タイトル: | 公表特許公報(A)_セルヴィマイシン半エステルの分解方法 |
出願番号: | 2008539219 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C12P 1/00,C07H 15/252,A61K 31/704,A61P 31/04 |
ホーン,ウヴェ ジーリング,アーミン ペシェル,グンデラ ハートヴェック,クリシュチャン ミュラー,ペーター−ユルゲン バードゥル,ベッティーナ オゼゴウスキー,ヨルク−ハーマン ハロルド,カーシュテイン JP 2009514538 公表特許公報(A) 20090409 2008539219 20060925 セルヴィマイシン半エステルの分解方法 ライブニッツ−インスティトゥート フュア ナトゥールシュトッフ−フォルシュング ウント インフェクツィオンスビオロギー エー.ファウ. ハンス−クネル−インスティテゥート 508104329 フリードリッヒ−シラー−ウニバジテート イエナ 508137224 斎藤 侑 100061284 伊藤 文彦 100088052 ホーン,ウヴェ ジーリング,アーミン ペシェル,グンデラ ハートヴェック,クリシュチャン ミュラー,ペーター−ユルゲン バードゥル,ベッティーナ オゼゴウスキー,ヨルク−ハーマン ハロルド,カーシュテイン DE 102005053670.0 20051108 C12P 1/00 20060101AFI20090313BHJP C07H 15/252 20060101ALI20090313BHJP A61K 31/704 20060101ALN20090313BHJP A61P 31/04 20060101ALN20090313BHJP JPC12P1/00 AC07H15/252A61K31/704A61P31/04 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW DE2006001709 20060925 WO2007054044 20070518 17 20080528 4B064 4C057 4C086 4B064AH19 4B064CA21 4B064CB03 4B064CC06 4B064CC07 4B064CD20 4B064CE08 4B064CE10 4B064DA01 4C057AA30 4C057BB03 4C057BB04 4C057DD01 4C057DD03 4C057JJ51 4C086AA04 4C086DA29 4C086EA10 4C086NA14 4C086ZB35 本発明はセルヴィマイシン半エステルの分解方法に関し、抗生物質をより効果的に調製することにより感染症を制圧し、ひいては人々の健康維持に貢献しようとするものである。 近年、ドイツのみならずヨーロッパにおける近隣諸国、更には世界中でも、耐性菌の発生頻度及びその種類が急増している。従来使用して効果的であった抗生物質が、次第に病原菌に対して効力を失いつつある。従って、耐性病原菌に対して効果のある新しい抗生物質が強く求められている。バンコマイシン耐性菌については、懸念されていたことであるが、腸球菌からブドウ球菌への種間転移が、2002年にアメリカ合衆国で初めて確認された。 セルヴィマイシンは、液体培地でストレプトマイセスsp.(DSZMドイツ微生物細胞培養保存機関(DSMZ)(ブラウンシュワイク、マッシェルオーダー・ウェーク1)にDSM13059として寄託)の発酵時に生成する抗生物質群である(ヘロルドK、シューZ、ゴルミックFA、グレーフェU、ヘットウェックC(2004)、「セルヴィマイシンC(特殊なジメチルマロニル部分を有する芳香族ポリケチド抗生物質)の生合成」;Org.Biomol.Chem.7,2411−2414;及びヘロルドK(2005)、「特殊な芳香族ポリケチドの化合物としての構造、作用及び生合成に関する研究」、イェーナ・フリードリヒ・シラー大学生物薬剤学博士論文、2005年1月17日防衛の日)。 セルヴィマイシンはポリケチド系抗生剤に属し、しばしば単環又は多環サッカライド鎖に結合したポリケチド・アグリコンに由来する。 セルヴィマイシンの少量成分であるセルヴィマイシンK(HKI10311129とも呼ばれる)は、多剤耐性ブドウ球菌及びバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェーカリス菌に対して特に強い抗生作用を有することが判明している。 従ってセルヴィマイシンKは耐性病原菌を制圧するための効果的な抗生物質の候補として有力である。セルヴィマイシンKは黄橙色の無定形物質で、実験式はC56H75NaNO22、モル質量1,136.4678g/molである。セルヴィマイシンKは、糖としてのジサッカライド基と、末端OH基を有する非エステル化テトラサッカライド基が結合したポリケチド・アグリコンからなる。セルヴィマイシンKは他の多くのセルヴィマイシン類と異なり、メチル化マロン酸エステル基を含有しない。180Lの培養濾液から13mg製出されている。 セルヴィマイシンKを取得するには、発酵成分を酢酸エチルで抽出し、抽出物を液相から分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、更に乾燥固化する。 油性残渣を少量のクロロホルムに溶解し、溶液を濾過し、20倍容積のヘキサンを添加して目的物を析出させる。 その後の精製は、メタノールを溶離剤に用いたセファデックスLH−20によるゲル浸透クロマトグラフィーによって行う。抗生作用が認められる薬剤画分を真空乾燥する。仕上げ精製は、クロロホルム・メタノール勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーで行う。 セルヴィマイシンKからなる黄色画分を乾燥する。 培養液中には少量成分セルヴィマイシンKと並んで、他の効果の低いセルヴィマイシン類が濃度約1.0g/Lから非常に高濃度まで存在する。 これにはセルヴィマイシンA及びセルヴィマイシンCが含まれるが、これらは既にアルタミラマイシン2及びアルタミラマイシン1と命名され(グロースI、シュレーゲルB、クラインヴェヒターP、グレーフェU、ヘルトルA、ペルナーA、ヒリガーM、メルマンU、「ストレプトマイセスsp.(DSM13059)の培養によって得られるグラム陽性菌に対して強い活性を示す新しい抗生アルタミラマイシン」)、新しい抗生物質として特許された(DE10065606(2002−06−27))。 主成分であるアルタミラマイシン1(セルヴィマイシンC)は、アグリコンに酸アミド官能基を有しており、これはセルヴィマイシンDにもセルヴィマイシンKにも存在する。更に、セルヴィマイシンCはテトラサッカライドのOH基がジカルボン酸、即ちマロン酸ジメチルによりエステル化され、セルヴィマイシンDはマロン酸メチルによりエステル化されている。これはジメチル化マロン酸の半エステルをなしている。成分のセルヴィマイシンCメチルエステルは、ジメチル化マロン酸のジエステルである。第2の酸官能基はメタノールでエステル化されている。180Lの培養濾液からセルヴィマイシンC1.6gとセルヴィマイシンD1.0gが単離している(ヘロルドK(2005))。DE10065606 比較的大量に生成するセルヴィマイシンC、DとセルヴィマイシンCメチルエステルは、それらの構造的類似性のために、サッカライド側基とマロニル基のエステル結合の分解によりセルヴィマイシンKを経済的に調製するための出発物質となる。これらはすべてアグリコンに酸アミド基を含有しており、セルヴィマイシンKとの違いは、テトラサッカライド側基のOH基にメチル化マロニル基が存在することだけである。 ジカルボン酸、特に置換マロン酸エステルからジエステルを化学的に加水分解する際に、エステル基が半エステルとして生成し比較的容易に取得されるのに対し、第2のエステル基は非常に安定していることは以前から知られていた。 マロン酸の全エステルの生成が困難な理由はおそらく、生成する半エステルの遊離カルボキシル基の負電荷が高いことと関連している。ジカルボン酸で半エステルを生成するアルコール成分の分解は通常アルカリ条件下で実施される(H.G.O.ベッカー他:有機化学基礎実験7.1.4.3カルボン酸誘導体の加水分解、ヨハン・アンブロシウス・バルス出版ハイデルベルク、ライプチヒ、第20版、1996)。 このことは、エステル分解作用を有する酵素、例えばエステラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼを用いてエステル分解を実施する場合にも当てはまる。この場合もジエステルのモノエステルへの分解は比較的容易に行われるのに対し、第2エステル基は取得できないことが多く、半エステルが生成しやすい。 反応は立体特異的であるため、プロキラルな置換モノアルキルマロン酸ジエステルから主として半エステルエナンチオマーが生成する。ジエステルの分解は、文献のデータによると、例えばpH7で24時間行うと非常に高収率である。酵素としては、例えばブタ肝臓エステラーゼ(EC3.1.1.1)が提案されている(イリウチジマK、ハセガワK、ツチハシG(1982)。Agric.Biol.Chem.46、1907;JP04082863A2;ハイデルH、フットナーG、フォーゲルR、ヘルムヒェンG(1994)、「合成のためのネオペンタン構造を有する新規キラルビルディングブロック、R−CH3C(CH2OSO2CF3)(CH2Cl)(CH2Br)の化学的酵素法による調製」、Chem.Ber.127,271−274)。 ブタ肝臓エステラーゼを用いてマロン酸アリールとマロン酸アルキルの混合物を分解する際、水相に50%又は25%のジメチルスルホキシドを添加することによって分解率が向上した。ブタ肝臓エステラーゼの代わりに∀−キモトリプシンを使用すると、反応が非常に低速であるか、又は反応が生じなかった(ビョークリング(Bjoerkling)F、ボウテリェ(Boutelje)J、ガーテンベックK、フルトK、ノリンT(1982)テトラヘドロン・レター26、4957;ビョークリング(Bjoerkling)F、ボウテリェ(Boutelje)J、ガーテンベックK、フルトK、ノリンT、ツムリク(Szmulik)P(1985)テトラヘドロン・レター41、1347;グートマンAC、シャピロM、ボルタンスキA(1992)、「有機溶媒におけるマロン酸のキラル一置換ジエステル及び半エステル混合物の酵素触媒的生成」、J.Org.Chem.57,1063−1065)。 反応はリン酸バッファーの水媒体でもpH8で実施できる(シュナイダーM、エンゲルN、ベンズマンH(1984)Angew.Chemie Int.Ed.Engl.23,66)。メタノール(10%v/v)を添加すると収率は増加したが、反応の立体選択性は低下した。ジメチルスルホキシドの存在下で反応速度は遅くなった(リューテンM、ミュラーS、ヘルツォークB、ケーゼR(1987)Helv.Chim.Acta70、1250)。 セルヴィマイシンKを得る目的で、中性並びにアルカリ性又は酸性pH範囲で化学的加水分解によりセルヴィマイシンC、セルヴィマイシンCメチルエステル又はセルヴィマイシンDのマロン酸基を分解する実験は、これまで成功しなかった。極端なpH条件下では、セルヴィマイシンの分解生成物は非常に少なかった。アルカリ性pH又は酸性pHでの加水分解の際にセルヴィマイシン分子の基本構造が破壊されると思われる。 文献に記載されている置換マロン酸エステルの酵素による変換は、これまですべて非常に単純な構造のマロン酸エステルで実施された。その際、常に例外なく使用したマロン酸誘導体の半エステルが生成した。 両エステル結合の分解による置換マロン酸の調製も、アルコール成分の取得も従来報告されていない。なぜならば、置換マロン酸もアルコール成分も原則として直接合成されるからである。これまで天然物質からそれらのマロニル半エステルを分解することによって複雑なアルコール成分を取得することも、セルヴィマイシンC(アルタミラマイシン1と同一)、セルヴィマイシンD及びセルヴィマイシンCメチルエステルをエステル分解酵素を触媒としてセルヴィマイシンKに変換することも報告されていない。 エステルの分解に際しては、例外なく反応液中に熱力学的平衡が生じるが、その達成には極めて時間を要する場合がある。それぞれのエステル結合に触媒作用を有する酵素を添加すると、平衡の達成速度を加速できるので有利である。 原則として急速に生成されるエステルは急速に分解されると言うことができる。この原則に従えば、セルヴィマイシンエステルのように極めて複雑なエステルは速度論的には非常に安定しているか、酵素分解可能でないか、又は極く低速でしか酵素分解しない。このことはメチル化マロン酸との第2エステル結合には更によく該当する。 本発明の課題は、活性は低いが大量に生成するセルヴィマイシンエステル類を、発酵による調製において少量成分として生じる高活性セルヴィマイシンKに簡単な方法で転化することである。 上記の課題は本発明により請求項1記載の方法によって解決される。有利な構成形態が従属請求項に記載されている。 本発明の本質は、適切な構造を有する主成分、例えばセルヴィマイシンのマロン酸ジメチル−マロン酸メチルモノエステル及びセルヴィマイシンのマロン酸ジメチルジエステルを、20℃〜75℃、好ましくは30〜60℃、pH5.0〜10.0、好ましくは6.5〜9.0において0.1時間〜数週間反応器内でエステル分解活性を有する酵素と処理して反応させ、抽出物として得ることである。 驚くべきことに、アグリコンに酸アミド基が存在するか(セルヴィマイシンC(アルタミラマイシン1)、セルヴィマイシンD、セルヴィマイシンJ、セルヴィマイシンCメチルエステル等)、又は酸アミド基のアミノ基がメチル基によって置換されているか(セルヴィマイシンA(アルタミラマイシン2)、セルヴィマイシンB、セルヴィマイシンL、セルヴィマイシンAメチルエステル等)に関わりなく反応が起きることが判明した。 更に驚くべきことに、非酵素活性タンパク質、例えば血清アルブミンが濃度0.1%〜5%、好ましくは0.5%〜2%存在すると、セルヴィマイシン半エステルからのセルヴィマイシンKの生成が非常に促進され、分解反応が検出可能となることが判明した。 エステル分解酵素として狭義のエステラーゼの他、プロテアーゼ及びリパーゼも使用できる。例えば反応の触媒に、ムコール属、リゾムコール属、リゾプス属、カンジダ属、アスペルギルス属の糸状菌由来、フミコラ・ラヌジノーサ属由来又はプソイドモナスフルオレセンズ属由来のリパーゼを使用すると効果的である。本発明においては、ブタ肝臓エステラーゼ又は微生物由来のプロテアーゼ、例えばストレプトマイセス・グリセウス由来のプロナーゼ、ストレプトマイセス・ハイグロスコピクス(DD263301)由来のコバルト金属プロテアーゼMO2、スブチリシン、アルカラーゼ、並びにセルヴィマイシンを生成するストレプトマイセスsp.(DSM13059)及びストレプトマイセス・テンダエ種から生成されるエステラーゼ、更にまたパパイン等の植物から得られるプロテアーゼを使用する。 更に驚くべきことに、界面活性剤を添加すると抽出物の収率が増大することも判明した。例えばリゾプス・ニベウス由来のリパーゼを使用した実験で、TritonX100を添加すると、添加していない試料に比べ収率が10%から20%に増加した。 本発明による反応は均一相でも不均一相でも生ずる。この場合「相」とは液相を意味する。この液体環境としては、伝導度が10mS未満の緩衝液を含む反応水溶液が挙げられる。この溶液は更に水溶性溶剤、例えばメタノール若しくはその他の低級アルコール、又はジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシドを含有することができる。溶剤を添加することによってセルヴィマイシン抽出物の溶解性が向上するので、より高濃度のセルヴィマイシンを反応に使用できる。 更に第2の液相として、水と相溶しない溶剤を使用すると収率が上昇することが分かった。第2の非水相は、例えばヘキサンやオクタンであってよい。 本発明においては、固相の存在下でも反応が起きる。一実施形態において固相はイオン交換体、好ましくはQセファロース又はDEAEセルロースである。この方法は、pHの急激な変動が回避されるため好ましい。反応の際に遊離したメチル化マロン酸が交換体に保持されるため、平衡が維持されるものと推測される。更にアルカリ性に調整された陰イオン交換体は遊離したプロトンも中性化するので、pHの変動が回避され得る。 他の方法においては、セルヴィマイシンのマロン酸メチルエステル又はマロン酸ジメチル半エステルは、3〜16炭素原子の鎖を有するスペーサーを介して固相に共有結合されて反応に使用される。使用する固相は、ヒドロキシル基を担持する表面がアミノプロピルトリエチルオキシシランで被覆され、カルボジイミド法によりアミノ基を介してセルヴィマイシン半エステルが共有結合されて存在することが好ましい。 別の構成では反応中に反応系から、モノメチル化マロン酸(モル質量119.1g/mol)やジメチル化マロン酸(モル質量134.1g/mol)の比較的小さいマロン酸種が、膜又は他の浸透バリアーを通過する限外濾過(カットオフ:1kD以下)によって常時得られるが、エステル分解酵素はこれを通過できない。酵素のモル質量は一般に30〜60kDである。この方法は自体公知の限外濾過装置で実施される。浸透バリアーとしては、膜モジュール又は中空繊維モジュールを使用する。最大2atmの圧力による加圧循環によって浸透バリアーを通る透過流が生じ、この透過流は小さい反応生成物を伴うので、結果として希釈される。圧力は、セルヴィマイシン抽出物が少量だけ透過するように選択される。 他の方法においては、酵素をほぼ固定化するために、好ましくは膜モジュール又は中空繊維として配置された浸透バリアーを利用する。この技術においてはバリアーのカットオフは1kD〜30kDの範囲で選択される。この種の実施形態では抽出物も反応生成物も比較的急速に浸透バリアーを透過して酵素と接触し合う。他の実施形態においてはセルヴィマイシンC及びDのエステルを反応物と合流する前に、又は合流中にも陰イオン交換体に結合させ、溶解状態のエステラーゼをマロン酸のカルボキシル基を介してイオン交換体に結合したセルヴィマイシンC及びDに作用させる。ここでも陰イオン交換体としてQセファロース又はDEAEセファロースを使用することが好ましい。陰イオン交換体とセルヴィマイシンCの半エステル及びセルヴィマイシンDの半エステルとを結合させることによって、陰イオン交換体/セルヴィマイシン複合体が生じることで、セルヴィマイシンエステルはエステル分解酵素の作用に好都合な立体的位置を占めることになり、分解率が向上する。分解により生成したメチル化マロン酸は交換体に留まる。 更なる実施形態においては、複合体の生成をエステル分解の前に独立の1工程で行うことができる。しかしこの場合の短所は、セルヴィマイシンCのメチルエステルが結合されず、反応に関与しないことである。 更なる実施形態においては、陰イオン交換体とセルヴィマイシンエステルが反応器において合流した後に酵素が添加される。セルヴィマイシンのメチルエステルは半エステルとして、陰イオン交換体に結合しないものも含め急速且つ定量的にセルヴィマイシンCに分解されるので、ロスは生じない。 更に、セルヴィマイシンエステルとの1:1複合体を生成するのに必要な量より少量のイオン交換体を使用しても、エステル分解酵素を添加した後に所望のエステル分解に至ることが見い出された。 本発明において、生成されたセルヴィマイシンKは例外なく液相に移行する一方、生成されたマロン酸メチル及びマロン酸ジメチルは交換体に留まる。 驚くべきことに、エステル分解酵素が固相に結合すると、反応平衡が反応生成物に有利に移動することも判明した。この種の実施形態においては、抽出物と反応物は固定化された酵素に接触通過し、生成したマロン酸は陰イオン交換体に結合される。従って、低いイオン強度で反応系から回収可能となる。固相担体として多孔質ガラス等の吸着体や、ゼオライトやデキストラン等の超分子化合物を使用する。 更に超分子化合物は、生成するメチル化マロン酸をナノ細孔で捕捉することにより、平衡をより有利な方向へ移動させることができ、更に反応条件を立体的に有利とする。 また、化学的に架橋された又は固定化されたエステル分解酵素は、反応の平衡又は速度に影響するだけでなく、回収可能で複数回使用できるという大きな利点を有する。また、本発明においては、2価又は3価の陽イオン、例えばMg++、Mn++、Zn++、Fe+++又はAl+++を10mMを越える濃度で添加することにより、反応の平衡又は反応速度を生成側に有利にシフトさせることができ、これによりセルヴィマイシンKの生成が促進される。この場合、通常遊離マロン酸の難溶性塩が生成するので、平衡系から除去される。 本発明に係る方法は、セルヴィマイシン生成微生物であるストレプトマイセス・テンダエ種、即ちストレプトマイセスsp.(DSM13059)で発酵を実施することも包含する。エステル分解酵素を、好ましくは発酵の遅い段階で添加することにより、発酵プロセス中にセルヴィマイシンエステルのセルヴィマイシンKへの転化が達成される。 他の実施形態においては、発酵における無細胞培養液をエステル分解酵素で処理する。長期的に安定な試料を得るために、反応溶液を無菌濾過することにより、生きている微生物が反応に及ぼす悪影響を排除する。 実施例1 pH8.5の0.1Mリン酸緩衝液1mLに、メタノール0.5mL中にセルヴィマイシンC2mgを含有するセルヴィマイシンCメタノール溶液40μLを添加混合する。この混合物の40μLをpH8.5の0.1Mリン酸緩衝液1mLに添加する。得られた混合物と、水0.5mL中に次に記載する比活性2.6U/gのリパーゼ(Fluka)2mgを含むリパーゼ溶液40μLとを混合する。0.1M NaOHを添加してpHをモニターしpHを一定に維持しながら、40℃で50時間培養する。HPLC法を用いて試料中のセルヴィマイシンKの含量が0mg/Lから6.9mg/Lに上昇したことが確認された一方、セルヴィマイシンCの濃度は40mg/Lから約34mg/Lに下降した。 標準試料を用いたHPLC法により水相のセルヴィマイシンの濃度を決定する。 セルヴィマイシンを同定するためのHPLCパラメータHPLC Jasco社の低圧勾配装置検出器 ダイオードアレーカラム ProntoSIL 120−5−C18−ace−EPS5μm,250x4mmカラム前段カートリッジ ProntoSIL 120−5−C18−ace−EPS5μm,20x4mmカラム温度 25℃移動相 ACN:TFA(0.1%)勾配 0分−50%ACN:50%TFA 20分−100%ACN 30分−100%ACN 30.5分−50%ACN:50%TFA 35分−50%ACN:50%TFA流速 1mL/min注入量 20μL 実施例2 別の実験において調製した0.5%ウシ血清アルブミンを含有するpH7.03の0.01Mリン酸緩衝液5mLに、メタノール1mL中にセルヴィマイシンC20mgを含有するセルヴィマイシンCメタノール溶液250μLを添加混合した。次いでこれに、pH7.03の0.01Mリン酸緩液1mL当たり10mgエステラーゼを含有したpH7.03の0.01Mリン酸緩衝エステラーゼ溶液(ウマ肝臓由来エステラーゼ)0.5mLを攪拌しつつ添加した。この混合物を37℃で24時間培養した。 培養混合物から0.1mLを取り出し、HPLCによりセルヴィマイシンKを検出した。HPLC(シマヅ)にProtoSIL ace−EPS120−5−C18カラム(250x4mm)を用い、アセトニトリル−0.1%(勾配)トリフルオロ酢酸により分離した。セルヴィマイシンKのピークを、電子スプレーイオン源及びイオントラップ型分析器を有する質量分光計(ベントロープ質量分光計、フィニガンLCQ、フィニガン、ブレーメン)にて解析した。M1113にセルヴィマイシンKに特異的な質量ピークが検出された。採取試料を定量的に評価した結果、セルヴィマイシンKの含量は114mg/Lであった。この量は収率18%に相当する(表1参照)。 実施例3 種々のエステラーゼ及びリパーゼによるセルヴィマイシンCの分解 凍結乾燥酵素2mgをpH8.5の0.02Mリン酸緩衝液に溶解させた(酵素溶液)。リン酸緩衝液1mLに、セルヴィマイシンメタノール溶液40μLと酵素溶液20μLを添加した。40mg/Lセルヴィマイシンを用いて、右欄のセルヴィマイシンKの濃度をを決定した(表2参照)。 実施例4 セルヴィマイシンC640μg/mL及び0.005Mリン酸緩衝液で平衡化したQセファロース1gをメタノールに添加した。このメタノール溶液1.0mLとpH8.5の0.005Mリン酸緩衝液10mLを混合した。セルヴィマイシンCがイオン交換体に結合した後、遠心分離機で清澄な上清を除去し、リゾムコール・ミーヘイに由来する比活性0.51U/mgのリパーゼ(Fluka)2mgを含有するリパーゼ溶液5mLをイオン交換体に添加した。得られた懸濁液を攪拌しながら40℃で50時間培養した。約15%のセルヴィマイシンCがセルヴィマイシンKに転化した。生成したセルヴィマイシンKは水性の上清中に存在する。 エチルアセテートを用いた自体公知の抽出法で試料を抽出し、抽出物を水相から分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、更に乾燥固化する。油性残渣を少量のクロロホルムに溶解し、溶液を濾過し、20倍容積のヘキサンを添加して粗生成物を析出させる。その後の精製は、クロロホルム・メタノール(勾配有)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって行う。セルヴィマイシンKからなる黄色画分を乾燥する。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを調製する方法において、少なくとも一種のエステル分解酵素を20℃〜75℃、好ましくは40〜76℃、pH5.0〜10.0、好ましくは6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%、好ましくは0.5%〜2.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 非酵素活性タンパク質としてアルブミン、例えばウシアルブミンを使用することを特徴とする、請求項1及び2に記載の方法。 半エステル・セルヴィマイシンC及び/又はセルヴィマイシンD及び/又はセルヴィマイシンCのメチルエステルを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応は懸濁液中1以上の固相で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 水相の他に水と相溶する溶剤が存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 水相の他に水と相溶しない溶剤、好ましくはヘキサン又はオクタンを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 エステラーゼを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 ブタ肝臓エステラーゼ又はウマ肝臓エステラーゼ等の哺乳動物の肝臓に由来するエステラーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び6に記載の方法。 リパーゼを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 シュードモナス属の微生物、好ましくはシュードモナス・フルオレッセンスに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 リゾムコール属の糸状菌、特にリゾムコール・ミーヘイ又はリゾムコール・ジャバニクスに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 ムコール属の糸状菌、特にムコール・ミーヘイに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 リゾプス属の糸状菌、好ましくはリゾプス・ニベウス、リゾプス・アルヒズス、リゾプス・ジャパニカス、リゾプス・デレマール又はリゾプス・リゾポジフォルミスに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 カンジダ属の糸状菌、好ましくはカンジダ・シリンドラセアに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 アスペルギルス属の糸状菌、好ましくはアスペルギルス・ニガーに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 フミコラ・ラヌジノーサに由来するリパーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び10に記載の方法。 サッカロマイセス・セレビシエ等の微生物を乾燥粉末の形態で使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 プロテアーゼを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 ∀−キモトリプシンを使用することを特徴とする、請求項1及び19に記載の方法。 スブチリシン、アルカラーゼ、ストレプトマイセス・ハイグロスコピクス由来のコバルト中心メタロプロテアーゼMO2等の微生物プロテナーゼ及びプロテイナーゼ、又はプロナーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び19に記載の方法。 パパイン等の植物性プロテアーゼを使用することを特徴とする、請求項1及び19に記載の方法。 ストレプトマイセス属、好ましくはストレプトマイセス・テンダエ種の微生物、特に好ましくはストレプトマイセスsp.(DSM13059)に由来するエステル分解酵素を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記エステル分解酵素が固定化された形態で存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記酵素は化学的に架橋された酵素の形態で使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記エステル分解酵素は固相に結合されて存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 固相として陰イオン交換体、好ましくはQセファロース又はDEAEセファロースを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 陰イオン交換膜を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸メチルエステル半エステル又はセルヴィマイシンのマロン酸ジメチル半エステルは陰イオン交換体に結合されて反応に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸メチルエステル半エステル又はセルヴィマイシンのマロン酸ジメチル半エステルは、3〜16炭素原子の鎖を有するスペーサーを介して固相に共有結合されて反応に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応器としてカットオフ範囲が0.1kD〜1kDの限外濾過装置を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応器としてカットオフ範囲が1.0kD〜30kDの限外濾過装置を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 固相としてタンパク質に対する吸着性を有する化合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 固相としてナノ構造化された多孔質ガラスを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 固相としてゼオライト又はデキストラン等の超分子化合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応試料の伝導度が10mS未満であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応中のpHを一定に制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 金属の2価又は3価の陽イオンが10mM超の濃度で存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 界面活性剤が存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 発酵器(反応器)でストレプトマイセスsp.(DSM13059)又はストレプトマイセス・テンダエのセルヴィマイシン生成株を用いて発酵させる際に、発酵中又は発酵の最終段階で培養液にエステル分解酵素を添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 セルヴィマイシンを含む無細胞培養液にエステル分解酵素を添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 反応溶液を無菌濾過することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 本発明はセルヴィマイシン半エステルの分解方法に関する。本発明の目的は、活性は低いが大量に生成するセルヴィマイシンエステル類を、発酵による調製において少量成分として生じる高活性セルヴィマイシンKに簡単な方法で転化することにある。この目的は、セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを調製する方法において、少なくとも一種のエステル分解酵素を20℃〜75℃、好ましくは40〜76℃、pH5.0〜10.0、好ましくは6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることにより達成される。【選択図】なし20080121A16333全文3 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のエステラーゼの存在下で調製する方法において、前記エステラーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させ、前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする方法。 非酵素活性タンパク質としてアルブミンを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記アルブミンはウシアルブミンであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 セルヴィマイシンマロン酸エステル・セルヴィマイシンC及び/又はセルヴィマイシンD及び/又はセルヴィマイシンCのメチルエステルを特徴とする、先の請求項の一以上に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のエステラーゼの存在下で調製する方法において、哺乳動物の肝臓由来のエステラーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項8に記載の方法。 前記エステラーゼはブタ肝臓エステラーゼ又はウマ肝臓エステラーゼであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、シュードモナス属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項8に記載の方法。 前記リパーゼは、シュードモナス・フルオレッセンス、ストレプトマイセス・テンダエ又はストレプトマイセスsp.(DSM13059)に由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、リゾムコール属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項11に記載の方法。 前記リパーゼは、リゾムコール・ミーヘイ又はリゾムコール・ジャバニクスに由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、ムコール属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項14に記載の方法。 前記リパーゼは、ムコール・ミーヘイに由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項14に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、リゾプス属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項17に記載の方法。 前記リパーゼは、リゾプス・ニベウス、リゾプス・アルヒズス、リゾプス・ジャパニカス、リゾプス・デレマール又はリゾプス・リゾポジフォルミスに由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、カンジダ属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項20に記載の方法。 前記リパーゼは、カンジダ・シリンドラセアに由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、アスペルギルス属に由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項23に記載の方法。 前記リパーゼは、アスペルギルス・ニガーに由来するリパーゼであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸ジメチル又はマロン酸モノメチルとのエステルから非エステル化セルヴィマイシンを少なくとも一種のリパーゼの存在下で調製する方法において、フミコラ・ラヌジノーサに由来するリパーゼを20℃〜75℃、pH5.0〜10.0、40〜76℃及びpH6.0〜9.0において0.1時間〜48時間セルヴィマイシンのマロン酸エステルに作用させることを特徴とする方法。 前記酵素によるエステル分解において濃度0.1%〜5.0%の非酵素活性タンパク質が存在することを特徴とする、請求項26に記載の方法。 α−キモトリプシン、スブチリシン、アルカラーゼ、若しくはストレプトマイセス・ハイグロスコピクス由来のコバルト中心メタロプロテアーゼMO2であるプロテナーゼ又はプロテイナーゼ、プロナーゼ又はパパインを追加使用することを特徴とする、先の請求項の一以上に記載の方法。 前記エステル分解酵素が固定化された形態で存在することを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 エステル分解酵素が固相に結合されて存在することを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 前記固相は、Qセファロース又はDEAEセファロースである陰イオン交換体であることを特徴とする、請求項30に記載の方法。 前記反応は懸濁液中1以上の固相で行われることを特徴とする、請求項30又は31に記載の方法。 水相の他に水と相溶する溶剤、又はヘキサン若しくはオクタンである水と相溶しない溶剤を使用することを特徴とする、請求項30又は31に記載の方法。 前記エステル分解酵素は化学的に架橋された酵素の形態で使用されることを特徴とする、請求項30又は31に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸メチルエステル半エステル又はセルヴィマイシンのマロン酸ジメチル半エステルは陰イオン交換体に結合されて反応に使用されることを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 セルヴィマイシンのマロン酸メチルエステル半エステル又はセルヴィマイシンのマロン酸ジメチル半エステルは、3〜16個の炭素原子の鎖を有するスペーサーを介して固相に共有結合されて反応に使用されることを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 反応器としてカットオフ範囲が0.1kD〜1kD又は1.0kD〜30kDの限外濾過装置を使用することを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 固相としてタンパク質に対する吸着性を有する化合物を使用することを特徴とする、請求項30に記載の方法。 固相としてナノ構造化された多孔質ガラス又はゼオライト若しくはデキストランである超分子化合物を使用することを特徴とする、請求項30に記載の方法。 反応試料の伝導度が10mS未満であり、界面活性剤及び10mM超の濃度の金属の2価又は3価の陽イオンが存在し、且つpHが一定に維持されることを特徴とする、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 発酵器(反応器)でストレプトマイセスsp.(DSM13059)又はストレプトマイセス・テンダエのセルヴィマイシン生成株を用いて発酵させる際に、発酵中又は発酵の最終段階で培養液にエステル分解酵素を添加する、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。 セルヴィマイシンを含み、無菌濾過した無細胞培養液にエステル分解酵素を添加する、請求項1、5、8、11、14、17、20、23又は26に記載の方法。