タイトル: | 公表特許公報(A)_有機塩並びにキラル有機化合物の製造方法 |
出願番号: | 2008556651 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07B 53/00,C07C 47/02,C07C 45/62,C07C 49/403,C07C 69/157,C07C 67/08,C07D 301/19,C07D 303/12,C07D 211/90 |
ベンヤミン リスト ソーニャ マイアー マルティン ノルヴェン ワン シンワン JP 2009528307 公表特許公報(A) 20090806 2008556651 20070227 有機塩並びにキラル有機化合物の製造方法 シュトゥディエンゲゼルシャフト・コーレ・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 591091515 Studiengesellschaft Kohle mbH 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 杉本 博司 100110593 星 公弘 100128679 二宮 浩康 100135633 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ラインハルト・アインゼル 230100044 ベンヤミン リスト ソーニャ マイアー マルティン ノルヴェン ワン シンワン DE 102006009518.9 20060301 C07B 53/00 20060101AFI20090710BHJP C07C 47/02 20060101ALI20090710BHJP C07C 45/62 20060101ALI20090710BHJP C07C 49/403 20060101ALI20090710BHJP C07C 69/157 20060101ALI20090710BHJP C07C 67/08 20060101ALI20090710BHJP C07D 301/19 20060101ALI20090710BHJP C07D 303/12 20060101ALI20090710BHJP C07D 211/90 20060101ALN20090710BHJP JPC07B53/00 BC07C47/02C07C45/62C07C49/403 EC07C69/157C07C67/08C07D301/19C07D303/12C07D211/90 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW DE2007000365 20070227 WO2007098741 20070907 37 20081030 4C048 4C054 4H006 4C048AA01 4C048BB02 4C048BB03 4C048BB04 4C048BB05 4C048CC01 4C048UU03 4C048XX02 4C048XX05 4C054AA07 4C054BB03 4C054CC01 4C054DD04 4C054DD08 4C054EE33 4C054FF01 4H006AA02 4H006AC41 4H006AC81 4H006BA51 4H006BA53 4H006BE20 本発明はキラル有機化合物の製造方法に関する。 多くの化学的変換は、イオン性の中間体及び遷移状態を介して進行する。このような極性反応は、それぞれの対イオンにより影響を受ける。例えばカルバニオンの反応の進行は、適当なカチオン性物質の添加により変更することができる。この原理はいわゆる相間移動触媒として周知であり、エノラート及び類似のアニオン性基質と多様な求電子体との反応の際に不斉接触することができる。 D. B. Llewellyn, B. A. Arndtsenは、Tetrahedron Asymmetry 2005, 16, 1789-1799で、反転した分極による反応(Reaktionen mit umgekehrter Polarisierung)を記載しているが、許容できるエナンチオ選択性を実現することができなかった。 従って、本発明の根底をなす課題は、合成により製造可能な、高いee値、有利に>50%を超えるee値を有するキラル化合物のスペクトルが期待され、先行技術によりエナンチオマー混合物としてだけ得られるエナンチオマーの合成をも可能にする、キラル有機化合物の製造方法を提供することであった。 従って、本発明の主題は、イオン性触媒の触媒アニオンがキラルであることを特徴とする、イオン性触媒を使用する不斉接触によりキラル有機化合物を製造する方法である。 意外にも、先行技術から費用のかかる精製法によってのみ得られていたキラル化合物が、本発明による方法を用いて、ほぼエナンチオマー純粋な、たいていの場合に90%を超えるee値を有する形で製造されることが確認された。この例は、シトラールから香料内容物質のシトロネラールへの高エナンチオ選択的還元である。 本発明による方法は、キラル又はアキラルのカチオン及びキラルのアニオンから構成されている塩触媒により媒介される。有利な実施態様の場合に、エナンチオマー濃度が高められた触媒、つまりエナンチオマーの過剰量を有する触媒又はエナンチオマー純粋な化合物が使用される。この触媒は、例えばキラル又はアキラルの塩基をキラルの酸と反応させることにより製造することができる。これとは別に、この触媒塩はin situで酸と塩基とから製造することができるか、当業者に公知の他の慣用の方法により製造することもできる。このキラル又はアキラルのカチオンは、有利にアンモニウム化合物である。本発明による触媒の典型的な例は、次の図式1に記載されている。図式1、本発明による方法の可能な触媒の選択。 ここに挙げられた触媒塩は、カチオン性中間体を介して進行する反応を触媒する。この種の中間体は、例えば次のものであることができる:イミニウムイオン、N−アシル−イミニウムイオン、アシルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオン又はカルベニウムイオン。 本発明による方法は、具体的な反応タイプに限定することなく、多数のキラル化合物を製造するために適している。挙げられる反応の重要な種類は、カチオン性イミニウムイオンの中間体を介して進行し、かつ第1級及び第2級アミンの塩により触媒される(α,β−不飽和)カルボニル化合物の求核付加及び付加環化である(図式2)。これには、ディールス−アルダー反応、1,3−双極付加環化、共役付加、エポキシ化、シクロプロパン化、トランスファー水素化、ムカイヤマ−マイケル付加及びクネーフェーゲル反応が当たる。しかしながらこの原則は前記反応に限定されない。 この種の反応は、確かに不斉接触することができた。この場合、触媒として、キラルアミン(塩基として)及び(ア)キラル酸(又はキラルアミンだけ)から構成される塩が常に使用されていた。それに対して、本発明の主題は、アキラル(又はキラル)アミンとキラル酸との塩の使用である。図式2、本発明による方法により不斉接触することができかつイミニウムイオンを介して進行する、可能な反応の選択。 本発明による反応の他の種類は、カチオン性の活性化されたアシル化合物、例えばアシルピリジニウムイオンを介して進行するアシルトランスファー反応である。このように、例えば第2級アルコールの動力学的ラセミ分割を触媒することができる(図式3)。図式3、本発明による方法として不斉アシルトランスファー反応を介した動力学的ラセミ分割。 本発明による触媒アニオンはキラル有機アニオン又はキラル無機アニオンである。通常では、これはキラル有機ホスファート、スルホナート、スルファート、カルボキシラート、イミド、スルホニルイミド等から選択される。有利には、前記アニオンは非置換の又は置換されたビナフトールから誘導される。特に良好な結果は、アニオンが次の式を有するビナフトール誘導体から選択される場合に得られる:式中、Rは、水素、置換又は非置換のアルキル又は置換又は非置換のアリールを表す。 本発明により使用されたキラルアニオンに対して使用されるカチオン性対イオンは、任意のカチオンであることができる。有利に、このカチオンはアルカリイオン及びアンモニウムイオンから選択され、その際、アンモニウムイオンが特に有利である。 使用された概念「アルキル」は、通常では1〜30個、有利に1〜24個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を有する線状、分枝状又は環状の炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル等、さらにシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を表す。前記炭化水素基は、有利に1〜18個、特に1〜12個の炭素原子を有する。 アリール基として、本発明の範囲内で、5〜30個の炭素原子及び場合により環中にヘテロ原子、例えばN、O、S、P、Siを有する芳香環系が使用され、その際、この環は1つ又は複数の環系、例えば縮合環系又は単結合又は多重結合を介して互いに結合した環であることができる。芳香環の例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等である。置換されたアリール基は1つ又は複数の置換基を有する。ヘテロアルキル基の例は、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキル等である。ヘテロアリール置換基の例は、ピロール、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル等である。ヘテロ原子含有の脂環式基として、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノなどを挙げることができる。 前記に挙げられた基を有することができる置換基として、OH、F、Cl、Br、I、CN、NO2、NO、SO2、SO3-、アミノ、−COOH、−COO(C1−C6−アルキル)、モノ−及びジ−(C1−C20−アルキル)−置換されたアミノ、モノ−及びジ−(C5−C24−アリール)−置換されたアミノ、イミノが挙げられ、これらはまた、例えばC1〜C6−アルキル、アリール及びフェニルで置換されていてもよい。特に、前記環式基はC1〜C6−アルキル基を置換基として有することができる。 特に適当なアニオンとして、ビナフトールから誘導されるアニオンが有利であることが判明した(例えば、ホスファート、スルホナート、スルファート、カルボキシラート、イミド、スルホニルイミド、図式4参照)。このアニオンは、どのような場合でも、これらの構造に限定されない。図式4、本発明による可能なアニオンの選択。 本発明による方法の実施のために提供される反応条件は、主に選択された反応タイプに依存し、当業者により容易に調節することができる。 実施例 キラルリン酸の第1級及び第2級アミン塩は、Hantzschエステルを用いて、アルファ,ベータ不飽和カルボニル化合物のトランスファー水素化を高エナンチオ選択的に触媒する(図式5)。図式5、実施例としてのトランスファー水素化。 このように、塩1はHantzschエステル4の存在で、多様なアルファ,ベータ−不飽和アルデヒド(2)の高エナンチオ選択的トランスファー水素化を触媒する(図式6)。エナンチオ選択的トランスファー水素化のための他の触媒塩は、図式7〜9に示されている。図式6、本発明による高エナンチオ選択的トランスファー水素化。図式7、高エナンチオ選択的トランスファー水素化。モルホリン塩の他の例。図式8、高エナンチオ選択的トランスファー水素化多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式9、高エナンチオ選択的トランスファー水素化。他の例。 この反応は、工業的に重要な基質のシトラールに広げることができ、このシトラールはこの場合に高エナンチオ選択的に還元されて香料内容物質のシトロネラールにされる(図式10)。図式10、シトラールの本発明による高エナンチオ選択的トランスファー水素化。図式11、脂肪族基質の本発明による高エナンチオ選択的トランスファー水素化。 実験の部 塩の製造 ジエチルエーテル(2ml/mmol)中の酸(1eq)を装入し、それぞれのアミン(1eq)を少しずつ添加した。室温で2〜15時間撹拌した後に、生じた塩を濾別するか、又は回転蒸発器で溶剤を蒸発させる。この塩は定量的収率で得られた。 不斉トランスファー水素化 アルデヒド(2a〜f)(1eq)及び触媒(1a〜1w)(1aに対して0.2eq、又は1b〜1wに対して0.1eq)を、THF(脂肪族基質)又は1,4−ジオキサン(芳香族基質)(10ml/mmol)中に装入し、室温(脂肪族基質)又は50℃(芳香族基質)で2〜5min撹拌した。引き続き、Hantzschエステル(4又は5)を添加し、さらに24時間撹拌した。この反応混合物に水(40ml/mmol)を充填し、ジエチルエーテル(脂肪族基質)又は塩化メチレン(芳香族基質)(3×40ml/mmol)で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、回転蒸発器で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ペンタン/ジエチルエーテル又はヘキサン/酢酸エステル)により記載された収率及びエナンチオマー過剰量で生成物が生じた。図式7〜9及び11に記載された実施例について試料を取り出し、反応をNMRで測定した。 α,β−不飽和ケトンの不斉トランスファー水素化(新たな章) この方法は、α,β−不飽和ケトンにも適用できる。特に第1級アミノ酸エステルのキラルリン酸塩は、有効な高エナンチオ選択的触媒として有利であることが判明した。 このように、塩7aはHantzschエステル8の存在で、多様なアルファ,ベータ−不飽和ケトン(9)の高エナンチオ選択的トランスファー水素化を触媒する(図式12)。エナンチオ選択的トランスファー水素化のための他の触媒塩は、図式13〜15に示されている。図式12、本発明による高エナンチオ選択的トランスファー水素化。図式13、高エナンチオ選択的トランスファー水素化。tert−ブチルバリナート塩の他の例。図式14、高エナンチオ選択的トランスファー水素化。多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式15、高エナンチオ選択的トランスファー水素化。「適合/不適合」効果の例。 実験の部 塩の製造 ジエチルエーテル(2ml/mmol)中の酸(1eq)を装入し、それぞれの第1級アミン(1eq)を少しずつ添加した。室温で2〜15時間撹拌した後に、生じた塩を濾別するか、又は回転蒸発器で溶剤を蒸発させる。この塩は定量的収率で得られた。 不斉トランスファー水素化 ケトン(9a〜l)(1eq)及び触媒(7a〜s)(9a〜cについて0.1eq又は9d〜lについて0.05eq)をBu2O(0.33ml/mmol)中に装入し、60℃で2〜5min撹拌した。引き続き、Hantzschエステル(8)(1.2eq)を添加し、さらに48時間撹拌した。この反応混合物に苛性ソーダ液(2N、40ml/mmol)を充填し、ジエチルエーテル(3×40ml/mmol)で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、回転蒸発器で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ペンタン/ジエチルエーテル)により記載された収率及びエナンチオマー過剰量で生成物が生じた。 揮発性の飽和ケトンについて、並びに図式13〜15に記載された例について、試料を取り出し、GCで転化率を測定した。 不斉エポキシ化 図式2に応じて、エポキシ化も同様に触媒することができる。触媒として塩11bwを使用する場合に(図式16)、例えばシンナムアルデヒドをtert−ブチルヒドロペルオキシドとエナンチオ選択的に相応するエポキシドに変換することができる。図式16、本発明による高エナンチオ選択的エポキシ化。図式17、高エナンチオ選択的エポキシ化。市販のアキラルアミンとの多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式18、高エナンチオ選択的エポキシ化。キラルアミンとの多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式19、高エナンチオ選択的エポキシ化。安息香酸ヒドラジンとの多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式20、高エナンチオ選択的エポキシ化。ジベンジルアミンとの多様な3,3′−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル−ヒドロゲンホスファート塩の他の例。図式21、高エナンチオ選択的エポキシ化。多様なジベンジルアミン塩の他の例。図式22、高エナンチオ選択的エポキシ化。多様なビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミン塩の他の例。図式23、シトラールの本発明による高エナンチオ選択的エポキシ化。 実験規定: ジオキサン(4mL)中のシンナムアルデヒド(1mmol)に、触媒(0.1mmol、10mol%)及びt−BuOOH(1.1mmol、1.1eq)を添加し、反応混合物を35℃で3d間撹拌する。この反応混合物に10%のNaHSO3溶液(4ml)を充填し、ジエチルエーテル(3×4ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、回転蒸発器で濃縮した。カラムクロマトグラフィーは純粋なエポキシドが記載の収率及びeeで供給する(図式8)。 不斉アシルトランスファー反応 図式3に応じて、キラルアニオンを有する新規触媒利用をアシルトランスファー反応に拡張することもできる。a−フェニルエタノールと無水酢酸との塩9及び10の存在での反応は、明らかに測定可能なエナンチオ選択性で行われる(図式13)。図式24、本発明によるエナンチオ選択的エステル化。 実験規定: 塩16の使用は典型的である。キラルリン酸(TRIP、7.53mg、0.01mmol)及びDMAP(1.22mg、0.01mmol)をトルエン(1mL)中で1時間撹拌する。引き続き、ラセミアルコール(0.1mmol)並びにAc2O(0.05mmol、0.5eq)を添加する。記載された反応の後に生成物は水性後処理によって単離される。 イオン性触媒を使用する不斉接触によるキラル有機化合物の製造方法において、前記イオン触媒の触媒アニオンはキラルであることを特徴とする、キラル有機化合物の製造方法。 反応は、カチオン性中間体を介して進行する反応、例えばディールス−アルダー反応、1,3−双極付加環化、共役付加、エポキシ化、シクロプロパン化、トランスファー水素化、ムカイヤマ−マイケル付加及びクネーフェーゲル反応においてイミニウムイオンを介して又はアシルトランスファー反応においてアシルピリジニウムイオンを介して進行する反応から選択されることを特徴とする、請求項1記載の方法。 触媒アニオンは、キラル有機ホスファート、スルホナート、スルファート、カルボキシラート、イミド、スルホニルイミド等から選択されることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。 アニオンはビナフトールから誘導されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。 アニオンは[式中、Rは、水素、置換又は非置換のアルキル又は置換又は非置換のアリールを表す]から選択されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 カチオンはアンモニウム化合物であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 キラル触媒アニオンを有するイオン性触媒を使用する不斉接触によるキラル有機化合物の製造方法が記載されている。この方法は、イミニウムイオン又はアシルピリジニウムイオンのようなカチオン性中間体を介して進行する反応の実施のために適している。この方法は、今までに費用のかかる精製方法によってのみ得られていたキラル化合物を、高いee値で製造することができる。