0.01Nベンジルアルコール溶液を使用して滴定し、算出する。 本発明に用いられるカルボキシル基を含有する繊維の好ましい態様は、カルボキシル基を含有するセルロース系繊維が100〜5重量%およびポリエステル繊維が0〜95重量%の範囲からなる(A)紡績糸である。 上記セルロース系繊維とは、綿、麻などのセルロース系天然繊維やレーヨンなどのセルロース系再生繊維、半合成セルロース系繊維、いわゆる指定外繊維(リヨセル、キュプラ)等が挙げられる。特にリヨセルは、その柔らかな風合いや吸湿性の良さから、衣服素材として本発明の消臭材を製造する際に好ましく用いられる。 上記カルボキシル基を含有するセルロース系繊維とは、前記セルロース系繊維にメタクリル酸をグラフト共重合反応させて得られる改質セルロース系繊維よりなるものである。前記改質セルロース系繊維はアンモニアやアミン、屎尿臭等の塩基性悪臭物質に対する吸着性に優れており、消臭繊維として作用する。尚、前記改質セルロース系繊維の製造方法は、特許第3239146号(特開平6−184941号公報)に開示されている。例えば、アクリル酸およびビニルスルホン酸ナトリウムからなるモノマー混合物、または、アクリル酸およびビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドからなる親水性ビニル系モノマー混合物を含むメタノール水溶液に被処理繊維製品を浸漬した状態で放射線グラフト重合する方法である。 前記親水性ビニル系モノマーがグラフト重合されたセルロース系繊維は、グラフト前の重量と比較して2〜30重量%分の重量が増加している(グラフト率2〜30重量%)ことが好ましく、さらにグラフト率5〜15重量%が好ましい。 上記カルボキシル基を含有する繊維は、ポリエステル繊維と共に混紡して紡績糸として使用することも好ましい。 上記ポリエステル繊維は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレングリコールテレフタレートあるいは、これらの構成単位を主体とし、他の共重合成分を共重合したポリエステル系樹脂から得られたポリエステル繊維であり、特に好ましいのは、ポリエチレンテレフタレート系繊維、即ち、主たるポリマーがポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維である。 例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはエチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とするもの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)、ブチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とするもの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)などからなる繊維を好ましく用いることができる。なかでも、エチレンテレフタレート単位が90モル%以上繰り返し成分とするポリエステルからなる繊維が好ましく、エチレンテレフタレート単位が95モル%以上繰り返し成分とするポリエステルからなる繊維であることがより好ましい。エチレンテレフタレート単位が100モル%繰り返し成分とするポリエステル(すなわち、ポリエチレンテレフタレート)からなる繊維であることはさらに好ましい。このポリエチレンテレフタレート系繊維は、良好な風合い、光沢を有し、またしわになりにくいなどのイージーケア性があり、伸縮性を有する布帛を構成する繊維素材として好適である。また、ポリエチレンテレフタレート系繊維は、本発明で好ましく用いられるポリウレタンウレア系弾性糸との組合せで用いる場合に好適であって、良好なストレッチ布帛とすることが可能である。 これら、ポリエステル繊維の断面形態は丸形、異形を問わない。 また、吸水速乾性ポリエステル繊維糸が好ましく用いられる。吸水速乾性の合成繊維としては、中空繊維の壁面に更に小さな孔が多数設けられている繊維や、繊維表面などに多くの溝や孔などが設けられて、吸水性はこれら繊維自体の微小な孔、繊維表面の溝、繊維間、糸間の空隙に水分が吸収されるようにした異形断面形状の繊維などで、合成繊維メーカーにより、吸水速乾性繊維として各種市販されているものを用いることができる 。例えば、吸水速乾性ポリエステル繊維としては、インビスタ社製“クールマックス”、東レ株式会社製“セオα”、帝人ファイバー株式会社製“ウエルキイ”、東洋紡績株式会社製“ドライファスト” 、旭化成せんい株式会社製“テクノファイン”などが挙げられる。 吸水速乾性を付与するには、前述したようにポリエステル繊維やアクリル繊維など重合体自体として吸湿性の少ない素材を用い、中空繊維状にしてその壁面に更に小さな孔が多数設けられている繊維の形状にしたものや、繊維表面などに多くの溝や孔などが設けられて、吸水性はこれら繊維自体の微小な孔、繊維表面の溝、繊維間、糸間の空隙に水分が吸収されるようにした異形断面形状の繊維など、水分の入り込む微小な孔や空隙を設けたものなどが挙げられる。 また、必要なら帯電防止性の合成繊維として、ポリエステル導電性繊維を用いてもよい。導電性繊維としては、導電性物質として例えばカーボンブラックを用いた複合ポリエステル繊維(例えば、KBセーレン株式会社製“ベルトロン”)、白色のヨウ化銅や金属複合酸化物(例えば、TiO2・SnO2・Sb2O2)を用いた複合ポリエステル繊維などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 本発明に用いられるポリエステル繊維は、好ましくは織編物1g当たりの繊維表面積が0.1m2 以上または単繊維繊度が約3デニール以下であるもの、更に好ましくは表面積が0.12m2 以上または単繊維繊度が約3デニール以下のものである。繊維に抗菌剤が付着または吸尽する作用は繊維の表面積もしくは繊維の単繊維繊度に依存するので、表面積が0.1m2 以上の繊維または単繊維繊度が約3デニール以下の繊維とすれば、高度な工業洗濯耐久性を有する抗菌性繊維構造物(布帛)を得ることができる。 上記カルボキシル基を含有するセルロース系繊維とポリエステル繊維からなる(A)紡績糸は、カルボキシル基を含有するセルロース系繊維の含有割合が紡績糸100重量%に対して、100〜5重量%及びポリエステル繊維が紡績糸100%に対して0〜95重量%からなるものである。 前記カルボキシル基を含有するセルロース系繊維の紡績糸中の含有割合は、100〜5重量%とされ、好ましくは100〜10重量%、より好ましくは100〜50重量%、特に好ましくは75〜60重量%とされる。なお、非改質セルロース系繊維を混用することにより、紡績糸中のカルボキシル基を含有するセルロース系繊維の含有割合を上記の好ましい含有率に調整することができる。カルボキシル基を含有するセルロース系繊維が5重量%未満の場合、消臭効果が著しく低下する。 また、上記(A)紡績糸には、ポリエステル繊維を0〜95重量%含有することも好ましい。 なお、(A)紡績糸は、カルボキシル基を含有するセルロース系繊維が100〜5重量%およびポリエステル繊維が0〜95重量%からなり、さらにポリエステル繊維以外の複数種の合成繊維、羊毛、絹等の天然繊維が、50重量%未満の割合で組み合わされたものであっても良い。 前記(A)紡績糸は、吸水性を向上させる観点から、カルボキシル基を含有するセルロース系繊維(好ましくは改質リヨセル繊維)とポリエステル繊維との混紡糸、特に吸水速乾性ポリエステル繊維との混紡糸とすることが好ましく、また、カルボキシル基を含有するセルロース系繊維と帯電防止性のポリエステル導電性繊維との混紡糸とすることが好ましい。 また、紡績糸は、公知方法に従って製造されてよく、例えば、リング・トラベラー法、オープンエンド法、結束法および精紡交撚法のいずれか1種以上の製造方法により得られたものであることが好ましい。前記(A)紡績糸の繊度は特に限定されないが、6〜60英式番手が好ましい。番手とは糸の太さの単位のことをいい、番手数が大きくなるほどその糸は細くなる。本発明においては前記した太さの範囲の単糸、双糸とも好適に使用することができる。 尚、6番手より太い糸を使用すると基布が厚くなりすぎてソフト性に欠けるので好ましくなく、60番手より細い糸を使用すると薄くなりすぎ、傷みやすくなるため好ましくない。 本発明の消臭材は、例えば、ポリウレタン系繊維またはポリウレタンウレア系繊維と、カルボキシル基含有繊維、さらに所望によりポリエステル繊維などから構成される。好ましい態様としてストレッチ布帛が挙げられることは上述の通りである。 本発明の好ましい態様であるストレッチ布帛には、適宜、各種の無機系・有機系添加剤、安定剤、抗菌剤などが含まれていてもよい。例えば、ハイドロタルサイト類化合物、フンタイト及びハイドロマグネサイト、トルマリンなどに代表される各種の鉱物、Ca、Mg、Zn、Al、Ba、Tiに代表される金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物などが、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。 また、これら無機系添加剤を配合する場合には、その繊維中への分散性を向上させ、紡糸を安定化させる等の目的で、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール系有機物等の有機物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの混合物で表面処理された無機薬品を用いることも好ましい。 さらに、上記ストレッチ布帛は抗菌剤による抗菌処理が施されていることも好ましい。抗菌性を考慮すると、抗菌剤が繊維表面に付着している状態は、細菌との接触頻度が高く最も優れている。しかしこの状態は抗菌剤が剥離しやすく、洗濯耐久性の観点からは好ましくない。一方、抗菌剤が繊維内部に均一に拡散すると、抗菌性は低下するが洗濯耐久性は向上する。以上のことから、抗菌剤が繊維内部で繊維表面近傍においてリング状に分布、もしくは枝状に繊維表面から内部に分岐拡散している状態が、抗菌性および洗濯耐久性の面で優れていると考えられる。 抗菌剤としては、有機系や無機系の各種抗菌剤が挙げられ、有機窒素硫黄系化合物、第4級アンモニウム系化合物、リン酸エステル系化合物および金属イオンを含有する無機系化合物のいずれか1種以上よりなるものであることが好ましい。 有機系抗菌剤としては、有機窒素硫黄系化合物、フェノール系化合物、有機錫化合物、有機銅化合物、有機銀化合物などの抗菌性金属イオンを有する有機抗菌剤、各種有機シリコーン系第4級アンモニウム塩、アルキルリン酸エステルの第4級アンモニウム塩(例えば、セチルジメチルアンモニウムクロライドなど)、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノール及び酢酸フェノール第二水銀等有機系抗菌剤、ポリフェノール類、キトサンが挙げられる。 抗菌剤における抗菌活性部位としてアミノ基が好ましく、アリルアミノおよびジアリルアミノがより好ましく、具体的には、ジメチルアミンとエピクロルヒドリン縮合物やジアリルアミン誘導体系重合物やアリルアミンとビニルアミン誘導体重合物が好ましい。洗濯耐久性から1級、2級、3級アリルアミン系重合物が目的とする消臭効果をより高めることができ、布帛のソフト感を阻害しない。 かかる有機系抗菌剤による抗菌加工は、一般的には、後加工で抗菌剤を素材に対し、連続的にパッドし、ドライ、キュアする連続法や液流染色機等で加熱処理をするバッチ処理にて行われ得るが、予め抗菌剤を含有する繊維を構成繊維として用いることも可能で、布帛素材表面に露出せしめられるように施されていることが好ましい。均質な消臭性能と洗濯耐久性を得る観点から、バッチ処理が好ましい。 無機系抗菌剤としては、特に限定されるものではなく、銅、銀、亜鉛、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ゲルマニウム、セリウム等の遷移金属の水酸化物、アルミニウム、珪素、スズ、アンチモン等の両性金属の水酸化物、マグネシウム等の水酸化物、アルカリ金属を除く金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、アルミン酸塩、ジルコン酸塩等が例示される。これら金属化合物の中では、水酸化亜鉛及び塩基性炭酸亜鉛が特に好適である。 また、銀をゼオライトに担持させた微粒子組成物をバインダー中に分散した分散液に布帛を、含浸し、乾燥し、所定寸法に切断して作成した抗菌性材料も用いることができる。銀の担体としては、ゼオライトの他にヒドロキシアパタイト、シリカゲル、シリカ・アルミナ、リン酸ジルコニウムなどを用いることもできる。 ゼオライトに担持させた銀の代わりに、銅,亜鉛などの抗菌性金属またはその酸化物,水酸化物,または塩、β−ツジャプリシン(ヒノキチオール)、ポリフェノン類、ティトリーオイル、塩化ベンザルコニウム系,塩化ベンゼトニウム系などの陽イオン界面活性剤、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩などの両性界面活性剤、グルコン酸クロルヘキシジン,ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などのビグアナイド化合物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル類、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・ピロリドンカルボン酸塩、ヘキサクロロフェンの1種以上を、含浸して、または担体に担持させた組成物をバインダーを用いて付着させて用いることも好ましい。 特に、酸化亜鉛は、微粒子化されると、抗菌性能ならびに消臭性能が発現するばかりか、体臭で汗の分解に起因する酢酸・イソ吉草酸等の酸性ガスを化学的に消臭する能力が高くなる。また、酸化亜鉛は化粧品の原料に使用され人体に対する安全性が高いことが実証されており、皮膚と直接接触することの多い衣料の抗菌剤及び酸性ガスの消臭剤として優れている。 また、光半導体粉末の光触媒作用により殺菌・抗菌が行われる抗菌剤も好ましく用いられる。この光触媒作用は、一方の電極が光半導体粉末である光半導体セラミックスで、他方の電極が金属とされる電気化学セルによって化学的作用として発生される。かかる光半導体粉末として、TiO2 、CdS、CdSe、WO3 、Fe2O3 、SrTiO3、KNbO3 等が用いられ、金属粉末としては、金、銀、白金、銅等の種々の金属粉末が用いられる。 上記抗菌剤は、本発明の消臭材中に約0.1〜10重量%、特に好ましくは約0.1〜5重量%吸尽もしくは担持されていることも好ましい。 本発明の好ましい実施の態様であるストレッチ布帛は、上記抗菌剤による吸尽もしくは担持処理に際し、処理液のpHが5.0以上6.0以下の範囲で吸尽もしくは担持処理されたものであることが好ましい。 すなわち、上記(A)紡績糸を99〜70重量%、および(B)ポリウレタン系弾性繊維を1〜30重量%を含有するストレッチ布帛への抗菌剤による吸尽もしくは担持処理は、通常、常法により行われ、抗菌剤を必要により溶媒に溶解した処理液に布帛などをディッピングして行われるが、その場合の処理液のpHは好ましくは5.0以上6.0以下の範囲であり、抗菌剤が均一に規定量だけストレッチ布帛にしみこみ、吸尽される。処理時間は1〜120分、処理温度は40℃以上200℃以下が好ましい。 抗菌剤による吸尽もしくは担持処理は、通常、常法により行われ、例えば、布帛の染色液中にて同時に抗菌剤を投入して行うバッチ処理や連続処理が挙げられ、単独で独立した抗菌剤の吸尽もしくは担持処理の場合には、抗菌剤を必要により溶媒(例えば、水、メタノールなどの有機溶媒)に溶解や分散した処理液に上記布帛又は布帛を含む繊維製品を含浸またはディッピングして行うことが挙げられる。さらに、均質な消臭性能を得る観点からバッチ処理が好ましい。それらの場合の処理液は布帛に存在するカルボキシル基を保護して、良好な消臭性を発現せしめる観点から酸性を維持することが好ましく、抗菌剤を含む好ましい処理液のpHは5.0以上6.0以下の範囲が挙げられ、抗菌剤が均一に規定量だけストレッチ布帛に吸収され、吸尽や担持できる。布帛の染色液中にて同時に抗菌剤を投入して行う工程において、黒や紺など濃色染色時のpHは発色の観点から5.0〜6.0が好ましく、白色や淡色の染色時のpHは消臭性能および黄変の観点から、5.5〜6.0が好ましい。また、吸尽またはディッピング工程時間は、通常、1〜120分程度が好ましい。 なお、必要により、例えば、活性炭、シリカゲル、アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブ、嵩比重の大きな非晶質アルミノシリケートなど、のように、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素などの臭気成分に対する吸着性能が高い物質(消臭剤)を更に添加ないし繊維表面に固着させてもよい。もちろん、予め、消臭剤が用いられた繊維を使用してもよい。 また、消臭剤としては、ゼオライト、アパタイト(リン灰石)、活性炭、活性アルミナ、活性シリカゲル、ベントナイト、又はセピオライト等のセラミックス粉末、及び絹繊維含有物等または鉄、銅などの金属塩並びにこれらの混合物を挙げることができる。これらの消臭剤は、消臭作用のみならず吸湿作用をも兼ね備えているため、1成分で脱臭、吸湿の両機能を付与することができる。中でも好ましくはゼオライトが挙げられる。ゼオライトの特長は、無定形もしくは蜂の巣状の無数のミクロン細孔を有しており比表面積が大きい点である。このため湿気にあうと、水分がこの細孔中に吸い込まれ、さらに水分と同時に四大悪臭(アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン)を含む無機ガス及びイソ吉草酸やフェノール等を含む有機ガスまでもが吸い込まれる。 本発明の好ましい態様であるストレッチ布帛は、上記したポリウレタン系樹脂又はポリウレタン系樹脂とカルボキシル基を含有する繊維、さらに所望によりポリエステル繊維から常法に従って得られ、織物、編物もしくは不織布のいずれであってもよい。例えば、ポリウレタン系弾性繊維にカルボキシル基を含有する(A)紡績糸をカバーリングして得たカバードヤーンからなる布帛を得てもよいし、(A)紡績糸にポリウレタン系弾性繊維を裸糸(ベア)のまま織り・編みこんで交編織編地としてもよい。 さらに、織物の場合、ポリウレタン系樹脂を含む繊維のみで製織されていてもよく、また、種類の異なる繊維が交織されていてもよい。 織物の組織は、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織等の変化組織、蜂の巣織、模紗織、梨地織等の特別組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、風通織、袋織、二重ビロード等の二重織組織、ベルト織等の多層組織、たてビロード、タオル、シール、ベロア等のたてパイル織、別珍、よこビロード、ベルベット、コール天等のよこパイル織、絽、紗、紋紗等のからみ組織等が好ましい。 製織は有杼織機(フライシャットル織機等)または無杼織機(レピア織機、グリッパー織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機等)等によって行われるのが好ましい。 また、編物の場合も、ポリウレタン系樹脂を含む繊維のみで製編されていてもよく、また、種類の異なる繊維が交編されていてもよい。編物の種類は、よこ(緯)編物であってもよく、また、たて(経)編物等であってもよい。編物の組織は、よこ編は、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畦編、レース編、添毛等が好ましく、たて編は、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャカード編等が好ましい。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。 製編は、丸編機、横編機、コットン式編機のような平型編機、トリコット編機、ラッシェル編機、ミラニーズ編機等によって行われるのが好ましい。 さらに、本発明の布帛はタイツ、ストッキング、パンティストッキング、ソックス等の靴下類や下着類に対して、特に好適である。 ノネナール、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸などの消臭性能を有する消臭材としては、例えば、上記したポリウレタン系繊維とカルボキシル基を含有する繊維とを含むストレッチ布帛が好ましい。 本発明の好ましい実施の態様であるストレッチ布帛は、上記紡績糸を99〜70重量%、およびポリウレタン系弾性繊維を1〜30重量%含有する布帛であり、好ましくは紡績糸95〜80重量%、およびポリウレタン系弾性繊維を5〜20重量%含有するものである。 なお、ポリウレタン系弾性繊維の繊度は特に限定されるものではなく用途に応じて任意のものを使えばよい。 また、本発明の好ましい実施の態様であるストレッチ布帛は、目付が100〜1000g/m2であり、伸長率がタテ方向および/またはヨコ方向とも5%以上であることが好ましく、目付は150〜280g/m2であることが特に好ましい。 本発明の消臭材の主な用途としては、衣服(下着、中衣、外衣、水着、紙オムツ等の衛生材)、タオル、靴下、サポーター、食品包装材、カーペット、内装材、カーシート、寝具類、建材、壁材およびフィルター素材などが挙げられるが、これに限るものではない。 ポリウレタン系樹脂をノネナール消臭材の製造に用いることも好ましい。 以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下に単に「%」とあるのは、「重量%」を意味する。<ノネナール消臭試験> 臭気成分として、加齢臭の原因とされている2−ノネナール(C9H16O、分子量140.2、CAS番号:463−53−8 以下、単にノネナールという)を用いて消臭試験を行い、下記の方法により消臭性能を評価した。 機器分析試験はガスクロマトグラフィー法により行った。ノネナールは減少率75%以上を合格(表示○)とした。[実施例1] 脱水されたテトラヒドロフラン87.5モルと脱水された3メチル−テトラヒドロフラン12.5モルとを撹拌機付き反応器に仕込み、窒素シール下、温度10℃で、触媒(過塩素酸70重量%及び無水酢酸30重量%の混合物)の存在下で8時間重合反応を行ない、反応終了液に水酸化ナトリウム水溶液で中和する共重合方法により得られた、数平均分子量2500の共重合テトラメチレンエーテルジオール(3−メチル−テトラヒドロフラン由来の構造単位(a)を12.5モル%含む)を、ポリアルキレンエーテルジオールとして用いた。 この共重合テトラメチレンエーテルジオール1モルに対し4,4’−MDIを1.97モルになるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に十分に撹拌し、溶解させて溶液を得た。次に、鎖伸長剤として60モル%のエチレンジアミン(EDA)と40モル%の1,2−プロパンジアミン(1,2−PDA)を含むDMAc溶液を、前記反応物を溶解させた溶液に添加し、さらに末端封鎖剤としてジエチルアミンを含むDMAc溶液を添加して、ポリマー固体分が25重量%であるポリウレタンウレア溶液を調製した。得られた溶液は40℃で約2400ポイズの粘度を有していた。重合体はDMAc中で0.5g/100mlの溶液濃度で25℃で測定すると、0.95の極限粘度であった。 このポリウレタンウレア溶液を、紡糸口金から高温(350℃)の不活性ガス(窒素ガス)中に4フィラメントで吐出し、この高温ガス中の通過により乾燥し、乾燥途中の糸が撚り合わされるようにエアージェット式撚糸機を通し、4フィラメントを合着させ、540m/分のスピードで巻き取り、4フィラメント合着で44dtexのポリウレタンウレア繊維(B−a)を製造した。B−aのガラス転移点(Tg)は−70℃であった。なお、このポリウレタンウレア繊維(B−a)を構成するポリウレタンウレアのウレタン基濃度は0.49mol/kgであり、有効末端アミン濃度は28meq/kgであった。 B−aのみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m2)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/m2の編地2枚重ねに相当する)、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は80%であった。[実施例2] 実施例1の共重合テトラメチレンエーテルジオール1モルに対し4,4’−MDIを6.4モルになるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに十分に撹拌し、溶解させた。次に、鎖伸長剤として60モル%のEDAと40モル%の1,2−PDAを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加し、さらに末端封鎖剤としてジシクロヘキシルアミンを含むDMAc溶液を添加してポリマー固体分が25重量%であるポリウレタンウレア溶液を調製した。得られた溶液は40℃で約5400ポイズの粘度を有していた。重合体はDMAc中で0.5g/100mlの溶液濃度で25℃で測定すると、1.25の極限粘度であった。 このポリウレタンウレア溶液を、紡糸口金から高温の不活性ガス中に4フィラメントで吐出し、この高温ガス中の通過により乾燥し、乾燥途中の糸が撚り合わされるようにエアージェット式撚糸機を通し、4フィラメントを合着させ、540m/分のスピードで巻き取り、4フィラメント合着で44dtexのポリウレタンウレア系繊維(B−b)を製造した。B−bのガラス転移点(Tg)は−15℃であった。なお、このポリウレタンウレア系繊維(B−b)を構成するポリウレタンウレアのウレタン基濃度は0.48mol/kgであり、有効末端アミン濃度は29meq/kgであった。 このポリウレタンウレア系繊維のみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m2)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/m2の編地2枚重ねに相当する)、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は76%であった。[比較例1] 3mm厚のカイノール活性炭繊維不織布(日本カイノール社製)を使用し、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は60%であった。[比較例2] ウーリーナイロン糸(N)(44dtex、34fil)のみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m2)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/m2の編地2枚重ねに相当する)、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は22%であった。[比較例3] ポリエチレンテレフタレート糸(E)(44dtex、36fil)のみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m2)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/m2の編地2枚重ねに相当する)、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は0%であった。[比較例4] ポリアルキレンエーテルジオールとして数平均分子量1400のポリテトラメチレンエーテルジオール(PTMG)を用い、PTMG1モルに対し4,4’−MDIを12.5モルになるように容器に仕込み、80℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに十分に撹拌し、溶解させた。次に、鎖伸長剤としてエチレングリコールを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマー中の固体分が25重量%であるポリウレタン溶液を調製した。得られた溶液は40℃で約3000ポイズの粘度を有していた。重合体はDMAc中で0.5g/100mlの溶液濃度で25℃で測定すると、1.60の極限粘度であった。 このポリウレタン溶液を、紡糸口金から水中に4フィラメントで吐出し、熱風ガス(120℃)中を通過させることにより乾燥し、110m/分のスピードで巻き取り、4フィラメント合着で44dtexのポリウレタン系繊維(B−c)を製造した。(B−c)のガラス転移点(Tg)は12℃であった。なお、このポリウレタン系繊維(B−c)を構成するポリウレタンのウレタン基濃度は0.51mol/kgであった。 B−cのみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m2)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/m2の編地2枚重ねに相当する)、ノネナール消臭試験を実施した。その結果を表2に示した。 ノネナール消臭試験による減少率は32%であった。<JTETC消臭性区分「加齢臭」消臭試験> 臭気成分としてノネナール、アンモニア、酢酸及びイソ吉草酸の4成分を用いて消臭試験を行い、下記の方法により消臭性能を評価した。消臭性能評価 JTETCが定める消臭加工繊維製品認証基準に従い、上記4成分について機器分析試験を行い、さらにノネナールについては別途官能試験を行った。なお、洗濯はJIS L 0217 103法(1995)に従い、その後タンブル乾燥を行った。機器分析試験:容器に臭気成分とサンプルを入れ、2時間放置後の臭気成分の残留濃度(2時間後の試料試験濃度)を測定した。臭気成分のみを入れた容器の残留濃度を空試験濃度として、下式より臭気成分の減少率を計算した。アンモニアと酢酸は検知管法により、イソ吉草酸とノネナールはガスクロマトグラフィー法により測定した。 減少率(%)=(2時間後の空試験濃度−2時間後の試料試験濃度)/(2時間後の空試験濃度)×100 ノネナールの減少率75%以上、イソ吉草酸の減少率85%以上、アンモニアの減少率70%以上、酢酸の減少率80%以上の条件全てを満足する場合を合格(表示○)と判定した。官能試験:判定者6名のうち、5名以上が下記基準により臭気を弱と判断した場合を合格とした。 臭気強:判定臭ガスより強い場合 臭気弱:判定臭ガスと比較して同等もしくはより弱い場合[実施例3] ガラス転移点(Tg)が0℃以下のポリウレタン系繊維として実施例1で製造したポリウレタンウレア系繊維(B−a)を使用し、下記の方法によりカルボキシル基を含有する繊維(X)及び(Y)を得た。 常法により乾式紡糸した酢化度55%のジアセテート繊維(88dtex、24フイラメント、三菱レイヨン株式会社製)をメタクリル酸20.0g/l、硫酸第1鉄アンモニウム0.6g/l、過酸化水素0.3g/lの水溶液で浴比1:40、80℃×60分でオーバーマイヤー加工機を用いて、グラフト重合処理した。この後、水洗、湯洗を繰り返した。この時のグラフト率は約10%、カルボキシル基濃度は320meq/kgであった。これを(X)とし、同様にジアセテート繊維として150dtex、48フィラメントを用いた以外は上記と同様の方法でカルボキシル基含有ジアセテート繊維(Y)を得た。(Y)のグラフト率とカルボキシル基濃度は(X)と同じであった。・グラフト率の測定:反応前の絶乾重量(W0)から、グラフト重合し洗浄した後の絶乾重量(W1)への重量増加率から計算した。 グラフト率=(W1−W0)×100/W0 実施例1で得られたポリウレタンウレア系繊維(B−a)および前記(X)、(Y)を用い次の方法で織物を製作し、加齢臭消臭試験を実施した。 まず、実施例1で得られたポリウレタンウレア系繊維(B−a)を2本引き揃えてマルチエンド糸(88dtex)を作製した。ヨコ糸用として、上記マルチエンド糸を(X)にてカバーリング(カバーリング加工条件:ヨリ数=400T/M、ドラフト=3.0)したカバードヤーンを作製した。タテ糸用として、上記マルチエンド糸を(Y)にてカバーリング(カバーリング加工条件:ヨリ数=600T/M、ドラフト=3.5)したカバードヤーンを作製した。これらのタテ糸及びヨコ糸を用いてレピア織機にて2/1綾組織で製織(タテ糸:90本/インチ、ヨコ糸:106本/インチ)し、常法に従い180℃でプレセットして、織物(ポリウレタンウレア系繊維11%、カルボキシル基を含有する繊維89%)を得た。この織物を加齢臭消臭試験用の織物とした。 加齢臭消臭試験の結果を表3に示した。すなわち、ノネナールの減少率91%、アンモニアの減少率88%、酢酸の減少率86%、イソ吉草酸の減少率88%で4種全て消臭基準を満足し、加齢臭消臭性能を有するポリウレタン系繊維構造物であった。[比較例5] 実施例3においてポリウレタンウレア系繊維(B−a)の代わりに比較例4で製造したポリウレタン系繊維(B−c)を使用した以外は、実施例3と同様の方法で織物を製作し、加齢臭消臭試験を実施した。その結果を表3に示した。 加齢臭消臭試験の結果、ノネナールの減少率35%、アンモニアの減少率72%、酢酸の減少率93%、イソ吉草酸の減少率60%であり、比較例5のポリウレタン系繊維は消臭性基準に未達であり、加齢臭消臭性能を有さないポリウレタン系繊維構造物であった。<消臭フィルター材試験> 温湯循環式室内暖房装置(日立ファンコンベクターFU30FEA−T、日立製作所製)のエアーフィルター(ポリプロピレン不織布)を取り外し、フィルター素材を剥がし、代わりに後述の実施例4、5及び比較例6で得たフェルトを貼付した後、再び暖房装置内に装填し、本発明の消臭フィルター材循環式室内暖房装置とした。 次に、空気の消臭度を試験する密閉室として床面積15m2高さ3mのブースを8室準備した。この中に上記で調製したフィルターを装填した暖房機を設置し、臭気の調製後6時間/日運転した。ブース内の臭気の調製は以下のように行なった。 加齢臭溶液組成:ジブチルヒドロキシトルエン1.0%、ヘプタン酸10.0%、オクタン酸10.0%、ノネナール1%含有トリエチルシトレート15.0%、オクテナール1%含有トリエチルシトレート2.5%、トリエチルシトレート61.5%、計100重量%を10mlをシャーレに満たし、ブース内に60分間静置した。 また、臭気の評価は、各空気清浄化用組成物試料を正常な嗅覚の評価者6人がいずれも不快臭を認めない場合に「合格」(表示○)と判定し、1人以上が不快臭を認めた場合に「不合格」と判定し、1人または2人が不快臭を認めた場合は△を、3人以上が不快臭を認めた場合×として表4に示した。[実施例4、5及び比較例6] さらに、上記の実施例及び比較例で得られた、ポリウレタンウレア系繊維(B−a)、(B−b)、及びポリウレタン系繊維(B−c)を用いてフェルトを作製し、消臭フィルター材試験に供した。 ここで、試験用のフェルトは、以下の手順により得た。 まず、実施例1,2及び比較例4のいずれかで得られた、ポリウレタンウレア系繊維(B−a)、(B−b)、及びポリウレタン系繊維(B−c)を裁断して、原毛を作成し、ニードルにより嵩を形成し、100℃の熱プレスにより、ポリウレタンウレア系繊維またはポリウレタン系繊維のみで構成される1mm厚の通気度が100cc/cm2/secのフェルトを得る。通気度はニードルパンチによる嵩で調整し、これを消臭フィルター材とした。試験の結果、表3から明らかなように、(B−a)、(B−b)をそれぞれ使用した本発明の空気清浄用フィルター(実施例4、5)は、いずれも不快臭がなく、有効期間も10日以上と長く顕著に優れている。 上記のようにして消臭フィルター材試験を行った結果、実施例1および2のポリウレタン系繊維を用いた場合はいずれも消臭性合格と判定され、比較例4のポリウレタン系繊維(B−c)を用いた場合(比較例6)はいずれも消臭性不合格と判定された。 ポリマージオールと、ジイソシアネート化合物と、鎖伸長剤としてジアミノ化合物および/または低分子量ジオールとを重合してなり、かつガラス転移点(Tg)が−100〜0℃であるポリウレタンを主構成成分とし、ノネナールを消臭し得るポリウレタン系樹脂を含有することを特徴とする消臭材。 ポリウレタン系樹脂が、アンモニア、酢酸、およびイソ吉草酸からなる群より選択される少なくとも1種をさらに消臭する請求項1記載の消臭材。 ポリウレタン系樹脂が、ポリウレタン系繊維である請求項1または2に記載の消臭材。 さらに、カルボキシル基を含有する繊維を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の消臭材。 カルボキシル基を含有する繊維が、カルボキシル基濃度30〜3000meq/kgのカルボキシル基を含有する請求項4記載の消臭材。 カルボキシル基を含有する繊維が、親水性ビニル系モノマーが2〜30重量%グラフトされたセルロース系繊維である請求項4記載の消臭材。 ポリマージオールが、下記一般式(I)で表される単位を含む共重合ジオール化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の消臭材。(ただし、a,cは1〜3の整数、bは0〜3の整数、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基をそれぞれ表す。) 下記構造単位(a)と下記構造単位(b)とからなるポリアルキレンエーテルジオールであることを特徴とする請求項1記載の消臭材。(ただし、R1は炭素原子数が1〜3の直鎖のアルキレン基、R2は水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキレン基をそれぞれ表す。) 構造単位(a)が5〜25モル%であり、構造単位(b)が95〜75モル%であり、かつ数平均分子量が250〜10000であることを特徴とする請求項8記載の消臭材。 ポリウレタンが、鎖伸長剤として、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンおよびビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる1以上のジアミノ化合物を重合してなるポリウレタンウレアであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の消臭材。 ポリウレタンが、鎖伸長剤として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートおよび1−メチル−1,2−エタンジオールからなる群から選ばれる1以上の低分子量ジオールを重合してなるポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の消臭材。 ノネナールを消臭する消臭材を製造するための、ポリマージオールと、ジイソシアネート化合物と、鎖伸長剤としてジアミノ化合物および/または低分子量ジオールとを重合してなり、かつガラス転移点(Tg)が−100〜0℃であるポリウレタンを主構成成分とするポリウレタン系樹脂の使用。