生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_フッ素濃度測定方法
出願番号:2009048237
年次:2010
IPC分類:G01N 21/33,G01N 21/35


特許情報キャッシュ

坂田 晋 JP 2010203855 公開特許公報(A) 20100916 2009048237 20090302 フッ素濃度測定方法 大陽日酸株式会社 000231235 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 坂田 晋 G01N 21/33 20060101AFI20100820BHJP G01N 21/35 20060101ALI20100820BHJP JPG01N21/33G01N21/35 Z 1 1 OL 10 2G059 2G059AA01 2G059BB01 2G059CC06 2G059CC20 2G059EE01 2G059EE11 2G059FF08 2G059FF10 2G059HH01 2G059HH03 2G059HH06 2G059JJ01 2G059KK01 2G059NN01 この発明は、例えば半導体製造装置などの電子デバイス製造装置、その中でも六フッ化イオウ(以下、SF6と記することがある)をエッチングガスとして使用するエッチング装置から排出される排ガスなどに含まれるフッ素ガス(以下、F2と記することがある)の濃度を測定する方法および装置に関し、被測定ガス中に含まれる妨害成分である二酸化硫黄(以下、SO2と記することがある)ガスの影響を排除して、正確にかつ簡便にフッ素ガス濃度が求められるようにしたものである。 電子デバイス製造装置では、多種多様な危険性物質や地球温暖化物質が消費される。 これらの排出については、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法,1999年制定)」や「地球温暖化対策推進法(2006年制定)」によって、どのような物質が排出されているのかを定量的に把握することが必要となっている。 電子デバイス製造装置から排出される排ガスの分析には、一般にフーリエ変換赤外分光法(FTIR法)が広く用いられている。 この方法においては、プロセスに導入されるガスとプロセスの進行により生成される物質収支を算出し、例えば、フッ素原子バランスが90%以上になるような分析を実施することが推奨されている(非特許文献1)。 ただし、前記排ガス中には、FTIR法では測定することが出来ない赤外不活性で、人体に有害なフッ素ガスも含まれることがある。 F2は紫外線吸収特性(波長285nm付近を最大吸収帯としてその前後に特性吸収を示す)を有するため(非特許文献2)、被測定ガス中のF2濃度を求めるため、紫外分光光度計(以下、UV計と表記することもある。)を利用する方法も報告されている(非特許文献3)。 また、同様の目的のため、F2と選択的に反応する物質を利用した化学発光法を用いた分析計(例えば米国URS社製FCSフッ素濃度計)、あるいは質量分析計(以下、Q−MSと言う。)を用いる方法も知られている(非特許文献4)。 ここで、UV計によりF2ガスを分析する場合、窒素酸化物(NOx)、酸素(以下、O2と表示することがある。)、オゾン(O3)、酸化フッ素(OxFy)など、複数成分が妨害成分となることが知られている(非特許文献2、3および5)。 一方、電子デバイス製造装置では、上記の妨害成分ガスをプロセスガスとして使用することがあるほか、プロセス上の副産物として上記の妨害成分が発生したり、プロセスガスを無害化するガス処理装置においても上記の妨害成分が発生することがある。 したがって、これらの妨害成分が共存するガスを分析する場合、UV計により得られるF2ガス濃度は、妨害成分による影響が含まれるものとなる。 妨害成分の影響を排除する方法としては、多成分統計解析を行う方法や(非特許文献2)、特定の波長をベースラインとして用いる方法(特許文献1)など、UV計単独で実施できる場合もあるが、複数の妨害成分が存在する場合や高濃度の妨害成分が存在する場合は、それらの影響を排除することができなかった。 この問題点を解決するため、計測波長を280〜290nmとしたUV計と共にフーリエ変換赤外分光光度計(以下、FTIR計と表記することがある。)による被測定ガスの計測を行い、FTIR計による分析データから妨害成分の同定および濃度算出を行い、それを使って上記測定波長における妨害成分由来の濃度表示値の増加分を差し引き、被測定ガス中のF2濃度を正確に求める分析方法も提案されている(特許文献2)。 強いF2の吸収がある波長帯:280〜290nmを用いた分析方法は、妨害成分がNOxや酸素の場合には、非常に正確なF2濃度を与えるものではある。しかし、SF6を使ったエッチング装置の排ガスが被測定ガスである場合などの妨害成分がSO2である場合には、上記の方法では、SO2はF2同様に280〜290nmに中心吸収を持つため、その影響を完全に除去することが出来ず、正確なF2濃度測定が出来ないのが現状であった。 また、化学発光法を用いる分析方法の場合、F2ガスと反応基材の反応による化学発光量が測定環境に強く依存するため、絶対濃度測定を行うためには、測定毎に分析装置を校正することが必要であり、実用的ではなかった。 さらに、Q−MS測定の場合、原理的に長時間の繰り返し測定時における感度のドリフト変動の問題やQ−MSで得られるF2のシグナルとF2濃度の間に、普遍性のある係数を得ることは困難といった問題もあり、測定の毎に分析装置を校正するための校正装置が必要であるなど問題点も多く存在していた。特開2003−14626号公報特開2008−196882号公報International SEMATECH. Guideline for Environmental Characterization of Semiconductor Equipment. 2001,Technology Transfer #01104197A−XFR. 43p.Hideo Okabe,Photochemistry Of Small Molecules,JOHN WILEY&SONS,P184,1978(財)地球環境産業技術研究機構,平成12年度「PFC回収・リサイクル技術に係る追加研究」成果報告書,平成13年3月Laura Mendicino,et al,REMOTE PLASMA CLEAN TECHNOLOGY FOR DIELECTRIC CVD CHAMBER CLEANING TO REDUCE PFC EMISSIONS, Electrochemical Society Proceedings, Vol.99−8,P40−51,1999A.D.Kirshenbaum, INORG.NUCL.CHEM.LETTERS,Vol.1,P121−123 そこで、本発明における課題は、エッチングガスとしてSF6を使ったエッチング装置等から排出される排ガスなどの被測定ガス中のフッ素濃度を測定するに際して、測定毎に装置の校正を行うなどの手間が軽減され、妨害成分であるSO2成分の影響を簡単に排除でき、正確なF2濃度を知ることができるようにすることにある。 かかる課題を解決するため、 請求項1にかかる発明は、六フッ化イオウを使用する半導体プロセス装置から排出された排ガス中のフッ素濃度を測定する方法において、 紫外分光光度計を用いて、フッ素ガスと二酸化硫黄成分が含まれた排ガスからなる被測定ガス中の波長330〜370nm帯で光吸収を示す成分の濃度をそれぞれ求める第1工程と、 フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、被測定ガス中の波長330〜370nm帯に光吸収を示すとともに赤外活性である二酸化硫黄成分の濃度を求める第2工程と、 第1工程での測定結果から第2工程での測定結果を差し引く工程を有し、排出ガス中のフッ素濃度を求めることを特徴とする排出ガス中のフッ素濃度測定方法である。 本発明によれば、フッ素ガスは波長330〜370nm帯において、最大ではないものの吸収を示し、赤外活性ではないので、この波長帯に吸収を示す干渉成分であるSO2が共存しない場合、UV計によりその吸光度を測定し、窒素などのリファレンスガスによる吸光度を差し引くことで、その濃度を正確に求めることができる。 さらに、紫外分光光度法では当初フッ素ガスについての検量線を作製しておけば、分析計の感度・精度の安定性には非常に優れているため、測定の都度校正をする必要はない。 また、被測定ガス中に波長330〜370nm帯において僅かではあるが吸収を示す妨害成分であるSO2成分が多量に含まれている場合には、この妨害成分:SO2による紫外光吸収量とフッ素ガスによる紫外光吸収量とが合算され、この吸収量に相当するF2濃度は、実際の被測定ガス中のF2濃度より、妨害成分であるSO2由来の吸収量分だけ、高い値がUV計に表示されることになる。 この際、UV計にて予め既知量の妨害成分:SO2についての検量線を作製しておき、SO2の濃度が分かれば、SO2に由来する波長330〜370nm帯におけるF2濃度の表示値の増加分がいくらになるのか計算できるようにしておく。 ここで、妨害成分であるSO2は、赤外活性であるため、FTIR計により定量を行い、SO2濃度を求める。 ついで、FTIR計により求められたSO2濃度から波長330〜370nm帯における妨害成分:SO2由来のF2濃度の表示値の増加分を算出し、この算出分をUV計により得られたF2濃度の表示値から減じることで、正確なフッ素濃度が求められる。 さらに、FTIR計による定量では、やはり当初妨害成分:SO2についての検量線を作製しておけば、こちらについても分析計の感度・精度の安定性には非常に優れているため、測定の都度校正の必要はなく、簡単に正確なF2濃度を求めることが出来る。 なお、F2およびSO2共に紫外領域における吸収帯は、上記の330〜370nm帯以外にも、多くのものが存在する。F2について、単位濃度当たりの吸光量が最も大きな波長は285nmであり、紫外光を使ったF2濃度の測定には、この波長(285nm)を含む波長帯を用いるのが感度・精度の面で最良であるため、通常は、例えば280〜290nm帯などが測定波長帯としては用いられることが多い。 また、妨害成分:SO2もF2と同様に単位濃度当たりに吸光量が最も大きな波長は285nmで、330〜370nmにおける単位濃度当たりの吸光量は僅かしかなく、この波長帯でSO2の検量線や補正係数を正確に求めることは困難であるため、SO2が単独で被測定ガス中に存在する場合には、この波長を使って、SO2の測定することは無い。 しかし、本発明が対象としているSF6を使ったエッチング装置の排ガスなどの被測定ガスの様に、両者(F2とSO2)が共存し、かつSO2濃度が高い(概ね0.1%以上)場合には、本波長帯(330〜370nm)を使っての紫外光吸光量の測定を行い、そのデータとFTIR計によるデータから被測定ガス中のF2濃度を求めることが、感度・精度および正確さの面で最良のF2ガスの濃度測定方法となる。本発明のフッ素濃度測定方法を実施するための装置の一例を示す概略構成図である。参考例の結果を示す図表である。 図1は、本発明の濃度測定装置の一例を示すものである。 図1において、符号1は被測定ガスが流れるガスラインを示し、このガスライン1には、エッチングガスとしてSF6を使ったエッチング装置から排出されたガスなどが流れている。このガスライン1には、被測定ガス供給管2aが接続され、ガスライン1に流れるガスの一部が被測定ガスとして分流されるようになっている。 この被測定ガス供給管2aには、切替弁3が取り付けられ、リファレンスガス供給源4からのリファレンスガスと前記被測定ガスとが適宜切り替えられて被測定ガス供給管2bを介し、下流のFTIR計5に導かれるようになっている。 前記リファレンスガス供給源4には、波長330〜370nm帯において吸収を示す成分がほとんど含まれていない高純度窒素ガスなどのリファレンスガスを貯留するガスボンベなどが用いられる。 前記FTIR計5には、市販製品(例えば、堀場製作所製FG120など)が用いられ、これのセルに前記被測定ガスまたはリファレンスガスが導入され、被測定ガスに含まれる赤外活性の成分の同定と定量が行われる。 FTIR計5のセルから導出された被測定ガスは、被測定ガス供給管2cを通り、UV計6のセル7の一端から導入されるようになっている。 セル7は、耐食性に富む金属、ガラス、セラミック、フッ素系樹脂などからなる直径5〜15mm、長さ10cm〜1mの直管状のパイプで構成され、その両端は入射窓71および出射窓72により密閉されている。 入射窓71、出射窓72は、紫外光の透過率の高い石英、サファイア、ホタル石などから成っている。 また、セル7の両端部付近には、それぞれガス入口73およびガス出口74が設けられ、ガス入口73から被測定ガスが流入し、ガス出口74から被測定ガスが導出されるようになっている。 さらに、セル7の外周部には、バンドヒーターなどのヒーター8が取り付けられており、セル7内部のガスを例えば50℃などの一定の設定温度に保つようになっている。 前記セル7の入射窓71側には、少なくとも波長330〜370nm帯の紫外光を含む光を発する重水素紫外線ランプなどの光源9が設けられ、この光源9からの光がセル7内に入射窓71から入射されるようになっている。 なお、光源9からの光を効率よくセル7に取り込むため、光源9の出射端とセル7の入射窓71との間にレンズなどを設けることができる。 また、光源9からの光を光ファイバにより導波してカプラーを介してセル7の入射窓71に導くようにしてもよい。 さらに、光源9からの光は深紫外光を含む場合、この光によって空気中の酸素がオゾンとなって、測定を妨害する可能性があるので、このような場合には、光源9からセル7の入射窓71付近に窒素などのパージガスを流すことや、この部分を気密構造とすることが好ましい。 前記セル7のガス出口74から排出される被測定ガスは排出管10に流れる。この排出管10には、圧力計11、制御機能付きの質量流量計12、ポンプ13が設けられ、セル7内部およびFTIR計5のセルを流れる被測定ガスの圧力、流量が所定値に保たれるようになっている。ポンプ13から排出された被測定ガスは排出管10を通り、ガスライン1に戻されるようになっている。 前記セル7の出射窓72には、セル7を透過した透過光を受光するレンズなどからなるカプラー14が設けられ、カプラー14で受光された光は光ファイバ15を通り、分光計16に送られる。 分光計16は、回折格子などの分光器(モノクロメータ)とホトマルチプライヤーなどの光電変換器(O/E)とデータ処理部を備えたもので、光ファイバ15を通った光が分光器で分光され、分光された単色光が波長順に順次光電変換器に入射されて単色光の強さに応じた電気信号が出力され、この電気信号をデータ処理部において演算処理して吸収スペクトルを作製し、少なくとも波長330〜370nm帯での吸光度を求めることができるものである。 この分光計16には、例えばプラズマ発光をモニターしてプラズマ雰囲気中に存在するラジカルやイオンを同定、定量するために用いられる市販のプラズマ発光モニター(例えば、浜松ホトニクス製C7460など)などが用いられる。 また、この例のUV計6は、セル7、ヒーター8、光源9、分光計16から構成されている。 次に、このような濃度測定装置を用いて被測定ガス中に含まれるフッ素ガス濃度を測定する方法について説明する。 実際の被測定ガス中のフッ素濃度の測定に先立って、準備作業を行う。 まず、UV計6におけるフッ素についての濃度と吸光度との関係を示す検量線を作製する。 これには、高純度のF2ガスと窒素ガスとの混合ガスであって、F2濃度が既知の標準ガスをUV計6のセル7に流し、セル7内の温度、圧力、流量を一定に保ってフッ素濃度変化に対応した吸光度を求めることによって行われる。 この場合、リファレンスガスとしては、リファレンスガス供給源4から高純度窒素ガスをセル7に流す。 図2は、このようにして得られたF2の検量線の例を示すものである。 次に、それぞれ既知量のF2とSO2を含む窒素ガスを標準ガスとしてFTIR計5とUV計6とに導入する。 SO2は赤外活性でもあるので、標準ガス中のSO2濃度はFTIR計5によって正確に求められる。 SO2の検量線は、FTIR計5に付属しているものを利用できる。 一方、SO2は、上述のように、波長330〜370nm帯において僅かではあるが紫外吸収を示すので、前記標準ガスのUV計6での測定では、その吸光度はフッ素とSO2の寄与分との和に相当する値となる。 この吸光度の表示値から、そのすべてがF2によるものとして、仮のF2濃度を前記F2の検量線(図2)から求める。 例えば、標準ガス中のF2濃度が20000ppm、SO2濃度が3000ppmとすると、FTIR計5ではSO2が検出され、その濃度が3000ppmと測定される。そして、UV計6での仮のF2濃度が20500ppmと測定されると、そのうちの500ppmがSO2による寄与分であることがわかる。 同様にして、SO2濃度を変化させた標準ガスを用いて、UV計6で得られた仮のF2濃度におけるSO2寄与分を求める。 このようにして得られた関係を検量線あるいは補正係数として使用することで、被測定ガス中の未知量のF2と未知量のSO2とが含まれている場合に、FTIR計5で求められたSO2濃度に基づき、前記検量線または補正係数を用いて、前記UV計6の濃度表示値におけるSO2による寄与分を算出し、この寄与分をUV計6で測定された仮のF2濃度から差し引くことで正確なF2濃度が求められる。 このような準備作業を行って、妨害成分SO2についての前記検量線または補正係数を求めておき、ついで実際のエッチングガスとしてSF6を使ったエッチング装置から排出される排ガスなどの被測定ガスを本濃度測定装置に導入して被測定ガス中のF2濃度を求める作業を行う。 なお、図1に示した例では、FTIR計5の下流にUV計6を配したが、UV計6の下流にFTIR計5を配してもよく、さらにはガスライン1からの被測定ガスを並行してUV計6とFTIR計5に導入するように被測定ガス供給管2を配管してもよい。 以下、具体例を示す。[参考例] セントラルガラス製N2/F2(15%)混合ガスとジャパンファインプロダクツ製N2ガスを用い、質量流量計による流量混合法で検量線を作成した結果を図2に示す。 ここで、光源には浜松ホトニクス製L2D2,L7292(電源:C9598)、プラズマ発光モニタには浜松ホトニクス製C7460用いた。 セルはテフロン(登録商標)製で光路長700mmとし、セルの外周部はリボンヒーターで53℃に保温した。 圧力計は堀場エステック製VG121、質量流量計は堀場エステック製SEC4400(N2:5slm)を用い、測定圧力は750Torrで一定化し、測定流量は2slmとした。 測定は低濃度から高濃度への上り、そして、高濃度から低濃度への下り、さらに、異なる日時でデータを採取し、合計7件となったデータについて解析を実施した。 解析の結果、図2に示す検量線が得られ、その相関係数(r二乗)は0.9999と良好な直線性を示すことが確認できた。 F2濃度:6145ppmを測定した時の不確かさは155ppmとなり、また、検出下限(ノイズの3σ)は150ppmと、高い精度で分析できることを確認した。[実施例1] 次に、UV計とFTIR計を組み合わせた本発明の濃度測定装置を用い、F2ガス濃度が10000ppmの被測定ガスにSO2を3000ppm添加した条件での測定を実施した。 分析の結果、FTIR計ではSO2のみが3000ppm検出され、また、UV計ではF2濃度の表示値が10400ppmとなった。 UV計で予め取得されたSO2ガスの補正係数を用いると、SO2が3000ppmの場合、UV計ではF2濃度換算で400ppmの表示をするため、上記の計測値である10400ppmから400ppmを差し引くと10000ppmとなり、本濃度測定装置に供給されたF2ガス濃度と正確に一致することが確認できた。[比較例1][実施例1]と同様の被測定ガスの測定を、従来技術である特許文献2の分析装置にて実施した。その結果、FTIR計ではSO2のみが3000ppm検出され、また、UV計ではF2濃度の表示値が73000ppmとなった。 UV計で予め取得されたSO2ガスの補正係数を用いると、SO2が3000ppmの場合、UV計ではF2濃度換算で61000ppmの表示をするため、上記の計測値である73000ppmから61000ppmを差し引くと12000ppmとなり、本ガス分析装置に供給されたF2ガス濃度より2000ppm大きい値となり、正確なF2分析が出来ないことが確認できた。[実施例2] SF6を使ったエッチング装置のエッチング時の排ガスを被測定ガスとして、UV計とFTIR計を組み合わせた本発明の濃度測定装置を用い、測定を実施した。その結果、波長330〜370nmに吸収を示す成分として、FTIR計ではSO2のみが6000ppm検出され、UV計ではF2濃度の表示値が5500ppmとなった。 UV計で予め取得されたSO2ガスの補正係数を用いると、SO2が6000ppmの場合、UV計ではF2濃度換算で800ppmの表示をするため、上記の計測値である5500ppmから800ppmを差し引くと4700ppmとなった。 このF2ガス濃度及びその他のF原子を含むガスについてのFTIR計の測定結果(クリーニングガスであるSF6やHF、SOF2およびSO2F2がエッチング時の生成物として確認された。)およびエッチング時のチャンバーへのSF6の投入量から算出したF原子の物質収支は99.5%(エッチング時の平均値)となり、当該プロセスにおいては、投入されたガスと排出されたガスのマスバランスが正確に一致していることを確認した。 1・・ガスライン、2a、2b、2c・・被測定ガス供給管、4・・リファレンスガス供給源、5・・FTIR計、6・・UV計、7・・セル、8・・ヒーター、9・・光源、11・・圧力計、12・・質量流量計、13・・ポンプ、16・・分光計 六フッ化イオウを使用する半導体プロセス装置から排出された排ガス中のフッ素濃度を測定する方法において、 紫外分光光度計を用いて、フッ素ガスと二酸化硫黄成分が含まれた排ガスからなる被測定ガス中の波長330〜370nm帯で光吸収を示す成分の濃度をそれぞれ求める第1工程と、 フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、被測定ガス中の波長330〜370nm帯に光吸収を示すとともに赤外活性である二酸化硫黄成分の濃度を求める第2工程と、 第1工程での測定結果から第2工程での測定結果を差し引く工程を有し、排出ガス中のフッ素濃度を求めることを特徴とする排出ガス中のフッ素濃度測定方法。 【課題】SF6を使用するエッチング装置から排出される被測定ガス中のフッ素濃度を測定するに際して、測定毎に装置の校正を行うなどの手間が軽減され、妨害成分であるSO2ガスの影響を簡単に排除でき、正確な濃度を知る。【解決手段】フッ素ガスとSO2成分が含まれた被測定ガスをセルに導き、該ガス中の波長330〜370nm帯の吸光度を測定して、フッ素ガスおよびSO2の濃度を求めるUV計6と、該ガス中のSO2成分の定量を行うFTIR計5と、該ガスをUV計とFTIR計に導く被測定ガス供給管路2a、2b、2cと、UV計に同波長帯おいて吸収を示さないガスを供給するレファレンスガス供給源4を備え、UV計で得られた同波長帯での紫外光を吸収する成分の濃度の表示値から、FTIR計で得られた被測定ガス中のSO2濃度値より算出されたSO2由来分を減じて、該ガス中のフッ素濃度を求める。【選択図】図1


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