タイトル: | 公表特許公報(A)_変形性骨関節炎の治療のための医薬処方物 |
出願番号: | 2008547886 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 31/663,A61K 31/728,A61P 19/02,A61P 43/00 |
セルジオ・ロッシーニ シルビア・トラスシアッティ JP 2009522218 公表特許公報(A) 20090611 2008547886 20061221 変形性骨関節炎の治療のための医薬処方物 アビオゲン ファルマ ソシエタ ペル アツィオーニ 508192669 廣田 浩一 100107515 流 良広 100107733 松田 奈緒子 100115347 池田 浩 100136858 セルジオ・ロッシーニ シルビア・トラスシアッティ IT MI2005A002515 20051229 A61K 31/663 20060101AFI20090515BHJP A61K 31/728 20060101ALI20090515BHJP A61P 19/02 20060101ALI20090515BHJP A61P 43/00 20060101ALI20090515BHJP JPA61K31/663A61K31/728A61P19/02A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2006012367 20061221 WO2007073921 20070705 12 20080822 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA34 4C086EA25 4C086GA13 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA66 4C086NA05 4C086NA06 4C086ZA96 4C086ZC75 本発明は、有効成分としてヒアルロン酸またはその塩(特にナトリウム塩)及びクロドロン酸またはその塩(特にナトリウム塩)を含有する医薬処方物に関する。 変形性骨関節炎(Osteoarthritis;OA)は、腰及び膝などの、機械的ストレスを最も受ける関節を著しく侵す進行性慢性疾患である。この疾患に罹患すると、関節全体は一連の劣化及び修復過程によって、軟骨、軟骨下骨、及び滑膜組織などの全ての関節構成要素を侵され、これらによって最終的に前記関節の構造と機能が変えられる。それゆえ変形性骨関節炎は、多数の素因によって次々に影響される、全身性因子(例えば、高齢または肥満)と局所因子(例えば、外傷または過剰使用)の一連の複合の結果として生じ、様々な原因を有する感染性及び炎症性の事象とおそらく組み合わせられ、生じる。過去には、前記軟骨が変形性骨関節炎の原因かつその唯一の標的と考えられた。しかし、近年得られた広範囲に及ぶ証拠によれば、軟骨下骨が変形性骨関節炎の開始及び進行の原因である病原因子であり得る。 この事象の複合体の中で、個々の原因過程を打ち負かし、そして局所または全身性の抗炎症薬またはヒアルロン酸の関節内注射を使用することによってこの疾患を治療しようとする試みが長年にわたって行われてきた。より近年では、ビスホスフォネート類などの骨代謝に影響する薬の使用が提案されている。多かれ少なかれ任意に、軟骨保護剤(chondroprotectors)として記載されるある種の薬(アントラキノン類、コンドロイチン硫酸、その他)が、限定的に使用されているが、これらの真の治療能力は非常に低く、その効果は論争中である。 特に、ビスホスフォネート類は骨吸収を抑制する物質として周知であり、そして閉経後骨粗しょう症、パジェット病、及び腫瘍骨溶解の治療において使用される。 いずれにせよ、本発明者によって行われたラットに対する研究では、ビスホスフォネート類に属するクロドロン酸ナトリウムは、フロインドアジュバントによる関節構造物への損傷効果を抑制できることが証明された。これは、炎症性サイトカインへの効果、マクロファージ及び金属プロテアーゼ類の産生への抑制効果、並びに軟骨下骨への安定化効果の点からして、関節病、特に膝関節炎及び股関節炎において、クロドロン酸ナトリウムの使用が可能なことを示唆する。膝変形性骨関節炎の二次症状の滑膜炎に罹患している患者に対する別の研究では、クロドロン酸処置は、患者の症状を著しく改善し(非特許文献1)、変形性骨関節炎の治療においてビスホスフォネートが役割を果たし得ることを示唆した。 特許文献1は、変形性骨関節炎の治療のために関節内投与される薬剤調製物におけるクロドロン酸の10−1Mから10−6Mの濃度での使用を開示している。 明らかな膝関節炎に罹患している患者に対してビスホスフォネート(クロドロン酸ナトリウム)を関節内使用する、本発明者によってなされた臨床試験において、2mgのクロドロン酸ナトリウムの5回の関節内注射の後に、痛みの減衰及び関節の運動の回復の点からして、興味ある結果が観察された。 さらに、本発明者によって発起された、膝痛及び膝関節炎に侵された患者におけるクロドロン酸の関節内投与の有効性を評価する、公式の多診療施設共同研究では、最良のクロドロン酸に対する反応は、連続した4週間にわたり週1回2mgのクロドロン酸を関節内注射した後に得られた。 しかし、これらの良好な結果に加えて、クロドロン酸溶液の過剰な酸性による注射時の疼痛反応などの、ある種の不利な事象もまた観察された。低pHが使用されるのは、より少ない酸性度指数の溶液は許容されないという、安定性の問題によって決定されている。 変形性骨関節炎に対して使用される別の重要な製品は、異なる分子量を有する様々な形態のヒアルロン酸である。ヒアルロン酸製品としては、例えば、Hyalgan(登録商標)(ヒアルロン酸ナトリウム、分子量:500kDa〜730kDa)、Supartz(登録商標)(ヒアルロン酸ナトリウム、分子量:630kDa〜1,170kDa)、Artz(登録商標)(ヒアルロン酸ナトリウム、分子量:700kDa〜1,200kDa)、および、例えば、Orthovisc(登録商標)(分子量:1,100kDa〜2,900)、Nuflexxa(登録商標)(分子量:2,400kDa〜3,500kDa)、及びSynvisc(登録商標)(Hylan G−F 20、分子量:およそ6,000kDa)などの高分子量を有する他の製品(分子量:1,100kDa〜6,000kDa)が挙げられる。 ヒアルロン酸ナトリウム(分子量:500kDa〜730kDa)は、週3回または5回、10mg/mlの溶液を1回2mlの注射で投与し(非特許文献2);同様にヒアルロン酸ナトリウム(分子量:630kDa〜1,170kDa;700kDa〜1,200kDa)は、週1回、10mg/mlの溶液を1回2.5mlの注射で5週間にわたり投与し(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5);より高分子量のヒアルロン酸は、週少なくとも3回から5回、8mg/mlから25mg/mlの溶液を1回2mlの注射で投与する(非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8)。 ヒアルロン酸の関節内使用は、滑膜細胞に対するある種の妨害だけではなく、軟骨構造物の潤滑化という機械的効果も伴う。ヒアルロン酸の関節内使用の、痛みの軽減及び関節機能の改善に対する有効性が、多数の臨床研究で示されている。 しかし、内在性酵素のヒアルロニダーゼの分解活性に由来するヒアルロン酸のオリゴ糖断片が、血管新生活性並びにマクロファージによる炎症性サイトカイン(TNFα及びIL−1 β)産生の刺激活性も有することが観察された(非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11)。これらの事象は、ヒアルロン酸の関節内使用の後に起こり得、そして適切に妨げられなければ軟骨に対して本当に有害であり得る。 ヒアルロン酸の臨床使用ではいくつかの良好な効果が見つかっているのであるが、実際には、ヒアルロン酸は軟骨下骨を侵す退行変性過程に対する干渉はせず、最終的に炎症及び軟骨損傷を引き起こすことがわかっており(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)、特に長期及び/または反復した処置においてはそうである(非特許文献15;非特許文献16)。 また、ヒアルロン酸がその保護活性を果たすためには、反復した関節内投与(短い間隔で、少なくとも3回、しかしより頻繁には5回以上の注射)が必要であり、これは明らかに患者により及びこの実行に付随する問題の危険性により低い承諾率という結果になり、容易には実施できない。欧州特許第0203649号明細書R.Cocco et al., J.Biol.Res., 1999 Sept, Vol.LXXV, N.11−12)Hyalgan−Prescribing Information. NY Sanofi−Synthelabo Inc.2001Supartz−package insertSeikagaku Corporation 2001Artz−Prescribing InformationM.Pagnano,G.Westrich− Successful nonoperative management of chronic osteoarthritis pain of the knee: safety and efficacy of retreatment with intra−articular hyaloronansOsteoarthritis and Cartilage (2005),13巻,pp.751−761L.Stefan et al. Ann Rheum Dis, 1996,55巻,pp.424−431M.Fiorini et al., Rivista Italiana di Tissue Banking,pp.51−52D.C West et al., Science 1985,228巻,pp.1324−1326A.Sattar et al.,J.Invest Dermatol,1994,103巻,pp.576−9C.Bernardeauc et al.,Ann Rheum Dis 2001, 60巻,pp.518−520MP Puttick et al.,J Rheumatol. 1995 Jul,22巻(7号),pp.1311−4D.Magilavy et al.,J. Bone Joint Surg.Am.2003 85巻(5号),pp.967−969A.Roth et al., Arthritis Research and Therapy 2005,7巻,pp.R677−R686Seth S. et al., J. Bone Joint. Am., 2002 Sept. 84巻(9号),pp.1619−1623). 本発明の目的は、特に変形性骨関節炎の治療のための新たな改善された解決策を示し、従来技術に比較して、その有効性、承諾率、及び不利な効果の削減を図ることである。 本発明の目的は以下の手段により達成される。<1>クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩を有効成分として含み、適切な賦形剤を配合した医薬組成物。<2>0.5mgから5mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項1に記載の医薬組成物。<3>1mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項2に記載の医薬組成物。<4>3mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項2に記載の医薬組成物。<5>クロドロン酸ナトリウムを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。<6>10mgから30mgのヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。<7>0.4×103kDaから6×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項6に記載の医薬組成物。<8>0.4×103kDaから1.5×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項7に記載の医薬組成物。<9>およそ0.6×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項8に記載の医薬組成物。<10>ヒアルロン酸ナトリウムを含む、請求項5から9のいずれかに記載の医薬組成物。<11>クロドロン酸ナトリウム及びヒアルロン酸ナトリウムを含む、請求項1から10のいずれかに記載の医薬組成物。<12>関節内投与に適した、請求項1から11のいずれかに記載の医薬組成物。<13>使い捨て注射器で使用される、請求項1から12のいずれかに記載の医薬組成物。<14>クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩の組み合わせを用いて、変形性骨関節炎の治療のための薬剤を調製する方法。<15>クロドロン酸ナトリウムを用いる、請求項14に記載の方法。<16>薬剤が関節内経路を経て投与される、請求項14または15に記載の方法。<17>クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩の組み合わせの処方物の有効量を、これを必要とする被検体に関節内経路で投与することを含む、変形性骨関節炎の治療方法。 本発明によれば、本発明には以下の効果が見られる。クロドロン酸ナトリウムのヒアルロン酸溶液が、低濃度で、個々の成分を単独で与えた場合よりもより短期間により優れた結果を与えること。本発明による処方物は、普通よりも低い濃度でクロドロン酸ナトリウムを使用することをも可能にし、この化合物の酸性による副作用を軽減し、そして有利なことに投与回数を削減すること。同時に、クロドロン酸ナトリウムは、その薬理特性によって、ヒアルロン酸の(ヒアルロン酸のオリゴ糖断片によって誘起される)血管新生活性及びマクロファージサイトカイン産生刺激活性の結果として生じる、ヒアルロン酸の関節内投与によるあらゆる不利な効果を妨げ、ヒアルロン酸投与の回数の削減をも可能にすること。さらに、必然的に高いクロドロン酸濃度が要求される重篤な変形性骨関節炎の場合、本発明の処方物は、ヒアルロン酸の緩衝効果及び保護効果によって、クロドロン酸の投与を可能にし、関節内投与に一般に関係する痛みを軽減すること。 クロドロン酸ナトリウムの濃度は、0.5mgとおよそ1.5mg〜2.0mgとの間の範囲をとり得る。濃度は好ましくは、1mlまたは2mlのヒアルロン酸を入れたアンプル中に1mgとする。適当な量のヒアルロン酸で適切に緩衝されるならば、より高い薬量のクロドロン酸(およそ3mg〜5mg)が使用できる。前記薬量は、アンプル中に5mgと30mgの間の範囲を、最終体積はアンプル中に0.5mlと5.0mlの間の範囲を無理なくとり得、侵された関節に応じて使用される。 本発明を達成するためには、現在の従来技術から既知の全ての異なる形態/異なる分子量(分子量は、0.4×103kDa〜およそ6×103kDa)のヒアルロン酸または将来開発され得るヒアルロン酸が使用できる。好ましいヒアルロン酸類またはそれらのナトリウム塩は、0.4×103kDaと1.5×103kDaの間の分子量を有する。 クロドロン酸ナトリウム及びヒアルロン酸ナトリウムの溶液は、概して4.8と6.0の間のpHを有する。 本発明の好ましい溶液は、1mgのクロドロン酸ナトリウムをおよそ0.6×103kDa(10mg〜20mg)の分子量を有する1mlまたは2mlのヒアルロン酸ナトリウム塩中に配合した組成物からなる。 本発明のさらに好ましい溶液は、3mgのクロドロン酸ナトリウムをおよそ0.9×103kDa(25mg)の分子量を有する2ml〜3mlのヒアルロン酸ナトリウム塩中に配合した組成物からなる。 本発明の組成物は、特に使い捨て注射器中に組み合わせた薬剤を準備する処方物中では、通常の保存剤を含有し得る。 本発明による処方物の予備的臨床試験は、Womac20及びWomac50の測定に基づいている、即ち、それぞれ20%及び50%の症状の改善をもって治療に対して反応したとした(Ann Rheum Dis.2005)。最近、クロドロン酸の関節内投与の有効性を評価するために、1mgのクロドロン酸を膝関節炎の患者に投与したところ、Womac50で評価すると、32%の患者において症状の改善が見られている。 本発明は以下の実施例においてより詳細に説明される。 本発明に従い、膝関節炎に罹患している15人の患者に、20mgのヒアルロン酸(Hyalgan)と1mgのクロドロン酸とからなる2mlの溶液の浸潤を週に1回、3週間与えた。 浸潤処置サイクルの終わりでは、以下の表で再確認されるように、Womac20によると58%の患者が処置に反応を示し、Womac50によると37%の患者が処置に反応を示した。 これらは、個々の薬を単独で与えた等価な湿潤処置サイクルよりも、よい結果となった。ヒアルロン酸(20mg/2ml)単独及びクロドロン酸単独(2mlのプラシーボ緩衝溶液中に1mg)の場合、Womac20ではそれぞれ41%及び43%、Womac50ではそれぞれ24%及び27%であった。 3週間この2種の薬剤の組み合わせを湿潤処置した最終結果はまた、5週間のヒアルロン酸単独の湿潤処置サイクルを行った結果(Womac20:51%;Womac50:30%)または5週間のクロドロン酸単独の湿潤処置サイクルを行った結果(Womac20:54%;Womac50:32%)のどちらと比べても良い結果となった。 Womac20及びWomac50の両方で測定されるように、本発明は、クロドロン酸単独投与またはヒアルロン酸単独投与の有効性を改善した。 本発明の組成物が、大多数の患者の症状を改善するのみでなく、5週間の湿潤処置サイクルで2種の薬剤をそれぞれ単独に投与したときに比べ、3週間の投与で十分に優れた結果を与える点で、この発見は特に驚くべきである。このように、本発明の組成物はまた、それぞれ単独で投与される2種の有効主成分よりもより短期間で患者の症状を改善する。 さらに、本発明の組成物は、要した時間と処置に対する反応者数の点から、単独投与の場合に比べて優れた反応を与えているのであるが、この際、組成物として投与された3週間のヒアルロン酸の合計薬量(60mg)は、単独で投与された5週間のヒアルロン酸の合計薬量(100mg)よりも少なく、同様に組成物として投与された3週間のクロドロン酸の合計薬量(3mg)も、単独で投与されたクロドロン酸の5週間の合計薬量(5mg)よりも少なくなっていることに注目すべきである。 また、2種の薬剤の組み合わせを用いた治療の忍容性は優れていた。特に、注射に続く数時間中の急性痛風関節炎または膝痛の症例は見られなかった。 本発明の組成物の有効性及び忍容性に関する別の実験では、放射線解析によって評価したところ重篤な膝関節炎に罹患していた2人の患者に、高濃度のクロドロン酸(3mg)と25mg/2.5mlのヒアルロン酸ナトリウム(Artz)の湿潤処置を行った。患者は、処置後7日に、VAS(痛み視覚アナログ尺度(pain visual analogue scale;Elsevier 1984−Oxford University Press;1989))によると緩和された症状に至り、そして特に高濃度でクロドロン酸を単独で関節内投与した場合に普通に起こる疼痛反応も注射時に示さなかったことが報告されている。このように、本発明の組成物は、ヒアルロン酸の存在によって、高濃度のクロドロン酸をそれを必要とする患者に投与することも可能にする。 このように、本発明の組成物は、変形性骨関節炎(OA)の治療のための有効性及び承諾率の点から見て改善された溶液である。さらに、本発明の組成物は、特に組成物中の成分単独による治療の効果がなかった患者に対する治療の、新たな可能な取り組みの構成要素となる。 クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩を有効成分として含み、適切な賦形剤を配合した医薬組成物。 0.5mgから5mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項1に記載の医薬組成物。 1mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項2に記載の医薬組成物。 3mgのクロドロン酸またはその塩を含む、請求項2に記載の医薬組成物。 クロドロン酸ナトリウムを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。 10mgから30mgのヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。 0.4×103kDaから6×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項6に記載の医薬組成物。 0.4×103kDaから1.5×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項7に記載の医薬組成物。 およそ0.6×103kDaの分子量を有するヒアルロン酸またはその塩を含む、請求項8に記載の医薬組成物。 ヒアルロン酸ナトリウムを含む、請求項5から9のいずれかに記載の医薬組成物。 クロドロン酸ナトリウム及びヒアルロン酸ナトリウムを含む、請求項1から10のいずれかに記載の医薬組成物。 関節内投与に適した、請求項1から11のいずれかに記載の医薬組成物。 使い捨て注射器で使用される、請求項1から12のいずれかに記載の医薬組成物。 クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩の組み合わせを用いて、変形性骨関節炎の治療のための薬剤を調製する方法。 クロドロン酸ナトリウムを用いる、請求項14に記載の方法。 薬剤が関節内経路を経て投与される、請求項14または15に記載の方法。 クロドロン酸またはその塩及びヒアルロン酸またはその塩の組み合わせの処方物の有効量を、これを必要とする被検体に関節内経路で投与することを含む、変形性骨関節炎の治療方法。 【課題】変形性骨関節炎(OA)の治療のための有効性及び承諾率の点から見て改善された医薬品を提供する。特に単独成分による治療の効果がなかった患者に対する治療のための医薬品を提供する。【解決手段】クロドロン酸及びヒアルロン酸またはそれらの塩を有効成分として含み、適切な賦形剤を配合した医薬組成物が開示される。【選択図】なし