生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_遠心分離装置及び該装置を用いる測定用サンプルの調製方法
出願番号:2009550039
年次:2012
IPC分類:G01N 1/10,B04B 5/02,G01N 33/48


特許情報キャッシュ

鈴木 徳行 畑 良信 平岡 繁 JP 4944970 特許公報(B2) 20120309 2009550039 20090115 遠心分離装置及び該装置を用いる測定用サンプルの調製方法 協和メデックス株式会社 000162478 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 福田 浩志 100099025 鈴木 徳行 畑 良信 平岡 繁 JP 2008005875 20080115 20120606 G01N 1/10 20060101AFI20120517BHJP B04B 5/02 20060101ALI20120517BHJP G01N 33/48 20060101ALN20120517BHJP JPG01N1/10 HB04B5/02 CG01N33/48 C G01N 1/00-1/44 B04B 5/02 G01N 33/48 特開2003−000248(JP,A) 国際公開第2005/057224(WO,A1) 特開平03−110468(JP,A) 特開2007−524831(JP,A) 2 JP2009050452 20090115 WO2009090991 20090723 7 20100701 ▲高▼見 重雄 本発明は、遠心分離装置に係り、特に、遠心分離と希釈とを同一装置で行うことができる全く新規な遠心分離装置に関する。また、本発明は、本発明の遠心分離装置を用いる測定用サンプルの調製方法に関する。 周知のように、生化学的分析や免疫学的分析等の各種血液検査を行なう場合には、その前処理として血液の遠心分離作業が行なわれるが、従来のこの種の遠心分離器は、遠心分離血液が収容された遠心管を、回転バランスを考慮しながら人手を介して逐一遠心管ロータにセットし、この後スタートスイッチをオンして遠心管ロータを一定の速度で高速回転させ、所定時間経過後、オフスイッチをオン操作させることで上記遠心管ロータを停止させ、遠心管ロータが完全に停止したところで、人手によって遠心管ロータから遠心分離処理が終了した遠心管を取り外していた(特許文献1参照)。特開平06−182257号公報 しかしながら、検体の中には、脂質が多い検体もあり、このような検体の場合には遠心分離をしても沈降しにくいケースのものもあり、上澄み液を採取しにくいという問題を有していた。 本発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、脂質が多い沈降しにくい検体であっても、必ず沈降した状態で上澄み液を採取することができるとともに、従来の遠心分離処理も行うことができる遠心分離装置を提供しようとするものである。また、本発明は、脂質が多い沈降しにくい検体であっても、測定用サンプルである沈降した画分と上澄み液を調製する方法を提供しようとするものである。上記目的を達成するため、本発明にあっては、遠心分離装置を、所要速度で回転するロータの中心軸を挟んで対峙し、前記ロータの径方向に回転自在に配置された偶数個のバケットと、これらのバケットに収納される、遠心分離に供される検体を保持するための遠心管及び検体希釈液を保持するための希釈管と、上記対峙する一方のバケットには遠心管を装着し、他方のバケットには希釈管を装着して、希釈管中の検体希釈液を吸引し、遠心管中の検体に添加することにより該希釈管中の検体希釈液で、検査目的に対応して検体を任意倍率で希釈することができる分注機構と、により構成したことを特徴とするものである。 また、本発明にあっては、本発明の遠心分離装置を用いる測定用サンプルの調製方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするものである。[1]遠心管と希釈管とを、遠心管と希釈管とが対峙するように遠心分離装置のバケットに装着する工程;[2]検体を遠心管に添加する工程;[3]検体希釈液を希釈管に添加する工程;[4]分注機構により、希釈管中の検体希釈液を、工程[2]で調製された遠心管に添加し、該遠心管中の検体を希釈する工程;[5]工程[4]で調製した遠心管中の希釈された検体を遠心分離する工程;[6]工程[5]により遠心管中に生成した沈降した画分又は上澄み液を取り出す工程。 脂質が多い沈降しにくい検体であっても、必ず沈降した状態で上澄み液を採取することができるとともに、従来の遠心分離処理も行うことができる遠心分離装置が提供される。また、脂質が多い沈降しにくい検体であっても、測定用サンプルである沈降した画分と上澄み液を調製する方法が提供される。 本発明の遠心分離装置を用いる遠心分離に供される検体は、例えば全血等が挙げられる。全血はヘパリンやEDTA等の抗凝固剤で処理されたものでもよい。全血は、本発明の遠心分離装置を用いる遠心分離により沈降した画分(例えば、血球画分)と上澄み液(例えば、血清又は血漿画分)とに分離される。 本発明の遠心分離装置は、それ自体で独立に遠心分離用機器として使用することができるが、検体の遠心分離と、分離された沈降した画分又は上澄み液を測定用サンプルとして、当該サンプル中の測定成分の測定とを自動で行う自動分析装置の中の1つの構成要素として用いることもできる。 本発明における遠心管は、本発明の遠心分離装置に具備され、検体を保持し、遠心分離に耐えられるものであれば特に制限はない。また、本発明における希釈管は、本発明の遠心分離装置に具備され、検体希釈液を保持し、遠心分離に耐えられるものであれば特に制限はない。 本発明における分注機構は、希釈管中の検体希釈液を吸引し、遠心管に移送する機能を有する。分注機構により吸引された希釈管中の検体希釈液は、遠心管中の検体に添加され、遠心管中の検体は希釈される。 本発明における検体希釈液は、希釈管中に保持され、検体を希釈するために使用される。検体希釈液としては、例えば緩衝液等の水性媒体等が挙げられる。緩衝液としては、例えばグッド緩衝液等の公知の緩衝液等が挙げられる。 本発明の測定用サンプルの調製方法は、本発明の遠心分離装置を用いる方法であり、以下の工程を含む。[1]遠心管と希釈管とを、遠心管と希釈管とが対峙するように遠心分離装置のバケットに装着する工程;[2]検体を遠心管に添加する工程;[3]検体希釈液を希釈管に添加する工程;[4]分注機構により、希釈管中の検体希釈液を、工程[2]で調製された遠心管に添加し、該遠心管中の検体を希釈する工程;[5]工程[4]で調製した遠心管中の希釈された検体を遠心分離する工程;[6]工程[5]により遠心管中に生成した沈降した画分又は上澄み液を取り出す工程。 検体希釈液による検体の希釈は、希釈制御系により制御されており、検体の種類に合わせて適宜、希釈倍率を設定することが可能である。上記[1]〜[6]の工程は、希釈制御系を含めた制御系で制御され、検体の希釈、希釈された検体の遠心分離、遠心分離により生成した沈降した画分又は上澄み液の取り出しは全て、自動で行われ、効率的な測定用サンプルの調製が可能となる。また、本発明の遠心分離装置を自動分析装置の中の1つの構成要素とすることにより、効率的な測定用サンプルの調製のみならず、検体中の測定成分の効率的な測定が可能となる。ここで、測定成分としては、従来の自動分析装置で測定されている成分等が挙げられる。 上記[4]工程の遠心分離において、検体希釈液で希釈された検体を含む遠心管と、検体希釈液を吸い取られた希釈管とは、遠心分離に適した状態に配置される。 また、前述の通り、本発明の遠心分離装置は、検体から測定用サンプルの調製と、調製した測定用サンプルを用いた測定成分の測定とを自動で行う自動分析装置の中の1つの構成要素として用いることもできる。この様な自動分析装置を用いることにより、検体の再検査が可能となる。すなわち、1回目の検査で異常な測定値が出され、その異常な測定値が検体の濁りに起因する場合、異常な測定値が出された検体を制御系により抽出し、抽出された検体を検体希釈液で希釈して測定に適したサンプルを調製し、該サンプルは自動分析装置の測定系に供され、検査が行われる。ここで、異常な測定値から制御系により抽出された検体は、希釈制御系により算出された倍率で検体希釈液により希釈され、調製された希釈検体は遠心分離に供されるのである。この遠心分離においても、回転時間、回転速度、温度等の条件は制御系で制御される。 以下、添付図面に示す一実施形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。 図1は、この発明の一実施検体例に係る遠心分離装置の概略的な構成を示す正面図を、図2は同遠心分離装置の平面図を、図3は同遠心分離装置の側面図を、図4は同遠心分離装置のロータ部分の構成を示す平面図を夫々示している。 図中、符号1はブロックを、2はロータを、3はロータシャフトを、4はブロックカバーを、5はモータブラケットを、6はシャッターガイドブロックを、7はシャッターを、8はカット板を、9は遮音ブロックを、10はラックを、11はバケットを、12はセンサーブラケットを、13はスイングアームを、14はアーム押さえを、15はラックガイドシャフトを、16は遠心管の挿脱口を、17は遠心管を、18は希釈管を夫々示している。 また、符号20はDCモータを、21はタイミングプーリーを、22はスリットカムを、23はタイミングプーリーを、24はスペーサーを、25は回転軸を、26は平行ピンを、27はステッピングモータを、28はピニオンを、29はベアリングを、30はシムリングを、31はスプリングを、32は防振ゴムを、33はベアリングホルダを夫々示している。 即ち、この実施形態例に係る遠心分離装置Aは、所要速度で回転するロータ2の中心軸Oを挟んで対峙して回転自在に配置された偶数個(本実施形態例では3対)のバケット11と、これらのバケット11に収納される遠心管17及び希釈管18と、を有して構成され、対峙するバケット11の一方には上記遠心管17が装着され、また、他方には希釈管18を配置し、該希釈管18は、検査目的に対応して任意倍率の希釈を行う場合に使用される。 各バケット11は、回転軸25に回動自在に吊持され、遠心管17及び希釈管18を挿脱自在に保持するように構成されている。 遠心管17の挿脱口16は、シャッター7によって開閉制御され、遠心管17の挿脱時には開くと共に、該位置に希釈管18が到達した場合にも開いて任倍率への希釈処理が行われる。勿論、所定の処理が終了した遠心管17・希釈管18は、該挿脱口16からピックアップアームなどでピックアップされ所定の位置に廃棄される。 この実施形態例に係る遠心分離装置において、最大の特徴は、遠心分離処理ができることは勿論、希釈処理も同時に行うことができ、特に、沈降しにくい血液試料であっても、遠心処理によって必ず沈降してその上澄み液を採取できるので、従来手作業で行っていた分析作業を、自動的に行うことが可能となる点にある。そして、この希釈処理には希釈制御系が働き、検体により希釈率を適宜設定することが可能となる。 尚、本実施形態例における遠心分離装置の基本的構成及び作動制御は従来の遠心分離装置と同様であるので、その詳細な説明をここでは省略する。また、分注機構についても基本的構成及び作動制御は従来の分注装置と同様であるので、図面上の図示及び詳細な説明を省略する。この発明の一実施検体例に係る遠心分離装置の概略的な構成を示す正面図である。同遠心分離装置の平面図である。同遠心分離装置の側面図である。同遠心分離装置のロータ部分の構成を示す平面図である。符号の説明 A 遠心分離装置 O ロータの中心軸 2 ロータ 7 シャッター 11 バケット 16 挿脱口 17 遠心管 18 希釈管 所要速度で回転するロータの中心軸を挟んで対峙し、前記ロータの径方向に回転自在に配置された偶数個のバケットと、これらのバケットに収納される、遠心分離に供される検体を保持するための遠心管及び検体希釈液を保持するための希釈管と、上記対峙する一方のバケットには遠心管を装着し、他方のバケットには希釈管を装着して、希釈管中の検体希釈液を吸引し、遠心管中の検体に添加することにより該希釈管中の検体希釈液で、検査目的に対応して検体を任意倍率で希釈することができる分注機構とを有する遠心分離装置。 以下の工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の遠心分離装置を用いる測定用サンプルの調製方法。[1]遠心管と希釈管とを、遠心管と希釈管とが対峙するように遠心分離装置のバケットに装着する工程;[2]検体を遠心管に添加する工程;[3]検体希釈液を希釈管に添加する工程;[4]分注機構により、希釈管中の検体希釈液を、工程[2]で調製された遠心管に添加し、該遠心管中の検体を希釈する工程;[5]工程[4]で調製した遠心管中の希釈された検体を遠心分離する工程;[6]工程[5]により遠心管中に生成した沈降した画分又は上澄み液を取り出す工程。


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