タイトル: | 特許公報(B2)_ある種の置換スルフィルイミン類の調製方法 |
出願番号: | 2009550885 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07D 213/57,C07B 61/00 |
ポッドホレズ,ダビッド,イー. ロス,ロナルド,ジュニア. マコネル,ジェームズ,アール. JP 5302221 特許公報(B2) 20130628 2009550885 20080212 ある種の置換スルフィルイミン類の調製方法 ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー 501035309 小林 浩 100092783 片山 英二 100095360 大森 規雄 100120134 藤田 尚 100126354 鈴木 康仁 100104282 ポッドホレズ,ダビッド,イー. ロス,ロナルド,ジュニア. マコネル,ジェームズ,アール. US 60/903,471 20070226 20131002 C07D 213/57 20060101AFI20130912BHJP C07B 61/00 20060101ALI20130912BHJP JPC07D213/57C07B61/00 300 C07D 213/57 CAplus/REGISTRY(STN) 特表2007−532568(JP,A) 特表2009−526074(JP,A) J. C. JOCHIMS,CHEMISCHE BERICHTE,1983年11月,V116 N11,P3692-3701 D. SWERN,TETRAHEDRON LETTERS,NL,ELSEVIER SCIENCE PUBLISHERS,1972年,V13 N26,P2635-2638 9 US2008001818 20080212 WO2008106006 20080904 2010519296 20100603 18 20110210 井上 明子関連出願の相互参照 本非仮出願は、2007年2月26日に出願された仮出願第60/903,471号の優先権を主張する。 本発明は、ある種の置換スルフィルイミンを調製する方法に関する。 置換スルフィルイミンは、ある種の新規殺虫性スルホキシミン類を調製するための有用な中間体である。例えば、シアノ置換スルフィルイミンが、ヨードベンゼンジアセテートの存在下で、対応するスルフィドとシアナミドとの反応によって調製される米国特許出願公開第2005/0228027号を参照のこと。費用に加えて廃棄物処理が問題となるヨードベンゼンジアセテートを使用する必要がなく、対応するスルフィドから効率的かつ高収率でスルフィルイミンを生成することは有利となろう。 本発明において、ヨードベンゼンジアセテートは、次亜塩素酸塩に置き換えられている。低コストであることに加えて、次亜塩素酸塩は、ヨードベンゼンジアセテートに関連する深刻な廃棄物問題を取り除く。したがって、本発明は、一般構造(I) [式中、 Hetは、を表し、 Xは、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、NO2、SOmR6(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、またはCONR4R5を表し、 Yは、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、NO2、SOmR1(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、CONR4R5、アリール、またはヘテロアリールを表し、 nは、0〜3の整数であり、 Lは、単結合、−CH(CH2)P−(この場合、R1とSとLは一緒になって、4員、5員、または6員環を表し、pは1〜3の整数である)、−CH(CH2OCH2)−(この場合、R1とSとLは一緒になって、6員環を表す)、または−CH−(この場合、LとR2とこれらが結合している共通の炭素とは一緒になって、最大1個までであるが1個以下のヘテロ原子を有する4員、5員、または6員環を表す)を表し、 R1は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはR1、S、およびLが一緒になって、4員、5員、もしくは6員環を表す場合に−CH2−を表し、 R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、SOmR6(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、CONR4R5、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを表し、またはR2とR3とこれらが結合している共通の炭素とは、3〜6員環を形成し、 R4およびR5は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを表し、 R6は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを表す]を有するある種の置換スルフィルイミンを調製する方法であって、 式(II)のスルフィド [式中、 R1、R2、R3、L、Het、およびnは、先に定義する通りである]を、反応条件に本質的に不活性である適当な有機溶媒中、約−40℃〜約30℃の温度でシアナミドおよび次亜塩素酸塩溶液と接触させるステップを含む方法に関する。 本方法は、下記のクラスのスルフィルイミンを調製するのによく適している。 (1)Hetが(6−置換)ピリジン−3−イルであり、XがハロゲンまたはC1〜C2ハロアルキルであり、Yが水素である式(I)の化合物。 (2)R2およびR3が先に定義した通りであり、R1がメチルであり、nが1であり、Lが単結合である、下記の構造を有する式(I)の化合物。 (3)nは1であり、R1とSとLは一緒になって、Lが−CH(CH2)P−であり、pが1〜3の整数であり、かつR1が−CH2−であるような標準的な4員、5員、または6員環を形成する下記の構造を有する式(I)の化合物。 (4)nは0であり、R1とSとLは一緒になって、Lが−CH(CH2)P−であり、pが1〜3の整数であり、かつR1が−CH2−であるような標準的な4員、5員、または6員環を形成する、下記の構造を有する式(I)の化合物。 別段の記述のない限り、本文献全体にわたって、温度はすべて、摂氏度で記述され、パーセントはすべて、重量パーセントで記述されている。 本明細書では「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」という用語、ならびに「アルコキシ」、「アシル」、「アルキルチオ」、「アリールアルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、および「アルキルスルホニル」などの派生語(derivative term)は、その範囲内に直鎖、分枝鎖、および環状部分を包含する。したがって、典型的なアルキル基は、メチル、エチル、1−メチルエチル、プロピル、1,1−ジメチルエチル、およびシクロプロピルである。具体的に別の記載がない限り、それぞれ、非置換でもよく、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、C1〜C6アシル、ホルミル、シアノ、アリールオキシ、またはアリールから選択されるが、これらに限定されない1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。ただし、置換基は立体的に適合性があり、化学結合およびひずみエネルギーの規則を満足することを条件とする。「ハロアルキル」および「ハロアルケニル」という用語は、1個から可能な最大の個数のハロゲン原子(ハロゲンの組合せはすべて包含される)で置換されているアルキル基およびアルケニル基を包含する。「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を包含し、フッ素が好ましい。「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、1つまたは複数の不飽和結合を包含するよう意図されている。 「アリール」という用語は、フェニル、インダニル、またはナフチル基を指す。「ヘテロアリール」という用語は、1個または複数のヘテロ原子、すなわちN、O、またはSを含む5員または6員の芳香族環を指す。これらのヘテロ芳香族環は、他の芳香族系に縮合していてもよい。アリールまたはヘテロアリール置換基は、非置換でもよく、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アリールオキシ、ホルミル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン化C1〜C6アルキル、ハロゲン化C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アシル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリール、C1〜C6OC(O)アルキル、C1〜C6NHC(O)アルキル、C(O)OH、C1〜C6C(O)Oアルキル、C(O)NH2、C1〜C6C(O)NHアルキル、またはC1〜C6C(O)N(アルキル)2から選択された1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。ただし、置換基は立体的に適合性があり、化学結合およびひずみエネルギーの規則を満足することを条件とする。 式IIのスルフィド出発材料またはそれらの調製方法は、米国特許出願公開第2005/0228027号に開示されている。スルフィド(II)は、スキームA、B、C、D、E、F、およびGに示す様々な方式で調製することができる。 スキームAでは、アルキルチオールのナトリウム塩を用いた求核置換反応によって、式(D)のハロゲン化物から式(A1)のスルフィド(式中、Lは単結合であり、nは1であり、R3=Hであり、R1、R2、およびHetは先に定義した通りである)を調製することができる。 スキームBでは、式(E)の塩化物から、カリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下で、2−モノ置換マロン酸メチルと反応させて2,2−ジ置換マロナートを生成し、塩基性条件下で加水分解してジアシドを生成し、加熱することによってジアシドを脱炭酸してモノアシドを生成し、ボラン−テトラヒロフラン錯体を用いて、モノアシドを還元して、アルコールを生じ、ピリジンのような塩基の存在下にアルコールをトルエンスルホニルクロリド(トシルクロリド)でトシル化して、トシラートを生じ、トシラートを所望のチオールのナトリウム塩で置換することによって、式(A2)のスルフィド(式中、Lは単結合であり、nは3であり、R3=Hであり、R1、R2、およびHetは先に定義した通りである)を調製することができる。 スキームCでは、式(F)のニトリルから、強塩基による脱プロトン化およびヨウ化アルキルによるアルキル化によってα−アルキル化ニトリルを生成し、HClのような強酸の存在下でα−アルキル化ニトリルを加水分解して酸を生成し、ボラン−テトラヒロフラン錯体を用いて酸を還元してアルコールを生成し、ピリジンのような塩基の存在下でアルコールをトシルクロリドでトシル化してトシラートを生成し、トシラートを所望のチオールのナトリウム塩で置換することによって、式(A3)のスルフィド(式中、Lは単結合であり、nは2であり、R3=Hであり、R1、R2、およびHetは先に定義した通りである)を調製することができる。 スキームDでは、テトラヒドロチオフェン(p=2)またはペンタメチレンスルフィド(p=3)(G)から、式(A4)のスルフィド(式中、nは0であり、R1は−CH2−であり、Lは−CH(CH2)P−(式中、pは2または3である)であり、R1とSとLは一緒になって、5員または6員環を形成し、Hetは先に記載した通りである)を調製することができる。環状スルフィド出発材料を、ベンゼン中、N−クロロスクシンイミドで塩素化し、続いてある種のリチウム化ヘテロ環またはグリニャール試薬でアルキル化すると、十分な収量の所望のスルフィド(A4)を得ることができる。 式(A4)の環状スルフィドを生成する、より効率的なプロトコルをスキームEに示す。ここで、Hetは6−置換ピリジン−3−イルであり、Zは先に定義した通りである。このプロトコルに従って、チオ尿素を置換クロロメチルピリジンに添加すると、加水分解および水性塩基条件下での適切なブロモクロロアルカン(p=1、2、または3)によるアルキル化の後に、スルフィド(H)が生じる。続いて、THFなどの極性非プロトン性溶媒中、カリウム−t−ブトキシドのような塩基の存在下で(H)を環化すると、環状スルフィド(A4)が得られる。 式(A1)のある種のスルフィド(式中、Hetは置換ピリジン−3−イルであり、Zは先に定義した通りであり、R1、R2=CH3である)を、スキームFに示す方法で代替的に調製することができる。この方法に従って、適切なエノンとジメチルアミノアクリロニトリルをカップリングし、DMF中酢酸アンモニウムで環化すると、対応する6−置換ニコチノニトリルが生じる。臭化メチルマグネシウムでの処理、水素化ホウ素ナトリウムによる還元、塩化チオニルによる塩素化、およびアルキルチオールのナトリウム塩による求核置換を行うと、所望のスルフィド(A1)が生じる。 スキームFの変形をスキームGに示す。ここで、ある種のスルフィドと適切に置換されたα,β−不飽和アルデヒドとのMichael付加物と、アミン、例えばピロリジンとの付加反応から生成したエナミンを置換エノンとカップリングし、CH3CN中、酢酸アンモニウムで環化して、所望のスルフィド(A1)(式中、R1、R2、R3、およびZは先に定義した通りである)が生じる。 シアナミドを固体または水溶液として使用することができる。シアナミドの50重量パーセント水溶液の使用が好ましいことが多い。化学量論量のシアナミドが必要であるが、スルフィドの量に対して約0.9〜約1.1モル当量を使用することが好都合であることが多い。 次亜塩素酸塩溶液は、次亜塩素酸の金属塩の水溶液を意味する。金属塩は、第I族アルカリ金属塩または第II族アルカリ土類金属塩とすることができる。好ましい次亜塩素酸塩は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムである。次亜塩素酸塩水溶液は、通常約2%〜約12%の次亜塩素酸塩、最も好ましくは約5%〜約6%の次亜塩素酸塩を含有する。水中に約5〜約6重量パーセントの次亜塩素酸ナトリウムを含有する市販のClorox(商標)ブリーチを使用することが最も好都合であることが多い。化学量論量の次亜塩素酸塩が必要であるが、スルフィドの量に対して約0.95〜約1.2モル当量を使用することが好都合であることが多い。 メタ重亜硫酸塩の塩(ナトリウムまたはカリウムなど)を使用して、いずれの過剰な次亜塩素酸塩もクエンチすることができる。一般に選択される好ましい塩はナトリウムである。メタ重亜硫酸塩の当量数は、次亜塩素酸塩の化学量論量に対して約1.0〜約5.0の範囲とすることができる。好ましい当量の範囲は、残留している次亜塩素酸塩の当量当たり約2.0〜約4.0当量のメタ重亜硫酸塩である。 本発明の方法は、反応の強酸化条件に本質的に不活性である適当な有機溶媒中で実施される。特に適した有機溶媒は、石油エーテルのような脂肪族炭化水素;t−ブチルアルコールのような耐酸化性である脂肪族アルコール;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびジクロロベンゼンなどのハロゲン化脂肪族およびハロゲン化芳香族炭化水素;ならびにアセトニトリルおよびベンゾニトリルなどの脂肪族および芳香族ニトリルである。ハロゲン化脂肪族炭化水素および脂肪族ニトリルが好ましい。例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素と水の混合物を含む二相溶媒系中で酸化を行うことが好都合であることが多い。所望のスルフィルイミンの分配を容易にすることができる有機溶媒も望ましく、アセトニトリルが特に好ましい。 反応温度は、約−40℃〜約30℃の範囲とすることができる。好ましい範囲は、約−10℃〜約10℃であり、約−5℃〜約0℃が最も好ましい。 反応は、2ステップシーケンスで実施することが好都合である。例えば、本質的に不活性な溶媒中に溶かしたシアナミドの冷溶液に、次亜塩素酸塩を添加することができ、続いてスルフィドの第2の後半の添加をすることができる。あるいは、シアナミドおよびスルフィドを一緒に、本質的に不活性な溶媒中で混合することができ、次亜塩素酸塩をこの冷混合物に直接添加することができる。次亜塩素酸塩を添加した後、反応混合物を0℃で15分から2時間の間、典型的には30分撹拌させておく。典型的には少量のメタ重亜硫酸塩水溶液を添加して過剰の酸化体を分解するが、この分解はデンプン−I2紙で試験することによって判定する。この時点で、水相を有機スルフィルイミン相から分離する。スルフィルイミンの有機溶液を、続いて行う酸化で直接使用して、殺虫性スルホキシミンにすることができ、またはスルフィルイミンを通常の技法で単離および精製することができる。 下記の実施例は、本発明を例示するために記載する。[実施例]ヨードベンゼンジアセテートの比較例:(1−{6−[トリフルオロメチル]ピリジン−3−イル}エチル)(メチル)−λ4−スルファニリデンシアナミドの調製 1200mLのアセトニトリル中、221g(1.0mol)の3−[1−(メチルチオ)エチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジンおよび42g(1.0mol)のシアナミドの混合物を10℃未満に冷却した。この溶液に、322g(1.0mol)のヨードベンゼンジアセテートを一括添加した。反応混合物を10℃未満で10分間撹拌させておき、次いで氷浴を取り外した。反応混合物は、1.5時間かけて徐々に室温まで昇温し、次いでさらに0.5時間かけて徐々に22℃〜30℃に発熱した。反応混合物を室温まで戻し、800mLの水を添加した。約20mLのメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加することによって、過剰の酸化体を分解した。混合物に、800mLのヘキサンを添加し、混合物を5分間撹拌し、分液した。底部の水層をフラスコに戻し、400mLの水、続いて400mLのヘキサンを添加した。混合物を5分間撹拌し、分液した。水層を再び丸底フラスコに戻し、400mLのヘキサンで3回抽出した。混濁した二相混合物が得られるまで、水層を真空中で濃縮した。この混合物をジクロロメタンで2回(700mL、300mL)抽出し、有機物質を合わせ、MgSO4上で終夜乾燥した。濾過した後、LC分析によって、ジクロロメタン溶液(1560g)には、2つのスルフィルイミン異性体が28:64(面積)の比で含まれていることが示された。異性体A: 上記(40mL)からのスルフィルイミン溶液の一部分を真空中で濃縮し、高真空に曝露して、濃いオレンジ/コハク色の油を得た。この油を10mLのEtOAcに溶解し、10mLのヘキサンを添加した。混濁した混合物に、1mLのEtOAcを添加して、透明溶液に戻した。フラスコをガラス棒で引っ掻いて、結晶化を誘導した。混合物を冷蔵庫で1時間冷却し、濾過し、高真空乾燥して、1.2gの白色粉末を得た。mp 115℃〜117℃、第1の溶離異性体のLC、>99%(面積);1H nmr (CDCl3): δ 8.72 (d, J=2 Hz, 1H), 8.04 (dd, J=2 Hz, 8 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8 Hz, 1H), 4.41 (q, J=7 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.90 (d, J=7 Hz, 3H).異性体B: 上記からの濾液を真空中で濃縮して、濃いコハク色油を得た(LCによる2つの異性体の面積比15:67)。この油をシリカフラッシュクロマトグラフィーにかけ、CHCl3中5%EtOHで溶離した。一部の少量の着色物質をまず廃棄した。次に、主なスルフィルイミン異性体(LCによる第2の溶離異性体)を回収し、真空中で濃縮し、高真空乾燥して、3.2gの濃いコハク色油を得た。この油をスラリーにし、20mLのEt2Oで引っ掻き、冷蔵庫で冷却し、濾過し、高真空乾燥して、2.48gの白色粉末を得た。mp 78℃〜80℃、第2の溶離異性体のLC、>99%(面積);1H nmr (CDCl3): δ 8.74 (d, J=2 Hz, 1H), 7.95 (dd, J=2 Hz, 8 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8 Hz, 1H), 4.45 (q, J=7 Hz, 1H), 2.65 (s, 3H), 1.92 (d, J=7 Hz, 3H).(1−{6−[トリフルオロメチル]ピリジン−3−イル}エチル)(メチル)−λ4−スルファニリデンシアナミドの調製 150mLのアセトニトリル中22.1g(0.1mol)の3−[1−(メチルチオ)エチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジンおよび5.04g(0.12mol)のシアナミドの溶液を−5℃に冷却した。この溶液に、150g(0.115mol、Clorox(商標)5.7重量%)のNaOCl水溶液を15分かけて滴下添加した。反応混合物を−5℃で45分間撹拌させておき、次いで5℃まで昇温させた。混合物に、5mLの25%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加し、二相混合物を分液させた。有機相に、5.7mL(0.1mol)の氷酢酸を添加し、真空中で溶液を油にまで濃縮した。この油を70mLのCH2Cl2に溶解し、50mLの水で洗浄した。水層を30mLのCH2Cl2で再抽出した。有機物質を合わせ、MgSO4上で乾燥した。濾過した後、ジクロロメタン溶液をLCで分析したところ、上記異性体AおよびBが42:52(面積)の比で含まれていた。(1−{6−{トリフルオロメチル]ピリジン−3−イル}エチル)(メチル)−λ4−スルファニリデンシアナミドの調製 600mLのアセトニトリル中110.6g(0.475mol、95%アッセイ)の3−[1−(メチルチオ)エチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジンおよび25.2g(0.6mol)のシアナミドの溶液を−5℃に冷却した。この溶液に、750g(0.575mol、Clorox(商標)5.7重量%)のNaOCl水溶液を、0℃未満に維持しながら45分かけて滴下添加した。反応混合物を−1℃で30分間撹拌させておいた。混合物に、25mLの水中の9.5g(0.05mol)のメタ重亜硫酸ナトリウムを添加し、二相混合物を分液させた。水相を50mLのアセトニトリルで2回再抽出した。有機物質を合わせ、このアセトニトリル/スルフィルイミン溶液を、続いて行う酸化で直接使用した。LC分析したところ、2つの異性体が40:54(面積)の比で含まれていた。[1−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)エチル](メチル)−オキシド−λ4−スルファニリデンシアナミドの調製 100mLのアセトニトリル、200mLの水、および160g(0.45mol)の40%NaMnO4水溶液(Aldrich)の混合物を15℃に冷却した。約700mLのアセトニトリル中スルフィルイミン(〜0.475mol、実施例2から)の溶液に、26mL(0.45mol)の氷酢酸を添加した。このスルフィルイミン溶液を、すばやく撹拌しながら、ペルマンガナート混合物に50分かけて添加した。この時間中は、反応温度を19℃付近に維持するように氷浴を上下した。反応を45分間後反応させた。混合物を12℃に冷却し、300mLの水中171g(0.9mol)のメタ重亜硫酸ナトリウムの溶液を、すばやく撹拌しながら15分かけて添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで濾過した。灰白色固体を50mLのアセトニトリルですすいだ。二相混合物を2Lの分液漏斗に移し、水層を廃棄した。有機層を、真空中で〜50重量%の生成物にまで濃縮した。この混合物を、氷浴中ですばやく撹拌した300mLの水に注ぎ込んだ。混合物を1時間完全に撹拌し、濾過して、147.6gの白色固体を得た。生成物をフードの中で風乾して、116.5gの生成物を得た。さらに、真空オーブン中、35℃で乾燥させて、116.5g(88重量%)の白色粉末を得た。LC分析したところ、2つの異性体が43:52(面積)の比で含まれ、面積純度は95%であった。N−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルフィルイミンの調製 アセトニトリル(50mL)、シアナミド(1.14グラム、27.1mmol)および3−[1−(メチルチオ)エチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(5.00グラム、22.6mmol、99+%アッセイ)を、サーモウェル/K−熱電対、栓、窒素用オイルバブラー、および磁気撹拌棒を装備した100mLの3口丸底フラスコ中で混合した。撹拌した溶液をアセトン/氷浴で約−5℃に冷却した。この溶液に、55.96グラムの6.0重量%次亜塩素酸カルシウム水溶液(3.36グラムの次亜塩素酸カルシウム、23.5mmol、有効塩素65%)を44分間かけて滴下添加した。次亜塩素酸カルシウム溶液中に溶解していない固体が一部存在したが、これも添加した。添加中、温度を0℃未満に維持した。淡黄色の反応混合物を約0℃で65分間撹拌させておいた。黄色反応混合物に、0.53g(2.8mmol)のメタ重亜硫酸ナトリウムを固体として小分けして添加して、いずれの残留酸化体も分解した。反応混合物中に、白色凝集物が存在した。白色凝集物は、反応混合物全体を中程度の焼結ガラス濾過漏斗に通して真空濾過することによって除去した。濾液を分液漏斗に移し、分液させた。相が分離するので、水相をアセトニトリル(10mL)および(15mL)で再抽出した。第2の抽出中に、塩化ナトリウム(10.01グラム)を水相に添加して、相分離を容易にした。有機物質を合わせ、このアセトニトリル/スルフィルイミン溶液を、続いて行う酸化で直接使用した。LC分析したところ、2つのスルフィルイミン異性体が1.00:1.08の面積比で含まれ、スルフィルイミンは80面積%でスルホキシド(2つの異性体)は13面積%であった。N−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルホキシミンの調製 磁気撹拌棒、均圧滴下漏斗、サーモウェル/K−熱電対、窒素用オイルバブラー、および栓を装備した100mLの三口丸底フラスコ中で、アセトニトリル(5mL)、水(10mL)、および7.63グラム(21.5mmol)の40%NaMnO4水溶液(Aldrich)を合わせた。約70mLのアセトニトリル中スルフィルイミン(約22.6mmol)の溶液を、円錐形のWhatman濾紙に通して濾過して、少量の白色凝集物を除去した。濾液に、1.23mL(21.5mmol)の氷酢酸を添加した。得られた溶液を滴下漏斗に加えた。過マンガン酸ナトリウム溶液を約13℃に冷却した。スルフィルイミン溶液を、すばやく撹拌しながら、ペルマンガナート混合物に60分かけて添加した。添加中、温度は、13〜18℃の範囲であった。反応を45分間後反応させた。暗色混合物を約12℃に冷却し、12mLの水中7.75グラム(40.8mol)のメタ重亜硫酸ナトリウムの溶液を、すばやく撹拌しながら7分かけて添加した。添加中に、最高反応温度が約16℃になった。反応混合物は、添加の終わりにもまだ暗色であったが、次第に明色になり、灰白色凝集物を生じた。この時点で、小さい暗色皮状物質がフラスコ側面に残ったが、撹拌を継続している間に消失した。混合物を、撹拌しながら105分かけて室温にまで昇温させた。混合物全体を粗焼結ガラス濾過漏斗に通して真空濾過した。黄褐色の湿ケーキをアセトニトリル(10mL)ですすいだ。合わせた濾液を分液漏斗に移し、相を分液させた。無色透明の下相(43.0グラム)を除去した。上の有機相(56.1グラム)を、70〜80mmHgの圧力および20〜25℃の温度で22.0グラムの塊にまで濃縮した。得られた二相混合物を44.5グラムのよく撹拌された冷却(<5℃)水に注いだ。白色スラリーが発生し、<5℃で約1時間撹拌した。固体を粗い焼結ガラス濾過漏斗で真空濾過によって回収し、白色固体を10mLの冷水ですすいだ。生成物の湿ケーキ5.24グラムをフード中で終夜風乾して、4.01グラム(65%)の所望のスルホキシミンを得た。LC分析したところ、2つの異性体が1.04:1.00(面積)の比で含まれ、面積純度は94%、主な不純物はスルホンであった(3.5%の面積)。式(I)のスルフィルイミン[式中、Hetは、を表し、Xは、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、NO2、SOmR6(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、またはCONR4R5を表し、Yは、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、NO2、SOmR1(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、CONR4R5、アリール、またはヘテロアリールを表し、nは、0〜3の整数であり、Lは、単結合、−CH(CH2)P−(この場合、R1とSとLは一緒になって、4員、5員、または6員環を表し、かつpは1〜3の整数である)、−CH(CH2OCH2)−(この場合、R1とSとLは一緒になって、6員環を表す)、または−CH−(この場合、LとR2とこれらが結合している共通の炭素とは一緒になって、最大1個までであるが1個以下のヘテロ原子を有する4員、5員、または6員環を表す)を表し、R1は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはR1、S、およびLが一緒になって、4員、5員、もしくは6員環を表す場合に−CH2−を表し、R2およびR3は独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C2〜C4ハロアルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、CN、SOmR6(式中、mは0〜2の整数である)、COOR4、CONR4R5、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを表し、またはR2とR3とこれらが結合している共通の炭素とは、3〜6員環を形成し、R4およびR5は独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを表し、R6は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルケニル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを表す]を調製する方法であって、式(II)のスルフィド[式中、R1、R2、R3、L、Het、およびnは、先に定義した通りである]を、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、ハロゲン化脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族ニトリルおよび芳香族ニトリルからなる群より選択される有機溶媒中、−40℃〜30℃の温度でシアナミドおよび次亜塩素酸塩溶液と接触させるステップを含む方法。Hetが(6−置換)ピリジン−3−イルであり、XがハロゲンまたはC1〜C2ハロアルキルであり、Yが水素である、請求項1に記載の方法。前記スルフィルイミンが下記の構造[式中、Het、R2、およびR3は先に定義した通りである]を有する、請求項1に記載の方法。前記スルフィルイミンが下記の構造[式中、pが1〜3の整数であり、Het、R2、およびR3は先に定義した通りである]を有する、請求項1に記載の方法。前記スルフィルイミンが下記の構造[式中、pが1〜3の整数であり、Hetは先に定義した通りである]を有する、請求項1に記載の方法。前記温度が−10℃〜10℃である、請求項1に記載の方法。前記次亜塩素酸塩溶液が、水中に5〜6重量パーセントの次亜塩素酸ナトリウムを含有する次亜塩素酸塩溶液である、請求項1に記載の方法。前記有機溶媒が、ハロゲン化脂肪族炭化水素または脂肪族ニトリルである、請求項1に記載の方法。ハロゲン化脂肪族炭化水素と水の混合物を含む二相溶媒系中で実施される、請求項1に記載の方法。