タイトル: | 公表特許公報(A)_炎症性腸疾患のための治療方法 |
出願番号: | 2009537254 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/606,A61P 29/00,A61P 1/00,A61P 1/04 |
カーリシュタット メイヤロフ,ロビン,ゲイル ディーボルト,ロナルド,ジョセフ ピアス,デーヴィッド,モンタギュー マーティン,パトリック,ティー. JP 2010510229 公表特許公報(A) 20100402 2009537254 20070927 炎症性腸疾患のための治療方法 シャイア デベロップメント インク. 509132451 牛木 護 100080089 吉田 正義 100137800 清水 栄松 100119312 小合 宗一 100125081 カーリシュタット メイヤロフ,ロビン,ゲイル ディーボルト,ロナルド,ジョセフ ピアス,デーヴィッド,モンタギュー マーティン,パトリック,ティー. US 60/866,401 20061117 A61K 31/606 20060101AFI20100305BHJP A61P 29/00 20060101ALI20100305BHJP A61P 1/00 20060101ALI20100305BHJP A61P 1/04 20060101ALI20100305BHJP JPA61K31/606A61P29/00A61P1/00A61P1/04 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2007079739 20070927 WO2008063746 20080529 13 20090630 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA17 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086NA05 4C086ZA66 4C086ZA68 4C086ZB11 本発明は、潰瘍性大腸炎(UC)のような炎症性腸疾患(IBD)を患っている被験者の治療方法を含み、該治療方法は、5−ASAの徐放性製剤約2.4ないし4.8グラムという初期1日投与量を投与すること、及び、約4ないし8週間のかかる治療後に寛解に至らないとき、治療に対する応答をもたらすのに十分な期間、5−ASAの徐放性製剤約4グラム又はそれ以上という投与量に前記初期1日投与量を変更することを含む。 本出願は、2006年11月17日に出願された米国仮出願第60/866,401号に基づく優先権を主張し、引用により全体として本明細書に取り込まれる。 背景 炎症性腸疾患は当業者に用いられる用語であって、一般的に、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、過敏性大腸症候群及びクローン病(CD)のような腸の疾患を含む。これらの疾患の多く、特にCDについて、前記疾患の病因(細菌、ウイルス、遺伝又は自己免疫)は知られていない。CD又はUCのような炎症性腸疾患は、(5−ASA、メサラミン又はメサラジンとして知られる5−アミノサリチル酸と、5−ASAの塩及びエステルと、サルファサラジンのような5−ASAのプロドラッグとのような)サリチル酸誘導体を用いて従来治療された。5−ASAは、軽度ないし中度の潰瘍性大腸炎に対する第一線治療として用いられる。 UC患者で寛解状態を維持するための1日あたり2グラムより多い5−ASAの投与は、2グラム未満の投与と同程度の効果しかないことが知られる(非特許文献1)。経口投与される5−ASAは、大腸及び回腸の粘膜による吸収後に炎症を起こした腸の管腔側から局所的に作用し、腸壁及び肝臓で最初にアセチル化されてその主要な代謝産物のN−アセチル−5−ASA(Ac−5−ASA)になる。活動性の軽度ないし中度のUCの治療のための現行の治療指針は、単剤療法か、局所製剤との併用療法かの経口5−ASA療法が、寛解誘導のために約4ないし6週間処方されるべきであると示唆している(非特許文献2及び3)。 しかし、患者がこの誘導期で寛解に至らない場合、これらの条件下で継続的な5−ASA療法が寛解誘導をもたらすことは示唆されない。したがって、臨床医は治療パラダイムでの適切な次の段階を決定しなければならないが、該段階は「ステップ−アップ」療法又は「エスカレーション療法」として一般的に知られる。このパラダイムでの前記次の「段階」は一般的にコルチコステロイド療法であるが、該療法はその副作用のために通常は患者が耐えられない。 活動性の軽度ないし中度のUCから寛解に至っている患者は、継続的な5−ASA(アミノサリチル酸)療法を用いて寛解状態が維持されるのが一般的である(非特許文献3)。Travis S、Nature Clinical Practice Gastroenterology & Hepatology(2005)2、564−565Carter MJら、Gut 2004;53:V1−16Kornbluth Aら、Am J Gastroenterol 2004;99:1371−85 本発明は、潰瘍性大腸炎(UC)のような炎症性腸疾患(IBD)を患っている被験者の治療方法を含み、該治療方法は、5−ASAの徐放性製剤約2.4ないし4.8グラムという初期1日投与量を投与すること、及び、約4ないし8週間のかかる治療後に寛解に至らないとき、治療に対する応答をもたらすのに十分な期間、5−ASAの徐放性製剤約4グラム又はそれ以上という投与量に前記初期1日投与量を変更することを含む。 本発明の1つの実施態様は、5−ASAの徐放性製剤を、1.2グラムずつ1日2回、2.4グラムずつ1日1回又は0.8グラムずつ1日3回投与する、1日あたり2.4グラムの経口投与に応答しない炎症性腸疾患患者に、寛解を誘導するための治療方法であって、治療される前記患者が寛解状態となるまで最長8週間、前記1日投与量が、4.8グラムずつ1日1回の投与に変更される、治療方法を提供する。 本発明の代替的な実施態様は、5−ASA4.8グラムずつ1日1回の経口投与に応答しない潰瘍性大腸炎その他炎症性腸疾患患者の治療方法であって、治療される前記患者が寛解状態となるまでの最長8週間、5−ASAの徐放性製剤4.8グラムの1日投与量を前記患者に投与することを含む、治療方法を提供する。 本発明の治療方法に有用な製剤は、図1に示されるものと実質的に同一の単回投与in vivo血漿濃度プロファイルを示し、前記5−ASAの徐放性送達を行なう。1日あたり2.4グラムのMMX(登録商標)メサラミンの単回投与(1日目、期間1)及び複数回投与(14日目、期間2)を健常な被験者に行なった後の5−ASAの血漿濃度プロファイルの相加平均(±標準偏差値)を示すグラフ。黒塗りの四角は1日目(期間1)に由来するデータであり、白抜きの四角は14日目(期間2)に由来するデータである。点線は定量の下限値(5.00ng/mL)を示す。X軸は投与後の時間(単位:時間)であり、Y軸は血漿濃度(単位:ng/mL)である。5−ASAの徐放性製剤についての血漿濃度を示すグラフ。白抜きの円はアサコール(登録商標)(Norwich Eaton及びProcter & Gamble)800ミリグラムの5−ASAを示し、白抜きの四角は(Norwich Eaton及びProcter & Gamble)800ミリグラムの5−ASAを示し、白抜きの長方形はコラザール(Colazol)、バルサラジド2250ミリグラム(Salix)(800ミリグラムの5−ASA)を示し、白抜きの三角はペンタサ(登録商標)、5−ASA1000ミリグラム(Shire Pharmaceuticals)を示し、白抜きの逆三角はサラゾピリン−EN、スルファサラジン2000ミリグラム(Watson Laboratories)(800ミリグラムの5−ASA)を示し、黒塗りの円はMMX(登録商標)5−ASA(リアルダ(登録商標)2400ミリグラムの5−ASA)(ミラノのCosmo S.p.A.)を示し、黒塗りの四角は5−ASA(リアルダ(登録商標)4800ミリグラムの5−ASA)(ミラノのCosmo S.p.A.)を示す。X軸は投与後の時間(単位:時間)であり、Y軸は血漿濃度(単位:ng/mL)である。示される濃度レベルの全ては、薬剤を1回だけ投与した後(すなわち、1日目の投与後)のものである。 発明の詳細な説明 定義 本明細書で用いられるところの以下の用語は下記の意味を有する。 被験者又は患者とは、炎症性腸疾患を患っている哺乳類をいい、ヒトを含むがヒトに限らない。 炎症性腸疾患とは、(S状結腸検査スコアが4以上、かつ、医師による全体評価(Physician’s Global Assessment、以下「PGA」とする。)スコアが2以上で、潰瘍性大腸炎−疾患活性指数(UC−DAI)スコアが4ないし10の軽度ないし中度の潰瘍性大腸炎を含む)潰瘍性大腸炎と、過敏性大腸症候群と、クローン病とを含む腸疾患をいう。 5−ASAの徐放性製剤は、図1に示されるものと実質的に同一の単回投与in vivo血漿濃度プロファイルを示し、前記5−ASAの徐放性送達を行なう経口投与可能な投与製剤のいずれかを含む。アサコール(登録商標)(Norwich Eaton及びProcter & Gamble)、コラザール(Salix)、バルサラジド(Salix)、ペンタサ(登録商標)(Shire Pharmaceuticals)、サラゾピリン−EN スルファサラジン(Watson Laboratories)及びMMX(登録商標)リアルダ(登録商標)(ミラノのCosmo S.p.A.)を含む5−ASAのさまざまな徐放性投与製剤が当業者に知られる。 メサラミンの典型的な徐放性製剤は、引用により本明細書に取り込まれるVillaらに付与された米国特許6,773,720号明細書に説明される、MMX・マルチ・マトリクス・システム(登録商標)(MMX(登録商標))メサラミン(リアルダ(商標)、イギリス及びアイルランドではメザバント(商標)XLとして、その他の地域ではメザバント(商標)として知られる)である。特別な投与法はMMX(登録商標)メサラミンについて要求されないが、典型的なMMX(登録商標)メサラミンは、1.2グラムの5−ASAを有効成分として含み、該有効成分が分散される親油性マトリクス及び親水性マトリクスからなるマルチマトリクスの芯を含む徐放性経口医薬品組成物である。典型的な製剤では前記有効成分は、全組成物の重量あたり80%を超える量、一般的には80ないし95%の量である。 前記典型的な徐放性製剤は、a)内部親油性マトリクスと、b)該親油性マトリクスが分散される外部親水性マトリクスと、c)任意的に、他の賦形剤とを含み、前記内部親油性マトリクスは、融点が90°C未満の不飽和及び/又は水素化脂肪酸と、これらの塩、エステル又はアミドと、脂肪酸モノ−、ジ−又はトリグリセリドと、ワックスと、セラミドと、コレステロール誘導体とであり、前記有効成分は親油性マトリクス及び親水性マトリクスの両方に分散され、前記外部親水性マトリクスは、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体か、アルキルビニル重合体か、ヒドロキシアルキル・セルロースか、カルボキシアルキル・セルロースか、多糖類か、デキストリンか、ペクチンか、澱粉又は澱粉誘導体か、アルギン酸か、天然又は合成ガムかである。 5−ASAを用いる炎症性腸疾患の承認済みの治療は、1日あたり2.4又は4.8グラムの徐放性投与製剤の投与を利用する。前述されたように、前記治療が寛解をもたらさないとき、5−ASAの徐放性製剤が、一般的に約4ないし8週間、1日あたり約4グラム又はそれ以上の投与量、好ましくは約4ないし5グラムの投与量で本発明に従って寛解に至るように投与される。本明細書の好ましい実施態様に従うと、本発明の治療方法は、炎症性腸疾患治療のための現行の承認済み徐放性治療計画、すなわち、約4ないし8週間の前記治療後に寛解に至らないとき、(1日に1回、2回又は3回等量で投与される)1日あたり2.4グラムを投与するか、(1日に1回投与される)1日あたり4.8グラムを投与するかの治療計画で供される。前記承認済み徐放性投与製剤を用いるとき、本発明の治療方法は、寛解に至るように通常1日あたり4.8グラムの投与量、好ましくは1日1回の投与量で行なわれる。 さらに本明細書で用いられるところの寛解とは、IBDを評価するための臨床試験で用いられる従来マーカーの適用をいう。例えば、血便(rectal bleeding)及び排便回数のスコアが0であって、S状結腸検査スコアが基線から少なくとも1ポイント低下した状態で、UC−DAIスコアが1以下となる場合、患者はUCについて寛解状態とみなされる。寛解は、PGAが1以下で、粘膜易出血性がないことを伴う。一部の症例では、上記寛解基準の1又は2以上を満たす臨床応答は、意味のある患者の応答とみなされる。前記応答は、完全な寛解を示すものではないが、治療に対する好ましい応答であることの指標である。 本発明の治療方法は、該治療方法にしたがって治療される、ありとあらゆる患者で完全な寛解をもたらすとは限らず、寛解の程度は個別の患者における疾患の特性及び程度に依存することが理解されるであろう。 本発明のある実施態様では、5−ASAに応答しないUC患者に寛解を誘導するための本発明の治療方法は、約6ないし約18週間か、治療される患者のUC−DAIスコアが1以下になるまでかの期間に、約2800ng/mLよりも大きい5−ASAのCmax値と、約21,000ng.h/mLよりも大きい薬物血中濃度−時間曲線下面積(AUC)とをもたらす。 本発明の治療方法に役立つ製剤は、図1に示されるものと実質的に同一の単回投与in vivo血漿濃度プロファイルを示す。図1に示されるプロファイルは、健常な被験者でMMX(登録商標)メサラミンの5−ASAによってもたらされる血漿濃度プロファイルの(約100人を超える患者の)相加平均(±標準偏差値)を示す。本発明の製剤は、以下の図1及び表2に示されるものと実質的に同一の平均血漿濃度曲線をもたらすはずである。本明細書で用いられるところの実質的に同一の「プロファイル」とは、2つの曲線が実質的に同一のAUC値(薬物血中濃度−時間曲線下面積)及びCmax値となることを意味し、例えば、従来技術によって決定される各曲線のこれらのパラメーターは、お互いに±20%以内、例えば、±10%、±5%、±2%等の相違しかない。例えば、Fundamentals of Clinical Pharmacokinetics、J. G. Wagner、Drug Intelligence Publications社、Hamilton, Ill., 1975と、Guidance for Industry, Bioavailability and Bioequivalence Studies for Orally Administered Drug Products−General Considerations, FDA, CDER.2000年10月とを参照せよ。 実施例 MMX(登録商標)メサラミンを1日あたり2.4グラムずつ1日1回又は2回の投与(QD(1日1回投与)又はBID(1日2回投与))(1日あたり4.8グラムのQD(1日1回投与))を用いる診療期間中の軽度ないし中度のUCの寛解誘導は、第3相の、プラセボ−対照、不作為試験2回で評価された(SPD476−301及び−302)。302試験は、(アサコール(登録商標)1日あたり2.4グラムずつ1日3回投与される)活性内部参照群(active internal reference arm)を包含した。 寛解は、血便及び排便回数のスコアを0として算出される改変UC−DAIスコアが1以下、PGA及びS状結腸検査スコアの合計が1以下、粘膜易出血性がないこと、及び、S状結腸検査スコアが基線から少なくとも1ポイント低下することのような厳しい基準を用いる試験で定義された。301又は302試験で寛解に至らなかった患者は、非盲検試験(SPD476−303)の一部として、(1日あたり4.8グラムの投与量が2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間の治療を受けることを選択できる。前記試験のこの部分は、急性相又は延長相と命名された。 前記UC−DAIは、血便と、排便回数と、S状結腸検査スコア及びPGAとからなる。これらのパラメーターの各々は0ないし3の等級で評価され、3が最も重篤なスコアである。4つのパラメーターの全てのスコアの合計は、前記UC−DAIのスコアを決定した。S状結腸検査の所見評価は、直腸か、直腸が炎症していない場合には、S状結腸かの炎症が最もひどい部位で行なわれた。試験期間中、同一の部位が評価された。前記S状結腸検査及びPGAは同一の研究者/内視鏡医によって行なわれた。 前記301又は302試験の終了時に、患者が寛解状態に至らない(UC−DAI寛解基準が満たされない)場合には、前記患者は前記急性相(延長相)(303試験)に勧誘された。前記急性相(延長相)の患者は、8週間にわたり1日あたり4.8グラム(2.4グラムのBID(1日2回投与)で投与される)のMMX(登録商標)メサラミンを投与された。前記患者は2ヶ月間に3回外来に来院した。 前記301及び302試験の8週間目で、プラセボ投与群と比較して、有意により多くの患者が、1日あたり2.4グラムのMMX(登録商標)メサラミン投与群で寛解に至った(37.2% 対 17.5%(P<0.001))。プラセボ投与群と比較して、1日あたり4.8グラムのMMX(登録商標)メサラミン投与群の有意により多くの患者が寛解に至った(35.1% 対 17.5%(P<0.001))。しかし、患者の中には寛解に至らなかった者も多かった。本発明のさらなる治療方法を実施するとき、1日あたり2.4グラム(1.2グラムのBID(1日2回投与)又は0.8グラムのTID(1日3回投与))か、あるいは1日あたり4.8グラム(4.8グラムのQD(1日1回投与))のいずれかでの8週間の治療後に寛解に至らなかった50%よりも多くの患者が、1日あたり4.8グラムの5−ASA(2.4グラムのBID(1日2回投与))を用いる追加の8週間の治療によって寛解に至った。 具体的には、以下の表1に示されるように、(MMX メサラミンの1.2グラムのBID(1日2回投与)として投与される)8週間の2.4グラムの5−ASA治療で寛解に至らなかった前記301試験後に、(1日あたり4.8グラム、MMX メサラミンの2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間の5−ASA治療を受けた患者の61.9%が寛解に至った。 また、さらに表1に示されるように、(MMX メサラミンの4.8グラムのQD(1日1回投与)として投与される)8週間の4.8グラムのMMX メサラミンの治療で寛解に至らなかった前記301試験後に、(1日あたり4.8グラム、MMX メサラミンの2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間の5−ASA治療を受けた患者の69.6%が寛解に至った。 同様に、表1に示されるように、(MMX メサラミンの4.8グラムのQD(1日1回投与)として投与される)8週間の5−ASA治療で寛解に至らなかった前記302試験後に、(1日あたり4.8グラム、MMX メサラミンの2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間の5−ASA治療を受けた患者の66.7%が寛解に至った。 さらに、表1に示されるように、(MMX メサラミンの2.4グラムのQD(1日1回投与)として投与される)8週間の5−ASA治療で寛解に至らなかった前記302試験後に、(1日あたり4.8グラム、MMX メサラミンの2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間の5−ASA治療を受けた患者の71.4%が寛解に至った。 さらに表1に示されるように、(アサコール(登録商標)0.8グラムのTID(1日3回投与)として投与される)8週間の5−ASA治療で寛解に至らなかった前記302試験後に、(1日あたり4.8グラム、MMX メサラミンの2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)追加の8週間のメサラミン治療を受けた患者の68.2%が寛解に至った。 表1の結果は、初期の301及び302ピボタル(pivotal)試験(すなわち、安全性及び有効性を確立した試験)で寛解に至らなかったが、追加の8週間の治療(303試験の急性相)の満了後に寛解に至った患者の百分率を示す。前記急性相(延長相)の間に、患者は、典型的な一連の5−ASA治療よりもより長い8週間の追加期間(1日あたり4.8グラム、2.4グラムのBID(1日2回投与)として投与される)MMX(登録商標)メサラミンの多量投与を用いる治療を受ける。これらの高い寛解率は、初期治療では効果がなく、コルチコステロイド類その他の免疫学的治療のようなステロイド療法その他のエスカレーション療法を施されるのが通常であるような患者にみられた。本試験で行なわれる5−ASAの多量投与は、5−ASAの有効成分の投与量の増大によって予期されるような実質的な副作用を全く起こさないことが発見された。 (2.4グラムのBID(1日2回投与)で投与される1日あたり4.8グラム)MMX(登録商標)メサラミンの多量投与を用いる治療での追加の時間が、当初の5−ASA治療が失敗であったとみなされることが典型的な患者を含む、大半の患者で寛解を誘導できることを本データは示す。より「積極的」な5−ASA治療が、別の方法が成功せず、代替的な治療を必要とする患者において、寛解を誘導可能であることを本結果は示す。 健常者の患者に対するMMX(登録商標)メサラミンの単回投与及び複数回投与の実施は、図1に示される血漿濃度−時間プロファイルをもたらした。1日あたり2.4グラム又は1日あたり4.8グラムの製剤の投与後に5−ASAについて観察される前記プロファイルは、形状が類似し、投与量の違いのために予想される規模の違いしかなかった(図1及び2を参照せよ。)。 本発明を逸脱することなくさまざまな変更が以上に説明される実施態様になされてもかまわないが、特許発明の技術的範囲は以下の請求の範囲の記載に基づいて定められると理解されるであろう。 5−ASAの徐放性製剤約2.4ないし4.8グラムという初期1日投与量を投与すること、及び、約4ないし8週間のかかる治療後に寛解に至らないとき、治療に対する好ましい応答をもたらすのに十分な期間、5−ASAの徐放性製剤約4グラム又はそれ以上という修正1日投与量に前記初期1日投与量を変更することを含むことを特徴とする、炎症性腸疾患を患っている被験者の治療方法。 前記炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記潰瘍性大腸炎は活動性の軽度ないし中度の潰瘍性大腸炎であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 5−ASAの前記徐放性製剤はマルチ・マトリクス・システムのメラサミンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記修正1日投与量が約8週間投与されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記被験者において潰瘍性大腸炎−疾患活性指数(UC−DAI)が約1以下となるまで前記修正1日投与量が継続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記被験者においてS状結腸検査スコアが約1以下となるまで前記修正1日投与量が継続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記被験者において医師による全体評価(PGA)が約1以下となるまで前記修正1日投与量が継続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記被験者においてUC−DAIが約1以下となり、血便及び排便回数スコアが0となり、S状結腸検査スコアが少なくとも約1ポイント低下するまで前記修正1日投与量が継続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記修正1日投与量は1日に2回投与される約2.4グラムの5−ASAであって、前記投与量は、前記被験者において医師による全体評価及びS状結腸検査スコアの合計が約1以下となり、粘膜易出血性が検出されなくなるまで継続されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。 前記初期1日投与量は、5−ASAの徐放性製剤を、1.2グラムずつ1日2回、2.4グラムずつ1日1回又は0.8グラムずつ1日3回投与する、1日あたり2.4グラムの投与か、又は、5−ASAの徐放性製剤を4.8グラムずつ1日1回投与する、1日あたり4.8グラムの投与かであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記修正投与量は、5−ASAの徐放性製剤を最長約8週間1日あたり約4.8グラムの投与であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。 約2800ng/mLよりも大きいCmax値及び約21000ng.h/mLよりも大きいAUC値が得られるように、約4ないし10週間か、治療される前記患者が寛解状態に至るまでかの期間、1日あたり少なくとも約2グラムの5−ASAを経口投与することを含むことを特徴とする、5−ASA治療に応答しなかった炎症性腸疾患患者での炎症性腸疾患の治療方法。 本発明は、約4ないし8週間の5−ASA(メサラミン又は5−ASA)の初期治療後に寛解に至らない被験者に対して、さらに治療に好ましい応答をもたらすように5−ASAの徐放性製剤約4グラムのよりも多い1日投与量を投与することを含む、炎症性腸疾患の治療方法を提供する。【選択図】図1