生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_バリン、イソロイシン、ロイシン固溶体およびその製造方法
出願番号:2009005626
年次:2012
IPC分類:A61K 31/198,A61K 9/14,A61P 43/00,A61P 3/02,A61P 21/00,A61P 3/00,A61P 7/00,A61K 47/12,A61K 47/18,A61K 47/22,A23L 1/305


特許情報キャッシュ

小山 匡子 木村 桃子 種河 鉄男 JP WO2010050168 20100506 JP2009005626 20091026 バリン、イソロイシン、ロイシン固溶体およびその製造方法 味の素株式会社 000000066 田中 政浩 100085109 小山 匡子 木村 桃子 種河 鉄男 JP 2008275367 20081027 A61K 31/198 20060101AFI20120302BHJP A61K 9/14 20060101ALI20120302BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120302BHJP A61P 3/02 20060101ALI20120302BHJP A61P 21/00 20060101ALI20120302BHJP A61P 3/00 20060101ALI20120302BHJP A61P 7/00 20060101ALI20120302BHJP A61K 47/12 20060101ALI20120302BHJP A61K 47/18 20060101ALI20120302BHJP A61K 47/22 20060101ALI20120302BHJP A23L 1/305 20060101ALI20120302BHJP JPA61K31/198A61K9/14A61P43/00 121A61P3/02A61P21/00A61P3/00A61P7/00A61K47/12A61K47/18A61K47/22A23L1/305 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20120329 2010535651 28 4B018 4C076 4C206 4B018MD19 4B018ME14 4B018MF02 4C076AA30 4C076AA31 4C076AA32 4C076AA99 4C076BB01 4C076CC09 4C076CC16 4C076CC21 4C076CC40 4C076DD43 4C076DD51 4C076DD60 4C076FF33 4C076GG05 4C206AA10 4C206FA53 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA05 4C206MA54 4C206MA61 4C206MA63 4C206MA72 4C206NA02 4C206NA09 4C206ZA75 4C206ZA94 4C206ZC21本発明はアミノ酸固溶体、さらに詳しくは、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種のアミノ酸の固溶体と、これら3種のアミノ酸にさらに脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸の群から少なくとも1種が選択されるアミノ酸からなる固溶体に関する。アミノ酸は健康を維持していく上で欠かせない栄養素であるたんぱく質の構成成分であり、食品、サプリメント、医薬品等に広く用いられている。分岐鎖アミノ酸(BCAA)であるバリン、イソロイシン、ロイシンは特に運動中の窒素代謝を補うのに適しており、長時間の激しい運動中の筋肉の損傷を抑え、疲れを早く回復する目的から、バリン、イソロイシン、ロイシンを混合した固形食品や、粉で配合されたものを水に溶解させて喫食する食品や、飲料水として市販されている。また、肝硬変患者の疲れやすさや腹水の貯留を改善する固形の経口医薬品としてバリン、イソロイシン、ロイシンの混合物が用いられている。一方、バリン、イソロイシン、ロイシンは苦味を呈するアミノ酸として知られており、特にイソロイシンは、刺激閾が90mg/dLと、低い濃度から苦味を呈するアミノ酸である(非特許文献1)。苦味を呈する物質の味改善としては、マスキングフレーバーを用いたり、甘味酸味などの他の味でバランスを取り苦味を低減させる方法、錠剤の表面をコーティングして苦味を感じないままに服用させる方法などがある。特に口どけも考慮した喫食しやすい固形食品や固形医薬品では、コーティングする方法でなく、酸味、甘味、フレーバーを用いて味を調える方法がとられている。ところで、これらのアミノ酸は、それぞれ単独で製造されている。これは、それぞれのアミノ酸の製造において、他のアミノ酸は不純物であるので、これまでは、晶析による結晶取得やイオン交換樹脂操作などで除かれてきたのである。しかしながら、バリンとイソロイシンの2種からなる固溶体やロイシンとバリンの2種からなる固溶体については、論文にて発表されている(非特許文献2、非特許文献3)。バリン、イソロイシン、ロイシンの20度における溶解度は、5.75g、4.02g、2.38gと水には可溶である(非特許文献1)。しかし、そのアミノ酸側鎖である炭素鎖が疎水性であるため、水面に浮いてしまうなどの現象が起こり、水溶液を作る際にはよく攪拌し、加熱することが必要となる。以前に出願された、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種からなる固溶体の特許では、固溶体は単独での粉混合と比較して、溶解性を改善されることが述べられている。また、溶解性の改善のため、微粉砕したBCAAが用いられることがあるが、バリン、イソロイシン、ロイシンは爆発下限界濃度がそれぞれ20−30mg/lであり粉塵爆発危険性が非常に高いため、大量の操作には適さない。味の素株式会社編「アミノ酸ハンドブック」(発行所:株式会社工業調査会、2003年4月1日発行)、P47Ind. Eng. Chem. Res.,44,2005,P3284-3288Fluid Phase Equilibria, 224,2004,P245−249 バリン、イソロイシン、ロイシンの苦味の問題解消に、マスキングフレーバー、酸味料、甘味料を用いると、それらのフレーバーや味により用途や配合が制限されることに加えて、コストアップの問題もあり、さらに、医薬用途などでは嵩が増して、服用しにくくなるなどの問題もあった。 バリン、イソロイシン、ロイシンの結晶は撥水性があるため、溶解に長時間かかり、操作性にも問題がある。この問題には現状で、結晶を微粉砕するなどの解決策があるが、粉舞によって収率が低くなり、また、静電気が起こりやすいため、粉塵爆発の危険性があった。 粉末飲料のように用時に水に溶解する飲料では、喫食させたい量を処方すると溶けきらないまま喫食することになり、完全に溶解する見た目を重視すると、バリン、イソロイシン、ロイシン配合できる量が制限されていた。アミノ酸配合清涼飲料水においては、バリン、イソロイシン、ロイシンを製造時に完全溶解させるためには熱溶解工程に時間がかかり、効率よく生産させるためにも溶解速度が速いことが求められている。水に溶解させずにそのまま喫食する固形食品、固形医薬品においても、口の中での好ましい感触として口どけ性があり、溶解速度が速いものが好まれる。 バリンとイソロイシンあるいはバリンとロイシンからなる2種の固溶体は知られているが、これらは学術的な結晶状態の報告であり、経口摂取した場合の味については、全く考えられていなかった。また、論文は溶液から固溶体を得ることに関するものであり、得られた固溶体の水への溶解速度に関する記載はなかった。 本発明の目的は、優れた苦味の低減と、溶解速度の改善された、バリン、イソロイシン、ロイシン混合物を提供することである。 本発明の別の目的は、著しく溶解速度の改善された、バリン、イソロイシン、ロイシンの混合物を提供することである。 前記の目的を達成するために、本発明者は検討を行った結果、バリン、イソロイシン、ロイシンを溶解させた混合溶解液から晶析することにより、これらを固溶体の状態で取得することができ、この固溶体が上記課題を解決することを見出した。そして、さらに、バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を溶解させた混合溶解液から晶析することにより、これらを固溶体の状態で取得することができ、この固溶体も上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、 (1)バリン、イソロイシン、ロイシンの3種アミノ酸からなる固溶体 (2)バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%の組成比率からなる請求項1記載の固溶体 (3)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が、6〜7、12〜14(単位:°)に主なピークを示す、請求項1または2記載の固溶体 (4)バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸の群から選ばれた少なくとも1種の酸からなる固溶体。 (5)脂肪族アミノ酸が、グリシン、アラニン、ノルロイシン、ホモロイシンである請求項4記載の固溶体。 (6)オキシ中性アミノ酸が、セリン、スレオニンである請求項4記載の固溶体。 (7)酸アミド中性アミノ酸が、アスパラギン1水和物、グルタミンである請求項4記載の固溶体。 (8)酸性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸である請求項4記載の固溶体。 (9)塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、ヒスチジンである請求項4記載の固溶体。 (10)ヒドロキシ酸が、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸である請求項4記載の固溶体。 (11)バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸が0.01〜50w/w%の組成比率を有する請求項5〜10のいずれかに記載の固溶体。 (12)粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が6〜7°に最も強いピークを示し、下に示す位置に脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸由来のピーク強度が1,2番目に強い回折角ピークが検出されない、もしくは同組成の粉混合品よりもピークが小さく検出される、請求項5〜11のいずれかに記載の固溶体。グリシン 回折角(2θ)=29.8°、23.9°、アラニン 回折角(2θ)=20.6°、28.9°、スレオニン 回折角(2θ)=35.0°、28.5°、グルタミン 回折角(2θ)=23.4°、25.0°、アスパラギン1水和物 回折角(2θ)= 29.2°、18.1°、グルタミン酸 回折角(2θ)=10.3°、20.5°、アスパラギン酸 回折角(2θ)= 23.8°、11.9°、アルギニン 回折角(2θ)=18.3°、27.4°、クエン酸 回折角(2θ)=15.2°、18.2°、リンゴ酸 回折角(2θ)= 20.1°、23.5°、酒石酸 回折角(2θ)=20.7°、35.8° (13)平均粒径が、50〜1000μmである請求項1乃至12のいずれかに記載の固溶体 (14)請求項1から13のいずれかに記載の固溶体を用いた固形医薬品または固形食品 (15)請求項8のアミノ酸組成物を含む食品。 (16)バリン0.3〜10.0w/w%、イソロイシン0.3〜6.5w/w%、ロイシン0.3〜4.0w/w%の40℃〜90℃の水溶液を3kPa〜30kPaの圧力下で濃縮晶析後、15〜25℃まで冷却して結晶を取り上げる、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種アミノ酸からなる固溶体を製造する方法 (17)原料水溶液中のイソロイシンとロイシンの総量をA[g]、バリンの重量をB[g]、製造される固容体中のバリンの重量比率をV[w%]、イソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数をf[-]、製造される固溶体中のイソロイシンとロイシンの晶析率をY[w%]とするとき、 V=100fB/{fB+A(100−Y+fY)/100}・・・1の関係から(バリン5〜85w%、イソロイシン3〜80w%、ロイシン3〜80w%の組成比率からなる)固溶体中のバリン濃度を制御することを特徴とする請求項16記載の製造方法。 (18)請求項17に記載の有効分配係数f[-]に、製造される固溶体ロイシンに対するイソロイシンの重量比が2以下のとき 式 0.226×[Val/(Ile+Leu)]固溶体+0.078 ・・・2同重量比が2を超えるとき 式 0.504×[Val/(Ile+Leu)]固溶体+0.029 ・・・3で計算される値を用いることを特徴とする請求項16記載の製造方法。ここで、 [Val/(Ile+Leu)]固溶体は、固溶体中のイソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの重量比[w%]を表す。 (19)バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を含有する溶液を用いて晶析せしめバリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を含有する固溶体を取得する方法。に関する。 本発明により、苦味が低減され、かつ溶解速度が改善されたバリン、イソロイシン、ロイシンの混合物を提供することができ、食品、サプリメント、医薬品等に用いる際に、マスキングフレーバー、甘味料、酸味料、コーティング等の添加や処理を不要にし、あるいは使用量を大幅に削減して、バリン、イソロイシン、ロイシン混合物の使用を容易にし、コストも低下させることができる。またさらに、溶解速度が著しく改善されたバリン、イソロイシン、ロイシンの混合物を提供することができ、加工段階、もしくは食品、サプリメント、医薬品等での取り扱いをさらに容易にすることができる。本発明の調製例1で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の調製例2で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の調製例3で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の比較例1で得られた混合品およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の比較例2で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。各種サンプルの溶解速度を示すグラフである。混合品に対する固溶体の官能評価結果を示すグラフである。本発明の調製例5で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の調製例6で得られた固溶体およびバリン、イソロイシン、ロイシンの粉末X線回折図である。本発明の調製例11、調製例12、調製例17、調製例18で得られた固溶体および粉混合物、スレオニンの粉末X線回折図である。本発明の調製例13、調製例17で得られた固溶体およびグルタミン酸の粉末X線回折図である。本発明の調製例14、調製例17で得られた固溶体およびリンゴ酸の粉末X線回折図である。本発明の調製例15、調製例17で得られた固溶体およびグリシンの粉末X線回折図である。本発明の調製例16、調製例17で得られた固溶体およびグルタミンの粉末X線回折図である。各種サンプルの常温における溶解速度を示すグラフである。各種サンプルの50度における溶解速度を示すグラフである。発明を実施するための形態 以下に、本発明を詳細に説明する。 明細書ではバリン、イソロイシン、ロイシンを総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)と表記することがある。本発明における脂肪族中性アミノ酸とは、グリシン、アラニン、ノルイソロイシン、ホモロイシンなどをいう。本発明におけるオキシ中性アミノ酸とは、スレオニン、セリンなどのことをいう。本発明における酸アミド中性アミノ酸とは、アスパラギン1水和物、グルタミンなどのことをいう。本発明における酸性アミノ酸とは、グルタミン酸、アスパラギン酸などのことをいう。本発明における塩基性アミノ酸とは、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどのことをいう。本発明におけるヒドロキシ酸とは、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などのことをいう。バリン、イソロイシン、ロイシンを溶解させた混合溶解液は、いかなるものであってもかまわない。例えば、結晶のバリン、イソロイシン、ロイシンを、水で溶解させたもの、発酵液から得られたバリン、イソロイシン、ロイシン含有溶解液の混合物、発酵液から得られた液と結晶の溶解液の混合物などを用いることが出来る。BCAAと、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸(以下、これらを前記のアミノ酸やヒドロキシ酸という。)の群から選ばれた少なくとも1種の酸を溶解させた混合溶解液も、いかなるものであってもかまわない。例えば、各アミノ酸あるいはヒドロキシ酸を、水で溶解させたもの、発酵液から得られた各アミノ酸あるいはヒドロキシ酸を含有する溶解液の混合物、発酵液から得られた液と結晶の溶解液の混合物などを用いることが出来る。 各アミノ酸は、L体、D体、DL体のいずれでもよいが、医薬品や食品への応用を考えるとL体が好ましい。バリン、イソロイシン、ロイシンの混合比率は、所望とする固溶体におけるバリン、イソロイシン、ロイシンの比率に応じて定められる。用いるバリン、イソロイシン、ロイシンが純品の場合には、各アミノ酸を所望とする固溶体の比率として、その混合溶解液を乾涸するまで濃縮晶析すればよい。ある程度不純物を含んでいる場合には、それらの不純物を除去できるように固溶体の晶析率を定め(これは、原料に応じて異なり、予備実験で定めることができる。)、その晶析率における母液のバリン、イソロイシン、ロイシンの濃度と液量から残余が固溶体を形成しているとして算出できる。例えば5w/w%不純物を含んだロイシン10gを原料として、バリン、イソロイシンと共に水で溶解後、濃縮晶析する時、晶析率50%で操作を止め固液分離した場合、母液に4.5gのロイシンと0.5gの不純物が測定されれば、不純物を含まない固溶体が調製できたことになる。このように不純物を除去と固溶体調製を同時に操作することもできる。 BCAAと前記のアミノ酸やヒドロキシ酸の混合比率は、所望とする固溶体における比率に応じて定められる。用いるアミノ酸やヒドロキシ酸が純品の場合には、これらを所望とする固溶体の比率として、その混合溶解液を乾涸するまで濃縮晶析すればよい。ある程度不純物を含んでいる場合には、それらの不純物を除去できるように固溶体の晶析率を定め(これは、原料に応じて異なり、予備実験で定めることができる。)、その晶析率における母液のアミノ酸やヒドロキシ酸の濃度と液量から残余が固溶体を形成しているとして算出できる。 バリン、イソロイシン、ロイシンあるいはこれらにさらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸を溶解させた混合溶解液から結晶を取得する晶析方法としては、通常行われる溶液濃度を過飽和度以上に上げることで結晶を析出させればよい。例えば、溶媒成分を蒸発により除去する濃縮晶析法、溶解度の高いpH領域から溶解度の低いpH領域に変化させ結晶析出させるpH調整法、溶解液を高温で調整し、冷却することで溶解度の低い領域にすることで結晶析出させる冷却晶析法、溶液にアルコールなどの貧溶媒を加えて溶解度を下げ結晶析出させる反応晶析法などが用いることが出来る。 特に用いる溶媒や副原料が水だけである、濃縮晶析、冷却晶析は工業的に好ましく、特にバリン、ロイシン、イソロイシンのように、比較的水に溶解しにくいアミノ酸においては、真空蒸発缶を用いた濃縮晶析と、冷却晶析をあわせて用いるとよい。具体的には、バリン0.3〜10.0w/w%(分母は水溶液重量、以下同じ)、イソロイシン0.3〜6.5w/w%、ロイシン0.3〜4.0w/w%の40℃〜90℃の水溶液を3kPa〜30kPaの圧力下で濃縮晶析後、常温まで冷却して固溶体を製造する方法が好ましい。仕込み時の水溶液濃度が、バリン0.3w/w%未満、イソロイシン0.3w/w%未満、ロイシン0.3w/w%未満であると、得られた固溶体に必要成分が含まれないため好ましくない。仕込み時の水溶液濃度が、バリン10.0w/w%、イソロイシン6.5w/w%、ロイシン4.0w/w%グリシン60.0w/w%、アラニン30.0w/w%、スレオニン25.0w/w%、グルタミン15.0w/w%、アスパラギン1水和物17.0w/w%、グルタミン酸6.5w/w%、アスパラギン酸3.5w/w%、アルギニン120w/w%、リジン150w/w%、ヒスチジン18w/w%、リンゴ酸40w/w%、クエン酸150w/w%、酒石酸140w/w%を超えていると、溶解させることが出来ないため、好ましくない。また、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸の群から少なくとも1種の仕込み時の水溶液濃度が0.1w/w%以下になると、溶解度の観点から結晶に取り込まれるアミノ酸の量が少なくなり、好ましくない。 温度と減圧度は、その蒸発缶の能力に左右されるが、非常に高い減圧能力を持ち、3kPaで濃縮できるのであれば、40℃付近の溶液温度で濃縮晶析できる。また、90℃まで加熱できれば、減圧能力は低くても蒸発するのに十分であるが、生産効率が考えると30kPa以下の圧力で蒸発させるのが好ましい。 濃縮晶析で得られた結晶はそのまま、遠心分離機などで結晶を分離することも可能であるが、高温の(あるいはさらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸)ためバリン、イソロイシン、ロイシンの回収率が低下することや、分離性の向上のため、15〜25℃まで冷却させた後に固溶体を取得する方法が好ましい。 晶析率は、原料の純度、目的とする固溶体の純度等によって定められ、100%とすることも可能である。 晶析で得られたものは、バリン、イソロイシン、ロイシンの固溶体であり、さらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸を含む場合にはこれら全体の固溶体である。固溶体は2種以上の分子が互いに溶け合い全体が固相になっていることであるので、単一の分子から得られた固体を粉末X線回折で測定したスペクトルのピークが消失していればその分子は他の分子の間に溶け込んだと考えられる。この考え方を基に、成分分析値からバリン、イソロイシン、さらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸を検出しているが、粉末X線回折スペクトルにおいて、バリン、イソロイシン、ロイシンあるいはさらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸の単独のピークが消失しているとき固溶体とみなす。バリン、イソロイシン、ロイシンの固溶体は、形状が角のない粒状で、CuKα線を光源とする粉末X線回折パターンにおいて回折角(2θ)が6°〜7°と12°〜14°に主なピークを示すところに特徴がある。ここでいう主なピークとは低角から最初のピークすなわちBCAAの(001)面を示すピークと、2番目のピークすなわちBCAAの(002)面を示すピークを指す。前記アミノ酸やヒドロキシ酸のそれぞれの単一分子から得られる主なピークを以下に示す。この角度に現れるピークが消失していれば単独の結晶構造をとっていない固溶体と定義する。また、単純粉混合と比較してこの角度の現れるピークが小さい場合も、固有の結晶構造が崩れている固溶体が含まれていると考える。 グリシン 回折角(2θ)=29.8°、23.9°、アラニン 回折角(2θ)=20.6°、28.9°、スレオニン 回折角(2θ)=35.0°、28.5°、グルタミン 回折角(2θ)=23.4°、25.0°、アスパラギン1水和物 回折角(2θ)= 29.2°、18.1°、グルタミン酸 回折角(2θ)=10.3°、20.5°、アスパラギン酸 回折角(2θ)= 23.8°、11.9°、アルギニン 回折角(2θ)=18.3°、27.4°、クエン酸 回折角(2θ)=15.2°、18.2°、リンゴ酸 回折角(2θ)= 20.1°、23.5°、酒石酸 回折角(2θ)=20.7°、35.8° BCAAと前記のアミノ酸や、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなる組成物では、同組成の粉混合品と比較して前記のアミノ酸や、ヒドロキシ酸の主なピークが50%以下のピーク強度である場合、好ましくは同組成の粉混合品と比較して20%以下のピーク強度である場合、さらに好ましくは同組成の粉混合品と比較して5%以下のピーク強度である場合、最も好ましくはピークが検出されない場合に固溶体が含まれていると定義する。 これらの固溶体は、一般的に用いられるCuKα線を光源とする粉末X線回折装置で識別できる範囲で100%の純度である。 本発明の固溶体は、実質的にバリン、イソロイシン、ロイシンあるいはさらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸からなり、この固溶体が溶質の総重量が97w/w%以上のものをさす。各々のアミノ酸以外の溶質物質として、製造工程中に混入するノルバリン、メチオニンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の固溶体中の水分含量は、乾燥品であれば通常0.01〜1.0w/w%であるが、固溶体の特性を維持していれば、水分含量は特に限定されるものではない。 更に、本発明の固溶体は、バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%の組成比率であることが好ましい。求める固溶体中のバリンの比率が5%未満であると、苦味を改善する効果が十分に得られないことから好ましくない。バリン量が85w/w%を超えると、溶解速度の改善が認められなくなり好ましくない。イソロイシン3w/w%未満、ロイシン3w/w%未満、イソロイシン80w/w%を超えた量、ロイシン80w/w%を超えた量でも溶解速度の改善が認められなくなり好ましくない。呈味改善、溶解速度改善の観点から、好ましくはバリン10〜80w/w%、イソロイシン5〜75w/w%、ロイシン5〜75w/w%、さらに好ましくは、バリン15〜75w/w%、イソロイシン10〜60w/w%、ロイシン10〜70w/w%の範囲である。 更に、前記のアミノ酸やヒドロキシ酸を含む場合には、本発明の固溶体は、バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%、前記のアミノ酸やヒドロキシ酸が0.01〜50w/w%の組成比率であることが好ましい。前記のアミノ酸やヒドロキシ酸の量が0.01w/w%以下であると溶解速度の改善がみられないため好ましくない。また、BCAAの溶解性を改善するという目的から、50w/w%以上の他アミノ酸が含まれるということは好ましくない。 固溶体化の観点から、前記のアミノ酸やヒドロキシ酸を含む場合には、脂肪族アミノ酸は0.1〜10w/w%、オキシ中性アミノ酸は0.01〜30w/w%、酸アミド中性アミノ酸は0.01〜25w/w%、酸性アミノ酸は0.01〜45w/w%が好ましい。また、肪族アミノ酸は0.1〜2w/w%、オキシ中性アミノ酸は0.5〜5w/w%、酸アミド中性アミノ酸は0.5〜5w/w%、酸性アミノ酸は0.1〜10w/w%、塩基性アミノ酸は0.1〜10w/w%、ヒドロキシ酸は0.1〜15%の濃度範囲がさらに好ましい。 バリン、イソロイシン、ロイシンの3種アミノ酸にさらに前記のアミノ酸やヒドロキシ酸が加わっても固溶体化するメカニズムは次のように推測している。固溶体化とは、2種以上の分子同士が共に規則的な結晶構造をとっている状態であるが、その際、大きい分子(極性が強く、広がりがある)に小さい分子が(極性が弱く、構成原子が近距離にある)が入り込む傾向にある。よって、比較的分子サイズの小さいアラニン、グリシンは固溶体化できるアミノ酸量が少ないと考えられる。 BCAAと前記のアミノ酸やヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなる固溶体を作成する際、結晶への取り込みは次のように理論付けられる。溶解度の低いアミノ酸は、晶析において晶析率が低い時には母液に多く存在し、結晶への取り込み量は仕込み量の比率に比べ少ないが、晶析率が高い時には、母液中の溶解度の低いアミノ酸濃度が高まり、結晶への取り込みが増えてくる。よって水に対する溶解度の高い順番に、結晶の外側にいく程多く存在することになる。バリン、イソロイシン、ロイシンからなる固溶体は、以下の方法により所望の組成で製造することができる。 バリン、イソロイシン、ロイシンを含む水溶液から晶析で得られる固溶体について、以下のことを見出した。固溶体中のイソロイシンとロイシンの重量比は、同バリン含量(5〜85%)に関わらず、原料水溶液中のイソロイシンとロイシンの重量比に比例すること、即ち、[Ile/Leu]固溶体=0.87〜1.00 対[Ile/Leu] 原料 固溶体中のバリン含量[w%]は、同イソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数を用いて制御することができる。 すなわち、原料中のイソロイシンとロイシンの重量比で固溶体のイソロイシンとロイシンの重量比を決めることができ、イソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数を用いて固溶体中のバリン含量を調製することが可能である。 前項におけるイソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数と固溶体のバリン含量に関しての詳細を以下に記載する。原料中の、イソロイシンとロイシンの総量をA[g]、同バリンの量をB[g]、イソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数をf[-]、イソロイシンとロイシンの総量の晶析率をY[%]、晶析後の固溶体に含まれるバリンの量をb[g]としたとき、有効分配係数の定義から、f={b/(AY/100)}/{(B−b)/(A−AY/100)} 本式を、bについて整理すると、b=fYB/(100−Y+fY)・・・4固溶体のVal含量(%)をVとすると、V=b/(b+AY/100)×100であることから、式4を代入し、整理すると式1が得られる。V(%)=100fB/{fB+A(100−Y+fY)/100}・・・1従って、原料中のイソロイシン、ロイシン、バリンそれぞれの量、及び、有効分配係数、及び、イソロイシンとロイシンの総量の晶析率で固溶体中のVal含量(%)が決定される。式1をYについて変形すると Y={(V(A+fB)−fB×100)}×100/{AV(1−f)}・・・5となり、従って、所望する固溶体のVal含量(%)に対し、式5よりイソロイシンとロイシンの総量に対する必要な晶析率を計算で求めることができる。あるいはまた、所望するVal含量(%)に対し、一定の晶析率をおき、原料中の必要なバリン量を求めることも可能である。実施例([調製例7]〜[調製例10])において、具体例で説明する。 バリンは、イソロイシン、ロイシンに比べ、苦味の他に甘みも呈すること、また溶解度もイソロイシン、ロイシンに比べ高いことが知られている。このことから固溶体で取得することで苦味が低減するメカニズムは次のように推測している。分岐鎖アミノ酸3種のうち、水に対する溶解度の高いバリンは、晶析において晶析率が低い時には母液に多く存在し、結晶への取り込み量は仕込み量の比率に比べ少ないが、晶析率が高い時には、母液中のバリン濃度が高まり、結晶への取り込みが増えてくる。よって水に対する溶解度の高い順、つまり、バリン>イソロイシン>ロイシンの順番に、結晶の外側にいく程多く存在することになる。一方、バリンの呈味はイソロイシン、ロイシンに比べ、甘みを呈するアミノ酸に位置づけられており、またその刺激閾も150mg/dLとイソロイシンが90mg/dlであるのに比べて高く、口の中で溶解してもイソロイシンほど敏感に味を感じない。バリンが外側に多く存在する固溶体は、従来のバリン、イソロイシン、ロイシンの混合粉体と比べ苦味が低減したと推測する。 本発明の固溶体の溶解速度が混合粉体と比べ速いことは次のように推測する。バリン、イソロイシン、ロイシンの分子が混ざり合った固溶体では、分子間力が弱く、水に溶解させる際の水と固体との混合自由エネルギーが小さいことが考えられ、さらに2種のアミノ酸固溶体よりも3種のアミノ酸固溶体の方が混合自由エネルギーが小さくなると考えられる。上記の推測より、求める固溶体中のバリンの比率が5w/w%未満であると、苦味を改善する効果が十分に得られず、85w/w%を超えると溶解速度が改善されず好ましくない。また、溶解速度の観点からバリンよりも溶解度が低いイソロイシンやロイシンは、単独での比率が80w/w%を超えると好ましくない。 本発明の固溶体の溶解速度が混合粉体、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種固溶体と比べ速いことは次のように推測する。バリン、イソロイシン、ロイシンに加えて異分子が混ざり合った固溶体では、分子間力がより弱く、水に溶解させる際の水と固体との混合自由エネルギーが小さいことが考えられ、さらに3種のアミノ酸固溶体よりも4種のアミノ酸固溶体の方が混合自由エネルギーが小さくなると考えられる。 本発明の目的より、固溶体中に含まれるBCAAの比率が50w/w%未満であると、溶解速度を改善する意義が得られないため好ましくない。また、BCAAのうち1つのアミノ酸(バリン、イソロイシン、ロイシン)の単独での比率が80w/w%を超えると結晶構造が十分に混ざらず、溶解速度の観点から好ましくない。 本発明の固溶体の大きさは、平均粒径が50〜1000μmであることが好ましい。ここでいう平均粒径とは、ふるい径の個数メジアン粒径D50を意味する。固形食品の口どけ性や固形飲料としての使用性を考えた溶解速度の観点から、大きすぎる結晶は、実使用に適さない。また、小さすぎる結晶は喫食時の粉立ちにより咽ることや、製造工程時の飛散によるロスなどの観点から適さない。 本発明の固溶体を用いた固形医薬品とは、固溶体を甘味料やバインダーと共に造粒加工した肝硬変患者向け経口医薬品や、固溶体を甘味料や賦形剤と混合した粉薬などが例として挙げられる。本発明の固溶体を用いた固形食品とは、固溶体を甘味料・酸味料・賦形剤やその他の成分と共に混合したものや、それを造粒加工した、粉状・顆粒状アミノ酸サプリメント、が挙げられる。以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明する。[調製例1] L−バリン10g、L−イソロイシン10g、L−ロイシン20gを1000mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機(東京理科学器械社製)にて70℃、127hPaで約3時間かけて水を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。この残渣のX線回折スペクトルを測定し、固溶体であることを確認した。[調製例2] L−バリン10g、L−イソロイシン10g、L−ロイシン20gを1000mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、8kPaで約1.5時間かけて濃縮した。810mlの水を蒸発させた後、約0.5時間かけて常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し、粒状の固溶体を採取した。[調製例3] L−バリン8g、L−イソロイシン8g、L−ロイシン24gを1200mlの水に80度で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70度、60mmHgで約2時間かけて濃縮した。1050mlの水を蒸発させた後、約0.5時間かけて常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し、粒状の固溶体を採取した。[調製例4] L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10gを500mlの水に80℃で溶解し、25度のエタノール500mlを加え、約0.5時間かけて常温まで冷却した。固液分離し、固体を風乾し、粉状の固溶体を採取した。[比較例1] L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10gをブレンダーミルで粉砕し混合した。[比較例2] L−バリン10g、L−ロイシン10gを450mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、60kPaで約1時間かけて濃縮した。350mlの水を蒸発させた後常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し2種アミノ酸の固溶体を採取した。 調製例1から3の固溶体および比較例1、比較例2、粉砕L−バリン、粉砕L−イソロイシン、粉砕L−ロイシンのアミノ酸組成と粉末X線回折スペクトル、溶解速度および平均粒径を表1に示す。 アミノ酸組成は、アミノ酸アナライザー(日立株式会社製L−8800)にて分析した。粉末X線回折スペクトルは、粉末X線回折装置(X’Pert−Pro−MPD;PANalytical B.V.)を用い、CuKα線(40kV、30mA)にて2θポジション4°〜60°で測定した。 溶解速度は、回転数550rpmで攪拌した50℃の温水100mLに(200mlビーカーおよびマグネチックスターラー使用)、1gの粉を落とし、完全に溶解するまでの時間を測定し、溶解速度の指標とした。 平均粒径は、デジタル画像解析式粒度分布計FPAL(AnaTec ASノルウェー)によりD50を測定した。溶解速度 各サンプルの溶解速度を図6に示した。これより、各種サンプルの平均粒径のばらつきを考慮してもなお、固溶体は顕著に溶解速度が早いことが分かった。官能評価 調製例2の固溶体の官能評価を行った。比較例1の単純混合したものを基準とし、固溶体の味を、「先苦味の強さ」、「後苦味の強さ」、「口とけしやすさ」を専門パネル5名にて官能評価した。「非常に強い」を+3、同等を0、「非常に弱い」を−3とし、0.1刻みで数値で評価した。その結果を図7に示す。 評価項目「先味の強さ」については、危険率5w/w%以下の有意差をもって、固溶体(調製例2)は粉混合品(比較例1)より弱いことが確認された。評価項目「口とけしやすさ」は危険率10w/w%以下の有意差をもって口とけしやすいことが示された。[調製例5]L−バリン1.2g、L−イソロイシン2.8g、L−ロイシン16gを650mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機(東京理科学器械社製)にて70℃、127hPaで約3時間かけて水を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。この残渣のX線回折スペクトルを測定し、固溶体であることを確認した。[調製例6]L−バリン17g、L−イソロイシン0.8g、L−ロイシン2.2gを350mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機(東京理科学器械社製)にて70℃、127hPaで約2時間かけて水を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。この残渣のX線回折スペクトルを測定し、固溶体であることを確認した。[比較例3]ブレンダーミルで粉砕した、L−バリン0.6g、L−イソロイシン1.4g、L−ロイシン8gを混合した。[比較例4]ブレンダーミルで粉砕した、L−バリン8.5g、L−イソロイシン1.1g、L−ロイシン0.4gを混合した。調製例5,6の固溶体および比較例3,4の粉末の溶解速度および平均粒径を表2に示す。[調製例7]目標とする固溶体の成分比:バリン/イソロイシン/ロイシン=27/32/40(W%)。L−バリン23.1g、L−イソロイシン17.5g、L−ロイシン21.0gを1200mLの水に80℃で溶解した。溶解液のイソロイシンとロイシンの合計量は38.5g、 イソロイシン/ロイシンは0.83。一方、目標とする固溶体のイソロイシンとロイシンの合計量に対するバリン重量比は0.38、イソロイシン/ロイシン<2であることから、式2より、バリンのイソロイシンとロイシンの合計量に対する有効分配係数は0.163と計算される。計算式5にこれらの値及び目標とするバリン含量27(W%)を代入し、イソロイシンとロイシンの合計量の晶析率を求めると88%と計算された。そこで、同晶析率で固溶体が得られるように、上記溶解液を減圧濃縮機にて水分を蒸発させた後室温まで冷却し、遠心ろ過機で固液分離し、固溶体を採取した。イソロイシンとロイシンの合計の晶析率は88.3%であった。得られた固溶体の組成比(W%)は、バリン/イソロイシン/ロイシン=27.4/31.9/40.7 であり、目標値と良く一致した。また、イソロイシン/ロイシンは0.78であり、これは原料の同比の94%に相当し、(1)で記した計算値とよく一致した。[調製例8]目標とする固溶体の成分比:バリン/イソロイシン/ロイシン=27/32/40(W%)。L−バリン137.3g、L−イソロイシン90.0g、L−ロイシン105.5gを7000mLの水に80℃で溶解した。 溶解液のイソロイシンとロイシンの合計量は195.5g、イソロイシン/ロイシンは0.85。 一方、目標とする固溶体のイソロイシンとロイシンの合計量に対するバリン重量比は0.38、イソロイシン/ロイシン<2であることから、式2より、バリンのイソロイシンとロイシンの合計量に対する有効分配係数は 0.163と計算される。計算式5にこれらの値及び目標とするバリン含量27(W%)を代入し、イソロイシンとロイシンの合計量の晶析率を求めると83%と計算された。そこで、同晶析率で固溶体が得られるように、上記溶解液を減圧濃縮機にて水分を蒸発させた後室温まで冷却し、遠心ろ過機で固液分離し、固溶体を採取した。イソロイシンとロイシンの合計の晶析率は82.9%であった。得られた固溶体の組成比(W%)は、バリン/イソロイシン/ロイシン=27.2/31.9/40.9 であり、目標値と良く一致した。また、イソロイシン/ロイシンは0.78であり、これは原料の同比の92%に相当し、計算値とよく一致した。[調製例9]目標とする固溶体の成分比:バリン/イソロイシン/ロイシン=25/25/50(W%)。L−バリン20.0g、L−イソロイシン15.0g、L−ロイシン30.0gを1600mLの水に80℃で溶解した。溶解液のイソロイシンとロイシンの合計量は45.0g、イソロイシン/ロイシンは0.5である。一方、目標とする固溶体のイソロイシンとロイシンの合計量に対するバリン重量比は0.33、イソロイシン/ロイシン<2であることから、式2より、バリンのイソロイシンとロイシンの合計量に対する有効分配係数は0.153と計算される。計算式5にこれらの値及び目標とするバリン含量25(W%)を代入し、イソロイシンとロイシンの合計量の晶析率を求めると94%と計算された。そこで、同晶析率で固溶体が得られるように、上記溶解液を減圧濃縮機にて水分を蒸発させた後室温まで冷却し、遠心ろ過機で固液分離し、固溶体を採取した。イソロイシンとロイシンの合計の晶析率は94.7%であった。得られた固溶体の組成比(W%)は、バリン/イソロイシン/ロイシン=25.1/24.8/50.1 であり、目標値と良く一致した。また、イソロイシン/ロイシンは0.50であり、これは原料の同比の99%に相当し、計算値と略一致した。[調製例10]目標とする固溶体の成分比:バリン/イソロイシン/ロイシン=31/54/15(W%)。L−バリン13.5g、L−イソロイシン15.4g、L−ロイシン3.9gを700mLの水に80℃で溶解した。溶解液のイソロイシンとロイシンの合計量は19.3g、イソロイシン/ロイシンは3.9である。一方、目標とする固溶体のイソロイシンとロイシンの合計量に対するバリン重量比は0.45、イソロイシン/ロイシン>2であることから、式3より、バリンのイソロイシンとロイシンの合計量に対する有効分配係数は0.26と計算される。計算式5にこれらの値及び目標とするバリン含量31(W%)を代入し、イソロイシンとロイシンの合計量の晶析率を求めると81%と計算された。そこで、同晶析率で固溶体が得られるように、上記溶解液を減圧濃縮機にて水分を蒸発させた後室温まで冷却し、遠心ろ過機で固液分離し、固溶体を採取した。イソロイシンとロイシンの合計の晶析率は81.6%であった。得られた固溶体の組成比(W%)は、バリン/イソロイシン/ロイシン=31.4/53.6/14.9 であり、目標値と良く一致した。また、イソロイシン/ロイシンは3.6であり、これは原料の同比の92%に相当し、計算値と略一致した。[調製例11]L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10g、L−スレオニン5gを500mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、127kPaで約1.5時間かけて濃縮した。459mlの水を蒸発させた後、約0.5時間かけて常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し、粒状の固溶体23.4gを採取した。[調製例12]L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10g、L−スレオニン2gを500mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機(東京理科学器械社製)にて70℃、127hPaで約1.5時間かけて濃縮した。402mlの水を蒸発させた後、約0.5時間かけて常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し、粒状の固溶体17.1gを採取した。[調製例13] L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10g、グルタミン酸2.5gを500mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、127kPaで約1.5時間かけて濃縮した。411mlの水を蒸発させた後、約0.5時間かけて常温まで冷却し、固液を分離し、固体を風乾し、固溶体18gを採取した。[調製例14] L−バリン8g、L−イソロイシン9.6g、L−ロイシン12g、リンゴ酸5gを500mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、127kPaで約2時間かけて水分を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。[調製例15]L−バリン5g、L−イソロイシン5g、L−ロイシン10g、L−グリシン0.2gを500mlの水に80度で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70度、127mmHgで約2時間かけて水分を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。[調製例16] L−バリン2.5g、L−イソロイシン2.5g、L−ロイシン5g、グルタミン0.25gを300mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、127kPaで約2時間かけて水分を完全に蒸発させ、得られた粒状の残渣を採取した。 [調製例17] 調製例1から3と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシンを温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシンの重量比率が12:62:25の固溶体を得た。[調製例18] 調製例1から3と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシンを温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシンの重量比率が16:60:24の固溶体を得た。この固溶体95w/w%に対してL−スレオニンを5w/w%で混合した。[調製例19] 調製例1から3と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシンを温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシンの重量比率が20:55:25の固溶体を得た。この固溶体83w/w%に対してL−グルタミン酸を17w/w%で混合した。[調製例20] L−バリン20g、L−イソロイシン15g、L−ロイシン30gを1600mlの水に80℃で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて70℃、127hPaで94.7%の結晶が得られるまで濃縮した。その後常温まで冷却し、固液を分離し、固体を乾燥し、粒状の固溶体42.6gを採取した。このBCAA固溶体に対し、リンゴ酸を20w/w%で混合した。 調製例11から16の4種の物質からなる固溶体および調製例17から20のバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類の固溶体に第4の物質を添加した組成物、粉砕L−スレオニン、粉砕L−グルタミン酸、粉砕L−リンゴ酸、粉砕グリシン、粉砕L−グルタミンの組成比と粉末X線回折スペクトル、溶解速度および平均粒径を表3に示す。 アミノ酸組成は、アミノ酸アナライザー(日立株式会社製L−8800)にて分析した。粉末X線回折スペクトルは、粉末X線回折装置(X’Pert−Pro−MPD;PANalytical B.V.)を用い、CuKα線(40kV、30mA)にて2θポジション4°〜60°で測定した。 溶解速度は、回転数550rpmで攪拌した50℃の温水、もしくは常温の水100mLに(200mlビーカーおよびマグネチックスターラー使用)、1gの粉を落とし、完全に溶解するまでの時間を測定し、2回の平均値を溶解速度の指標とした。 平均粒径は、デジタル画像解析式粒度分布計FPAL(Ana Tec ASノルウェー)によりD50を測定した。[調製例21] 調製例11から16と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、クエン酸を温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシン:クエン酸の重量比率が23:45:23:9の固溶体組成物を得た。[調製例22]調製例11から16と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−アスパラギン水和物を温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシン:アスパラギン水和物の重量比率が20:43:20:17の固溶体組成物を得た。[調製例23]調製例11から16と同様に、L−バリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−アスパラギン酸を温水で溶解し、この溶解液を減圧濃縮機にて濃縮晶析し、固液を分離、乾燥した。バリン:ロイシン:イソロイシン:アスパラギン酸の重量比率が15:44:18:23の固溶体組成物を得た。溶解速度を常温または50度で表4および表5に示す組成物の平均粒径および溶解速度を調べた。各サンプルの溶解速度を図15、図16に示した。これより、各種サンプルの平均粒径のばらつきを考慮してもなお、固溶体は顕著に溶解速度が早いことが分かった。 スレオニン、グルタミン酸、リンゴ酸の粉末X線回折スペクトルの主なピークとピーク強度、および調整例2から4の固溶体、比較例2から4でのそのピーク強度を表6に示す。 本発明の固溶体は、バリン、イソロイシン、ロイシンの比率を幅広く変えることができ、また、苦味を少なくし、溶解速度も高められるので、バリン、イソロイシン、ロイシンを含む食品、医療品に広く利用できる。 バリン、イソロイシン、ロイシンの3種アミノ酸からなる固溶体 バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%の組成比率からなる請求項1記載の固溶体 粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が、6〜7、12〜14(単位:°)に主なピークを示す、請求項1または2記載の固溶体 バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸からなる固溶体。 脂肪族アミノ酸が、グリシン、アラニン、ノルロイシン、ホモロイシンである請求項4記載の固溶体。 オキシ中性アミノ酸が、セリン、スレオニンである請求項4記載の固溶体。 酸アミド中性アミノ酸が、アスパラギン1水和物、グルタミンである請求項4記載の固溶体。 酸性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸である請求項4記載の固溶体。 塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、ヒスチジンである請求項4記載の固溶体。 ヒドロキシ酸が、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸である請求項4記載の固溶体。バリン5〜85w/w%、イソロイシン3〜80w/w%、ロイシン3〜80w/w%、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸が0.01〜50w/w%の組成比率を有する請求項5〜10のいずれかに記載の固溶体。 粉末X線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が6〜7°に最も強いピークを示し、下に示す位置に脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸由来のピーク強度が1,2番目に強い回折角ピークが検出されない、もしくは同組成の粉混合品よりもピークが小さく検出される、請求項5〜11のいずれかに記載の固溶体。グリシン 回折角(2θ)=29.8°、23.9°、アラニン 回折角(2θ)=20.6°、28.9°、スレオニン 回折角(2θ)=35.0°、28.5°、グルタミン 回折角(2θ)=23.4°、25.0°、アスパラギン1水和物 回折角(2θ)= 29.2°、18.1°、グルタミン酸 回折角(2θ)=10.3°、20.5°、アスパラギン酸 回折角(2θ)= 23.8°、11.9°、アルギニン 回折角(2θ)=18.3°、27.4°、クエン酸 回折角(2θ)=15.2°、18.2°、リンゴ酸 回折角(2θ)= 20.1°、23.5°、酒石酸 回折角(2θ)=20.7°、35.8° 平均粒径が、50〜1000μmである請求項1乃至12のいずれかに記載の固溶体 請求項1から13のいずれかに記載の固溶体を用いた固形医薬品または固形食品 請求項11のアミノ酸組成物を含む食品。 バリン0.3〜10.0w/w%、イソロイシン0.3〜6.5w/w%、ロイシン0.3〜4.0w/w%の40℃〜90℃の水溶液を3kPa〜30kPaの圧力下で濃縮晶析後、15〜25℃まで冷却して結晶を取り上げる、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種アミノ酸からなる固溶体を製造する方法 原料水溶液中のイソロイシンとロイシンの総量をA[g]、バリンの重量をB[g]、製造される固容体中のバリンの重量比率をV[w%]、イソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの有効分配係数をf[-]、製造される固溶体中のイソロイシンとロイシンの晶析率をY[w%]とするとき、 V=100fB/{fB+A(100−Y+fY)/100}・・・1の関係から(バリン5〜85w%、イソロイシン3〜80w%、ロイシン3〜80w%の組成比率からなる)固溶体中のバリン濃度を制御することを特徴とする請求項16記載の製造方法。 請求項17に記載の有効分配係数f[-]に、製造される固溶体ロイシンに対するイソロイシンの重量比が2以下のとき 式 0.226×[Val/(Ile+Leu)]固溶体+0.078 ・・・2同重量比が2を超えるとき 式 0.504×[Val/(Ile+Leu)]固溶体+0.029 ・・・3で計算される値を用いることを特徴とする請求項16記載の製造方法。ここで、 [Val/(Ile+Leu)]固溶体は、固溶体中のイソロイシンとロイシンの総量に対するバリンの重量比[w%]を表す。 バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を含有する溶液を用いて晶析せしめ、バリン、イソロイシン、ロイシンおよび、脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を含有する固溶体を取得する方法。 【課題】優れた苦味の低減と、溶解速度の改善された、バリン、イソロイシン、ロイシン混合物を提供する。 【解決手段】上記課題は、バリン、イソロイシン、ロイシンの3種のアミノ酸からなる固溶体およびこれに脂肪族中性アミノ酸、オキシ中性アミノ酸、酸アミド中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ヒドロキシ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種を加えた固溶体によって解決される。


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