タイトル: | 公開特許公報(A)_毛髪の補修方法 |
出願番号: | 2009187558 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 8/65,A61K 8/73,A61Q 5/00 |
増田 進 平澤 敏明 JP 2011037778 公開特許公報(A) 20110224 2009187558 20090812 毛髪の補修方法 クレイダ.株式会社 598060475 粕川 敏夫 100103872 増田 進 平澤 敏明 A61K 8/65 20060101AFI20110128BHJP A61K 8/73 20060101ALI20110128BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20110128BHJP JPA61K8/65A61K8/73A61Q5/00 4 OL 10 4C083 4C083AD131 4C083AD321 4C083AD331 4C083AD411 4C083AD441 4C083CC31 4C083CC34 4C083DD06 本発明は、傷んだ毛髪を補修する技術に関する。 近年、軽さや動きのあるヘアスタイルを実現するために、ヘアカラーやパーマなどが繰り返し施されているが、度重なるヘアカラーやパーマは、毛小皮の剥離、その内側にある毛皮質の露出、さらには毛髪内部の間充物質の流出を惹き起こし、毛髪は内部がすかすかの状態、いわゆるポーラスヘアの状態となる。 このような状態に至ると、洗髪、乾燥、整髪等の日常の毛小処理によっても毛髪の傷みは進行し、バサツキ、ごわつき、セットの崩れなどの問題が発生してくる。さらには、このように毛髪内部がすかすかの状態では、パーマをかけようにもウェーブを形成する芯そのものが弱いために、所望のウェーブがかかりにくく、施術したウェーブも持続しない。 この点、特許文献1では、第1剤、第2剤および第3剤からなる3剤敷き毛髪化粧料において、第1剤がカルボキシメチルデキストランナトリウムおよび保湿成分を含有し、第2剤がカチオン性界面活性剤、カチオン性シリコーンおよびパーフルオロポリエーテル誘導体を含有し、更に第3剤がカチオン性界面活性剤、カチオン性シリコーン、1,1’−メチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)・ポリプロピレングリコール共重合体およびパーフルオロポリエーテル誘導体を含有する3剤式毛髪化粧料、及び各剤夫々塗布する毎に、一定時間加温放置する毛髪処理方法が提案されている。 また、特許文献2では、第1剤及び第2剤からなる2剤式毛髪化粧料において、第1剤がカルボキシメチルデキストランナトリウムを含有し、第2剤がカチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマーおよびカチオン性シリコーンよりなる群から選ばれる1種または2種以上、必要によって更に1,1’−メチレンービス(4−イソシアナトシクロヘキサン)・ポリプロピレングリコール共重合体とを含有するものであり、前記第1剤を塗布した後、第2剤を塗布し、一定時間放置した後、洗い流す毛髪処理方法が提案されている。 また、特許文献3では、アニオン性多糖類と塩基性アミノ酸とを含有する第1剤と、カチオン性活性剤と酸性アミノ酸とを含有する第2剤とで構成したヘアトリートメント、及び、第1剤、第2剤の順に毛髪に使用することが提案されている。 また、特許文献4には、ヘアトリートメントを第1剤と第2剤とで構成し、第1剤にアニオン性ポリマーを含有させ、第2剤にカチオン性物質とヘアトリートメント配合剤を含有させ、第1剤を毛髪に塗布した後、該毛髪に第2剤を塗布することによって、毛髪上で第1剤に含有させたアニオン性ポリマーと第2剤に含有させたカチオン性物質とを反応させてコンプレックスを形成させるヘアトリートメントが提案されている。 また、特許文献5には、第1剤、第2剤の順で毛髪にトリートメント処理する毛髪処理剤において、第1剤が平均分子量10万以上のタンパク加水分解物を含有し、第2剤がカチオン性界面活性剤及び/又はカチオン性高分子化合物を含有することを特徴とする2剤式毛髪処理剤組成物が提案されている。特開2006‐248985号公報特開2001‐192325号公報特開2001‐48751号公報特開平10−87441号公報特許第3542878号公報 上記特許文献記載の技術によれば、一定程度、毛髪にしっとり感、柔軟性、すべりの良さなどを与えることが出来るが、キューティクルの剥がれを押さえたり、コルテックス層に出来た隙間を埋めるには十分な効果を奏するとはいえない。 特に、毛髪にパーマをあてる時には、ウェーブによってコルテックス層の隙間が広がったり、キューティクルの剥がれが目立ってしまいかねない。また、隙間をしっかり埋めておくことが出来なければ、パーマ自体がしっかりかからない。 そこで、本発明は、ダメージが蓄積等した毛髪を補修する方法であって、更には、このような毛髪に対してもしっかりとしたウェーブ形状を与えることのできる毛髪の補修方法を提供することを目的とする。 上記目的を達成するため、本発明に係るパーマネントウェーブ処理方法は、毛髪に対して、パーマネントウェーブに適した補修を施すための方法であって、上記毛髪に、還元剤及びアルカリ剤を含むパーマネントウェーブ第一剤を塗布する工程と、ロッドに上記毛髪を巻き付ける工程と、上記毛髪に、アニオン性高分子を含有した毛髪補修用第一剤を塗布する工程と、上記毛髪補修用第一剤が塗布された毛髪に、カチオン性高分子を含有した毛髪補修用第二剤を塗布する工程と、上記ロッドに巻き付けられた毛髪に、酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程と、からなることを特徴とする。 また、上記パーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程の前に、上記ロッドを毛髪から取り外し、上記ロッドよりも太く、所望のウェーブ形状に適したサイズの第二ロッドに毛髪を巻き付け直す工程、を有し、上記ロッドに上記パーマネントウェーブ第一剤が塗布された毛髪を巻き付ける工程に用いられるロッドは、上記第二ロッドよりも細く、上記パーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程は、上記第二ロッドに巻き付けられた毛髪に、酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布するものとしてもよい。 また、上記アニオン性高分子として加水分解ケラチンが用いられ、上記カチオン性高分子としてキトフィルムないしはカチオン化セルロースが用いられるものとしてもよい。 また、上記毛髪補修用第一剤に、ヒアルロン酸及びセリシンを含むものとしてもよい。 本発明によれば、ダメージが蓄積等した毛髪を補修すると共に、更には、このような毛髪に対してもしっかりとしたウェーブ形状を与えることができる。 以下、本発明に係るパーマネント処理方法の実施形態について詳述する。 本実施形態に係るパーマネント処理方法の一連の処理は、以下の処理工程を順次行う。 工程1.洗髪 工程2.毛髪の補修 工程3.パーマネントウェーブ第一剤の塗布 工程4.第一ロッドによる巻き付け 工程5.放置 工程6.第一ロッドの取り外し 工程7.酸性リンス・すすぎ(任意) 工程8.第二ロッドによる巻き直し 工程9.パーマネントウェーブ第二剤の塗布 工程10.放置 工程11.第二ロッドの取り外し 工程12.すすぎ・乾燥 <工程1.洗髪> まず、毛髪を洗髪することにより、毛髪に付着した汚れや整髪料等を洗い流すと共に、適度な水分を毛髪に吸収させる。これにより、後の工程における各薬剤の効果的な塗布及び浸透が可能となる。 また、水分が毛髪に浸透するこの段階において、ポリペプチド主鎖間のカルボキシル基の酸素と水素の間で側鎖を形成する水素結合が切断される。なお、当該水素結合は、洗髪を行わない場合であっても、パーマネントウェーブ第1剤の溶媒として用いられる水により切断される。 <工程2.毛髪の補修> 次に、パーマネントウェーブを効果的に形成するために、毛髪の補修を行う。この工程は、毛髪がダメージを受けてできた隙間に、タンパク質類似の物質等を補給して埋め込むものである。また詳しくは、アニオン性高分子を主成分として含有する毛髪補修用第一剤と、カチオン性高分子を主成分として含有する毛髪補修用第二剤とを順次塗布することで、毛髪の表面や内部に形成された隙間に、該アニオン性高分子とカチオン性高分子による水不溶性のポリイオンコンプレックス(PIC)を生成させる。これにより、毛髪のツヤやハリ、弾性といったものを補うことができると共に、パーマネントウェーブを形成するための強固な芯を形成することが出来る。 毛髪補修用第一剤は、主成分としてアニオン性高分子を含有する。アニオン性高分子としては例えば、加水分解ケラチン、加水分解ケラチンエチル、加水分解コラーゲン、加水分解コラーゲンエチル、加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク、加水分解コムギ、加水分解コンキオリン、加水分解シルク、加水分解シルクエチル、加水分解植物プロテイン、大豆タンパク加水分解物等が挙げられるが、本実施形態では特に、加水分解ケラチンを用いる。 また、本実施形態に用いる加水分解ケラチンは、α−ケラトース(結晶性)、γ−ケラトース(非結晶性)のいずれであってもよい。 また、毛髪補修用第一剤のアニオン性を補う成分として、アニオン性界面活性剤を含んでもよい。アニオン性界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム液、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム液、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンナトリウム液などが挙げられる。 さらに、毛髪補修用第一剤には他に、ヒアルロン酸、セリシン、及びこれらの塩などを含ませてもよい。 毛髪補修用第一剤として毛髪に塗布された加水分解ケラチンは、毛髪表面のダメージ部分や、毛髪内部の隙間に入り込む。 これに続いて、毛髪補修用第二剤を毛髪に塗布する。 毛髪補修用第二剤は、主成分としてカチオン性高分子を含有する。カチオン性高分子としては例えば、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート共重合体、カチオン化セルロース、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性ポリサッカライド、キトサン(キトフィルム)等が挙げられるが、本実施形態では特に、カチオン化セルロース、及びキトサンを用いる。 また、毛髪補修用第二剤のカチオン性を補う成分として、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。カチオン性界面活性剤としては例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、これら4級アンモニウム塩をアルキルピリジニウム塩、あるいはアミン塩に変えたものなどが挙げられる。 毛髪補修用第一剤に続いて毛髪補修用第二剤が毛髪に塗布されることで、各剤に含まれるカチオン性高分子とアニオン性高分子とが複合化し、ポリイオンコンプレックス(PIC)が毛髪の表面や内部の隙間に埋め込まれる。 これにより、毛髪内部に、パーマネントウェーブを形成するための強固な芯が形成される。 <工程3.パーマネントウェーブ第一剤の塗布> 補修された毛髪に対して、パーマネントウェーブ第一剤を均等に塗布する。 このパーマネントウェーブ第一剤には、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸等のチオグリコール酸塩類、システイン、システイン塩酸塩等のシステイン酸塩類、システアミン、N−アセチルシステイン等のシステイン誘導体、チオグリセリルアルキルエーテル、メルカプトアルキルアミド、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等の還元剤が含まれる。 このパーマネントウェーブ第一剤の還元作用を受けて、毛髪中のシスチンは水素原子と結合して2つのシステイン残基となり、毛髪中のジスルフィド結合が開裂する。 また、パーマネントウェーブ第一剤には、アルカリ剤が含まれる。アルカリ剤としては例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、プロパンジアミン−1,3、アルカリ又はアンモニウムの炭素塩又は重炭酸塩、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、有機炭酸塩、例えば炭酸グアニジン、又はアルカリの水酸化物が挙げられるが、本実施形態では特に、揮発性の強いアルカリ剤が好適に用いられる。 この点、近接するポリペプチド主鎖間では、夫々の主鎖のアミノ基の窒素がプラスに、また、カルボキシル基の酸素がマイナスに分かれ、当該プラスとマイナスが引き合ってイオン結合を形成しているところ、この結合力は、毛髪が等電帯(pH4.5〜5.5)にあるとき最大となり、ケラチンは最も安定した状態となっている。そして、パーマネントウェーブ第一剤に含まれるアルカリ成分により、当該イオン結合は切断される。 なお、パーマネントウェーブ第一剤は、液状、ジェル状、クリーム状等、いずれの状態のものであってもよく、この点については特に限定されない。 <工程4.第一ロッドによる巻き付け> 次に、パーマネントウェーブ用の第一ロッドに毛髪を巻きつける 毛髪を巻き付けるために用いられる略円筒上の第一ロッドは、後の工程において、所望のパーマネントウェーブ形状を形成するために用いられる第二ロッドより直径の細いロッドである。 このように直径の細いロッドを用いることで、毛髪に張力がかかる。その結果、物理的な張力と相俟って、毛髪中のジスルフィド結合が開裂しやすくなり、短時間で効果的にジスルフィド結合を開裂させることができる。 また、この第一ロッドに毛髪を巻きつけることで、毛髪表面のキューティクルや内部のコルテックス層において、毛髪が普段の生活やパーマ等によるダメージによってできた隙間が開いたり、変形したりする。これにより、工程2において毛髪の隙間に詰めたポリイオンコンプレックスが、よりしっかりと隙間の内部に入り込み、パーマネントウェーブの形成に効果的である。 <工程5.放置> 以上の工程の後、一旦、パーマネントウェーブ第一剤による毛髪中のジスルフィド結合の開裂反応の進行を待つため、約15分程度時間を置く。 この際、2μm〜4μm程度の波長帯域の赤外線を照射するとよい。これにより、毛髪中の薬剤成分及び水分に熱エネルギーが与えられ、反応が活発化する。この結果、薬剤が毛髪に均一に浸透する。 この工程における毛髪の放置により、アルカリ剤が徐々に揮発し、必要以上に毛髪がアルカリ膨潤して傷むのを防ぐことができる。 <工程6.第一ロッドの取り外し> パーマネントウェーブ第一剤を毛髪中に浸透させ、毛髪中のジスルフィド結合を十分に開裂させると、当該パーマネントウェーブ第一剤の成分を毛髪から除去する工程7のために、第一ロッドを毛髪から取り外す。 <工程7.酸性リンス(任意)・すすぎ> パーマネントウェーブ第一剤の成分を毛髪から除去する。除去は例えば、酸性リンスを塗布して、アルカリ成分を中和することにより行われる。なお、毛髪を流水等によりすすぐことによって、除去することもできる。 <工程8.第二ロッドによる巻き直し> 次に、パーマネントウェーブ用の第二ロッドに毛髪を巻きつける この第二ロッドは、前の工程で用いられた第一ロッドより直径の太いロッドであって、所望のウェーブに適した直径からなる。 この第二ロッドに毛髪を巻きつけた状態で最終的なパーマネントウェーブを形成させ、所望のウェーブが得られる。 なお、第二ロッドとして、外部電源から電力の供給を受けて通電することにより加熱する電熱式ロッドを用いてもよく、この場合には、毛髪が熱の影響を受けて、よりしっかりとしたパーマネントウェーブが施される。 <工程9.パーマネントウェーブ第二剤の塗布> 本工程では、毛髪内部のポリペプチド主鎖間の側鎖を形成する水素結合やイオン結合が、第二ロッドが巻きつけられた形状で再結合された状態から、毛髪に対してパーマネントウェーブ第二剤を塗布することによりジスルフィド結合を再形成させ、ウェーブの最終的な成形を図る。 このパーマネントウェーブ第二剤には、主成分として、臭素酸ナトリウム(NaBrO3)、臭素酸カリウム(KBrO3)、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素水(H2O2)等の酸化剤が含まれる。 このパーマネントウェーブ第二剤の酸化作用によって、システイン残基が酸化され、開裂されたジスルフィド結合を再形成させることが出来る。 <工程10.放置> 以上の工程の後、ここで、パーマネントウェーブ第二剤による毛髪中のジスルフィド結合の再形成を待つために、約10分程度時間を置く。 この工程における毛髪の放置により、毛髪中に残留していたアルカリ成分は完全に除去され、毛髪中のポリペプチド主鎖間の側鎖を形成するイオン結合の再形成が促される。また、毛髪中の水分が蒸発することにより、同様に側鎖を形成する水素結合の再結合も進行する。 <工程11.第二ロッドの取り外し> 以上の工程によりパーマネントウェーブが形成されると、第二ロッドを取り外す。 <工程12.すすぎ・乾燥> そして最後に毛髪をすすいで、毛髪に付着した余計な薬剤等を除去した後、乾燥させてパーマが仕上がる。 以上の本実施形態によれば、ポリペプチド主鎖間の側鎖として形成されるイオン結合や水素結合を、所望のウェーブ形状で結合した状態から、ジスルフィド結合を再結合させるため、乾燥しても緩くなることがなく、乾燥状態におけるウェーブ形状を長時間持続させることが出来る。 また、ダメージが蓄積等し、キューティクルが剥がれたり、コルテックス層に隙間が形成されたような毛髪に対しても、しっかりとしたパーマネントウェーブを付与することが出来る。 さらに、パーマネントウェーブ用第一剤において、揮発性のアルカリ剤を用いることで、アルカリ成分の除去を作為的に行わなくとも、時間の経過と共に揮発するので、処理工程を単純化させることが出来る。 なお、本実施形態においては、第一ロッドと第二ロッドの二種類のロッドを用いたが、これに限らず、所望のパーマネント形状に適した1種類のロッドのみを第一ロッドとして用い、第二ロッドに巻き付け直さないものとすることもできる。この場合には、下記1〜10の工程からなる。 工程1.洗髪 工程2.毛髪の補修 工程3.パーマネントウェーブ第一剤の塗布 工程4.第一ロッドによる巻き付け 工程5.放置 工程6.酸性リンス(任意) 工程7.パーマネントウェーブ第二剤の塗布 工程8.第一ロッドの取り外し 工程9.すすぎ・乾燥 これによっても、ロッドにより毛髪の隙間を広げて、当該隙間にポリイオンコンプレックスをしっかりと充填させることができる。そしてこの結果、毛髪にハリやコシを与えることが出来ると共に、しっかりとしたパーマをかけることができる。 また上述した実施形態におけるいずれの放置工程においても、2μm〜4μm程度の波長帯域の赤外線を毛髪に照射するものとしてもよい。これにより、毛髪中の薬剤成分及び水分に熱エネルギーが与えられ、反応が活発化する。この結果、薬剤が毛髪に均一に浸透する。 また、本実施形態においては、各種の薬剤に既知の添加剤を必要に応じて加えることができる。添加剤としては例えば、保湿剤類、油脂類、ラノリン類、高級アルコール類、フッ素化合物、シリコーン類、界面活性剤類(陽イオン界面活性剤類、陰イオン界面活性剤類、非イオン界面活性剤類、両性界面活性剤類)、増粘・ゲル化剤類、防腐剤類、キレート剤類、pH調整剤・酸・アルカリ類、溶剤類、抗炎症剤類、香料、色素等を挙げることができ、これらを適宜配合することが出来る。 これらの添加剤を例示すると、保湿剤類としては、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド等の蛋白質・ペプチド類およびその誘導体、アルギニン、セリン、グリシン、グルタミン酸、トリメチルグリシン等のアミノ酸類、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の植物抽出成分類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、コンドロイチン硫酸、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム等が挙げられる。 油脂類としては、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、パーム殻油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、ゴマ油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ティーツリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、液状シア脂、ホホバ油等の植物油脂類、流動パラフィン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素等、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル等のエステル類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、ライスワックス、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油等のロウ類が挙げられる。 ラノリン類としては、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン等のラノリン類が挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール類、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。 フッ素系化合物としては、パーフルオロポリエーテル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアリルアミド、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルポリエチレングリコールリン酸等のフッ素系化合物誘導体類が挙げられる。 シリコーン類としては、低粘度ジメチルポリシロキサン、高粘度ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、カチオン変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。 陽イオン界面活性剤類としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。 陰イオン界面活性剤類としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。 非イオン界面活性剤類としては、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリグリコシド、アルキルグリコシド等が挙げられる。 両性界面活性剤類としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。 増粘・ゲル化剤としては、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、トラガントガム、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂アルカノールアミン液等を挙げることができる。 防腐剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、安息香酸塩類、フェノキシエタノール、4級アンモニウム塩類等を挙げることができる。 キレート剤としては、エデト酸塩、ホスホン酸類、ポリアミノ酸類等を挙げることができる。pH調整剤・酸・アルカリ類としては、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、塩酸、硫酸、硝酸若しくはそれらの塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、アンモニア水、アミノメチルプロパノール若しくはそれらの塩類等を挙げることができる。 溶剤類としては、水、エタノールやデカメチルシクロペンタシロキサンの他にも、2−プロパノール等の低級アルコール類等を例示することができる。抗炎症剤類としては、グリチルリチン酸、カルベノキソロン二ナトリウムをはじめとする甘草誘導体、アラントイン、グアイアズレン、アロエ、α−ビサボロール等が挙げられる。 毛髪に対して、パーマネントウェーブに適した補修を施すための方法であって、 上記毛髪に、アニオン性高分子を含有した毛髪補修用第一剤を塗布する工程と、 上記毛髪補修用第一剤が塗布された毛髪に、カチオン性高分子を含有した毛髪補修用第二剤を塗布する工程と、 上記毛髪に、還元剤及びアルカリ剤を含むパーマネントウェーブ第一剤を塗布する工程と、 ロッドに上記パーマネントウェーブ第一剤が塗布された毛髪を巻き付ける工程と、 上記ロッドに巻き付けられた毛髪に、酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程と、からなる、 ことを特徴とする毛髪の補修方法。 上記パーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程の前に、上記ロッドを毛髪から取り外し、上記ロッドよりも太く、所望のウェーブ形状に適したサイズの第二ロッドに毛髪を巻き付け直す工程、を有し、 上記ロッドに上記パーマネントウェーブ第一剤が塗布された毛髪を巻き付ける工程に用いられるロッドは、上記第二ロッドよりも細く、 上記パーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程は、上記第二ロッドに巻き付けられた毛髪に、酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布する、 請求項1記載の毛髪の補修方法。 上記アニオン性高分子として加水分解ケラチンが用いられ、 上記カチオン性高分子としてキトフィルムないしはカチオン化セルロースが用いられる、 請求項1又は2記載の毛髪の補修方法。 上記毛髪補修用第一剤に、ヒアルロン酸及びセリシンを含む、 請求項1乃至3いずれかの項に記載の毛髪の補修方法。 【課題】ダメージが蓄積等した毛髪を補修する方法であって、更には、このような毛髪に対してもしっかりとしたウェーブ形状を与えることのできる毛髪の補修方法を提供することを目的とする。【解決手段】毛髪に対して、パーマネントウェーブに適した補修を施すための方法であって、上記毛髪に、アニオン性高分子を含有した毛髪補修用第一剤を塗布する工程と、上記毛髪補修用第一剤が塗布された毛髪に、カチオン性高分子を含有した毛髪補修用第二剤を塗布する工程と、上記毛髪に、還元剤及びアルカリ剤を含むパーマネントウェーブ第一剤を塗布する工程と、ロッドに上記パーマネントウェーブ第一剤が塗布された毛髪を巻き付ける工程と、上記ロッドに巻き付けられた毛髪に、酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布する工程と、からなる、ことを特徴とする毛髪の補修方法。【選択図】なし