タイトル: | 公開特許公報(A)_非侵襲グルコース計測器 |
出願番号: | 2009272706 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61B 5/00,A61B 5/1455,A61B 3/10,G01N 21/35 |
ジョナサン・ガ−リッツ JP 2010051815 公開特許公報(A) 20100311 2009272706 20091130 非侵襲グルコース計測器 ジョナサン・ガーリッツ 504039269 村山 靖彦 100108453 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 実広 信哉 100110364 グルコビスタ・エルエルシー 510016966 ジョナサン・ガ−リッツ US 60/309,604 20010802 A61B 5/00 20060101AFI20100212BHJP A61B 5/1455 20060101ALI20100212BHJP A61B 3/10 20060101ALI20100212BHJP G01N 21/35 20060101ALI20100212BHJP JPA61B5/00 NA61B5/14 322A61B3/10 RA61B3/10 ZG01N21/35 Z 17 1 2003517621 20020801 OL 9 2G059 4C038 4C117 2G059AA01 2G059AA05 2G059BB12 2G059CC16 2G059EE01 2G059EE02 2G059EE11 2G059GG01 2G059GG02 2G059GG03 2G059HH01 2G059JJ02 2G059JJ11 2G059JJ22 2G059KK01 2G059MM01 2G059MM09 4C038KK10 4C038KL05 4C038KL07 4C038KM01 4C038KX01 4C117XA01 4C117XB01 4C117XC01 4C117XD06 4C117XE36 4C117XF03 4C117XG01 4C117XP03 非侵襲グルコース計測器の問題を解決するために、ここ数十年の間数多くのシステムが提案された。 これらの装置全ての主な欠点は、SN比が非常に小さいことであり、このことは非常に大掛りな演算装置を要求し、その結果不一致でかつ再現性のない結果を招いた。特開平09−234190号公報特開平09−308623号公報特開平05−176917号公報米国特許第05776060号明細書 この発明の実施例の一つの特徴によれば、方法は、眼中の物質濃度を決定する。眼は、角膜、瞳孔、虹彩、レンズ、液体、及び網膜を有する。本方法は、第1波長を有する測定光ビームを提供する段階であって、第1波長では物質がゼロでない第1吸収係数を有する、第1波長を有する測定光ビームを提供する段階を含む。本方法はさらに、第2波長を有する基準光ビームを提供する段階であって、第2波長では物質が実質的にゼロに等しい第2吸収係数を有する、第2波長を有する基準光ビームを提供する段階を含む。本方法はさらに、測定光ビームを網膜に照射し、これにより測定光ビームを角膜、瞳孔、レンズ、及び液体を介して通過させる段階を含む。本発明はさらに、基準光ビームを網膜に照射し、これにより基準光ビームを角膜、瞳孔、レンズ、及び液体を介して通過させる段階を含む。本方法はさらに、測定光ビームの少なくとも一部を、液体、レンズ、瞳孔、及び角膜を介して、網膜から反射させ、これにより第1波長を有する測定逆反射光ビームを生成する段階を含む。本方法はさらに、基準光ビームの少なくとも一部を、液体、レンズ、瞳孔、及び角膜を介して、網膜から反射させ、これにより第2波長を有する基準逆反射光ビームを生成する段階を含む。本方法はさらに、第1波長を有する光によって照射されることに応答して測定信号を生成し、かつ、第2波長を有する光によって照射されることに応答して基準信号を生成するよう構成された検出器を提供する段階を含む。本方法はさらに、測定逆反射光ビームを検出器に照射する段階を含む。本方法はさらに、基準逆反射光ビームを検出器に照射する段階を含む。本方法はさらに、検出器からの測定信号及び基準信号に応答して、眼中の物質濃度を決定する段階を含む。 この発明の実施例の他の特徴によれば、装置は、網膜を有する眼中の物質濃度を測定する。本装置は、第1波長を有する測定光ビームを生成する測定光源を含む。物質は、第1波長の光に対してゼロでない第1吸収係数を有する。本装置はさらに、第2波長を有する基準光ビームを生成する基準光源を含む。物質は、第2波長の光に対して実質的にゼロに等しい第2吸収係数を有する。本装置はさらに、二色性コーティング層を有する光コンバイナを含む。光コンバイナは、測定光ビームの少なくとも一部が網膜から逆反射され、かつ、基準光ビームの少なくとも一部が網膜から逆反射されるように、配置可能である。本装置はさらに、逆反射測定光ビーム及び逆反射基準光ビームを受けるよう配置可能な検出器を含む。検出器は、測定信号を生成することによって第1波長を有する光に応答し、かつ、基準信号を生成することによって第2波長を有する光に応答する。本装置はさらに、検出器に結合された電気回路を含む。電気回路は、眼中の物質濃度を測定するために、測定信号及び基準信号に応答する。好ましい実施例に係る非侵襲グルコース計測器の電気光学構成の原理を示す概略図である。他の実施例に係る非侵襲グルコース計測器の電気光学構成の原理を示す概略図である。好ましい実施例に関連した電気回路を示す概略図である。 この発明の実施例の一つの目的は、優れたSN比を有し、かくして測定の安定性、再現性、及び信頼性を高める非侵襲グルコース計測器(Non−Invasive Glucose−Meter)を提供することにある。 この発明の実施例の他の目的は、ユーザが扱うのに容易でかつ扱い易く、サイズが小さく、かつ安価な非侵襲グルコース測定のためのそのような装置を提供することにある。 この発明の実施例のさらなる目的は、様々な環境、室内及び戸外で用いることができる非侵襲グルコース計測器を提供することにある。 この発明のこれら実施例の目的は、眼の特性を光学装置として用いることによって達成することができる。フォーカス手段及び焦平面を備えた各光学装置は、逆反射現象、すなわち入射光ビームが入って来た方向と同一の方向に入射光ビームが反射する現象を示す。この発明の実施例は、眼液(eye liquid)(硝子体)中のグルコース又は他の物質の濃度を決定するために、眼の逆反射特性を用いる電気光学装置を提供する。 本装置のある実施例は、眼の方向に2つの異なる波長帯域を放出するために、少なくとも2つの赤外(IR)エミッタを有する。他の実施例は、1つの広帯域エミッタと2つの狭帯域フィルタとを用いることによって、2つの異なる波長帯域を放出する。これら帯域のうち1つは、グルコースが高い吸収係数を有する波長に位置し、他の波長は基準として用いられる。基準ビームを用いると虹彩の変化が補償され、かくして様々な光条件で本装置を用いることができる。 IR検出器は、ビームスプリッタ(光コンバイナ)を用いてエミッタと同一の光学距離に配置され、かくして眼からの逆反射ビームは、検出器へ向けて戻る。 逆反射ビームはまず、角膜、眼のレンズ及び液体(硝子体)を介して眼を2回通過し、次いで網膜上にフォーカスされ、続けて眼の液体(eye liquid)、レンズ、及び角膜を介して検出器へ向けて反射される。眼の光路長が長いために、(αλx)の指数と相関関係にある吸収信号は、グルコースの濃度が低いときでさえ重要になるであろう。 吸収の大きさは、 に比例する。ここで、xは、吸収媒体を通じた光路長の長さであり、αλは、波長λにおけるグルコースの吸収係数である。 吸収媒体中の長い光学距離を進む眼からの逆反射光を用いることによって、この発明のある実施例は、以前に提案された全ての装置の主な欠点を克服するとともに、本質的に優れたSN比を有する。好ましい実施例で述べられたように、本光学装置は非常に扱い易く、かつ優れたSN比のために信号の処理がまた扱い易くかつ安価である。 図1は、本発明の好ましい実施例に係る、非侵襲グルコース計測器の電気光学構成の原理を概略的に示す。光コンバイナ1は、装置10の中央に位置している。光コンバイナ1は、4つの層:二色性コーティング2、光学ガラス25、ホログラフィックビームスプリッタ3、及びカバーガラス21から形成されている。光学ガラス25の一表面に適用される二色性コーティング2は、光源4の波長に対応した中心波長を有する。光源4,6,及び11は好ましくは、レーザダイオード、又は高出力赤外発光ダイオードである。二色性コーティング2は、IRビームのうち50〜60%が通過し、IRビームのうち40〜50%が眼13へ向けて90°の角度で反射されることを可能にする。 光コンバイナ1の光学ガラス25の他の表面上には、光源6の波長に対応した中心波長を有するホログラフィックビームスプリッタ3がある。ホログラフィックビームスプリッタは、中心波長の光ビームの50〜60%が通過し、光ビームの40〜50%が眼13へ向けて270°の角度で反射されることを可能にする。2つの光源の光ビーム18はほぼ平行なビームであり、レンズ5及び7を用いて生成される。光ビーム18は同一光路長上にあり、かつ好ましくは約2mmの直径を有する。 光ビーム18は、角膜14を通過し、虹彩22、眼のレンズ15及び眼の液体(eye liquid)16へ入り、焦点23でほぼ網膜上にフォーカスされる。ビームの一部は網膜から反射されることとなるが、網膜からの反射は同一の焦点23から生じるので、正確にビーム18の光路上を反対の方向に出てくることになる。網膜からの反射は、光コンバイナ1の方向に伝播しているビーム19で表される。ビームは眼を2回通過し、かくして吸収媒体中の光路長が長くなるとともに、吸収信号は、(αλx)の指数と相関関係になり、他のあらゆる提案された方法よりもずっと強くなるであろう。ビーム19の50〜60%はビームスプリッタ3を通過し、レンズ8の手段によってIR検出器9上にフォーカスされる。検出器は、シリコン検出器又はPbS検出器、あるいは当技術で知られているあらゆる他の種類のIR検出器とすることができる。 装置10は好ましくは、装置10によって雑音とみなされる例えば角膜からの他の反射ではなく、主に逆反射ビーム19を受けるために、眼から少なくとも100mmの距離に配置されるべきである。 光コンバイナ1の他の構成は、二色性コーティング2のみを備えた光コンバイナとすることができる。この方法では、2つの光源4及び11は、モータ12を用いることによって、光ビームを断続的に放出するために位置を変える。この変形例では、二色性コーティング2は、光源4及び11両方の波長に対して広帯域のコーティングである。 図2は、この発明の他の実施例に係る、非侵襲グルコース計測器の電気光学構成の原理を概略的に示す。この実施例では、ミニチュアランプとすることのできる一つの広帯域光源4のみが用いられる。モータ11によって駆動されるフィルタホイール(filter wheel)7が、所望の波長を選択するために用いられる。この実施例は、グルコース又は他の物質の濃度を分析するために2つ以上の波長が要求される場合に好都合である。 図3は、この発明の好ましい実施例と関連する、電気回路を概略的に示す。日本のエプソンによって製造されたEpson 6200のような中央演算処理装置(CPU)1は、本装置の動作を制御する。 回路は、電源16、好ましくはリチウム電池、を回路へ接続しているスイッチ3によって作動される。自己検査(self−check)の後、CPUは、液晶ディスプレイ(LCD)のようなディスプレイ装置2に「準備完了」と表示する。測定を実施するために、スイッチ4が作動される。次いで、CPUは、測定手順を開始する。CPUは順次、アンプ10を介して光源15、及びアンプ11を介して光源14を作動し、他の実施例ではアンプ12を介してモータ13を作動する。眼からの逆反射光信号は、IR検出器5によって電圧信号へ変換され、電圧信号はアンプ6によって増幅されるとともにフィルタ7によって濾過される。アナログ信号は、アナログ−デジタル(A/D)変換器8によってデジタル形態に転換され、CPUに格納される。2つの波長に対応する測定データを受け取った後、CPUは、吸収レベルに従って、E2PROM9に格納されている校正パラメータを用いてグルコースの濃度を計算する。結果はディスプレイ2に表示される。 同一の構成は、他の波長を用いて眼の液体中の他の物質の濃度を測定するために用いられ得る。 本発明は、ある好ましい実施例の点で説明されたが、ここで発表された特徴及び優位点の全てを与えない実施例を含む、当業者に明らかな他の実施例はまた、この発明の範囲内である。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。 1 光コンバイナ 2 二色性コーティング 3 ホログラフィックビームスプリッタ 4,6,11 光源 7 フィルタ 9 検出器 12 モータ 14 角膜 15 眼のレンズ 16 眼の液体 17 網膜 18 光ビーム 21 カバーガラス 22 虹彩 25 光学ガラス 網膜を有する眼中の物質濃度を測定する装置であって、 第1波長を有する測定光ビームを生成する測定光源であって、前記物質が前記第1波長の光に対してゼロでない第1吸収係数を有する、測定光源と; 第2波長を有する基準光ビームを生成する基準光源であって、前記物質が前記第2波長の光に対して実質的にゼロに等しい第2吸収係数を有する、基準光源と; 前記網膜から逆反射された測定光ビーム及び前記網膜から逆反射された基準光ビームを主に受けるように眼から少なくとも100mmの距離に配置可能な検出器であって、測定信号を生成することによって前記第1波長を有する光に応答し、かつ、基準信号を生成することによって前記第2波長を有する光に応答する検出器と; 前記検出器に結合された電気回路であって、前記眼中の物質濃度を測定するために前記測定信号及び前記基準信号に応答する電気回路と;を備えることを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記物質は、グルコースを含むことを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記測定光源及び前記基準光源に結合されたモータをさらに備えることを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記測定光源は、第1赤外光源を備え、前記基準光源は、第2赤外光源を含むことを特徴とする装置。 請求項4記載の装置において、 前記第1赤外光源は、レーザダイオード又は赤外発光ダイオードを含むことを特徴とする装置。 請求項4記載の装置において、 前記第2赤外光源は、レーザダイオード又は赤外発光ダイオードを含むことを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記測定光源は、広帯域光源を含み、前記基準光源は、前記広帯域光源を含むことを特徴とする装置。 請求項7記載の装置において、 前記測定光ビームは、第1バンドフィルタを介して伝播され、前記基準光ビームは、第2バンドフィルタを介して伝播されることを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記測定光ビームは、前記逆反射された測定光ビームと実質的に平行であり、前記基準光ビームは、前記逆反射された基準光ビームと実質的に平行であることを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記電気回路は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、及びディスプレイを含むことを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記電気回路はさらに、前記測定光源及び前記基準光源に結合されていることを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 二色性コーティング層を含む光コンバイナをさらに備えることを特徴とする装置。 請求項12記載の装置において、 前記光コンバイナは、光学ガラス層、ホログラフィックビームスプリッタ層、及びカバーガラス層をさらに含むことを特徴とする装置。 請求項1記載の装置において、 前記測定光ビームは、眼の角膜、レンズ及び液体を通過し、前記網膜から逆反射され、前記液体、前記レンズ及び前記角膜を通過した後で前記検出器によって受けられ、前記基準光ビームは、前記角膜、前記レンズ及び前記液体を通過し、前記網膜から逆反射され、前記液体、前記レンズ及び前記角膜を通過した後で前記検出器によって受けられることを特徴とする装置。 角膜、瞳孔、虹彩、レンズ、液体、及び網膜を有する眼中の物質であって、第1波長においてゼロでない第1吸収係数を有し、第2波長において実質的にゼロに等しい第2吸収係数を有する物質の濃度を決定する装置の作動方法であって、 前記網膜から逆反射され、前記液体、前記レンズ、前記瞳孔及び前記角膜を2回通過した前記第1波長を有する測定光ビームを主に検出する段階と、 前記網膜から逆反射され、前記液体、前記レンズ、前記瞳孔及び前記角膜を2回通過した前記第2波長を有する基準光ビームを主に検出する段階と、 検出された逆反射の前記測定光ビームに応答して測定信号を生成する段階と、 検出された逆反射の前記基準光ビームに応答して基準信号を生成する段階と、 前記測定信号及び前記基準信号に応答して、前記眼中の物質濃度を決定する段階と、を備えることを特徴とする作動方法。 請求項15に記載の作動方法において、 前記物質は、グルコースを含むことを特徴とする作動方法。 請求項15に記載の作動方法において、 検出された逆反射の前記測定光ビームと検出された逆反射の前記基準光ビームは実質的に平行であることを特徴とする作動方法。 【課題】網膜(17)を有する眼(13)中の物質濃度を測定する装置を提供する。【解決手段】本装置は、第1波長(物質がゼロでない第1吸収係数を有する)を有する測定光ビームを生成する測定光源(4)と、第2波長(物質が実質的にゼロに等しい第2吸収係数を有する)を有する基準光ビームを生成する基準光源(6)と、測定光ビームの少なくとも一部が網膜(17)から逆反射され基準光ビームの少なくとも一部が網膜(17)から逆反射されるように配置可能な光コンバイナ(1)と、逆反射測定光ビーム及び逆反射基準光ビームを受けるよう配置可能な検出器(9)とを含む。検出器(9)は、測定信号を生成することで第1波長を有する光に応答し、かつ、基準信号を生成することで第2波長を有する光に応答する。本装置は、検出器(9)に結合された電気回路を含む。電気回路は、眼(13)中の物質濃度を測定するために測定信号及び基準信号に応答する。【選択図】図1