タイトル: | 公表特許公報(A)_サルモネラワクチン |
出願番号: | 2009541504 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 39/112,A61P 31/04 |
レ グロス フランソア−ザビエル ルミエール ステファン JP 2010512412 公表特許公報(A) 20100422 2009541504 20071210 サルモネラワクチン メリアル リミテッド 304040692 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 山崎 一夫 100119013 滝澤 敏雄 100111501 レ グロス フランソア−ザビエル ルミエール ステファン US 60/869,524 20061211 A61K 39/112 20060101AFI20100326BHJP A61P 31/04 20060101ALI20100326BHJP JPA61K39/112A61P31/04 171 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2007086979 20071210 WO2008073891 20080619 33 20090729 4C085 4C085AA03 4C085BA24 4C085CC07 4C085EE01 4C085EE03 4C085GG03 4C085GG04 4C085GG05 4C085GG08参照による組み込み 本願は、米仮特許出願第60/869,524号(出願日:2006年12月11日)に基づく利益を主張する。 本明細書に引用または参照したすべての文献(“本明細書に引用した文献”)および本明細書に引用した文献において引用または参照されているすべての文献は、本明細書または本明細書に参照により組み込まれた文献における任意の製品に関する任意の製造業者の使用説明書、説明書、製品仕様書および製品シートと共に参照により本願に組み込まれ、本発明の実施において用いることができる。技術分野 本発明は、動物、特に鳥類動物におけるサルモネラ(Salmonella)に対するワクチン接種の分野に関する。本発明はまた、サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンのキットおよび使用を含む。 サルモネラ種は、慢性無症候性キャリア状態に加えて、局所性または全身性感染を引き起こす通性細胞内病原体である。サルモネラ種は、世界的な経済的および公衆衛生的意義を有する。家禽においては、家禽産業が強化され続け、開放鶏舎が一般的である世界の地域において、家禽チフスおよびひな白痢は経済的損失を引き起こし続けている。ヒト胃腸炎を引き起こす多くの血清型もまた増え続けている。増加している抗生物質耐性の問題と共に、衛生および管理における改良の費用または非現実性は、家禽におけるワクチン接種が、既存の防止措置への補助としてより魅力的になるであろうことを示している(Zhang-Barber L. et al., Vaccine, 1999, 17(20-21): 2538-45)。 ヒトにおいては、サルモネラは食品媒介性疾患の主要な原因の1つである。人獣共通感染症に関する委員会報告書(欧州委員会(European Commission): Trends and sources of zoonotic infections in animals, feed, food and man in the European Union and Norway in 2003)によれば、EU15加盟国およびノルウェーにおいては、2003年に、135,546例のヒトサルモネラ症例が報告されている。 家禽産業は、特にヨーロッパおよび米国では、ヒトの家禽由来サルモネラ汚染、特にサルモネラ症のリスクを低減するように、保健局および消費者から強い圧力を受けている(米国における病原菌低減化およびHACCP、EUにおける理事会指令92/117/EEC)。 多くの動物集団(例えば哺乳動物、鳥類)はサルモネラに感染するので、国、季節または食品取扱慣行を問わず、サルモネラ症にかかるリスクは常に存在する。 人獣共通サルモネラ種によるヒト胃腸感染は、既存の抗菌剤を用いて治療されてきた。1990初期以後、一連の抗菌剤に耐性を示すサルモネラ株が出現したので、感染の治療の効果は低くなり、サルモネラ種により引き起こされる胃腸感染にかかるヒトのリスクは増加した。 過年度において、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型エンテリティディス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Enteritidis)(サルモネラ・エンテリティディス/Salmonella Enteritidis)(腸炎菌)は優位を占め、EUおよびノルウェーにおいて届け出のあった全症例のうち61.8%(2002年度:67.1%)を引き起こした。各国における割合は、オーストリアにおける87.9%からフランスにおける33.3%までの範囲であった。サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ティフィムリウム/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Typhimurium)( サルモネラ・ティフィムリウム/ Salmonella Typhimurium)(ネズミチフス菌)は二番目であり、全症例の16.5%であった。各国における割合は、オーストリアにおける5.8%からアイルランドにおける28.7%までの範囲であった。過年度において、サルモネラ・エンテリティディスおよびサルモネラ・ティフィムリウムに続いて、大部分の症例は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ウィルヒョウ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Virchow(サルモネラ・ウィルヒョウ/Salmonella Virchow)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型インファンティス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Infantis(サルモネラ・インファンティス/Salmonella Infantis)およびサルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ハダー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Hadar(サルモネラ・ハダー/Salmonella Hadar)によって引き起こされた。これらの血清型のそれぞれは、届け出のあった全症例のうち、1%未満に関与している。 汚染の主要な原因は、卵および家禽食肉の消費によるものである。このようなリスクの低減は、卵および食肉生産の連鎖の全体にわたる手段、例えば適切な農業生産活動、適正衛生基準およびワクチン接種の組み合わせにより達成される。 食品衛生および人獣共通感染症防止に関する共同体法は、食品のサルモネラ汚染防止または予防を求めるいくつかの条項を含んでいる。生きた動物のサルモネラ汚染率を低減させる処置は、食品汚染およびヒトサルモネラ症例数を削減する最も有効な方法の1つと考えられている。 2003年に、人獣共通感染症に関する新規欧州法が公布された。Regulation 2160/2003は、主に動物集団についての、食物連鎖に沿った病原体削減達成目標値を設定し、これらの達成目標値を満たすための国家防止計画を制定している。サルモネラ種、特に公衆衛生上重要性を有すると考えられる血清型が主要標的である。種々の動物集団:セキショクヤケイ(Gallus gallus)の飼育鶏群(breeding flock)、産卵鶏、ブロイラー、七面鳥および屠殺豚において、徐々に達成目標値が設定される。現在まで、セキショクヤケイの飼育鶏群のみについて、達成目標値が達成されている(Regulation 1003/2005)。達成目標値は1%に設定されている。これは、2009年末に向けて、EUレベルにおいて、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・インファンティス、サルモネラ・ハダーおよびサルモネラ・ウィルヒョウ陽性鶏群の最大割合が1%でなければならないことを意味している。 ブリーダーに関して言えば、Regulation 1091/2005は、サルモネラに対する防止措置として抗菌剤の使用を禁じており、ワクチンの使用を承認し、推奨している。家禽におけるサルモネラ防止のためのワクチンの使用に関する欧州委員会の要請に基づく、バイオハザードに関する科学パネル(Scientific Panel on Biological Hazards)の結論および推奨(The EFSA Journal (2004) 114, 1-74)は、主として、農場レベルにおけるサルモネラ防止のためのワクチンの使用を奨励している。具体的には、このパネルの結論は、特に、以下の通りである:・養鶏場におけるサルモネラ感染防止の成功の基礎には、適切な農業生産活動および適正衛生基準(飼料、管理、掃除および消毒、げっ歯動物の駆除などを含むすべての側面を含む)に加えて、生産からの陽性鶏群の試験および除去がある。家鶏のワクチン接種は、サルモネラ暴露に対する家鶏の抵抗性を増し、病原体排出を抑制すると考えられる。・ワクチン接種家鶏におけるサルモネラ菌の糞便中排泄および全身感染のレベル低下は、食用卵(table egg)および環境の汚染低減をもたらすという実験的根拠および野外でのいくつかの証拠が存在する。・防止プログラムが産卵鶏/ブロイラーまたは産卵鶏のブリーダーを対象としたものであり、鶏群汚染率が高い場合、排出および卵汚染の低減にワクチン接種は有用な可能性がある。鶏群汚染率が低い場合、ワクチン接種はそれほど有用ではない可能性があるが、それでも低い汚染率を維持するための予防対策の1つとして使用できると思われる。 2,000を超えるサルモネラ菌の血清型が存在する。 カウフマン・ホワイトの分類 (http://en.wikipedia.org/wiki/Kauffman-White_classification)により、サルモネラ属の血清学的変種を互いに識別することが可能となる。このスキームは、どの表面抗原がその細菌により産生されるかを決定することにより分離株を識別する。最初に“O”抗原型を決定する。“O”抗原は、細菌外膜のリポ多糖と関連する多糖である。“O”抗原群を決定した後、“H”抗原を決定する。“H”抗原は、その細菌の鞭毛と関連するタンパク質である。サルモネラは2つの期として存在する;運動期(motile phase)および非運動期(non-motile phase)である。これらは特異期(specific pahse)および非特異期(non-specific phase)とも呼ばれる。見出されたサルモネラの期に応じて異なる“H”抗原が産生される。チフス菌の病原性株はさらなる抗原“Vi”を有するが、これは、細菌莢膜と関連するこの抗原を産生する株のビルレンスの上昇に基づいてそう呼ばれる。 カウフマン・ホワイトの分類に従って、サルモネラ血清型の“O”群が形成される。 家鶏におけるサルモネラグループCによる定着に対して、cya欠失/crp欠失サルモネラ・ハダーおよびphoP欠失サルモネラ・ハダーに基づく弱毒化ワクチンが開発された(Roland K. et al., Avian Dis., 2004, 48(3): 445-52)。cya欠失/crp欠失誘導体は、より高いレベルの血清抗体を誘導したが、サルモネラ・ハダーによる定着を防御する免疫反応を引き起こさなかった。 Chacanaら(Chacana P.A. et al., Avian Dis., 2006, 50(2): 280-3)は、サルモネラ弱毒化ワクチンが、同じカウフマン・ホワイトスキーム血清群のメンバーに対して交差免疫を誘導することができることを明らかにした。弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンであるTAD Salmonella vac Eにより付与される、家禽チフスに対する防御が研究された。誕生日から開始し、その後28週目または52週目のいずれかに、毒性サルモネラ・ガリナルム(Salmonella Gallinarum)(鶏チフス菌)株2x105CFUに感染させる、異なるワクチン接種スケジュールを用いて3群の産卵鶏にワクチン接種した。サルモネラ・ガリナルムの死滅率、糞便中排出および臓器浸潤を評価した。サルモネラ・エンテリティディスワクチンは、共にカウフマン・ホワイトの分類に従ったサルモネラグループD株であるサルモネラ・ガリナルムに対して交差免疫を付与することができた。28週目に、3回の経口投与または、2回の経口投与および1回の皮下でワクチン接種した鶏は、ワクチンにより防御された。しかしながら、最終免疫後36週目である52週目に鶏を感染させたとき、ワクチンは防御を付与することができなかった。 サルモネラ血清型の数が多いので、2以上のサルモネラ血清型および/または2以上のカウフマン・ホワイト分類群のサルモネラに対する防御免疫反応を誘導することができる、サルモネラに対するワクチンが求められている。 よって、本発明は、弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与(primo-administration)および不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与(boost-administration)に基づくワクチン接種戦略に関する。本ワクチン接種戦略は、ワクチン接種被験体における同種および異種サルモネラの運搬を予防するのに有用である。 同種および/または異種サルモネラを予防するために、鳥類動物に免疫原性組成物またはワクチンを用いる方法であって、弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、1回目のみのまたは1回目の初期投与の数週間後に、特に2〜18週間後に不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与する前記方法を提供することもまた本発明の対象である。 同種および/または異種サルモネラの運搬を予防するために、鳥類動物に免疫原性組成物またはワクチンを用いる方法であって、弱毒化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、1回目のみのまたは1回目の初期投与の数週間後、特に2〜18週間後に、不活化サルモネラB群および不活化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与する前記方法を提供することもまた本発明の対象である。サルモネラB群およびD群の例は、本明細書に示されている。 少なくとも2つのバイアルおよび投与説明書の付いた添付文書を含む鳥類動物のワクチン接種のためのキットであって、第1バイアルが弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含み、第2バイアルが不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含む前記キットを提供することもまた本発明の対象である。場合により、さらなるバイアルであって、複数回の初期投与のための弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルおよび/または複数回の追加投与のための活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルを含むことができる。 本開示、特にその特許請求の範囲において、用語“含む(comprises)”、“含んだ(comprised)”、“含むこと(comprising)”などは、米国特許法においてそれらに対して付与された意味を有しうることに注意されたい。例えば、それらは“含む(includes)”、“含んだ(included)”、“含むこと(including)”などを意味することができる。また、用語“本質的に〜からなること(consisting essentially of)”および“本質的に〜からなる(consists essentially of)”などは、米国特許法においてそれらに付与された意味を有することにも注意されたい。例えば、それらは、明記されていない要素を許容するが、先行技術中に存在するかまたは本発明の基本的または新規な特徴に影響を及ぼす要素を除外する。 これらおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明に記載されているかまたはそれにより明らかであり、かつそれに含まれる。 例として挙げたものであり、記載されている特定の実施形態にのみ本発明を限定するものではない以下の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれる添付の図面と併せて、最もよく理解することができる。攻撃4〜7日後の、家鶏の脾臓における攻撃サルモネラ株の再分離の割合を示す図である。“対照”は、G.00に対応するワクチン非接種対照群であり;“L+K”は、G.01に対応する、最初に弱毒化サルモネラワクチンを用い、2番目に不活化サルモネラワクチンを用いるワクチン2回接種群であり;“死滅”は、G.02に対応する、不活化サルモネラワクチンのみを用いたワクチン接種群である。攻撃4〜7日後の、家鶏における攻撃サルモネラ株の平均盲腸計数および標準偏差値を示す図である。“対照”は、G.00に対応するワクチン非接種対照群であり;“L+K”は、G.01に対応する、最初に弱毒化サルモネラワクチンを用い、2番目に不活化サルモネラワクチンを用いるワクチン2回接種群であり;“死滅”は、G.02に対応する、不活化サルモネラワクチンのみを用いたワクチン接種群である。 本発明は、少なくとも1つの異種サルモネラに対する免疫反応を増強させるために、鳥類動物に免疫原性組成物またはワクチンを用いる方法であって、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびサルモネラ血清型の1つの少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、特に2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびサルモネラ血清型の1つの少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与する前記方法に関する。弱毒化サルモネラおよび不活化サルモネラは、同じ血清型由来のものであることができ、異なる血清型由来のものであることもできる。異種サルモネラは、初期投与および追加投与の間に投与される免疫原性組成物またはワクチンに用いられるものとは異なる細菌であり、例えば、カウフマン・ホワイト分類による、他の血清型のサルモネラまたは他のサルモネラ群のサルモネラである。 主題発明の方法は、少なくとも1つの異種サルモネラにより引き起こされる疾患から鳥類動物を交差防御するためにおよび/または鳥類動物における少なくとも1つの異種サルモネラの運搬を予防するために鳥類動物に使用できる。 本発明の方法は、鳥類動物において、感染鳥類動物の脾臓および/または盲腸におけるサルモネラC群細菌数を低減させるために使用することもでき、特に、感染鳥類動物の脾臓および/または盲腸におけるサルモネラC1群およびサルモネラC2群細菌数を低減させるために、または感染鳥類動物の脾臓および盲腸におけるサルモネラB群細菌およびサルモネラC群細菌数を低減させるために使用することもできる。サルモネラC群の例は本明細書に示されている。 用語“免疫原性組成物”は、それが鳥類動物に注射されたときに、サルモネラに対する免疫反応を誘導または刺激することができる任意の組成物のことを言う。 用語“ワクチン組成物”または“ワクチン”は、それが動物、特に鳥類動物に注射されたときに、動物、特に鳥類動物において、サルモネラにより引き起こされる疾患に対する防御免疫反応を誘導または刺激する、および/またはサルモネラの運搬を予防または低減させる防御免疫反応を誘導または刺激することができる任意の組成物のことを言う。 初期-追加レジメンは、少なくとも1つの共通のポリペプチド、抗原、エピトープまたは免疫原を用いる、少なくとも1回の初期投与および少なくとも1回の追加投与を含む。初期投与に用いられるワクチンは、後の追加ワクチンとして用いられるものとは異なる性質のものであってもよい。初期投与は、1回以上の投与を含んでもよい。同様に、追加投与は、1回以上の投与を含んでもよい。 本発明の方法は、動物、好ましくは鳥類への、本発明による免疫原性組成物またはワクチンの有効量の、少なくとも1回の初期投与および少なくとも1回の追加投与を含む。動物は、雄または雌であることができる。本投与は、特に、筋肉内(IM)、皮内(ID)もしくは皮下(SC)注射または鼻腔内もしくは経口投与により行うことができ、ここで、経口投与は、限定するものではないが、飼料、飲料水、ゲルまたはスプレーでの投与を含む。 薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルは、水、注射用水、生理食塩水または緩衝液であることができる。安定剤、例えばグリセリン、糖質溶液(ショ糖溶液など)を、弱毒化免疫原性組成物またはワクチンに添加することができる。 本発明の方法による初期投与に用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む。弱毒化サルモネラは、サルモネラD群およびサルモネラB群からなる群から選択されることができ、好ましくはサルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・パナマ、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・ガリナルム、サルモネラ・プロラムからなるD群およびサルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・ブラエンデラップ、サルモネラ・アゴナ、サルモネラ・ブレデニー、サルモネラ・ハイデルベルク、サルモネラ・インディアナ、サルモネラ・セントポール、サルモネラ・ブランデンブルクからなるB群の中から選択されることができる。好ましい実施形態において、本発明の方法による初期投与において用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む。他の好ましい実施形態において、本発明の方法による初期投与に用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む。他の好ましい実施形態において、本発明の方法による初期投与に用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびにD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラおよびB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む。最も好ましい実施形態において、本発明の方法による初期投与に用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび弱毒化サルモネラ・エンテリティディスを含む。最も好ましい実施形態において、本発明の方法による初期投与に用いられる弱毒化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびに弱毒化サルモネラ・エンテリティディスおよび弱毒化サルモネラ・ティフィムリウムを含む。 種々のカウフマン・ホワイトサルモネラ分類群の例は、A、B、C1〜3、D、E1〜4、F、G、HおよびI群を含むが、それらの例を以下に示す。 例えば、A群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型パラチフィA/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Paratyphi A(サルモネラ・パラチフィA/Salmonella Paratyphi A)、サルモネラ・パラチフィAバリアントドゥラッツォ(Salmonella Paratyphi A variant durazzo)を含む。 例えば、B群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型パラチフィB/ Salmonella enterica subspecies enterica serovar Paratyphi B(サルモネラ・パラチフィB/Salmonella Paratyphi B)、サルモネラ・パラチフィBバリアントオーデンセ(Salmonella Paratyphi B variant odense)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ジャワ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Java(サルモネラ・ジャワ/Salmonella Java)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ティフィムリウム/ Salmonella enterica subspecies enterica serovar Typhimurium)( サルモネラ・ティフィムリウム/ Salmonella Typhimurium)(ネズミチフス菌)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ブラエンデラップ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Braenderup(サルモネラ・ブラエンデラップ/Salmonella Braenderup)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型アゴナ/ Salmonella enterica subspecies enterica serovar Agona(サルモネラ・アゴナ/Salmonella Agona)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ブレデニー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Bredeney(サルモネラ・ブレデニー/Salmonella Bredeney)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ハイデルベルク/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Heidelberg(サルモネラ・ハイデルベルク/Salmonella Heidelberg)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型インディアナ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Indiana(サルモネラ・インディアナ/Salmonella Indiana)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型セントポール/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Saint-Paul(サルモネラ・セントポール/Salmonella Saint-Paul)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ブランデンブルク/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Brandenburg(サルモネラ・ブランデンブルク/Salmonella Brandenburg)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型リミテ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Limete(サルモネラ・リミテ/Salmonella Limete)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型アガマ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Agama(サルモネラ・アガマ/Salmonella Agama)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ダービー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Derby(サルモネラ・ダービー/Salmonella Derby)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型サリナティス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Salinatis(サルモネラ・サリナティス/Salmonella Salinatis)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型スタンレー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Stanley(サルモネラ・スタンレー/Salmonella Stanley)を含む。 例えば、C1群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型パラチフィC/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Paratyphi C(サルモネラ・パラチフィC/Salmonella Paratyphi C)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型インファンティス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Infantis(サルモネラ・インファンティス/Salmonella Infantis)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ムバンダカ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Mbandaka(サルモネラ・ムバンダカ/Salmonella Mbandaka)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型リビングストン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Livingstone(サルモネラ・リビングストン/Salmonella Livingstone)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ウィルヒョウ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Virchow(サルモネラ・ウィルヒョウ/Salmonella Virchow)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型オハイオ/salmonella enterica subspecies enterica serovar Ohio(サルモネラ・オハイオ/Salmonella Ohio)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型モンテビデオ/salmonella enterica subspecies enterica serovar Montevideo(サルモネラ・モンテビデオ/Salmonella Montevideo)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型テネシー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Tennessee(サルモネラ・テネシー/Salmonella Tennessee)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型リッセン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Rissen(サルモネラ・リッセン/Salmonella Rissen)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型リッセン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Decatur(サルモネラ・ディケーター/Salmonella Decatur)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型バレリー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Bareilly(サルモネラ・バレリー/Salmonella Bareilly)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型メンストン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Menston(サルモネラ・メンストン/Salmonella Menston)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型オラニエンブルグ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Oranienburg(サルモネラ・オラニエンブルグ/Salmonella Oranienburg)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型トンプソン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Thompson(サルモネラ・トンプソン/Salmonella Thompson)を含む。 例えば、C2群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ハダー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Hadar(サルモネラ・ハダー/Salmonella Hadar)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ニューポート/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Newport(サルモネラ・ニューポート/Salmonella Newport)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型コトブス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Kottbus(サルモネラ・コトブス/Salmonella Kottbus)を含む。 例えば、C3群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ケンタッキー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Kentucky(サルモネラ・ケンタッキー/Salmonella Kentucky)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型アルバニー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Albany(サルモネラ・アルバニー/Salmonella Albany)を含む。 例えば、D群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型チフィ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Typhi(サルモネラ・チフィ/Salmonella typhi)(チフス菌)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型エンテリティディス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Enteritidis)(サルモネラ・エンテリティディス/Salmonella Enteritidis)(腸炎菌)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型パナマ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Panama(サルモネラ・パナマ/Salmonella Panama)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ダブリン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Dublin(サルモネラ・ダブリン/Salmonella Dublin)、Salmonella enterica subspecies enterica serovar Gallinarum(サルモネラ・ガリナルム/Salmonella Gallinarum)(鶏チフス菌)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型プロラム/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Pullorum(サルモネラ・プロラム/Salmonella Pullorum)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型エンドーロ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Ndolo(サルモネラ・エンドーロ/Salmonella Ndolo)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型マイアミ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Miami(サルモネラ・マイアミ/Salmonella Miami)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型センダイ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Sendai(サルモネラ・センダイ/Salmonella Sendai)を含む。 例えば、E1群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ギブ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Give(サルモネラ・ギブ/Salmonella Give)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型アナツム/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Anatum(サルモネラ・アナツム/Salmonella Anatum)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ロンドン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar London(サルモネラ・ロンドン/Salmonella London)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型メレアグイリディス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Meleagridis(サルモネラ・メレアグイリディス/Salmonella Meleagridis)を含む。 例えば、E2群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ケンブリッジ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Cambridge(サルモネラ・ケンブリッジ/Salmonella Cambridge)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ニューイントン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Newington(サルモネラ・ニューイントン/Salmonella Newington)を含む。 例えば、E3群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ミネアポリス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Minneapolis(サルモネラ・ミネアポリス/Salmonella Minneapolis)を含む。 例えば、E4群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型シムズベリー/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Simsbury(サルモネラ・シムズベリー/Salmonella Simsbury)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型センフテンベルク/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Senftenberg(サルモネラ・センフテンベルク/Salmonella Senftenberg)を含む。 例えば、F群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型アバディーン/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Aberdeen(サルモネラ・アバディーン/Salmonella Aberdeen)を含む。 例えば、G群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型クバーナ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Cubana(サルモネラ・クバーナ/Salmonella Cubana)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型プーナ/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Poona(サルモネラ・プーナ/Salmonella Poona)を含む。 例えば、H群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ヘベス/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Heves(サルモネラ・ヘベス/Salmonella Heves)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型オンダーステッポート/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Onderstepoort(サルモネラ・オンダーステッポート/Salmonella Onderstepoort)を含む。 例えば、I群は、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型ブラジル/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Brazil(サルモネラ・ブラジル/Salmonella Brazil)、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型フビチング/Salmonella enterica subspecies enterica serovar Hvittingfoss(サルモネラ・ヴィッティングフォス/Salmonella Hvittingfoss)を含む。 いくつかの弱毒化サルモネラワクチンおよびいくつかの不活化サルモネラワクチンが市販されている。 米国特許第7,045,122号;第6,923,957号;第6,905,691号;第6,605,285号;第5,843,426号;第5,733,760号;第5,424,065号;第5,389,368号;および第6,592,869号は、弱毒化ワクチンおよび不活化ワクチンを含むサルモネラワクチンに関する。 特定の非復帰性変異をゲノムに導入して生ワクチン株を作製することにより、サルモネラ種を合理的に弱毒化することができる。変異させたときサルモネラを弱毒化するいくつかの遺伝子が同定されている。特に、プレコリスミン酸生合成経路に関与する遺伝子における非復帰性変異を有するサルモネラ株は、宿主において強い液性、局所的および細胞性免疫反応を引き起こす優れた経口ワクチンであり(Chatfield S.N. et al., Vaccine, 1989, 7(6): 495-8; Chatfield S.N. et al., FEMS Immunol. Med. Microbiol., 1993, 7(1): 1-7)、芳香族生合成経路のaro遺伝子において(EP-B1-0322237)、サルモネラ・ティフィムリウムの転写調節因子RfaH変異体は、マウスにおけるサルモネラ症に対する弱毒化経口ワクチンとして有効である(Nagy G. et al., Infect. Immun., 2006, 74(10): 5914-25)。 サルモネラ遺伝子の一部の欠失、サルモネラ遺伝子への異種ヌクレオチド配列の挿入および/または異種ヌクレオチド配列によるサルモネラ遺伝子の一部の置換などによる、細菌のゲノム構造の改変によりサルモネラを弱毒化できる。(i)栄養要求性を付与する、(ii)糖代謝およびリポ多糖生合成を妨げる、または(iii)ビルレンスの完全な発揮に必要な遺伝子を制御する包括的手段のいくつかに影響を与える変異を導入すること、により、サルモネラを弱毒化することが可能である。 例えば、弱毒化サルモネラは、サルモネラ・エンテリティディスSm24/Rif12/Ssq(EP-B1-0642796)の弱毒化株などの、弱毒化のための少なくとも、1つのストレプトマイシンおよび1つのリファンピシン耐性代謝ドリフト変異を含む細菌(EP-B1-0642796);phoP調節領域の調節下にある遺伝子の構成的発現を引き起こすphoP調節領域における第1変異およびpagまたはprg遺伝子における第2変異による弱毒化サルモネラ・エンテリティディス(EP-B1-0563311);htrA遺伝子における非復帰変異による弱毒化サルモネラ・エンテリティディス(US-A-5.804.194);フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびp-アミノ安息香酸からなる群から選択される1以上の増殖因子に対する栄養要求性を示すため、前記1以上の増殖因子の非存在下で最小培地では増殖できない弱毒化サルモネラ(US-A-6,231,871)、例えばAustralian Government Analytical Laboratoriesにアクセッション番号N93/43266として寄託されているサルモネラ・ティフィムリウムSTM-1株(US-A-6,231,871);N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン変異誘発により得られたサルモネラ・エンテリティディスの栄養要求性変異体、例えばE3/49株、1/37株、C7/1株、C7/2株、C7/18株、C7/19株、E1/23株、E1/25株、E2/7株、E3/44株およびE3/51株(Martin G. et al., Berl. Munch. Tierarztl. Wschr., 1996, 109(10): 325-9);芳香族生合成経路の離れた2つのaro遺伝子、例えばaroAおよびaroC、aroAおよびaroD、aroAおよびaroEのそれぞれにおいて非復帰変異を有する弱毒化サルモネラ・ティフィムリウム(EP-B1-0322237);遺伝的に解明されたaroC誘導体である弱毒化サルモネラ・エンテリティディス(LVR02株、Betancor L. et al., Vet. Microbiol., 2005, 107(1-2): 81-9を参照のこと);および、hupA、dksA、rfaY、sipCまたはclpBから選択される遺伝子を不活化する変異を有する弱毒化サルモネラ・ティフィムリウム(WO-A1-98/02523)であることができる。 トランスポゾンの挿入によっても弱毒化変異体を得ることができる。例えば、変異体EZ870におけるトランスポゾンが、サルモネラ・ティフィムリウム遺伝子spiCと相同の(188bp中、98.4%の同一の塩基対がオーバーラップする)サルモネラ・エンテリティディスヌクレオチド配列に挿入されている(アクセッション番号U51927、Ochman H., Soncini F.C. Solomon F. and Groisman E.A., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 7800- 7804, 1996)。遺伝子改変サルモネラ・エンテリティディスEZ870は、BCCM/LMG Culture Collection, Laboratorium voor Microbiologie, Ledeganckstraat 35, B-9000 Gent, Belgiumにおける寄託番号LMGP-18484を有している(WO-A-99/37759)。 本発明の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの不活化サルモネラを含む。不活化サルモネラは、サルモネラE群、サルモネラD群、サルモネラC群およびサルモネラB群からなる群から選択されることができ、好ましくは、サルモネラE1群、サルモネラE4群、サルモネラD群、サルモネラC1群、サルモネラC2群、サルモネラC3群およびサルモネラB群からなる群の中から選択されることができ、より好ましくは、サルモネラ・アナツムからなるE1群、サルモネラ・センフテンベルクからなるE4群、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・パナマ、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・ガリナルム、サルモネラ・プロラムからなるD群、サルモネラ・インファンティス、サルモネラ・ムバンダカ、サルモネラ・リビングストン、サルモネラ・ウィルヒョウ、サルモネラ・オハイオ、サルモネラ・モンテビデオ、サルモネラ・テネシー、サルモネラ・リッセンからなるC1群、サルモネラ・ハダー、サルモネラ・ニューポート、サルモネラ・コトブスからなるC2群、サルモネラ・ケンタッキー、サルモネラ・アルバニーからなるC3群およびサルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・ブラエンデラップ、サルモネラ・アゴナ、サルモネラ・ブレデニー、サルモネラ・ハイデルベルク、サルモネラ・インディアナ、サルモネラ・セントポール、サルモネラ・ブランデンブルクからなるB群の中から選択されることができる。 好ましい実施形態において、本発明の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびにB群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む。他の好ましい実施形態において、本発明の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、並びに、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む。最も好ましい実施形態において、本発明の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびに不活化サルモネラ・ティフィムリウムおよび不活化サルモネラ・エンテリティディスを含む。他の最も好ましい実施形態において、本発明の使用の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびに不活化サルモネラ・ティフィムリウムおよび不活化サルモネラ・エンテリティディスおよびC2群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む。他の最も好ましい実施形態において、本発明の方法による追加投与に用いられる不活化免疫原性組成物またはワクチンは、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびに不活化サルモネラ・ティフィムリウムおよび不活化サルモネラ・エンテリティディスならびにC2群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびC1群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む。 不活化剤、例えばホルムアルデヒド、エチレンイミン、エチレンイミンアミド誘導体(例えばアセチルエチレンイミン)、プロピレンイミン、β-プロピオラクトン、チメロサール、アセトンを用いる処理または熱失活により、サルモネラを化学的に不活化することができる。好ましい実施形態において、不活化剤はホルムアルデヒドである。 特定の側面において、本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、例えば2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスである。 本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる他の好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、特に2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C2群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化C2群サルモネラ菌はサルモネラ・ハダーである。 本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる他の好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよびD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、例えば2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C1群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C2群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化C2群サルモネラ菌はサルモネラ・ハダーであり、不活化C1群サルモネラ菌はサルモネラ・ウィルヒョウおよび/またはサルモネラ・インファンティスである。 本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる他の好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびにD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラおよびB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、例えば2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、弱毒化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスである。 本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる他の好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびにD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラおよびB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、特に2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C2群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、弱毒化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化C2群サルモネラ菌はサルモネラ・ハダーである。 本発明による鳥類動物における免疫原性組成物またはワクチンを用いる他の好ましい方法は、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルならびにD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラおよびB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、数週間隔てて、例えば2〜18週間隔てて、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクル、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C1群の少なくとも1つの不活化サルモネラ、C2群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラおよびD群の少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む。好ましい本方法の特定の実施形態において、弱毒化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、弱毒化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化B群サルモネラ菌はサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌はサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化C2群サルモネラ菌はサルモネラ・ハダーであり、不活化C1群サルモネラ菌はサルモネラ・ウィルヒョウおよび/またはサルモネラ・インファンティスである。 細菌懸濁液、特に培養および不活化後に得られた細菌懸濁液にアジュバント(単数または複数)を加えることができる。アジュバントは、鳥類組織と適合する、水酸化アルミニウム、サポニン、任意の油中水型エマルジョンまたは水中油型エマルジョンから選択することができる(例えば、Herbert W.J., The Lancet, 1965, October 16: 771; Brugh M. et al., Am. J. Vet. Res., 1983, 44(1): 72-5; Boersma W.J.A. et al., 44th Forum in Immunology, “Characteristics and use of new-generation adjuvants”, 503-511; Gast et al., Avian Diseases, 1993, 37 (4): 1085-91; Stone, Avian Diseases, 1993, 37: 399-405; Stone et al., Avian Diseases, 1990, 34: 979-983; Stone et al., Avian Diseases, 1983, 27(3): 688-697; US-A-3.919.411; WO-A-05/009462を参照のこと;参照により、すべてが本願に組み込まれる)。 アジュバントの例は、限定するものではないが、鉱油および/または植物油および非イオン性界面活性剤、例えばブロックコポリマー、Tween(登録商標)、Span(登録商標)に基づく水中油型、油中水型エマルジョンを含む。このようなエマルジョンは、特に”Vaccine Design - The Subunit and Adjuvant Approach “, Pharmaceutical Biotechnology, 1995, volume 6, edited by Michael F. Powell and Mark J. Newman, Plenum Press, New York and London の147頁に記載されているエマルジョンまたはTSエマルジョン、特にTS6エマルジョンおよびLFエマルジョン、特にLF2エマルジョン(TSおよびLFエマルジョンの両方について、WO-A-04/024027参照)である。他の適切なアジュバントは、例えばビタミンE、サポニンおよび架橋アクリル酸またはメタクリル酸ポリマー、すなわちCarbopol(登録商標)(Noveon社;WO-A-99/51269;WO-A-99/44633参照)、Havlogen(登録商標)、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム(“Vaccine Design, The subunit and adjuvant approach”, Pharmaceutical Biotechnology, vol. 6, Edited by Michael F. Powell and Mark J. Newman, 1995, Plenum Press New York)、生物学的アジュバント(例えばC4b、特にマウスC4b(Ogata R T et al., J. Biol. Chem. 1989, 264(28): 16565-16572)またはウマC4b、GM-CSF、特にウマGM-CSF(US-A-6,645,740))、毒素(例えば、コレラ毒素CTAまたはCTB、大腸菌易熱性毒素LTAまたはLTB(Olsen C W et al., Vaccine, 1997, 15(10): 1149-1156; Fingerut E et al., Vaccine, 2005, 23(38): 4685-4696; Zurbriggen R et al., Expert Rev Vaccine, 2003, 2(2): 295-304; Peppoloni S et al., Expert Rev Vaccine, 2003, 2(2): 285-293))ならびにCpG(例えば、CpG #2395(Jurk M et al., Immunobiology 2004, 209(1-2): 141-154参照)、CpG#2142(EP-B1-1,221,955における配列番号890参照)、CpG#2135、CpG#2007、CpG#2336)である。架橋アクリル酸またはメタクリル酸ポリマー、特に糖類またはポリアルコールのポリアルケニルエーテルにより架橋されたものは、カルボマーという名称で知られている(Pharmeuropa, vol. 8, no. 2, June 1996)。少なくとも3つのヒドロキシル基の水素原子が少なくとも2つの炭素原子を有する不飽和脂肪族基により置換された、少なくとも3つのヒドロキシル基、好ましくは8以下のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシル化合物により架橋されたこのようなアクリルポリマーを提供している米国特許第2,909,462号を当業者は指摘することもできる。好ましい基は、2〜4炭素原子を含有する基、例えばビニル、アリルおよび他のエチレン性不飽和基である。この不飽和基は、他の置換基、例えばメチルを含有することもできる。Carbopol(登録商標)(Noveon社)という名称で販売されている製品は特に適切である。この製品は、アリルサッカロースまたはアリルペンタエリスリトールにより架橋されている。この製品中で、Carbopol974P、934P、934、940および971Pが指摘される。 本発明による免疫原性組成物およびワクチンは、好都合には安定剤と共に凍結乾燥することができる。凍結乾燥は、公知の標準的な凍結乾燥手順に従って行うことができる。薬学的または獣医学的に許容される安定剤は、炭水化物(例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、ショ糖、グルコース、デキストラン、トレハロース)、グルタミン酸ナトリウム(Tsvetkov T et al., Cryobiology 1983, 20(3): 318-23; Israeli E et al., Cryobiology 1993, 30(5): 519-23)、タンパク質、例えばペプトン、アルブミン、ラクトアルブミンまたはカゼイン、スキムミルクなどのタンパク質含有剤(Mills C K et al., Cryobiology 1988, 25(2): 148-52; Wolff E et al., Cryobiology 1990, 27(5): 569-75)ならびに緩衝液(例えばリン酸緩衝液、リン酸アルカリ金属緩衝液)であることができる。凍結乾燥製剤を可溶性にするためにアジュバントを用いることができる。 有用な油の例は、限定するものではないが、鉱油、例えばパラフィン油、Drakeol(登録商標)6VR、Marcol(登録商標)80;Marcol(登録商標)52;テルペン油、例えばスクアレンおよびスクアラン;植物油、例えば大豆油、オリーブ油、コーンオイル、ホホバ油、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ゴマ油、アプリコットオイル、アボカド油、小麦胚芽油、キャノーラ油、亜麻仁油およびアーモンドオイル;魚油、例えばサメ油、オレンジラフィー油、メンヘーデン油およびタラ肝油;動物油、例えばミンク油、ラード油および鶏油を含む。 エマルジョンワクチンに用いられる界面活性剤の例は、例えばArlacel(登録商標)80(モノオレイン酸ソルビタン)、Tween(登録商標)80(ポリソルベート80)、Span(登録商標)80、Span(登録商標)85、Arlacel(登録商標)83(ソルビタンセスキオレアート)、Arlacel(登録商標)85(セスキオレイン酸ソルビタン)およびTween(登録商標)61(ポリオキシエチレンソルビタン)を含む。動物油および植物油中水型ワクチンに適した界面活性剤は、例えば粗製ミツロウおよび精製ミツロウを含む。さらにまた、スクアレンおよびスクアランを含有するワクチンに適した界面活性剤は、Arlacel(登録商標)およびTween(登録商標)80を含む。 好ましくは、アジュバントは、パラフィン油および界面活性剤、特にパラフィン油、ポリオールおよび脂肪酸エステルならびにエトキシル化ポリオールおよび脂肪酸エステルを含む、油中水型エマルジョンを形成する油である。 本発明の方法によりワクチン接種できる鳥類動物は、家鶏、鶏、七面鳥、カモ、子ガモ、ガチョウ、ガチョウの子、ホロホロ鳥、キジ、ちゃぼ、ウズラ、ハトを含む。 本発明の方法は、弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与および不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与に関する。本発明による方法により、1日齢の鳥類動物にワクチン接種できる。すなわち、1日齢の鳥類動物に1回のみのまたは1回目の初期投与を投与できる。好ましくは、1回のみのまたは1回目の初期投与は、1日齢〜28日齢の鳥類動物に投与され、より好ましくは1日齢〜約15日齢の鳥類動物に投与される。少なくとも2回の初期投与が投与される場合、これらの初期投与は、好ましくは2〜4週間隔てて投与される。追加投与は、1回のみのまたは1回目の初期投与の2〜18週間後に投与され、好ましくは1回のみのまたは1回目の初期投与の3〜10週間後に投与され、より好ましくは1回目のみのまたは1回目の初期投与の3〜6週間後に投与される。少なくとも2回の追加投与が投与される場合、これらの追加投与は、好ましくは2〜12週間隔てて投与される。 好ましい実施形態において、本発明の方法は、2回の初期投与および2回の追加投与を含む。初期投与は、好ましくは2〜4週間隔てて投与される。1回目の追加投与は、1回目の初期投与の6〜10週間後に投与され、好ましくは1回目の初期投与の8〜10週間後に投与される。2回目の追加投与は、1回目の初期投与の14〜18週間後に投与され、好ましくは1回目の初期投与の15〜16週間後に投与される。 他の好ましい実施形態において、本発明の方法は、2回の初期投与および1回の追加投与を含む。初期投与は、好ましくは2〜4週間隔てて投与される。追加投与は、1回目の初期投与の6〜18週間後に投与され、好ましくは1回目の初期投与の6〜16週間後に投与され、より好ましくは1回目の初期投与の11〜16週間後に投与される。 他の好ましい実施形態において、本発明の方法は、1回の初期投与および2回の追加投与を含む。1回目の追加投与は初期投与の2〜10週間後に投与され、好ましくは初期投与の3〜6週間後に投与される。2回目の追加投与は、初期投与の12〜18週間後に投与され、好ましくは初期投与の14〜16週間後に投与される。 他の好ましい実施形態において、本発明の方法は、1回の初期投与および1回の追加投与を含む。追加投与は、初期投与の2〜18週間後に投与され、好ましくは初期投与の3〜10週間後に投与され、より好ましくは初期投与の3〜6週間後に投与される。 本発明の方法による免疫原性組成物またはワクチンの、初期投与のための適切な投与経路は、経口経路、例えば飲料水によるもの、または経眼経路、例えば噴霧化によるものを含む。 本発明の方法による、弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの初期投与量は、約0.1mL〜約2.0mLを含み、好ましくは約0.2mL〜約1.0mLを含み、より好ましくは約0.4mL〜約0.6mLを含む。これらの用量は、約106用量あたりコロニー形成単位(CFU/用量)〜約1010CFU/用量の各サルモネラ株を含み、好ましくは約108CFU/用量の各サルモネラ株を含む。飲料水を用いて鳥類動物に弱毒化免疫原性組成物またはワクチンが投与される場合、これらの用量は、鳥類動物あたり約1mL〜約5mLの飲料水に希釈される。 本発明の方法による免疫原性組成物またはワクチンの、追加投与のための適切な投与経路は、皮下(SC)経路および筋肉内(IM)経路を含む。本発明の方法による免疫原性組成物またはワクチンは、針付シリンジまたは無針装置により投与できる(例えば、Pigjet、Avijet、Dermojet、VitajetまたはBiojector(Bioject社;米国オレゴン州)(US-A-2006/0034867を参照のこと))。 本発明の方法による不活化免疫原性組成物またはワクチンの追加投与量は、約0.05mL〜約2.0mLであることができ、好ましくは約0.1mL〜約1.0mL、より好ましくは約0.2mL〜約0.4mLであることができる。これらの用量は、約106CFU/不活化前用量〜約1010CFU/不活化前用量の各サルモネラ株を含み、好ましくは約108CFU/不活化前用量の各サルモネラ株を含む。 本発明の他の側面は、本発明による鳥類動物のワクチン接種のためのキットである。一実施形態において、キットは少なくとも2つのバイアルおよび投与説明書の付いた添付文書を含み、第1バイアルは、本発明の方法による、初期投与のための弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含み、第2バイアルは、本発明の方法による、追加投与のための不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含む。場合により、キットは、複数回の初期投与のための弱毒化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルおよび/または複数回の追加投与のための不活化サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルを含むことができる。 他の実施形態において、鳥類動物のワクチン接種のためのキットは、少なくとも2つのバイアルおよび投与説明書の付いた添付文書を含み、第1バイアルは、弱毒化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含み、第2バイアルは、不活化サルモネラB群および不活化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含む。場合により、キットは、複数回の初期投与のための弱毒化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルおよび/または複数回の追加投与のための不活化サルモネラB群および不活化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含むバイアルを含むことができる。 ここで、限定するものではない以下の実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。 弱毒化ワクチンの製造のために、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン変異誘発により得られたサルモネラ・エンテリティディスファージ型4(PT4)株のアデニン/ヒスチジン栄養要求性二重マーカー変異体を用いた。このサルモネラ株をE3/49株と名付けた(Martin G. et al., Berl. Munch. Tierarztl. Wschr., 1996, 109(10): 325-9)。 酵母抽出物、トリプトン、Na2HPO4x2H20、MgSO4x7H20および注射用水を含有する栄養培地中、pH7.6±0.2、37℃±1℃、無通気培養条件下で18〜24時間、サルモネラE3/49株を培養した。10容量%のグリセリンで培養物を安定化させ、1.8mlの小分けにして容器に詰め、-80℃±5℃で保存した。 同じ栄養培地にグルコースを添加し、この細菌株の醗酵に用いた。37℃±1℃で、培養物を、8〜24時間無通気培養するか、または8〜16時間振盪フラスコ培養した。接種物は、0.2〜10容量%であった。 培養物を+2℃〜+8℃で最大4日間保存した。 得られた細菌を採取し、微生物数に応じた緩衝生理食塩水および20容量%サッカロース溶液(最高濃度60%)で希釈した。NaOHまたはCH3COOHでワクチンのpHを7.0±0.5に調節した。 ついで、細菌懸濁液を凍結乾燥し、保存した。 底部から上部へ、トレーを段階的に0℃まで冷却した。最低温度-40℃でおおよそ3〜4時間、凍結乾燥機中でワクチンを凍結させた。必要な真空度に達したとき、一次乾燥プロセスを開始し(トレー温度を最大+10℃に調節した)、製品温度が+5℃に達するまで続けた。次いで、最高+35℃のトレー温度で、最大12時間二次乾燥した。 乾燥後、乾燥した無菌窒素でボトルを満たし、自動でシールし、研磨して、低温室に保存した。 鳥類動物用の飲料水0.5mLに再構成した後得られた弱毒化ワクチンにおいて、弱毒化サルモネラ・エンテリティディスの力価は、1用量あたり108コロニー形成単位(CFU)であった。 不活化ワクチンに製造のために、2つの異なるサルモネラ株、サルモネラ・エンテリティディスPT4株およびサルモネラ・ティフィムリウムDT104株を用いた。 軟寒天0.25%中のトリプチケースソイブロス(TSA)で、各サルモネラ株を培養した。 得られた細菌を採取し、注射用水で希釈し、凍結防止剤(グリセロール20%およびショ糖5%)の存在下、バッグ中-70℃の標的温度で凍結させ、保存した。 サルモネラ・エンテリティディスPT4株の不活化のために、サルモネラ・エンテリティディスPT4株を含有するバッグを解凍し、細菌懸濁液を無菌容器に移した。不活化剤である35%ホルムアルデヒド溶液を、3.88%の濃度(ホルムアルデヒド溶液量/培養液量)で細菌懸濁液に加えた。攪拌により混合し、懸濁液を他の無菌容器に移した。24℃で24時間攪拌する条件下で不活化を行った。 サルモネラ・ティフィムリウムDT104株の不活化のために、サルモネラ・エンテリティディスPT4株のために記載したのと同じプロセスを行った。 製剤に使用するまで、+5℃+/-3℃の温度で不活化細菌を保存した。 不活化サルモネラ・エンテリティディスPT4細菌および不活化サルモネラ・ティフィムリウムDT104細菌は、パラフィン油、ポリオールおよび脂肪酸エステルならびにエトキシル化ポリオールおよび脂肪酸エステルを含む油中水型エマルジョンアジュバントと混合し、製剤化した。 最終製品に、100μg/mLの最終濃度で防腐剤を加えた(すなわちチメロサール)。 不活化ワクチンにおいて、サルモネラ・エンテリティディスPT4株の力価は、108.3CFU/不活化前用量であり、サルモネラ・ティフィムリウムDT104株の力価は108CFU/不活化前用量であった。 研究のD0において、1日齢SPF(特定病原体不在)家鶏30匹を無作為に選択し、それぞれを家鶏10匹からなる群3つに割り付けた。 これらの群を次のとおりに定める:G.00=対照群G.01=実施例1の弱毒化ワクチン(1日齢)+実施例2の不活化ワクチン(21日齢)G.02=実施例2の不活化ワクチン(21日齢) 識別後、各群を隔離ユニットにD53まで配置した。 D0において、G.01群の動物に、直接に口腔に送達する経口経路により、1回量(少なくとも108CFU)の実施例1の弱毒化ワクチン0.5mLを用いてワクチン接種した。 D21において、G.01群およびG.02群の動物に、左深胸筋への筋肉内経路により、1回量の実施例2の不活化ワクチン0.3mL/用量(サルモネラ・エンテリティディス力価108.3CFU/不活化前用量、サルモネラ・ティフィムリウム力価108CFU/不活化前用)を用いてワクチン接種した。 弱毒化ワクチン株による交差汚染を防ぐために、G.01群には最後にワクチン接種した。 攻撃の直前のD49にすべての群から採血し、次いで特異抗体に関して採取した血清を試験した。IDEXX ELISA試験および遅い凝集反応試験(Slow Agglutination Test)(SAT)によりG.00、G.01およびG.02群を試験した。 攻撃前日(D48)に、サルモネラ・ハイデルベルク(群Bサルモネラ)のアリコート1つを室温で解凍し、次いでBio Merieux トリプトンソイ液体培地(TSB)100mLに懸濁し、37℃で14時間インキュベートした。 得られた細菌懸濁液を遠心分離し、新鮮な前加温したTSBに株ペレットを播種し、最適の増殖期間(5時間)37℃でインキュベートした。 吸光度(620nmで測定)で評価した、増殖する細菌培養物の力価が、力価109CFU/0.2mLの懸濁液に達ししだい、これを家鶏の感染に用いた。 TSBによる接種物の連続10倍希釈液を、トリプチケースソイ寒天(TSA)上に播種し、37℃で24時間インキュベートし、3回反復して計数した。 D49において、力価108.9CFU/0.2mlのサルモネラ・ハイデルベルクブロス培養物ですべての群を攻撃した。経口経路により、各家鶏を感染させた。 感染4日後(D53)、すべての家鶏を安楽死させた。各家鶏について、脾臓および盲腸の試料を採取し、前もって識別しておいた個別のチューブに入れた。採取の最後に、サルモネラ再分離のためにチューブを処理した。各脾臓をすりつぶして10mLシリンジに入れ、緩衝ペプトン水(BPW)で希釈し、計数のためにXLT4+アンピシリン(50μg/mLの速度で添加)培地上に200μlの希釈液をプレーティングした(シードを寒天上に広げた)。37℃で48時間プレートをインキュベートした。前濃縮(pre-enrichment)段階(PE) 次いで、すべての希釈した脾臓を37℃で16〜20時間インキュベートした。直接法で陰性の脾臓のみを、完全に次の段階に進めた。濃縮(enrichment)段階(E) “PE”の脾臓懸濁液を、ラパポート・バシリアディス・ソーヤ培地に、1:100(500μl中5μl)の比率で接種し、42℃で24時間インキュベートした。選択分離 XLT4+アンピシリン培地上に“E”の脾臓懸濁液をプレーティングし、次いで37℃で48時間インキュベートした(プレーティング量10μl)。典型的なサルモネラコロニーは黒色または中央部黒色であり、このタイプのコロニーが存在した場合、その試料を陽性として記録した。 結果をccu/臓器で表した。 採取した盲腸内容物(約1g)を無菌的に滅菌チューブに入れ、重さを測り、BPWで10e-7まで、1:10(重量/容量)に希釈した。 10-2、10-3、10-5および10-7希釈液を、37℃で16〜20時間インキュベートし(PE)、脾臓試料と同様に、さらに増菌段階(E)および選択分離を行った。 サルモネラコロニーを同定し、陽性プレートを記録した。 再分離データを以下のように分析した:脾臓:前増菌および増菌後の陰性試料を0ccu/臓器として数え、直接プレーティングでは陰性試料であって、前増菌および増菌後に陽性のものは、10ccu/試料として数えた。盲腸内容物:希釈方法および陽性率に基づいて、半定量的結果をccu/臓器内容物(g)で表した(すなわち、50μl+450μlを10-2、10-3、10-5および10-7希釈液までに対応し、陽性試料の場合、それぞれ102.3、103.3、105.3および107.3ccu/サルモネラ盲腸内容物(g)に対応する)。 すべての免疫および非免疫家鶏についての、ワクチン接種の4週間後の特異抗体力価の結果を表1にまとめる。 SATについては幾何平均力価(GMT)により数値が示され、S/NおよびIPサルモネラ・エンテリティディスELISA結果については算術平均力価(AMT)により数値が示されている。表1 ワクチン非接種群から得られたSATおよびELISAの血清学的結果は常に陰性であった。 サルモネラ・ティフィムリウムSAT結果に関しては、不活化ワクチンは、単独で着実なセロコンバージョン(171SAT単位)を示したが、弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンはサルモネラ・ティフィムリウム成分に対して驚くべき相乗効果(15.2%)を示した(197SAT単位)。 G.01およびG.02サルモネラ・エンテリティディスELISA結果に関しては、AMTは、弱毒化+不活化ワクチンにおいて不活化ワクチン単独よりも高いIP単位値(6.8%)(それぞれ63および59)を示し、群当たり10/10が陽性被験体であった。 表2に、感染4日後の、脾臓および盲腸内容物におけるサルモネラ・ハイデルベルク再分離結果をまとめる(陽性/総計およびlog10ccu/脾臓またはgで示した)。表2-:陰性試料+:陽性試料d.p.:直接プレーティングa.e.:濃縮後 表3に示すように、感染4日後、サルモネラ・ハイデルベルク攻撃株は対照群の内部臓器に到達し、定着する能力を示し(陰性試料では0/10)、脾臓および盲腸内容物において、それぞれ10e1.2ccu/臓器および10e4.7ccu/gの有意なサルモネラ計数が認められた。 脾臓結果に関しては、サルモネラ・ハイデルベルク攻撃に対する最も優れた防御は、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)により得られ、対照群と比較してΔ=101.2ccu/脾臓であった。単独で用いる不活化ワクチンによるG:02群においても、有意な結果が得られた(対照群と比較してΔ=100.9ccu/脾臓)。 盲腸内容物結果に関しては、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)は、大変優れたレベルの防御を示し、対照群と比較してΔは102.8ccu/脾臓であった。不活化ワクチンは、有意水準の盲腸内容物防御を示し、対照群と比較してΔ=101.2であった。 G.01群の血清学的結果により、不活化ワクチンセロコンバージョンに関して、1日齢での弱毒化ワクチン注射の相乗効果が示された。数量化可能なプライミング効果は、サルモネラ・エンテリティディス成分に関して6.8%であり(63ELISA IP単位)、驚くべきことに、不活化ワクチン単独と比較してサルモネラ・ティフィムリウム成分に関して15.2%であった(197SAT単位)。 弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチンは、不活化ワクチン単独よりも、脾臓に対して、そしてサルモネラ・ハイデルベルク盲腸内容物侵入に対しても十分な防御効果を示し、対照結果と比較してΔ=101.2ccu/脾臓およびΔ=102.8ccu/盲腸内容物(グラム)であった。弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンプライミングおよび不活化サルモネラ・エンテリティディス+サルモネラ・ティフィムリウムワクチンにより誘導される、群間の明確な防御の増強が存在する。 攻撃サルモネラ株がサルモネラ・ハイデルベルクではなく、サルモネラ・インファンティスであることを除いては、実施例3に記載されているのと同じ実験を行った。 すべての免疫および非免疫家鶏についての、ワクチン接種の4週間後の特異抗体力価の結果を表3にまとめる。 SATについては幾何平均力価(GMT)により数値が示され、S/NおよびIPサルモネラ・エンテリティディスELISA結果については算術平均力価(AMT)により数値が示されている。表3 ワクチン非接種群から得られたSATおよびELISAの血清学的結果は常に陰性であった。 サルモネラ・ティフィムリウムSAT結果に関しては、不活化ワクチンは単独で着実なセロコンバージョン(139SAT単位)を示したが、弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンはサルモネラ・ティフィムリウム成分に対して驚くべき相乗効果を示した(184SAT単位)。 G.01およびG.02サルモネラ・エンテリティディスELISA結果に関しては、AMTは、弱毒化+不活化ワクチンにおいて不活化ワクチン単独よりも高いIP単位値(それぞれ60および56)を示し、群当たり10/10が陽性被験体であった。 表4に、感染7日後の、脾臓および盲腸内容物におけるサルモネラ・インファンティス再分離結果をまとめる(陽性/総計およびlog10ccu/脾臓またはgで示した)。表4-:陰性試料+:陽性試料d.p.:直接プレーティングa.e.:濃縮菌後 表4に示すように、感染7日後、サルモネラ・インファンティス攻撃株は対照群の内部臓器に到達し、定着する能力を示し(陰性試料では0/10)、脾臓および盲腸内容物において、それぞれ102.3ccu/臓器および106.1ccu/gの有意なサルモネラ計数が認められた。 脾臓結果に関しては、サルモネラ・インファンティス攻撃に対する優れた防御は、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)により得られ、対照群と比較してΔ=101.4ccu/脾臓であった。 盲腸内容物結果に関しては、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)は、大変優れたレベルの防御を示し、対照群と比較してΔは103.2ccu/脾臓であった。不活化ワクチンは、有意水準の盲腸内容物防御を示し、対照群と比較してΔ=102.2であった。 G.01群の血清学的結果により、不活化ワクチンセロコンバージョンに関して、1日齢での弱毒化ワクチン注射の相乗効果が示された。数量化可能なプライミング効果は、サルモネラ・エンテリティディス成分に関して7%であり(60ELISA IP単位)、不活化ワクチン単独と比較してサルモネラ・ティフィムリウム成分に関して32%であった(184SAT単位)。 弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチンは、対照結果と比較して、主として盲腸防御に対する優れた防御効果(Δ=103.2ccu/グラム)を示し、不活化ワクチン単独の脾臓への防御と類似の防御(Δ=101.4ccu/臓器)を示した。 攻撃サルモネラ株がサルモネラ・ハイデルベルクではなく、サルモネラ・ウィルヒョウであることを除いては、実施例3に記載されているのと同じ実験を行った。 すべての免疫および非免疫家鶏についての、ワクチン接種の4週間後の特異抗体力価の結果を表5にまとめる。 SATについては幾何平均力価(GMT)により数値が示され、S/NおよびIPサルモネラ・エンテリティディスELISA結果については算術平均力価(AMT)により数値が示されている。表5 ワクチン非接種群から得られたSATおよびELISAの血清学的結果は常に陰性であった。 サルモネラ・ティフィムリウムSAT結果に関しては、不活化ワクチンは、単独では着実なセロコンバージョン(149SAT単位)を示したが、弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンはサルモネラ・ティフィムリウム成分に対して驚くべき相乗効果を示した(160SAT単位)。 G.01およびG.02サルモネラ・エンテリティディスELISA結果に関しては、AMTは、弱毒化+不活化ワクチンにおいて不活化ワクチン単独よりも高いIP単位値(それぞれ56および50)を示し、群当たり10/10が陽性被験体であった。 表6に、感染4日後の、脾臓および盲腸内容物におけるサルモネラ・ウィルヒョウ再分離結果をまとめる(陽性/総計およびlog10ccu/脾臓またはgで示した)。表6-:陰性試料+:陽性試料d.p.:直接プレーティングa.e.:濃縮後 表6に示すように、感染4日後、サルモネラ・ウィルヒョウ攻撃株は対照群の内部臓器に到達し、定着する能力を示し(陰性試料で0/10)、脾臓および盲腸内容物において、それぞれ102.4ccu/臓器および106.5ccu/gの有意なサルモネラ数が認められた。 脾臓結果に関しては、サルモネラ・ウィルヒョウ攻撃に対する最も優れた防御は、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)により得られ、対照群と比較してΔ=102.3ccu/脾臓であった。単独で用いる不活化ワクチンによるG:02群においても、優れた結果が得られた(対照群と比較してΔ=101.8ccu/脾臓)。 盲腸内容物結果に関しては、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)は、大変優れたレベルの防御を示し、対照群と比較してΔは102.0ccu/脾臓であった。不活化ワクチンは、有意水準の盲腸内容物防御を示し、対照群と比較してΔ=101.0であった。 G.01群の血清学的結果により、不活化ワクチンセロコンバージョンに関して、1日齢での弱毒化ワクチン注射の相乗効果が示された。数量化可能なプライミング効果は、サルモネラ・エンテリティディス成分に関して12%であり(56ELISA IP単位)、驚くべきことに、不活化ワクチン単独と比較してサルモネラ・ティフィムリウム成分に関して7.4%であった(160SAT単位)。 弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチンは、不活化ワクチン単独よりも、主として脾臓防御に対して、そしてサルモネラ・ウィルヒョウ盲腸内容物侵入に対しても優れた防御効果を示し、対照結果と比較してΔ=102.3ccu/脾臓およびΔ=102.0ccu/盲腸内容物(グラム)であった。 攻撃サルモネラ株がサルモネラ・ハイデルベルクではなく、サルモネラ・ハダーであることを除いては、実施例3に記載されているのと同じ実験を行った。最終攻撃接種物の滴定は、109CFU/0.2mLであった。 すべての免疫および非免疫家鶏についての、ワクチン接種の4週間後の特異抗体力価の結果を表7にまとめる。 SATについては幾何平均力価(GMT)により数値が示され、S/NおよびIPサルモネラ・エンテリティディスELISA結果については算術平均力価(AMT)により数値が示されている。表7 ワクチン非接種群から得られたSATおよびELISAの血清学的結果は常に陰性であった。 サルモネラ・ティフィムリウムSAT結果に関しては、不活化ワクチンは、単独で着実なセロコンバージョン(171SAT単位)を示したが、弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチンはサルモネラ・ティフィムリウム成分に対して驚くべき相乗効果を示した(211SAT単位)。 G.01およびG.02サルモネラ・エンテリティディスELISA結果に関しては、AMTは、弱毒化+不活化ワクチンにおいて不活化ワクチン単独よりも高いIP単位値(6.8%)(それぞれ58および51)を示し、群当たり10/10が陽性被験体であった。 表8に、感染4日後の、脾臓および盲腸内容物におけるサルモネラ・ハダー再分離結果をまとめる(陽性/総計およびlog10ccu/脾臓またはgで示した)。表8-:陰性試料+:陽性試料d.p.:直接プレーティングa.e.:濃縮後 表8に示すように、感染4日後、サルモネラ・ハダー攻撃株は対照群の内部臓器に到達し、定着する能力を示し(陰性試料で2/10および0/10)、脾臓および盲腸内容物において、それぞれ101.3ccu/臓器および105.1ccu/gの有意なサルモネラ数が認められた。 脾臓結果に関しては、サルモネラ・ハダー攻撃に対する最も優れた防御は、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)により得られ、対照群と比較してΔ=100.9ccu/脾臓であった。単独で用いる不活化ワクチンによるG:02群においても、限定的な結果が得られた(対照群と比較してΔ=100.2ccu/脾臓)。 盲腸内容物結果に関しては、弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチン(G.01)または不活化ワクチン(G.02)は、同等レベルの防御を示し、対照群と比較してΔは100.8ccu/脾臓であった。 G.01群の血清学的結果により、不活化ワクチンセロコンバージョンに関して、1日齢での弱毒化ワクチン注射の相乗効果が示された。数量化可能なプライミング効果は、サルモネラ・エンテリティディス成分に関して14%であり(58ELISA IP単位)、驚くべきことに、不活化ワクチン単独と比較してサルモネラ・ティフィムリウム成分に関して23%であった(211SAT単位)。 弱毒化ワクチンと組み合わせた不活化ワクチンは、対照結果と比較して、不活化ワクチン単独よりも主としてサルモネラ・ハダー盲腸内容物侵入に対して優れた防御効果を示した。 表9に、異種血清型のサルモネラでの攻撃後の感染家鶏の脾臓におけるサルモネラ分離に関する実施例3〜6の結果をまとめる。表9 これらの結果により、κ2検定で6.5%の危険率で有意差が認められ、本発明の方法によるワクチン2回接種群(例えば、最初に弱毒化サルモネラワクチンを用い、2番目に不活化サルモネラワクチンを用いる)と、不活化サルモネラワクチンのみでのワクチン接種群との間で、フィッシャーの正確確率検定(exact Fischer test)で5%の片側危険率で有意差が認められた。 弱毒化サルモネラ・エンテリティディスワクチン(群D)による初期投与を用いる方法により、群Bからばかりでなく、用いたワクチン製剤中に存在しない群C1およびC2からの異種血清型攻撃に対して、二価油性不活化ワクチンサルモネラ・エンテリティディス/サルモネラ・ティフィムリウムの有効性が増強された。本発明の方法によるワクチン2回接種群と不活化サルモネラワクチンのみでのワクチン接種群との比較により、異種血清型のサルモネラを用いる攻撃後の脾臓への侵入の低下により、この増強が有意であることが示される。 薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む方法であって、初期投与と追加投与を2〜18週間隔てて投与する前記方法。 薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む方法であって、初期投与と追加投与を2〜18週間隔てて投与する前記方法。 少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラB群から選択される、請求項1記載の方法。 サルモネラB群が、サルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・ブラエンデラップ、サルモネラ・アゴナ、サルモネラ・ブレデニー、サルモネラ・ハイデルベルク、サルモネラ・インディアナ、サルモネラ・セントポール、サルモネラ・ブランデンブルクを含む、請求項3記載の方法。 サルモネラB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラ・ティフィムリウムである、請求項4記載の方法。 少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラD群から選択される、請求項1記載の方法。 サルモネラD群がサルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・パナマ、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・ガリナルム、サルモネラ・プロラムを含む、請求項6記載の方法。 サルモネラD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラ・エンテリティディスである、請求項7記載の方法。 少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラB群から選択される、請求項2記載の方法。 サルモネラB群がサルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・ブラエンデラップ、サルモネラ・アゴナ、サルモネラ・ブレデニー、サルモネラ・ハイデルベルク、サルモネラ・インディアナ、サルモネラ・セントポール、サルモネラ・ブランデンブルクを含む、請求項9記載の方法。 サルモネラB群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラ・ティフィムリウムである、請求項10記載の方法。 少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラD群から選択される、請求項2記載の方法。 サルモネラD群がサルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・パナマ、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・ガリナルム、サルモネラ・プロラムを含む、請求項12記載の方法。 サルモネラD群の少なくとも1つの弱毒化サルモネラまたは少なくとも1つの不活化サルモネラがサルモネラ・エンテリティディスである、請求項13記載の方法。 少なくとも1つの弱毒化サルモネラがD群のサルモネラであり、少なくとも1つの不活化サルモネラがB群のサルモネラである請求項1記載の方法であって、B群の少なくとも1つの不活化サルモネラの投与の約2〜約18週間後のD群のサルモネラの少なくとも1つの投与をさらに含む前記方法。 弱毒化D群サルモネラ菌がサルモネラ・エンテリティディスであり、不活化B群サルモネラ菌がサルモネラ・ティフィムリウムであり、不活化D群サルモネラ菌がサルモネラ・エンテリティディスである、請求項14記載の方法。 少なくとも2つのバイアルおよび投与説明書の付いた添付文書を含む、鳥類動物のワクチン接種のためのワクチン接種キットまたはセットであって、少なくとも2つのバイアルが弱毒化サルモネラおよび不活化サルモネラを含む前記ワクチン接種キットまたはセットにおいて、ワクチン接種キットまたはセットが、鳥類の科の動物にワクチンを投与し、サルモネラに対する安全な防御免疫反応を誘導するように機能的に連結される前記ワクチン接種キットまたはセット。 第1バイアルが弱毒化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含み、第2バイアルが不活化サルモネラB群および不活化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含む、請求項16記載のワクチン接種キットまたはセット。 少なくとも2つのバイアルが、複数回の初期投与のための弱毒化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンおよび複数回の追加投与のための不活化サルモネラB群および不活化サルモネラD群免疫原性組成物またはワクチンを含む、請求項16記載のワクチン接種キットまたはセット。 本発明は、動物、特に鳥類動物におけるサルモネラに対するワクチン接種の分野に関する。本発明はまた、サルモネラ免疫原性組成物またはワクチンのキットおよび使用を含む。本発明は、さらに、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの弱毒化サルモネラを含む弱毒化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の初期投与を鳥類動物に投与し、次いで、薬学的または獣医学的に許容される賦形剤、希釈剤またはビヒクルおよび少なくとも1つの不活化サルモネラを含む不活化免疫原性組成物またはワクチンの少なくとも1回の追加投与を鳥類動物に投与することを含む方法および組成物に関する。