生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_トリホスゲン(BTC)を用いた糖の塩素化によるスクラロースの製造方法
出願番号:2009534841
年次:2010
IPC分類:C07H 1/00,C07H 5/02,A23L 1/236


特許情報キャッシュ

ホ ディヴィッド ロザン ワン ゼンハオ JP 2010508285 公表特許公報(A) 20100318 2009534841 20071024 トリホスゲン(BTC)を用いた糖の塩素化によるスクラロースの製造方法 マムテック インターナショナル リミテッド 509118916 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 山崎 一夫 100119013 真柴 俊一郎 100145953 ホ ディヴィッド ロザン ワン ゼンハオ US 11/552,789 20061025 C07H 1/00 20060101AFI20100219BHJP C07H 5/02 20060101ALI20100219BHJP A23L 1/236 20060101ALN20100219BHJP JPC07H1/00C07H5/02A23L1/236 A AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2007082422 20071024 WO2008052076 20080502 7 20090624 4B047 4C057 4B047LB04 4B047LG21 4B047LP16 4C057AA18 4C057BB03 4C057CC02発明の詳細な説明(関係する出願の相互参照) 本出願は、2006年10月25日に出願された米国特許出願第11/552,789に対する優先権を主張し、その開示は、参照することによって本明細書で完全に記載されているかのように本明細書に取り込まれる。(発明の分野) 本発明は、スクラロースを製造する方法に関する。(発明の背景) モノエステル法(monoester method)は、スクラロースの合成において使用されてきた。スクラロース-6-エステルは、スクロースからスクロース-6-エステルへ転換し、スクロース-6-エステルを塩素化することを介して発生する。スクラロースは、ナトリウムメトキシド/メタノール又はナトリウムエトキシド/エタノールを用いることにより、スクラロース-6-エステルのアルコール分解を介して調製される。通常使用される塩素化剤はビルスマイヤー試薬(Vilsmeier agent)であり、これは通常、DMFとホスゲン又は塩化チオニルを反応させることを介して調製された。このような方法の大きな欠点は、塩素化を介して放出される二酸化硫黄の量であり、これは処理方法及び装置に対する要求を増加させる。さらには、ホスゲンは強い毒性ガスであるため、貯蔵、輸送及び使用するために適切ではない。 従って、本技術において、より少ない毒性の副生成物を伴って、高い収率でスクラロースを製造する改良された(inproved)方法に対する要求が存在する。(発明の概要) 本発明の一態様において、スクロース-6-エステルからのスクラロースの製造方法が提供され、この方法は、BTCを使用して塩素化のためのビルスマイヤー試薬を発生させる工程を含んでおり、前記ビルスマイヤー試薬はDMF中にBTCを溶解させることにより生じ、及びBTC:スクロース-6-エステルのモル当量は、約2.8:1〜3.5:1の範囲内にある。(詳細な説明) 本発明の以下の説明は、本発明の種々の態様を説明することを意図する。そのようなものとして、検討される具体的な変形は、本発明の範囲における制限として解釈されるべきではない。種々の均等物、変更及び変形が、本発明の範囲を逸脱することなく製造できる事が当業者に明らかであり、このような均等な態様が本明細書に含まれるべきである事が理解される。 本発明の一態様において、糖を塩素化してクロロデオキシ誘導体を製造する方法、特にクロロデオキシ糖甘味料、例えばスクラロース(4,1',6'-トリクロロ-4,1',6'-トリデオキシガラクトスクロース)の製造における糖及び糖誘導体を塩素化する方法が提供される。 本発明の一側面において、ビルスマイヤー試薬は、DMF又はDMFと他の有機溶媒、例えばトルエン、シクロヘキサン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素の一又はこれらの混合物を含む溶媒に対して塩素化試薬を添加することにより調製される。スクロース-6-エステルを溶媒に溶解させる。ビルスマイヤー試薬及びスクロース-6-エステルのDMF溶液の両方を、混合する前に0℃より低い(below)温度にまで冷却する。次いで反応温度が5℃より低い温度を維持するように、ビルスマイヤー試薬をスクロース-6-エステルのDMF溶液に対して滴下する。ビルスマイヤー試薬の添加が完了した後、反応混合物を5℃より低い温度で2時間攪拌する。次いで、反応混合物を室温まで温め、更に2時間室温で維持する。次いで、反応物を2〜3時間で110℃に達するまで加熱し、3時間110℃で還流させる。その後、反応混合物を室温まで自然に冷却させる。反応混合物のpHを、最初に水酸化アンモニア/メタノール溶液(1:1)で8〜9に、次いで氷酢酸で6〜7に調整する。減圧下での蒸留により大部分の溶媒を除去した後、スクロース-6-エステルを、酢酸エチル及び水で抽出する。合わせた有機相を減圧下で蒸留して、スクラロース-6-エステルシロップを得る。次いで、スクラロース-6-エステルを、ナトリウムメトキシド/メタノール又はナトリウムエトキシド/エタノールを用いたエステル分解により、スクラロースに転換する。 本発明の別の側面において、上記と同じ手順で、スクロース-6-アセテートのDMF溶液中に塩素化剤を添加する前に、塩素化剤を一又はいくつかの有機溶媒、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素に溶解することもできる。 塩素化剤は、トリフェニルヒドラジン、塩素化リン(phosphoric chloride)、塩化チオニル、ホスゲン、塩化オキサリルから成る群より選択できる。トリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート、BTC)が好ましい。BTCは安全かつ使用するために便利であり、汚染物質も腐食の心配も全く生じない。 スクロース-6-エステルの濃度は、好ましくは0.1〜0.11mol/Lである。 スクロース-6-エステルに対する塩素化剤のモル当量(ME)は、2.8〜3.5である。 反応を真空下で行って、周囲の空気中の酸素による反応混合物の酸化を避けることができる。代わりに、望ましくない酸化を、低沸点の有機溶媒、例えばシクロヘキサン、ジクロロエタン、酢酸エチル、クロロホルム及び四塩化炭素の存在下における反応混合物の還流により避けても良い。(実施例)実施例1:DMF中に溶解させたBTCを用いたスクロース-6-エステルの塩素化 スクロース-6-アセテート(30g、0.08mol)をDMF(300ml)に溶解させ、0℃より低い温度に維持した。BTC(80g、0.27mol)を0℃より低い温度でDMF(500ml)に対して徐々に添加し、ビルスマイヤー試薬を調製した。ビルスマイヤー試薬をスクロース-6-アセテートのDMF溶液に対してゆっくりと添加し、反応温度を5℃より低い温度に維持した。反応物を5℃より低い温度で2時間攪拌し、更に2時間室温で攪拌した。次いで、反応混合物を110℃までゆっくり加熱し、3時間110℃で還流した。反応が完了した後、反応混合物を自然に室温まで放置して冷却させた。反応混合物を水酸化アンモニア/メタノール(1:1、400ml)を用いてpH8〜9になるまで中和した。反応混合物を室温で5分間攪拌した後、反応物のpHを更に氷酢酸を添加することにより6〜7に調整した。次いで、溶媒の大部分を減圧下で蒸留することにより除去した。蒸留水(100ml)及び酢酸エチル(500ml)を残った溶液に対して添加した。この混合物を室温で1時間攪拌して、次いでろ過した。ろ過ケーキを酢酸エチル(150ml)で洗浄した。濾過液の水相を酢酸エチルで抽出した(3×200ml)。合わせた有機相を食塩水(2×100ml)で洗浄し、次いで60℃より低い温度の減圧下で蒸留することにより、約400mlまで濃縮した。この残りの溶液を活性炭(10g)で脱色し、ろ過し、シロップになるまで濃縮した(40g、20g(0.045mol)のスクラロース-6-アセテートを含み、収率は56%である)。実施例2:トルエンに溶解させたBTCを用いたスクロース-6-エステルの塩素化 BTCのトルエン溶液をスクロース-6-アセテート(30g、0.08mol)のDMF溶液に対して直接添加して、塩素化反応を開始したこと以外は、実施例1と同じ手順で反応を行った。BTCのトルエン溶液を、0℃より低い温度に冷却したトルエン(400ml)にBTC(80g、0.27mol)を溶解させることにより調製した。生成物は、22g(0.05mol)のスクラロース-6-アセテートを含んだシロップであり、収率は62.5%であった。実施例3:スクラロース-6-アセテートからのスクラロースの調製 20%ナトリウムメトキシド/メタノール(4g、0.015mol NaOMe)溶液を、スクラロース-6-アセテート(10g、0.023mol)の15℃メタノール(100ml)溶液に添加した。この混合物を室温で5時間攪拌した。反応物を中和し、メタノールで洗浄した水素強酸性イオン交換樹脂(hydrogen strong acidic ion exchange resin)を通してろ過した。この濾液を30℃より低い温度の減圧下で、柔らかい発泡体になるまで濃縮した。この発泡体を蒸留水(100ml)に溶解し、この溶液を酢酸エチル(50ml)で抽出した。次いでこの水性相を活性炭(0.5g)を用いて脱色し、ろ過して活性炭を除き、蒸留水(2×300ml)で洗浄した。濾液を、室温の減圧下で蒸留することにより、シロップになるまで濃縮した。蒸留水(8ml)を添加して80℃でシロップを溶解させた。この溶液を20℃より低い温度まで冷却した後、結晶の種(crystal seed)を溶液に添加した。形成した結晶を濾取し、少量の冷水で洗浄し、乾燥させ、次いで45〜50℃の減圧下で結晶皿中で乾燥させ、スクラロース(5g、0.013mol、収率86%)を得た。 上記のように、前述の内容は本発明の種々の態様を説明することを単に意図している。上で検討された具体的な変形は、本発明の範囲の制限として解釈されるべきではない。種々の均等物、変更及び変形が、本発明の範囲を逸脱することなく製造できる事が当業者に明らかであり、このような均等な態様が本明細書に含まれるべきである事が理解される。本明細書で参照された全ての参考文献は、参照により本明細書に完全に記載されているかのように取り込まれる。 スクロース-6-エステルからスクラロースを製造する方法であって、BTCを使用して塩素化のためのビルスマイヤー試薬を生じさせる工程を含む方法。 さらに、DMF中にBTCを溶解させることによりビルスマイヤー試薬を生じさせる工程を含む、請求項1に記載の方法。 ビルスマイヤー試薬を、1以上の有機溶媒とともに、DMF中にBTCを溶解させることにより調製する、請求項1に記載の方法。 1以上の有機溶媒中にBTCを溶解させる工程、及びこの溶解させたBTC溶液をスクロース-6-エステルのDMF溶液中に添加する工程を含む、請求項1に記載の方法。 有機溶媒が、DMF、シクロヘキサン、トルエン、ジクロロエタン(dichlothane)、クロロホルム、四塩化炭素及び酢酸エチルから成る群より選択される、請求項4に記載の方法。 BTC:スクロース-6-エステルのモル当量が、2.8:1〜3.5:1の範囲にある、請求項1に記載の方法。 塩素化反応が標準圧又は減圧で進行する、請求項1に記載の方法。 前記試薬をスクロース-6-エステルと接触させる前に0℃より低い温度まで該試薬を冷却する工程、BTCがスクロース-6-エステルと接触して第一の混合物を形成すると同時に5℃未満の温度に反応温度を制御する工程、及び第一の混合物を室温まで温める工程を更に含む、請求項1に記載の方法。 第一の混合物を室温で3時間維持して第二の混合物を形成させる工程、第二の混合物を110℃まで加熱する工程、及び第二の混合物を110℃の温度で3時間維持する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。 スクロース-6-エステルからスクラロースを製造する方法であって、 塩素化のためのビルスマイヤー試薬を生じさせるためにBTCを使用する工程であって、ビルスマイヤー試薬がDMFにBTCを溶解させることにより生じ、BTC:スクロース-6-エステルのモル当量が、約2.8:1〜3.5:1の範囲にある工程を含む方法。 本発明の一態様において、スクラロースの製造方法においてBTCによりスクロース-6-アシル化剤(acylater)を塩素化することを介して、スクラロース-6-アシレートを製造する方法が開示される。この態様において、ビルスマイヤー試薬は最初に、DMF又はDMF、トルエン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素を含んだ成分溶媒中にBTCを溶解させることにより、0℃より低い温度で調製される。続いて、スクロース-6-エステルをビルスマイヤー試薬で塩素化した。BTCは、1又はいくつかの有機溶媒、例えばトルエン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素に溶解でき、次いで塩素化のため、スクロース-6-アシレートのDMF溶液に添加できる。スクラロースを、得られたスクラロース化された(sucralosed)6-エステルをナトリウムメトキシド/メタノール又はナトリウムエトキシド/エタノールを用いてエステル分解することを介して調製した。


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