タイトル: | 再公表特許(A1)_腸内環境改善剤 |
出願番号: | 2009062509 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 38/16,A61K 35/74,A61K 36/18,A61K 36/81,A61P 1/00,A61P 43/00 |
鈴木 則行 森下 恭子 村越 倫明 JP WO2010005047 20100114 JP2009062509 20090709 腸内環境改善剤 ライオン株式会社 000006769 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 鈴木 則行 森下 恭子 村越 倫明 JP 2008179710 20080710 A61K 38/16 20060101AFI20111202BHJP A61K 35/74 20060101ALI20111202BHJP A61K 36/18 20060101ALI20111202BHJP A61K 36/81 20060101ALI20111202BHJP A61P 1/00 20060101ALI20111202BHJP A61P 43/00 20060101ALI20111202BHJP JPA61K37/14A61K35/74 AA61K35/78 CA61K35/78 RA61P1/00A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20120105 2010519812 12 4C084 4C087 4C088 4C084AA01 4C084AA02 4C084BA03 4C084BA44 4C084CA38 4C084DC50 4C084MA02 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZA661 4C084ZC751 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC56 4C087CA09 4C087MA02 4C087NA05 4C087NA14 4C087ZA66 4C087ZC75 4C088AB36 4C088AB48 4C088AB81 4C088BA08 4C088CA03 4C088MA02 4C088NA05 4C088ZA66 本発明は、優れた腸内環境改善効果を有する腸内環境改善剤に関するものである。 食物や食物繊維の摂取が不十分であったり、ホルモンバランス、心配事や環境等による精神的なストレス等により、腸内環境が悪くなり、便の回数や量が少なくなるといった症状が生じる。この腸内環境の悪化は、大腸がんや腸閉塞等の原因の一つとなるおそれがある。一方、ラクトバチルス ブレビス菌の摂取により、免疫賦活作用、腸年齢スコア改善作用が確認されているが、さらに、安全で腸内環境改善効果に優れたものが望まれていた。特開2005−068060号公報特開2007−084533号公報 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた腸内環境改善効果を有する腸内環境改善剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌とを併用することで、腸内環境が改善され、適当な便の回数・量が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。 従って、本発明は下記腸内環境改善剤を提供する。[1].ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌とを有効成分として含有する腸内環境改善剤。[2].腸溶製剤である[1]記載の腸内環境改善剤。[3].ラクトバチルス ブレビス菌の生菌を1億個以上含む[1]又は[2]記載の腸内環境改善剤。[4].ラクトバチルス ブレビス菌の死菌を10億個以上含む[1]又は[2]記載の腸内環境改善剤。[5].さらに、コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の腸内環境改善剤。 本発明によれば、優れた腸内環境改善効果を有する腸内環境改善剤を提供することができる。本発明の実施例及び比較例の排便回数の結果を示すグラフである。本発明の実施例及び比較例の排便量の結果を示すグラフである[ラクトフェリン] は、市販のラクトフェリン、哺乳類(例えば人、牛、羊、山羊、馬等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から、常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離したラクトフェリン、植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたラクトフェリン、遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリン等が挙げられる。ラクトフェリンは、市販品を使用してもよいし、公知の方法により調製して使用することができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、ラクトフェリンとしては、牛由来のものが好ましく、腸溶加工されたラクトフェリンが好ましい。 ラクトフェリンの腸内環境改善剤全体に対する配合量は、その剤型、投与形態、投与対象によって適宜選定されるが、成人一人、1日あたり、10mg/日以上が好ましく、50〜5000mg/日がより好ましい。この範囲でより本発明の効果を得ることができる。例えば、300mgを3錠の錠剤で摂取する場合、1錠あたりはその1/3の100mg量となる。[ラクトバチルス ブレビス菌] Lactobacillus brevis subsp. coagulans (ラクトバチルス ブレビス サブスピーシス コアギュランス)であり、通称を「ラブレ菌」という。「すぐき漬」という漬け物から発見された菌で、酸や塩分に強いので、胃液や腸液に耐え、生きたまま腸に届き、腸の中でも生きぬく力が強い。株は特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、菌株番号:FERM BP−4693を用いるのが好ましい。 ラクトバチルス ブレビス菌の腸内環境改善剤全体に対する配合量は、その剤型、投与形態、投与対象によって適宜選定されるが、成人一人、1日あたり、生菌は1億個以上が好ましく、10億以上がより好ましく、100億個以上がさらに好ましい。死菌は10億個以上が好ましく、100億個以上がより好ましく、180億個以上がさらに好ましい。生菌、死菌いずれも、多量に摂取しても排出されるので特に限定されないが、10兆個以下である。この範囲でより本発明の効果を得ることができる。なお、乳酸菌の同定にはアピ50CHLビオメリュー(日本ビオメリュー社製)を用いる。生菌数の測定には、MRS寒天培地を用いて嫌気培養し、生育したコロニーを計測する。死菌の場合には殺菌処理をする前に、生菌と同様MRS寒天培地を用いて計測した値を死菌数とする。[コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物] 本発明の腸内環境改善剤には、さらに腸内環境改善効果を向上させるため、コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物を配合することが好ましい。 具体的には、コショウ科として、コショウ(Piper nigrum L.)、ヒハツ(Piper longum L.)、ヒハツモドキ(Piper retrofractum Vahl)、ショウガ科としてショウガ(Zingiber officinale)、ナス科としてトウガラシ(Capsicum annuum)等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。 上記植物の抽出物としては、市販品あるいは公知の抽出方法によって得られたものを使用することができる。上記抽出方法に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。上記抽出方法における各種条件は、特に制限されるものではないが、通常、抽出原料と上記抽出溶媒との比率は、質量比で抽出原料:抽出溶媒=1:2〜1:50程度の範囲が好ましい。また、抽出温度は5〜80℃の範囲が好ましく、1時間〜1週間、抽出溶媒に浸漬したり、攪拌したりすることによって行うことが好ましい。なお、抽出pHは、極端な酸性又はアルカリ性でなければ、特に制限はない。上記抽出溶媒が、水、エタノール、水/エタノール(含水エタノール)等の非毒性の溶媒である場合は、抽出物をそのまま用いてもよく、あるいは希釈液として用いてもよい。また、上記抽出物を濃縮エキスとしてもよく、凍結乾燥等により乾燥粉末物にしたり、ペースト状に調製したりしてもよい。なお、他の溶媒を用いた場合は、溶媒を留去後、乾燥分を非毒性の溶媒で希釈して用いることが好ましい。 コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物の腸内環境改善剤全体に対する配合量は、その剤型、投与形態、投与対象によって適宜選定されるが、抽出物として成人一人、1日あたり、0.1〜5000mgが好ましく、1〜500mgがより好ましい。この範囲でより本発明の効果を得ることができる。 腸内環境改善剤には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、適量用いることができる。任意成分としては、例えば、油性成分、滑沢剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、上記成分以外の薬効成分、色素、香料等を挙げることができる。具体的には、下記成分を挙げることができる。 油性成分としては、各種脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。滑沢剤としては、アラビアゴム、カカオ脂、カルナバロウ、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、流動パラフィン、結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ゼラチン、乳糖、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フマル酸、ミツロウ糖等が挙げられる。賦形剤としては、アラビアゴム、エチルセルロース、カオリン、カカオ脂、果糖、二酸化ケイ素、キシリトール、クエン酸又はその塩、結晶セルロース、ステアリン酸又はその塩、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、ショ糖、グルコース、ソルビトール、ラクチトール、コーンスターチ、ポテトスターチ等が挙げられる。崩壊剤としては、セルロース又はその誘導体、デンプン又はその誘導体等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ビニルピロリドン、部分α化デンプン等が挙げられる。薬効成分として、カロチノイド系物質(α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン等)、コエンザイムQ10、ビタミンE、トコトリエノール、DHA、EPA等が挙げられる。 本発明の腸内環境改善剤の剤型としては特に限定されず、液状、粉末、顆粒、錠剤、カプセル等が挙げられる。本発明の腸内環境改善剤としては腸溶製剤であることが好ましい。腸溶製剤とするためには、シェラック、水溶性シェラック、ツエイン、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ビール酵母細胞壁(例えば商品名イーストラップ等)、タピオカデンプン、ゼラチン、ペクチン、硬化油等の油脂類等の成分を配合するとよい。なお、本発明において、腸溶製剤であるか否かは第14改正日本薬局方・崩壊試験法による。 本発明の腸内環境改善剤の製造方法は特に限定されるものではなく、その剤型に合わせて適宜選択されるが、ラクトフェリン、ラクトバチルス ブレビス菌、及び任意成分を混合した後、この混合物を圧縮成型する方法によって錠剤を調製する方法が挙げられる。さらに、シェラック等の腸溶性成分を用いて、このタブレットをコーティングし、腸溶製剤とする方法が好ましい。 本発明の腸内環境改善剤の摂取方法は剤型によっても異なり、特に限定されないが、錠剤の場合は水等と一緒に服用することが好ましい。その他の剤形の場合は特に限定されないが、ラクトフェリンとラクトバチルス ブレビス菌の生菌とが熱に弱いため、摂食前に加熱することは好ましくない。摂取時間は特に限定されないが、夕食後から寝る前までが好ましい。 本発明において、腸内環境改善とは腸及び腸内の状態を改善することで、便の硬さを適正な状態にし、排便の回数と排便量を正常状態に戻すことをいい、本発明の腸内環境剤は、医薬部外品、特定保健用食品、食品等であってもよく、整腸剤、便秘解消剤、下痢解消剤、緩下剤、腸内のガス抑制剤、腹部膨満感抑制剤としても好適である。さらに、腸内環境が改善された結果、化粧のりや肌のきめが整う等の効果が得られる。また、ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌とからのみからなる腸内環境改善有効成分、ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌と、コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物とからのみなる腸内環境改善有効成分とすることもでき、これらを用いた腸内環境改善方法を提供することができる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 [使用原料調製例](1)ラクトフェリン(森永乳業製 MLF−EX)(2)ラクトバチルス ブレビス生菌 市販飲料(カゴメ社製植物性乳酸菌ラブレ)より分離し、MRS培地(Oxoid社)にて嫌気培養後、集菌し凍結乾燥したものを用いた。本乾燥品60mgが生菌数1億個に相当する。(菌株番号:FERM BP−4693を含む)(3)ラクトバチルス ブレビス死菌 市販飲料(カゴメ社製植物性乳酸菌ラブレ)より分離し、MRS培地にて培養後、集菌し、121℃・20分で殺菌した後、凍結乾燥したものを用いた。本乾燥品36mgが死菌数10億個に相当する。(菌株番号:FERM BP−4693を含む)(4)ヒハツ抽出物(丸善製薬製 ヒハツエキスMF)(5)賦形剤(乳糖と結晶セルロースを同重量混合) [実施例1〜4、比較例1〜2] 下記表の割合となるように、シェラック以外の成分を混合し、直径9mm、重量325mgの錠剤を打錠した。さらに、実施例4以外は、シェラック(腸溶コート剤)を用いて錠剤をコーティングし腸溶錠とした。なお、乳酸菌の同定にはアピ50CHLビオメリュー(日本ビオメリュー社製)を用いた。生菌数の測定には、MRS寒天培地を用いて嫌気培養し、生育したコロニーを計測した。死菌の場合には殺菌処理をする前に、生菌と同様MRS寒天培地を用いて計測した値を死菌数とした。得られた腸溶錠について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。 便秘がちな男女30名を5人ずつ6群にわけ、1日当たり3錠ずつ夕食後から寝る前に、4週間経口投与した。摂取前1週間と摂取4週目の1週間の排便回数、排便量を被験者が記録した。排便量は卵形木型(農林水産省 パック詰鶏卵規格 Mサイズ相当)を参考に便の大きさを木型個数で記録した。5名の平均結果を表1に示し、排便回数の結果を図1、排便量の結果を図2に示す。 ラクトフェリン単独に比べ、ラクトフェリンとラクトバチルス ブレビスとを併用した場合、さらにヒハツ抽出物を併用したものが、摂取前に比べ、1週間の排便回数、排便量が多くなり、優れた腸内環境改善効果を示した。 ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌とを有効成分として含有する腸内環境改善剤。 腸溶製剤である請求項1記載の腸内環境改善剤。 ラクトバチルス ブレビス菌の生菌を1億個以上含む請求項1又は2記載の腸内環境改善剤。 ラクトバチルス ブレビス菌の死菌を10億個以上含む請求項1又は2記載の腸内環境改善剤。 さらに、コショウ科、ショウガ科及びナス科から選ばれる植物の抽出物を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の腸内環境改善剤。 ラクトフェリンと、ラクトバチルス ブレビス菌とを有効成分として含有する腸内環境改善剤。