生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_経粘膜的組成物
出願番号:2009508671
年次:2009
IPC分類:A61K 9/34,A61K 47/38,A61K 47/32,A61K 47/36,A61K 38/11


特許情報キャッシュ

シン アマルジット シン サラブジット プスリ シヴァナンド JP 2009535397 公表特許公報(A) 20091001 2009508671 20070425 経粘膜的組成物 パナセア バイオテック リミテッド 500445631 渡辺 望稔 100080159 三和 晴子 100090217 シン アマルジット シン サラブジット プスリ シヴァナンド IN 682/MUM/2006 20060502 A61K 9/34 20060101AFI20090904BHJP A61K 47/38 20060101ALI20090904BHJP A61K 47/32 20060101ALI20090904BHJP A61K 47/36 20060101ALI20090904BHJP A61K 38/11 20060101ALI20090904BHJP JPA61K9/34A61K47/38A61K47/32A61K47/36A61K37/34 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IN2007000164 20070425 WO2007125545 20071108 23 20081217 4C076 4C084 4C076AA42 4C076AA94 4C076BB22 4C076CC14 4C076CC17 4C076CC30 4C076DD41 4C076DD67 4C076EE02 4C076EE08 4C076EE09 4C076EE30 4C076EE31 4C084AA03 4C084AA17 4C084BA44 4C084CA62 4C084MA56 4C084NA10 4C084ZA542 4C084ZA812 4C084ZC042 本発明は新規組成物、及び経粘膜的投与により、特に口腔の頬粘膜を通して活性成分を送達するための方法に関する。 頬、舌下腺、眼球、鼻腔、肺、直腸及び膣膜などの吸収粘膜を通して生物学的活性成分を経粘膜的に投与するのは、非侵襲性であること、及び肝臓/胃腸クリアランスを回避することという好都合な点がある。しかしながら、その機能性に依存して、これらの粘膜は特定の細胞生理をもち、吸収を促進するための外部刺激の非存在下では、殆どの分子に対して僅かな透過性を示すことが知見された。これらの膜を通して、活性成分、特に高分子及び複雑な薬剤(complex agent)を送達するための新規組成物及び方法に対する開発が依然として必要である。 種々の経皮的経路の中でも、頬粘膜は利用し易く、平滑筋の面積が広く、そして運動性が比較的低いので、保持力のある組成物を投与するのに適している。頬粘膜を通り抜ける吸収では、活性成分を内頸静脈を通る体循環に直接送達し、それによって初回通過代謝を回避する。粘膜は低い酵素活性も示し、胃液及び腸液中での劣化を防ぎ、そして鼻腔粘膜などの他の敏感な膜と比較して、透過促進剤及びpH調節剤に対して潜在的により耐性である。頬粘膜は、即時送達系として並びに放出制御または持続送達系としていずれも活性剤を局所並びに全身送達するのに適している。従って、本発明の目的は、モデル経粘膜的膜として頬粘膜を使用することによって、効果的で且つ活性剤を十分に送達する経粘膜的組成物を配合することである。 頬粘膜の上記の好都合な点にもかかわらず、新規組成物の開発における主な限界は、口腔細胞のバリヤ特性、唾液循環作用及び組成物を間違って飲み込むことである。 活性成分の頬及び他の経粘膜的投与のための種々の剤形は、当業界で公知である。(非特許文献1)これらは通常、フィルム、パッチ、スプレー、ロゼンジ、ガム、錠剤などが挙げられる。 「口腔パッチ」または「フィルム」なる用語は、通常、口腔粘膜に付着して、活性成分を送達する柔軟なフィルムを指す。そのようなフィルムは迅速に溶解するか、あるいはフィルムを分散させて、活性成分を即座に放出することができるか、あるいは一定時間、活性成分を放出する粘膜接着性をもつフィルムとなり得る。これらのパッチまたはフィルムは通常、成分を混合し、加熱し、押出し、乾燥し、次いで正確な量の薬剤を送達するためにシートを一定の大きさにすることによって製造する。(非特許文献2)そのような方法ではフィルムを乾燥するために比較的長時間が必要であり、乾燥条件を厳格に制御し続ける必要があり、そして通常、完成した剤形では比較的高い含水率となる。また、必要な加熱段階によって、熱感受性活性成分の配合が不可能になってしまうことがある。 頬スプレーは通常、溶媒と、場合により噴射剤と一緒に活性成分を含む。これらのスプレーは活性成分の細かい霧を作り出し、これが頬粘膜に付着して、そこから薬剤が吸収される。(特許文献1)溶媒、噴射剤を使用すると、有毒であったり、費用がかかる可能性があり、製造の間に特別な配慮が必要となる。また、この方法によって持続放出組成物を配合するのは困難である。 ロゼンジ及びガムは、これをしゃぶったり噛んだりすると活性成分を放出する。(特許文献2)(特許文献3)頬の吸収に加えて、放出された活性成分の大部分は唾液と一緒に胃腔に流れる。また製剤を噛んだりしゃぶったりする速度に依存して、放出速度は変動する。 口腔錠は製造及び配合が比較的好都合である。マトリックスタイプの錠剤は、好適な生体接着性ポリマーと、他の賦形剤に活性成分を分散させることによって製造する。粘膜を通して活性成分を最適に浸透させるために、透過促進剤を使用することが多い。しかしながら、活性成分と接着剤の間の相互作用が薬剤放出パターンを変更し、系の不安定性を引き起こすこともある。この問題に対する一つの解決策は、相互作用する成分を分離する、多層錠剤を製造することである。しかしながら、多層錠剤は層が分離する問題を起こしがちである。また、接着剤層だけが粘膜に付着しているので、反対の層の活性成分はまずこの層に入り、そしてこの層を通って移動して吸収が可能になる。あるいは、接着剤層が歯茎に貼り付いて、薬剤が唇の粘膜を通って吸収されるように、錠剤は唇の粘膜と歯茎の間の歯肉の空洞(gingival cavity)に付けなければならない。たとえば特許文献4を参照されたい。(特許文献4)この種の剤形は、貼り付ける口内の場所に制限がある。 特許文献5は、ヘパリン抗凝固剤(heparinic anticoagulant)を送達するための経粘膜的デバイスについて記載し、ここで薬剤を含むマトリックスリザーバは、マトリックスに対して周辺部に配置された外部粘膜接着性部分(outer mucoadhesive portion)によって粘膜表面と接触して保持されている。そのようなデバイスは、粘膜接着剤のシートを溶媒キャストする、特定の直径の円形シートにダイス切断する、及び一方の側に包帯のシートをラミネートすることによって製造した。ゲルマトリックス、粉末製剤または錠剤をリングの中に設置して、薬剤リザーバを形成した。そのような複雑な製造法は、通常、労働集約型であり、大規模製造では扱いにくい。 種々の口腔組成物においては上記のようなこれら全ての制限があるため、商業的に実施可能な製品は非常に少なかった。全ての側面において高効率である、即ち、優れた安定性及び有効性を提供し、多目的で、製造が容易で、利用者にとって簡単に使えて、且つ薬剤の制御及び活性成分の効果の制御を可能にする、活性成分の口腔投与(buccal administration)用の改善された組成物に対する需要がある。 本発明の目的は、経粘膜投与、好ましくは頬粘膜を通して、活性成分を投与するための新規組成物及び方法を提供することである。 本発明の目的は、製造が容易で、優れた安定性を示し、且つ製剤の柔軟性を可能にする、活性成分の経粘膜的投与用の新規組成物を提供することである。 本発明の別の目的は、投与した用量と得られた効果を正確に制御できる、活性成分の経粘膜的投与用の新規組成物を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、簡単で、投与するのが好都合であり、取り扱いが容易で、並びに患者の承諾及び薬剤服用遵守が大きく促進される、活性成分の経粘膜的投与用の新規組成物を提供することである。米国特許第5955098号米国特許第5549906号米国特許第4806356号米国特許第5,849,322号米国特許第5,639,469号Buccal Bioadhesive drug delivery−A promising option of orally less efficient drugs;Sudhakar et al,J.Cont.Rel,114,15−40,2006Polymeric Films As Vehicle For Buccal Delivery:Swelling,Mechanical,and Bioadhesive Properties;Wong et al;J Pharm Pharmaceut Sci,53−61,1999 上記目的の大部分は、本発明の組成物及び方法によって達成されることが知見された。本組成物は、二つの区画を含む活性成分を投与するための特徴的な経粘膜ディスクであり;少なくとも一種の活性成分と少なくとも一種の粘膜接着剤とは前記区画に含まれる。この経粘膜ディスクは、粘膜に適用したときに、前記区画が一般的な粘膜と接触するようなものである。 前記活性成分と前記粘膜接着剤は、別々の区画に存在するのが好ましい。 一実施態様において、経粘膜ディスクは、(単数または複数種類の)活性成分を含む内部区画と、(単数または複数種類の)粘膜接着剤を含む外部区画との二つの区画から構成される。粘膜に適用したときに、外部区画が同じ粘膜に接触し且つ付着するのと同時に、その暴露面は粘膜表面と接触して活性成分を送達するように、内部区画は、一つの表面を除いてその表面全ての周りが外部区画によって取り囲まれている。これによって外部区画の周囲の粘膜接着性「リング」が所定の位置でディスクを付着させるのと同時に、この区画から活性成分を直接吸収し易くなる。 本発明の経粘膜的ディスクは、簡単且つ商業的に実行可能な圧縮法によって製造する。このディスクは、頑丈で、その取り扱いが容易で適用し易い。またこのディスクは簡単に取り外すことができ、活性成分の所望の効果が達成されたら、粘膜から剥がすことができる。 本発明で使用される粘膜接着剤は、フェヌクリールガムとポリカルボフィルとの約1:5〜約5:1の割合の組み合わせであってもよい。この組み合わせは、組成物が所定の時間、粘膜上で原形を保つが、剥がす間は掻爬するほど強くない十分な付着力をもつように、最適の粘膜接着性を示すことが知見される。従って、本発明は、約1:5〜約5:1の割合でフェヌクリールガムとポリカルボフィルとの組み合わせを含む活性成分の経粘膜投与用組成物も提供する。 好ましい実施態様において、本発明の経粘膜ディスクは頬粘膜に適用する。 本発明は、活性成分の経粘膜投与法であって、ここで本発明の経粘膜ディスクは粘膜に適用し、治療的に有効な期間、粘膜と接触させたままにする、前記経粘膜投与法も提供する。所望の治療的効果が達成されたら、場合によりディスクは剥がすことができる。 本発明はさらに、疾病の処置及び予防の必要な患者に本発明の組成物を投与することを含む、疾病の処置及び予防法を提供する。 付記図面を使用して本発明を詳細に記載する。 本発明の目的に関して、「活性成分」なる単語は、患者で薬理学的または生物学的な効果を誘導する、天然または合成の全ての物質として定義する。そのような物質は、疾患の診断、治癒、緩和、処置若しくは予防で薬理学的活性若しくは他の直接の効果を提供するか、または身体の構造及び機能に作用することを目的とする。 本発明において開示するように、粘膜接着性の「リング」は、内部区画の暴露面を取り囲み、且つ粘膜と接触且つ付着する外部区画の領域である。(図1の表面22) 本発明中に開示のごとく、「経粘膜ディスク」とは、粘膜に適用し、経粘膜投与によって活性成分を送達するのに使用される本発明の組成物である。本組成物は所望の任意の形状及びサイズであってもよい。 以下の詳細な記載は、請求された本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の現在好ましい態様の単なる典型例である。 図1には、経粘膜投与によって、好ましくは頬粘膜を通して活性成分を送達するための本発明に従った具体的な経粘膜ディスク10が示されている。図には、一方の側に凹部16がある外部区画14をもつ全般的な概要の経粘膜ディスク10が示されている。内部区画18は、内部区画の一つの表面が暴露され、残りの面が外部区画に取り囲まれるように、凹部に収まる。この両方の区画が一緒になって単一の構築物を形成する。内部区画の暴露面20は、この経粘膜ディスクが粘膜に付着するときに、この両方の区画が粘膜と接触するように、外部区画の周囲面22と同一平面である。 この両方の区画の寸法は、投与すべき活性成分及びその用量に従って選択される。この両方の区画の長さ(即ち、円形ディスクの場合には直径)の比は、外部区画の表面22が、このディスクを粘膜に適切に付着させるのに十分な面積をもつように選択される。従って、外部区画の長さと内部区画の長さは1.1:1を超え、好ましくは1.2:1を超えるのが好ましい。ディスクの長さは好ましくは1mmから25mmを変動する。このディスクの厚さは、異物感を最小限に、且つ患者の薬剤服用順守と口当たりがよく守られるように、最小限にとどめられる。好ましくは、この厚さは約0.5mm〜約5mmである。いずれの区画の深さの比は、具体的な配合の必要性に依存して、任意の望ましい値を選択することができる。 図2は、圧縮法によって簡単に製造し得る経粘膜ディスクの別の形状の上面図を示す。最も好ましい形状は円形であり、製造の間に、両方の区画の互いの配向に関して、最小の調整が必要である。しかしながら、図2に示されているような長円(oval)、楕円、カプセル型の他の形状も等しく可能であり、本発明の範囲に含まれる。そのような形状は尖った端部がないので、圧縮の間に機械的不安定性及び圧力の不均等分布などの問題となる傾向が低い。しかしながら、種々の幾何学的形状を製造したり、異なった形状の外部と内部区画を製造するなどの、形状に対する他の変更も当業者には明らかであり、本発明の一部として考慮される。 前記内部区画は単数または複数種類の活性成分と賦形剤とを含む。活性剤はその用量及び剤形因子に依存して、ディスクの約0.1〜約99%w/w、好ましくは約1〜約90%w/wの範囲で存在する。経粘膜ディスクに配合するのに好適な活性成分としては、粘膜投与で有益な効果を示すであろうものがある。そのような活性成分としては、薬効の迅速な発現、長期作用が必要とされ、胃液若しくは腸液で分解され、嫌な味があり、唾液で分解され、体外(pre−systemic)クリアランスを受けるよううなものが挙げられる。通常、配合し得る活性成分の分類例としては、抗生物質及び抗ウイルス剤などの抗感染薬;鎮痛剤及び鎮痛剤の組み合わせ;食欲減退剤;駆虫剤;抗関節炎薬;抗ぜんそく薬;抗痙攣薬;抗鬱剤;抗糖尿病薬;止瀉薬;抗ヒスタミン剤;抗炎症薬;抗不眠症薬;鎮吐薬;抗片頭痛薬;制嘔吐剤;抗新生物薬;抗パーキンソン薬;かゆみ止め薬;抗精神病薬;解熱剤;抗痙攣剤;抗コリン作用薬;交感神経作用薬;キサンチン誘導体、カリウム及びカルシウムチャネル遮断薬、ベータ−遮断薬、アルファ−遮断薬、不整脈治療薬などの心臓血管薬;降圧剤;利尿薬及び抗利尿薬;冠状動脈、末梢及び脳血管などの血管拡張剤;中枢神経刺激薬;血管収縮薬;感冒薬;充血除去剤;エストラジオール及び他のステロイド、たとえばコルチコステロイドなどのホルモン;睡眠薬;免疫抑制薬;筋肉弛緩薬;副交感神経遮断薬;精神的刺激薬;精神刺激薬;鎮痛薬及び精神安定剤;並びに癌の疼痛処理薬がある。本発明の経粘膜ディスクによって、高分子量でも低分子量の活性剤であっても、イオン化薬剤も非イオン化薬剤のもいずれも送達することができる。 本発明の中でも特に関連するものは、タンパク質、ペプチド、多糖類、炭水化物及び、広範な初回通過代謝を示す他の薬剤である。タンパク質、ペプチド、炭水化物は通常、局所的劣化及び初回通過効果のため胃腸管から非常に少ない程度で吸収される。従って、これらは静脈内または皮下的などの非経口経路によって与えられる。しかしながら、これらの経路には不都合な点が多々ある。従って本発明の経粘膜ディスクは、そのような活性成分にとって特に好都合であろう。配合し得るタンパク質及びペプチドの例としては、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮細胞増殖因子、プロラクチン、ルリベリン(luliberin)または黄体形成ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、インスリン、メラトニン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターフェロン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオスタチン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン(polymixin)、コリスチン、チロシジン、グラミシジン並びにその合成類似体、変形物、及び薬理学的活性フラグメント、モノクローナル抗体、抗原及び炭疽菌、インフルエンザ用ワクチン類が挙げられるが、これらに限定されない。 広範な初回通過代謝を受け、且つ本発明の組成物により投与し得る他の活性成分の例としては、イソソルビドモノニトラート、イソソルビドジニトラート、ニフェジピン、プロプラノロール及びリグノカインが挙げられる。本発明の経粘膜ディスクは、麻酔剤のような局所作用をもつ活性成分、口内炎、歯痛、歯周病、細菌性及び真菌感染などを処置するための薬剤を投与するためにも使用することができる。 投与し得る薬剤の例としては、アシクロビル、アセトアミノフェン、アモキシリン、アリピプラゾール(aripiprazole)、アスピリン、ブプロピオン、ブプレノルフィン、カンプトセチン類似体、セレコキシブ、シドフォビール(cidofovir)、クロピドグレル(clopidogrel)、ダリフェナチン(darifenacin)、ダルナビール(darunavir)、デスモプレシン、ジクロフェナク、デュロキセチン、エレトリプタン(eletriptan)、エメジン(emezine)、エノキサパリン(enoxaparin)、エスゾピクロン(eszopiclone)、エトミデート(etomidate)、フェンタニル、フォンダパリヌクス、ガバペンチン(gabapentin)、グラニセトロン、ヘパリン、ホルモン及び経口避妊薬、イルベサルタン(irbesartan)、鉄サプリメント、イトラコナゾール、ケトプロフェン、レベチアセタム(levetiacetam)、リドカイン、ロペラミド、イバンドロン(ibandronic)酸、メロキシカム、メフェナム酸、メマンチン、メトホルミン、メトロニダゾール、ミコナゾール、ミソプロストール、メタキソロン(metaxolone)、モルヒネ、ネビビロール(nebivilol)、ニコチン、オロパタジン、オンダンセトロン、オキシカルバゼピン(oxcarbazepine)、オキシブチニン、オキシコドン、オキシモルホン、パリペリドン(paliperidone)、パラセタモール、ペンシクロビール(penciclovir)、ピロカルビン、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ポリドカノール、プロクロルペラジン、ケチアピン(quetiapine)、ロシグリタゾン、リバスティグミン、スフェンタニル(sufentanyl)、スマトリプタン、テガセロド(tegaserod)、サリドマイド、トルテロジン(tolterodine)、トラマドール、バルデコキシブ、ゾニサニド(zonisanide)、ゾピクロン並びにゾルピデムが挙げられるが、これらに限定されない。 内部区画は場合により、粘膜をわたって浸透物質(permeant)の流れを増加させる、透過促進剤としても公知の吸収促進剤を約0.1〜約90%w/w、好ましくは約1〜約80%w/w含むこともできる。膜透過は、経粘膜組成物の開発における多くの活性成分の律速因子である。頬粘膜の内側を覆う上皮組織は、活性成分の吸収に対して非常に効果的なバリヤである。従って、頬粘膜を通って透過させやすくする薬剤は、本発明の経粘膜ディスクで都合良く使用することができる。種々の吸収促進剤が公知である。たとえばEDTA、クエン酸、サリチル酸ナトリウムなどのキレート化剤;ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレン、23−ラウリルエーテルなどの界面活性剤;デオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウムなどの胆汁塩;オレイン酸、カプリン酸、ラウリル酸などの脂肪酸;環状尿素、シクロデキストリンなどの非界面活性剤;及びポリソルベート、アプロチニン、アゾン、アルキルグリコシド、キトサン、硫酸デキストランなどの他のものを使用することができる。透過促進剤は、活性成分の物理化学的特性、賦形剤の性質、口腔組織における毒性及び薬効などの因子に依存して選択される。相乗効果を示す場合には、透過促進剤の組み合わせも使用することができる。 本発明の経粘膜ディスクは、どんなタイプの放出プロフィールに関しても配合することができる。これは、速度制御ポリマーを使用することによって達成される。ポリマーは、単数若しくは複数種類の活性成分をブレンドするか、またはその粒子をコーティングすることによって内部区画に内蔵される。使用する成分に依存して、単数若しくは複数種類の活性成分は、内部区画を通って拡散または浸食プロセスによって放出される。このようにして粘膜またはその近傍に放出された活性成分は、活性成分の物理化学的特性及び透過促進剤の存在に依存して、種々の経路から粘膜を通して吸収される。 内部区画は、約1〜約99%w/wの速度制御性ポリマー(rate controlling polymer)を含むことができる。配合し得る好適な速度制御性ポリマーとしては、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース(cellulose acetate trimellitate)、ヒドロキシメチルプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースエステル−エーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロースのアルカリ塩、酢酸フタル酸セルロースのアルカリ土類塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなどから形成したアクリル酸ポリマー及びコポリマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及び/またはエチルメタクリレートと、エチルアクリレート、メチルアクリレート及びトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドのターポリマー、解離性カルボキシル基をもつポリマー、他の特に好ましいポリマーとのコポリマー;ポリビニルピロリドン、酢酸ポリビニル、ポリビニルアセテートフタレート(polyvinyl acetate phthalate)、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー及びエチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのビニルポリマー及びコポリマー;ポリプロピレンオキシド、及びエチレンオキシドホモポリマーなどのアルキレンオキシドホモポリマー;並びにセラック、アンモニア処理したセラック、セラック−アセチルアルコール及びセラックn−ブチルステアレートが挙げられる。 内部区画は場合により、希釈剤、フィラー、バインダー、潤滑剤、流動促進剤、フレーバー剤、甘味料、着色剤、安定剤、酵素阻害剤、滑剤及び速度制御性ポリマーなどの他の賦形剤も含むことができる。 外部区画は一面を除いて内部区画の周囲を取り囲み、活性成分が周囲に失われないようにする。これは好適な賦形剤と組み合わせて単数または複数種類の薬剤を含む。粘膜接着剤は、ディスクの約1%w/w〜約99%w/w、好ましくは約5%w/w〜約95%w/wの範囲で存在する。天然起源のものから生分解性グラフトコポリマーまでの様々な群の材料が、粘膜付着剤として公知であった。通常、これらの接着剤は親水性、たとえば水溶性または水で膨潤可能な材料であり、これは生体表面からの水を引きつける。この水の移動により、強い接着相互作用がもたらされる。水和すると、これらは粘稠流体を形成する傾向があり、これがその生体表面上での保持力を強める。粘膜接着剤として使用される分子のカテゴリーとしては、天然及び合成ポリマー、セルロース、アクリレート、カルボマー、天然ガム、ビニル誘導体及びその組み合わせが挙げられる。粘膜接着剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、グアーガム、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ペクチン、スターチ、ゼラチン、カゼイン、アクリル酸ポリマー、アクリル酸エステルのポリマー、アクリル酸コポリマー、ビニルポリマー、ビニルコポリマー、ビニルアルコールのポリマー、カルボキシビニルポリマー及びコポリマー、ビニルエステル、アルコキシポリマー、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリエーテル並びにその混合物が挙げられる。そのような好適な粘膜接着剤またはその組み合わせのいずれも、本発明の組成物中で使用することができる。 好ましい粘膜接着剤は、親水性ポリマー及び天然ガムである。好ましい親水性ポリマーの例としては、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩並びにその二種以上の混合物;ビニルポリマー、たとえばポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン;並びにアクリル酸ポリマー及びコポリマー、たとえばカルボポル(carbopol)、ポリカルボフィルなどがある。この経粘膜ディスクは、親水性ポリマー約5〜約95%w/w含むことができる。 一実施形態では、粘膜接着剤として、高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー約25〜約75%w/w、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC K4M)約30〜約70%w/wを含む。 天然ガムは天然起源の多糖類である。天然ガムの幾つかの例としては、カラギーナン、こんにゃく、アルギン酸ナトリウム、アガロース、グアー、ペクチン、トラガカント、アカシア、アラビア、デキストラン、ジェランガム、キサンタン、スクレログルカン(scleroglucan)、ヒアルロン酸、キトサン、フェヌグリークガム、ローカストビーンガムがある。経粘膜ディスクは、粘膜接着剤の目的のためにそのような天然ガム約10〜約80%w/wからなっていてもよい。天然ガムとセルロース、ビニルまたはアクリル酸ポリマーとの組み合わせ、たとえば天然ガムと親水性ポリマーとの約1:10〜約10:1の割合の組み合わせも好ましい。 天然ガム−フェヌグリークガムとアクリル酸ポリマー「ポリカルボフィル」(Noveon AA1(登録商標))との約1:5〜約5:1の割合の組み合わせは、最適の粘膜接着性を示すことが本出願人により知見された。この組み合わせによって、所望の時間、経粘膜組成物が粘膜上で原形を保つように、経粘膜組成物を十分に接着性とする。同時に粘膜接着性は、この組成物を剥がす際に粘膜を掻爬(abrasion)するほど強くはない。従って、本発明は、フェヌグリークガムとポリカルボフィルと約1:5〜約5:1の割合の組み合わせを含む活性成分の経粘膜投与用組成物も提供する。 本発明の経粘膜ディスクの特に好ましい実施形態では、外部区画は、フェヌグリークガムとポリカルボフィル(Noveon AA1(登録商標))の約1:5〜約5:1の割合の組み合わせからなる。 一実施態様では、ディスクは、フェヌグリークガム約5〜約40%w/wを約5〜約40%w/wのポリカルボフィル(Noveon AA1(登録商標))との組み合わせからなる。 外部区画は、本組成物に好適な他の賦形剤も含むことができる。たとえば、粘膜接着剤の味を隠すためのフレーバー、嵩を補うための希釈剤及び圧縮し易くするための滑剤を場合により含むことができる。 この内部区画と外部区画は、ユーザーによって区画を見分けるために、及び系を正しく適用し易くするために異なる色であってもよく、ここで内部区画は、頬粘膜に直接つける。 本発明の経粘膜ディスクは、3時間よりも長い時間、8〜10時間までも口腔中に保持されることが知見された。このディスクは、持続的にこの時間、活性成分を放出することができる。放出は、活性成分の濃度を治療範囲内に保持するのに十分に早いのと同時に飽和により損失されないように十分にゆっくりと制御することができる。 この活性成分は、粘膜にディスクをつける、及び治療的に有効な時間、このディスクを膜と接触させたままにすることによって、患者に経粘膜的に投与される。このディスクは僅かに圧迫してつけると、簡単に付く。投与した活性成分に依存して、患者は具体的な時間、ディスクを保持するように指導を受けることができる。このディスクは、投与完了後、溶解したり崩壊して、廃棄処理の必要がないように設計することができる。場合により、所望の治療効果が得られたら、ディスクを剥がし取ることができる。 長期投与用に特に有用であるが、本発明の経粘膜ディスクは、活性成分の即時投与にも使用することができる。そのような場合、崩壊剤及び溶解助剤などの賦形剤を使用して、迅速な送達を確保する。かくして、ディスクは、薬剤の即時放出及び、遅延、持続、制御、長期、パルス式または任意の他の放出型用に、また(単数または複数種類の)活性成分の即時及び変調(modified)放出の組み合わせ用に設計することができる。このようにするための方法は、当業界で公知である。 本発明の経粘膜ディスクは、工業スケールで容易に実施することができ、特別なプロセスや装置を使用する必要がない。経粘膜ディスクは、複数の圧縮段階が可能な圧縮機械組立によって製造する。そのような機械組立は通常、二つのタイプ:両方の区画を一つの機械で圧縮する場合と、内部区画を一つの機械で圧縮し、そして別の機械に移動して、そこで外部区画を内部区画の上に圧縮する場合で利用可能である。 実際には、内部区画は通常の錠剤と同様の方法で圧縮される。頑丈な錠剤を製造する殆どの配合が記載の機械に当てはまる、予め形成しておいた顆粒または直接圧縮可能な賦形剤を含む活性成分と賦形剤とのブレンドを一回のプレスで圧縮して内部区画を製造する。重量と硬度とは、次の圧縮段階への移動に耐えるのに十分な機械的安定性であるように調節する。移動は移動アームまたはカップによって自動的にすることができる。あるいは機械によっては、圧縮した内部区画を振動しているフィーダーまたはホッパーに充填し、そこから内部区画をフィーディングディスクまたはフレキシブルフィーダーチューブに供給して、第二の圧縮ダイキャビティに置く。圧縮した内部区画を第二の圧縮ダイキャビティの中心に配置する。外部区画のブレンドをダイに供給し、次いで内部区画の側部と上面の周りで圧縮する。 外部区画の組成物は、内部区画によく付着し、結合してディスクを物理的に安定させなければならない。ダイから排出した後、内部区画の膨張に適応するようにある程度の可塑性も示さなくてはならない。本発明で使用する粘膜接着剤は通常、これらの要求条件を満足し、安定且つ強固な経粘膜ディスク形成をもたらす。 同様の通常の構造をもつ組成物は、従来技術で既に議論されてきたことであった。たとえば米国特許第3,048,526号及び同第6,251,848号を参照されたい。これらは、界面活性剤を製造するため、分子を二種類の送達速度で経口投与するため、または二種類の薬剤を投与するためなどの使用について評価されてきた。そのような組成物は問題となる傾向があった。製造パラメーターは注意深く設定しなければならず、そうしなければ、コア部分が傾いて中心が外れたり、層が適切に付着しなかったり、不良品が多いことが原因の廃棄などの問題は頻繁であった。フィルムコーティング及び薬物送達用の他の改良方法の出現で、これらの組成物を使用すると不評であった。多剤送達系のフィルムコーティング及び優れた方法は、製造に関して費用効率が高く且つ簡便である。結果的にそのような構築物は、あるとしてもおよそ調査されておらず、使用されてもいない。 本発明者らは、従来技術の問題点の殆どを解決するだけでなく、本発明の目的に関して特に好適である、即ち活性成分の経粘膜投与用の新規且つ効果的な組成物及び方法を提供するために、そのような一般的な構造体を使用して改良された具体的な構成を開発した。 本発明の経粘膜ディスクの好都合な点は、内部区画の暴露面が粘膜と直接接触するように、口腔などの体腔内に設置することができる点である。これによって、外部区画の周囲の粘膜接着性「リング」が適所にディスクを付着させると同時に、活性成分がその区画から直接吸収され易くなる。患者は、所望の効果が達成されたら、ディスクを剥がすことができる。この実施は「ドース・トゥ・エフェクト(dose−to−effect)」といわれ、患者は所望の治療的効果が得られるまで用量の適用を制御することができる。痛み、偏頭痛、吐き気、乗り物酔いなどの症状では、各患者はこの症状を処置するために様々な量の薬剤が必要であり、患者は投与すべき用量を決定することができる。さらに、様々な層起源及び種の間の薬物動態特徴には幅広い変動があることは十分に立証されてきた。従って、治療的終点(end−point)を得るために必要な活性成分の量も異なる。その場合、一度活性成分の好適量を投与したら、患者はディスクを取り外すことができ、それによってそれ以上の吸収や過剰摂取を停止するように、個々の基準で容易に漸増(titrate)することができる。かくして本発明の組成物によって、投与用量と得られる効果を詳細に制御することができる。 あるいは、ディスクは、投与が完了した後、区画が溶解したり、崩壊して、廃棄の必要がないようにも設計することができる。 保持力のある経粘膜組成物の大部分、特に口腔内に配置すべき経粘膜組成物の大部分は、不適切に付着しているために活性成分が送達される前に付着部位から剥がれてしまったり、組成物を付着部位から剥がそうとすると、組成物がとても強く付着しているので上皮領域を剥離するような問題に直面する。本発明の経粘膜ディスクは、長時間十分な付着性を示し、同時に容易に剥離可能である。同様に、通常壊れやすい他の頬内フィルムやパッチとは異なり、圧縮された頑丈なディスクは取り扱い易く、投与し易い。これらの全ての特徴により、患者の承諾がより得られ易く、薬剤服用遵守が得られる。 内部区画内に活性成分が含まれると、嫌な味の活性成分でさえも投与することができる。これは、多くの活性成分の嫌な味で経口経粘膜経路により投与できないことを考慮すると、非常に好都合である。また、本発明の経粘膜ディスクによって有益に投与し得る活性成分の別のカテゴリーは、唾液によって分解するものである。そのような活性成分は通常、アミラーゼなどの酵素や唾液のpHでは不安定である。そのような成分を内部画分に配合すれば、唾液との接触が最小となり、安定性が改善される。 経粘膜ディスクは単純で、特殊な圧縮段階を除いては複雑なプロセスも装置も必要ではない。圧縮錠剤形が頑健なので、包装や輸送にも好都合である。別々の区画に活性成分と粘膜接着剤とを分離することによって、これらの間の相互作用を最小化し、安定性を高める。また内部区画に活性成分を配置することによって、粘膜を直接通して一定方向に吸収され、且つ唾液によって飲み込まれないように確保される。 経粘膜ディスクは、どんな種類の送達プロフィールにも容易に適用し得るという点で柔軟性でもある。たとえば、即時放出、持続放出、パルス放出、遅延放出及び任意の他の制御型放出に使用することができる。 口腔は歯と歯肉(または歯肉歯槽堤)により一方の側に、頬によって他方に結合した口の一部である。本発明の経粘膜ディスクの好都合な点は、この経粘膜ディスクを、歯肉部分か、頬粘膜のどちらかの口腔の実質的にどこにでも置くことができるという点である。 本発明の他の好都合な点は、用量の廃棄、系の不必要な破裂効果(burst effect)及び不具合の可能性を低下させるという点であり、これらは単純なマトリックスまたはリザーバ系と通常関連する。 in−vivo粘膜接着トライアル: 本発明の代表的な経粘膜ディスクは、頬組成物としてその粘膜接着特性と適合性に関して評価した。6人の健康な志願者を、接着、滞留時間、膨潤能、口当たりなどの特性のin−vivo評価に関して選択した。LとRと符号化された二つの組成物を各ボランティアで評価した。実施例1〜7に関して記載した一般的な製造方法を使用して組成物を製造した。組成物Lは、粘膜接着剤としてポリカルボフィルとフェヌグリークガムとの組み合わせを使用して製造した。組成物Rは、ポリカルボフィル、フェヌグリークガムとヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との組み合わせを含んでいた。内部区画は、希釈剤微結晶質セルロース、ラクトースとステアリン酸マグネシウムとを含むプラセボとして配合した。食事を摂取した後、経粘膜ディスクを頬に内部区画が面するように各ボランティアの頬内に設置し、圧力を適用して、適所に付着させた。8時間後、冷水で口をすすぎ、ディスクを取り出して研究時間を終了した。ボランティアの観察を種々の特性に関して記録し、以下に示す。 この結果は、経粘膜ディスクによって示された十分な粘膜接着特性を示している。接着性は良好で、全研究時間にわたって有効であり、最小の異物感と味のみであった。ディスクは濯ぎでは容易に剥がれず、最小の膨潤を示した。また、いずれのディスクも同程度であることが知見された。 本発明について記載してきたが、本発明に対する変更は当業者には明らかであり、それも本発明の趣旨及び範囲に含まれる。たとえば、不浸透性裏打ち層をディスクの両側(図1の表面24)に処方することができる。同様に、ディスクは外部または両方の区画に活性成分と、内部または両方の区画に粘膜接着剤とを配合するように変形することができる。ディスクは、それぞれの区画につき一つの、二種類の薬剤を送達するように適合させることもできる。また、経粘膜ディスクは、頬内投与に関して記載してきたが、経粘膜投与のどんな好適なタイプに関しても適合し、使用することができると理解すべきである。 以下の非限定的な実施例は、本発明の実施態様の説明であり、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。 内部区画の成分は、好適なブレンダー中でよくブレンドし、ステアリン酸マグネシウムにより滑らかにした。このブレンドをフラットパンチツール(flat punch tooling)を使用して回転錠剤圧縮機で圧縮して、内部区画を形成した。同様に、外部区画の内容物をブレンドし、滑らかにした。この内部区画を第二の圧縮ダイキャビティの中心に移した。外部画分のブレンドをダイに供給し、内部画分の周りを圧縮した。 製造プロセスは、上記実施例1に記載のものと同様である。 製造プロセスは、上記実施例1に記載のものと同様である。ディスクをpH6.8緩衝液、USP II型装置中で溶解試験にかけた。図3に示されている達成された溶解プロフィールは、8時間の持続放出を示す。 上記表は、本発明の6種類の異なるオンダンセトロン組成物を示す。使用した製造プロセスは実施例1のものと同様であった。代表的な組成物Aを、0.1N HCl、USP II型装置での溶解試験にかけた。図4に示されているように、組成物は迅速な放出を示し、1時間以内に殆ど完全に溶解した。 ブタ頬粘膜を使用するex vivo透過試験 本発明の組成物からの活性成分の経粘膜吸収を詳しく調べるために、切除ブタ頬粘膜を使用してフランツ(Franz)拡散セル中で透過試験を実施した。細胞中で、周口膜(buccal membrane)をクレブス(Krebs)緩衝液(pH6.6)で平衡にした。上記オンダンセトロン組成物Aをドナーチャンバ(室)に設置し、濡らした膜に付着させた。緩衝液のアリコートを一定間隔でレシーバチャンバから抜き出し、膜を通して透過したオンダンセトロン組成物量を分析した。この結果から流量値を計算した。流量は、単位面積当たりに透過した活性成分量の曲線(Q/A)V/s時間(t)である。これは膜を通して透過した活性成分量の尺度である。組成物Aの流量は15.783μg/時間/cm2であると計算され、これは本発明の組成物からオンダンセトロンがかなり透過したことを示す。 スマトリプタンの二つの典型的な組成物を表に示す。使用した製造プロセスは実施例1のものと同様であった。組成物AをUSP II型装置中、pH6.8緩衝液中で溶解試験にかけた。図5に示されているように、組成物は迅速な放出を示し、1時間で殆ど80%放出した。 ブタ頬粘膜を使用するex vivo透過研究 スマトリプタンの透過実験を実施した。方法は実施例4に記載のものと同様であった。流量は22.084μg/時間/cm2であると計算され、これは本発明の組成物からスマトリプタンがかなり透過したことを示す。 フェンタニル組成物を本発明により製造した。製造方法は実施例1と同様であった。 イリノテカン組成物は本発明により製造した。製造方法は実施例1と同様であった。 本発明の組成物は活性成分の組み合わせを送達するのにも使用することができる。たとえば、イリノテカンのようなカンプトテシン誘導体は、ロペラミド、抗嘔吐剤、たとえばオンダンセトロン、プロクロルペラジンなどの薬剤と組み合わせて与えることができる。一実施態様では、内部区画は、イリノテカンとロペラミド即時放出粒子との組み合わせを含む。ロペラミド粒子はどんどん溶解するので、イリノテカン送達のチャネルを作りだす。図1は、本発明の一般的な構造をもつ具体的な経粘膜ディスクを示す。図2は、本発明の別の形状の具体的な実施態様の上面図を示す。図3は、pH6.8緩衝液中、USP II型装置で8時間の実施例3のデスモプレッシンアセテート組成物の溶解プロフィールを示すグラフである。図4は、0.1N HCl、USP II型装置中の実施例4のオンダンセトロンの溶解プロフィールを示すグラフである。この組成物は早期放出を示し、1時間以内に殆ど完全に溶解した。図5は、pH6.8緩衝液、USP II型装置中の実施例5のスマトリプタンスクシネートの溶解プロフィールを示すグラフである。この組成物は早期放出を示し、1時間以内に活性成分のだいたい80%を放出した。 二つの区画を含む活性成分を投与するための経粘膜ディスクであって、前記区画は、少なくとも一種の活性成分と少なくとも一種の粘膜接着剤(mucoadhesive agent)とを含み、且つ前記区画は一般的な粘膜に接触させるのに適応している、前記経粘膜ディスク。 前記活性成分と前記粘膜接着剤とが別々の区画に存在する、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 少なくとも一種の活性成分を含む内部区画と、少なくとも一種の粘膜接着剤を含む外部区分とを含む請求項1に記載の経粘膜ディスクであって、前記内部区画は一つの表面を除いてその全ての表面が外部区画で取り囲まれており、前記外部区画が粘膜と接触且つ接着しているときに、前記表面は粘膜と接着させることと粘膜に活性成分を送達するのとに適応している、前記経粘膜ディスク。 前記経粘膜ディスクが圧縮により製造される、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記経粘膜ディスクが、粘膜に適用しやすく且つ除去しやすいように適応している、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記粘膜が頬粘膜である、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記活性成分が、抗感染薬、抗生物質、抗ウィルス剤、鎮痛剤、食欲減退剤、抗原性薬剤、駆虫剤、抗関節炎薬、抗ぜんそく薬、抗痙攣薬、抗鬱剤、抗糖尿病薬、止瀉薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症薬、抗不眠症薬、鎮吐薬、抗片頭痛薬、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗パーキンソン薬、かゆみ止め薬、抗精神病薬、解熱剤、抗痙攣剤、抗コリン作用薬、交感神経作用薬、キサンチン誘導体、カリウム及びカルシウムチャネル遮断薬、ベータ−遮断薬、アルファ−遮断薬、不整脈治療薬、降圧剤、利尿薬、抗利尿薬、血管拡張剤、中枢神経刺激薬、血管収縮薬、感冒薬、充血除去剤、ホルモン、睡眠薬、免疫抑制薬、筋肉弛緩薬、タンパク質、ペプチド、多糖類、炭水化物、副交感神経遮断薬、精神的刺激薬、精神刺激薬、鎮痛薬、精神安定剤、ワクチン及び癌の疼痛処理薬の群から選択される、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記活性成分が、麻酔剤、口内炎の処置薬、歯痛の処置薬、歯周病の処置薬並びに、細菌感染及び真菌感染の処置薬の群から選択される、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記活性剤が、アシクロビル、アセトアミノフェン、アモキシリン、アリピプラゾール(aripiprazole)、アスピリン、ブプロピオン、ブプレノルフィン、カンプトテシン類似体、セレコキシブ、シドフォビール(cidofovir)、クロピドグレル(clopidogrel)、ダリフェナチン(darifenacin)、ダルナビール(darunavir)、デスモプレシン、ジクロフェナク、デュロキセチン、エレクトリプタン(eletriptan)、エメジン(emezine)、エノキサパリン(enoxaparin)、エスゾピクロン(eszopiclone)、エトミデート(etomidate)、フェンタニル、フォンダパリヌクス、ガバペンチン(gabapentin)、グラニセトロン、ヘパリン、ホルモン及び経口避妊薬、イルベサルタン(irbesartan)、鉄サプリメント、イトラコナゾール、ケトプロフェン、レベチアセタム(levetiacetam)、リドカイン、ロペラミド、イバンドロン(ibandronic)酸、メロキシカム、メフェナム酸、メマンチン、メトホルミン、メトロニダゾール、ミコナゾール、ミソプロストール、メタキソロン(metaxolone)、モルヒネ、ネビビロール(nebivilol)、ニコチン、オロパタジン、オンダンセトロン、オキシカルバゼピン(oxcarbazepine)、オキシブチニン、オキシコドン、オキシモルホン、パリペリドン(paliperidone)、パラセタモール、ペンシクロビール(penciclovir)、ピロカルビン、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ポリドカノール、プロクロルペラジン、ケチアピン(quetiapine)、ロシグリタゾン、リバスティグミン、スフェンタニル(sufentanyl)、スマトリプタン、テガセロド(tegaserod)、サリドマイド、トルテロジン(tolterodine)、トラマドール、バルデコキシブ、ゾニサニド(zonisanide)、ゾピクロン並びにゾルピデムの群から選択される、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記粘膜接着剤が、セルロースポリマー及びコポリマー、ビニルポリマー及びコポリマー、並びにアクリル酸ポリマー及びコポリマーの群から選択される親水性ポリマーである、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記粘膜接着剤が天然ガムである、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記粘膜接着剤が天然ガムと親水性ポリマーとの約1:10〜約10:1の比の組み合わせである、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記粘膜接着剤がフェヌグリークガムとポリカルボフィルとの約1:5〜約5:1の比の組み合わせである、請求項12に記載の経粘膜ディスク。 前記ディスクが活性成分の短時間放出を提供する、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 前記ディスクが活性成分の調節放出を提供する、請求項1に記載の経粘膜ディスク。 フェヌグリークガムとポリカルボフィルとの約1:5〜約5:1の比の組み合わせを含む活性成分を経粘膜投与するための組成物。 活性成分を経粘膜投与するための方法であって、二つの区画を含む経粘膜ディスクを提供する、ここで前記区画は少なくとも一種の活性成分と少なくとも一種の粘膜接着剤とを含み、前記区画は一般的な粘膜と接触させるのに適応している;前記経粘膜ディスクを患者の粘膜に適用する;前記経粘膜ディスクを粘膜と治療的有効期間、接触させたままにする;及び場合により所望の治療効果が得られたら、前記経粘膜ディスクを剥がす、各段階を含む前記方法。 前記活性成分と前記粘膜接着剤が別々の区画に存在する、請求項17に記載の方法。 前記ディスクが圧縮により製造される、請求項17に記載の方法。 前記ディスクが粘膜に適用しやすく且つ除去しやすいように適応している、請求項17に記載の方法。 前記粘膜が頬粘膜である、請求項17に記載の方法。 疾患の処置及び予防法であって、請求項1に記載の経粘膜ディスクを係る処置の必要な患者に適用することを含む、前記方法。 本発明は、経粘膜投与、特に頬粘膜を通して活性成分を送達するための組成物を提供する。本組成物は、二つの区画をもつ特徴的な経粘膜ディスクであり;この区画は少なくとも一種の活性成分と少なくとも一種の粘膜接着剤とからなり、いずれの区画も粘膜と接触するのに適している。本発明は、活性成分の経粘膜投与法及び、かかる処置の必要な患者における疾病の処置法も提供する。【選択図】なし


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