生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_ウレア化合物の分解処理方法
出願番号:2009001132
年次:2011
IPC分類:C08J 11/16,C07C 209/62,C07C 211/49


特許情報キャッシュ

古川 睦久 小椎尾 謙 本九町 卓 JP WO2009130842 20091029 JP2009001132 20090313 ウレア化合物の分解処理方法 日本ポリウレタン工業株式会社 000230135 古川 睦久 小椎尾 謙 本九町 卓 JP 2008116471 20080426 C08J 11/16 20060101AFI20110715BHJP C07C 209/62 20060101ALI20110715BHJP C07C 211/49 20060101ALI20110715BHJP JPC08J11/16C07C209/62C07C211/49 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20110811 2010509045 13 4F401 4H006 4F401AA26 4F401BA06 4F401CA09 4F401CA11 4F401CA63 4F401CA75 4F401CB01 4F401CB10 4F401CB15 4F401DA14 4F401EA46 4F401FA02Z 4F401FA20Z 4H006AA02 4H006AC52 4H006BA91 4H006BB30 4H006BB31 4H006BC11 4H006BC38 4H006BE60 本発明は、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中でポリウレアを加水分解して対応するアミンを回収する、ウレア化合物の分解処理方法に関する。 ポリウレタンは、ポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応により合成される高分子材料である。ポリウレタンは、配合、処方、成形方法等により、種々の物性を付与することが可能である。このため、フォーム、エラストマー、塗料、接着剤等多種多様に利用されている。 ポリウレタンの原料であるイソシアネートは、対応するアミンをホスゲンと反応させることにより得られているが、この際の副生成物として、ウレア残さが生成する。この残さは、常温下で固化するタール状の物質であり、ハンドリングが難しいため、従来はもっぱら焼却処理される廃棄物であった。 この残さを分解・回収する方法として、超臨界状態又は亜臨界状態の水を用いてウレア残さを処理する方法が特許文献1に提案されている。特開2000−136264号公報 しかしながら、特許文献1の方法では、超臨界状態又は亜臨界状態の水とするためには、高温(臨界温度=374℃)・高圧(臨界圧力=22.1MPa)のという過酷な条件が必要であるため、重厚な設備を必要とする。また超臨界状態又は亜臨界状態の水は、金属腐食の問題を内包しており、反応容器他の装置の維持管理が煩雑となる。 本発明の目的は、これまで廃棄処分するしかなかったイソシアネート製造時に副生するウレア残さに、アルカリ等の加水分解促進剤を添加することなく、再利用可能なポリアミンを回収でき、また、反応装置の腐食性の問題を起こすことのないウレア化合物の分解処理方法を提供することにある。そこで本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、イソシアネート製造時に副生するウレア残さを、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中にて、加水分解させることにより、ポリアミンの効率的な回収、及びそのための好適条件を見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)に示されるものである。(1) ウレア化合物を超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中、液体または気体状態の水を用いて加水分解して、対応するアミンを回収することを特徴とする、ウレア化合物の分解処理方法。(2) 加水分解時の圧力が5〜10MPaであることを特徴とする、前記(1)のウレア化合物の分解処理方法。(3) 水と反応容器との容積比が、水/反応容器=10/100〜30/100であることを特徴とする、前記(1)、(2)のウレア化合物の分解処理方法。(4) 回収されるアミンが、ジフェニルメタンジアミンであることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかのウレア化合物の分解処理方法。 本発明の方法によれば、従来産業廃棄物として処分されていたイソシアネートの残さをアルカリ等の添加剤を使うことなく、残さに対応するアミンに効率よく変換することが可能となった。 本発明において、ウレア化合物とは、−NH−CO−NH−なる基(ウレア基)を有する化合物であれば特に制限はなく、また前記ウレア基の一部がビウレット基となっているものも含む。具体的なウレア化合物は、主にイソシアネート製造時に副生する残さとして生成するものである。また残さとは、下記モノイソシアネート、ジイソシアネート等の少なくとも一つの−NCO基を有する化合物の製造時に発生する残さを意味する。 モノイソシアネートとしては、例えば一般式R−NCO(Rは脂肪族基又は芳香族基)で示される脂肪族モノイソシアネート、芳香族モノイソシアネート等が挙げられる。 脂肪族モノイソシアネートの具体例としては、メチルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート等を挙げることができる。又芳香族モノイソシアネートの具体例としてはフェニルイソシアネート等を挙げることができる。 ジイソシアネートとしては一般式OCN−R−NCO(Rは上記の基又は脂環基)で示される脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。 脂肪族ジイソシアネートの具体例としてはヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。芳香族ジイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環式ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等を挙げることができる。上記イソシアネート以外、例えばトリイソシアネート等の3以上の−NCO基を有するイソシアネート化合物の製造時に副生する残さをも用いることができる。本発明の分解に用いられるウレア化合物としてはイソシアネート製造時に副生する残さであればいずれの工程で発生したものでもよい。具体的には、アミン製造工程、アミンとホスゲンの反応工程、イソシアネート精製工程又はイソシアネートを回収する工程等のいずれかで副生する残さである。これら残さは各工程においては溶融、溶解していてもよい。なお本発明に適用できる残さとしてはホスゲンを用いて製造されるイソシアネートには限定されず、非ホスゲン法で製造する場合それらの各工程のいずれかの工程で副生する残さをも分解することができることは言うまでもない。 残さとしてはいずれを用いても良いが通常、各工程で発生した残さを固液分離工程、蒸留工程等により液状成分と分離した後に用いられる。イソシアネートの精製工程を経たものが好ましい。特に蒸留によってイソシアネートを精製する場合はその蒸留残さ(即ちイソシアネートの精製蒸留工程)が好ましく、それらの蒸留残さから揮発成分を実質的に含有しないまでに回収したものが特に好ましい。 これらイソシアネート製造時に副生する残さは主としてアミン、イソシアネート等の熱重縮合物からなる混合物である。熱重縮合物は例えばウレア(ウレタン)、ビウレット、カルボジイミド、イソシアヌレート等の基又は環を有している。特にこれらの基又は環を複数有する複雑な構造を有する化合物が多く含有されている。 上記の残さのようなウレア化合物は、超臨界又は亜臨界状態の二酸化炭素中で、対応するアミンに加水分解される。加水分解時の圧力は、分解効率の点から5〜10MPaであることが好ましい。また、加水分解時の温度は170℃以上374℃未満が好ましく、特に180〜250℃が好ましい。 加水分解の際の水と反応容器との容積比は、分解効率の点から水/反応容器=10/100〜30/100であることが好ましい。水の量が少なすぎる場合は、ウレア化合物への水の拡散が不十分となり、水が多すぎる場合は二酸化炭素の拡散が不十分になると思われる。 また、ウレア化合物と水の質量比は、水/ウレア化合物=20/1〜160/1が好ましく、特に40/1〜80/1が特に好ましい。水の量が少なすぎる場合は、ウレア化合物への水の拡散が不十分となり、水が多すぎる場合は二酸化炭素の拡散が不十分になると思われる。 ウレア化合物の分解時間は、特に制限されないが、所定温度に達した後、1分〜300分、好ましくは1分〜150分の範囲で行う。 水と、ウレア化合物の混合加熱は、以下のいずれの方法によってもよいが、3)が好ましい。1)水とウレア化合物とを予め所定の温度にしておいて混合する。2)水を、ウレア化合物と混合したときに所定温度になるように加熱しておき、加熱された水とウレア化合物とを混合することにより分解温度とする。3)水とウレア化合物を予めスラリー調製ドラム等において所定濃度になるように混合してスラリーを調製した後、分解温度まで加熱する。 このようにしてウレア化合物を分解して得られた水溶液中には、イソシアネートに対応するアミンが主成分として含まれていることは言うまでもなく、対応するアミンを通常の蒸留や抽出等の方法によって容易に回収することができる。回収されたアミンは、必要によりさらに精製されたのち、イソシアネート製造工程に原料として循環され、ホスゲンと反応させられる。 アミンが分離された水溶液中には二酸化炭素を主成分とする軽沸点成分が溶解しているが、これをスチームストリッピング等を実施することにより除去したのち、あるいは除去することなく、加水分解用の水として循環使用することもできる。あるいは、通常の廃水処理をしたのち排水することもできる。 イソシアネート製造時の蒸留残さとは、イソシアネートの製造設備のいずれかの工程において蒸留することによって発生した蒸留残さであればいずれでもよい。通常、主にアミン製造工程又はアミンとカルボニル源例えばホスゲンとを反応する工程で得られた反応液を蒸留することにより生じる。 この蒸留残さの副生量はその製造方法によって異なるが、一般的には精製蒸留塔の塔頂部から抜き出されるイソシアネートに対して約10wt%程度の量である。この蒸留残さは通常液状であり、揮発成分を数10%、例えば10〜50wt%含有している。 本発明において、上記蒸留残さから揮発成分を実質的に含有しない状態までに回収する装置としては薄膜蒸発器、ニーダー等攪拌及び加熱手段を有する装置等通常の揮発回収工程において用いられるものが挙げられる。これらの中で特にピストンフロー性を有する二相流型蒸発装置を用いることが好ましい。 ピストンフロー性を有する蒸発装置とは、装置の上流から下流への一定方向に向かって被蒸発体が流れる設備のことを意味する。二相流型蒸発装置とは、少なくとも気液、気固のいずれかの二相の流れを有する蒸発装置であり、気液固の三相が共存してもよい。 これらの代表例としてはニーダーや二重管型熱交換器等が挙げられる。これらのなかでも波状流、スラグ流、環状流、噴霧流の少なくともいずれか一つの流動状態を形成する管型蒸発装置が特に好ましい。前記流動状態が蒸発装置内部で発生する気体により形成される装置が最も好ましく、例えば二重管型熱交換器等が好適に用いられる。 以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を何等制限するものではない。〔ウレア化合物の合成〕 メカニカルスターラーをつけたセパラブルフラスコ中で、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を68.7gをジメチルホルムアミド(DMF)40mlに溶解させた。MDIのDMF溶液を撹拌しながら、蒸留水5.0g/DMF80mlの混合液を、滴下ロートを用いて、室温にて30分かけてMDIのDMF溶液に加えた。その後、80℃のオイルバスにて18時間、撹拌しながら加熱混合を続けた。加熱後、反応液は乳濁した沈殿物を生じた。これを濾過し、濾物をアセトンとメタノールにて数回洗浄した後、減圧乾燥して、白色粉末状のウレア化合物を得た。このウレア化合物は、DMF、ジメチルスホキシド(DMSO)、メタノール、クロロホルムには溶解しなかった。〔ウレア化合物の分解〕実施例1〜12、比較例1 マグネットスターラーを入れた容量:200mlのステンレス製オートクレーブに、前記ウレア化合物0.5g及び所定量の水(比較例1は不使用)を仕込み、容器内を空気を二酸化炭素で置換した。その後、オートクレーブに液化炭酸ガスを仕込み、バンドヒーターを取り付けて1時間加熱し、所定の内圧及び温度に達したところで、所定の時間撹拌した。その後、氷浴にオートクレーブを浸けて、すばやく冷却した後、常圧に戻し、反応混合物をメタノールで濾過して、メタノールへの可溶物と不溶物に分けて回収した。実施例の結果(Run1:実施例1、…Run12:実施例12)を表1に示す。不溶物(濾物)をFT−IR測定したところ(図1)、分解前のウレア化合物のチャートと大きな差は見られなかった。また、可溶物を 1H−NMR測定したところ(図2)、当該物質は4,4′−ジフェニルメタンジアミンと同定できた。FT−IR測定条件機器 :FTS3000型FT−IR測定装置(Bio−Rad社製)測定法 :KBr法検出器 :MCT測定範囲:400〜4000cm-1感度 :2分解能 :4cm-1積算回数:32回1H−NMR測定条件 溶媒 :CDCl3測定装置:超伝導多核種磁気共鳴装置JNM−GC400(日本電子社製) 積算回数:8回 表1に示されている温度と圧力は、水の臨界条件(374℃、22.1MPa)に達していないので、水は超臨界状態にはなっていないと判断できる。実施例1〜12の全てでウレア化合物の加水分解が確認できた。しかし比較例では、ウレア化合物の分解はされていない結果になった。 実施例1〜4について、縦軸に分解率、横軸に水添加量としたグラフを図3に示す。図3から、実施例3が最良(分解率100%)となった。これは、水の量が少ない場合はウレア化合物の水への拡散レベルが低く、水が多いとウレア化合物の二酸化炭素への拡散レベルが低いと考えられる。この結果から、水と反応容器の好適容積比は、水/反応容器=10/100〜30/100、最適容積比は水/反応容器=15/100〜25/100であると言える。 実施例5〜9について、縦軸に分解率、横軸に圧力としたグラフを図4に示す。図4から、実施例6〜8が最良(分解率100%)となった。温度が一定のもとでは、二酸化炭素の圧力が大きいほど二酸化炭素の密度は高くなる。低圧では二酸化炭素の拡散レベルが低く、高圧では水の拡散レベルが低いと考えられる。この結果から、内部圧力の最適範囲は、5〜10MPaであることが分かった。実施例1における、分解前のウレア化合物及び分解後の濾物のFT−IRチャートである。メタノール可溶物の1H−NMRチャートである。圧力一定下、水添加量を変化させたときのウレア化合物の分解結果である。温度一定下、圧力を変化させたときのウレア化合物の分解結果である。符号の説明1:分解前のウレア化合物のFT−IRチャートである。2:分解後の濾物のFT−IRチャートである。 ウレア化合物を超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中、液体または気体状態の水を用いて加水分解して、対応するアミンを回収することを特徴とする、ウレア化合物の分解処理方法。 加水分解時の圧力が5〜10MPaであることを特徴とする、請求項1記載のウレア化合物の分解処理方法。 水と反応容器との容積比が、水/反応容器=10/100〜30/100であることを特徴とする、請求項1又は2記載のウレア化合物の分解処理方法。 回収されるアミンが、ジフェニルメタンジアミンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のウレア化合物の分解処理方法。 【課題】 これまで廃棄処分するしかなかったイソシアネート製造時に副生するウレア残さに、アルカリ等の加水分解促進剤を添加することなく、再利用可能なポリアミンを回収でき、また、反応装置の腐食性の問題を起こすことのないポリウレアの分解処理方法を提供するする。【解決手段】 ウレア化合物を超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中で加水分解することを特徴とする、ウレア化合物の分解処理方法により解決する。なお、加水分解時の圧力が5〜10MPaであることが好ましく、水と反応容器との容積比は、水/反応容器=10/100〜30/100であることが好ましい。【選択図】 図4


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