タイトル: | 公開特許公報(A)_プレス成形における異常検出方法および装置 |
出願番号: | 2009152943 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | G01N 29/04,B21D 22/00,G01N 29/00 |
坂田 豊 小川 一平 堀之内 大樹 JP 2010281806 公開特許公報(A) 20101216 2009152943 20090604 プレス成形における異常検出方法および装置 学校法人西日本工業学園 509181046 森尾プレス工業株式会社 509181057 株式会社高山プレス製作所 509181079 坂田 豊 小川 一平 堀之内 大樹 G01N 29/04 20060101AFI20101119BHJP B21D 22/00 20060101ALI20101119BHJP G01N 29/00 20060101ALI20101119BHJP JPG01N29/10 501B21D22/00G01N29/18G01N29/20 6 1 書面 9 2G047 2G047AC05 2G047BA03 2G047BB01 2G047BC03 2G047BC04 2G047BC07 2G047EA08 2G047EA12 2G047GF06 2G047GG06 2G047GG12 2G047GG17 2G047GG28 2G047GG33 プレス成形とは、パンチとダイ等から構成される金型で、金属板を挟圧し、必要な形状に成形することである。このプレス成形において、金属板に、割れ、しわ、成形カス等の異物の混入による打痕等の成形不良が発生する場合があることは、広く知られている。本発明は、これらの不良の発生をプレス成形時に成形異常として検出する方法である。 自動車や家電等などの工業製品には、様々な形状にプレス成形された金属薄板部品が多く用いられる。 これらのプレス成形では、絞り成形、張り出し成形等がある。これらの成形において、割れ、しわ、異物混入、板厚減少、ショックマーク等の成形不良が発生する事がある。 この不良の中の割れを成形加工中に検出する方法として、例えば、特許文献1に成形加工中に生じるアコースティック・エミッションに基づく弾性波を検出する方法が記載されている。 また、成形加工後の成形品の不良検査方法として、特許文献2に超音波探傷と赤外線を利用した方法や特許文献3にCCDカメラ等を利用した方法が記載されている。特許公開2007−132844特許公開2006−170684特許公開2007−237667 従来、プレス成形加工によって作られる成形品の不良検査は、成形加工後、目視または装置を使った検査が行われている。目視による検査の場合、人手により行われるために、全数検査をする場合は、生産性が悪く、生産性を上げた場合、全数検査が困難で、サンプリング検査になり、検査されていない成形品の中に不良品が混在する事があり、不良品のみを排除することが難しいという問題がある。 また、検査装置を使った場合においても、不良を確認してから成形機を停止するまでは、不良品が追加的に生産されるので、その間に材料等に無駄が生じ、金型等の破損を引き起こす場合もあるという問題がある。 本発明は、このような問題を解決するために、超音波探傷法を用いて、成形加工中に、不良の種類を特定せずに、成形加工中に割れ、しわ、異物混入等の成形異常が発生したかどうかを検出する方法およびその装置を提供することを目的とする。 本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 請求項2に記載のごとく、プレス成形加工において、プレス型内に組み込まれた超音波振動子によって矩形バースト波を発生させるステップ1と、ステップ1での矩形バースト波を金型の部材内で伝播させ、被加工素材の境界面で反射した超音波反射波を電気信号に変換し検出するステップ2と、ステップ2超音波反射波波形を正常なプレス成形時の波形と異常発生時の波形を比較するステップ3を備えることにより、プレス成形異常の有無を判定することを特徴とするプレス成形異常検出方法である。 請求項3に記載のごとく、請求項2の波形の比較方法として、正常なプレス成形時の超音波反射波を検出し、最大振幅または減衰率を求めることにより、正常範囲の最大振幅または減衰率の許容範囲を設定し、その許容範囲を逸脱した場合に、異常発生と判断することを特徴とする検出方法。 請求項4に記載のごとく、請求項2の波形の比較方法として、正常なプレス成形時の超音波反射波を検出し、その超音波反射波形をFFT変換することにより、ピーク周波数または中心周波数または帯域幅等を求める事により、正常範囲のピーク周波数または中心周波数または帯域幅を設定し、その許容範囲を逸脱した場合に、成形異常発生と判断することを特徴とする検出方法。 請求項5に記載のごとく、プレス成形異常を検出する装置であって、超音波振動子によって矩形バースト波を発生させる手段と被加工素材の境界面で反射した超音波反射波を受信する手段から成り、パンチ部またはダイ部または材料押さえ部等の金型の構成部品に取り付けることがでる超音波探触子を備え、この超音波探触子に電気信号により振動波形を与える超音波パルサー部と超音波受信波を電気信号に変換する超音波レシーバ部を備え、レシーバ部で得られた電気信号を処理し、予め設定された許容値との比較演算結果に基づいて、異常の有無を判定する異常判定部とを備えることを特徴とするプレス成形異常検出装置。 請求項6に記載のごとく、請求項5のプレス成形異常検出装置において、受信波形のアナログ値および受信波形の最大振幅、減衰率、ピーク周波数、中心周波数、帯域幅等を記録する情報記録部をさらに備えることを特徴とする請求項5の持つプレス成形異常検出装置。 本発明によれば、金型とプレス成形加工時に、しわ、割れ、異物混入等の成形異常を検出し、異常発生時に自動または手動でプレス成形機を停止させることにより、不良品の生産を最小限に留めることが可能になり、材料の浪費、金型等の損傷防止、成形品検査コストの低減を図ることができる。 また、プレス成形異常が発生し、検出できなかった場合においても、成形加工後、超音波受信波の記録を調査・評価することにより、製品の不良発生のトレーサビリティ(追跡)を確保することができる。 以下に本発明に係わるプレス成形異常検出装置の一実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係るプレス成形異常検出装置の構成を示す。このプレス成形異常検出装置は、プレス成形機に取り付け、プレス成形加工に使用される。図2は、本発明の一実施例に係わるプレス装置の全体的な構成である。 図1の超音波探触子7を配置する位置は、金型1の構成部品の任意の位置に配置する事ができるが、プレス成形加工における薄板成形解析システム等による解析によって、被加工素材のしわ、割れが発生すると予測される部位の近傍のパンチ3またはダイ4、ホルダー5部等の金型の構成部品に配置したほうが好ましい。 超音波探触子7は、超音波振動子によって矩形バースト波を発生させる手段と金型の構成部品と被加工素材の境界面で反射した超音波反射波を受信する手段を有するが、矩形バースト波を発生させる手段と超音波反射波を受信する手段を個別に構成することができる。 超音波パルサー・レシーバ装置8は、超音波探触子7に電気信号により振動波形を与える超音波パルサー部と超音波受信波を電気信号に変換する超音波レシーバ部から構成されるが、パルサー部とレシーバ部を個別に構成することができる。 図1に示すように、本実施例に係わるプレス成形異常検出装置は、プレス成形用金型のパンチ3またはダイ4、ホルダー5部等の構成部品に取り付けられた超音波探触子7と超音波探触子に電気信号により振動波形を与える超音波パルサー部と超音波受信波を電気信号に変換する超音波レシーバ部からなる超音波パルサー・レシーバ装置8とレシーバ部で得られた電気信号を処理し、予め設定された許容値との比較演算結果に基づいて、異常の有無を判定する異常判定部とデータを記録・保存する記録部からなるデータ処理部9から構成される。 図2に示すように、超音波探触子7を配置したプレス成形用金型は、公知の金属加工用のプレス成形機10に取り付けて使用され、超音波受信波は超音波送信波のサンプリング周波数毎に連続的に受信する事が出来る。 超音波探触子7から金型構成部品内に発信された超音波送信波は、超音波探触子を取り付けた金型構成部品と被加工素材の境界面で反射され、超音波受信波として超音波探触子で受信する。 超音波受信波は、超音波探触子を取り付けた金型構成部品と被加工素材の境界面での反射回数に応じた反射波になる。 超音波探触子で受信された受信波は超音波レシーバ部で電気信号に変換され、データ処理装置に送信される。 データ処理部では、超音波受信波形を超音波の反射回数に応じてアナログ波として表示する事ができる。図3に、金型構成部品と被加工素材の境界面で3回反射し、第一反射波11から第三反射波13まで得られた超音波受信波形例を示す。 プレス成形において、プレス機械の成形条件および被加工素材および使用する金型が同一であれば、超音波探触子を取り付けた金型構成部品と被加工素材の接触状態の違いにより、超音波受信波形が変化する。 正常なプレス成形では、金型プレス機械の1モーション毎に、モーション下死点で、ほぼ同一の波形を得る事ができるが、しわ、割れ等に起因する成形異常が発生した場合、超音波受信波形が変化する。 図4に、金型と被加工素材が接触していない場合の超音波受信波第一反射波形例14、しわが発生した成形時の超音波受信波形第一反射波形例15およびしわを抑制した成形時の超音波受信波形第一反射波形例16の違いを例示する。 図4では、超音波受信波形第一反射波形の最大振幅が、変化しているのが確認できる。 本実施例に係わるプレス異常検出装置では、データ処理部において、超音波受信波の第1反射波において、正常な成形時の最大振幅および減衰率に対して許容範囲を設け、その許容範囲から外れた最大振幅および減衰率が発生した場合に、成形異常発生と判断し、異常発生信号を出力させている。 また、データ処理の記録部において、プレス機械の1モーション毎の超音波受信波の第1波の最大振幅および減衰率を記録している。FFT変換後のピーク周波数、中心周波数、帯域幅を記録することもできる。 設定した正常な成形時の許容範囲で、成形異常が発生した場合など異常検出に失敗した場合においても、成形後に、この記録されたデータを解析する事により、異常発生時の成形状態を評価することが可能であり、より適切な許容範囲の設定等に活用することができる。また、異常発生のトレーサビリティ(追跡)を確保することができる。 本発明の実施例に係るプレス成形異常検出装置の構成を示した図。本発明の一実施例に係わるプレス装置の全体的な構成を示した図。データ処理部で、超音波受信波形をアナログ波として表示した図。プレス成形時、しわが発生した場合、しわの大きさによるプレス下死点での超音波受信波第一反射波の波形の違いを示した図。 1 プレス成形用金型8 超音波パルサー・レシーバ装置10 プレス機械11 超音波受信波の第一反射波12 超音波受信波の第二反射波13 超音波受信波の第三反射波14 金型と被加工素材が接触していない場合の超音波受信波形例15 しわが発生した成形時の超音波受信波形例16 しわを抑制した成形時の超音波受信波形例 プレス型の成形部において、金型と被加工素材の境界面からの超音波反射波を検出して電気信号に変え、正常なプレス成形時の波形と異常発生時の波形を比較することにより、プレス不良の有無を判定することを特徴とするプレス成形における異常検出方法。 プレス成形加工において、プレス型内に組み込まれた超音波振動子によって矩形バースト波を発生させるステップ1と、ステップ1での矩形バースト波を金型の部材内で伝播させ、被加工素材の境界面で反射した超音波反射波を電気信号に変換し検出するステップ2と、ステップ2超音波反射波波形を正常なプレス成形時の波形と異常発生時の波形を比較するステップ3を備えることにより、プレス成形異常の有無を判定することを特徴とするプレス成形における異常検出方法。 請求項1のプレス成形における異常検出方法において、超音波反射波形の最大振幅または減衰率が許容値を逸脱した場合に、異常発生と判断することを特徴とする異常検出方法。 請求項1のプレス成形における異常検出方法において、超音波反射波形のFFT変換により、ピーク周波数または中心周波数または帯域幅が許容値を逸脱した場合に、異常発生と判断することを特徴とする異常検出方法。 プレス成形における異常を検出する装置であって、金型のパンチ部またはダイ部または材料押さえ部に取り付けられた超音波探触子と超音波送信波を発生させる手段と超音波受信波を電気信号に変換する手段と受信波形の最大振幅、減衰率、ピーク周波数、中心周波数、帯域幅に対して予め設定された許容値との比較演算結果に基づいて、異常の有無を判定する手段とを備えることを特徴とするプレス成形における異常検出装置。 上記プレス成形における異常検出装置に、受信波形のアナログ値および受信波形の最大振幅、減衰率、ピーク周波数、中心周波数、帯域幅を記録する手段をさらに備えることを特徴とする請求項5の持つプレス成形における異常検出装置。 【課題】 パンチおよびダイを持つ金型で金属板を挟圧し、成形するプレス成形において、金型と金属板の境界面2での超音波の反射波を利用することによって、しわ、割れ等の成形良を検知する方法およびその装置を提供する。【解決手段】パンチ3およびダイ4で金属板6を挟圧し、プレス成形する金型1において、パンチまたはダイまたは材料ホルダー5に超音波探触子7を配置し、金型と成形金属板との接触境界面2からの超音波反射波を得る事によって、正常な成形時としわ、割れ等の不良が発生した成形時の波形の変化を比較することにより、しわ、割れ等の成形不良が発生したかどうかを検出する。【選択図】図1