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タイトル:公表特許公報(A)_改良されたスクラロース製造方法
出願番号:2009545998
年次:2010
IPC分類:C07H 5/02


特許情報キャッシュ

レインホス デュアン カー ジョン ジャンセン ボブ カンボリュー セバスチャン バイアーダ アンソニー ロイド−ジョンズ ピーター JP 2010516665 公表特許公報(A) 20100520 2009545998 20080118 改良されたスクラロース製造方法 テート アンド ライル テクノロジー リミテッド 509178806 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 レインホス デュアン カー ジョン ジャンセン ボブ カンボリュー セバスチャン バイアーダ アンソニー ロイド−ジョンズ ピーター US 60/881,292 20070119 C07H 5/02 20060101AFI20100423BHJP JPC07H5/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW GB2008000167 20080118 WO2008087425 20080724 15 20090831 4C057 4C057AA03 4C057BB03 4C057CC02 本発明は、スクラロースを製造する改良された方法に関する。特に、本発明は、スクラロースを、スクラロース−6−アシレートを単離することなく、反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から得たスクラロース−6−アシレートを含む粗反応混合物から製造する改良された方法に関する。 特許文献1は、スクラロース−6−アシレート中間体を単離することなく、第三級アミド反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から生じる反応混合物からスクラロースを製造する方法であって、第三級アミド反応媒体の除去の前又は後に、スクラロース−6−アシレートの脱アセチル化、及び、その後のスクラロースの単離を含む、スクラロースを製造する方法を開示している。第三級アミド(通常はDMFである)の除去は、水蒸気ストリッピングにより実行される。 特許文献1は、第三級アミド反応媒体の除去の後に脱アセチル化を行なうことが、そうしなければ、脱アセチル化工程中に第三級アミドの塩基触媒分解が起こるため、好ましいと述べている。これは、その後のスクラロースの単離の妨げとなり、また、第三級アミドを効率的に回収及び再生することができないことを意味している。 本発明者らは、塩素化反応に続いて反応媒体を除去する際に、不溶性高分子量着色物質が生じることを発見した。これは、反応媒体を除去する際に、反応媒体を除去するために使用される装置において高分子量着色物質が析出するため、重大な問題となる。このことは、所望の生成物の一部が析出物中に捕捉されるために、収率が低下するという点で、また装置を洗浄するために時々製造を停止しなければならないという点で不利である。反応媒体は多数の方法、例えば水蒸気ストリッピングにより、又は攪拌薄膜乾燥機若しくは噴霧乾燥機を用いて除去することができる。水蒸気ストリッピングが好ましい。 理論に束縛されることを望むものではないが、不溶性高分子量着色物質はスクロース−6−アシレートの塩素化中に形成される高分子副生成物から生じると考えられている。これらの副生成物は、一因にはDMFより水に溶解しにくく、したがってDMFを除去するにつれて沈降するため、また一因には高分子鎖が反応媒体の除去中に大きくなり、溶解度の低下した、より高分子量の高分子を生じるために、反応媒体の除去中に不溶性高分子量着色物質の析出をもたらす。 さらに、高分子量着色副生成物の産生は概して、採用される塩素化剤及び/又は溶媒にかかわらず、スクロース−6−アシレートの塩素化に関連するため、それらの除去は、スクロース−6−アシレートの塩素化を介して進行するスクラロースへの合成経路全体で問題であると思われる。欧州特許第0708110号明細書 したがって、スクロース−6−アシレートの塩素化において、副生成物として形成される高分子量着色物質を除去する方法を提供することが本発明の一目的である。 本発明のより具体的な目的は、スクロース−6−アシレートの塩素化に続いて反応媒体を除去する場合に、不溶性高分子量着色物質の析出を低減することである。 本発明によると、反応混合物を金属水酸化物又は水酸化アンモニウム及び二酸化炭素で処理することで、対応する金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムの沈降が生じること、及び高分子量着色副生成物が沈降物中に捕捉され、その後に濾過することができることが見出された。これにより、反応媒体を除去する際の不溶性着色高分子量物質の析出を低減し、スクラロース収率を上げることができる。 本発明によると、反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から生じる供給流からスクラロースを製造する方法であって、当該供給流がスクラロース−6−アシレート、反応媒体、及び高分子量着色物質を含む副生成物を含み、当該方法が、塩基で処理することによりスクラロース−6−アシレートを脱アシル化し、スクラロースを得る工程、及び、脱アシル化の前又は後に、反応媒体を除去する工程、及びスクラロースを単離する工程を含み、反応媒体を除去する直前に、反応流を、金属水酸化物又は水酸化アンモニウム及び二酸化炭素で処理して、上記高分子量着色物質の少なくとも一部が捕捉されている、対応する金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムの沈降物を形成し、続いて沈降物を分離することを含む沈降工程に供することを特徴とする、スクラロースを製造する方法が提供される。 本明細書中で「反応媒体」とは、その中で塩素化反応が行なわれる希釈液又は溶媒を意味する。当該用語は、媒体が反応の全成分及び生成混合物を完全には溶解しない場合があることを示すことを意味する。 本発明の方法の出発点である供給流を生じる塩素化反応は、欧州特許第0043649号明細書に開示されるもののような多数の方法により実行することができる。採用される塩素化試薬に応じて、多数の種類の反応媒体を使用してもよく、塩素化条件下で安定であり、且つ出発物質、試薬、及び生成物を少なくとも或る程度溶解する任意の反応媒体、例えばキシレン若しくはトルエン等の芳香族炭化水素、トリクロロエタン等の塩素化炭化水素、又はジメチルホルムアミド(DMF)等の第三級アミドを使用することができる。 好ましくは、塩素化は欧州特許第0409549号明細書に記載のように実行される。この場合、第三級アミドが塩素化反応に使用される反応媒体であり、当該第三級アミドは、塩素化条件下で安定であり、且つ出発物質、試薬、及び生成物を少なくとも或る程度溶解する任意の第三級アミドであり得る。第三級アミドは典型的にはジメチルホルムアミド(DMF)である。 反応媒体の除去は、蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留、水蒸気ストリッピング等の当該技術分野で既知の手段により、又は攪拌薄膜乾燥機又は噴霧乾燥機の使用により実行することができる。反応媒体が第三級アミドである場合、反応媒体の除去を水蒸気ストリッピングにより実行するのが好ましい。かかる水蒸気ストリッピングは、特許文献1に記載のように実行することができる。 さらに、本発明の方法の最終工程におけるスクラロースの単離も、通常は特許文献1に記載のように実行される。 スクラロース−6−アシレートは、塩素化反応中に6−ヒドロキシ基を保護する働きをする任意のアシレートであり得る。アシレートは、好ましくは脂肪族アシレート又は炭素環式芳香族アシレートであり、より好ましくはベンゾエート又はアセテートであり、最も好ましくはアセテートである。 便宜上、上記の発明の陳述における特徴的な工程は、本明細書中で「沈降工程」と称される。当該沈降工程において使用される金属水酸化物又は水酸化アンモニウムは、その炭酸塩が採用される条件下で少なくとも部分的に不溶性である、任意の金属水酸化物又は水酸化アンモニウムであり得る。第三級アミド等の反応媒体の存在により、金属炭酸塩は系が純粋に水性である場合より溶解しにくくなるため、そうではない場合よりも多様な金属を採用することができることが理解されよう。しかし、金属水酸化物は、好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、より好ましくは水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムである。沈降工程は、好ましくは5〜12のpH及び0℃〜90℃の温度で、より好ましくは6〜10のpH及び25℃〜80℃の温度で実行される。 沈降工程中、水酸化物をCO2ガスの添加と共に反応流に添加する。CO2ガスを水酸化物と同時に添加することも、又は水酸化物を最初に添加して、その後にCO2ガスを添加することもできる。これによって、この条件下で不溶性又は難溶性であり、したがって沈降物を形成する炭酸塩が形成される。着色除去は、この沈降物中への高分子量着色物質の閉じ込めにより達成される。 水酸化物及びCO2ガスの添加は、好ましくは15分〜120分、より好ましくは20分〜40分にわたって行われる。 CO2ガスは純粋なCO2ガスである必要はない。CO2ガスは、好ましくは60%〜99%純粋であり、より好ましくは80%〜95%純粋であり、最も好ましくはおよそ90%純粋である。 添加する水酸化物の量は、反応流中に存在する高分子量着色物質の量に依存し、当業者はこれを決定することができる。水酸化物は、典型的には反応流の0.1%(w/v)〜10%(w/v)、より好ましくは反応流の0.5%(w/v)〜6%(w/v)の量で添加される。 添加するCO2ガスの量は、水酸化物の対応する炭酸塩への変換のため、使用する水酸化物に対して実質的に化学量論的な量であるのが好ましい。 このようにして形成される沈降物は、任意の適切な技法、例えば、回転真空濾過装置、加圧フィルタ装置、若しくは重力フィルタ装置等の濾過技法、又は遠心分離機若しくはサイクロン分離機等の非濾過技法により、又はデカンテーションにより除去される。 脱アシル化は、8〜14のpH及び0℃〜60℃の温度、好ましくは10〜12のpH及び0℃〜40℃の温度で塩基で処理することにより実行される。 塩基は、好ましくは金属水酸化物又は水酸化アンモニウムであり、より好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であり、より好ましくは水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムである。 本発明によると、工程を実行することができる2つの順序、すなわち脱アシル化、沈降、水蒸気ストリッピングの順序、又は沈降、ストリッピング、脱アシル化の順序がある。特許文献1の教示とは対照的に、本発明では脱アシル化を最初に行なうことが好ましい。さもなければ、いずれの場合にも沈降工程中に部分脱アシル化が起こり得る。同様に、スクラロース−6−アシレートは、スクラロース自身よりも沈降物中に取り込まれ易い傾向があるため(このようにして失われる)、脱アシル化を最後に実行する場合に収率は低下する。 上述のように、特許文献1によると、脱アシル化を水蒸気ストリッピングの前に行なうことは、脱アシル化条件下で第三級アミドの分解が起こるため好ましくない。しかし、驚くべきことに、本発明によると、反応条件を注意深く調整すれば、脱アシル化を最小限の第三級アミドの分解で達成することができることが見出された。したがって、本発明によると、特に脱アシル化を最初に実行する場合、脱アシル化は、好ましくは10〜13.5、より好ましくは10〜12、最も好ましくは10.5〜11.2のpH下で、60℃〜0℃、より好ましくは40℃〜0℃、最も好ましくは35℃〜25℃の温度で実行されるが、pHが高いほどより低い温度で使用され、逆もまた同様である。 脱アシル化反応は、HPLCにより都合良くモニタリングすることができる。最適収率のためには、脱アシル化反応の進行をモニタリングし、反応が完了した際に反応混合物を中和することが重要である。反応混合物のpHは6〜8.5、好ましくはおよそ7.5に調整するべきである。反応混合物は希塩酸を用いて、又はクエン酸若しくは酢酸を用いて都合良く中和することができる。代替的且つ特に好都合には、脱アシル化が沈降工程の直後である場合、反応混合物は二酸化炭素ガスで中和することができる。 本発明では、原則として脱アシル化工程と沈降工程とで同じ金属水酸化物を使用することができ、これにより、特に脱アシル化工程の直後に沈降工程を行なう場合に操作が簡潔となることが理解されよう。これは、特に水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムを両工程で使用する場合に、本発明を実施するのに有用な方法であり得る。しかしながら、本発明者らは、脱アシル化工程のpHは、水酸化カルシウムを採用する場合よりも水酸化ナトリウムを採用する場合に調整が容易であることを見出した。さらに、沈降工程は、水酸化ナトリウムを採用する場合よりも水酸化カルシウムを採用する場合により効果的であり、したがって水酸化ナトリウムを脱アシル化工程に使用し、水酸化カルシウムを沈降工程に使用することが最も好ましい。 ここで本発明を以下の実施例によって例を挙げて説明するが、これらの実施例は本発明を説明することを意図されており、決してその範囲を限定するものではないことを理解されたい。概要 供給流は、水酸化ナトリウム溶液で反応停止した後の、ホスゲン/ジメチルホルムアミドによる、スクロース−6−アセテートの塩素化に由来した。このような供給流は、例えば欧州特許第0409549号明細書に開示される方法により生じさせることができる。これらの研究で使用された塩素化反応からの供給流の典型的な組成は、以下のようであった:実施例1水酸化ナトリウムによる脱アセチル化、水酸化カルシウム/CO2による沈降、希塩酸水溶液によるpH調整実施例1a−高石灰 527gの上記の供給流を、合計して59gの27%NaOH溶液を滴下することにより、4時間にわたって常に40℃でpH10.5に調整した。脱アセチル化反応の進行をHPLCを用いてモニタリングした。脱アセチル化反応が完了した時点で、24.5gの20%HCl溶液を15分にわたって添加することにより、反応混合物のpHをpH7に低下させた。 523gの上記の脱アセチル化混合物をpH7で80℃に加熱した。CO2ガスをこの混合物に40分にわたって吹き込んだ。同時に、新たに消和したCaOの水分散液(16.7%乾燥固体)を、pHを6〜8に調整しながら混合物に添加した。添加した消石灰の全量は70g(16.7wt%)であった。 最終混合物は、着色物質と共沈した炭酸カルシウムにより濁った外観を有していた。 この混合物を濾過して、強く着色した濾過ケーキ、及び出発供給流より強く着色していない濾液を得た。実施例1b−低石灰 実施例1aの手順を、低消和石灰を用いたことを除いて正確に繰り返した。この場合、水中で7g(16.7wt%)の新たに消和したCaOを使用した。この場合も、炭酸カルシウムが着色物質と共沈した。 この混合物を濾過して、強く着色した濾過ケーキ、及び出発供給流より強く着色していない濾液を得た。 実施例1a及び1bにより、沈降工程において水酸化カルシウムを添加することのできる比率の範囲が示される。実施例2水酸化ナトリウムによる脱アセチル化、水酸化カルシウム/CO2による沈降、二酸化炭素によるpH調整実施例2a−高石灰 411.72gの実施例1で使用した供給流を、合計して45.14gの27%NaOH溶液を滴下することにより、4時間にわたって常に40℃でpH10.5に調整した。 HPLC分析で示されるように脱アセチル化反応が完了した時点で、pHが7.2〜7.5に達するまでCO2ガス(100%純粋)を毎分1L〜2Lの流量で吹き込むことにより、約30分かけて反応混合物を中和した。 456.86gの上記の脱アセチル化混合物を、pH7.2〜7.5で80℃に加熱した。CO2をこの混合物に40分にわたって吹き込んだ。同時に、新たに消和したCaOの水分散液(16.7%乾燥固体)を、pHを6〜8に調整しながら混合物に添加した。添加した消石灰の全量は70g(16.7wt%)であった。 実施例1のように、最終混合物は、着色物質と共沈した炭酸カルシウムにより濁った外観を有していた。 この混合物を濾過して、強く着色した濾過ケーキ、及び出発供給流より強く着色していない濾液を得た。実施例2b−低石灰 実施例2aの手順を、低消和石灰を用いたことを除いて正確に繰り返した。この場合、およそ7.0g(16.7wt%)を使用した。 この混合物を濾過して、強く着色した濾過ケーキ、及び出発供給流より強く着色していない濾液を得た。 実施例2a及び2bにより、沈降工程において水酸化カルシウムを添加することのできる比率の範囲が示される。実施例3脱アセチル化及び沈降における水酸化マグネシウムの使用 587gの実施例1で使用した供給流を、合計して129.33gの23%Mg(OH)2溶液を滴下することにより、30分にわたって常に40℃でpH10.5に調整した。このpHを8.95に上げた。次に、合計して67.71gの23%水酸化ナトリウム溶液を、pHを10.1〜10.2に維持しながら2.5時間かけて添加した(水酸化マグネシウムのみを用いて、pHを脱アセチル化を起こすのに十分なほど上昇させることは容易ではない)。 HPLC分析で示されるように脱アセチル化反応が完了した時点で、CO2ガス(100%純粋)を1.5時間にわたって毎分1L〜2Lの流量で吹き込むことにより、反応混合物を中和した。pHが7.6に達した後、十分なCO2を添加した。 この場合も、最終混合物は着色物質との共沈により、実施例1及び実施例2で見られたような特徴的な濁った外観を有していた。この物質を濾過して298.36gのケーキ及び446.97gの濾液を得た。実施例4沈降工程における水酸化ナトリウムの使用 NaOHで脱アセチル化し、且つ希HClでpHを5.53に調整した、実施例1で使用された供給流から成る原料物質470.1gを、供給材料として使用した。59.3gの10%NaOH溶液を40℃で添加することにより、pHをpH10.5に調整した。CO2を40℃で1時間、この混合物に吹き込んだ。この間、pHは7.4に低下した。生成物を濾布を通して濾過し、3.94gのウェットケーキ(1.67gの乾燥ケーキ)のケーキ及び480.57gの濾液を得た。実施例5脱アセチル化及び炭酸化の両方のための水酸化カルシウムの使用 506.84gの実施例1で使用した供給流を40℃に加熱し、攪拌した。23%の新たに消和した石灰を76.02g添加した。pHは10.2であった。2.5時間後、HPLC分析によって脱アセチル化が完了したことが示された。CO2を次に反応混合物に吹き込んで、pHを5.8〜6に下げた。 次に、22%の新たな消石灰溶液を4.3g添加した後、CO2を30分にわたって吹き込み、濁った外観の混合物を形成した。この混合物を次に濾過して、着色ケーキ(20gウェット)及び534gの濾液を回収した。実施例6大規模 350ガロンの実施例1で使用した供給流を、合計して70ガロンの12%NaOH溶液を添加することにより、8時間にわたって常に91.5゜Fの温度で連続的にpH11.1に調整した。 脱アセチル化反応の進行をHPLCを用いてモニタリングした。脱アセチル化反応が完了した後、24.5ガロンの20%HCl溶液を15分にわたって添加することにより、反応混合物を中和した。 444.5ガロンの上記の脱アセチル化混合物を、pH7.5で45℃に加熱し、CO2ガスをこの混合物に90分にわたって吹き込んだ。同時に、新たに調製した水和石灰、Ca(OH)2の水分散液(16.%乾燥固体)を、pHを6〜8に調整しながら混合物に添加した。添加した消石灰の全量は41ガロン(16wt%)であった(これは31.5ガロンの水と混合した50 lbの消石灰に値する)。最終混合物は、着色物質と共沈した炭酸カルシウムにより濁った外観を有していた。 この混合物をPutschプレスを用いて濾過し、強く着色した濾過ケーキ、及び出発供給流より強く着色していない濾液を得た。実施例7脱アセチル化/炭酸化i)脱アセチル化 ジャケット付き反応槽を、供給槽から手動弁を用いて、上に記載した所定の容量の供給流で充填した。反応槽再循環ポンプを起動した。5分後、出発物質の試料を採取した。反応槽は、ジャケットへの低圧蒸気又は冷却水を用いて手動で33℃に調整した。隔膜ポンプを用いて腐食剤を反応槽に投与し、pHを11.1±0.1に調整した。試料を反応混合物から1時間毎に採取した。反応条件を8時間維持した後、別個の隔膜ポンプを使用して、混合物をHClを用いて中和した。ii)炭酸化 ジャケットへの低圧蒸気入り口弁を手動で調節することにより、脱アセチル化反応の生成物を55℃に加熱した。CO2入り口弁を開き、流量計で測定して2 lbs/時間の流量をスパージャーに送った。pHをモニタリングして、5分間のCO2流の後(反応混合物のpH 7.5〜8.0)、16%石灰溶液の投与を開始した。反応槽内のpHは8.0〜8.5になるように平衡に保った。投与が妥当な時間内に完了するように、CO2流を>9 lbs/時間に増大した。全ての石灰を投与した時点で、CO2を2 lbs/時間に戻して、20分間、又はpHが8.0になるまで流した。iii)濾過 連続運転される反応槽再循環ポンプと共に、炭酸化生成物を反応槽からパイロット式Putschフィルタプレスへと送り込むのに蠕動ポンプを使用した。この特定の構成の圧力限界である30psiの圧力が達成されるまで、濾過を行なった。この圧力で、チャンバはおよそ80%までケーキで満たされており、これはケーキの効率的な圧搾を可能にする実規模の運転の標準である。ケーキは最初、透過物(permeate)が流れなくなるまで29psiで圧搾した。次に、73psiまで上げて、透過物が流れなくなるまで圧搾した。次に、水をプレスに導入し、40L(ケーキの質量の4倍)をケーキに通過させた。洗ったケーキを次に100psiで3回圧搾した後、50scfmのN2を1分間吹き付けてケーキを乾燥させた。iv)ストリッピング 凝縮器をストリッピング塔に接続した。塔を始動するために、凝縮器への冷却水弁を開いた。次に、塔に対する蒸気調整弁を開き、流量指示計で30%(名目上の単位)に調整した。これはおよそ40 lbs/時間に等しいが、これは50psiの圧力調整タンク(header)における圧力変動によって変わってくる。塔が温まった時点で、供給材料を蠕動ポンプを用いておよそ100ml/分で圧送した。上部の生成物弁を手動で調整して、凝縮器において低い液位(level)を保ち、それにより塔内部の温度を制御した。液位を維持し、下降する蒸気流が生じるのを防ぐために、下部の生成物弁を同様に制御した。塔を1時間〜8時間の稼働時間で運転し、結果として生じる汚染及びストリッピング性能を他の供給材料に対して評価した。結果着色除去 元の供給材料に対する吸光度の分析では、脱アセチル化試料及び炭酸化試料は、炭酸化プロセスにより供給材料の着色が平均して40%除去されることを示している。データを以下の表に示す:濾過 炭酸化生成物の濾過をパイロット式Putsch装置で実行した。各々の炭酸化バッチからの濾過固体を、DMF及びスクラロースの損失を最小限に抑えるためにPutschプレス上でin situで水道水で洗った。濾過ケーキでのスクラロース損失は<0.03%であると算出された。DMF損失は<0.02%であった。ストリッピング 各バッチについて、脱アセチル化物質及び炭酸化物質をパイロット式ストリッパーに供給した。各々の物質の汚染特性を肉眼で観察した。いずれの場合も、炭酸化生成物及び濾過生成物は、その対応する脱アセチル化供給材料よりも汚染されずに生成した。これは元の供給材料よりも優れていた。観察は汚染の量及びタイプに基づいていた。 反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から生じる供給流からスクラロースを製造する方法であって、前記供給流がスクラロース−6−アシレート、前記反応媒体、及び高分子量着色物質を含む副生成物を含み、該方法が、 塩基で処理することにより前記スクラロース−6−アシレートを脱アシル化し、スクラロースを得る工程、及び、該脱アシル化の前又は後に、 前記反応媒体を除去する工程、及び スクラロースを単離する工程を含み、 前記反応媒体を除去する工程の直前に、反応流を、金属水酸化物又は水酸化アンモニウム及び二酸化炭素で処理して、前記高分子量着色物質の少なくとも一部が捕捉されている、対応する金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムの沈降物を形成し、続いて前記沈降物を分離することを含む沈降工程に供することを特徴とする、スクラロースを製造する方法。 前記複数の工程を脱アシル化、沈降、反応媒体の除去の順に実行するように、前記反応媒体を除去する工程を前記脱アシル化する工程の後に実行する、請求項1に記載の方法。 前記複数の工程を沈降、反応媒体の除去、脱アシル化の順に実行するように、前記反応媒体を除去する工程を前記脱アシル化する工程の前に実行する、請求項1に記載の方法。 前記反応媒体の除去を、水蒸気ストリッピングにより、又は攪拌薄膜乾燥機若しくは噴霧乾燥機の使用により実行する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 前記スクラロース−6−アシレートが、スクラロース−6−ベンゾエート又はスクラロース−6−アセテートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 前記スクラロース−6−アシレートがスクラロース−6−アセテートである、請求項5に記載の方法。 前記反応媒体が第三級アミドである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 前記第三級アミドがジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項7に記載の方法。 前記金属水酸化物又は水酸化アンモニウムが、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 前記金属水酸化物又は水酸化アンモニウムがアルカリ土類金属水酸化物である、請求項9に記載の方法。 前記アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムである、請求項10に記載の方法。 前記金属水酸化物又は水酸化アンモニウムがアルカリ金属水酸化物である、請求項9に記載の方法。 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、請求項12に記載の方法。 前記金属水酸化物又は水酸化アンモニウムが水酸化アンモニウムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 前記脱アシル化において使用される前記塩基が、金属水酸化物又は水酸化アンモニウムである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。 前記塩基がアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、請求項15に記載の方法。 前記塩基がアルカリ金属水酸化物である、請求項16に記載の方法。 前記塩基が水酸化ナトリウムである、請求項17に記載の方法。 前記塩基がアルカリ土類金属水酸化物である、請求項16に記載の方法。 前記塩基が水酸化カルシウムである、請求項19に記載の方法。 前記金属水酸化物又は水酸化アンモニウム及び前記塩基が、共に同じ化合物である、請求項2に記載の方法。 前記化合物がアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、請求項21に記載の方法。 前記化合物が水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウムである、請求項22に記載の方法。 前記脱アシル化を、8〜14のpH及び0℃〜60℃の温度で実行する、請求項1に記載の方法。 前記脱アシル化を、10〜12のpH及び0℃〜40℃の温度で実行する、請求項24に記載の方法。 前記沈降工程を、5〜12のpH及び0℃〜90℃の温度で実行する、請求項1に記載の方法。 前記沈降工程を、6〜10のpH及び25℃〜80℃の温度で実行する、請求項26に記載の方法。 前記沈降物の分離を濾過により実行する、請求項1に記載の方法。 前記濾過を回転真空濾過装置、加圧フィルタ装置、又は重力フィルタ装置を用いて実行する、請求項28に記載の方法。 前記沈降物の分離を非濾過技法により実行する、請求項1に記載の方法。 前記沈降物の分離を遠心分離機、サイクロン分離機を用いて、又はデカンテーションによって実行する、請求項30に記載の方法。 前記反応流のpHが、前記脱アセチル化工程の後、且つ酸の添加による沈降工程の前に低下される、請求項2に記載の方法。 前記酸が希塩酸水溶液、酢酸、クエン酸、又は二酸化炭素である、請求項32に記載の方法。 反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から生じる供給流からスクラロースを製造する方法であって、当該供給流がスクラロース−6−アシレート、反応媒体、及び高分子量着色物質を含む副生成物を含み、当該方法が、塩基で処理することによりスクラロース−6−アシレートを脱アシル化し、スクラロースを得る工程、及び、脱アシル化する工程の前又は後に、反応媒体を除去する工程、及びスクラロースを単離する工程を含み、反応媒体を除去する工程の直前に、反応流を、金属水酸化物又は水酸化アンモニウム及び二酸化炭素で処理して、上記高分子量着色物質の少なくとも一部が捕捉されている、対応する金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムの沈降物を形成し、続いて沈降物を分離することを含む、沈降工程に供することを特徴とする、スクラロースを製造する方法が提供される。【選択図】なし20090916A1633000033 特許文献1は、スクラロース−6−アシレート中間体を単離することなく、第三級アミド反応媒体におけるスクロース−6−アシレートの塩素化から生じる反応混合物からスクラロースを製造する方法であって、第三級アミド反応媒体の除去の前又は後に、スクラロース−6−アシレートの脱アシル化、及び、その後のスクラロースの単離を含む、スクラロースを製造する方法を開示している。第三級アミド(通常はDMFである)の除去は、水蒸気ストリッピングにより実行される。A1633000053 特許文献1は、第三級アミド反応媒体の除去の後に脱アシル化を行なうことが、そうしなければ、脱アシル化工程中に第三級アミドの塩基触媒分解が起こるため、好ましいと述べている。これは、その後のスクラロースの単離の妨げとなり、また、第三級アミドを効率的に回収及び再生することができないことを意味している。A16333請求項323 前記反応流のpHが、前記脱アシル化工程の後、且つ酸の添加による沈降工程の前に低下される、請求項2に記載の方法。


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