タイトル: | 公開特許公報(A)_複合粒子の製造方法、複合粒子、及び、化粧料 |
出願番号: | 2009217247 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C08J 3/16,A61K 8/81,A61K 8/88,A61Q 1/00 |
石森 史高 日下 明芳 JP 2011063759 公開特許公報(A) 20110331 2009217247 20090918 複合粒子の製造方法、複合粒子、及び、化粧料 積水化成品工業株式会社 000002440 藤本 昇 100074332 薬丸 誠一 100114421 中谷 寛昭 100114432 小山 雄一 100134452 石森 史高 日下 明芳 C08J 3/16 20060101AFI20110304BHJP A61K 8/81 20060101ALI20110304BHJP A61K 8/88 20060101ALI20110304BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20110304BHJP JPC08J3/16A61K8/81A61K8/88A61Q1/00 6 OL 16 4C083 4F070 4C083AD071 4C083AD091 4C083CC11 4C083EE06 4C083FF01 4F070AA29 4F070BA08 4F070BB08 4F070DA39 4F070DB03 4F070DC02 4F070DC16 本発明は、複合粒子の製造方法、複合粒子、及び、化粧料に関する。 従来、ポリアミド樹脂は「ナイロン」などの商品名で広く知られており、その繊維は、肌に対する質感に優れていることから、ストッキングなどの肌着の素材として広く使用されている。 この人肌に対する優れた質感から、ポリアミド樹脂で形成された球状の粒子を化粧料に含有させることが行われており、例えば、100μm以下程度の平均粒子径を有する微細な球状粒子をポリアミド樹脂で作製してメークアップ化粧料などに滑らかな感触を付与させることが行われている。 ただし、ポリアミド樹脂は、優れた質感を有するものの一般的な樹脂に比べて単価が高いことから、コスト低減等を目的としてポリアミド樹脂粒子に代わる粒子の検討が従来行われている。 しかし、これまでポリアミド樹脂粒子のような質感を得られる粒子は見出されておらず、化粧料などに、ポリアミド樹脂粒子に代えて配合するのに適したものが見出されていない状況である。 例えば、下記特許文献1には、アクリル酸エステル系樹脂粒子が柔軟性に優れ化粧料に用いることでソフトな感触を得られることが記載されているが、その風合いは、やはりポリアミド樹脂粒子とは異なるものでポリアミド樹脂粒子の代替品とすることは難しい。特開2000−186017号公報 このようなポリアミド樹脂粒子の代替粒子を得ることが困難であるという問題に対して、他の材質の粒子を種粒子とし、該種粒子の表面にポリアミド樹脂を被覆して複合粒子を作製することでその触感をポリアミド樹脂粒子に近いものとさせることが考えられる。 そして、粒子どうしが接着しあって凝集粒子が形成されることを抑制しつつ個々の粒子にポリアミド樹脂を被覆するにはポリアミド樹脂を有機溶剤に溶解させたポリアミド樹脂溶液を利用する方法が考えられる。 しかし、ポリアミド樹脂は、工業的に利用し得る一般的な有機溶剤に対して僅かしか溶解しないことから、ポリアミド樹脂の質感を発揮させるために十分な厚みでポリアミド樹脂を種粒子に被覆するには多大な手間を要すると考えられており、従来、このような方法については検討がされていない。 すなわち、従来、ポリアミド樹脂粒子の質感により近い代替粒子を作製することが難しい状況となっており、したがって、化粧料にも優れた質感を付与することが難しい状況になっている。 本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ポリアミド樹脂粒子の質感により近い代替粒子を簡便に作製する方法を提供して、化粧料における質感の向上を目的としている。 上記のような問題点に関して、本発明者が鋭意検討を行ったところ、意外にも、ごく厚みの薄い状態でポリアミド樹脂による被覆を行った場合であってもポリアミド樹脂と同様の質感が複合粒子に反映されることを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、複合粒子の製造方法に係る本発明は、種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子の製造方法であって、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させて前記被覆層を形成させる工程とを実施することによって表面にポリアミド樹脂が被覆された複合粒子を製造することを特徴としている。 また、複合粒子に係る本発明は、種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子であって、表面にポリアミド樹脂が被覆されて前記被覆層が形成されており、しかも、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させる工程とが実施されて、該析出させたポリアミド樹脂によって前記被覆層が形成されていることを特徴としている。 さらに、化粧料に係る本発明は、種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子が含有されている化粧料であって、前記複合粒子として、表面にポリアミド樹脂が被覆されて前記被覆層が形成されている複合粒子が用いられており、しかも、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させる工程とが実施されて、該析出させたポリアミド樹脂によって前記被覆層が形成されている複合粒子が用いられていることを特徴としている。 本発明者は、上記のように、種粒子の表面に、比較的薄い状態でポリアミド樹脂を被覆した場合でも、その触感にはポリアミド樹脂の質感が大きく反映されることを見出した。 このような作用が発揮されるのは、ポリアミド樹脂特有の質感が、表面の官能基の存在に大きく影響されているためであると思われる。 したがって、例えば、種粒子の表面に、数分子レベルの厚みからサブミクロン程度の薄い被覆層が形成される程度でもその官能基の存在によってポリアミド樹脂特有の質感がその複合粒子に与えられ得る。 すなわち、種粒子の表面に析出させるポリアミド樹脂が少量でよいことから、この種粒子にポリアミド樹脂を被覆させるために用いるポリアミド樹脂溶液も、ポリアミド樹脂の濃度が10質量%以下となるような希薄溶液で十分であり、メタノールなどの工業的に用い易い溶媒を利用してポリアミド樹脂粒子のような質感を有する複合粒子を作製することができる。 このように、本発明によれば、ポリアミド樹脂粒子の質感により近い代替粒子を簡便に作製ことができ、ポリアミド樹脂粒子と同様の用途に用いられ得る代替粒子を得ることができる。 したがって、ポリアミド樹脂粒子の代替品を利用しながらも化粧料に対する質感の向上を図り得る。製造例2の複合粒子を示す図(SEM写真:左低倍率写真、右高倍率写真)。 以下に本発明の好ましい実施の形態について説明する。 本実施形態の複合粒子は、種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられたもので、該被覆層がポリアミド樹脂によって形成されたものである。 この被覆層は、後述するように、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、このスラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させて前記被覆層を形成させる工程とが実施されて形成されたものであり、複合粒子は、この被覆層が形成された粒子を前記ポリアミド樹脂溶液と分離させた後に乾燥されて製造されたものである。 この種粒子は、有機材料、無機材料といった素材に限定が加えられるものではないが、通常、有機材料が好適に用いられ得る。 そして、化粧料などに滑らかな触感を与える点において、0.5μm以上、30μm以下の範囲の内のいずれかの平均粒子径を有する球状粒子であることが好ましい。 また、複合粒子にソフトな感触を現出し得る点においては、架橋させたアクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる樹脂粒子を種粒子として用いることが好ましい。 このアクリル酸エステル系樹脂架橋体によって形成されてなる樹脂粒子は、ソフトな感触をより顕著に発揮させ得る点において、通常、3.5kgf/mm2以下の圧縮強度を有するものが用いられ、特には、0.05kgf/mm2以上、1.0kgf/mm2以下の圧縮強度を有していることが好ましい。 さらには、0.05kgf/mm2以上、0.6kgf/mm2以下の圧縮強度を有していることが最も好ましい。 この最も好ましい圧縮強度の下限値が0.05kgf/mm2とされているのは、この値未満であると、化粧料などに含有させた場合に樹脂粒子の感触が化粧料の感触に反映されずに伸び、滑らかさといった使用感を十分に向上させることが難しくなるためである。 また、圧縮強度の上限値が上記のような値とされているのは、0.6kgf/mm2の値を超えると種粒子の感触が、複合粒子のソフト感といった使用感に影響し始めるためであり、1.0kgf/mm2の値を超えると該複合粒子を含有させる化粧料の感触を低下させるおそれがあるためである。 なお、上記複合粒子の平均粒子径とは、コールターカウンター法で測定された粒子径を意味する。 また、圧縮強度は、島津製作所(株)製の微小圧縮試験器HCTM200を使用して測定した値である。 すなわち、樹脂粒子1個を一定の負荷速度で1gfの荷重まで圧縮試験を行った場合に、粒子径の10%変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出される値である。圧縮強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)} この種粒子として好適な球状のアクリル酸エステル系樹脂粒子は、架橋剤の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を水性懸濁重合、乳化重合、シード重合又は分散重合により重合させて得ることができる。 なお、この「(メタ)アクリル」との用語は、本明細書において「アクリル」及び「メタクリル」の両方を含む概念でもちいている。 この(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、油溶性のものを使用することが好ましい。 さらに、(メタ)アクリル酸とエステル結合を形成する置換基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を使用することが好ましい。 具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。 特に、炭素数が1〜8のアクリル酸エステルを使用することが好ましく、更に、このアクリル酸エステルを50〜95質量%の割合で単量体中に含有させることが好ましい。 なお、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、いずれかのものを単独で用いても複数種組み合わせて用いてもよい。 また、アクリル酸エステル系樹脂粒子としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有する他の単量体を一種以上加えてもよい。 前記架橋剤としては、架橋性単量体が挙げられ、このような架橋性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体である芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。 これらは、単独で用いても複数種組み合わせて用いてもよい。 これらの架橋剤の中でも、エチレングリコールジメタアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル系架橋剤及びカプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレートは皮膚刺激性が低いため、本実施形態に係る複合粒子が化粧品用途に用いられる場合に特に好適であるといえる。 また架橋剤は、全単量体中5質量%以上、50質量%以下となるよう使用するのが好ましい。 これらの単量体及び架橋剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いられ、最終的に圧縮強度が0.05kgf/mm2以上、0.6kgf/mm2以下、好ましくは0.1kgf/mm2以上、0.4kgf/mm2以下となるようにそれらの組成及び配合量が決められ得る。 水性懸濁重合によって上記の樹脂粒子を形成する際には、必要に応じて、重合開始剤、分散剤、界面活性剤等が使用される。 重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられる。 分散剤としては、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子が挙げられる。更に、界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤等が挙げられる。 上記の重合開始剤、分散剤及び界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。 重合開始剤の全単量体に対する添加率は0.1〜1質量%で、分散剤の全単量体に対する添加率は0.5〜10質量%で、界面活性剤を用いるときは水に対し0.01〜0.2質量%で添加することが好ましい。 このような樹脂粒子を作製するための重合反応としては、上記の樹脂単量体相と水相とを混合した後、攪拌しながら昇温して行う方法が挙げられる。 重合温度は40〜90℃、重合時間は1〜10時間が好ましい。 このとき、単量体と水との混合条件及び攪拌条件をコントロールすることで、樹脂粒子の平均粒子径を適宜決定することができる。 混合条件及び攪拌条件のコントロールは、例えば、ホモジナイザー、回転羽根と器壁あるいは回転羽根どうしのギャップにかかる高シェアーを利用した乳化分散機を使用したり、超音波分散機を用いて分散したり、セラミックミクロ多孔膜にモノマー水溶液を加圧して通し分散媒に圧入したりして行うことができる。 この重合終了後、必要に応じて分散剤を酸等で分解し、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、分級を行うことにより、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子を得ることができる。 なお、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子自体の製造は、特開平3−37201号公報に記載された方法を利用してもよい。 このような種粒子の表面を被覆する被覆層は、商品名「ナイロン6」として知られるε−カプロラクタムの重縮合反応物、「ナイロン11」として知られるウンデカンラクタムの重縮合反応物、「ナイロン12」として知られるラウリルラクタムの重縮合反応物といったポリアミド樹脂によって形成され得る。 また、商品名「ナイロン66」として知られるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との共重縮合反応物、「ナイロン610」として知られるヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との共重縮合反応物、「ナイロン6T」として知られるヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との共重縮合反応物、「ナイロン6I」として知られるヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸との共重縮合反応物も被覆層の形成に用いられ得る。 さらには、商品名「ナイロン9T」として知られるノナンジアミンとテレフタル酸との共重縮合反応物、「ナイロンM5T」として知られるメチルペンタジアミンとテレフタル酸との共重縮合反応物、「ナイロン612」として知られるカプロラクタムとラウリルラクタムとの共縮重合体などもその形成材料として採用され得る。 このようなポリアミド樹脂を溶解させる溶媒としては、フェノールやクレゾールなどを利用することも可能ではあるが、複合粒子に残留溶媒が生じて化粧料などに持ち込まれる危険性を考慮すると、メタノールを利用することが好ましい。 このメタノールは、加熱した(熱メタノール)状態でポリアミド樹脂を溶解させる溶媒として用いられ得る。 また、このメタノールなどの有機溶媒にポリアミド樹脂を溶解させたポリアミド樹脂溶液には、必要に応じて他の成分を含有させることもできる。 このポリアミド樹脂溶液によって形成する被覆層の好ましい厚みは、種粒子の材質にもよるが、例えば、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子のような種粒子の表面に形成させる被覆層は、0.05μm以上、0.5μm以下の厚みとされることが好ましい。 被覆層の厚みが、上記のような範囲内であることが好ましいのは、その下限値よりも厚みが薄い場合には、複合粒子にポリアミド樹脂の質感を発揮させることが困難になるおそれを有し、一方で、上限値を超えるような過度な厚みとしても、要する手間を増大させるばかりで、それ以上にポリアミド樹脂の質感を向上させることが困難なためである。 このような被覆層を前記種粒子の表面に形成させて複合粒子を製造する方法としては、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程(以下「スラリー作製工程」ともいう)、前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させて前記被覆層を形成させる工程(以下「析出工程」ともいう)、被覆層が形成された粒子を前記ポリアミド樹脂溶液と分離させた後に乾燥する工程(以下「濾過・乾燥工程」ともいう)を順に実施する方法が挙げられる。 以下に、各工程について説明する。 ポリアミド樹脂を有機溶媒に溶解させてポリアミド樹脂溶液を作製するのに際しては、ポリアミド樹脂の濃度が高いポリアミド樹脂溶液を作製すると、ポリアミド樹脂溶液の粘度が高くなって、例えば、前記濾過・乾燥工程における濾過作業の作業性を悪くさせるおそれを有する。 したがって、この工程において作製するポリアミド樹脂溶液は、ポリアミド樹脂の濃度が0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがより好ましい。 このような希薄溶液を用いることで、濾過・乾燥工程において良好なる作業効率で濾過作業を実施させ得る。 また、濾過後において、粒子どうしが付着して凝集塊を形成することも抑制させ得る。 このポリアミド樹脂の希薄溶液を作製するための有機溶媒としては、先述のようにメタノールが好適に用いられ得る。 このメタノールを利用する場合には、通常、ポリアミド樹脂に対してある程度以上の溶液性を発揮させるためにメタノールをその沸点(64.7℃)以上の温度に加熱することが好ましい。 そのためスラリーの作製工程は、加圧状態でポリアミド樹脂溶液の作製が実施可能となるように圧力容器を用いて実施することが好ましい。 なお、このスラリー作製工程は、予めポリアミド樹脂溶液を作製した上で、該ポリアミド樹脂溶液に種粒子を分散させてスラリーを作製する手順としてもよく、あるいは、メタノールに種粒子を分散させた後にポリアミド樹脂を加えて加熱溶解させて、ポリアミド樹脂溶液の作製とスラリーの作製とが同時に行われるような手順とすることも可能である。(析出工程) スラリーに含有させた種粒子の表面にポリアミド樹脂を析出させるには、ポリアミド樹脂溶液におけるポリアミド樹脂の溶解度を低下させればよく、上記のような熱メタノールを溶媒として利用しているような場合においては、ポリアミド樹脂溶液の温度を低下させることで種粒子の表面にポリアミド樹脂を析出させ得る。 具体的には、スラリー作製工程におけるポリアミド樹脂溶液(スラリー)の温度をメタノールの沸点以上の温度、例えば、100〜120℃として、ポリアミド樹脂の濃度を0.5〜5質量%としている場合には、例えば、沸点以下の50℃程度にスラリーの温度を低下させることで種粒子の表面にポリアミド樹脂を析出させることができ、被覆層を形成させることができる。 また、このような方法に代えて、あるいは、このような方法に加えて、ポリアミド樹脂溶液の作製に用いた有機溶媒と相溶性が高く、該有機溶媒よりもポリアミド樹脂に対する溶解度が低い溶媒をポリアミド樹脂溶液に添加する方法もポリアミド樹脂の析出方法として採用可能である。 例えば、熱メタノールが有機溶媒として利用されているスラリーに対して、水(水蒸気)を添加することによって種粒子の表面にポリアミド樹脂を析出させて被覆層を形成させることも可能である。(濾過・乾燥工程) 前記析出工程においては、複合粒子がスラリー化した状態で形成されることになるため、本実施形態にかかる複合粒子を乾燥粉末の状態で得るには、通常、上記スラリーを濾過し、濾別された複合粒子を乾燥させることが必要となる。 この濾過・乾燥工程においては、スラリーから粒状物を濾別して乾燥するための一般的な装置を用いて実施することができ、フィルタープレスなどの濾過・脱水装置によって複合粒子による脱水ケーキを作製し、該脱水ケーキをオーブンなどの乾燥機で乾燥させる方法などが挙げられる。 また、要すれば、濾過された複合粒子に対して、1回以上の「洗浄−脱水」のサイクルを加えた後で上記乾燥を行うようにしてもよい。 以上のように、本実施形態の複合粒子は簡便な方法で作製可能なものであり、材料コストや、製造コストの点などから、低コストでポリアミド樹脂粒子の代替粒子を作製することができる。 しかも、表面の質感をポリアミド樹脂粒子の質感に近似させつつ、種粒子の形成に用いる材料を調整することで粒子としての柔軟性なども調整可能である。 なお、要すれば、球状以外の種粒子を用いて、複合粒子を球状以外の形状のものとすることも可能である。 なお、化粧料や外用医薬品などの外用剤への配合剤として、この複合粒子を利用する場合には、通常、球状であることが好ましく、さらに質感を調整すべく油剤、シリコーン化合物及びフッ素化合物等の表面処理剤で複合粒子の表面処理を実施してもよい。 一般にポリアミド樹脂は、耐油性に優れており、本実施形態に係る複合粒子は、このように耐油性に優れたポリアミド樹脂によって被覆層が形成されていることから種々の油剤による表面処理を実施させ得る。 複合粒子を表面処理することにより撥水性や撥油性を高めることが可能となる。 そのため、本実施形態の複合粒子に表面処理を施して化粧料に配合した場合には、特に、肌に付着させた後も水や汗、皮脂等に濡れにくく長時間使用していても化粧くずれを起こしにくい化粧料を提供することが可能となる。 前記油剤は、通常化粧料に使用されているものであればいずれでもよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス等の炭化水素油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等の高級脂肪酸、トリオクタン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、2エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル等のエステル油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、アマニ油、綿実油、ヒマシ油、卵黄油、ヤシ油等の油脂類、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。 複合粒子を油剤処理する方法は特に限定されないが、例えば、複合粒子に油剤を添加しミキサー等で撹拌することにより油剤をコーティングする乾式法や、ポリアミド樹脂及び種粒子を構成している成分などに対して影響を与え難い適当な溶媒に油剤を溶解し、それに複合粒子を加え混合撹拌後、溶媒を減圧除去または加熱除去することにより油剤をコーティングする湿式法等を利用することができる。 シリコーン化合物は、通常、化粧料に使用されているものであればいずれのようなものでもよく、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル−シリコーン系グラフト重合体、有機シリコーン樹脂部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物等が挙げられる。 複合粒子をシリコーン化合物処理する方法は特に限定されないが、例えば、先に述べた乾式法や湿式法を利用できる。 また、必要に応じ焼き付け処理する方法や、反応性を有するシリコーン化合物の場合は反応触媒等を適宜添加する方法を採用することができる。 フッ素化合物は、通常、化粧料に使用されているものであればいずれのようなものでもよく、例えば、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ基を有する重合体等が挙げられる。 複合粒子をフッ素化合物処理する方法は特に限定されないが、例えば、先に述べた乾式法や湿式法を利用できる。 また、必要に応じて焼き付け処理する方法や、反応性を有するフッ素化合物の場合は反応触媒等を適宜添加する方法を採用してもよい。 これらの表面処理剤は一種または二種以上を適宜選択して使用することが可能である。 また、これらの表面処理剤の添加量は、複合粒子の粒子径等によっても異なるが、複合粒子に対して0.01〜50質量%、特に0.1〜10質量%が好ましい。 表面処理剤の配合量が0.01質量%より少なければ撥水性や撥油性が十分に得られないおそれがあり、50質量%を超える場合、添加量の増加に見合った顕著な効果の増進が認められなかったり、凝集が生じたりするおそれを有する。 さらに、本実施形態の複合粒子は、種粒子や被覆層の形成材料に着色顔料を含ませて着色粒子とすることも可能である。 この着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、群青、紺青、マンガンバイオレット、群青紫、チタンブラック、カーボンブラック、アルミニウム粉、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄処理雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、アルミナ、タルク、マイカ、ベントナイト、カオリン、セリサイト等の無機顔料、タートラジン、サンセットエロFCF、ブリリアントブルーFCF等のアルミニウムレーキ、ジルコニウムレーキ、バリウムレーキ、へリンドンピンクCN、リソールルビンBCA、レーキレッドCBA、フタロシアニンブルー、パーマネントオレンジ等の有機顔料が挙げられる。 これら着色顔料は、単独で、又は二種以上組合せてもよい。 複合粒子中の着色顔料の含有率は、全質量のうち1〜70質量%とすることが好ましい。 含有量が1質量%未満では含有量が少なすぎ、着色顔料を配合する効果が極めて薄くなるので好ましくない。 一方、含有量が70質量%を超える場合は、着色顔料の量が多すぎて、複合粒子の製造が難しくなるおそれを有する。 この着色顔料の分散方法は特に限定されないが、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、リン酸エステル、およびフォスフォン酸、ならびにこれらの塩や、シラン、チタネート、アルミネート等のカップリング剤を用いて顔料の表面を疎水化処理した後、種粒子を製造する際の重合系に添加する方法が挙げられる。 顔料の表面処理剤の顔料に対する添加量は0.1〜30質量%が好ましい。 着色顔料の分散装置としては、分散系に十分な分散エネルギーを与えられるものであれば特に限定されない。 例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、またはホモジナイザー等が挙げられる。 このようにして得られた複合粒子を、1〜40質量%の範囲で含有させることにより化粧料や外用医薬品といった外用剤に優れた質感を与えることができる。 すなわち、あたかもポリアミド樹脂粒子が添加されているかのような優れた質感を与えることができる。 このような効果が発揮される化粧料としては、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリーム、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、化粧水、クリーム、乳液、パック類、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、制汗剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用化粧料、ひげ剃り用クリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、ボディローション等のローション等が挙げられる。 また、外用医薬品として効果の期待されるものとしては、皮膚に適用するものであれば特に限定されない。 具体的には、医薬用クリーム、軟膏、医薬用乳剤、医薬用ローション等が挙げられる。 これらの外用剤において配合量が1質量%未満であると、樹脂粒子が少なすぎて添加した効果が明確に認められないため好ましくない。 また、40質量%を超えると、それ以上に添加量を増加しても、添加量の増加に見合った顕著な効果の増進が認められないため好ましくない。 また、外用剤に一般に用いられている成分を目的に応じて配合することができる。 そのような成分として、例えば、水、低級アルコール、油脂及びロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特殊配合成分が挙げられる。 前記油脂及びロウ類としてはアボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコーン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。 前記炭化水素としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸が挙げられる。 前記高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。 前記ステロールとしてはコレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクタドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクタドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキサデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリルやイソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。 前記金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。 前記界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。 前記高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。 前記色材原料としては、酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。 ここで、上記高分子化合物や色材原料等の粉体原料については、予め表面処理が施されていてもよい。 表面処理方法としては従来公知の表面処理技術が利用できる。 例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。 前記香料としては、ラベンダー油、ペパーミント油、ライム油等の天然香料、エチルフェニルアセテート、ゲラニオール、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート等の合成香料が挙げられる。防腐・殺菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。 前記酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニリック酸系、サルチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。 前記特殊配合成分としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。 なお、本実施形態においては、複合粒子の製造方法、複合粒子、及び化粧料に関して上記のような例示を行いつつ本発明を説明しているが、本発明の複合粒子の製造方法、複合粒子、及び化粧料は、上記の例示に限定されるものではない。 次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(製造例1) 架橋されたポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂によって形成された球状粒子(積水化成品工業社製、商品名「MBX−8C」、平均粒子径8μm、圧縮強度:3.1kgf/mm2)を種粒子とし、該種粒子100gと、ポリアミド樹脂(宇部興産社製、ナイロン12、型名「7115U」)10gと、メタノール1000mlとを容量2リットルのオートクレーブに収容させて、攪拌下110℃に昇温して前記ポリアミド樹脂を溶解させてスラリーを作製した。 その後、110℃の温度のまま5分間、攪拌を継続した後、100℃/hの冷却速度でスラリーの温度が50℃となるまで冷却し前記種粒子の表面にポリアミド樹脂を析出させた。 そして、さらに自然冷却して、スラリーの温度が40℃となった時点で、このスラリーを、ブフナーロートを用いて吸引濾過し、濾別された脱水ケーキを乾燥後解砕し、45μmの篩を通過させて評価に用いる製造例1の複合粒子を作製した。(製造例2) 種粒子を、架橋されたアクリル酸エステル系樹脂によって形成された球状粒子(積水化成品工業社製、商品名「ACX−806C」、平均粒子径8μm、圧縮強度:0.5kgf/mm2)に代えたこと以外は、製造例1と同様にしてこの製造例2の複合粒子を作製した。(製造例3) 種粒子を、架橋されたポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂によって形成された多孔質な球状粒子(積水化成品工業社製、商品名「MBP−8」、平均粒子径8μm、圧縮強度:0.9kgf/mm2)に代えたこと以外は、製造例1と同様にしてこの製造例3の複合粒子を作製した。(評価) 製造例1〜3の複合粒子と、比較対照として、ポリアミド樹脂粒子、製造例1の種粒子(PMMA球状粒子)、製造例2の種粒子(アクリル酸エステル系樹脂粒子)を用いて、その質感についての官能評価を実施した。 具体的には、10名のパネラーに、各粒子を手首に塗り伸ばす行為、及び、親指と人差し指との間に挟んで、これらの指を擦り合わせる行為を実施させて、その感触について官能的評価を加えることによって実施した。 評価項目は、「シットリ感」、「肌への付着性」、「軟らかさ」、「滑り性」の4項目とした。 このとき、それぞれの項目において、10名中9名以上が「良い」と評価したものを「◎」、10名中7〜8名が「良い」と評価したものを「○」、10名中4〜6名が「良い」と評価したものを「△」、「良い」と評価したパネラーが3名以下の場合を「×」として判定した。 結果を、表1に示す。 以上のようなことからも、本発明によれば、ポリアミド樹脂粒子に風合いの近似させた代替粒子を得られることがわかる。 なお、製造例2によって作製された複合粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した様子を図1に示す。 この図にも示されているように、この製造例2の複合粒子は、球状であり、化粧料などに配合された際に優れた感触を付与させ得るものであることがわかる。 種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子の製造方法であって、 ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させて前記被覆層を形成させる工程とを実施することによって表面にポリアミド樹脂が被覆された複合粒子を製造することを特徴とする複合粒子の製造方法。 架橋されたアクリル酸エステル系樹脂によって形成されてなる球状の樹脂粒子を前記種粒子に用いる請求項1記載の複合粒子の製造方法。 種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子であって、 表面にポリアミド樹脂が被覆されて前記被覆層が形成されており、しかも、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させる工程とが実施されて、該析出させたポリアミド樹脂によって前記被覆層が形成されていることを特徴とする複合粒子。 前記種粒子が、架橋されたアクリル酸エステル系樹脂によって形成されてなる球状の樹脂粒子である請求項3記載の複合粒子。 種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子が含有されている化粧料であって、 前記複合粒子として、表面にポリアミド樹脂が被覆されて前記被覆層が形成されている複合粒子が用いられており、しかも、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させる工程とが実施されて、該析出させたポリアミド樹脂によって前記被覆層が形成されている複合粒子が用いられていることを特徴とする化粧料。 前記種粒子が、架橋されたアクリル酸エステル系樹脂によって形成されてなる球状の樹脂粒子である請求項5記載の化粧料。 【課題】ポリアミド樹脂粒子の質感により近い代替粒子を簡便に作製する方法を提供して、化粧料における質感の向上を目的としている。 【解決手段】種粒子の表面に、該種粒子とは異なる材質の被覆層が設けられている複合粒子の製造方法であって、ポリアミド樹脂が有機溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液中に前記種粒子が分散されたスラリーを作製する工程と、該スラリーに含まれている前記種粒子の表面に前記ポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を析出させて前記被覆層を形成させる工程とを実施することによって表面にポリアミド樹脂が被覆された複合粒子を製造することを特徴とする複合粒子の製造方法などを提供する。【選択図】 なし