タイトル: | 特許公報(B2)_小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 |
出願番号: | 2008540946 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C12Q 1/60,C12Q 1/44,C12Q 1/26,C12Q 1/32,G01N 33/92 |
荒武 知子 片山 有基 三嶋 慎剛 JP 5111389 特許公報(B2) 20121019 2008540946 20071016 小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 協和メデックス株式会社 000162478 廣田 雅紀 100107984 荒武 知子 片山 有基 三嶋 慎剛 JP 2006283418 20061018 20130109 C12Q 1/60 20060101AFI20121213BHJP C12Q 1/44 20060101ALI20121213BHJP C12Q 1/26 20060101ALI20121213BHJP C12Q 1/32 20060101ALI20121213BHJP G01N 33/92 20060101ALI20121213BHJP JPC12Q1/60C12Q1/44C12Q1/26C12Q1/32G01N33/92 B C12Q 1/00-3/00 PubMed JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) CAplus/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) 国際公開第2004/053500(WO,A1) 特開2000−325097(JP,A) 国際公開第00/017388(WO,A1) 6 JP2007070172 20071016 WO2008050636 20080502 43 20100826 高山 敏充 本発明は、検体中の小粒子低密度リポ蛋白(以下、sdLDLと略記する)中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の定量方法及び定量用キットに関する。 血液中に存在するリポ蛋白は、その比重により高密度リポ蛋白(以下、HDLと略記する)、低密度リポ蛋白(以下、LDLと略記する)、超低密度リポ蛋白(以下、VLDLと略記する)、及びカイロミクロン(以下、CMと略記する)の4つに大きく分類されている。各リポ蛋白は構成する脂質組成も異なり、また各リポ蛋白を構成するアポ蛋白の種類の違いによって生体中での働きが大きく異なっている。また、VLDLからLDLへ代謝される過程において生成するリポ蛋白として、VLDLとLDLの中間の密度を有する中間密度リポ蛋白(以下、IDLと略記する)が存在するが、これも広義にはLDLとして分類されている。 臨床検査において、動脈硬化診断のスクリーニングマーカーとして、総コレステロール、総トリグリセリド、HDL中コレステロール、LDL中コレステロール、アポリポ蛋白AI、アポリポ蛋白Bなどが用いられている。なかでも、動脈硬化形成に強く関与するといわれているLDL中のコレステロールが頻繁に測定されるようになってきた。一方、LDL中のコレステロールが高くないにも関わらず冠動脈硬化病変を有する者も多く認められる。この病態においては小型で高密度のLDL(当該LDLが、sdLDLと呼ばれている)が増加しており、sdLDL−CはLDL−C以上に冠動脈疾患と関係するという報告もある[「アーテリオスクレローシス トロンボシス アンド ヴァスキュラー バイオロジー(Arteriosclerosis Thrombosis, and Vascular Biology)」,2004年,第24巻,p.558−563参照]。 sdLDLを測定する方法としては、電気泳動法、超遠心法、分画法などが知られている。電気泳動法は2〜16%の非変性グラジエントゲルを用いて電気泳動、染色を行いLDLの粒子サイズを測定する方法であるが、操作が煩雑であり汎用性に劣る。またこの方法ではLDLの粒子サイズは測定できるが、sdLDLの定量はできない。また、イオン強度の差によりsdLDLを混濁または溶解させ吸光度の差によりsdLDLを測定する方法(特許文献1参照)がある。しかし、この方法では濁度を測定しているため、特異性や精度が不十分であり、更にこの方法ではsdLDL量を測定できるが、sdLDL−Cを測定することは出来ない。 sdLDL−Cを定量する方法には、超遠心法、分画法などがある。超遠心法は超遠心分離機を用いて検体中のsdLDLにあたる比重領域を分取し、該比重領域中のコレステロールを測定する方法であり、sdLDL−C定量の標準法となり得る方法である。しかしながらこの方法は、高価な設備を必要とし、測定に非常に長時間を要し、手技に熟練を要する。 分画法としては、第一工程でポリアニオンと2価の陽イオン又は1価の陽イオンとの組み合わせ、或いはポリエチレングリコールを用いて検体中のHDL及びsdLDL以外のリポ蛋白を凝集させ、遠心分離やフィルターろ過により凝集物を除去し、HDL及びsdLDLを分離し、第二工程で分離したHDL及びsdLDLを含む試料からsdLDL−Cを定量する方法である(特許文献2参照)。この方法は、超遠心法と比較して操作が簡便化したものの、分画操作が必要であるため測定に時間を要する。 界面活性剤の存在下で、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素を、HDL、LDL、VLDL及びCMからなる群より選ばれる一つ又は複数の特定のリポ蛋白に特異的に作用させ、測定すべきリポ蛋白中のコレステロールを測定する方法は多数報告されている。最近、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体またはその誘導体の存在下に、検体にコレステロール測定用酵素を添加し、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体またはその誘導体をsdLDLに選択的に作用させ、生成したコレステロール量を測定することを特徴とするsdLDL−Cの定量法が報告された(特許文献3)。特開2003−28882号公報国際公開第2004/053500号パンフレット国際公開第2007/026829号パンフレット 本発明の目的は、簡便で、かつ、正確に、検体中のsdLDL−Cを定量できる方法及びキットを提供することにある。 本発明は以下の[1]〜[6]に関する。[1](i)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、HDL−Cと略記する)、超低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、VLDL−Cと略記する)、カイロミクロン中のコレステロール(以下、CM−Cと略記する)及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、LgLDL−Cと略記する)の反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)を含有する反応液中で、検体に該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素、又は、該コレステロールエステル加水分解酵素、該コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cを除去する工程;(ii)前記工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程;(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程;の各工程を含み、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−Cの定量方法。[2]工程(i)をアルブミン存在下で行う[1]に記載の方法。[3](a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)、及び、過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有し、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−C定量用キット。[4](a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)を含有する第二試薬とを含有し、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−C定量用キット。[5]少なくとも第一試薬にアルブミンを含有する[3]又は[4]に記載のキット。[6]第三試薬として、既知濃度のsdLDLを含有する標準品を含有する[3]〜[5]のいずれかに記載のキット。 本発明により、簡便で、かつ、正確に、検体中のsdLDL−Cを定量できる方法及びキットが提供される。 HDL−C、VLDL−C及びCM−Cとは、それぞれHDL、VLDL及びCM中の遊離型コレステロールとエステル型コレステロールを合わせたものを意味する。 本発明の測定方法において用いられる検体としては、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等が挙げられるが、血漿及び血清が好ましい。 本発明におけるコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステルを加水分解する能力を有する酵素であれば特に限定はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ等も用いることができる。 コレステロールエステル加水分解酵素としては、無修飾のコレステロールエステル加水分解酵素も、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素も使用することができる。また、コレステロールエステル加水分解酵素としては市販品を使用することもできる。 市販されているコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステラーゼ“Amano”2(CHE2;天野エンザイム社製)、コレステロールエステラーゼ“Amano”3(CHE3;天野エンザイム社製)、リポプロテインリパーゼ“Amano”3(LPL3;天野エンザイム社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL−311;東洋紡績社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL−312;東洋紡績社製)、コレテロールエステラーゼ(COE−301;東洋紡績社製)、リポプロテインリパーゼ(LPBP;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CEBP−M;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CEN;旭化成社製)、リパーゼ(LP;旭化成社製)、リパーゼ(LPM;旭化成社製)、リパーゼ(LPAP;旭化成社製)、リパーゼ(LIPS;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CHE−BE;キッコーマン社製)等が挙げられる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロールエステル加水分解酵素を組み合わせて用いることもできる。 化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素において、コレステロールエステル加水分解酵素を修飾する基(化学修飾基)としては、例えばポリエチレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールの共重合体を有する基、水溶性多糖類を含有する基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ポリウレタン基、キレート機能を有する基等が挙げられるが、ポリエチレングリコールを主成分とする基が好ましい。水溶性多糖類としては、例えばデキストラン、プルラン、可溶性デンプン等が挙げられる。 コレステロールエステル加水分解酵素を化学的に修飾するための試薬(化学修飾剤)としては、上記の化学修飾基と、酵素のアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基等と反応し得る官能基又は構造とを併せ持つ化合物等が挙げられる。酵素中のアミノ基と反応し得る官能基又は構造としては、例えばカルボキシル基、活性エステル基(N−ヒドロキシサクシンイミド基等)、酸無水物、酸塩化物、アルデヒド、エポキシド基、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等が挙げられる。酵素中のカルボキシル基と反応し得る官能基又は構造としては、例えばアミノ基等が挙げられる。酵素中のスルフヒドリル基と反応し得る基又は構造としては、例えばマレイミド基、ジスルフィド、α−ハロエステル(α−ヨードエステル等)等が挙げられる。 化学修飾剤として、市販品を使用することもできる。市販されている化学修飾剤としては、ポリエチレングリコールを主成分とする基とN−ヒドロキシサクシンイミド基とを有するサンブライトVFM−4101、サンブライトME−050AS、サンブライトDE−030AS(いずれも日本油脂社製)、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールを主成分とする基と酸無水物構造とを有するサンブライトAKMシリーズ(例えば、サンブライトAKM−1510等)、サンブライトADMシリーズ、サンブライトACMシリーズ(いずれも日本油脂社製)、ポリエチレングリコールを主成分とする基とエポキシド基とを有するEPOX−3400、M−EPOX−5000(いずれもSheawater Polymers社製)、キレート機能を有する基と酸無水物構造とを有するジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−ペンタ無水二酢酸(DTPA anhydride;同仁化学研究所社製)等が挙げられる。 コレステロールエステル加水分解酵素の化学修飾は、例えば以下の方法で行うことができるが、本方法に限定されるものではない。まず、コレステロールエステル加水分解酵素をpH8.0以上の緩衝液{例えば2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液}に溶解し、0〜55℃で0.01〜500倍モル量の化学修飾剤を添加し、5分間〜5時間攪拌する。実際の酵素反応においては、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素として、この反応液そのもののみならず、必要に応じて限外濾過膜等により未反応の化学修飾剤等を除去したものも、使用することもできる。 本反応の方法に用いられるコレステロールエステル加水分解酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.001〜2000U/mLの濃度であることが好ましく、0.005〜1000U/mLであることがより好ましい。 本発明におけるコレステロール酸化酵素としては、コレステロールを酸化して過酸化水素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールオキシダーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールオキシダーゼ等も用いることができ、コレステロールオキシダーゼ“Amano”1(CHOD1;天野エンザイム社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−PEL;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−PEWL;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−CE;キッコーマン社製)コレステロールオキシダーゼ(COO321;東洋紡績社製)、コレステロールオキシダーゼ(COO−322;東洋紡績社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール酸化酵素を組み合わせて用いることもできる。 コレステロール酸化酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール酸化酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。 本反応の方法に用いられるコレステロール酸化酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.001〜2000U/mLの濃度であることが好ましく、0.005〜1000U/mLの濃度であることがより好ましい。 本発明におけるコレステロール脱水素酵素としては、酸化型補酵素の存在下にコレステロールを酸化して還元型補酵素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールデヒドロゲナーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールデヒドロゲナーゼ等も用いることができる。コレステロールデヒドロゲナーゼ“Amano”5(CHDH5;天野エンザイム社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール脱水素酵素を組み合わせて用いることもできる。 コレステロール脱水素酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール脱水素酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。 本反応の方法に用いられるコレステロール脱水素酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.001〜2000U/mLの濃度であることが好ましく、0.005〜1000U/mLの濃度であることがより好ましい。 コレステロール脱水素酵素を用いた定量において使用される酸化型補酵素としては、例えばNAD(P)+、thio−NAD(P)+等が挙げられる。酸化型補酵素共存下でのコレステロール脱水素酵素とリポ蛋白中のコレステロールとの反応により生成する還元型補酵素としては、例えばNAD(P)H、thio−NAD(P)H等が挙げられる。 本発明の方法に用いられる酸化型補酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400mmol/Lの濃度であることが好ましく、0.1〜100mmol/Lの濃度であることがより好ましい。 本発明のsdLDL−Cの定量方法においては、還元型補酵素酸化酵素も用いることができる。ここで、還元型補酵素酸化酵素は、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素と共に用いられ、酸化型補酵素共存下でのコレステロール脱水素酵素とリポ蛋白中のコレステロールとの反応により生成した還元型補酵素を過酸化水素に変換する。還元型補酵素酸化酵素としては、例えばNAD(P)H酸化酵素等が挙げられる。還元型補酵素酸化酵素としては、市販品を使用することもできる。市販の還元型補酵素酸化酵素としては、NADH Oxidase(コスモ・バイオ社製)等が挙げられる。 本発明の方法に用いられる還元型補酵素酸化酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400U/mLの濃度であることが好ましく、0.02〜200U/mLの濃度であることがより好ましい。 本発明において使用されるアルブミンとしては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とするアルブミンであれば特に限定はなく、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヒト由来のアルブミン等が挙げられるが、ウシ血清アルブミン(BSA)が好ましい。また、遺伝子工学的な手法により製造されたアルブミンも用いることができる。本発明においては、2種類以上のアルブミンを組み合わせて使用することもできる。本発明のsdLDL−Cの定量におけるアルブミンの濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.001〜10%であることが好ましく、0.01〜5%がより好ましい。 本発明における界面活性剤Aは、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応を抑制し、LgLDL−Cの反応を行わせる性質を有する。具体的には、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応を優先的に抑制する界面活性剤であり、工程(i)において、sdLDL−C以外の、すなわちHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cの除去に使用される界面活性剤である。以下、HDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cを総称して、sdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールと表記する場合がある。 界面活性剤Aとしては、例えばポリオキシエチレンアルキルアミン(以下、POEアルキルアミンと略記する)、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩(以下、POEベンジル−アルキル4級アンモニウム塩と略記する)、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド(以下、POE脂肪酸アミドと略記する)、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(以下、POE多環フェニルエーテル硫酸エステル塩と略記する)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩(以下、POEアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩と略記する)、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩(以下、POE脂肪酸アミド硫酸エステル塩と略記する)、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩(以下、POEアルキルアミン硫酸エステル塩と略記する)、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(以下、エチレンジアミン−POE・POP縮合物と略記する)、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体(以下、PPG誘導体と略記する)、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(以下、POE・POP縮合物と略記する)、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)(以下、C9以下のPOE・POAアルキルエーテルと略記する)等が挙げられる。 POEアルキルアミン、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、POEアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、POEアルキルアミン硫酸エステル塩におけるアルキルとしては、炭素数1〜30の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等が挙げられる。 POEアルキルアミンの市販品としては、パイオニンD−3104、パイオニンD−3110、パイオニンD−3120(以上、竹本油脂社製)、ナイミーンL−207(以上、日本油脂社製)、BLAUNON L−205(以上、青木油脂社製)等が挙げられる。 アミンオキシド類としては、例えばアルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド(以下、POEアルキルアミンオキシドと略記する)等が挙げられる。アルキルアミンオキシド、POEアルキルアミンオキシドにおけるアルキルとしては、例えば置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル等が挙げられる。該アルキルとしては前記のアルキル等が挙げられる。該置換基としては、例えば水酸基等が挙げられる。アミンオキシド類の市販品としては、ユニセーフA−LE、ユニセーフA−LM、ユニセーフA−LY(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。 アルキルベタインの市販品としては、ニッサンアノンBL、ニッサンアノンBF(以上、日本油脂社製)、アンヒトール24B、アンヒトール86B(以上、花王社製)等が挙げられる。 アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩の市販品としては、ZWITTERGENT3−10、ZWITTERGENT3−12(以上、CALBIOCHEM社製)等が挙げられる。 酸アミドアルキルベタインの市販品としては、アノンBDF−SF(日本油脂社製)等が挙げられる。 POEベンジル−アルキル4級アンモニウム塩の市販品としては、ビスノールSK(一方社社製)等が挙げられる。 POE脂肪酸アミドの市販品としては、ナイミッドMT−215(日本油脂社製)、ニッコールTAMDS15(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。 POE多環フェニルエーテル硫酸エステル塩における多環フェニルとしては、基内に1つの芳香環を有する基(置換基)が2つ以上置換したフェニル基、基内に2つ以上の芳香環を有する基(置換基)が1つまたは複数置換したフェニル基等が挙げられる。基内に1つの芳香環を有する基としては、例えばベンジル、1−(フェニル)エチル等が挙げられる。基内に2つ以上の芳香環を有する基としては、例えばナフチル等が挙げられる。POE多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、ニューコール707−SF、ニューコール707−SFC、ニューコール707−SN、ニューコール723−SF(以上、日本乳化剤社製)等が挙げられる。 POEアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、ハイテノールN−07、ハイテノールN−08、ハイテノールN−17(以上、第一工業薬品社製)等が挙げられる。 POE脂肪酸アミド硫酸エステル塩の市販品としては、サンアミドCF−3、サンアミドCF−10(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。 POEアルキルアミン硫酸エステル塩の市販品としては、ミグノールPA−30(一方社社製)等が挙げられる。 N−アシルタウリン塩の市販品としては、ニッコールCMT−30、ニッコールPMT(以上、日光ケミカルズ社製)、ダイヤポンTペースト、ダイヤポンTパウダー、ダイヤポンK、ダイヤポンLM、ダイヤポンK−MG(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。 N−アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸としてはサルコシン、アラニン等が挙げられる。N−アシルアミノ酸塩の市販品としては、サルコシネートLN−30、サルコシネートCN−30、サルコシネートLK−30、アラニネートLN−30(以上、日光ケミカルズ社製)、フィレットL(日本油脂社製)等が挙げられる。 エチレンジアミン−POE・POP縮合物の市販品としては、アデカプルロニックTR−701、アデカプルロニックTR−702、アデカプルロニックTR−704、アデカプルロニックTR−913R(以上、旭電化社製)、ユニルーブ32TY−65BI(日本油脂社製)等が挙げられる。 ポリエチレングリコールを含まないPPG誘導体としては、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記する)、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(以下、POPアルキルエーテルと略記する)等が挙げられる。PPGとしては、例えば分子量1200以下のPPGが好ましい。分子量1200以下のPPGの市販品としては、ユニオールD−700(日本油脂社製)、ニューポールPP−400(三洋化成社製)等が挙げられる。POPアルキルエーテルの市販品としては、ユニルーブMB−2(日本油脂社製)等が挙げられる。 一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるPOE・POP縮合物の市販品としては、プルロニック25R−1、プルロニック25R−2(以上、旭電化社製)、BLAUNON EP−0480、BLAUNON EP−0670、BLAUNON EP−1461(以上、青木油脂社製)等が挙げられる。 C9以下のPOE・POPアルキルエーテルにおけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。C9以下のPOE・POPアルキルエーテルの市販品としては、ユニルーブ50MB−26、ユニルーブ50MB−72(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。 本発明においては、界面活性剤Aは1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いても良い。 本出願により、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL中のコレステロールの反応を抑制し、LgLDL中のコレステロールの反応を行わせる作用を示す界面活性剤が存在することを開示された当業者は、上記に例示したもの以外でも、下記の判定により容易に本発明の界面活性剤Aの具体例を把握し、選択することができる。該方法により選択される界面活性剤も本願発明の界面活性剤Aに包含される。 界面活性剤Aの判定は、例えば以下に記載の方法で行うことができる。1)リポ蛋白分画の分離 血清中のHDL、VLDL、CM、LgLDL、sdLDLの各分画を比重により分離精製する。具体的には、「新生化学実験講座4」(東京化学同人)に記載の超遠心法に従い、ヒト血清よりHDL(比重1.063以上)、sdLDL(比重1.044〜1.063)、LgLDL(比重1.006〜1.044)、VLDL及びCM(比重1.006以下)の4つのリポ蛋白分画を分取する。2)界面活性剤Aの判定用試薬例1 緩衝液、例えばMOPS(pH7.0) コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3 コレステロール酸化酵素、例えばCHO−PEL 過酸化水素測定試薬、例えばパーオキシダーゼ、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)及び4−アミノアンチピリン(4−AA) 検討すべき界面活性剤例2 緩衝液、例えばMOPS(pH7.0) コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3 コレステロール脱水素酵素、例えばCHDH5 酸化型補酵素、例えばNAD [必要に応じて、還元型補酵素測定試薬、例えば2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)] 検討すべき界面活性剤例3 緩衝液、例えばMOPS(pH7.0) コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3 コレステロール脱水素酵素、例えばCHDH5 酸化型補酵素、例えばNAD 還元型補酵素酸化酵素、例えばNADH oxidase 過酸化水素測定試薬、例えばパーオキシダーゼ、EMSE及び4−AA 検討すべき界面活性剤 なお、上記各試薬には、必要に応じて、後述の水性媒体、安定化剤、防腐剤、影響物質消去剤、反応促進剤等を含有させることもできる。3)界面活性剤A判定方法 各リポ蛋白分画を検体とし反応セルへ(2μL)添加し、次いで上記2)に記載した試薬(0.15mL)を添加し反応を開始させ、37℃で5分間加温し、反応液の吸光度が直線的に増加する時間、例えば反応5分後の反応液の吸光度変化(ΔEリポ蛋白分画)を測定する。 各リポ蛋白分画の代わりに生理食塩水を検体として用いて、同様の測定を行い、吸光度変化(ΔEブランク)を算出し、各リポ蛋白分画における「反応吸光度1」を下記(式1)により算出する。 各リポ蛋白分画について、日立7170S形自動分析装置を用いて、総コレステロール定量用キットであるデタミナーC TC(協和メデックス社製)を用いて、同様にして、「反応吸光度2」を算出する。 ついで、各リポ蛋白分画の反応率を下記(式2)より算出する。 sdLDL分画における反応率が低く、LgLDL分画における反応率が高い界面活性剤を選択し、好ましくは、sdLDL分画における反応率が低く、HDL、VLDL、CM及びLgLDL分画における反応率が高い界面活性剤を、界面活性剤Aとして選択する。 コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応を優先的に抑制するとは、HDL、VLDL、CM及びLgLDLの各分画中のコレステロールの反応率に対するsdLDL分画中のコレステロールの反応率が小さいことをいい、HDL、VLDL、CM及びLgLDLの各分画中のコレステロールの反応率に対するsdLDL分画中のコレステロールの反応率の割合が好ましくは50%以下であり、より好ましくは20%以下であり、特に好ましくは10%以下である。 なお、使用する酵素の種類及び濃度等の反応条件が異なると界面活性剤の反応性が異なる場合もあるが、設定した条件で検討対象の界面活性剤が本発明に界面活性剤Aとして使用できるか否か判断できる。 本発明のsdLDL−Cの定量方法における界面活性剤Aの濃度は、好ましくはsdLDL以外のリポ蛋白、即ち、HDL、VLDL、CM及びLgLDL中のコレステロールを優先的に除去し得る濃度であり、反応液中での濃度が0.0001〜1%であることが好ましく、0.0005〜0.5%であることがより好ましい。 本発明におけるsdLDL−Cの反応を引き起こす試薬は、検体とコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素とを界面活性剤Aの存在下に反応させて、sdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去した後の反応液中に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を可能とする試薬である。具体的には、界面活性剤Aの存在下での、sdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去するのに使用したコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)及び界面活性剤Aの存在下にsdLDL−Cとの反応を可能とする酵素などが挙げられる。 本発明における界面活性剤Bとしては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル(以下、POEアルキルエーテルと略記する)、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)(以下、C10以上のPOE・POAアルキルエーテルと略記する)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(以下、POEアルキルフェニルエーテルと略記する)、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(以下、POE・POAアルキルフェニルエーテルと略記する)、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(以下、POE多環フェニルエーテルと略記する)、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル(以下、POE・POA多環フェニルエーテルと略記する)、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(以下、POE・POP縮合物と略記する)、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミン(以下POE・POAアルキルアミンと略記する)等が挙げられる。 POEアルキルエーテルとしては、HLBが15.0未満のPOEアルキルエーテル(該アルキルは炭素数20以下のアルキル)が好ましい。HLBが15.0未満のPOEアルキルエーテル(該アルキルは炭素数20以下のアルキル)におけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘキシデシル、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、オクチルドデシル等が挙げられる。HLBが15.0未満のPOEアルキルエーテル(該アルキルは炭素数20以下のアルキル)の市販品としてはモリノールL−80(HLB13.1;炭素数12)(モーリン化学社製)、エマルミンNL−80(HLB13.1;炭素数12)、エマルミンNL−90(HLB13.6;炭素数12)、エマルミンNL−100(HLB14.0;炭素数12)、エマルミンNL−110(HLB14.4;炭素数12)(以上、三洋化成社製)、ノイゲンTDS−80(HLB13.3;炭素数13)、ノイゲンTDS−120(HLB14.8;炭素数13)(以上、第一工業製薬社製)、EMALEX1615(HLB13.0;炭素数16)、EMALEX1820(HLB14.0;炭素数18)、EMALEX OD−16(HLB12.0;炭素数20)(以上、日本エマルジョン社製)等があげられる。 C10以上のPOE・POAアルキルエーテルとしては、HLBが15.0未満かつアルキルの炭素数が10以上20以下であるPOE・POAアルキルエーテルが好ましい。HLBが15.0未満かつアルキルの炭素数が10以上20以下であるPOE・POAアルキルエーテルにおけるアルキルとしては、例えばデシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘキシデシル、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、オクチルドデシル等が挙げられる。HLBが15.0未満かつアルキルの炭素数が10以上20以下であるPOE・POAアルキルエーテルにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン以外の例えば、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。HLBが15.0未満かつアルキルの炭素数が10以上20以下であるPOE・POAアルキルエーテルの市販品としては、例えばワンダサーフID−50(HLB10.5;炭素数10)、ワンダサーフID−70(HLB12.1;炭素数10)、ワンダサーフID−90(HLB13.3;炭素数10)、ワンダサーフS−800(HLB12.3;炭素数13)、ワンダサーフS−1000(HLB13.2;炭素数13)、ワンダサーフS−1400(HLB14.4;炭素数13)(以上、青木油脂社製)等が挙げられる。 POEアルキルフェニルエーテルとしては、HLBが16.0未満であるPOEアルキルフェニルエーテルが好ましい。HLBが16.0未満のPOEアルキルフェニルエーテルにおけるアルキルとしては、炭素数1〜30の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等が挙げられる。HLBが16.0未満のPOEアルキルフェニルエーテルの市販品としてはノニオンNS−210(HLB13.3)、ノニオンNS−212(HLB14.1)、ノニオンNS−215(HLB15.0)、ノニオンHS−210(HLB13.6)(以上、日本油脂社製)、エマルゲン911(HLB13.7)、エマルゲン913(HLB14.5)(以上、花王社製)等が挙げられる。 POE・POAアルキルフェニルエーテルとしては、HLBが16.0未満であるPOE・POAアルキルフェニルエーテルが好ましい。HLBが16.0未満のPOE・POAアルキルフェニルエーテルにおけるアルキルとしては、炭素数1〜30の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等が挙げられる。HLBが16.0未満のPOE・POAアルキルフェニルエーテルにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン以外の例えば、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。HLBが16.0未満のPOE・POAアルキルフェニルエーテルの市販品としては、アクロネセスKP−189R、ディスパノールLS−100(以上、日本油脂社製)、エマルゲンL−40(花王社製)等が挙げられる。 POE多環フェニルエーテルとしては、HLBが13.0未満であるPOE多環フェニルエーテルが好ましい。HLBが13.0未満であるPOE多環フェニルエーテルにおける多環フェニルとしては、基内に1つの芳香環を有する基(置換基)が2つ以上置換したフェニル基、基内に2つ以上の芳香環を有する基(置換基)が1つまたは複数置換したフェニル基等が挙げられる。基内に1つの芳香環を有する基としては、例えばベンジル、1−(フェニル)エチル等が挙げられる。基内に2つ以上の芳香環を有する基としては、例えばナフチル等が挙げられる。HLBが13.0未満であるPOE多環フェニルエーテルの市販品としては、エマルゲンA−60(HLB12.8)(花王社製)、BLAUNON DSP−9(HLB11.4)、BLAUNON DSP−12.5(HLB12.8)(以上、青木油脂社製)、ニューコール2607(HLB11.8)(日本乳化剤社製)等が挙げられる。 POE・POA多環フェニルエーテルとしては、HLBが13.0未満であるPOE・POA多環フェニルエーテルが好ましい。HLBが13.0未満であるPOE・POA多環フェニルエーテルにおける多環フェニルとしては、基内に1つの芳香環を有する基(置換基)が2つ以上置換したフェニル基、基内に2つ以上の芳香環を有する基(置換基)が1つまたは複数置換したフェニル基等が挙げられる。基内に1つの芳香環を有する基としては、例えばベンジル、1−(フェニル)エチル等が挙げられる。基内に2つ以上の芳香環を有する基としては、例えばナフチル等が挙げられる。HLBが13.0未満であるPOE・POA多環フェニルエーテルにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン以外の例えば、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。HLBが13.0未満であるPOE・POA多環フェニルエーテルの市販品としてはニューコール707F(HLB12.4)(以上、日本乳化剤社製)等が挙げられる。 一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるPOE・POP縮合物としては、POPの分子量が1200以上かつPOE含量が60%以下であるPOE・POP縮合物が好ましい。POPの分子量が1200以上かつPOE含量が60%以下であるPOE・POP縮合物の市販品としてはプロノン204(POPの分子量:2000;POE含量:40%)(日本油脂社製)、ニューポールPE−62(POPの分子量:1750;POE含量:20%)、ニューポールPE−64(POPの分子量:1750;POE含量:40%)、ニューポールPE−71(POPの分子量:2050;POE含量:10%)、ニューポールPE−75(POPの分子量:2050;POE含量:50%)(以上、三洋化成社製)、プルロニックP−84(POPの分子量:2250;POE含量:40%)、プルロニックP−85(POPの分子量:2250;POE含量:50%)、プルロニックP−103(POPの分子量:3250;POE含量:30%)(以上、旭電化社製)等が挙げられる。 POE・POAアルキルアミンにおけるアルキルとしては、炭素数1〜30の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等が挙げられる。POE・POAアルキルアミンにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン以外の例えば、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。POE・POAアルキルアミンの市販品としてはBLAUNON LPE1007(青木油脂社製)、アルキル(C16)アミンEO20PO10(日本油脂社製)等が挙げられる。 本発明においては、界面活性剤Bを1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いても良い。 なお、当業者は、本発明の実施例2に示した方法等により、sdLDL分画の反応率を高める界面活性剤を、界面活性剤Bとして適宜把握・選択することができる。使用する酵素の種類及び濃度等の反応条件が異なると界面活性剤の反応性が異なる場合もあるが、設定した条件で検討対象の界面活性剤が本発明に界面活性剤Bとして使用できるか否か判断することができる。 本発明のsdLDL−Cの定量方法における界面活性剤Bの濃度は、sdLDL−Cの定量を可能とする濃度であり、反応液中での濃度が0.001〜5%であることが好ましく、0.01〜0.5%であることがより好ましい。 界面活性剤Aの存在下にsdLDL−Cとの反応を可能とする酵素としては、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素又はコレステロール脱水素酵素等が挙げられるが、コレステロールエステル加水分解酵素が好ましい。コレステロールエステル加水分解酵素を界面活性剤Bの代わりに用いる場合、該コレステロールエステル加水分解酵素としては、工程(i)で使用されるコレステロールエステル加水分解酵素と同種のコレステロールエステル加水分解酵素であっても異種のコレステロールエステル加水分解酵素であってもよい。同種のコレステロールエステル加水分解酵素を用いる場合には、工程(ii)において、残存するsdLDL−Cの定量を可能とする量のコレステロールエステル加水分解酵素を添加すればよい。また、異種のコレステロールエステル加水分解酵素を用いる場合には、残存するsdLDL−Cの定量を可能とするコレステロールエステル加水分解酵素であれば特に制限はない。 また、工程(ii)において、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬としては、酵素と界面活性剤の組み合わせを用いることもできる。該組み合わせは、sdLDL以外のリポ蛋白を除去した後の反応液に残存するsdLDL−Cの定量を可能とする組み合わせであれば特に制限はない。該組み合わせを構成する酵素及び界面活性剤は、単独で、残存するsdLDL−Cの定量を可能とする必要はなく、組み合わされて使用されることにより、残存するsdLDL−Cの定量を可能とすればよい。 HLBとは、親水性−親油性均衡値を意味する。本発明に用いられる界面活性剤、例えばPOE多環フェニルエーテルのHLBは、界面活性剤ハンドブック(吉田 時行ら著 工業図書株式会社)や新界面活性剤(堀口 博著 三共出版株式会社)に記載の方法で算出することが可能である。また、該HLBとしては、各種界面活性剤の製造メーカーのカタログやパンフレットに記載されているHLB値を利用することも可能である。(sdLDL−C定量方法) 本発明のsdLDL−C定量方法は、下記工程(i)〜(iii)を含む方法である。(i)界面活性剤Aを含有する反応液中で、検体にコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素、或いは、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のsdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去する工程(ii)前記工程(i)後の反応液に残存するsdLDL−Cの反応を引き起こす試薬を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素濃度に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程 また、工程(iii)を行うことなく、工程(i)及び工程(ii)を行うことにより、検体中のsdLDL−Cの検出方法とすることもできる。 工程(i)における検体中のsdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの除去方法としては、例えば、該コレステロールから変換された過酸化水素、又は、該コレステロールより生成させた還元型補酵素を除去する方法が挙げられる。該除去方法としては、該コレステロールより過酸化水素を生成させ、次いで該過酸化水素を除去する方法が好ましい。 過酸化水素の除去は、例えば過酸化水素除去試薬を用いることにより行うことができる。過酸化水素除去方法としては、過酸化水素にカタラーゼを作用させるか、又は、過酸化水素に、過酸化活性物質と、酸化カップリング発色反応に使用される2つの酸化カップリング色原体の一方との組み合わせを作用させる方法が好ましい。 還元型補酵素の除去は、例えば還元型補酵素に還元型補酵素酸化酵素を作用させ、生成する過酸化水素を過酸化水素除去試薬を用いることにより除去することにより行うことができる。 過酸化水素除去試薬としては、sdLDL−C以外のリポ蛋白のコレステロールから生成する過酸化水素を、sdLDL−Cから生成する過酸化水素の測定に影響を及ぼさない物質に変換する試薬であれば特に制限はないが、例えばカタラーゼを含有する試薬、過酸化活性物質と酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方とを含有する試薬等が挙げられる。過酸化活性物質としては、例えばパーオキシダーゼ等が挙げられる。酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方とは、具体的には、後述の「酸化カップリング発色型色原体」におけるカプラー、又は、アニリン類若しくはフェノール類が例示される。本明細書において、「もう片方の酸化カップリング型色原体」なる用語は、「酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方」なる用語と対で使用され、例えば、前者がカップラーを意味する場合は、後者はフェノール類又はアニリン類を示し、前者がフェノール類又はアニリン類を意味する場合は、後者は、カップラーを示す。 過酸化水素除試薬として、カタラ−ゼを含有する試薬を用いる場合、カタラーゼの濃度としては、0.001〜5000kU/Lが好ましく、0.01〜1000kU/Lがより好ましい。また、本発明の工程(i)において、過酸化水素除去試薬としてカタラーゼを用いる場合は、工程(ii)においてカタラーゼ阻害剤を共存させることが好ましい。カタラーゼ阻害剤としては、アジ化ナトリウム、H2S、HCN、NH2OH、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等が挙げられ、使用する濃度としてはカタラーゼ活性を阻害し、工程(ii)で生成する過酸化水素の測定に影響を及ぼさない濃度であれば特に限定はされないが、好ましくは0.5〜60mmol/L、より好ましくは1〜30mmol/Lである。 過酸化水素除去試薬として、過酸化活性物質と酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方とを用いる場合、過酸化活性物質としてはパーオキシダーゼ等が挙げられる。パーオキシダ−ゼの濃度は0.01〜500kU/Lが好ましく、1〜100kU/Lがより好ましい。酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方の濃度としては、0.01〜10g/Lが好ましい。 尚、本発明において、工程(i)におけるsdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの除去とは、該コレステロールから生成した過酸化水素又は還元型補酵素を、他の物質に変換して消去することにとどまらない。例えば、過酸化水素と還元型補酵素の分別測定が可能な場合、該コレステロールから生成した過酸化水素又は還元型補酵素を他の物質に変換する必要はない。例えば工程(i)でsdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールから還元型補酵素を生成させ、工程(ii)でsdLDL中のコレステロールから過酸化水素を生成させる場合、工程(i)で生成した還元型補酵素を他の物質に変換する必要はない。更に、本発明は、工程(i)で生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、得られた測定値を基に、工程(ii)で生成した過酸化水素又は還元型補酵素を算出することにより、検体中のsdLDL−Cを定量することも包含する。 ここで、過酸化水素の測定は、例えば過酸化水素電極や後述の過酸化水素測定試薬を用いて行うことができるが、過酸化水素に過酸化活性物質と酸化発色型色原体とを作用させて色素を生成させ、該色素の吸光度を測定することにより行われる方法が好ましい。 還元型補酵素の測定は、例えば還元型補酵素の吸収極大付近の波長での吸光度測定や、後述の還元型補酵素測定試薬を用いた測定により行うことができる。 過酸化水素測定用試薬は、生成した過酸化水素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素、光等が挙げられるが、色素が好ましい。検出可能な物質が色素の場合には、過酸化水素測定用試薬は、酸化発色型色原体及びパーオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含有する。酸化発色型色原体としては、例えば後述の酸化発色型色原体が挙げられる。検出可能な物質が光の場合には、過酸化水素測定用試薬は、化学発光物質を含有する。化学発光物質としては、例えばルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、アクリジニウムエステル等が挙げられる。 過酸化水素測定用試薬として、酸化発色型色原体及び過酸化活性物質を含有する試薬を用いる場合には、過酸化水素は、過酸化活性物質の存在下に酸化発色型色原体と反応して色素を生成し、生成した色素を測定することにより、過酸化水素を測定することができる。また、化学発光物質を含有する過酸化水素測定用試薬を用いる場合には、過酸化水素は、化学発光物質と反応して光を生じ、生じた光を測定することにより、過酸化水素を測定することができる。 酸化発色型色原体としては、例えばロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体等が挙げられる。 ロイコ型色原体は、過酸化水素及び過酸化活性物質の存在下、単独で色素へ変換される物質である。具体的には、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA−64)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。 酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素及び過酸化活性物質の存在下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する物質である。 2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。 カプラーとしては、例えば4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等が挙げられる。 アニリン類としては、N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOPS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N−ジメチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−4−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン(F−DAOS)等が挙げられる。 フェノール類としては、フェノール、4−クロロフェノール、3−メチルフェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。 還元型補酵素測定試薬は、生成した還元型補酵素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素等が挙げられる。検出可能な物質が色素の場合には、還元型補酵素測定試薬は、還元発色型色原体を含有する。還元発色型色原体としては、例えば3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミド(MTT)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)等が挙げられる。 過酸化水素の測定において、過酸化活性物質としては、例えばパーオキシダーゼ等が挙げられる。過酸化活性物質の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、過酸化活性物質としてパーオキシダーゼを用いる場合は、1〜100kU/Lが好ましい。また、酸化発色型色原体の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、0.01〜10g/Lが好ましい。 本発明において、sdLDL−Cの測定は水性媒体中で行われることが好ましい。水性媒体としては、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられるが、緩衝液が好ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。 グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸〔(H)EPPS〕、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましい。 試料中のsdLDL−C濃度を決定するために使用する検量線は、例えば、既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、本発明の工程(i)及び工程(ii)を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、その測定値と使用したsdLDL−C濃度から作成することができる。 本発明の工程(i)及び工程(ii)は、例えば、10〜50℃で、好ましくは、20〜40℃で、1〜30分間、好ましくは2〜15分間行う。(sdLDL−C定量用キット) 本発明のsdLDL−C定量用キットは、本発明のsdLDL−Cの定量方法に使用され得る。sdLDL−C定量用キットの形態としては、本発明のsdLDL−C定量方法を可能とする形態であれば特に制限はなく、2試薬系、3試薬系等のいずれの形態であってもよいが、2試薬系が好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットとしては、例えば以下のキットが挙げられる。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素及び還元型補酵素測定試薬を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素、還元型補酵素酸化酵素及び過酸化水素除去試薬素を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、界面活性剤B及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、界面活性剤Bを含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素及び還元型補酵素測定試薬を含有する第一試薬と、界面活性剤Bを含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、界面活性剤B及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。 第一試薬及び第二試薬からなる2試薬系のsdLDL−C定量用キットにおいては、コレステロールエステル加水分解酵素は第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。コレステロール酸化酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。コレステロール脱水素酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。 界面活性剤Aは、第一試薬に含有されることが好ましい。 酸化型補酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。還元型補酵素酸化酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。 過酸化水素除去試薬は、第一試薬に含有されることが好ましい。過酸化水素除去試薬としてカタラーゼを用いる場合、カタラーゼは第一試薬に含有されることが好ましく、カタラーゼ阻害剤は、第二試薬に含有されることが好ましい。過酸化水素除去試薬としてパーオキシダーゼと酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方との組み合わせを用いる場合、該組み合わせは第一試薬に含有されることが好ましい。 界面活性剤Bは、第二試薬に含有されることが好ましい。前述のように、界面活性剤Bの代わりに、sdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去した後の反応液に残存するsdLDL−Cの定量を可能とする酵素や、酵素と界面活性剤の組み合わせを用いることもできる。 過酸化水素測定試薬として、パーオキシダーゼと2つの酸化カップリング型色原体とを含有する試薬を用いる場合には、2つの酸化カップリング型色原体はそれぞれ別々の試薬に含有されることが好ましい。パーオキシダーゼは、第一、第二試薬のいずれか一方又は両方に含有される。尚、過酸化水素除去試薬として、パーオキシダーゼと酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方との組み合わせを用いる場合、当該組み合わせと共に、もう一方のカップリング型色原体とを組み合わせて過酸化水素測定試薬とすることができる。尚、該もう一方のカップリング型色原体は第二試薬に含有される。 アルブミンは、第一試薬に含有されることが好ましいが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。 本発明のsdLDL−C定量用キットとしては、例えば以下の態様のキットが挙げられるがこれらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。キット1第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬キット2第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方第二試薬 界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体キット3第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体第二試薬 界面活性剤Bキット4第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素第二試薬 界面活性剤Bキット5第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬第二試薬 界面活性剤Bキット6第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬キット7第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方第二試薬 界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体キット8第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬キット9第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体キット10第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体、アルブミン第二試薬 界面活性剤Bキット11第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、アルブミン第二試薬 界面活性剤Bキット12第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬、アルブミン第二試薬 界面活性剤Bキット13第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬キット14第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体キット15第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬、アルブミンキット16第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、アルブミン、もう一方の酸化カップリング型色原体キット17第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、アルブミンキット18第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、アルブミンキット19第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、アルブミンキット20第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬、アルブミンキット21第一試薬 界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン第二試薬 界面活性剤B、アルブミン、もう一方の酸化カップリング型色原体 本発明のsdLDL−C定量用キットに用いられる、界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、過酸化水素除去試薬、界面活性剤B、アルブミン、過酸化水素測定試薬としては、それぞれ、前述のものが挙げられる。 本発明のsdLDL−C定量用キットには、必要に応じて、水性媒体、安定化剤、防腐剤、影響物質消去剤、反応促進剤等が含有されてもよい。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。安定化剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シュークロース、塩化カルシウム等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム、バイオエ−ス、抗生物質等が挙げられる。影響物質消去剤としては、例えばアスコルビン酸の影響を消去するためのアスコルビン酸オキシダーゼ等が挙げられる。反応促進剤としては、例えばコリパーゼ等の酵素、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等が挙げられる。 本発明のsdLDL−C定量用キットは、凍結乾燥された状態でも、水性媒体に溶解された状態でもよい。凍結乾燥された状態の試薬を用いて検体中のsdLDL−Cを定量する場合には、当該試薬は水性媒体に溶解して使用される。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおけるコレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜2000U/mLとなる含量が好ましく、0.005〜1000U/mLとなる含量がより好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおけるコレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜2000U/mLとなる含量が好ましく、0.005〜1000U/mLとなる含量がより好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおける酸化型補酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.01〜500mmol/Lとなる含量が好ましく、0.1〜100mmol/Lとなる含量がより好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおける界面活性剤Aの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.0001〜1%となる含量が好ましく、0.0005〜0.5%となる含量がより好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおける界面活性剤Bの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜5%となる含量が好ましく、0.01〜0.5%となる含量がより好ましい。 本発明のsdLDL−C定量用キットにおけるアルブミン含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.0001〜10%であることが好ましく、0.001〜5%がより好ましい。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例および参考例においては、下記メーカーの試薬及び酵素を使用した。 MOPS(同仁化学研究所社製)、EMSE(ダイトーケミックス社製)、硫酸ナトリウム(関東化学社製)、4−アミノアンチピリン(埼京化成社製)、パーオキシダーゼ(東洋紡績社製)、CHO−PEL(コレステロール酸化酵素;キッコーマン社製)、CHO−CE(コレステロール酸化酵素;キッコーマン社製)、COO−322(コレステロール酸化酵素;東洋紡績社製)、LPL3(コレステロールエステル加水分解酵素;天野エンザイム社製)、LP(コレステロールエステル加水分解酵素;旭化成社製)、LIPS(コレステロールエステル加水分解酵素;旭化成社製)、LPAP(コレステロールエステル加水分解酵素;旭化成社製)、パーオキシダーゼ(東洋紡績社製)、BSA(Proliant社製)。 パイオニンD−3110(竹本油脂社製)、パイオニンD−3120(竹本油脂社製)、ナイミーンL−207(日本油脂社製)、ユニセーフAL−E(日本油脂社製)、ZWITTERGENT 3−10(CALBIOCHEM社製)、ニッサンアノンBL(日本油脂社製)、アノンBDF−SF(日本油脂社製)、ビスノールSK(一方社社製)、ナイミッドMT−215(日本油脂社製)、ニューコール707−SF(日本乳化剤社製)、ニューコール723−SF(日本乳化剤社製)、ハイテノールN−17(第一工業薬品社製)、サンアミドCF−10(日本油脂社製)、ミグノールPA−30(一方社社製)、ニッコールCMT−30(日光ケミカルズ社製)、サルコシネートLN−30(日光ケミカルズ社製)、アデカプルロニックTR−704(旭電化社製)、ユニオールD−700(日本油脂社製)、プルロニック25R−2(旭電化社製)、ユニルーブ50MB−26(日本油脂社製)。 ノイゲンTDS−80(第一工業薬品社製)、ノイゲンTDS−120(第一工業薬品社製)、EMALEX OD−16(日本エマルジョン社製)、ワンダサーフS−800(青木油脂社製)、ワンダサーフS−1400(青木油脂社製)、ノニオンNS−210(日本油脂社製)、ノニオンNS−215(日本油脂社製)、ニューコール2607(日本乳化剤社製)、エマルゲンA−60(花王社製)、BLAUNONDSP−12.5(青木油脂社製)、ニューポールPE−64(三洋化成社製)、BLAUNONLPE1007(青木油脂社製)。 以下の第一試薬及び第二試薬からなるsdLDL−C定量用キットを調製した。第1表に示す界面活性剤A及び界面活性剤Bを用いたキットを実施例1(1)〜1(34)のキットとした。第一試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L EMSE 0.3 g/L 硫酸ナトリウム 2 g/L 界面活性剤A(以下、「界A」と略記する) LPL3 100 kU/L CHO−PEL 1 kU/L パーオキシダーゼ 10 kU/L第二試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L 4−アミノアンチピリン 0.3 g/L パーオキシダーゼ 20 kU/L 界面活性剤B(以下、「界B」と略記する) 「新生化学実験講座4」(東京化学同人)に記載の超遠心法に従い、ヒト血清よりHDL(比重 1.063以上)、sdLDL(比重1.044〜1.063)、LgLDL(比重 1.006〜1.044)、VLDL及びCM(比重 1.006以下)の4つのリポ蛋白分画をそれぞれ分取し、実施例1のキットを用いて、各リポ蛋白分画中コレステロールの反応率を算出した。(1)各リポ蛋白分画中コレステロールと実施例1のキットとの反応による各リポ蛋白分画における「反応吸光度」の算出 日立7170S形自動分析装置を用いて、以下の操作により「反応吸光度」を算出した。 各リポ蛋白分画を検体とし反応セルへ(2μL)添加し、次いでそれぞれ実施例1のキットの第一試薬(0.15mL)を添加し反応(第一反応)を開始させ、37℃で5分間加温し、反応5分後の反応液の吸光度(E1)を主波長600nm、副波長700nmで測定した。次いで、この反応液にそれぞれ実施例1(1)〜1(34)のキットの第二試薬(0.05mL)を添加しさらに37℃で5分間加温して反応(第二反応)を行い、第二反応5分後の反応液の吸光度(E2)を主波長600nm、副波長700nmで測定し、E2からE1を差し引いて、吸光度変化(ΔE’リポ蛋白分画)を算出した。また、各リポ蛋白分画の代わりに生理食塩水を検体として用いて、同様の測定を行い、吸光度変化(ΔE’ブランク)を算出した。最後に、下記(式3)により、各リポ蛋白分画における「反応吸光度3」を算出した。(2)各リポ蛋白分画中コレステロールの反応率の算出 日立7170S形自動分析装置を用いて、総コレステロール定量用キットであるデタミナーC TC(協和メデックス社製)を実施例1のキットの代わりに用いる以外は(1)の場合と同様の方法で、「反応吸光度4」を算出し、以下の(式4)にて、実施例1(1)〜1(34)のそれぞれのキットにおける各リポ蛋白分画中コレステロールの反応率(%)を算出した。尚、デタミナーC TCを用いた測定において算出した「反応吸光度4」は、対象とするリポ蛋白中のコレステロールが全て反応した際の「反応吸光度」を意味する。 実施例1(1)〜1(34)の各キットにおける各リポ蛋白分画中コレステロールの反応率について、反応率が0〜10%を「−」、10〜20%を「±」、20〜50%を「+」、50〜80%を「++」、80〜100%を「+++」と表しまとめたものを第2表に示す。 第2表に示すごとく、実施例1(1)〜1(34)に示すキットがsdLDL−Cの定量に使用され得ることがわかる。 以下の第一試薬及び第二試薬からなるsdLDL−C定量用キットを調製した。第3表に示す界面活性剤A及び界面活性剤Bを用いたキットを実施例3(35)〜3(44)のキットとした。第一試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L EMSE 0.3 g/L 硫酸ナトリウム 2 g/L 界面活性剤A(以下、「界A」と略記する) LPL3 100 kU/L CHO−PEL 1 kU/L パーオキシダーゼ 10 kU/L BSA第二試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L 4−アミノアンチピリン 0.3 g/L パーオキシダーゼ 20 kU/L 界面活性剤B(以下、「界B」と略記する) 実施例3(35)〜3(47)のキットを用いて、実施例2の(1)記載の測定方法と同様にして日立7170S自動分析装置により、ヒト血清24検体それぞれにおける反応吸光度を測定した。 次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該検体中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。実施例3(35)〜3(47)のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第4表に記す。 第4表に示すごとく、実施例3(35)〜3(47)のキットによる測定結果は、超遠心法での測定結果と良好な相関を示した。 また、第一試薬にBSAを含有する実施例3(42)と3(43)のキットを用いた測定と、実施例3(35)と3(37)のキットを用いた測定との比較から、第一試薬にBSAを含有するキットを用いることにより、第一試薬にBSAを含有しないキットを用いた場合に比較して、超遠心法との間の相関がより良好となることが判った。 以下の第一試薬及び第二試薬からなるsdLDL−C定量用キットを調製した。第5表に示す界面活性剤A及び界面活性剤Bを用いたキットを実施例5(48)〜5(57)のキットとした。第一試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L EMSE 0.3 g/L 硫酸ナトリウム 2 g/L パーオキシダーゼ 10 kU/L BSA 3 g/L 界面活性剤A(以下、「界A」と略記する) コレステロールエステル加水分解酵素(以下、「CHER」と略記する) コレステロール酸化酵素(以下、「CHOD」と略記する)第二試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L 4−アミノアンチピリン 0.3 g/L パーオキシダーゼ 20 kU/L BLAUNON LPE−1007 1 g/L ワンダサーフS−800 0.3 g/L 実施例3(43)、及び、実施例5(48)〜5(57)のキットを用いて、実施例2の(1)記載の方法と同様にして日立7170S自動分析装置により、ヒト血清25検体それぞれにおける反応吸光度を測定した。 次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該検体中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。実施例3(43)、及び、実施例5(48)〜5(57)のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第6表に記す。 第6表に示すごとく、実施例3(43)及び実施例5(48)〜5(57)のキットを用いた測定結果と、超遠心法で得られた測定結果とは、良好な相関を示した。 以下の第一試薬及び第二試薬からなるsdLDL−C定量用キットを調製した。第7表に示す界面活性剤A及び界面活性剤Bを用いたキットを実施例7(58)〜7(67)のキットとした。第一試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L EMSE 0.3 g/L 硫酸ナトリウム 2 g/L 界面活性剤A(以下、「界A」と略記する) LPL3 100 kU/L CHO−PEL 1 kU/L パーオキシダーゼ 10 kU/L BSA第二試薬 MOPS(pH7.0) 20 mmol/L 4−アミノアンチピリン 0.3 g/L パーオキシダーゼ 20 kU/L 界面活性剤B(以下、「界B」と略記する) 実施例3(36)及び実施例7(58)〜7(67)のキットを用いて、実施例2の(1)記載の方法と同様にしてヒト血清21検体それぞれにおける反応吸光度を測定した。 次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該血清中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。各実施例及び比較例のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第8表に記す。 第8表に示すごとく、実施例3(36)及び実施例7(58)〜7(67)のキットを用いた測定結果と、超遠心法で得られた測定結果とは、良好な相関を示した。 検体中のsdLDL−Cの定量 超遠心法並びに本発明の実施例3(36)及び実施例3(44)のキットを用いて、ヒト新鮮血清2検体について、各検体中のsdLDL−Cを以下の方法により定量した。(1)超遠心法を用いたヒト血清検体中のsdLDL−Cの定量 該ヒト血清2検体を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該血清中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。(2)検量線の作成 超遠心法による測定より、sdLDL−C濃度が43.1mg/dLであることが判明している血清標準液を検量線作成用サンプルとした。実施例2の(1)記載の測定方法と同様にして日立7170S自動分析装置により、実施例3(36)及び実施例3(44)のキットにより、検量線作成用サンプル検体の反応吸光度を測定し、該反応吸光度と検量線作成用サンプル中のsdLDL−C濃度との関係からそれぞれのキットの検量線を作成した。(3)ヒト血清2検体中のsdLDL−Cの定量 検量線作成用サンプルの代わりにヒト血清2検体を用いて、上記(2)と同様の方法により、該2検体各々について反応を行い、反応後の反応液の吸光度と上記(2)で作成した検量線とから、それぞれのキットについて各検体中のsdLDL−C濃度を決定した。 該2検体について、上記(1)における超遠心法により決定した該検体中のsdLDL−C濃度と、上記(3)における実施例3(36)及び実施例3(44)のキットを用いた測定により決定した該検体中のsdLDL−C濃度を第9表に示す。 第9表は、本発明のキットを用いて、本発明の方法によりヒト血清中のsdLDL−Cが正確に定量できることを示す。 本発明により、動脈硬化などの冠動脈疾患の診断に有用な小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法及び定量用キットが提供される。 (i)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、HDL−Cと略記する)、超低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、VLDL−Cと略記する)、カイロミクロン中のコレステロール(以下、CM−Cと略記する)及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、LgLDL−Cと略記する)の反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)を含有する反応液中で、検体に該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素、又は、該コレステロールエステル加水分解酵素、該コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cを除去する工程;(ii)前記工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程;(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程;の各工程を含み、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−Cの定量方法。 工程(i)をアルブミン存在下で行う請求項1に記載の方法。 (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)、及び、過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有し、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−C定量用キット。 (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)を含有する第二試薬とを含有し、上記界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)(式中、a、b及びcは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数9以下のアルキル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤であり、上記界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)(式中、d、e及びfは同一又は異なって、1〜200の整数を表す)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、及び、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤である、ことを特徴とする検体中のsdLDL−C定量用キット。 少なくとも第一試薬にアルブミンを含有する請求項3又は4に記載のキット。 第三試薬として、既知濃度のsdLDLを含有する標準品を含有する請求項3〜5のいずれかに記載のキット。