タイトル: | 公表特許公報(A)_衝動調節障害を処置するためのムスカリン様アゴニスト |
出願番号: | 2009508308 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 45/00,A61P 25/00,A61K 31/5513,A61K 31/4439,A61P 25/02 |
ド・ブルイン,ナタスジヤ・エム・ダブリユー・ジエイ バン・ドリメレン,マルリース・エル ヘレマンス,アルノルデユス・エイチ・ジエイ トウルプ,マルテイヌス・テイエイチ・エム クルゼ,コルネリス・ジー JP 2010501471 公表特許公報(A) 20100121 2009508308 20070423 衝動調節障害を処置するためのムスカリン様アゴニスト ソルベイ・フアーマシユーチカルズ・ベー・ブイ 501439149 特許業務法人小田島特許事務所 110000741 ド・ブルイン,ナタスジヤ・エム・ダブリユー・ジエイ バン・ドリメレン,マルリース・エル ヘレマンス,アルノルデユス・エイチ・ジエイ トウルプ,マルテイヌス・テイエイチ・エム クルゼ,コルネリス・ジー EP 06113476.3 20060504 US 60/797,355 20060504 A61K 45/00 20060101AFI20091218BHJP A61P 25/00 20060101ALI20091218BHJP A61K 31/5513 20060101ALI20091218BHJP A61K 31/4439 20060101ALI20091218BHJP A61P 25/02 20060101ALI20091218BHJP JPA61K45/00A61P25/00A61K31/5513A61K31/4439A61P25/02 106 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2007053934 20070423 WO2007128674 20071115 17 20081030 4C084 4C086 4C084AA17 4C084MA16 4C084MA52 4C084MA55 4C084MA56 4C084MA66 4C084NA14 4C084ZA012 4C084ZA272 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC56 4C086BC85 4C086GA07 4C086GA10 4C086GA12 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA01 4C086ZA27 衝動的人間は突然の欲求によって動かされやすい。この行動は、しばしば自制の欠如に関連する。したがって、衝動性は個人ならびに社会への実質的衝撃を有する。衝動調節障害(ICD)は、人または他のものに対して有害である行為を行う衝動、欲求または誘惑に抵抗する機能の停止を特徴とする。もっとも多い症例では、個人は、行為を行う前に精神的緊張または喚起の感覚の増大を感じ、次いで、行為を行う時点で、喜び、満足または開放を経験する。行為が実行された後では、後悔または罪の意識がある場合も、またはない場合もある。 衝動調節障害は、「いずれにも分類されない(Not Elsewhere Classified)(NEC)」衝動調節障害および「別には特定されない(Not Otherwise Specified)(NOS)」衝動調節障害からなる残余の部類として、米国精神医学会の”精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and statistical Manual of Mental Disorders)”(DSM−IV)に挙げられた、精神医学的障害の別個のグループである。第1のグループは、間欠激情性障害、放火癖、盗癖、病的賭博および抜毛癖からなる。不特定の障害は、表題:「衝動調節障害NOS」の下でDSM−IVにおいて記述されているが、このグループは、「衝動調節を伴う特徴を有するいずれか特定の衝動調節障害またはいずれか他の精神障害のための基準に合致しない衝動調節の障害(例えば、境界性、反社会的、演技性および自己愛性人格障害)のための部類」として定義される。科学および特許文献において、「非典型的な衝動調節障害」とまた呼ばれる、多数のそのような衝動調節障害は、例えば:強迫的な購買障害、暴食暴飲(binge eating and binge drinking)障害、衝動性自己傷害行動、例えば病的な皮膚の摘み取り(picking)、爪を咬む癖および鼻の摘み取り、えぐり出し(gouging)、頭の強打および自己かみつきを記述しており;パラフィリア的性的嗜癖、人の性的衝動の制御欠如は、露出症、フェチシズム、フロツーリズム(frotteurism)、小児愛、マゾヒズム、サディズム、異性変装性フェチシズムおよび窃視症、ならびに強迫的なインターネット使用および過度の携帯電話の使用を含む。 衝動調節障害を罹患している患者は、心理療法、行動変容、催眠、弛緩療法および種々の製薬学的調製物の投与によって処置されてきたが、後者はほとんどまたは全く成功していない。歴史的には、衝動調節障害は、既知の薬理学的または心理療法的処置に対して難治であるとされた。したがって、ICDに関連する症候を除去または低下させることによってそれらを処置するのに効果的である作用剤についての継続しているニーズが存在する。種々の特許および特許出願では、広範な分子機構が、衝動調節障害における治療価値の存在について特許請求している:オピオイド・アンタゴニスト(特許文献1)、抗痙攣薬(特許文献2);セロトニン・アンタゴニスト(特許文献3);5−HT1Aアゴニスト(特許文献4)、セロトニン再吸収インヒビター(特許文献5)およびカンナビノイド・アンタゴニスト(特許文献6)。 ムスカリン様アゴニストは、認知障害、精神病、感情障害、躁病、および行動障害(特許文献7、8および9)のための処置として、ならびにチック症、振顫および関連障害(特許文献10)の処置のために特許請求されている。これらの障害は衝動調節障害(DSM−IV)とは全く異なる。米国特許第5,780,479号WO02/43731米国特許第2001023254号WO94/13659WO92/18005米国特許第2004/0077650号WO2006/067494WO2006/017614欧州特許第0525 879号米国特許第2004/116505号 本発明の目的は、現在、市場にある薬物の作用機構とは異なる機構を有し、そして注意および集中にネガティブ効果を与えることなく衝動性の制御を改善するすると考えられる衝動調節障害の治療のための薬物を開発することである。 驚くべきことに、ムスカリン様アゴニストは、ヒトにおける衝動性行動を予測する動物モデルにおいて活性があることが見出だされた:5−Choice−Serial−Reaction−Time研究(task)におけるラットの予想(anticipatory)応答のMK801誘導性増大の減衰、衝動性行動に関連する効果(Cole,1987;Ruotsalainen,2000)。ムスカリン様アゴニストは、経口投与後の0.1〜100mg/kgの範囲における用量において活性があり、それらの独特な薬理学的プロフィルは、衝動調節障害における治療学的潜在力を明らかに示す。 好適な実施態様では、本発明は、次のムスカリン様アゴニスト:AF−150、AF−151、アルバメリン(alvameline)、ACP−104、CDD−34、CDD−98、CDD−0097、CDD−0102、CDD−190、CDD−0199−J、CDD−0235−J、CDD−0304、セビメリン(cevimeline)、CPR−2006、CS−932、デスメチルクロザピン(desmethyclozapine)、FPL−14995、FPL−15467、KAD−193R、L−680648、L−687306、L−689660、MCNa−343、ミラメリン(milameline)、ネブラセタム(nebracetam)、NGX−267、PD−151832、サブコメリン(sabcomeline)、SDZ−210−086、SR−46559A、フマル酸タルサクリジン(talsaclidine)、タゾメリン(tazomeline)、キサノメリン(xanomeline)、YM−796およびYM−954を包含する。 ムスカリン様アゴニスト・キサノメリンの使用がもっとも好適である。 一般式(1)の本発明の化合物、ならびにそれらの薬理学的に許容できる塩は、ムスカリン性受容体作動活性を有する。それらは、間欠激情性障害、放火癖、盗癖、病的賭博、抜毛癖、強迫的な購買障害、暴食暴飲(binge eating and binge drinking)障害、衝動性自己傷害行動、例えば病的な皮膚の摘み取り(picking)、爪を咬む癖および鼻の摘み取り、えぐり出し(gouging)、頭の強打および自己かみつきを含む、衝動調節障害;露出症、フェチシズム、フロツーリズム、小児愛、マゾヒズム、サディズム、異性変装性フェチシズムおよび窃視症を含む、パラフィリア的性的嗜癖;強迫的なインターネット使用および過度の携帯電話の使用:の処置において有用である。 定義 DSM−IV:いずれにも分類されない(NOT ELSEWHERE CLASSIFIED)(NEC)衝動調節障害 間欠激情性障害(IED)は、重大な攻撃的行為または財産の破壊をもたらす攻撃性衝動に抵抗できないという個別のエピソードの発生を特徴とする疾病である。あるエピソードの間に現される攻撃性の程度は、全体的に、いずれかの立腹または落ち込ませる心理社会的刺激(precipitating psycosocial stressor)と釣り合いを失っている。診断IEDは、攻撃的行為のエピソードを説明できる他の精神障害(例えば、反社会的人格障害、境界性人格障害、精神病性障害、行為障害またはADHD)が排除された後にのみなされる。IEDでは、攻撃的エピソードは、物質(例えば、濫用された薬物または投薬)または一般的医学症状(例えば、頭部外傷)の直接的生理学的影響に因るものではない。患者は、激情性行動が緊張または喚起の感覚によって先行され、そして直ちに救済の感覚によって続行される「発作」の「一続き(spell)」として攻撃的エピソードを説明するであろう。その後、個人は、攻撃的行為について気が転倒し、深く悩み、後悔しまたは混乱しているように感じるであろう。 放火癖はまた、アルソニズム(arsonism),ピロフィリア(pyrophilia)または病的放火(fire−setting)とも呼ばれ、計画的および意図的放火という多くのエピソードの存在を特徴とする。患者は、放火前の緊張または感情の喚起を経験し、そして火事およびその状況背景への興味、それに関する好奇心またはそれに対する誘惑により魅せられることを特徴とする。この障害を有する個人は、しばしば、彼らの近隣において火事を監視する常連であり、ウソの警報を発し、そして火事に関連する施設、装置および職員を喜ばせることもある。放火癖は、火を点け、その影響を目撃するか、またはその影響を共にする時に、緊張の開放の喜び、満足を経験する。放火は、社会的政治的なイデオロギーを発現するため、犯罪活動を隠すため、怒りまたは復讐を表すため、人の生活環境を改善するため、金銭的利益のため、または妄想または幻覚に応じてするものではなく、そして放火は、判断の損傷(例えば、痴呆、精神遅滞または物質乱用)からは起きるものではない。 盗癖は、品目が、人の使用またはそれらの金銭的価値のためにたとえ必要でなくても、それらを盗む衝動に対して繰り返し抵抗することができないことを特徴とする。個人は、窃盗前の緊張の高まり行く主観的感覚を経験し、そして窃盗を犯す時には喜び、満足または救いを感じる。盗みは、怒りまたは復讐を表すために犯すものではなく、妄想または幻覚に応答してなすものでもなく、そして行為障害、躁的エピソードまたは反社会的人格障害によっては、より良く説明されない。対象物のために支払う余裕がある個人にとって、典型的には、ほとんど価値がなく、そしてそれらを放置するか、またはそれらを廃棄するという事実にも拘わらず、それらが盗まれる。患者は、即時逮捕されそうな場合には一般に盗みを避けることができるが、彼らは、通常、窃盗を前以て計画しないか、または逮捕の機会を完全には考慮しない。盗みは、他人の助けもなく、また他人との協力もなしに行われる。 病的賭博は、また、「賭博障害」または「問題賭博」として知られ、個人的、家族的または職業的遂行を破壊する持続かつ繰り返す順応不良の賭博行動を特徴とする。個人は賭博に夢中にさせられる。ほとんどの患者は、彼らが金よりも遥かに「行動」を求めていると言う。益々大きな賭金またはより高いリスクが、所望の興奮レベルを産むために継続するよう要求されるであろう。賭博は、しばしば行動を制御し、方向を変え、または停止させるための努力にも拘わらず継続する。個人は、問題から逃避する方法として、または不快な気分を軽減するために、賭博をするのかもしれない。人の損失を追い求めるパターンは、損失を元に戻すために賭博をし続ける緊急の必要性により拡大するであろう。個人は、賭博とのかかわりの程度を隠すために、家族の一員、療法士または他の者に頼るであろう。彼の借用財源が抑えられる場合には、人は、金を得るために反社会的行動(窃盗、詐欺)に訴える。個人は、賭博のために危地に陥れられるか、または有意義な関係、仕事か、または教育または職業の機会を失うかもしれない。 抜毛癖、病的な毛抜きは、「人の毛髪を引き抜く衝動に対する抵抗の繰り返し失敗が、著しい毛髪の喪失をもたらすこと」と定義される。それは、頭、まつげ、眉毛および身体の他の部分から毛を引き抜くことを特徴とする共通の障害である。抜毛癖はしばしば慢性かつ社会的に衰弱させる障害である。 DSM−IV:別には特定されない(NOT OTHERWISE SPECIFIED)(NOS)衝動調節障害 強迫的な購買障害は、また強迫的ショッピング障害、制御不能の購買とも呼ばれ、一般に、衝動調節障害として認識される。それは、盗癖とともに多くの特徴を共有する。 暴食(binge eating)障害(BED)は、一定期間思い切り食べることを特徴とし、その間は多量の食物が一定期間に消費される。過食を制御するという感覚は、不在である。暴食障害は、過食症の特徴である常時の不適当な代償行動、例えば自己誘導の嘔吐、緩下剤および他の投薬の誤使用、絶食および過度の体操、不在によって過食症とは区別される。暴飲障害は、−準用によって−暴食障害と同じである。 衝動性自己傷害行動(また反復自己断節(self−mufilation)とも呼ばれる)は、個人が引っ掻き、摘み取る(pick)、なめる(lick)ことへの衝動を制御できないことであり、あるいは傷ついた領域の繰り返し機械的刺激によって自己傷害を惹起することである。この行動は、異なる形態における表示となる、例えば、病的な皮膚の摘み取り(picking)(PSP)、即ち重大な罹患、機能不全および例えば顔面皮膚傷害の形態における外観の損傷をもたらす重度かつ慢性の精神医学的および皮膚学的問題;病的爪を咬むこと(爪咬み);病的な鼻の摘み取り(rhinotillexo−mania);えぐり出し(gouging)(自己摘出(auto−enucleation)):指を使用して自分の眼を突き出す、眼窩外傷の希な重篤な形態;頭の強打および自己かみつき。 パラフィリア的性的嗜癖(色情狂、過性欲)、人の性的衝動の制御欠如は、繰り返される強い性的衝動、幻想、あるいは異例の対象物、活動または状況を伴う行動を特徴とし、そして社会的、職業的または他の重要な機能の場所における臨床的に重大な苦悩または損傷を惹起する。性欲倒錯(パラフィリア)は、露出症(性器の露出)、フェチシズム(非生物対象物の使用)、フロツーリズム(非承諾の人に対する接触と摩擦)、小児愛(思春期前の子供を焦点とする)、性的マゾヒズム(恥辱または苦痛の受け入れ)、性的サディズム(恥辱または苦痛を加えること)、異性変装性フェチシズム(衣装の交換)および窃視症(性的活動の観察)を含む。 コンピューター映像面の背後で一日に多くの時間の浪費、インターネットの検索は、十分に報われる仕事であるかもしれないが、それはまた、特に、仕事に関連せず、そして人の余暇を拘束する場合には、社会的、職業的または他の重要な機能の場所において臨床的に重大な苦悩または損傷を惹起するであろう。既に若干の臨床士は、衝動調節障害として「強迫的なインターネット使用」を挙げている。 多くの大人の目では、ほとんどのティーンエージャーは携帯電話を過度に使用している。ほとんどの若者は全く正常なものとしてこれを受け入れる。しかしながら、ある種の個人では、この行動は病的な高さまで達している。したがって、「過度の携帯電話使用」が衝動調節障害として認識され、そして薬理学的処置の手に負えないものではないことを十分に証明できると予想されるであろう。 より正確な説明を与えるために、本明細書に与えられる量的表現のあるものは、用語「約」により限定されない。用語「約」が明確に使用されてもまた不明確に使用されても、本明細書に与えられるどの量も、実際に与えられた値を指すことが意味され、そしてまた、それは、そのような与えられた値についての実験および/または測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技術に基づいて合理的に推定できるそのような与えられた値に対する近似値を指すことを意味すると理解される。 本明細書の説明および請求項を通じて、用語「含む(comprise)」、および用語の改変物、例えば「comprising」および「comprises」は他の添加物、成分、整数または段階を排除することを意図していない。 本明細書で使用されるように、用語「組成物」は、予定された量または比率において特定成分を含んでなる生産物、ならびに特定量における特定成分を組み合わせることから直接または間接的にもたらされるすべての生産物を包含する。製薬学的組成物に関して、この用語は、1種以上の有効成分および不活性な成分を含む任意の担体を含んでなる生産物、ならびにいずれか2種以上の成分の組み合わせ、複合または凝集から、または1種以上の成分の解離から、または1種以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から、直接または間接的にもたらされるすべての生産物を包含する。一般に、製薬学的組成物は、液状担体または微粉砕固形担体または両方とともに有効成分を均一かつ緊密にもたらし、次いで、必要であれば、その生産物を所望の調合物に成形することによって製造される。製薬学的組成物は、疾病の進行または症状に所望の効果を生むのに十分な活性のある目的化合物を含む。したがって、本発明の製薬学的組成物は、本発明の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することによって作成されるすべての組成物を包含する。「製薬学的に許容できる」とは、それは、担体、希釈剤または添加物が調合物の他の成分と適合されねばならず、そしてそれの受容者に有害ではないことが意味される。 ムスカリン様アゴニストについて測定された結合親和力から、理論的に最低の有効用量が評価できる。測定されたKi値と同等ないし2倍の化合物の濃度において、ムスカリン性受容体のほぼ100%が本化合物によって占有できると考えられる。その濃度を患者の1kgについて化合物のmgに変換することによって、人は、理想的な生物利用度(bioavailability)と考えられる理論的に最低の有効用量を得る。薬動力学的(pharmacokinetic)、薬力学的(pharmacodynamic)および他の考慮が、実際に投与される用量を、より高いまたはより低い値まで変えるであろう。投与される化合物の用量は、関連する指示、患者の年齢、体重および性別により異なり、そして医師によって決定されてもよい。好ましくは、用量は0.01mg/kg〜10mg/kgの範囲内である。有効成分の典型的ない1日用量は、広い範囲内で変わり、そして関連する指示、投与経路、患者の年齢、体重および性別のような種々のファクターにより異なり、そして医師によって決定されてもよい。一般に、経口および非経口用量は、総有効成分の1日当たり0.1〜1,000mgの範囲内であろう。 本明細書で使用されるように、用語「治療学的に有効な量」は、本発明の組成物を投与することによって処置できる、症状を処置または予防する治療学的作用物の量を指す。この量は、組織系、動物またはヒトにおいて検出できる治療、予防または改善応答を発揮するのに十分な量である。その効果は、例えば、本明細書に挙げられる症状を処置または予防することを含んでもよい。患者のための正確な有効量は、患者のサイズおよび健康、処置されている症状の性質および程度、処置する医学士(研究者、獣医師、医師または他の療法士)の推薦、および投与のために選ばれる治療剤または治療剤の組み合わせに依存するであろう。かくして、予め正確な有効量を特定することは有用ではない。本明細書で使用されるように用語「処置」は、哺乳動物、好ましくはヒトの症状または疾病のすべての処置を指し、そして(1)その疾病に罹りやすいが、それを有しているとまだ診断されてない被験者において疾病または症状を発症から予防すること、(2)疾病または症状を抑制する、すなわちその発達を止めること、(3)疾病または症状を軽減する、すなわち症状を退行させること、または(4)疾病の症候を停止すること:を含む。本明細書で使用されるように、用語「医学的治療(medical therapy)」は、ヒトまたは他の動物においてインビボまたはエクスビボで実施される予防的、診断的および治療的療法を含むことを意図する。本明細書で使用されるように、用語「被験者」は、処置、観察または実験の対象であった動物、好ましくは哺乳動物、もっとも好ましくはヒトを指す。 例1:動物研究において使用される調合物 皮下(s.c.)投与では:ガラスチューブ中MK801の所望の量(0.05mg/ml)に対して、若干のガラスビーズが添加され、そしてその物質が20秒間回転されることによって粉砕された。溶媒(生理食塩水0.9%)の2mlの添加後、化合物は20秒間回転されることによって溶解された。溶媒の残りマイナス1mlがその溶液に添加され、20秒間回転された。次いで、pHが測定され(pH5−8)、回転された(20秒間)。最後の容量がその溶液に添加され、20秒間回転され、そして最終pHチェックが実施されて、実際のpHが記された。 腹腔内(i.p.)投与では:ガラスチューブ中デスメチルクロザピンの所望の量(5mg/ml)に対して、若干のガラスビーズが添加され、そしてその物質が20秒間回転されることによって粉砕された。水中1%メチルセルロースおよび5%マンニトールの2mlの添加後、化合物は20秒間回転されることによって懸濁された。溶媒の残りマイナス1mlがその懸濁液に添加され、20秒間回転された。次いで、pHが測定され、1.0M NaOHの1滴により設定され(pH5−8)、回転された(20秒間)。最後の容量がその懸濁液に添加され、20秒間回転され、そして最終pHチェックが実施されて、実際のpHが記された。 腹腔内(i.p.)投与では:ガラスチューブ中キサノメリンの所望の量(5mg/ml)に対して、若干のガラスビーズが添加され、そしてその物質が20秒間回転されることによって粉砕された。水中1%メチルセルロースおよび5%マンニトールの2mlの添加後、化合物は20秒間回転されることによって懸濁され、そして15分間超音波浴中に置かれた。溶媒の残りが添加される前に、懸濁液は20秒間回転された。溶媒の残りマイナス1mlがその懸濁液に添加され、20秒間回転された。次いで、pHが測定され、1.0M NaOHの5滴により設定され(pH5−8)、回転された(20秒間)。最後の容量がその懸濁液に添加され、20秒間回転され、そして最終pHチェックが実施されて、実際のpHが記された。 例2:5−Choice Serial Reaction Time研究のプロトコール 動物 体重330〜450gのオスWisterラット(Hartan,The Netherlands)は、12時間明/暗サイクル(7:00a.m.に消灯)下でペアで収容され、そして自由摂食体重の約85%にラットの体重を保つ制限量の飼料を毎日摂取する。水は自由に摂取できる。全操作はthe European Communities Council Directive of November 24th 1986(86/609 EEC)に従っている。 装置 MED associates Inc.Georgia,Vermont USからの標準5−CSRTボックスが使用される。チャンバーの曲面の壁は5個の1.6cm2 のホール(hole)、2.2cmの深さ、床レベルの上2cm、を含有する。各ホールは、頭の挿入検出のために入口を横断し、光電地を照らす赤外光電セルビームを有する。ホール毎に、黄色の刺激光が存在してもよい。食餌ディスペンサーが反対側の壁に置かれている。ボックスは28Volt、100mAのハウスライトによって照明される。5−CSRTボックスは消音室内に置かれる。装置のオンライン制御とデータ収集は、Dell Optiplex GX1 PCにおいて作動するMED−PC実験装置プログラミングシステム(Tatham,1989)によって実施される。 トレーニング ラットは、先ず、5−CSRT研究装置に動物を慣らすために、食餌ディスペンサーから補給ペレットを集めること、および5個のホールに置かれた補給物を集めることを訓練される。次に、5−CSRT研究のトレーニングが始まる。これらのセッションは、30秒間(刺激時間)ホールの1つにおける光の照明によって始まる。照明されたホール中へのラットによる応答または照明(限定ホールド60秒)後の短時間その特定のホールにおける応答が、食餌ペレットの送達、試行の終了により報われ、そして正しい応答が記録される。光刺激は、セッション中20回ホールの各々において与えられ(100回の総プレゼンテーション)、そしてプレゼンテーションの順序は無作為である。いずれか他のホールにおける応答(過失(fault)応答)またはすべての刺激プレゼンテーションおよび限定ホールドにおいて応答しないこと(脱落)は、5秒の暗い時間(時間終了)および試行の終了となる。試行の終了後、可変的な試行間の間隔が開始され(1、3、5、7または9秒)、この後次の試行が開始される。75%の正確な遂行レベルに達した時点で、光刺激の照明期間が0.5秒のプレゼンテーションまで(30秒から20、10、5、2、1、0.9;0.8;0.7;0.6;0.5まで)減少され、そして5秒の限定ホールド(30から20、10および5秒まで)が達成される(Robbins,1993)。 次のパラメーターが測定された(Muir,1996):正確さ:正確な応答/なされた総応答のパーセンテージ脱落という誤り(Errors of omission):見逃された(missed)刺激プレゼンテーションの数正確な応答:正確な応答の数過失(fault)応答:誤った(wrong)ホールにおける応答の数予想(anticipatory)応答:光刺激のプレゼンテーションに先行してなされた未熟応答の数固執(persevering)応答:不正確または正確な応答後に発せられる応答。 例3:5−Choice Serial Reaction Time研究における活性 MK801が、各ラットが任意の順序において全試験用量(0、0.01、0.025および0.05mg/kg s.c.)を受けることを意味する、ラテン・ヘキサゴン(hexagon)計画において試験された。2つの異なる実験シリーズの結果が表1に与えられる: 表1のデータから、MK801が正確な応答および過失応答の数には影響しないことは明らかである。有意な効果は、予想応答、固執応答、見逃された応答の数および応答の総数において存在する:それらは、減少される見逃された応答を除いて、0.025mg/kgおよび0.05mg/kgにおいて明らかな、そして高度に有意な(*=p<0.05)効果を押し上げている。このことは、動物が衝動性行動を見せることを示している。 キサノメリン、混合ムスカリン様M1およびムスカリン性様M4アゴニスト、およびデスメチルクロザピン、ムスカリン性様M1アゴニストおよびムスカリン性様M4アンタゴニストが、各ラットが任意の順序において全試験用量(0、1、3および10mg/kg i.p.)を受けることを意味する、ラテン・ヘキサゴン計画において各々試験された。結果が表2に与えられる: 表2に示されたデータは、10mg/kgにおいてキサノメリンおよびデスメチルクロザピンが予想応答の数を低下することを表す:衝動性行動に関連する効果(Cole,1987;Ruotsalainen,2000)。 相互作用の研究 両キサノメリンおよびデスメチルクロザピンが、0.05mg/kg(s.c.)MK801、明瞭な衝動性行動を発揮することが示された用量(参照、表1)に対して同じ用量範囲において各々試験された。結果が表3に与えられる: 表3に示されたデータは、両キサノメリンおよびデスメチルクロザピンが、MK801によって誘導される予想および固執応答における増加に拮抗することを明らかに表している。 衝動調節障害の処置、改善または予防のための製薬学的組成物の製造のためのムスカリン様アゴニストの使用。 該ムスカリン様アゴニストがムスカリン様−1(M1)アゴニスト活性を有する、請求項1に記載の使用。 該ムスカリン様アゴニストが、AF−150、AF−151、アルバメリン(alvameline)、ACP−104、CDD−34、CDD−98、CDD−0097、CDD−0102、CDD−190、CDD−0199−J、CDD−0235−J、CDD−0304、セビメリン(cevimeline)、CPR−2006、CS−932、デスメチルクロザピン(desmethyclozapine)、FPL−14995、FPL−15467、KAD−193R、L−680648、L−687306、L−689660、MCNa−343、ミラメリン(milameline)、ネブラセタム(nebracetam)、NGX−267、PD−151832、サブコメリン(sabcomeline)、SDZ−210−086、SR−46559A、フマル酸タルサクリジン(talsaclidine)、タゾメリン(tazomeline)、キサノメリン(xanomeline)、YM−796およびYM−954:からなる群から選ばれる、請求項2に記載の使用。 該ムスカリン様アゴニストがキサノメリンである、請求項3に記載の使用。 該衝動調節障害が、いずれにも分類されない(Not Elsewhere Classified)衝動調節障害である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。 該衝動調節障害−NECが、間欠激情性障害、放火癖、盗癖、病的賭博および抜毛癖:である、請求項5に記載の使用。 該衝動調節障害が、別には特定されない(Not Otherwise Specified)衝動調節障害である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。 該衝動調節障害−NOSが、強迫的な購買障害、暴食暴飲(binge eating and binge drinking)障害;病的な皮膚の摘み取り(picking)、爪を咬む癖および鼻の摘み取り、えぐり出し(gouging)、頭の強打および自己かみつきを含む、衝動性自己傷害行動;露出症、フェチシズム、フロツーリズム、小児愛、マゾヒズム、サディズム、異性変装性フェチシズムおよび窃視症を含む、パラフィリア的性的嗜癖;強迫的なインターネット使用および過度の携帯電話使用であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。 本発明は、ムスカリン様、特にムスカリン様−1(M1)アゴニストである、化合物およびそれらの製薬学的に許容できる塩の新規使用に関する。これらの化合物は、衝動調節障害の処置、改善または予防のための薬物の製造のために有用である。これらは、「いずれにも分類されない(Not Elsewhere Classified)」衝動調節障害、例えば、間欠激情性障害、放火癖、盗癖、病的賭博および抜毛癖;ならびに「別には特定されない(Not Otherwise Specified)」衝動調節障害、例えば、強迫的な購買障害、暴食暴飲障害;病的な皮膚の摘み取り(picking)、爪を咬む癖および鼻の摘み取り、えぐり出し(gouging)、頭の強打および自己かみつきを含む、衝動性自己傷害行動;露出症、フェチシズム、フロツーリズム、小児愛、マゾヒズム、サディズム、異性変装性フェチシズムおよび窃視症を含む、パラフィリア的性的嗜癖;強迫的なインターネット使用および過度の携帯電話使用を含む。20080213A16333全文3 衝動調節障害の処置、改善または予防のための製薬学的組成物の製造のためのムスカリン様−1(M1)アゴニストの使用。 該ムスカリン様−1(M1)アゴニストが、AF−150、AF−151、アルバメリン(alvameline)、ACP−104、CDD−34、CDD−98、CDD−0097、CDD−0102、CDD−190、CDD−0199−J、CDD−0235−J、CDD−0304、セビメリン(cevimeline)、CPR−2006、CS−932、デスメチルクロザピン(desmethyclozapine)、FPL−14995、FPL−15467、KAD−193R、L−680648、L−687306、L−689660、MCNa−343、ミラメリン(milameline)、ネブラセタム(nebracetam)、NGX−267、PD−151832、サブコメリン(sabcomeline)、SDZ−210−086、SR−46559A、フマル酸タルサクリジン(talsaclidine)、タゾメリン(tazomeline)、キサノメリン(xanomeline)、YM−796およびYM−954:から選ばれる、請求項1に記載の使用。 該ムスカリン様−1(M1)アゴニストがキサノメリンである、請求項2に記載の使用。 該衝動調節障害が、いずれにも分類されない(Not Elsewhere Classified)衝動調節障害である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。 該いずれにも分類されない衝動調節障害が、間欠激情性障害、放火癖、盗癖、病的賭博および抜毛癖:である、請求項4に記載の使用。 該衝動調節障害が、別には特定されない(Not Otherwise Specified)衝動調節障害である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。 該別には特定されない衝動調節障害が、強迫的な購買障害、暴食暴飲(binge eating and binge drinking)障害;病的な皮膚の摘み取り(picking)、爪を咬む癖および鼻の摘み取り、えぐり出し(gouging)、頭の強打および自己かみつきを含む、衝動性自己傷害行動;露出症、フェチシズム、フロツーリズム、小児愛、マゾヒズム、サディズム、異性変装性フェチシズムおよび窃視症を含む、パラフィリア的性的嗜癖;強迫的なインターネット使用および過度の携帯電話使用であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。