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タイトル:公開特許公報(A)_血中尿酸値低下用皮膚外用剤
出願番号:2009154605
年次:2011
IPC分類:A61K 31/4164,A61P 19/06,A61K 31/522,A61P 43/00,C07D 233/64


特許情報キャッシュ

丸山 美由紀 田口 伸哉 後藤 肇 飯田 教雄 JP 2011011983 公開特許公報(A) 20110120 2009154605 20090630 血中尿酸値低下用皮膚外用剤 ライオン株式会社 000006769 丸山 美由紀 田口 伸哉 後藤 肇 飯田 教雄 A61K 31/4164 20060101AFI20101217BHJP A61P 19/06 20060101ALI20101217BHJP A61K 31/522 20060101ALI20101217BHJP A61P 43/00 20060101ALI20101217BHJP C07D 233/64 20060101ALI20101217BHJP JPA61K31/4164A61P19/06A61K31/522A61P43/00 121C07D233/64 106 10 OL 12 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC38 4C086CB07 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086NA10 4C086ZA96 4C086ZC75 本発明は、血中尿酸値の低下効果に優れた皮膚外用剤に関する。 痛風の要因として知られている尿酸は、血中濃度が正常である場合は、血液中に溶解した状態で体内を循環し、尿として対外に排泄される。しかし、血液中の尿酸濃度が上昇し飽和溶解度を越えると、尿酸塩結晶として体内に蓄積する。特に血中尿酸濃度が高い状態が続くと、尿酸塩結晶が関節の内面に沈着する。この蓄積した尿酸塩に対して、体の防御機構である白血球が反応すると、痛風発作が起こる。従って、血中尿酸値を抑制することが、痛風予防、改善のために重要である。 従来、高血中尿酸値の治療には、スルフィンピラゾン、ケトフェニルブタゾン、プロベネシド、ブコローム、ベンズブロマノン等の尿酸排泄促進薬やアロプリノール等の尿酸産生阻害薬が使用されてきた。 一方、魚類の筋肉中に多く含まれるアンセリンは、抗疲労効果、抗酸化効果、組織修復促進効果等を有する生理活性成分である。最近では尿酸値低下作用を有することも報告されており、これを含有する健康食品やサプリメントも市販されている。 しかし、アンセリンはジペプチドであり、経口投与しても、腸に到達し体内に吸収されるまでの過程で、胃酸やぺプチダーゼ等の酵素の影響によって分解されてしまうため、血中への到達量が低く、十分な血中尿酸値低下効果が得られにくいという課題がある。特開2004−359663特開2007−297288 本発明は、痛風の要因である高い血中尿酸値を低下させる効果に優れ、さらには痛風改善効果が高い製剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、従来経口投与されていたアンセリンを経皮投与することによって、経口投与よりも優れた血中尿酸値の低下効果が得られること、さらに、アンセリンとカフェイン、グリコールやN−メチルピロリドンを併用することによって、さらに前記効果が向上すること見出し、本発明を完成した。また、前記効果により、高い痛風改善効果をも有することを知見した。<1>アンセリンを含有することを特徴とする血中尿酸値低下用皮膚外用剤。<2>さらに、カフェインを含有する<1>に記載の皮膚外用剤。<3>さらにグリコールおよび/またはN−メチルピロリドンを含有する<1>〜<2>に記載の皮膚外用剤。<4>貼付剤である請求項<1>〜<3>に記載の皮膚外用剤。<5>塗布剤である、請求項<1>〜<4>に記載の皮膚外用剤。<6>痛風改善用製剤である、請求項<1>〜<5>に記載の皮膚外用剤。<7>さらに抗炎症剤及び/又は局所麻酔剤を含有することを特徴とする、<6>に記載の皮膚外用剤。<8>アンセリン及びカフェインを含有する、皮膚外用組成物。<9>アンセリンを、1日の投与量として10〜200mg経皮投与することを特徴とする、血中尿酸値低下方法<9>アンセリンを1日の投与量として10〜200mg経皮投与することを特徴とする、痛風改善方法を提供する。 本発明のアンセリン含有皮膚外用剤は血中尿酸値低下効果に優れ、アンセリンを経皮投与することによって、痛風の予防・改善に有用である。また、アンセリン及びカフェイン、グリコール、N−メチルピロリドンから選ばれる1種または2種以上を併用することにより、前記効果をさらに向上させることが可能である。(A)アンセリン アンセリンは、本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤の有効成分である。配合されるアンセリンとしては、動物由来(トリ、豚、マグロ等からの抽出物)の天然品や合成品が知られており、特に限定せず使用することができる。例えば、市販されているアンセリンとしては、「マリンアクティブ10」(アンセリン含有量10%、焼津水産化学工業(株)製)等が挙げられる。 本発明の皮膚外用剤に配合するアンセリンの量は、1日の投与量として 10〜200mgとすることが好ましく、より好ましくは 30〜100mgである。アンセリンの含有量が前記下限以上において、特に優れた有効性が得られる。また、前記上限以上としても発明の効果は同等であり、含有量が多すぎると使用性が損なわれる場合があり好ましくない。 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、さらにアンセリンの経皮吸収性を高めて有効性を向上させるため、カフェイン、グリコール、N−メチルピロリドンから選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。(B)カフェイン 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、さらにカフェインを配合すると、血中尿酸値低下効果を向上させるため好ましい。カフェインは、カフェイン、無水カフェインの何れも使用することができる。 本発明に使用するカフェインの組成物中の含有量は、 0.01〜2質量%とすることが好ましく、より好ましくは 0.1〜0.5質量%である。カフェインの含有量が前記下限以上において、特に優れた有効性が得られる。また、前記上限以上としても発明の効果は同等であり、多すぎる場合は副作用が生じたり使用性が損なわれる場合があるため好ましくない。(C)グリコール 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、さらにグリコールを配合すると、アンセリンの血中尿酸値低下効果を向上させるため好ましい。グリコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。 本発明に使用するグリコールの組成物中の含有量は、1〜30質量%とすることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。グリコールの含有量が前記下限以上において、特に優れた有効性が得られる。また、前記上限以上とすると皮膚刺激が生じる場合があるので好ましくない。(D)N−メチルピロリドン 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、さらにN−メチルピロリドンを配合すると、アンセリンの血中尿酸値低下効果を向上させるため好ましい。本発明に使用するN−メチルピロリドンの組成物中の含有量は、0.1〜8質量%とすることが好ましく、より好ましくは1〜4質量%である。N−メチルピロリドンの含有量が前記下限以上において、特に優れた有効性が得られる。また、前記上限以上とすると皮膚刺激が生じる場合があるので好ましくない。 前記カフェイン並びにグリコール及び/又はN−メチルピロリドンを配合すると、アンセリンの有効性が特に向上するため、本発明の好ましい態様である。(E)抗炎症剤、局所麻酔剤 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、さらに抗炎症剤、局所麻酔剤を配合することにより、より良好な痛風の痛み改善効果が得られるため、好ましい。 前記抗炎症剤としては、例えばアスピリン、アズレン、アセトアミノフェン、アセメタシン、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナク、イソキシカム、イソキセバク、イブフェナク、イブプロフェン、インドシン、インドプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エモルファゾン、オキサプロジン、オキサブロフェン、オキシカム、オキセビナク、オルセノン、オルトフェナミン酸、カルプロフェン、クリダナク、クリプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、シクロプロフェン、ジドメタシン、ジフルニサル、硝酸イソソルビド、スドキシカム、スプロフェン、スリンダク、ゾメビラク、チアプロフェン、チオキサプロフェン、チオビナク、テニラック、テノキシカム、トラマドール、トルメチン、トルフェナム酸、ナプロキセン、ニフルミン酸、ビルプロフェン、ピロキシカム、フェニドン、フェノプロフェン、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンチアザク、フェンブフェン、ブクロキシ酸、ブフェキサマク、プラノプロフェン、フルプロフェン、フルフェナミン酸、フルフェニサル、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フロクタフェニン、プロチジン酸、フロフェナク、ベノキサプロフェン、ベノリレート、ベンダザク、ミロプロフェン、メクロフェナミン酸、メピリゾール、メフェナム酸、リシブフェン、ロキソプロフェン及びこれらの塩等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。本発明の場合、抗炎症作用、安全性等を考慮すると、これらの中でもフルルビプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、インドメタシン、ザルトプロフェン、メフェナム酸等が好適であり、インドメタシン、フルルビプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン等を含有する場合に特に効果的である。 本発明に使用する抗炎症剤の含有量は、組成物中、0.1〜10質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%である。抗炎症剤の配合量が少なすぎると十分な痛風の痛み改善効果が得られない場合があり、多すぎると皮膚刺激の副作用が生じる場合がある。 前記局所麻酔剤は、例えばクロロブタノール、リドカイン、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、テトラカイン及びこれらの塩等を挙げることができる。 本発明に使用する局所麻酔剤の含有量は、組成物中、0.1〜5質量%とすることが好ましく、より好ましくは0.2〜2質量%である。局所麻酔剤の配合量が少なすぎると十分な痛風の痛み改善効果が得られない場合があり、多すぎると皮膚刺激の副作用が生じる場合がある。 本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤には、上記の他、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有効成分、添加成分を配合することができる。 添加成分としては、貼付剤、塗布剤(クリーム、軟膏、ゲル、液剤)等の各外用剤に通常使用される各種基剤成分、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、香料、色素等を使用することができる。 本発明の外用剤の剤形の中でも、経皮吸収性の点で、貼付剤とすることが好ましい。貼付剤としては含水系、非水系の何れでもよいが、含水系とすることがより好ましい。<基剤成分:含水系貼付剤> 含水系貼付剤は、粘着性高分子、架橋剤(ゲル化剤)、保湿剤、無機粉体、界面活性剤及び水等を配合した粘着剤組成物に薬物を含有させた膏体と支持体を有する剤形である。 粘着性高分子としては水溶性高分子が好ましく、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム等が挙げられる。前記粘着性高分子は、1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができるが、少なくともカルボキシル基を有する高分子を含有することが好ましい。 本発明の架橋剤としては硫酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、トリグリシジルイソシアネート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。本発明の粘着剤組成物に架橋剤を配合すると、前記粘着性高分子を架橋し、保水性・保型性に優れた良好な粘着剤物性が得られるため、好ましい。 保湿剤としてはグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。 無機粉体としてはベントナイト等の層状ケイ酸化合物、カオリン、無水ケイ酸、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。 界面活性剤としてはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。 含水系貼付剤の膏体の含水量は、通常、10〜90質量%、好ましくは30〜85質量%程度とすることが好ましい。 <基材成分:非水系貼付剤> 非水系貼付剤は、高分子基材、可塑剤、脂肪酸エステル、非イオン界面活性剤、架橋剤、溶解剤、キレート剤等を基材として含有する膏体が用いられる。 高分子基材としては、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に粘着剤として収載されているアクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂アルカノールアミン液、DURO−TAKアクリル粘着剤シリーズ(ナショナルスターチアンドケミカル社製)、オイドラギットシリーズ(樋口商会)、SIS等も好適に使用出来る。前記中、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルをモノマー単位として含有するアクリル系高分子が好ましい。 配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常本発明の組成物全体に対して40質量%〜95質量%、好ましくは50質量%〜90質量%、より好ましくは55質量%〜85質量%とすると好適である。この範囲とすると、皮膚に適用したときの剥がれ・めくれが少ないため好ましい。 前記高分子基材と共に可塑剤を配合すると、粘着剤組成物の皮膚に対する濡れ性が向上し密着性が高まると同時に剥がした際の痛みが低下されるため好ましい。 本発明で用いられる可塑剤としては、石油系オイル(例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等)、スクワラン、スクワレン、植物油(例えば、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油)、シリコンオイル、二塩基酸エステル(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)等の油脂;液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状イソプレンゴム);ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ヘキシレングリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、等の三価アルコール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の四価アルコール、キシリトール等の五価アルコール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等の六価アルコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の重合物等の多価アルコール類;グルコース、マンノース、ショ糖、ソルビタン、トレハロース、アルキルグリコシド等の糖類;ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソトリデシル等のような脂肪酸エステル、それらの誘導体;オクチルドデカノールのような高級アルコール、それらの誘導体等を用いることができ、単独または2種以上のものを混合して用いることが出来る。 前期中、脂肪酸エステルが好ましく、 下記式(1): (R2OOC−R1−(COOR3)n)・・・(1) [式中、R1は炭素数3〜36の炭化水素基であり、R2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、nは0又は1の整数である。] で表される脂肪酸エステル類が好適に使用することができる。 R1は、炭素数3〜36、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。また、nが0の時は、炭素数が10〜36であることが好ましく、nが1のときは、炭素数は3〜20であることが好ましい。 R2は、炭素数1〜20、好ましくは1〜18の炭化水素基を示し、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。また、nが0のときは、炭素数は1〜18であることが好ましい。nが1のときは、炭素数は1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3である。 R3は、水素原子又は炭素数1〜10、好ましくは1〜8の炭化水素基を示し、該炭化水素基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。なお、R2とR3は、互いに同じであっても異なっていてもよい。 nは、0又は1の整数である。前記式(1)は、nが0のときはモノエステルであり、nが1のときはジエステルである。 脂肪酸エステルの具体例としては、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル等が挙げられる。中でも、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。 これらエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 エステルの配合量は、組成物中、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。 非イオン性界面活性剤としては、プロピレングリコール脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレン(以下、POE)ソルビタン脂肪酸エステル,POEソルビトール脂肪酸エステル,POEヒマシ油,POE硬化ヒマシ油,POEグリセリン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型、POEアルキルエーテル及びそのリン酸塩,POEポリオキシプロピレン(以下、POP)アルキルエーテル,POEアルキルフェニルエーテル,POEラノリンアルコール等のエーテル型等を使用することができる。 架橋剤としては、水溶性金属キレート剤(エデト酸、アルミニウムミョウバン等)、ポリイソシアネート化合物、有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、多官能性化合物等の架橋剤等を使用することが出来る。 さらに、N−メチル−2−ピロリドン等の薬物溶解剤、エデト酸ナトリウム等のキレート剤等を使用することが出来る。<基剤成分:塗布剤> 塗布剤としては、クリーム、軟膏、ゲル、液剤等が挙げられる。 塗布剤の基剤成分としては、溶媒、油性成分、界面活性剤、水溶性高分子等、各製剤の通常の添加成分が使用できる。 溶媒としては水、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン等が挙げられる。 油性成分としてはラノリン、硬化油、レシチン、プラスチベース、流動パラフィン、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、スクワレン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、シリコン油等が挙げられる。 界面活性剤としてはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。 水溶性高分子としてはカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸等が挙げられる。 各製剤には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常外用剤に使用される各種添加剤を含有することができる。<防腐剤>メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン等が挙げられる。<安定剤>エデト酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、没食子酸プロピル等が挙げられる。<酸化防止剤>ブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸等が挙げられる。<香料>ラベンダー油、ローズマリー油、クラリセージ油、タイム油、ベルガモット油、ユーカリ油等のハーブ系精油、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油等のミント系精油、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油等の柑橘系精油、等の各種精油、調合香料等、通常外用剤に使用される香料を任意に使用できる。<色素>法定色素ハンドブック(日本化粧品工業連合会編(2004))に記載された色素を好ましく使用できる。<製剤の適用> 本発明は、前記本発明の血中尿酸値低下用皮膚外用剤を任意の部位(皮膚)に貼付または塗布する方法とすることによって、血中の尿酸値を低下させ、痛風を改善させるものである。好ましくは、通風の痛みが生じている患部に適用することが、痛み軽減効果の点で好ましい。 アンセリンを血中尿酸値低下、痛風改善を目的として経皮投与する場合、その適用量は、1日の投与量として10〜200mg、より好ましくは 30〜100mgとなるよう、処方することが好ましい。例えば、貼付剤の場合、1日1〜2枚(アンセリンとして40mg/枚)を24時間貼付する。また、塗布剤の場合、1日1〜2回(アンセリンとして40mg/回)を塗布する。Wistar系ラット(4週令、雄、日本エスエルシー(株))を用い、1週間馴化後、ラットを1群6匹に均等な体重分布に分け、アンセリン無投与群(正常群、対照群)、経口投入群(比較例1)、経皮投与群(貼付剤投与群(実施例1〜11)、塗布剤投与群(実施例12〜14))とした。・経口投与群:比較例1の液剤を1週間経口投与した。(1ml/回、1日2回)・貼付剤投与群:実施例1〜11の膏体を支持体に展延した貼付剤を、剃毛した背部へ1週間貼付し投与した。(含水系貼付剤5×7cm(膏体3.5g)、非水系貼付剤(膏体1.0g)を、1日1回剃毛後、貼りかえ)・塗布剤投与群:実施例12〜14の塗布剤を剃毛した背部へ1週間塗布し投与した。(2g/回、1日1回剃毛後塗布)なお、前記各投与群のアンセリン投与量は、何れも40mg/日である。 1週間後Osada et al(1993)の方法(Eur.J.Pharmacol.,241,183-188 )に従い、正常群以外の群にオキソン酸(250mg/kg)を皮下投与し、高尿酸血症を誘発させた。(正常群は、アンセリン投与・オキソン酸処置共に行わなかった群、対照群は、アンセリン投与を行わずオキソン酸投与のみ行った群である。) 前記各群のラット血中尿酸値を測定した。血中尿酸値測定サンプルは、オキソン酸処置2時間後に、エーテル吸入麻酔下で腹部大動脈より採血した。採血した血液は、遠心により血清に分離し、各個体の尿酸濃度を尿酸測定キット(尿酸C−テストワコー(和光純薬工業(株))で測定した。結果を表1〜5に示した。<痛風の痛みについて> 急性痛風性関節炎患者(n=4)に、下記1)〜5)の組成物を膏体とする含水系貼付剤(10×7cm、塗工量7g)を1日2回、朝・晩に貼付し、これを1週間繰り返した。これを交互に順序効果のないようクロスで実施し、実施前の症状と比較した1週間後の痛風発作の痛み改善効果について、夕方と早朝の状況についてアンケートにて確認した。数字が高いほど効果が高く、非ステロイド、局所麻酔剤の併用により痛風発作の改善が認められた。また皮膚刺激についても特記すべき事項はなかった。・ マリンアクティブ10の配合量を5.7質量%(アンセリンとして0.57質量%、40mg/枚)とした以外は実施例1と同じ組成物・ 1)の組成にインドメタシン1.0質量%を添加(アンセリン0.57質量%+インドメタシン1.0質量%)した組成物・ 2)の組成でアンセリン未配合(インドメタシン1.0質量%)した組成物・ 1)の組成にリドカイン1.0質量%を添加(アンセリン0.57質量%+リドカイン1.0質量%)した組成物・ 4)の組成でアンセリン未配合(リドカイン1.0質量%)した組成物(各組成の成分量の調整は、精製水でバランスした)5:非常に効果があった4:かなり効果があった3:効果があった2:やや効果があった1:効果がなかったアンセリンを含有することを特徴とする、血中尿酸値低下用の皮膚外用剤。さらに、カフェインを含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。さらにグリコールおよび/またはN−メチルピロリドンを含有することを特徴とする、請求項1〜2に記載の皮膚外用剤。貼付剤であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の皮膚外用剤。塗布剤であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の皮膚外用剤。痛風改善用製剤であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の皮膚外用剤。さらに抗炎症剤及び/または局所麻酔剤を含有することを特徴とする、請求項6記載の皮膚外用剤。アンセリン及びカフェインを含有する、皮膚外用組成物。アンセリンを、1日の投与量として10〜200mg経皮投与することを特徴とする、血中尿酸値低下方法アンセリンを、1日の投与量として10〜200mg経皮投与することを特徴とする、痛風改善方法 【課題】本発明は、痛風の要因である高い血中尿酸値を低下させる効果に優れ、さらには痛風改善効果が高い製剤を提供することを目的とする。【解決手段】アンセリンを含有することを特徴とする、血中尿酸値低下用の皮膚外用剤、好ましくは貼付剤とする。さらに、カフェイン、グリコール、N−メチルピロリドンを含有することが好ましい。【選択図】 なし


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