生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_摩擦係数測定機
出願番号:2009117126
年次:2010
IPC分類:G01N 19/02


特許情報キャッシュ

齋藤 博之 竹下 幸俊 半田 隆夫 JP 2010266297 公開特許公報(A) 20101125 2009117126 20090514 摩擦係数測定機 日本電信電話株式会社 000004226 岡田 賢治 100119677 今下 勝博 100115794 齋藤 博之 竹下 幸俊 半田 隆夫 G01N 19/02 20060101AFI20101029BHJP JPG01N19/02 C 5 1 OL 10 本発明は、粗面が弾性変形して、摩擦係数が速度や見かけの接触面積に依存する試料の摩擦係数を測定する摩擦係数測定機に関する。 金属、セラミック、高分子などの各種材料について、試料と可動台を用いて、引張方向の力を付与することによって物性を測定することが行われてきた。従来の測定においては、試料と可動台を密着して固定してはずれないようにして、試料に力を負荷することにより試料を破壊する形での測定を行うことが一般的であった。 一方、材料の界面での性質を知りたい場合には、当該材料界面の一部を他の物体に接するようにして、当該物体と当該材料の間に生じる力を測定することになる。材料の界面での性質のなかで代表的な性質のひとつとして摩擦特性がある。摩擦はある物体と他の物体の界面で生じる現象である。物体を構成する材料には種々の物質があるが、図9に示すように全く変形のない平坦な理想面をもつ材料からなる物体と、一般の面粗さをもつ材料からなる粗面の物体が接している場合について考える。 この場合、図9の荷重W1、W2、・・・、Wk(kは自然数)における面積A1、A2、・・・、Akでの接触が生じることが明らかである。ここで、粗面の降伏圧力をpとする。理想面との接触による降伏圧力pで粗面が塑性変形を生じているとき、i=1、2、・・・、k、及び、粗面と理想面との接触面積の合計(真の接触面積)をAr=A1+A2+・・・+Akとすれば、 総荷重W=ΣWi=pΣAi=pAr (1)であるから、 真の接触面積Ar=W/p (2)となり、真の接触面積Arは総荷重Wと降伏圧力pのみで決まる。 ここで、理想面と粗面の間に働く摩擦力は、これら界面での一時的な凝着により生じるものと考えられている(例えば、非特許文献1を参照。)。すなわち、表面自由エネルギー(界面自由エネルギーともいう)が小さい材料では一般的には働く摩擦力が小さくなる。 次に、粗面が図9の塑性変形領域に入っている場合を考える。摩擦力を生じさせる凝着を断ち切るせん断力Fは、単位面積あたりのせん断強度をSとすると、 F=ArS (3)となる。これに数式(2)を代入すると、 F=W/p・S =S/p・W (4)となる。数式(4)より、摩擦力は荷重(抗力)に比例しており、クーロンの法則として一般に知られている。また、静止摩擦係数μsは、 μs=F/W=S/p (5)と表され、材料固有値である。 材料の界面の性質を測定する測定方法は、上述のような粗面が塑性変形をしたモデル条件で静的に測定することが知られている(例えば、非特許文献2を参照。)。斎藤博之、高井健一、高沢寿佳、山内五郎:「材料」、46巻5号,pp.551−554(1997)島津製作所ホームページ(平成21年2月23日検索)http://www.shimadzu.co.jp/TEST/products/mtrl03/index.html 一方、ゴムなどの高分子材料が粗面を構成するとき、この粗面が弾性変形して応力緩和成分が生じるので界面においてクーロンの法則が成り立たないことが多い。つまり、降伏圧力pによる粗面の変形が弾性変形であるときには、数式(2)は成り立たず、真の接触面積Arは総荷重Wと降伏圧力pのみでは決まらない。また、界面においてクーロンの法則が成り立たない場合、摩擦係数は理想面と粗面との相対速度に依存することが多い。このように、従来の測定機には、界面においてクーロンの法則が成り立たず、かつ摩擦係数が理想面と粗面との相対速度に依存するような材料の摩擦係数を測定することは困難という課題があった。 そこで、本発明は、界面においてクーロンの法則が成立しない場合でも、摩擦係数が理想面と粗面との相対速度に依存するような試料の真の摩擦係数を測定できる摩擦係数測定機を提供することを目的とする。なお、ここで試料とは摩擦係数を測定しようとする材料のことを指す。 上記目的を達成するために、本発明に係る摩擦係数測定機は、試料を接触面上で移動させ、その間の摩擦による力の変化をサンプリングして試料と接触面との相対速度と摩擦係数の関係を算出することとした。 具体的には、本発明に係る摩擦係数測定機は、試料の一部と接触する接触部を有する可動台と、前記試料と前記接触部とを接触させた状態で前記可動台を移動させる制御手段と、前記試料と接続されており、前記試料と前記接触部との間の摩擦に基づく力を伝える接続手段と、前記接続手段が伝える力を電気信号に変換するトランスデューサと、前記トランスデューサからの前記電気信号を所定の周期でサンプリングする測定手段と、を備える。 本摩擦係数測定機は、試料を接触部上を滑らせ、両者の間で生ずる摩擦力を所定周期で測定している。従って、本発明は、界面においてクーロンの法則が成立しない場合でも、摩擦係数が理想面と粗面との相対速度に依存するような試料の真の摩擦係数を測定できる摩擦係数測定機を提供することができる。 本発明に係る摩擦係数測定機の前記可動台の前記接触部は、前記試料の長手方向の一部を保持する形状とすることができる。試料と接触部とのみかけの接触面積が摩擦力に影響を及ぼすから、摩擦係数測定中はみかけの接触面積を一定にすることが望ましい。ここで、「みかけの接触面積」とは、試料と接触部との接触界面全体をその法線方向で正射影した面積をいう。例えば、図1の場合、試料91の底面積が「みかけの接触面積」に相当する。本接触部は、試料の一部を安定的に保持する形状としている。本接触部は、摩擦係数測定中も試料とのみかけの接触面積を一定にすることができる。従って、本発明は、試料の形状に関わらず試料とのみかけの接触面積を一定にすることができ、試料の真の摩擦係数を測定できる摩擦係数測定機を提供することができる。 ここで、試料と接触部とのみかけの接触面積が摩擦力に影響を及ぼす点について補足する。図9で説明したように、真の接触面積は総荷重と降伏圧力で定まる。降伏圧力は材料固有値であるが、真の接触面積は降伏圧力と面積Akの真の接触点の数で決定する。この真の接触点は接触界面に対して特異な点ではなく統計的に偶発的に発生するものと考えられており、接触点の数は、みかけ接触面積に対して一定割合で存在することになる。つまり、みかけ接触面積の変化は、真の接触点の数、すなわち真の接触面積の変化であるといえる。 数式(4)のクーロンの法則が成り立つ場合、摩擦力は荷重のみに依存するので真の接触面積の変化を考慮する必要はない。しかし、クーロンの法則が成り立たない場合、具体的には材料側が弾性変形の状態にあるような場合、真の接触面積が変化すると摩擦力も変化することになる。すなわち、試料と接触部とのみかけの接触面積が摩擦力に影響を及ぼすことになる。したがって、摩擦力の測定にあたって真の接触面積を一定にするために、「みかけの接触面積」を一定にしておくことで正確な摩擦係数を測定することができる。 さらに本発明に係る摩擦係数測定機の前記可動台の接触部が平面であり、前記可動台の前記接触部の法線方向且つ前記可動台の前記接触部に近づく方向の力を前記試料に印加する印加手段をさらに備えることが好ましい。本摩擦係数測定機は、荷重を変化させたときの摩擦係数を測定できる。 さらに本発明に係る摩擦係数測定機の前記制御手段は、速度を一定に保ちながら前記可動台を移動させ、前記接続手段が伝える力は、前記試料と前記接触部との間で交互に現れる静止摩擦と動摩擦で変動し、前記測定手段は、前記所定の周期を前記トランスデューサに伝えられる力の変動周期とすることで、前記試料と前記接触部との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を算出することができる。本摩擦係数測定機は、試料のスティックスリップ振動から静止摩擦係数及び動摩擦係数を測定することができる。 さらに本発明に係る摩擦係数測定機の前記制御手段は、速度を等加速度で上昇させながら前記可動台を移動させ、前記接続手段が伝える力は、前記試料と前記接触部との間の動摩擦で発生し、前記測定手段は、前記試料と前記接触部との相対速度に対する動摩擦係数を算出することができる。本摩擦係数測定機は、試料と接触部との相対速度に応じた動摩擦係数を測定することができる。 本発明は、界面においてクーロンの法則が成立しない場合でも、摩擦係数が理想面と粗面との相対速度に依存するような試料の真の摩擦係数を測定できる摩擦係数測定機を提供することができる。また、本摩擦係数測定機は、接触部との接触で塑性変形をしている試料はもちろんのこと、塑性変形をしていない試料についても摩擦係数を測定することができる。さらに、本摩擦係数測定機は、一度の測定により種々の進度における動摩擦係数を同時に求めることができる。本発明に係る摩擦係数測定機を説明するブロック図である。本発明に係る摩擦係数測定機を説明するブロック図である。本発明に係る摩擦係数測定機の動作を説明する図である。本発明に係る摩擦係数測定機を説明するブロック図である。本発明に係る摩擦係数測定機の保持手段を説明する図である。本発明に係る摩擦係数測定機の保持手段を説明する図である。本発明に係る摩擦係数測定機の動作を説明する図である。(a)は復元力が静止摩擦力より小さく、試料が可動台とともに移動する場合の図である。(b)は復元力と静止摩擦力とが一致した場合の図である。(c)は復元力が動摩擦力より大きく、試料が可動台の接触部上を滑る場合の図である。試料と接触部との間で生ずる摩擦力と時間との関係を説明する図である。試料の表面の性質を説明する図である。 添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。(実施形態1) 図1は、本実施形態の摩擦係数測定機を説明するブロック図である。本摩擦係数測定機は、試料91の一部と接触する接触部21を有する可動台11と、試料91と接触部21とを接触させた状態で可動台11を移動させる制御手段12と、試料91と接続されており、試料91と接触部21との間の摩擦に基づく力を伝える接続手段13と、接続手段13が伝える力を電気信号に変換するトランスデューサ14と、トランスデューサ14からの電気信号を所定の周期でサンプリングする測定手段15と、を備える。 可動台11は試料91と接触する接触部21を有する。図1の可動台11の接触部21は平面である。この平面の形は任意であるが、一例として長方形にすることがあげられる。試料と同じ大きさ・形状にすることも例として挙げられる。試料91の一部は平面となっている。これを試料91の底面とする。試料91の底面を可動台11の接触部21に置く。図1の摩擦係数測定機は、可動台11の接触部21が水平になるように配置されているが、試料91の底面と接触部21とが接触する状態であれば可動台11の接触部21が斜めや垂直に配置されていてもよい。 制御手段12は可動台11を動かすために可動台11に信号を送る。例えば、制御手段12は、可動台11に信号を送り、可動台11を方向Aへ直線運動させる。可動台11の直線運動は一定速度にすることもできるし、等加速度にすることもできる。また、可動台11の運動は、特定の曲線運動とすることもできるし、その場合も一定速度や等加速度とすることができる。 トランスデューサ14としては任意のものが利用できるが、例としてひずみゲージやロードセルを用いることができる。トランスデューサ14と試料91とは接続手段13で接続されている。接続手段13は加わる力により変形しにくい材料で行われることが望ましい。例えば、可動台11が方向Aへ直線運動するとき、接続手段13はステンレス鋼線とすることができる。また、可動台11が方向Bや曲線運動するときは、金属の棒とすることができる。 測定手段15は、トランスデューサ14からの電気信号を所定周期でサンプリングするが、サンプリング周期は任意に設計できる。例えば、1秒間に50回(50Hz)のサンプリングを行うことができる。この周期は東京近辺の商用電源に同期するので容易に取得できるサンプリング周期である。 可動台11が方向Aに直線運動した場合、試料91は接続手段13でトランスデューサ14と接続されていることから絶対位置は動かず、試料91は接触部21上を滑ることになる。このため、トランスデューサ14には接続手段13を介して試料91と接触部21との間に生ずる摩擦力が伝わる。トランスデューサ14はこの摩擦力を機械/電気変換して測定手段15に出力する。測定手段15はこの電気信号をサンプリングすることで試料91が接触部21上を滑る間の摩擦力をサンプリング周期毎に測定できる。 次に、本摩擦係数測定機の動作を説明する。ここではトランスデューサ14がロードセルであるとして説明している。まず、制御手段12が、速度を一定に保ちながら可動台11を方向Aへ移動させる場合を説明する。図7(a)〜(c)は、本摩擦係数測定機の動作を説明する図である。Fが摩擦力、Gは試料91にかかる重力、Nは重力Gの抗力、Vは可動台11の移動速度である。図7(a)〜(b)は、可動台11の移動速度Vが0でなく試料91が可動台11とともに移動しているとき(相対速度0の場合)の図である。このとき、試料91と接触部12との間には静止摩擦力が発生する。ロードセルのばねによる復元力が静止摩擦力より小さい場合、可動台11と試料91とは一体で移動する。 図7(b)〜(c)は、ロードセルのばねによる復元力が静止摩擦力より大きくなり、試料91が接触面21から動摩擦力を受けながら復元力により運動しているときの図である。そして、ロードセルのばねによる復元力が静止摩擦力より小さくなると、再び試料91と可動台11は静摩擦力により一体として運動する。この現象は一般に知られるスティックスリップ振動の特殊な場合である。このとき、接続手段13が伝える力は、試料91と接触部21との間で交互に現れる静止摩擦と動摩擦で変動する。 図8は、試料91と接触部21との間で生ずる摩擦力と時間との関係を説明する図である。横軸は制御手段12が可動台11を移動させる時間を示す。縦軸は試料91と接触部12との間に生ずる摩擦力を示す。図8を用いて、試料91がスティックスリップ振動を生じているときの試料91と接触部21との間に生ずる摩擦力の変化について説明する。図8の関数(i)は静止摩擦で試料91と接触部21とが一体となり等速直線運動する区間の静止摩擦力の変化を示している。この区間では次式が成り立つ。 F=−jx+μN=0 (jはばね定数、xは平衡位置からの変位) μ/μs<1 (μsは静止摩擦係数、μは動摩擦係数) −jx<μsN (6)なお、試料91が弾性変化する領域においては、動摩擦係数μは試料と接触部21との相対速度に応じて変化する。 一方、図8の関数(ii)はばねの復元力で試料91が可動台11を滑るときの動摩擦力の変化の一例を示している。この区間では次式が成り立つ。 F=−jx−[sgn]μdN ([sgn]は+1又は−1、μdは動摩擦係数) (7)図8の関数は時間に対する周期関数であるので、フーリエ級数展開することができるが、その第1項のみできわめて粗い近似で正弦波振動として扱うこともできる。ロ−ドセルはこの変動する摩擦力を電気的に出力する。測定手段15は、サンプリング周期をスティックスリップ振動の周期以下とすることで、試料91と接触部21との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を算出することができる。 次に、制御手段12が、速度を等加速度で上昇させながら可動台11を方向Aへ移動させる場合を説明する。図3は、本摩擦係数測定機の動作を説明する図である。横軸は制御手段12が可動台11を移動させる時間を示す。縦軸は可動台11の移動速度を示す。加速度が0でない等加速度直線運動が行われる際には、可動台11の移動速度Vは時々刻々と変化することになる。接続手段13が伝える力は、試料91と接触部13との間の動摩擦で発生する。測定手段15は、試料91と接触部21との相対速度Vに対する動摩擦係数を算出する。試料91の底面(粗面に相当する)が弾性変形域であるときには摩擦係数を一定とするための前提が適用できないので、一般には摩擦係数は速度、すなわち時間の関数であるとして扱わなければならない。 そこで、測定手段15は、微小時間でロードセルのサンプリングを行う。図3では、予め定めたサンプリング周期である時間t(k−1)からt(k)の区間での摩擦係数をμkで表している(k:自然数)。このサンプリング周期内の摩擦係数はサンプリング周期が短ければ一定とみなせる。測定手段15は、各々の移動時間tと移動速度(相対速度)Vにおける動摩擦孫数μ1、μ2、・・・、μkを取得することができる。このμ1、μ2、・・・、μkは各速度Vにおける摩擦力(摩擦係数)を示すインデックスとなる。 従来、移動速度が一定の場合のみ摩擦係数を取得することができたが、本摩擦係数測定機は、トランスデューサ14が出力する電気信号を測定手段15がサンプリング周期で摩擦係数を取得するため、1回の試験で様々な移動速度の摩擦係数を取得することができる。試料の底面が塑性変形域である場合にも同様の測定が行える。(実施形態2) 図2は、本摩擦係数測定機を説明するブロック図である。図2の摩擦係数測定機と図1の摩擦係数測定機との違いは、図2の摩擦係数測定機が印加手段22をさらに備えていることである。印加手段22は、可動台11の接触部21の法線方向且つ可動台11の接触部21に近づく方向の力を試料91に印加する。すなわち、印加手段22は試料91を接触部21に押し付ける力を印加する。図2の摩擦係数測定機は、図1で説明した摩擦係数測定機と同様に試料91の摩擦係数を取得することができる。さらに、試料91と接触部21との圧力を変化させて摩擦係数を取得することができる。なお、印加手段22を備えた場合、試料91と印加手段22との間に生ずる摩擦力も考慮する必要がある。試料91の上から、さらに加えて重りを乗せても同様の効果を得ることができる。(実施形態3) 図4は、本摩擦係数測定機を説明するブロック図である。図4の摩擦係数測定機と図1の摩擦係数測定機との違いは、図4の摩擦係数測定機が保持手段23をさらに備えていることである。試料の底面が弾性変形域にあるとき、試料と接触部とのみかけ接触面積が測定する摩擦力に影響を及ぼすため、みかけの接触面積を一定にして測定を行う必要がある。可動台11の接触部21は、試料91の長手方向の一部を保持する形状である。保持手段23の具体例を図5及び図6に示す。 図5は試料91がシート状である場合の保持手段23を説明する図である。保持手段23はシート状の試料91の表面と裏面とを挟み込むように保持する。図5の保持手段23の場合、試料91の表面と接触する部分と試料91の裏面と接触する部分とが接触部21となる。このため、保持手段23は、試料91との相対位置の変化が少なくなり、みかけ接触面積の変化を少なくすることができる。 一方、線状の試料91は図5のような保持手段23で固定すると、試料91と保持手段23とが接触する部分の面積は少なくなる。このため、線状の試料91と保持手段23の相対位置がずれて斜めになると接触面積の変化の割合が大きくなる。 そこで、保持手段23は上下のみならず側面に細い線を用いて線材との相対位置が変化しないように支えるか、保持手段23の側面にも接触部をつけることで、線状の試料91との相対位置の変化を生じさせないようにすることができる。なお、この際には、当該細い線や側面の接触部については、既知の摩擦係数を有するものが好ましい。また、接触部は一定の材料で構成し、その摩擦係数が測定しようとする試料に予測される摩擦係数よりも小さいものを使うことが望ましい。 線状の試料91の摩擦係数を測定する場合、図6のような保持手段23を使ってもよい。図6の保持手段23は、線状の試料91が中心を貫通するような形状である。保持手段23は、線状の試料91の外周を保持するため、みかけ接触面積の変化を少なくすることができる。11:可動台12:制御手段13:接続手段14:トランスデューサ15:測定手段21:接続部22:印加手段23:保持手段91:試料A、B:方向 試料の一部と接触する接触部を有する可動台と、 前記試料と前記接触部とを接触させた状態で前記可動台を移動させる制御手段と、 前記試料と接続されており、前記試料と前記接触部との間の摩擦に基づく力を伝える接続手段と、 前記接続手段が伝える力を電気信号に変換するトランスデューサと、 前記トランスデューサからの前記電気信号を所定の周期でサンプリングする測定手段と、を備える摩擦係数測定機。 前記可動台の前記接触部は、前記試料の長手方向の一部を保持する形状であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦係数測定機。 前記可動台の接触部が平面であり、 前記可動台の前記接触部の法線方向且つ前記可動台の前記接触部に近づく方向の力を前記試料に印加する印加手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の摩擦係数測定機。 前記制御手段は、速度を一定に保ちながら前記可動台を移動させ、 前記接続手段が伝える力は、前記試料と前記接触部との間で交互に現れる静止摩擦と動摩擦で変動し、 前記測定手段は、前記所定の周期を前記トランスデューサに伝えられる力の変動周期とすることで、前記試料と前記接触部との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の摩擦係数測定機。 前記制御手段は、速度を等加速度で上昇させながら前記可動台を移動させ、 前記接続手段が伝える力は、前記試料と前記接触部との間の動摩擦で発生し、 前記測定手段は、前記試料と前記接触部との相対速度に対する動摩擦係数を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の摩擦係数測定機。 【課題】界面においてクーロンの法則が成り立たず、摩擦係数が理想面と粗面との相対速度に依存するような試料の真の摩擦係数を測定できる摩擦係数測定機を提供することを目的とする。【解決手段】本摩擦係数測定機は、試料91の一部と接触する接触部21を有する可動台11と、試料91と接触部21とを接触させた状態で可動台11を移動させる制御手段12と、試料91と接続されており、試料91と接触部21との間の摩擦に基づく力を伝える接続手段13と、接続手段13が伝える力を電気信号に変換するトランスデューサ14と、トランスデューサ14からの電気信号を所定の周期でサンプリングする測定手段15と、を備える。【選択図】図1


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る