タイトル: | 特許公報(B2)_環状グアニジンイオン液体 |
出願番号: | 2009502523 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07D 233/48,C07D 417/04,H01M 14/00,H01M 10/052,H01M 6/16,H01G 11/54,H01L 31/04 |
川田 敦志 田代 亜矢 熊谷 逸裕 JP 5243404 特許公報(B2) 20130412 2009502523 20080226 環状グアニジンイオン液体 新日鉄住金化学株式会社 000006644 成瀬 勝夫 100082739 中村 智廣 100087343 佐野 英一 100088203 佐々木 一也 100132230 川田 敦志 田代 亜矢 熊谷 逸裕 JP 2007055629 20070306 20130724 C07D 233/48 20060101AFI20130704BHJP C07D 417/04 20060101ALI20130704BHJP H01M 14/00 20060101ALI20130704BHJP H01M 10/052 20100101ALI20130704BHJP H01M 6/16 20060101ALI20130704BHJP H01G 11/54 20130101ALI20130704BHJP H01L 31/04 20060101ALN20130704BHJP JPC07D233/48C07D417/04H01M14/00 PH01M10/052H01M6/16 AH01G9/00 301DH01L31/04 Z C07D 233/48 C07D 417/04 H01G 11/54 H01M 6/16 H01M 10/052 H01M 14/00 H01L 31/04 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開2001−035552(JP,A) 中国特許出願公開第1491939(CN,A) 国際公開第05/075413(WO,A1) 中国特許出願公開第1970543(CN,A) T. Ouisse et al.,Journal of Applied Physics,2002年,Vol.92(5),p.2795-2802 7 JP2008053295 20080226 WO2008108221 20080912 12 20100906 磯部 洋一郎 本発明は、電気化学デバイスの電解質として有用な環状グアニジンカチオンを有する新規イオン液体に関する。 リチウム電池、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック素子、色素増感太陽電池などの電気化学デバイスで用いられる非水系電解液としては電解質をプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解させた溶液が用いられている。しかし、これら電解質溶液に用いられる有機溶媒は揮発しやすく、それ自体が危険物であるため、長期の信頼性、耐久性、安全性への問題が懸念されていた。 そこで、このような問題を解決する方法の一つとして、電解質にイオン液体を用いる方法が挙げられる。イオン液体はアニオンとカチオンの組合せからなる100℃以下の融点を有する化合物の総称であり、目的に応じたイオンの組合せにより必要な特性を発現させることが可能なことが報告されている(非特許文献1)。 電気化学デバイスで使用する電解質についてもいくつかの提案がなされている。例えば、アルキル置換イミダゾリウム塩(例えば特許文献1〜4)、4級アルキルアンモニウム塩(例えば特許文献5〜8)が例示できる。 これらのイオン液体は、前述したように目的に応じたイオンの組合せにより必要な特性の発現を行うことが可能と報告されているにもかかわらず、大半の開発において4級イミダゾリウムや脂環式4級アンモニウム、4級アルキルアンモニウム等を用いているのが現状であり、新規骨格によるブレークスルーが必要とされていた。 そこで、本発明者らは、電気化学デバイスで使用する電解質を目的とする新規骨格探索を進めた結果、グアニジン系化合物が有する化学構造上の特異性、すなわち、電子の非局在化構造に着眼した。しかしながら、これまでのグアニジン系化合物の用途は、医薬品原料や染料・塗料・写真薬原料、高分子材料への添加剤原料等であった。グアニジン系化合物の電気化学特性に関する報告としては、非環状グアニジン化合物であるテトラメチルグアニジンとブレンステッド酸の塩(特許文献9、非特許文献2)があるが、得られる塩はいずれもプロトン性化合物に限定されていた。4級グアニジン化合物についての報告として、ヘキサアルキルグアニジンをカチオンとする報告(非特許文献3)があるが、この報告では非環状4級グアニジン化合物の色素増感太陽電池への利用に関する内容に限定されていた。特開8-259543号公報特開2003-62467号公報特開平11-86905号公報特許347213号公報WO02/076924号公報特開2003-331918号公報特許2981545号公報特開2004-67543号公報特開2004-253357号公報Chem.& Eng.News,2000年5月15日号Synthetic Communication,Vol.34,pp3083-3089(2004)Appl.Phys.A, 79, 73-77(2004) 本発明は、より広い電位範囲で安定であり、高いイオン伝導性を有するイオン液体を提供することを目的とする。 そこで、本発明者らはこのような問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、環状グアニジンをカチオンとして有するイオン液体が広い電位範囲で安定であり、高いイオン伝導性を有することを見出し、本発明に到達した。 本発明は、下記式(1)で表される環状グアニジン塩からなることを特徴とするイオン液体である。 式中、R1及びR2は独立にアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、Xはメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはR3Nを示す。R3はアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基を示す。l、mは独立に1〜3の整数を示し、nは2又は3の整数を示す。Y-は一価のアニオンを示す。 また、式(1)において、Y-としては(R4SO2)2N-、R4SO3-、R4COO-、BF4-、PF6-、NO3-、(CN)2N-、(CHO)2N-、NCS-、R4OSO3-、R4SO2S-、およびハロゲンイオンから選ばれるアニオンが例示される。ここで、(R4SO2)2N-、R4SO3-、R4COO-、R4OSO3-、R4SO2S-において、R4はパーフルオロアルキル基、アルキル基または芳香族基を示す。 また、本発明は、式(2)で示される環状尿素と、式(3)で示される化合物を反応原料として使用して反応させることを特徴とする式(1)で示されるイオン液体の製造法である。(ここで、R1、R2及びnは式(1)と同じ意味を有する。)(ここで、X、l及びmは式(1)と同じ意味を有する。) ここで、式(2)で示される環状尿素と、式(3)示される化合物を反応させる際、反応促進剤を存在させること、または式(2)で示される環状尿素と反応促進剤を反応させたのち、式(3)示される化合物を反応させると反応が促進される。 また、本発明は、式(1)記載のイオン液体を含むことを特徴とする電解質である。更に、本発明は、イオン液体を含む電解質を用いることを特徴とする電気化学セルである。 本発明のイオン液体は、前記式(1)で示される環状グアニジン塩からなる。本発明のイオン液体も前記式(1)で示される。式中、R1及びR2はアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R1とR2は同一であっても良い。アルキル基としてはC1からC12のアルキル基が好ましく挙げられる。アルコキシアルキル基としては、C1からC8の低級アルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、プロピルオキシエチル基、イソピロピルオキシエチル基、イソプロピルオキシプロピル基、ブトキシエチル基、ブトキシプロピル基、ブトキシブチル基等を例示できる。 Xはメチレン基、アルコキシアルキルアミノ基、酸素原子、硫黄原子またはR3Nを示す。R3はアルキル基,アルコキシアルキル基またはアシル基を示す。R3がアルキル基またはアルコキシアルキル基である場合は、上記と同様のアルキル基またはアルコキシアルキル基が好ましく挙げられる。アルコキシアルキルアミノ基である場合についても、アルコキシアルキルは上記と同様である。R3として使用できるアシル基としてはC1からC8のアシル基が好ましく、アセチル基、エチルカルボニル基、ベンゾイル基等が例示できる。 l、m及びnはそれぞれ独立に1〜6の整数を示し、好ましくはl及びmは1〜3の整数であり、nは2又は3である。 Y-は一価のアニオンを示し、好ましくは (R4SO2)2N-、R4SO3-、R4COO-、BF4-、PF6-、NO3-、(CN)2N-、(CHO)2N-、NCS-、R4OSO3-、R4SO2S-およびハロゲンイオンから選ばれるアニオンが例示できる。ここで、R4はパーフルオロアルキル基、アルキル基または芳香族基を示す。パーフルオロアルキル基としてはC1からC8までのパーフルオロアルキル基が好ましい。アルキル基としてはC1からC12のアルキル基が好ましい。芳香族基としては、置換又は無置換の芳香族基であることができ、好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。例えば、フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルオキシフェニル基、ハロゲン化フェニル基、ニトロフェニル基、アシルフェニル基、アルコキシカルボニルフェニル基が例示できる。 式(1)で示される環状グアニジン塩は、公知の方法により製造することができるが、以下の反応式に示す方法を用いることにより効率よく製造することができる。 すなわち、式(2)で示される環状尿素化合物に対して式(3)で示される化合物を作用させることにより式(1)で示される環状グアニジン塩を得る方法である。式(2)中のR1、R2、n及び式(3)中のX、l、mは式(1)と同じ意味である。 式(2)で示される環状尿素化合物と式(3)で示される化合物を用いることによる式(1)で示される環状グアニジン塩を得る方法では、反応促進剤を使用し、式(2)で示される環状尿素化合物のカルボニル基の炭素原子に脱離基を導入することにより反応性を高くし、その後、式(3)で示される化合物を作用させることが好ましい。脱離基としては塩素、臭素の如きハロゲン原子が好ましく用いられる。例えば、式(2)で示される環状尿素化合物と反応促進剤としての塩素化剤を作用させることにより、式(2)中のカルボニル炭素への塩素化反応を行うことにより式(2)で示される環状尿素化合物の塩素化物を得、この塩素化物と式(3)で示される化合物を作用させる方法を示すことができる。式(2)で示される環状尿素化合物の塩素化反応は、通常、溶媒中、塩素化剤存在下で行われる。塩素化剤としてはオキシ塩化リン、ホスゲン、塩化チオニル等が例示できる。塩素化剤の使用量としては式(2)で示される環状尿素化合物に対して通常、理論量以上が用いられる。一方、環状尿素化合物が入手容易な場合や、塩素化剤からの反応副生物の除去等の点を踏まえ理論モル量以下で行うことが経済的に好ましい場合もある。なお、塩素化物は下記式で示される化合物と推測される。 上記反応は溶媒中で行うことが有利である。溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ニトロメタンやニトロベンゼン等の有機ニトロ化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン等のハロゲン化物等が例示できる。本塩素化反応の反応温度は通常、室温〜150℃、好ましくは50℃〜100℃である。反応時間は通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間である。 式(2)で示される環状尿素化合物に対する塩素化反応を行った後、反応混合物を式(3)で示される化合物との反応を行う場合、塩素化反応の混合物から塩素化物を単離しても良いが、塩素化反応を行った反応液に式(3)で示される化合物を加えることにより反応を行っても良い。塩素化反応後、塩素化物が反応溶媒に溶解せずに析出または相分離する場合もあるが、この際は、反応溶媒を追加することにより塩素化物を溶解させる。このとき使用できる溶媒としては、塩素化反応の際に使用した溶媒が例示できる。式(3)で示される化合物の使用量は塩素化剤の使用量に対して等モル量以上を用いられ、好ましくは1〜2.5モル量である。式(3)で示される化合物に対する反応を行う際、反応を円滑に進行させるために塩基触媒を使用しても差し支えない。使用可能な塩基触媒としては、トリエチルアミン等の3級アルキルアミン、N−メチルピロリジン等の3級脂環式アミン、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族塩基が好ましい。本反応の反応温度は通常、室温〜100℃、好ましくは30℃〜70℃である。反応時間は通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間である。 反応終了後、常法に従って処理することにより、式(1)で示される環状グアニジン塩を得ることができる。処理する方法に応じて所望のY-を得ることができるが、以下の方法を用いることにより種々のY-を有する環状グアニジン化合物塩を簡便に得ることができ好ましい。すなわち、式(2)で示される環状尿素の塩素化反応を行った後に、式(3)で示される化合物を作用させた後に、反応混合液のシリカゲル等の吸着処理を行うことにより副生物及び未反応原料を除き、その後、溶媒留去することによりCl-をアニオンとする環状グアニジン化合物塩を得た後に、必要に応じて、塩交換反応を行う方法である。塩交換の方法としては、4級アンモニウム塩等で用いられている既知の塩交換反応を行うことができる。 式(1)で表される環状グアニジン塩の好ましいカチオン部分(環状グアニジン塩からY-を除いた部分)の例を以下に示すが、これらに限定するものではない。化学式の下に記載した番号は化学式番号である。なお、好ましい環状グアニジン塩は、このカチオン部分とY-とからなる。 式(1)で示される環状グアニジン塩は、一般に低融点で高いイオン伝導性を有するため、1次及び2次のリチウムイオン電池、色素増感型太陽電池、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスの電解質として使用できる。本発明のイオン液体をこれらの用途に使用する場合は、式(1)で示される環状グアニジン塩を1種用いても良いし、2種以上を混合して使用しても差し支えない。本発明のイオン液体を、イオン液体の用途に使用する場合、イオン液体としての機能を阻害しない成分を含みうる。例えば、電気化学デバイスでの電解質として使用する場合、式(1)で示される環状グアニジン塩と、電気化学デバイスでの電解質として使用可能な他の塩と混合して使用しても良い。また、式(1)で示される環状グアニジン塩またはこの環状グアニジン塩と他の塩の混合物を溶媒に溶解して使用しても良い。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。実施例1 窒素雰囲気下、滴下漏斗と還流管を備えた三口フラスコに、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(170 mmol、 19.4g)とトルエン(50mL)を加えた。オキシ塩化リン(85mmol、 13.0g)を加え、65℃で攪拌した。1時間後、加熱を止め、フラスコを氷浴で冷却するこにより1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンの塩素化物含有溶液を得た。得られた1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンの塩素化物含有溶液に、ジクロロメタン(50mL)、続いてトリエチルアミン(170mmol、 23.6mL)を加えた。氷冷下、この溶液にピロリジン(170mmol、13.8mL)のジクロロメタン(50mL)溶液をおよそ30分かけて滴下した。滴下終了後、氷浴をはずし、55℃で攪拌した。1時間後、室温に冷却した。不溶物を濾別した後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、4,5-dihydro-1,3-dimethyl-2-(1-pyrrolidinyl)-1H-imidazolium chloride(化学式番号1のカチオンとCl-とからなる環状グアニジン塩;以下環状グアニジン塩1という)を15.9 gを淡黄色固体として得た。この固体の融点は49℃を示したため、イオン液体となる環状グアニジン塩であることがわかった。 上記で得られた環状グアニジン塩1 (5.08g、24.9mmol)をジクロロメタン100mLに溶解した。この溶液にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(7.30、 25.4mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。生成した白色沈殿を濾別し、濾液をイオン交換水で洗浄後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、活性炭を加えて室温で1時間攪拌した。活性炭を濾過で除去し、濾液を濃縮、カラムクロマトグラフィー(活性アルミナ)を用いて精製することにより、化学式番号1をカチオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとする環状グアニジン塩を淡黄色油状物として得た。1H-NMR (CDCl3);δ3.70 (s, 4H), 3.63 (t, J = 6.58, 4H), 3.06 (s, 6H), 1.96 (t, J = 6.58 Hz, 4H). 得られた環状グアニジン塩の2Mプロピレンカーボネート溶液のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定した結果を表1に示す。また、CV測定を行ったところ、電位窓はAg/Ag+に対して−2.77〜1.63vであった。実施例2〜5 ピロリジンの代わりに表2に示す化合物を反応原料として使用したほかは実施例1と同様に操作を行うことにより、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとする環状グアニジン塩を得た。得られた環状グアニジン塩の2Mプロピレンカーボネート溶液の20℃でのイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定した結果と実施例2〜5で得られた環状グアニジン塩の1H-NMR(CDCl3)の測定結果を表2に示す。実施例1〜5で得られた環状グアニジン塩はいずれもイオン液体である。実施例6 実施例1の操作にしたがって得られた環状グアニジン塩2.03g(10mmol)をジクロロメタン20mLに溶解した。この溶液にナトリウムジシアンアミド0.89g (10mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。生成した白色沈殿を濾別し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(活性アルミナ)を用いて精製することにより、化学式番号1をカチオンとしジシアンアミドをアニオンとする環状グアニジン塩を白色固体として得た。この環状グアニジン塩は融点62℃のイオン液体である。実施例7〜11 ナトリウムジシアンアミドの代わりに下記に示す原料を用いたほかは実施例6と同様に操作を行い、対応する環状グアニジン塩を得た。 実施例7:ジホルミルナトリウム 実施例8:ナトリウムチオシアネート 実施例9:ナトリウムメチルサルフェート 実施例10:ナトリウムドデカンスルホネート 実施例11:ナトリウムエタンチオスルホネート 実施例6〜11で得られた環状グアニジン塩の2Mプロピレンカーボネート溶液について20℃でのイオン伝導度を測定した結果を表3に示す。実施例6〜11で得られた環状グアニジン塩はいずれもイオン液体である。産業上の利用の可能性 本発明の環状グアニジン塩からなるイオン液体を含む電解質を用いて1次及び2次のリチウムイオン電池、色素増感型太陽電池、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスを構成することにより、低温特性及び長期安定性に優れた電気化学デバイスを得ることができる。 下記式(1)で表される環状グアニジン塩からなることを特徴とするイオン液体。 ここで、R1及びR2は独立にアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、Xはメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはR3Nを示す。R3はアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基を示す。l、mは独立に1〜3の整数を示し、nは2又は3の整数を示す。Y-は一価のアニオンを示す。 式(1)において、Y-が(R4SO2)2N-、R4SO3-、R4COO-、BF4-、PF6-、NO3-、(CN)2N-、(CHO)2N-、NCS-、R4OSO3-、R4SO2S-、およびハロゲンイオン(R4はパーフルオロアルキル基、アルキル基または芳香族基を示す)からなる群れから選ばれるアニオンであることを特徴とする請求項1記載のイオン液体。 式(2)で示される環状尿素と、式(3)で示される化合物を反応原料として用いて反応させることを特徴とする請求項1記載のイオン液体の製造法。 ここで、R1及びR2は、独立にアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、nは2または3の整数を示す。 ここで、Xはメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはR3Nを示す。R3はアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基を示す。l及びmは独立に1〜3の整数を示す。 式(2)で示される環状尿素と、式(3)示される化合物を反応させる際、反応促進剤を存在させる請求項3記載のイオン液体の製造法。 式(2)で示される環状尿素と反応促進剤を反応させたのち、式(3)示される化合物を反応させる請求項3記載のイオン液体の製造法。 請求項1記載のイオン液体を含むことを特徴とする電解質。 請求項6記載の電解質を電気化学セルの電解質として使用することを特徴とする電気化学セル。