タイトル: | 公開特許公報(A)_アセロラ錠剤 |
出願番号: | 2009036452 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61K 9/20,A61K 47/36,A61K 47/38,A61K 47/26,A23L 1/30 |
酒井 智文 山内 善文 JP 2010189334 公開特許公報(A) 20100902 2009036452 20090219 アセロラ錠剤 株式会社ファンケル 593106918 児玉 喜博 100105061 佐藤 荘助 100150681 長谷部 善太郎 100122954 酒井 智文 山内 善文 4473929 20100602 A61K 36/18 20060101AFI20100806BHJP A61K 9/20 20060101ALI20100806BHJP A61K 47/36 20060101ALI20100806BHJP A61K 47/38 20060101ALI20100806BHJP A61K 47/26 20060101ALI20100806BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100806BHJP JPA61K35/78 CA61K9/20A61K47/36A61K47/38A61K47/26A23L1/30 B 3 OL 9 4B018 4C076 4C088 4B018LB10 4B018MD52 4B018ME04 4B018ME14 4B018MF08 4C076AA37 4C076BB01 4C076CC24 4C076DD68C 4C076EE30 4C076EE31 4C076FF04 4C088AB12 4C088AC04 4C088NA14 4C088ZC28 本発明は、アセロラ成分含有錠剤に関する。 アセロラは、キントラノオ科の植物で、果実は100g当たり1000mgを超えるビタミンCを含んでいる。アセロラは、天然のビタミンCのもととして脚光を浴び、飲料水やアセロラの粉末を配合した飲食品が実用化されている。 例えば、特許文献1(特開平09−054384号公報)には、ビタミンCを含む粉末として、天然アセロラ粉末を食塩に適量混入して食塩の味を良くし、かつ健康上、優れた効果を奏する良質の食塩が開示されている。 例えば、特許文献2(特開2005−082509号公報)には、アセロラ由来で血糖値上昇抑制活性を示す物質を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤およびアセロラ由来でAGE生成阻害活性を示す物質を有効成分として含有するAGE生成阻害剤が開示されている。 例えば、特許文献3(特開2005−263726号公報)には、アセロラ葉抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤またはAGE生成阻害剤ならびにそれらを含む食品が開示されている。 例えば、特許文献4(特開平05−207865号公報)には、アセロラ果汁の原液中に酢酸液を混合して1.5%以上に酸度を調整した後、低温真空蒸留法で2.0%以上の酸度に濃縮して得た天然のビタミンCを高単位に含有してなる栄養補給食品が開示されている。 例えば、特許文献5(特開平05−344846号公報)には、アセロラ果汁を酸味成分の補酸として用いることにより天然のビタミンCを豊富に含む冷菓が開示されている。 例えば、特許文献6(特開平06−022727号公報)には、ケール粉末、クロレラ粉末のようなベースパウダーに、賦形剤としてアセロラ果汁液を添加して任意の形状に成形した栄養補助食品が開示されている。特開平09−054384号公報特開2005−082509号公報特開2005−263726号公報特開平05−207865号公報特開平05−344846号公報特開平06−022727号公報 本発明者は、アセロラ粉体を利用した錠剤形状をしている飲食品の開発を進めたところ、保管中に錠剤が膨張することがあることを知見した。本発明は、この膨張を抑制したアセロラ粉末を含有する錠剤を提供することを目的とする。 本発明の主な構成は次のとおりである。(1)アセロラ粉末及び賦形剤として薄片上の澱粉加水分解物を含む錠剤。(2)さらに、賦形剤中に結晶セルロースを配合したことを特徴とする(1)記載の錠剤。(3)賦形剤中に、薄片上の澱粉加水分解物:結晶セルロース=3:1〜1:1の配合比率で配合されていることを特徴とする(2)記載の錠剤。(4)アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の錠剤。(5)さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを配合したことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の錠剤。(6)食品であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の錠剤。 膨張を抑制したアセロラ粉体含有錠剤を提供することができる。膨張抑制として、 薄片上の澱粉加水分解物が適しており、さらに賦形剤に結晶セルロースを配合することにより、褐変を小さくすることができる。薄片上の澱粉加水分解物と結晶セルロースは、3:1〜1:1の配合比率が膨張抑制及び変色防止に好ましい。滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルが適している。 アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含む安定した形状の錠剤型食品を提供することができ、天然ビタミンC高配合の錠剤を提供することができる。 本発明は、アセロラ粉末を主体とした錠剤である。天然果実由来のビタミンC製剤の開発において、天然ビタミンCを高含有するアセロラ粉末原料に賦形剤を添加し、錠剤を作製し、60℃での保存安定性試験を実施したところ、錠剤の膨張が確認された。膨張の原因として、アセロラ原料の性質として吸湿性が激しいこと、アセロラ原料に含まれる成分の反応などが複合的に絡むことが一因であると推測される。本発明はこの問題の解決を図ったものである。 アセロラ粉末を主体とし、薄片上の澱粉加水分解物が膨張抑制に最適であり、更に結晶セルロースを配合すると変色防止に有効であって、その配合は3:1〜1:1の比率が好ましい。さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いることができる。 アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含む安定した形状の天然ビタミンC高含有の錠剤を提供することができる。 本発明の錠剤に用いるアセロラ成分は、粉末の形態で用いられる。アセロラ粉末は、アセロラ果汁から糖分を除き、濃縮して粉末化することにより得られる。このアセロラ粉末には、ビタミンCが高含有(30重量%以上)されていて、他に、リンゴ酸、タンパク質、カリウム、ポリフェノールなどが含まれている。 アセロラ粉末は、ニチレイ社などからアセロラパウダーとして市販されているものを用いることができる。粉末化の過程で、食物繊維や貝カルシウム等が添加されていることがあるが、このような粉末も本発明に使用できる。 賦形剤としては、薄片上の澱粉加水分解物が適しており、さらに、結晶セルロースを配合することが適している。賦形剤として薄片上の澱粉加水分解物と結晶セルロースを配合する場合は、3:1〜1:1の配合比率が好ましい。 薄片上の澱粉加水分解物は、ドラム乾燥法で製造され、澱粉加水分解物の液状物をドラム表面に付着させるとともに、ドラム内部に蒸気を入れドラム壁を介して加熱し、ドラムの回転に従って乾燥させる方法によって、薄片状となった澱粉の加水分解物が得ることができる。この薄片上の澱粉加水分解物は、スプレードライヤー法により得られるものが球状であるのに対し薄片状となり、嵩密度が大きく、大きい比表面積を有している特徴がある。この薄片上の澱粉加水分解物は市販されており、松谷化学工業(株)製の商品名パインフローを例示することができる。 結晶セルロースは、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを、鉱酸で部分的に解重合し、精製したものであり、旭化成社製の商品名セオラスを例示することができる。 滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いることができる。ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と食用油脂由来の脂肪酸からなる非イオン性界面活性剤であって、三菱化学フーズ社製の商品名リョートーシュガーエステルを例示することができる。 本発明のアセロラ粉末を主体とした錠剤は、栄養補助剤などの食品に適している。特に、夏場の高温環境下で、膨張を抑えることができ保存性を向上させることができる。アセロラ由来の天然ビタミンCを高含有した錠剤として安全に摂取することが可能となる。[賦形剤による膨張作用試験] 次の条件で打錠して得られた錠剤の保存安定性試験を行った。ニチレイ社製アセロラパウダーVC30を64.67重量%、滑沢剤として三菱化学フーズ(株)製リョートーシュガーエステルS-370FUを3.00重量%、賦形剤を32.33重量%を秤量・全原料を30meshパスで篩過し、V型混合機にて機能成分と賦形剤を5分間、さらに滑沢剤を加え5分間混合し、これを打錠末とした。打錠末は単発打錠機を使用し、打錠圧力1000kgfにて打錠し、8mmπ230mgの錠剤を得た。錠剤10gをアルミ密封し、60℃4日間の保存安定性試験(加速試験に該当)を実施した。 賦形剤として次の4種類を用いた。(1)薄片上の澱粉加水分解物(松谷化学工業(株)製「パインフロー」)、(2)結晶セルロース(旭化成社製「セオラスFD−301」)、(3)部分アルファー化デンプン(旭化成ケミカルズ社製「PCS−FC50」)、(4)粉末還元麦芽糖水飴(林原社製「粉末マビット100M」)。 試験結果を表1に示す。 膨張率は、初期値と加速試験後の錠剤の体積(計算式:半径2×π×厚み)を求め、初期値に対する加速試験値の比率から算出した。 その結果、賦形剤の種類によって膨張率が大きく異なることが確認できた。それぞれの膨張率は、パインフローは2%以下であり、PCS−FC50は3%程度、粉末マビット及びセオラスFD−301は100%以上に膨張する結果となった。 褐変評価は5℃保管品との比較による変色度合いを官能評価した。変色は打錠直後(初期)のアイボリー色が山吹色から茶色、更にこげ茶色と褐変の程度が大きくなる。変色評価目安としては、山吹色(淡褐色)を△、茶色(褐色)を×、こげ茶色(濃褐色)××とした。粉末マビットは、変色は小さいが打錠性に問題点があることが判明した。[賦形剤配合試験] 表1の結果に基づいて、変色及び膨張を抑制でき、打錠性良好な賦形剤の検討を行った。パインフローとセオラスFD−301を表2記載の配合とした賦形剤を用いて、上記と同様の錠剤を打錠して、上記試験と同様の保存性試験を行った。 結果を表に2に示す。 色は、許容範囲である「山吹色」までに抑えることができている。パインフローとセオラスFD−301の配合比率によって、膨張率は大きく変化することが確認された。膨張率は、3:1〜1:1において、ほぼ2%以内に抑制され、これ以上セオラスFD−301の配合量を増やすと膨張が大きくなる傾向がある。一方、錠剤の製造に影響を与える打錠性については、セオラスFD−301の配合量を増やすと向上する傾向が確認できた。 打錠性も加味するとパインフローとセオラスFD−301の配合比率は、1.5:1〜1:1が特に適していることがわかる。 なお、打錠性は、打錠末の嵩不適・流動性不良、スティッキングの発生を確認した。 アセロラ粉末配合を50%、64.3%、75%とし、それに伴い賦形剤の配合量を変えると共にパインフロー(b)とセオラスFD−301(c)の配合比率を3:1〜1:1に配合した実施例1〜9を表3に示す。各配合剤(a)(b)(c)(d)はそれぞれ、ニチレイ社製「アセロラパウダーVC30」、松谷化学工業(株)製「パインフロー」、旭化成社製「セオラスFD−301」、三菱化学フーズ(株)製「リョートーシュガーエステルS-370FU」を使用した。それぞれの実施例について、膨張が抑制され、褐変も抑えることができたアセロラ錠剤を製造することができた。 アセロラ粉末及び賦形剤として薄片上の澱粉加水分解物を含む錠剤。 さらに、賦形剤中に結晶セルロースを配合したことを特徴とする請求項1記載の錠剤。 賦形剤中に、薄片上の澱粉加水分解物:結晶セルロース=3:1〜1:1の配合比率で配合されていることを特徴とする請求項2記載の錠剤。 アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の錠剤。 さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを配合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の錠剤。 食品であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤。 【課題】膨張を抑制したアセロラ成分を含有する錠剤の提供。【解決手段】アセロラ粉末及び賦形剤として薄片上の澱粉加水分解物を含むアセロラ粉末含有錠剤。【選択図】なし20091216A16333全文3 アセロラ粉末50.0〜75.0重量%を含み及び、賦形剤として薄片状の澱粉加水分解物と結晶セルロースを含む錠剤であって、賦形剤中に、薄片状の澱粉加水分解物:結晶セルロース=3:1〜1:1の配合比率で配合されていることを特徴とする錠剤。 さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを配合したことを特徴とする請求項1記載の錠剤。 食品であることを特徴とする請求項1又は2記載の錠剤。A1633000063 本発明の主な構成は次のとおりである。(1)アセロラ粉末50.0〜75.0重量%を含み及び、賦形剤として薄片状の澱粉加水分解物と結晶セルロースを含む錠剤であって、賦形剤中に、薄片状の澱粉加水分解物:結晶セルロース=3:1〜1:1の配合比率で配合されていることを特徴とする錠剤。(2)さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを配合したことを特徴とする(1)記載の錠剤。(3)食品であることを特徴とする(1)又は(2)記載の錠剤。A1633000073 膨張を抑制したアセロラ粉体含有錠剤を提供することができる。膨張抑制として、 薄片状の澱粉加水分解物が適しており、さらに賦形剤に結晶セルロースを配合することにより、褐変を小さくすることができる。薄片状の澱粉加水分解物と結晶セルロースは、3:1〜1:1の配合比率が膨張抑制及び変色防止に好ましい。滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルが適している。 アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含む安定した形状の錠剤型食品を提供することができ、天然ビタミンC高配合の錠剤を提供することができる。A1633000083 本発明は、アセロラ粉末を主体とした錠剤である。天然果実由来のビタミンC製剤の開発において、天然ビタミンCを高含有するアセロラ粉末原料に賦形剤を添加し、錠剤を作製し、60℃での保存安定性試験を実施したところ、錠剤の膨張が確認された。膨張の原因として、アセロラ原料の性質として吸湿性が激しいこと、アセロラ原料に含まれる成分の反応などが複合的に絡むことが一因であると推測される。本発明はこの問題の解決を図ったものである。 アセロラ粉末を主体とし、薄片状の澱粉加水分解物が膨張抑制に最適であり、更に結晶セルロースを配合すると変色防止に有効であって、その配合は3:1〜1:1の比率が好ましい。さらに、滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いることができる。 アセロラ粉末を50.0〜75.0重量%含む安定した形状の天然ビタミンC高含有の錠剤を提供することができる。A1633000103 賦形剤としては、薄片状の澱粉加水分解物が適しており、さらに、結晶セルロースを配合することが適している。賦形剤として薄片状の澱粉加水分解物と結晶セルロースを配合する場合は、3:1〜1:1の配合比率が好ましい。A1633000113 薄片状の澱粉加水分解物は、ドラム乾燥法で製造され、澱粉加水分解物の液状物をドラム表面に付着させるとともに、ドラム内部に蒸気を入れドラム壁を介して加熱し、ドラムの回転に従って乾燥させる方法によって、薄片状となった澱粉の加水分解物が得ることができる。この薄片状の澱粉加水分解物は、スプレードライヤー法により得られるものが球状であるのに対し薄片状となり、嵩密度が大きく、大きい比表面積を有している特徴がある。この薄片状の澱粉加水分解物は市販されており、松谷化学工業(株)製の商品名パインフローを例示することができる。A1633000153[賦形剤による膨張作用試験] 次の条件で打錠して得られた錠剤の保存安定性試験を行った。ニチレイ社製アセロラパウダーVC30を64.67重量%、滑沢剤として三菱化学フーズ(株)製リョートーシュガーエステルS-370FUを3.00重量%、賦形剤を32.33重量%を秤量・全原料を30meshパスで篩過し、V型混合機にて機能成分と賦形剤を5分間、さらに滑沢剤を加え5分間混合し、これを打錠末とした。打錠末は単発打錠機を使用し、打錠圧力1000kgfにて打錠し、8mmπ230mgの錠剤を得た。錠剤10gをアルミ密封し、60℃4日間の保存安定性試験(加速試験に該当)を実施した。 賦形剤として次の4種類を用いた。(1)薄片状の澱粉加水分解物(松谷化学工業(株)製「パインフロー」)、(2)結晶セルロース(旭化成社製「セオラスFD−301」)、(3)部分アルファー化デンプン(旭化成ケミカルズ社製「PCS−FC50」)、(4)粉末還元麦芽糖水飴(林原社製「粉末マビット100M」)。 試験結果を表1に示す。 膨張率は、初期値と加速試験後の錠剤の体積(計算式:半径2×π×厚み)を求め、初期値に対する加速試験値の比率から算出した。 その結果、賦形剤の種類によって膨張率が大きく異なることが確認できた。それぞれの膨張率は、パインフローは2%以下であり、PCS−FC50は3%程度、粉末マビット及びセオラスFD−301は100%以上に膨張する結果となった。 褐変評価は5℃保管品との比較による変色度合いを官能評価した。変色は打錠直後(初期)のアイボリー色が山吹色から茶色、更にこげ茶色と褐変の程度が大きくなる。変色評価目安としては、山吹色(淡褐色)を△、茶色(褐色)を×、こげ茶色(濃褐色)××とした。粉末マビットは、変色は小さいが打錠性に問題点があることが判明した。