タイトル: | 公表特許公報(A)_揚げ物食材における油の吸収を低減するための方法 |
出願番号: | 2009510905 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A23L 1/01,A61K 31/718,A61P 3/04 |
デ ブリエス ヘンドリク ジャン ブワルダ ピーター リクル JP 2009537136 公表特許公報(A) 20091029 2009510905 20070516 揚げ物食材における油の吸収を低減するための方法 コーペラティ アベベ ユー.エー. 306007152 清水 初志 100102978 刑部 俊 100119507 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 井上 隆一 100142929 大関 雅人 100114340 デ ブリエス ヘンドリク ジャン ブワルダ ピーター リクル EP 06076058.4 20060516 A23L 1/01 20060101AFI20091002BHJP A61K 31/718 20060101ALI20091002BHJP A61P 3/04 20060101ALI20091002BHJP JPA23L1/01 DA61K31/718A61P3/04 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW NL2007050220 20070516 WO2007133081 20071122 18 20081222 4B035 4C086 4B035LC07 4B035LE07 4B035LG12 4B035LG21 4B035LG32 4B035LG33 4B035LG34 4B035LK19 4B035LP07 4C086AA01 4C086EA20 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA70 本発明は、油で揚げた、または、押し出されて油で揚げた食品の油の吸収を低減するための方法に関する。 体内の脂肪の過剰な蓄積から生ずる状態である肥満は、現代社会において重要な問題になってきている。肥満の人はインスリン非依存性糖尿病、高血圧、脳卒中、および冠状動脈疾患等の多くの疾患に罹患しやすくなるので、肥満は、主な公衆の健康上の問題である。また、肥満は、特定の癌、特に、結腸、直腸、前立腺、乳房、子宮、および頸部の癌の発生の増加に関係している。脂肪含有量の多い食品等の高カロリー食品の摂取は、肥満の原因の一つである。よく知られているこのような食品の例は、多量の油で揚げたスナック製品である。 脂肪の摂取を低減するために、さまざまな低脂肪食品が考案されている。これらの食品の多くは、消費習慣において劇的な変化をもたらす。普段摂取される食品と比較して食味において少なからぬ変化があるので、人々がその低脂肪食品の摂取を止めることがよくみられる。さらに、多くの人々は、ダイエットに成功した後に、以前の消費習慣に戻る傾向がある。 より低い脂肪量で、高い消費者受容性を有する、公知の食品を製造することが望ましい。さまざまなこのようなダイエット食品は、すでに公知である。しかしながら、脂肪含量を低減した揚げ物食品を提供するためには、いまだに課題がある。 本発明の目的は、油で揚げるときに、食品が油を吸収する傾向を低減するための方法を提供することにある。 驚くべきことに、疎水性デンプンにより、または、これを添加することにより、食品の材料中のクックアップデンプン(cook-up starch)および/またはインスタントスターチを部分的に置換することを含む、油で揚げる間の食品の油の吸収を低減するための本発明に係る方法により、この目的が達成されることが見出された。好ましくは、食品は、クックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチを含む食品である。 本発明の文脈において、「部分的に置換する」とは、配合から元の材料を部分的に取り除くこと、および、配合に他の材料を加えることを意味する。添加材料が、部分的に取り除かれた材料と正確に同じ重量である必要はない。添加成分の重量は、好ましくは、部分的に取り除かれた成分の重量の80〜120%の範囲であり、より好ましくは90〜110%の範囲である。 本発明によれば、配合から部分的にクックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチを取り除くことを要しない。また、疎水性デンプンの添加だけでも所望の効果を奏する。添加する疎水性デンプンは、元の配合における成分の総重量に対して15重量%を超えないことが好ましく、10重量%を超えないことがより好ましい。 従来の食品よりも、前記の結果得られる食品は、油で揚げるときに油を吸収する傾向が顕著に低いことが見出された。従来の食品と比較して、油の吸収は30%まで低減することができる。 本発明の疎水性デンプンのベースとなるデンプンは、原則として、任意の植物源由来とすることができる。キャッサバまたはジャガイモのデンプン等の根または塊茎の両方のデンプン、ならびに、トウモロコシ、米、小麦、または大麦のデンプン等の穀物および果物のデンプンを用いることができる。また、エンドウ豆または豆のデンプン等のマメ科植物のデンプンも用いることができる。 天然のデンプンには、典型的にデンプンの2つの成分であるアミロースおよびアミロペクチンの大体の固定比率がある。トウモロコシまたは米のデンプン等のいくつかのデンプンの中には、本質的にアミロペクチンのみを含む天然型の種類が存在する。通常モチデンプン(waxy starch)と呼ばれる、これらのデンプンも用いることができる。ジャガイモまたはキャッサバのデンプン等の他のデンプンの中にも、本質的にアミロペクチンのみを含む遺伝子組換え種または突然変異種がある。また、このような種の使用は、典型的に、デンプン乾燥重量に基づいて、80重量%を超える、好ましくは95重量%を超えるアミロペクチンを含むことも本発明の範囲内であると理解されるであろう。最終的に、高アミロースジャガイモデンプン等のアミロースが多く存在するデンプン種もまた、本発明による乳化剤の調製に用いることができる。本発明によれば、全てのアミロース対アミロペクチン比率のデンプンを用いることができる。 本発明の疎水性デンプンを得るために、4〜24個の炭素原子を有するアルキル鎖またはアルケニル鎖を含む疎水性置換基がエーテル結合、エステル結合、またはアミド結合によりデンプンに結合される。 疎水基がエーテル結合を介してデンプンに結合される場合、疎水性反応物は、反応部位としてハロゲン化物、ハロヒドリン、エポキシド、またはグリシジル基を含むのが好ましい。作用物質のアルキル鎖またはアルケニル鎖は、4〜24個の炭素原子、好ましくは7〜20個の炭素原子とすることができる。エーテル結合を付与する疎水性反応物の適切な例は、臭化セチル、臭化ラウリル、ブチレン酸化物、エポキシ化大豆脂肪アルコール、エポキシ化亜麻仁脂肪アルコール、アリルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、デカングリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ラウリルフェニルグリシジルエーテル、ミリストイルグリシジルエーテル、セチルグリシジルエーテル、パルミチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、リノリルグリシジルエーテル、およびそれらの混合物である。デンプンと反応するために用いることができる他のエーテル化剤は、1-ブロモデカン、10-ブロモ-1-デカノールおよび1-ブロモドデカン等の少なくとも4個の炭素原子を含むハロゲン化アルキルである。 また、荷電疎水基を導入することも可能である。疎水性陽イオン基は、デンプンの、第四級アンモニウム基、例えば、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩またはグリシジルトリアルキルアンモニウム塩を含む反応物との反応により、エーテル結合を介して結合することができる。この第四級アンモニウム基のアルキル鎖は、1〜24個の炭素原子、好ましくは7〜20個の炭素原子とすることができ、その第四級アンモニウム基のアルキル鎖の少なくとも一つは4〜24個の炭素原子を含む。その他のアルキル鎖は、7個未満の炭素原子を有することが好ましい。例えば、疎水性カチオン化反応物として、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルラウリルアンモニウム塩、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルミリストイルアンモニウム塩、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルセチル、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルステアリル、グリシジルジメチルラウリルアンモニウム塩、グリシジルジメチルミリストイルアンモニウム塩、グリシジルジメチルセチルアンモニウム塩、グリシジルジメチルステアリルアンモニウム塩、ジアルキルアミノエチルハロゲン化合物、または、上記の混合物を利用することができる。疎水性陽イオン基は、クロロエチルジアルキルアミン塩化水素塩等の第三級アンモニウム基との反応により導入してもよい。この第三級アンモニウム基のアルキル鎖は、1〜24個の炭素原子としてもよい。疎水性陽イオン基を導入するための反応は、EP-A-0 189 935で開示された操作と同様に行い得る。疎水性陰イオン基は、例えば、EP-A-0 689 829で開示された操作と同様に、反応物として2-クロロアミノジアルキル酸を利用して結合され得る。 疎水基がエステル結合を介してデンプンに結合される場合、アルキル酸無水物(alkyl anhydride)等の数種の反応物を利用することができる。アルキル鎖は4〜24個の炭素、好ましくは7〜20個の炭素とすることができる。特に、無水オクタノイック酢酸、無水デカノイック酢酸、無水ラウロイル酢酸、無水ミリストイル酢酸等の混合無水物が適切なアルキル酸無水物である。 さらに、疎水性陰イオン基をアミロペクチンデンプンに結合させてもよい。これは、特定のデンプンと無水アルキルコハク酸または無水アルケニルコハク酸との反応により達成され得る。アルキル鎖は4〜24個の炭素、好ましくは7〜20個の炭素とすることができる。無水オクテニルコハク酸、無水ノニルコハク酸、無水デシルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸が最も一般的に利用される。所望のアルキルコハク酸基またはアルケニルコハク酸基を導入するエステル化反応は、公知の任意の手法、例えば、US-A-5 776 476で開示された操作と同様に行うことができる。好ましくは、デンプンを、8〜12個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を含む無水アルキルコハク酸または無水アルケニルコハク酸と反応させる。無水オクテニルコハク酸、無水ノニルコハク酸、無水デシルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸が特に好ましいが、最も好ましくは、無水オクテニルコハク酸である。したがって、アルキルコハク酸デンプンまたはアルケニルコハク酸デンプンは、オクテニルコハク酸デンプン、ノニルコハク酸デンプン、デシルコハク酸デンプン、またはドデセニルコハク酸デンプンが好ましく、さらにより好ましくはオクテニルコハク酸デンプンである。 アミド基によりカルボキシメチルアミロペクチンデンプンに結合された疎水基の調製においては、WO-A-94/24169で記載された操作も同様に利用され得る。アミド基の導入に適切な反応物の例には、4〜30個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素基を含む脂肪族アミン(fatty amine)が挙げられる。分岐炭化水素基は除外されないが、直鎖が好ましい。好ましくは、脂肪ラジカルはC12〜C24脂肪族アミンに由来している。特に好適な結果は、脂肪族アミンがn-ドデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-オクタデシルアミン、ココアミン(cocoamine)、獣脂アミン(tallowamine)、水素化N-獣脂-1,3-ジアミノプロパン、N-水素化獣脂-1,3-ジアミノプロパン、およびN-オレイル-1,3-ジアミノプロパンからなる群より選択される場合に得られる。このような脂肪族アミンは、商品名ArmeenおよびDuomeen(AKZO Chemicals)で公知である。 グルコース単位1モル当たりの疎水性置換基の平均モル数として規定される、本発明による工程で達成される疎水性置換の程度、すなわちDSは、特に、製造物の予想される用途に応じて変化し得る。一般に、DSはゼロより大きく、好ましくは0.005〜約0.5、さらに好ましくは0.01〜0.1であると考えられる。非常に小さなDSであっても比較的大きな効果をもたらすことは驚くべきであり、注目に値する。 疎水性反応物との反応は、デンプンの懸濁液中で、すなわち、α化デンプンではないデンプンを用いてデンプンの懸濁液中で、または半乾燥条件下で、行うことができる。 好ましくは、反応が懸濁液または溶液中で行われる場合には、水が溶媒として用いられる。用いられる疎水性反応物の水への溶解性が低い場合は、水および水と混合できる適切な有機溶媒の組み合せを用いてもよい。適切な有機溶媒には、メタノール、エタノール、i-プロパノール、n-プロパノール、t-ブタノール、sec-ブタノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、およびアセトンが含まれるが、これらに限定されない。溶液中での反応は、好ましくは、20重量%を超えるデンプンおよび80重量%未満の溶媒を含む反応混合液を用いて行われる。さらに好ましくは、反応混合液中のデンプン含有量は20〜40重量%の間であり、一方、溶媒含有量は、好ましくは80〜60重量%の間である。必要に応じて、溶液は、例えば、透析、限外ろ過、超遠心分離等を用いて濃縮および/または精製してもよい。乾燥機(ドラム乾燥機;スプレー乾燥機)と組み合わせて、オートクレーブを反応容器として用いてもよい。反応はさらに、同様の反応に対して周知の条件下で行われる。pHは好ましくは7〜13の間である。好ましくは、反応は、アルカリ金属水酸化物等の苛性触媒が存在する中で行われる。 酸による分解およびデキストリン化により、本発明の疎水性デンプンを化学的に改変することができる。 また、疎水性デンプンの改変は、グリコシルトランスフェラーゼ(E. C. 2.4)等の酵素を用いて達成することもできる。酵素的な改変に用いてもよい他の酵素には、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、CGTase、および分枝酵素が挙げられる。 好ましくは、クックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチの最大でも15重量%で、より好ましくは最大でも10重量%が、疎水性デンプンで置換される。疎水性デンプンは、食品の官能的特性(sensoric properties)にほとんど影響を及ぼさない。しかしながら、食品中の15重量%を超える量の疎水性デンプンは、食品の形状および滑らかさに悪影響を及ぼし得る。食品の油の吸収に対して有意な効果を奏するためには、食品中の疎水性デンプンの量は、1〜15重量%、好ましくは少なくとも2〜10重量%、より好ましくは3〜5重量%である。 また、インスタント型の疎水性デンプンの代わりに、クックアップ型の疎水性デンプンを用いてもよい。クックアップデンプンは、食品の配合においてより多い量で通常利用される。したがって、クックアップデンプンの一部を置換することは、同じ量のインスタントスターチを置換することよりも、その結果得られる製品に与える影響は少ないと考えられる。さらに、クックアップデンプンは、インスタントスターチより安価である。 また、食品の配合には乳化剤も含まれる場合がある。たとえ食品の吸油量(oil absorption)が結果的に高くなっても、本発明の方法の効果は顕著である。脂肪が乳化剤としてよく用いられる。食品において用いられる一般的な乳化剤には、Myvatex Mighty Soft等のモノグリセリドおよびトリグリセライドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 食品の配合は、さらに他の材料を含むことが可能であり、塩、ポテトグラニュール(potato granule)、ポテトフレーク、調味料、着色剤が例示されるが、これらに限定されるものではない。 本発明の方法によれば、クックアップデンプンもしくはインスタントスターチのどちらか、またはクックアップデンプンおよびインスタントスターチの両方が、疎水性デンプンにより置換され得る。また、ポテトフレーク、ポテトグラニュール、またはオクテニルコハク酸デンプン等の他のデンプン等の他の材料を(部分的に)置換することも可能である。食品の総デンプン含有量は、好ましくは、疎水性デンプンを含まない元の食品の総デンプン含有量と同様である。 食品の調製においては、食品配合の種々の材料が通常混合される。この混合は、例えばブレンダーにより実行することができる。その後、混合された材料は、油で揚げる食品を形成するために押し出され得る。押出工程は、製品を形成するためだけでなく、デンプンを「調理する」ためにも行われる。 更なる局面において、本発明は、本発明の方法により得られる食品に関する。このような食品は、典型的にはポテトチップス等のスナック食品である。これらの食品は、普通の食品よりも、油で揚げる間の脂肪の吸収が少ない。 別の局面においては、本発明は、本明細書において上記した油の吸収の低減剤としての疎水性デンプンの使用に関する。 また、本発明は、肥満を治療するための薬剤の製造における、本明細書上記の疎水性デンプンの使用に関する。 本発明は、以下の実施例で例示されるが、いかなる形であれ本発明を限定するものとして解釈されてはならない。実施例置換度の測定 置換度(DS)は、グルコース単位1モル当たりのエステルのモル量として規定される。置換度は、以下の手順に従って測定される。 生成物(乾燥物質)約10gおよびメタノール10mLを混合する。混合液を水50mLに注ぐ。懸濁液を攪拌し、フェノールフタレインの50重量%エタノール溶液を数滴加える。 懸濁液を0.1N NaOH水溶液で薄い赤色になるまで滴定する。次いで、0.1N NaOH水溶液25.00mLを加える。混合液を40℃で24時間攪拌し、その後、混合液を室温まで冷却して、0.1N HCl水溶液で無色になるまで滴定する。エステル置換生成物に加えて、非置換生成物もまた、対照として測定する。DSは下記式で計算する:式中、 A=生成物の0.1N HCl(mL)-対照の0.1N HCl(mL)であり; B=生成物(乾燥物質)(mg)であり;および、 Y=210(置換基がオクテニルコハク酸エステルであるならば)、または、 Y=266(置換基がドデセニルコハク酸エステルもしくはテトラプロペニルコハク酸無水物であるならば)である。実施例1 混合物は、表1の押出製法に従って、調製されて、Berstorff ZE-25の二軸スクリュー(twin-screw)押出機で押し出された。Paselli Pは、ドラム乾燥された架橋ジャガイモデンプンである。Paselli MC150は、ドラム乾燥されたOSAデンプンである。また、表1に押出機による加工条件も示す。押出し後、ペレットを9.5〜10重量%の水分含量になるように乾燥し、次いで、190℃で10秒間油で揚げた。揚げたペレットの油含有量は、公知の量の粉砕したペレットを石油エーテルを用いて還流することで測定された。油含有量は、重量測定の原理に基づいて算出される。表1に結果を示す。結果は、クックアップデンプンが無水オクテニルコハク酸で改変されたデンプンで置換される場合に、油の吸収が有意に減少することを示す。例えば、試料1の油含有量224mg/gから油含有量160mgへの低減は、28.6%の低減に相当する。実施例2 試料5〜8の調製のために、押出機のスクリューの構成を変え、かつ1%の乳化剤(Myvatex Mighty Soft)を食品の配合に加えた。正確な配合および加工条件を表2に示す。乾燥ペレットを再度油で揚げ、揚げたペレットの油含有量を測定した。表2の結果は、無水オクテニルコハク酸で改変されたデンプンの含有量の増加とともに、油の含有量が減少することを示す。実施例3 次に、1〜5重量%の幅で変動するHV041221(クックアップジャガイモOSAデンプン)を用いて試料9〜11を調製した。詳細を表3に示す。油で揚げたペレットの油含有量の測定結果は、無水オクテニルコハク酸で改変されたクックアップデンプンの機能性と同様であることを実証する。吸油量は、無水オクテニルコハク酸で改変された5%のクックアップデンプンが食品の配合に加えられる場合に、約22%低減する。実施例4 本実施例は、疎水性デンプンの添加が油の吸収を低減するために必要であり、かつ、他のデンプン誘導体がこの機能性を有していないことを実証する。正確な配合および加工条件を表4に示す。SnackTex Cl00は、ドラム乾燥されたアミロペクチンジャガイモデンプンである。Perfectamyl ACは、アセチルクックアップジャガイモデンプンである。Farinex VA 15は、架橋ヒドロキシプロピルジャガイモデンプンである。結果は、配合において2%の無水オクテニルコハク酸で改変されたデンプンが用いられる場合、油の吸収は有意に低くなることを示す。 種々の試料の官能的評価を表5に示す。疎水性デンプンは、食品の官能的特性にほとんど影響しないと結論付けることができる。 4〜24個の炭素原子を有するアルキル鎖またはアルケニル鎖を含む疎水性物質とデンプンを反応させることにより得られる疎水性デンプンにより、または、これを添加することにより、食品材料中のクックアップデンプン(cook-up starch)および/またはインスタントスターチを部分的に置換する工程を含む、油で揚げる間の食品の油の吸収を低減するための方法。 食品が、クックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチを含む食品である、請求項1に記載の方法。 疎水性デンプンがアルキルコハク酸デンプンまたはアルケニルコハク酸デンプンである、請求項1または2に記載の方法。 アルキルコハク酸デンプンまたはアルケニルコハク酸デンプンが、オクテニルコハク酸デンプン、ノニルコハク酸デンプン、デシルコハク酸デンプン、またはドデセニルコハク酸デンプンである、請求項3に記載の方法。 デンプンがオクテニルコハク酸デンプンである、請求項4に記載の方法。 アルキルコハク酸デンプンまたはアルケニルコハク酸デンプンの置換度(DS)が0.005〜0.5であり、好ましくは0.01〜0.1である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。 疎水性デンプンが、ジャガイモ、キャッサバ、小麦、大麦、トウモロコシ、米、エンドウ豆、または豆のデンプンである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 疎水性デンプンが、酸による分解またはデキストリン化により化学的に改変される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 疎水性デンプンが酵素的に改変される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 酵素的な改変が、グリコシルトランスフェラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、CGTase、および分枝酵素からなる群より選択される酵素の結果である、請求項9に記載の方法。 疎水性デンプンのアミロース含有量が、該デンプンの乾燥重量に基づいて、20〜70重量%であり、好ましくは30〜50重量%である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 疎水性デンプンのアミロペクチン含有量が、該デンプンの乾燥重量に基づいて、80重量%を超え、好ましくは95重量%を超える、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 疎水性デンプンが疎水性クックアップデンプンである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 食品が乳化剤を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。 最大15重量%の、好ましくは最大10重量%の、より好ましくは最大5重量%のクックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチが前記疎水性デンプンにより置換される、請求項2〜14のいずれか一項に記載の方法。 クックアップデンプンが、ジャガイモ、キャッサバ、小麦、大麦、トウモロコシ、米、エンドウ豆、または豆のデンプンである、請求項2〜15のいずれか一項に記載の方法。 前記請求項のいずれか一項に記載の方法により得られる食品。 油の吸収の低減剤としての、請求項1〜13のいずれか一項に規定される疎水性デンプンの使用。 肥満治療用の薬剤の製造のための、請求項1〜13のいずれか一項に規定される疎水性デンプンの使用。 本発明は、押し出されて油で揚げた食品の油の吸収を低減するための方法に関する。本発明の方法は、疎水性デンプンにより、またはこれを添加することにより、食品材料中のクックアップデンプンおよび/またはインスタントスターチを部分的に置換する工程を含む。その結果得られる食品は、油で揚げられる際に油を吸収する傾向が顕著に低くなることが見出された。