タイトル: | 公開特許公報(A)_抗酸化剤 |
出願番号: | 2009233722 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C09K 15/06,A61K 31/34,A61P 39/06,C07D 493/04,A61K 8/49,A61Q 19/00,A23L 1/30,A23L 2/52 |
薬丸 雅史 三浦 恭子 JP 2011079977 公開特許公報(A) 20110421 2009233722 20091007 抗酸化剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 薬丸 雅史 三浦 恭子 C09K 15/06 20060101AFI20110325BHJP A61K 31/34 20060101ALI20110325BHJP A61P 39/06 20060101ALI20110325BHJP C07D 493/04 20060101ALI20110325BHJP A61K 8/49 20060101ALI20110325BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20110325BHJP A23L 1/30 20060101ALI20110325BHJP A23L 2/52 20060101ALI20110325BHJP JPC09K15/06A61K31/34A61P39/06C07D493/04 101CA61K8/49A61Q19/00A23L1/30 ZA23L2/00 F 3 OL 9 4B017 4B018 4C071 4C083 4C086 4H025 4B017LC03 4B017LG04 4B017LK06 4B017LK12 4B017LL07 4B017LL09 4B018LB08 4B018LB10 4B018MD08 4B018MD32 4B018ME06 4B018MF02 4C071AA01 4C071BB01 4C071CC12 4C071DD04 4C071EE04 4C071FF14 4C071HH05 4C071LL01 4C071LL10 4C083AA032 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB172 4C083AB212 4C083AB242 4C083AB442 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC482 4C083AC582 4C083AC662 4C083AC841 4C083AC842 4C083AC852 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD202 4C083AD352 4C083AD492 4C083AD532 4C083AD572 4C083AD642 4C083AD662 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC19 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD33 4C083EE12 4C083EE17 4C086AA01 4C086AA02 4C086CA01 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA89 4C086ZB11 4C086ZC21 4H025AA12 4H025AA13 本発明は、抗酸化剤に関する。 フリーラジカルや活性酸素による生体分子、膜、組織の損傷およびそれに由来する種々の疾患について、近年強い関心が寄せられている。活性酸素種としては、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素が挙げられ、その内スーパーオキサイドとヒドロキシラジカルがラジカル種であり、特にヒドロキシラジカルは極めて反応性が高いフリーラジカルとして知られている。 これら活性酸素種が皮膚の様々な疾患、例えば、炎症、皮膚黒化、DNA損傷、シミやシワなどの老化にも密接に関与していることが分かってきた(非特許文献1)。 活性酸素種を消去する抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、カロテノイド、尿酸、ビタミンE、フラボノイド等が挙げられ、中でも反応性の高いヒドロキシラジカル消去能を有する抗酸化剤としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、チオウレア、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる(特許文献1、2、非特許文献2)。 一方、本発明者らは特許文献3、特許文献4、特許文献5において開示しているように、無水糖アルコールにシワ改善効果があることを見出している。しかしながら、その抗酸化効果についてはなんら検討がなされていなかった。特表昭61−502821号公報特開2008−266203号公報国際公開第2006/115191号パンフレット特開2008−81473号公報特開2008−81474号公報宮地 良樹著、「フレグランスジャーナル、11巻」、フレグランスジャーナル社出版、1993年11月15日、p.12−17長野 哲雄著、「ファルマシア Vol.27、No.3」、日本薬学会発行、平成3年2月10日、p.231−233 そこで本発明の課題は、より優れた抗酸化剤を提供することにある。 本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、糖アルコールの無水物が優れた抗酸化能を有し、飲食品や皮膚外用剤の抗酸化剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、下記構造式(1)で表される無水糖アルコールを有効成分とする抗酸化剤にある。 また、本発明は、前記の抗酸化剤を含有することを特徴とする飲食品組成物にある。 また、本発明は、前記の抗酸化剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤にある。 本発明の無水糖アルコールは、優れたヒドロキシラジカル消去能を有するとともに、安全性や安定性に優れた抗酸化剤である。従って、これを配合した抗酸化飲食品は、炎症、皮膚黒化、DNA損傷、シミやシワ等の老化の予防、抑制効果を発揮する。 本発明に用いられる下記構造式(1)で表される無水糖アルコールとしては、イソソルビド(1,4:3,6−Dianhydro−D−glucitol)、イソマンニド(1,4:3,6−Dianhydro−D−mannitol)等が挙げられ、これらは東京化成工業社等から市販されているものを用いることもできるし、公知の方法により糖アルコール等から合成することもできる。 得られた無水糖アルコールは、そのまま抗酸化剤として利用可能である。更に、本発明の効果を損なわない範囲で、アスコルビン酸、ビタミンE、ポリフェノール化合物等の公知の抗酸化成分と組み合わせて用いることも可能である。 本発明の無水糖アルコールは、抗酸化剤として、医薬品、医薬部外品、健康食品をはじめとする通常の飲食品類に添加して利用することができる。飲食品の剤型としては、特に制限されず種々のものとすることができ、具体的には錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末状、顆粒状、細粒状、茶状、ティーパック状、ハードカプセル、ソフトカプセル、ドリンク等とすることが可能である。 前記飲食品における無水糖アルコールの含有量は、飲食品組成物の総量を基準として、好ましくは0.001〜10質量%(以下、単に%と記する)であり、より好ましくは0.01〜5%である。この範囲内であれば、無水糖アルコールを安定に配合でき、且つ高い抗酸化効果を発揮させることができる。 尚、本発明の飲食品組成物には、上記の他に賦形剤等を適宜添加し、公知技術に従って、粉末状、細粒状、顆粒状等の剤型とすることができる。 また、本発明の無水糖アルコールは、抗酸化剤として医薬品、医薬部外品、化粧料等の皮膚外用剤に添加して利用することができる。化粧料としては、特に制限されず、皮膚化粧料やファンデーション、口紅等のメイクアップ化粧料、入浴剤等が挙げられる。また、剤型としては、特に制限されず、例えば軟膏、ローション、乳液、クリーム、パック、顆粒、パップ剤等とすることができる。 前記皮膚外用剤における無水糖アルコールの含有量は、皮膚外用剤の総量を基準として、好ましくは0.001〜10%であり、より好ましくは0.01〜5%である。この範囲内であれば、無水糖アルコールを安定に配合でき、且つ高い抗酸化効果を発揮させることができる。 尚、本発明の皮膚外用剤には、上記の他に色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。 以下、実施例及び比較例に基いて本発明を詳説する。実施例1(抗酸化力の評価) 以下の方法に従い、イソソルビド及びイソマンニドの抗酸化力をヒドロキシラジカル消去能として測定した。尚、比較化合物として、ソルビトール及びマンニトールを用いた。50mM−KH2PO4(0.4mL)、上記各化合物(0.1mL)、1.04mM−EDTA水溶液(0.1mL)、1mM塩化鉄水溶液、1mMアスコルビン酸水溶液(0.1mL)、28mMデオキシリボース水溶液(0.1mL)、10mM過酸化水素(0.1mL)の混合液を37℃で保温した。1時間後、20%トリクロロ酢酸水溶液(1mL)、0.67%チオバルビツール酸水溶液(0.5mL)を添加し、沸騰水浴中で保持し、10分後放冷し、吸光度(532nm)を測定した。そして、次式よりヒドロキシラジカル消去率を算出した。 測定結果を表1に示す。 表1より、イソソルビド及びイソマンニドは、ソルビトール及びマンニトールよりも、ヒドロキシラジカル消去能が顕著に優れていることが分かった。実施例3〜9 下記組成の本発明の抗酸化剤を含有する皮膚外用剤及び飲食品組成物を常法により製造した。いずれも、配合特性などに問題は認められなかった。実施例3(乳液) (配合成分) (配合量 %)イソソルビド 5.0ベントナイト 0.5モノステアリン酸グリセリル 1.0ステアリン酸 0.5ベヘニルアルコール 0.3コレステロール 0.3ワセリン 0.5流動パラフィン 10.0メチルポリシロキサン 1.0濃グリセリン 10.0ジプロピレングリコール 10.0N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.2キサンタンガム 0.3アスコルビン酸2−グルコシド 2.0グリチルリチン酸ジカリウム 0.2ニコチン酸アミド 1.0N−アセチルグルコサミン 0.1N−メチル−L−セリン 0.1オウバクエキス 0.2キョウニンエキス 0.1酵母エキス 0.11,2−オクタンジオール 0.2フェノキシエタノール 0.1精製水 残余実施例4(化粧水) (配合成分) (配合量 %)イソマンニド 0.5グリセリン 10.01,3−ブチレングリコール 6.0エタノール 8.0ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5アスコルビン酸 1.0クエン酸 0.1クエン酸ナトリウム 0.3精製水 残余実施例5(クリーム) (配合成分) (配合量 %)イソソルビド 0.2イソマンニド 1.0ステアリン酸 5.0ステアリルアルコール 5.0トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 4.0酢酸dl−α−トコフェロール 0.2モノステアリン酸グリセリル 3.0ジプロピレングリコール 10.01,2−ヘキサンジオール 1.0水酸化カリウム 0.2フェノキシエタノール 0.3メチルパラベン 0.1香料 適量精製水 残余実施例6(クリーム) (配合成分) (配合量 %)イソマンニド 2.0オリーブスクワラン 10.0パルミチン酸 2.0水素添加パーム核油 0.3マカデミアナッツ油 0.2メドフォーム油 0.2ホホバ油 0.1杏仁油 0.1水素添加大豆リン脂質 0.2セタノール 3.5モノパルミチン酸グリセリル 2.0濃グリセリン 10.0フェノキシエタノール 0.1カルボキシビニルポリマー 0.2水酸化カリウム 0.2精製水 残余実施例7(サンスクリーン) (配合成分) (配合量 %)イソソルビド 0.5イソマンニド 3.0メチルポリシロキサン(1.5CS) 1.0メチルポリシロキサン(2.0CS) 2.0メチルポリシロキサン(6.0CS) 1.0メチルフェニルポリシロキサン 2.0メチルシクロポリシロキサン 4.0トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン 4.0ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0イソドデカン 1.0イソヘキサデカン 2.0流動イソパラフィン 2.0イソノナン酸イソノニル 5.0スクワラン 1.0パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0酸化亜鉛 10.0酸化チタン 5.01,2−ブタンジオール 1.0フェノキシエタノール 0.3純水 残余実施例8(果汁飲料) (配合成分) (配合量 %)イソソルビド 2.0マンニトール 1.0ソルビトール 1.0キシリトール 1.0香料 1.0リンゴ果汁 残余実施例9(錠剤) (配合成分) (配合量 %)イソマンニド 1.0ビタミンC 20.0香料 1.2グアガム 0.06ショ糖脂肪酸エステル 1.5結晶セルロース 1.0粉糖 残余 本発明の無水糖アルコールを有効成分とする抗酸化剤は、優れたヒドロキシラジカル消去能を有し、且つ安全性や安定性に優れ、抗酸化を目的とした飲食品類、皮膚外用剤に安定に配合することができる。 下記構造式(1)で表される無水糖アルコールを有効成分とする抗酸化剤。 請求項1に記載の抗酸化剤を含有することを特徴とする飲食品組成物。 請求項1に記載の抗酸化剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。 【課題】より優れた抗酸化剤を提供する。【解決手段】下記構造式(1)で表される無水糖アルコールを有効成分とする抗酸化剤。【選択図】なし