生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アセトアミノフェン含有経口液剤
出願番号:2009235573
年次:2013
IPC分類:A61K 31/165,A61K 47/34,A61K 9/08,A61K 47/10,A61P 29/00


特許情報キャッシュ

長谷川 勧 山田 浩之 JP 2013006770 公開特許公報(A) 20130110 2009235573 20091009 アセトアミノフェン含有経口液剤 エスエス製薬株式会社 000102496 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 長谷川 勧 山田 浩之 A61K 31/165 20060101AFI20121207BHJP A61K 47/34 20060101ALI20121207BHJP A61K 9/08 20060101ALI20121207BHJP A61K 47/10 20060101ALI20121207BHJP A61P 29/00 20060101ALI20121207BHJP JPA61K31/165A61K47/34A61K9/08A61K47/10A61P29/00 4 OL 9 4C076 4C206 4C076AA11 4C076BB01 4C076CC04 4C076DD38 4C076DD43 4C076EE23 4C076FF15 4C076FF61 4C076FF70 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA31 4C206MA37 4C206MA72 4C206NA02 4C206ZB11 本発明は、アセトアミノフェンを高濃度含有する経口液剤に関する。 解熱鎮痛剤であるアセトアミノフェンは水に難溶性であり、これを配合した液剤を調製する場合、溶解性を向上させるために、通常プロピレングリコールのような溶解補助剤が使用されている。経口液剤においては、さらに他の有効成分や矯味剤等が併せて配合されることから、アセトアミノフェン自体の溶解度はさらに低下し、低温での保存中にアセトアミノフェンが結晶として析出する事態が発生する場合がある。 従って、アセトアミノフェンを高濃度で配合した液剤は、これまでに市販されておらず、高々1.53%濃度の処方液剤が知られているに過ぎない。 アセトアミノフェンの溶解性を向上させた製剤として、例えば、溶解補助剤としてプロピレングリコール、ポリエチレングリコールを用い、カフェイン類または/及び安息香酸類を配合した経口液剤が報告されているが(特許文献1)、この場合においてもアセトアミノフェンの濃度は1.3〜3W/V%である。特開平9−286724号公報 本発明は、アセトアミノフェンの溶解性が改善され、経時的変化が抑制されたアセトアミノフェンを高濃度含有する安定な経口液剤を提供することに関する。 本発明者等は、アセトアミノフェンを高濃度含有する液剤について検討したところ、ポリエチレングリコールとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとを組合せて用いた場合に、アセトアミノフェンの溶解性が改善され、アセトアミノフェンを3.1%以上の高濃度で配合した場合であっても結晶析出等の経時的変化が抑制され、安定した経口液剤が得られることを見出した。 すなわち、本発明は以下の1)〜4)に係るものである。 1)アセトアミノフェンを3.1〜17W/V%含有する液剤であって、ポリエチレングリコールを9〜32W/V%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.5〜4.6W/V%含有することを特徴とする経口液剤。 2)更にプロピレングリコールを含有する上記1)の経口液剤。 3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールがポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである上記1)又は2)の経口液剤。 4)プロピレングリコールを1〜29W/V%含有する上記2)又は3)の経口液剤。 本発明によれば、アセトアミノフェンを高濃度含有するにも拘わらず、アセトアミノフェンが冷所でも結晶析出しない、また変色も起こさない安定な液剤を得ることができる。 本発明の経口液剤は、アセトアミノフェンを3.1%以上の高濃度、具体的には3.1〜17W/V%の濃度で配合した経口液剤であり、ポリエチレングリコールとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとを組合せて配合せしめたものである。 アセトアミノフェンを3.1%以上の濃度で配合した液剤におけるアセトアミノフェンの溶解性の向上は、ポリエチレングリコールとプロピレングリコールを組み合わせることによってもある程度は可能である。しかしながら、当該溶解補助剤を用いた場合、長期保存した際に、アセトアミノフェン由来と考えられる赤色変化が生じる。しかるところ、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールをポリエチレングリコールと共に、或いはポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールをポリエチレングリコール及びプロピレングリコールと共に用いた場合には、アセトアミノフェンの溶解性が改善されると共に、当該赤色変化も抑制できる(後記実施例参照)。 本発明において、ポリエチレングリコールとしては、平均重合度が200〜1000であるポリエチレングリコール200〜1000が好ましく、ポリエチレングリコール200〜600がより好ましい。 当該ポリエチレングリコールは、アセトアミノフェンの溶解性向上の点から、液剤中9〜32W/V%の範囲で配合するのが好ましく、15〜21W/V%であるのがより好ましく、15〜18W/V%であるのがさらに好ましい。 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が3〜240であるのが好ましく、3〜200であるのがより好ましく、3〜160であるのがさらに好ましい。 また、ポリオキシプロピレン鎖の平均重合度は、9〜70であるのが好ましく、17〜67であるのがより好ましく、17〜30であるのがさらに好ましい。 好適なポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレン(3〜240)ポリオキシプロピレン(9〜70)グリコール、ポリオキシエチレン(3〜200)ポリオキシプロピレン(17〜67)グリコール等が挙げられ、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコール、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(17)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール等が挙げられ、このうち、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールがより好ましい。 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、アセトアミノフェンの溶解性向上、及び溶液の赤色変化抑制の点から、液剤中0.5〜4.6W/V%の範囲で配合するのが好ましく、1.0〜2.6W/V%とするのがより好ましい。 本発明の経口液剤には、必要に応じて、プロピレングリコールを配合することができ、この場合は、1〜29W/V%の範囲で配合するのが好ましく、13〜19W/V%とするのがより好ましい。 本発明において、アセトアミノフェンは3.1W/V%以上、例えば3.1〜17W/V%の高濃度のアセトアミノフェンを配合することが可能であるが、3.1〜6.0W/V%で使用するのが好ましい。 本発明の経口液剤のpHは、製剤安定性の点から、pH3.5〜7.0が好ましく、5.0〜6.0がより好ましい。 本発明の経口液剤には、上記成分の他、経口液剤に通常配合される成分、例えば矯味剤、甘味剤、防腐剤、保存剤、着香剤、芳香剤、清涼化剤、界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、溶剤、pH調節剤、緩衝剤、懸濁剤、粘稠剤、着色剤、安定化剤、溶解補助剤、苦味マスキング剤等を、適宜配合することができる。 また、本発明の経口液剤には、アセトアミノフェン以外の他の薬効成分を配合することも可能である。斯かる薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛薬(例えばアスピリン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン等)、鎮咳薬(例えばアロクラミド、クロペラスチン、ペンタトキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、デキストロメトルファン、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピン、メチルエフェドリン、ジメモルファン等)、交感神経興奮薬(例えばプソイドエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸フェニレフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、l−塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン等)、中枢神経興奮薬(例えばカフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等)、抗炎症薬(例えば塩化リゾチーム、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム等)、殺菌剤(例えばセチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、ポピドンヨード、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、チモール、ヨウ素・ヨウ化カリウム、フェノール、塩酸クロルヘキシジン、クレオソート、塩化ベンゼトニウム等)、制酸剤(例えば酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合物乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、烏賊骨、石決明、ボレイ、アミノ酢酸、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ロートエキス等)、健胃剤(例えばアニス実、アロエ、茴香、鬱金、烏薬、延命草、黄ごん、黄柏、黄連、加工大蒜、ガジュツ、かっ香、キナ、ホミカ、ショウキョウ、カラムス根、乾薑、枳殻、只実、桂皮、ゲンチアナ、コウジン、厚朴、呉茱萸、胡椒、コロンボ、コンズランゴ、山椒、山奈、紫蘇子、縮砂、生姜、ショウズク、青皮、石菖根、センタウリウム草、センブリ、蒼朮、蘇葉、大茴香、大黄、竹節人参、丁字、陳皮、唐辛子、トウヒ、ニガキ、ニクズク、人参、薄荷、ヒハツ、白朮、ホップ、ホミカエキス、睡菜葉、木香、益知、竜胆、良姜、クジン、ゴバイシ、サンザシ、ヨウバイヒ、赤芽柏、アセンヤク、ウバイ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、メントール、グルタミン酸塩酸塩、塩化カルニチン、塩化ベタネコールおよびマレイン酸トリメプチン)、ビタミン類(ビタミンA群、ビタミンB1群、ビタミンB2群、ビタミンB6群、ビタミンB12群、ビタミンC群、ビタミンD群、ビタミンE群、ナイアシン群、ビタミンK群、パントテン酸、ビオチン、葉酸等)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。 本発明の経口液剤の調製は、常法により行えばよいが、各配合成分と精製水等の溶剤の一部とを混合し、必要に応じて加温し、溶解し、pHや液量を調整することにより行うことができる。また、容器への充填時にヘッドスペースの窒素置換を行ったり、ろ過や滅菌処理を施しても良い。 本発明の経口液剤は、例えばドリンク剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤、リモナーデ剤、ソフトカプセル剤等の、水性内容物を保持可能なカプセル剤等の形態で使用できる。 以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例1 以下の各成分に、精製水を加えて全量100mLとなるように調製した。 尚、ポリエチレングリコールは、マクロゴール400(日油(株))を、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールはプルロニックF68((株)ADEKA)を使用した(実施例2〜15、比較例1〜12についても同様)。実施例2〜6及び比較例1 以下の表2に示す処方に従って、プロピレングリコール添加量毎によるアセトアミノフェンの溶解性を確認した。アセトアミノフェンの溶解性は、アセトアミノフェンを一定量添加し、攪拌混合した後、アセトアミノフェンの溶解性を確認することにより行った。赤色変化については25℃3か月後の赤色変化を実施例2〜6及び比較例1を用いて比較検証した。実施例7及び比較例2〜6 以下の表3に示す処方に従って、ポリエチレングリコール添加量毎によるアセトアミノフェンの溶解性および25℃3か月後の赤色変化を、前記実施例と同様に、実施例7及び比較例2〜6を用いて比較検証した。実施例8〜11及び比較例7〜12 以下の表4,5に示す処方に従って、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール添加量毎によるアセトアミノフェンの溶解性および25℃3か月後の赤色変化を、前記実施例と同様に、実施例8〜11及び比較例7〜12を用いて比較検証した。実施例12〜15 以下の表6に示す処方に従って、アセトアミノフェンの溶解性を、前記実施例と同様に、実施例12〜15を用いて比較検証した。 アセトアミノフェンを3.1〜17W/V%含有する液剤であって、ポリエチレングリコールを9〜32W/V%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.5〜4.6W/V%含有することを特徴とする経口液剤。 更にプロピレングリコールを含有する請求項1記載の経口液剤。 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールがポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである請求項1又は2記載の経口液剤。 プロピレングリコールを1〜29W/V%含有する請求項2又は3記載の経口液剤。 【課題】アセトアミノフェンの溶解性が改善され、経時的変化が抑制されたアセトアミノフェンを高濃度含有する安定な経口液剤の提供。【解決手段】アセトアミノフェンを3.1〜17W/V%含有する液剤であって、ポリエチレングリコールを9〜32W/V%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.5〜4.6W/V%含有することを特徴とする経口液剤。【選択図】なし


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