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タイトル:公表特許公報(A)_スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物及びその製造方法
出願番号:2008537669
年次:2009
IPC分類:C08B 37/16,A61K 47/40,A61K 9/14,A61K 9/20


特許情報キャッシュ

ジェイムズ・ディー・ピプキン ジェロルド・エル・モーシャー ダグラス・ビー・ヘッカー JP 2009513773 公表特許公報(A) 20090402 2008537669 20051026 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物及びその製造方法 サイデックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 501278788 結田 純次 100127926 三輪 昭次 100105290 竹林 則幸 100140132 高木 千嘉 100091731 ジェイムズ・ディー・ピプキン ジェロルド・エル・モーシャー ダグラス・ビー・ヘッカー C08B 37/16 20060101AFI20090306BHJP A61K 47/40 20060101ALI20090306BHJP A61K 9/14 20060101ALI20090306BHJP A61K 9/20 20060101ALI20090306BHJP JPC08B37/16A61K47/40A61K9/14A61K9/20 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005038933 20051026 WO2007050075 20070503 46 20080613 4C076 4C090 4C076AA31 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC05 4C076DD29 4C076DD38 4C076DD41 4C076DD43 4C076DD67 4C076EE23 4C076EE38 4C076EE39A 4C076FF04 4C090BA10 4C090BC30 4C090BD02 4C090CA36 4C090DA23 本発明は、改善された物理的性質を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体及びその製造方法に関する。 組成物の非化学的物理的性質プロファイルは、特定の物質の製造過程の取扱い及び性能、並びにおそらく生体外又は生体内の性能を劇的に変えることができる。換言すれば、第1の物理的性質プロファイルを有する所定の化学組成物は、吸入に適していることがあるが;異なる第2の物理的性質プロファイルを有する同じ化学組成物は、吸入に適していないことがある。同様に、第1の物理的性質プロファイルを有する特定の賦形剤は、異なる第2の物理的性質プロファイルを有する同じ賦形剤よりも打錠成形により適していることがある。 例えば、乾燥粉末吸入用の担体として使用される物質の異なる物理的形態の適性は、物質の種々の物理的形態の非化学的物理的性質プロファイルに従って変化する。吸入による薬物の送達では、気道の異なるセクション、例えばのど、気管、気管支及び肺胞に薬物が沈着することがある。一般に、粒子サイズがより小さいほど、粒子はより長く空気中に浮遊したままになり、気道のよりいっそう下方に薬物を送達することができる。薬物は、ネブライザー、定量吸入器(MDI)又は乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて吸入によって送達される。 乾燥粉末吸入器では、患者にエーロゾル剤の形態で粉末医薬が提供される。エーロゾル剤を生成するには、その静止状態の粉末を流動化して患者の吸気流中に同伴(entraine)させなければならない。粉末は、分散すべき場合、克服しなければならない多くの凝集及び粘着力を受けている。流動化及び同伴(entrainment)は、静的粉末床(static powder bed)にエネルギーの入力を必要とする。担体粒子の粒径、形状、表面形態及び化学組成は、エーロゾル分散液に影響を及ぼしうる。一般に、高められた薬物分散及び沈着(deposition)は、より小さな担体サイズ及び微粒子の高められた比率で観察される。細長い担体は、おそらく気流のけん引力中で増加した持続時間により、一般にエーロゾル剤の分散性及び薬物のFPF(微粒子画分)を高める。平滑な表面を有する担体では、呼吸に適した画分(respirable fractions)がより多くなる。巨視的な表面粗さ又は平滑な表面を有する担体では、呼吸に適した画分が少なくなるのに対して、微視的な表面粗さを有する担体では呼吸に適した画分が多くなり、この場合、より接触面積が小さくなり、表面の突出が小さく、薬物付着が低下する。従って、乾燥粉末吸入器製剤について、担体粒径は、これらの互いに関係する性能特性間のバランスに基づいて選択しなければならない。具体的には、薬物粒子が担体に付着するには、粒子間力(inter−particulate forces)がなければならず(混ぜて均一にし、そして吸気流に薬物を同伴させるため)、さらにまた、より粗い担体粒子の表面から微細薬物粒子が脱離することで、肺への送達を促進できる。上記を鑑みて、公知の固形担体ラクトースの異なる物理的形態は、乾燥粉末吸入に適していることもあるし、又は適していないこともある。 賦形剤の挙動における物理的形態の同様の一般的な影響は、錠剤、液剤、懸濁剤、乳剤、フィルム、ラミネート、ペレット剤、散剤、ビーズ、顆粒剤、坐剤、軟膏剤、クリーム、などのような剤形の製造に使用される他の製薬過程にとってもあてはまる。換言すれば、単一の賦形剤を、特定の使用により適したものにするためには、さまざまな物理的形態で製造する必要がある。打錠成形を改善するには、例えば、賦形剤は改善された流れを有することが好ましい。錠剤プレス機又はカプセル充填器における取扱い及び加工を容易にするためには良好な流動特性が望ましい。それは、また、錠剤中の賦形剤の役割に応じて特定の範囲内の圧縮率を有するであろう。賦形剤が調製可能な(constitutable)液体製剤中に使用される場合、賦形剤は、液体中に置いた時に凝集することなく完全にかつ急速に溶解することが好ましい。これらの多くは固体賦形剤に非常に望ましい特徴であっても、これらの特徴の全てを有するいずれか単一の賦形剤を得ることは非常に困難である。そのため、とりわけ、多くの異なるグレードの賦形剤が医薬産業で開発されている。 とりわけ、トレー乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、流動床噴霧造粒及び流動床噴霧凝集のような乾燥方法は、フィード溶液(feed solutions)、乳濁液、懸濁液又はスラリーから固形物を製造するために医薬産業で使用される。単離された固形物の物理的性質は、フィード物質の性質並びに使用する乾燥方法で用いるパラメーター及び使用する乾燥方法に用いる装置に左右される。 噴霧乾燥は、固形物を含むフィード溶液又は懸濁液を霧化して乾燥室中で熱ガス流に導かれる霧化された液滴を形成し、それによって液滴から液体担体を蒸発させて球状粒子を形成することを伴う。流動床噴霧乾燥は、噴霧乾燥を改良した形態であり、ここでは、噴霧乾燥法は、霧化された液滴が流動化された粒子と衝突して付着するように微粒子の流動床(熱ガスの流れによって流動化される)の存在下で実施される。噴霧乾燥装置は、フィード溶液の及び乾燥室中の固形物含量を変更することによって、それぞれ流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒と称する方法で固形物を凝集又は造粒するようにすることができる。さらに、円筒状の噴霧乾燥装置に対して長方形のものを使用すると、得られた生成物の物理的性質に影響を与える。 円筒状装置を用いた典型的な流動床噴霧凝集/造粒では、粉末フィード(powder feed)は、制御可能な速度で固形物フィード入口に入り、そして液体噴霧系は、流動床の上部又は底面から物質へ液体フィードを噴霧する。加熱された流動化ガスは、底面のスクリーンを通しての入口から上に流れており、流動床室中で粉末フィード又は種粒子を流動化している。同時に、分級ガス(classifying gas)は、微粒子が流動床へと吹き戻るように制御された速度で排出管中を上方へ流れ、排出管の分級空気速度よりも速い沈降速度を有するより大きい粒子のみを管を通して排出させる。これにより生成物の粒径を制御することができると同時に生成物を無塵に保持できる。環状ユニットの外部脱塵装置によって排出空気から除去された粉塵は、さらなる処理のためリサイクル入口に再循環させることができる。このプロセス中に、より小さな粒子は、相互に又はより大きい粒子と融合して集塊を形成する。その結果、流動床中の粒子の粒径分布は、高められて生成物中に存在する微粒子のパーセンテージが流動化されたフィード物質と比較して低下する。 水性媒体中で水に難溶性の化合物を可溶化することは、多くの場合きわめて困難である。従って、技術者は、水性媒体中でシクロデキストリンのような可溶化促進剤を使用してきた。親(誘導体化されてない)シクロデキストリン及びそれらの誘導体は、6、7又は8個のグルコピラノース単位を含む周知の賦形剤であり、それぞれα−、β−及びγ−シクロデキストリンと称する。それぞれのシクロデキストリンサブユニットは、2及び3位に第二級ヒドロキシル基、そして6位に第一級ヒドロキシル基を有する。シクロデキストリンは、親水性の外部表面及び疎水性の内部空洞を有する中空の円錐台として描くことができる。 β−CDは、異なる仕上げ方法を用いた種々の異なる形態で製造されることが報告されている。American Maize Products(仏国特許第2,597,485号)は、水溶液からシクロデキストリンエーテルを回収するための適切な方法として凍結乾燥及び噴霧法を推奨している。しかし、これらの種々の技術によって得られた粉末は溶出性に乏しい。さらに、これらの粉末は、容易に流動せず、平凡な圧縮性を有する。 Sharmaへの米国特許第6,555,139号は、平滑なラテックスのようなマイクロ懸濁液(microsuspension)を得るため疎水性薬物と組み合わせてβ−CDを微小流動化(microfluidizing)する方法を開示している。 Bodleyらへの米国特許第5,674,854号は、β−CD及びジクロフェナクの包接錯体を含んでなる組成物を開示している。組成物は、噴霧凝集によって製造することができる。 Schleifenbaumへの米国特許出願公開第20040234479号は、シクロデキストリン粒子及び香味料又は芳香剤を含有してなるシクロデキストリン粒子を含んでなる香味料又は芳香剤を開示しており、ここでは、シクロデキストリン粒子は、50〜1000μの範囲の粒子サイズを有する。シクロデキストリン粒子は、セルロースエーテル及びシクロデキストリンを含み、ここにおいて、シクロデキストリン粒子は、噴霧混合物から一段階流動床法によって得られ、その際、ガス導入温度は、80°〜180℃であり、そしてガス出口温度は40°〜95℃である。 欧州特許出願第EP 392 608号は、粒子サイズが12μ未満、好ましくは5μ未満である粉末状シクロデキストリン錯体の製造方法を開示している。これを実施するのに適した方法としては、噴霧乾燥及び凍結乾燥が含まれる。‘608出願では、小さな粒径のCDは、多くの場合、低い注入性(pourability)又は流動性を示し、発塵((dusting))しやすくなりうると記載されている。このため、当分野では、少なくとも50μの粒径を有するシクロデキストリン錯体粒子を使用することが示唆されている。 Lisらへの米国特許出願公開第20030065167号は、直接圧縮可能なβ−CDの製造方法を開示している。その方法には、水和したβ−シクロデキストリンを水分含量6質量%未満、好ましくは4質量%未満、そしてさらにより好ましくは2質量%未満又はそれに等しくなるまで脱水し、その後、水分含量10質量%を超える、好ましくは12質量%を超える、そしてさらにより好ましくは13質量%を超える又はそれに等しくなるまで強制的に再水和させる工程が含まれる。 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)を含むシロップから得たヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)の製造における乾燥工程又は仕上げの工程の影響を調査した。Sikorskiらへの米国特許出願公開第20030028014号は、凝集したHP−β−CD及びその製造方法を開示している。凝集した生成物は、ダブルドラム乾燥機中で製造される。低い発塵及び水中で良好に溶出することが報告されている。この生成物の粒径は約30〜200μである。 Fuertesらへの米国特許第5,756,484号は、粉状のHP−β−CD組成物及びその製造方法を開示している。HP−β−CDは、中心となる粒径が微粒子を含まず、水性媒体中で溶出する能力がかなり改善されている。HP−β−CDは、HP−β−CD粒子の移動粉状床にHP−β−CDの溶液を噴霧することによって製造される。 親シクロデキストリンの物理的及び化学性質は、ヒドロキシル基を他の官能基で誘導体化することによって修飾することができる。そのような誘導体の一つが、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンである。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)誘導体は、それらの使用が広範囲にわたるのでよく知られている。SAE−CD誘導体は、薬物の可溶化及び/又は安定化に特に有用である。βシクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体(SBE−β−CD)、特にシクロデキストリン分子当たり平均約7個の置換基を有する誘導体(SBE7−β−CD)は、CAPTISOL(R)としてCyDex社によって商業化されている。アニオン性スルホブチルエーテル置換基は、親シクロデキストリンの水溶解度を劇的に改善する。さらに、電荷の存在は、ヒドロキシプロピル誘導体と比較して、コレステロールと錯体形成するための分子の能力を低下させる。薬物とCAPTISOL(R)シクロデキストリンとの可逆的な非共有結合性の錯体形成は、一般に水溶液中での薬物の溶解度と安定性を高めることができる。 噴霧乾燥によって製造されたCAPTISOL(R)は、商業的な製剤VFEND(R)及びGEODON(R)中に使用される。それは、医薬製剤に使用するための主要なシクロデキストリン誘導体であり、従って産業に重要である。 SAE−CD誘導体の製造方法は、多様であるが、一般に、スルホアルキル化してその後に単離する一般的工程が含まれる。SAE−CDの化学的性質プロファイルは、スルホアルキル化工程中で確立される。例えば、スルホアルキル化中の反応条件を変えることで、SAE−CD中のスルホアルキル基の平均置換度及び平均位置化学的分布を変化させることができる。スルホアルキル官能基のアルキル鎖長は、使用するスルホアルキル化剤によって決まる。そして、アルキル化中に特定のアルカリ化剤を使用すると、スルホアルキル化後にイオン交換工程を実施しなければ、特定のSAE−CD塩が形成されることになると考えられる。 一般に、スルホアルキル化工程の公知の方法には、例えば、以下が含まれる:1)誘導体化されてない親シクロデキストリンをアルカリ性条件下でアルキル化剤、例えばアルキルスルトン又はハロアルキルスルホネートに暴露し;2)反応環境にさらなるアルカリ化剤を場合により添加して過剰のアルキル化剤を消費し;そして3)反応媒体を酸性化剤で中和する。大多数の文献の方法は、水性媒体中でスルホアルキル化工程を実施しているが;しかし、いくつかの文献は、スルホアルキル化の反応溶媒としてピリジン、ジオキサン又はDMSOの使用を開示している。文献は、スルホアルキル化反応を促進するために、アルカリ化剤の使用を開示している。スルホアルキル化工程終了後、SAE−CDの単離及び精製を実施する。 スルホアルキル化及び中和後のSAE−CDのいくつかの異なる単離方法が記載されている。一般に、SAE−CDを含む水性液体を乾燥して水を除去し、固形物を形成する。文献は、SAE−CDを含む水溶液からの脱水についての種々の方法を示唆している。このような方法には、慣用の凍結乾燥、噴霧乾燥、オーブン乾燥、真空オーブン乾燥、減圧下の回転蒸発、真空乾燥又はバキュームドラム乾燥が含まれる。例えばMa (S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261−266)、CAPTISOL(R)(スルホブチルエーテルベータ−シクロデキストリンナトリウム;Pharmaceutical Excipients 2004; Eds. R. C. Rowe, P. J. Sheskey, S. C. Owen; Pharmaceutical Press and American Pharmaceutical Association, 2004)及びSAE−CD誘導体の製造に関する他の文献を参照のこと。 従って、当分野では、特定の非化学的物理的性質プロファイルを有するSAE−CD誘導体の製造及び使用方法における教示が不足している。SAE−CDが医薬産業にとって重要であれば、形態を特定の目的に合わせることができるような特定の非化学的物理的性質プロファイルを有するSAE−CD誘導体を提供することは、当分野における有意な改善となりうる。 本発明は、SAE−CDの公知の乾燥粉末組成物にある欠点を克服することを目的とする。 このように、誘導体化されたシクロデキストリン−ベースの、例えばスルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)−ベースの組成物が提供される。本発明のSAE−CD組成物は、主要な活性剤が除かれている。しかしながら、組成物は、予想外に有益な物理的性質を有し、これはSAE−CDを含む水性媒体から水を除去するのに用いた方法の結果として得られた。本発明の方法によって製造される組成物は、粒子状形態の固体SAE−CDを提供する。 種々の技術によりSAE−CDの物理的性質を調節してさまざまなグレードのSAE−CD(SAE−CDグレード又はSAE−CD組成物)が得られ、その際、それぞれは、錠剤、カプセル、調製可能な粉末(constitutable powder)、乾燥粉末吸入器、サシェ、トローチ及びロゼンジのような特定の剤形に使用するために合わせられる。また、改善された取扱い、包装、保存及び活性に関連する他の方法のために性質を修正することができる。また、対イオンの特徴、SAE−CDを製造する親シクロデキストリンのアルキル鎖長、平均置換度、又は環サイズを変えることによって化学的性質を特定の使用に合わせることができる。また、SAE−CDの非化学的物理的性質を変えることによって、例えば平均粒径(mean or average particle diameter)、粒径分布のスパン、SAE−CDの水分含量、SAE−CD粒子の表面特性、粒子の溶出速度、嵩密度、タップ密度、Carr指数、圧縮率、流動性などを変えることによって性質を特定の使用に合わせることができる。 本発明のSAE−CD組成物は、公知のSAE−CD組成物、すなわち、スルホアルキル化後の工程が異なる公知の方法に従って製造されたものよりも多くの利点を有する。本明細書におけるSAE−CD組成物は、予想外に改善された水溶出速度、圧縮破砕強度(compression crushing strength)、錠剤化の容易さ、及び/又は改善された固形物の取扱いを提供する。 SAE−CD組成物の1つの形態として、水分含量約20質量%以下のものが提供される。SAE−CD組成物は、活性剤の全て又は実質的に全てがSAE−CDと錯体形成しないように、活性剤との混合物で乾燥製剤中に含まれうる。SAE−CD組成物は、1つ又はそれ以上の賦形剤との混合物で乾燥製剤中に含まれうる。また、SAE−CD組成物は、調製可能な製剤中に含まれうる。 本発明の粒子状SAE−CD組成物は、以前から公知のSAE−CD組成物、例えば噴霧乾燥によって製造されたものよりもより急速に溶出しやすいという形態学的及び物理化学的性質を有する。本明細書に記載された方法によって製造されるSAE−CD組成物は、形態学的及び物理化学的性質の特定の組み合わせを有する。いくつかの実施態様において、方法は流動床噴霧凝集による。いくつかの実施態様において、粒子状SAE−CD組成物は、流動床噴霧造粒によって製造され、生成したSAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集によって製造されるSAE−CD組成物とは物理的性質の異なる組み合わせを有する。 SAE−CD粒子が公知の方法によって製造される場合、それらは、本発明のSAE−CD組成物に見出される物理的性質の有益な組み合わせを有しない。本明細書に開示されるSAE−CD組成物は、以下の方法によって製造される:水及びSAE−CDを含む水性液体フィードを用意し;そして液体フィードに、組み合わせた流動床噴霧乾燥法を実施し、それによってSAE−CDを凝集(及び/又は粒状化)させ、そして潮解点より下に乾燥させて、凝集(及び/又は粒状化)した粒子を含む粒子状SAE−CD組成物を形成し、その際、SAE−CD組成物の粒子容積の少なくとも90%は、約25ミクロンを超える又はそれに等しい算出直径を有する粒子でできている(10%の累積容積分率の粒径カットオフは、25ミクロン又はそれ以上である)。SAE−CD組成物は、USP<616>方法1に従って測定した場合、約0.66〜0.75g/cm3又は約0.49〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度及び/又はUSP<616>方法1に従って測定した場合、約0.55〜0.66g/cm3又は約0.38〜約0.66g/cm3の範囲の嵩密度を有することができる。特定のSAE−CD組成物では、タップ密度は嵩密度より高い。 SAE−CD組成物の水分含量は、その潮解点より下にある。しかしながら、特定の実施態様として、≦18%質量%、≦16%質量%、≦15%質量%、≦10%質量%、又は≦5%質量%の水分含量を有するものが含まれる。 SAE−CD組成物は、粒子状であり、そして約92〜約200ミクロン、又は約110ミクロン未満若しくはそれに等しい、又は約200ミクロン未満若しくはそれに等しい平均粒径を有する。平均粒径は、Malvern機器を用いて実施例3に従って測定した。この機器は、小角レーザー光散乱により粒径を測定し、そして推定される球面形状容積に基づいて粒径を算出する。「平均粒径」なる用語は、容積モーメント平均(volume moment mean)として定義され、別途、De Brouckere平均径、D[4,3]として知られている。SAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒によって製造することができる。 本発明のSAE−CD組成物は、打錠での使用に関して、以前から公知のSAE−CD組成物よりも、製剤をより適切なものにする物理的性質の組み合わせを有する。例えば、SAE−CD組成物は、約30〜約275MPaの範囲のPmax(ピーク圧縮圧力)を用いてSAE−CD組成物200mgを直径0.345インチの錠剤に圧縮した時に、約1.0〜約20kPの範囲の圧縮破砕強度を有し、そしてSAE−CD組成物は、LODで測定して約2〜約3質量%の範囲の水分含量を有する。別法として、SAE−CD組成物は、約15〜70MPaの範囲のPmax MPaを用いてSAE−CD組成物200mgを直径0.345インチの錠剤に圧縮した時に約0.5〜11KPの範囲の圧縮破砕強度を有し、そしてSAE−CDは、約5〜6質量%の範囲の水分含量を有する。 SAE−CD組成物は、慣用の噴霧乾燥によって製造されたSAE−CDのものより水中でより速い溶出速度を有する。SAE−CD組成物2.5gを実施例6に従って試験した場合、水中に置いた時に、平均溶出時間は2.5分若しくはそれ未満又は4.5分若しくはそれ未満、又は3.5分若しくはそれ未満である。 本発明により、有益な流動性を有するSAE−CD組成物が提供される。例えば、SAE−CD組成物は、重力流動最小オリフィス径(gravitational−flow minimum orifice diameter)が約3〜7mm若しくは4〜6mm、又は約10mm未満若しくは約20mm未満である。実施例5の方法に従って重力流動最小オリフィス径を測定することができる。 SAE−CD組成物の密度は、制御することができる。SAE−CD組成物は、1.25〜1.35g/cm3又は1.1〜1.5g/cm3の真密度を有する。SAE−CD組成物の実施態様には、USP<616>方法1に従って実施した時に、約0.55〜約0.66g/cm3、約0.38から約0.55g/cm3未満、又は約0.38〜約0.66g/cm3の嵩密度を有するものが含まれる。他の実施態様は、USP<616>方法1に従って実施した時に、約0.66〜約0.75g/cm3、又は約0.49〜約0.66g/cm3若しくは約0.49〜約0.75g/cm3のタップ密度(tapped density)を有する。さらに又は別に、SAE−CD組成物は、約24%若しくはそれ未満又は18%若しくはそれ未満又は16%若しくはそれ未満のCARR指数を有する。 本発明の別の態様は、潮解点より下の水分含量、約0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度、及び約0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度、約24%又はそれ未満のCARR指数;及び場合により約18質量%未満の水分含量、場合により約1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度、場合により約20mm未満の重力流動最小オリフィス径を有し、場合により、その際、SAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒によって製造される、SAE−CD組成物を提供する。 別の態様としては、錠剤化賦形剤、カプセル賦形剤、DPI(乾燥粉末吸入器)賦形剤、押出賦形剤、PMDI(加圧定量吸入器)賦形剤、DPI又はPMDIによる薬物送達用の担体、口腔分散性錠剤賦形剤、摂取可能な粉末、乾式粒状賦形剤、ペレット化賦形剤、ノンパリエル種(non−pariel seeds)、エアロゾル化可能な粉末、及び/又は調製可能な粉末賦形剤としてのSAE−CD組成物の使用が提供される。 SAE−CD組成物は、1つ又はそれ以上の活性剤及び場合により1つ又はそれ以上の賦形剤を含んでなる製剤(例えば固体、液体、ゲル、懸濁液、乳濁液又は他の公知の製剤)中に含まれうる。したがって、また、本発明は、活性剤をさらに含む製剤としてSAE−CD組成物を被験者に投与することによる疾患又は障害の治療方法を提供する。 一実施態様において、SAE−CD組成物の性質は、乾燥粉末吸入器からの分散液を最適化するためにさまざまな生理化学的性質を薬物粒子の性質に合わせるべく調節することができる。 本発明のさらなる実施態様は、以下のものからなる:1)SAE−CD組成物が、式1の化合物又はその混合物である;2)SAE−CD組成物を含んでなる製剤がさらに、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、透過増強剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤又はそれらの組み合わせを含む;及び/又は3)SAE−CDが、式2の化合物又はその混合物である。 本発明の別の態様は、改善された固形製剤を提供し、その改善は、製剤中に本発明のSAE−CD組成物を含み、その際、SAE−CDは、流動床噴霧乾燥法(凝集又は造粒)によって製造されるか、又はSAE−CD組成物が本明細書に定義された物理的性質プロファイルを有することからなる。本発明のこれらの及び他の態様は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲及び添付の図面を参照して明らかである。 以下の図面は、説明のためにのみ記載され、従って本発明の範囲を制限しようとするものではない。 図1は、本発明に従って製造されたSAE−CD組成物の典型的なバッチのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。SAE−CD粒子は、スルホアルキル化後が異なる方法に従って製造された。 図2は、典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。 図3は、別の典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。 図4は、異なる水分量を含む本発明のSAE−CD組成物についての破砕強度と圧縮圧力の関係を示すグラフである。本発明の詳述 SAE−CD組成物は、特定用途に使用するために適合させられる。それらの用途に使用する場合、本SAE−CD組成物は、それらの用途で以前から公知のSAE−CD組成物よりも有益であり、改善された性能が得られる。仕上げ条件(スルホアルキル化後の工程;スルホアルキル化工程の後に生じる工程)を変えることによって、SAE−CDの物理化学的及び形態学的性質を改良することができる。例えば、乾燥及び単離条件を変えることによって異なるSAE−CD組成物を得ることができる。 本発明のSAE−CD組成物は、摩滅(attritting)を必要としなくとも、摩滅させてなおさらに改良されたSAE−CD組成物を提供することができる。例えば流動床噴霧乾燥によって製造されたSAE−CD組成物を摩滅させると異なる嵩密度、タップ密度及び/又は粒径を有するSAE−CD組成物を得ることができる。本明細書に使用されるように、摩滅なる用語は、その粒径を小さくするために固形物を物理的に研磨することを意味する。医薬産業で使用されるこのような方法はいずれも本発明の方法に使用するために適している。摩滅方法には、例えば超微粉砕、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ピンミル粉砕、タンブリング(tumbling)、篩分け、及び乳鉢と乳棒が含まれる。低及び高エネルギー方法の両方を使用することができる。 本発明は、異なる物理的性質の組み合わせを有し、活性剤又は医薬賦形剤は除かれたスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの組成物を意味する、「SAE−CD組成物」を提供する。SAE−CD組成物に関しては、「除かれた」なる用語は、意図的に加えてないことを意味する。従って、SAE−CD組成物は、その製造方法に内在する賦形剤を含むことは可能である。例えば、第1のSAE−CD組成物は、物理的性質の第1の組み合わせ、すなわち第1の物理的性質プロファイルを有し、そして第2のSAE−CD組成物は、物理的性質の第2の組み合わせを有する。物理的性質の異なる組み合わせによって、第1のSAE−CD組成物は、特定の使用にとってより有益であり、そして第2のSAE−CD組成物は、別の特定の使用にとってより有益である。 本発明は、SAE−CDが式1の化合物又はその組み合わせであるSAE−CD組成物を提供する: 式中: nは4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基であり、ここにおいて、R1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、好ましくは−O−(CH2)mSO3-基であり、ここにおいて、mは2〜6、好ましくは2〜4(例えば−OCH2CH2CH2SO3-又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-)であり;そしてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンであり、それには、例えばH+、アルカリ金属(例えばLi+、Na+、K+)、アルカリ土類金属(例えばCa+2、Mg+2)、アンモニウムイオン及びアミンカチオン、例えば(C1−C6)−アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C1−C6)−アルカノールアミン及び(C4−C8)−シクロアルカノールアミンのカチオンが含まれる。 本発明のSAE−CD組成物の製造に使用するためのSAE−CD原料物質の適切な製造方法は、Stellaらへの米国特許第5,376,645号、同第5,874,418号及び同第5,134,127号;Parmerterらへの米国特許第3,426,011号;Lammersら(Recl. Trav. Chim. Pays−Bas (1972), 91(6), 733−742);Staerke (1971), 23(5), 167−171);Quら(J. Inclusion Phenom. Macro. Chem., (2002), 43, 213−221);Yoshinagaへの米国特許第5,241,059号;Shahへの米国特許第6,153,746号;StellaらへのPCT国際公開第WO 2005/042584号;Adamら(J. Med. Chem. (2002), 45, 1806−1816);ZhangらへのPCT国際公開第WO 01/40316号;Tarverら(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2002), 10, 1819−1827);Ma (S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261−266);Jungら(J. Chromat. 1996, 755, 81−88);及びLunaら(Carbohydr. Res. 1997, 299, 103−110)に開示されており、それらの全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 SAE−CD原料物質は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いる流動床噴霧乾燥法で使用される液体フィード中に含まれる。 また、本発明のSAE−CD組成物は、誘導体化されたシクロデキストリン(SAE−CD)及び誘導体化されてないシクロデキストリンの組み合わせを含むことができる。例えば、SAE−CD組成物は、存在する全シクロデキストリンの0〜50質量%未満の量で誘導体化されてないシクロデキストリンを含むように製造することができる。SAE−CD組成物の典型的な実施態様には、誘導体化されてないシクロデキストリン0〜5質量%、5〜50質量%、5%未満、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、又は50%未満を含むものが含まれる。 「アルキレン」及び「アルキル」なる用語には、それぞれ、本明細書に使用されるように(例えば、−O−(C2−C6−アルキレン)SO3-基中又はアルキルアミン中)、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和(すなわち、1つの二重結合を含む)二価のアルキレン基又は一価のアルキル基が含まれる。同様に、本明細書中の「アルカノール」なる用語には、アルカノール基の直鎖、環式及び分枝鎖の飽和及び不飽和アルキル成分の両方が含まれ、その際、ヒドロキシル基は、アルキル部分のい任意の位置に存在することができる。「シクロアルカノール」なる用語には、非置換の又は置換された(例えば、メチル又はエチルによって)環式アルコールが含まれる。 本発明のいくつかの実施態様では、式(I)に示された構造を有する単一タイプのシクロデキストリン誘導体を含んでなる組成物であって、組成物が、全体としてシクロデキストリン分子当たり平均して少なくとも1個、そして多くとも3n+6個のアルキルスルホン酸部分を含む前記組成物が提供される。また、本発明は、置換度について狭い又は広い範囲及び高い又は低い置換度を有するシクロデキストリン誘導体を含んでなる組成物を含む。これらの組み合わせは、特定の性質を有するシクロデキストリンを得るために、必要に応じて最適化することができる。 典型的なSAE−CD誘導体としては、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE11−β−CD、SBE7−γ−CD及びSBE5−γ−CDが含まれ、これらは式Iにおいて、それぞれn=5、5、5、6及び6;mは4であり;そしてそれぞれ平均して4、7、11、7及び5個のスルホアルキルエーテル置換基が存在する、式IのSAE−CD誘導体に相当する。他の典型的なSAE−CD誘導体としては、式2において、SAEがスルホメチルエーテル(SME)、スルホエチルエーテル(SEE)、スルホプロピルエーテル(SPE)、スルホブチルエーテル(SBE)、スルホペンチルエーテル(SPtE)、又はスルホヘキシルエーテル(SHE)であり;R(親シクロデキストリンの環構造)がそれぞれα、β又はγである時、x(平均又は特定の置換度)が1〜18、1〜21、1〜24であり;そしてCDはシクロデキストリンである式SAEx−R−CD(式2)のものが含まれる。SAE官能基は、本明細書に開示された又は一般に任意の酸性基の対イオンとして医薬産業で使用されるカチオン性対イオンが含まれる。 SAE−CDはポリアニオン性シクロデキストリンであるため、さまざまな塩の形態で得ることができる。SAE官能基に適切な対イオンとしては、カチオン性有機原子又は分子及びカチオン性無機原子又は分子が含まれる。SAE−CDは、単一タイプの対イオン又は異なる対イオンの混合物を含むことができる。SAE−CDの性質は、存在する対イオンの特徴を変えることによって修正することができる。例えば、SAE−CDの第1の塩形態は、SAE−CDの異なる第2の塩形態よりもより大きい静電荷を有することができる。カルシウム塩の形態は、ナトリウム塩の形態よりもより電気的陰性であることがわかっている。同様に、第1の置換度を有するSAE−CDは、異なる置換度を有する第2のSAE−CDよりもより大きい静電荷を有することができる。 SAE−CD組成物を肺内投与しようとする場合、中央粒径(median particle diameter)は、約0.1〜約10ミクロン又は約0.5〜約6.4ミクロンの範囲にあることができる。粒子が気道のより低い領域、すなわち、肺胞及び末端気管支に到達することが望ましい場合、中央粒径の範囲は、約0.5〜約2.5ミクロンの範囲であることができる。粒子が上気道に到達することが望ましい場合、粒径範囲は、2.5ミクロンと10ミクロンの間でありうる。この中央粒径サイズを有するSAE−CD組成物は、より大きい中央粒径範囲を有するSAE−CD組成物を摩滅させることによって製造することができる。 また、SAE−CD組成物の粒径スパン(比率=(90パーセンタイルの平均粒径−10パーセンタイルの平均粒径)/50パーセンタイルの平均粒径として定義される)は、その性能に影響を及ぼすことがある。本発明では、広い、中程度の及び狭い粒径分布を有するSAE−CDを使用することができる。より大きいスパンは、より広い粒径分布を表しており、そしてより小さなスパンは、より狭い粒径分布を表している。特定の実施態様としては、スパンが約1.5〜2.9、1.1〜1.9又は1.4〜1.7の範囲にあるものが含まれる。 粒子はサイズの分布として存在するため、分布は単峰性、二峰性又は多峰性であることがあり、単峰性の分布が好ましい。 SAE−CD組成物は、凝集した及び凝集してない粒子を含んでなる粒子状組成物である。凝集した粒子は、流動床噴霧乾燥によって製造することができ、それには凝集及び/又は造粒が含まれうる。凝集なる用語は、造粒と互いに交換可能に使用することができ、組成物中に分散された微粒子が組成物中の他の粒子と融合してより粗い粒子状組成物を形成し、それによって微粒子の量が減り、組成物の全体的な平均粒径を高める方法を意味するものとする。生成した粒子が集まったものは、凝集物又は粒状物と称することができる。本発明のSAE−CD組成物は、他の方法に従って製造された他のSAE−CD組成物とはSEMによって識別可能である。図1は、流動床噴霧乾燥によって製造された典型的なSAE−CD組成物のSEMを示す。粒子は、粗い表面構造を有し、凝集した粒子の実質的な量を含む。 SAE−CD組成物の典型的な製造方法としては、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒が含まれる。 図2は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いられることができる典型的な流動床噴霧乾燥器系を示す。この系は、液体フィードタンク(1)、円筒状流動床噴霧乾燥ユニット(2)、サイクロン粒子分級機(3)、完成した製品捕集容器(4)、ガス濾過ユニット(5)、廃棄製品の捕集容器(6)、コンデンサー(7)、及び流動床室(8〜10)を含んでなる。系は、以下の通り操作することができる。プロセスを開始するには、SAE−CD原料物質を含む水性液体フィードを、タンク(1)から導管(M)を経て乾燥機(2)に移す。液体フィードは、乾燥室中で熱ガス流(A)に対して向流方式で霧化され、粒子の最初の流動床を形成する。形成された微粒子は、乾燥室から排出され、導管(B)を経てサイクロン(3)に運ばれ、ここで粒子が分級され、そして適当なサイズの(appropriately−sized)微粒子を液体フィードに隣接した場所に並流様式で導管(C)を経て乾燥室の上部に戻す。さらなる液体フィードが乾燥室中に霧化されると、より大きい粒子及び微粒子が形成され、そしてより大きい粒子(「微細」粒子とみなされないもの)が、室(8)中で流動床を形成する。粒子が意図された平均粒径サイズに到達した場合、室(9)及び、続いて室(10)に導かれる。それぞれの室は、それ自体のガス入口を備えており、そして粒子の流動床を含む。室(8)のガス入口は、主要熱ガス流(A)であり、乾燥室(8)中の粒子床を流動化する。室(9)のガス流(N)は、流れ(A)よりも温度が低く、そして流れ(P)は温度がさらに低い。粒子は室(8)から室(9)、次いで室(10)に移動するにつれて、冷却される。完成したSAE−CD組成物は、室(10)から集められ、導管(F)を経て容器(4)に導かれる。室(9)及び(10)中に存在する微粒子は、導管(G)を経てサイクロン(3)に運ばれる。サイクロンから出るガスは、導管(H)を経てフィルターユニット(5)に導かれ、なんらかの粒子を集めるか、さもなければサイクロンによって乾燥室にリサイクルされる。フィルターユニット中に集められた粒子は、可能な再処理のため捕集容器(6)に装填される。ガスはフィルターユニットから出て、コンデンサー(7)を通して導かれ、これによりガスから水分が除去される。最終的に、ガスは排出されるか、又は導管(L)及び/又はガス流(A、N又はP)を経て乾燥室に戻るかのいずれかである。 図3は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いることができる別の典型的な流動床噴霧乾燥器系を示している。この系は、図2のものと類似している;しかし、それは、室(9〜10)、粒子−リサイクル導管(G)、及び冷却器(7)が除かれている。さらに、サイクロンは、導管(C)、続いて導管(C1)及び/又は導管(C2)を経て乾燥室に微粒子を戻す。微粒子が導管(C1)を経て乾燥室に導入される場合、乾燥室中に霧化される液体フィードの流れと並流方式で導入される。微粒子が導管(C2)を経て乾燥室に導入される場合、微粒子は、乾燥室及び/又はガス入口(L)に導入されるガス流(A)の流れに対して接線方向又は垂直方向に導入される。この典型的な系は、濾過ユニットから乾燥室にガスを戻さないことに留意すべきであるが;そのように改造することができる。 このような流動床室中のほとんどの粒子は、通常、霧化された液体フィードの雲の高さに到達しない。しかし、プロセス中に形成され、リサイクルされて乾燥室に戻る微粒子は、液体フィードアトマイザーに隣接した場所に又はアトマイザーと流動床との間の場所に導入することができる。 いずれの系の操作中も、床の流動化、乾燥速度、微粒子の分級、及び/又は乾燥室中への微粒子の供給速度を変更するため、ガス流の流れは、系内で種々の場所で調整することができる。流動床噴霧乾燥法には、液体担体及び場合によりSAE−CDを含む液体フィード(溶液、懸濁液又はスラリー)を供給し;第1の平均粒径を有するSAE−CD粒子の流動床を乾燥室に供給し、ここで、床は第1の方向に流れる熱ガス流により流動化され;乾燥室中で流動床上へ液体フィードを霧化してより大きい第2の平均粒径を有する凝集粒子を含む粒子状SAE−CD組成物を形成し、ここにおいて霧化を第2の方向で実施し、そして大多数の液体担体を粒子状組成物から除去し;そして粒子状組成物を集めてSAE−CD組成物を形成することが含まれる。 方法の具体的な実施態様としては、以下のものが含まれる:1)方法が粒子状組成物中の一部のより小さな粒子をリサイクルして乾燥室に戻すことをさらに含む;2)リサイクルされた粒子部分が液体フィードの導入点に隣接した場所で乾燥室に導入される;3)リサイクルされた粒子部分が、液体フィードが乾燥室中に導入される方向に対して接線方向又は垂直方向で乾燥室中に導入される;4)リサイクルされた粒子部分が、乾燥室の円錐部に隣接した場所で乾燥室中に導入される;5)方法が、並流方式で実施される;6)方法が、向流方式で実施される;7)方法が、混流方式(mixed flow manner)で実施される;8)粒子状組成物が液体担体を18質量%未満含む;9)液体担体が水性である;10)液体フィードがSAE−CDを含む;11)SAE−CD組成物が本明細書に記載されたような物理的性質の組み合わせを有する;及び12)流動床噴霧乾燥器が、円筒状及び/又は円錐形の乾燥室を有する。 並流流動床噴霧乾燥法では、乾燥室中の霧化された液体フィードの流れの方向は、粒子床の流動化に用いる熱空気流の方向と同じである。噴霧器は、噴霧ノズル又は回転噴霧器(例えば回転ディスク)であることができる。空気流は、主に層流又は乱流が生じるように制御することができる。 向流流動床噴霧乾燥法では、床を流動化するのに用いる熱空気は、霧化された液体フィードと反対方向に乾燥室中を移動する。 混流流動床噴霧乾燥法では、粒子は、並流及び向流相の両方で乾燥室中を移動する。この様式では、入って来る気流中に上向きに噴霧するノズル噴霧器又は組み込まれた流動床の方へ下向きに液滴を噴霧する噴霧器を使用する必要があり、その際、空気の入口及び出口は、乾燥室の最上部に位置する。さらなる空気入口は、上向きに直接流れて粒子の床を流動化する。 乾燥室中に流動床を形成するために使用される微細な又は小さな粒子は、例えば噴霧乾燥、ミル粉砕、粉砕、その他、摩滅、篩分け又は他の適切な手段によって別に製造することができる。別法として、微粒子は、慣用の噴霧乾燥器として装置を操作し、続いて流動床噴霧乾燥器として装置を操作することによってその場で製造することができる。一実施態様において、微細な又は小さな粒子は、乾燥室から除去された物質からそれらの粒子を分離して微細な又は小さな粒子を乾燥室へ戻してリサイクルすることによって得られる。本発明は、それによって微粒子を乾燥室に導入する、及び/又は霧化された液体フィードの乾燥によってその場で生成する方法を含む。 本発明の方法は、連続的又は半連続的(semicontinuous)なやり方で運転することができ、それによってSAE−CD原料物質を含む液体フィードは、連続的に又は半連続的に乾燥室に導入され、SAE−CD組成物は、連続的に又は半連続的に流動床から除去される。 液体フィードに使用される水性液体担体は、溶液又はスラリーであることができ、別の物質、例えば反応環境のスルホアルキル化反応及びその後の塩基性化の副生物を含んでもよいし又は含まなくてもよい。本明細書に使用されるように、液体担体は、固形物の凝集又は造粒に使用される医薬科学で用いられるすべての水性媒体である。 液体フィードのSAE−CD固形物含量は、固形物0.1〜80質量%、10〜70質量%、30〜70質量%、又は40〜60質量%の範囲であることができる。液体フィードのいくつかの実施態様は、以下を含む:1)スルホアルキルエーテルシクロデキストリン及び水のみ;又は2)スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、水及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの製造に使用される合成方法の副生物のみ。液体フィードに使用されるスルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、本明細書では時々スルホアルキルエーテルシクロデキストリン原料物質と称する。 液体フィードは、乾燥室へ入る前に冷却又は加熱することができる。温度は液体フィードの粘度の制御に用いることができ:温度が高いほど、粘度は低くなる。液体フィードの温度は、0℃〜100℃、又は周囲温度〜70℃であることができる。 系を通じて粒子を導くのに使用されるガスは、一般に空気、ヘリウム又は窒素のようなガスである。系は、操作、パージ及び補充用にガスを装填するためのガス給気ユニットを含むことができる。 入口ガスの温度は、粒子の乾燥速度、製造速度、凝集の程度、SAE−CD組成物の水分含量及び/又は凝集のタイプを制御することに用いることができる。温度は、約100°〜約300℃、約130°〜約180℃、約150°〜約170℃、又は約210°〜約250℃で変化させることができる。 SAE−CD組成物は、約3〜7mm又は4〜6mm、又は約10mm未満又は約20mm未満の範囲の重力流動最小オリフィス径(gravitational−flow minimum orifice diameter)を有する。用語「重力流動最小オリフィス径」は、SAE−CD組成物が許容しうるバルク流を供給するであろうオリフィスの最小直径を意味する。以下、例を挙げてさらに用語を定義する。このパラメーターは、実施例5の方法に従って測定され、その際、FLOWDEX (Hanson Research Corp., Northridge, CA)装置が使用される。本発明者らは、慣用の噴霧乾燥によって製造されるよりも実質的に異なる最小オリフィス径を有するSAE−CD組成物の製造に成功した。 SAE−CD組成物は、圧縮率約24%若しくはそれ未満、又は圧縮率18%若しくはそれ未満、又は圧縮率16%若しくはそれ未満のCARR指数(CARR's index)を有する。これに関して使用されるように、「圧縮率」とは、タップ密度測定中に粒子状の塊が受ける相対的なパーセント縮小のことである。CARR指数は、SAE−CD組成物の圧縮率の尺度である。それは、物質の嵩密度及びタップ密度に基づく。CARR指数は、下記で実施例8に従って測定した。本発明者らは、噴霧乾燥、凍結乾燥又は噴霧凝集によって製造された他のSAE−CD組成物とは実質的に異なるCARR指数を有する噴霧凝集されたSAE−CD組成物の製造に成功した。 SAE−CDは、約1.25〜1.35g/cm3又は1.1〜1.5g/cm3又は1.29〜1.32g/cm3の範囲の真密度を有する。真密度は、下の実施例8に従って測定した。本発明のSAE−CD組成物は、噴霧乾燥によって製造されたSAE−CD組成物とは実質的に異なる真密度を有する。 SAE−CD組成物は、約0.55〜0.66g/cm3、約0.38〜0.55g/cm3未満、又は約0.38〜約0.66g/cm3の嵩密度を有する。本発明の噴霧凝集法に従って製造されたSAE−CD組成物は、別の噴霧乾燥凝集法によって製造されたSAE−CD組成物のものよりもより高い嵩密度を有する。 SAE−CD組成物は、USP<616>方法1に従って実施した時に約0.66〜0.75g/cm3、又は約0.49〜0.66g/cm3又は約0.49〜約0.75g/cm3のタップ密度(タップ密度)を有する。本発明の噴霧凝集法に従って製造されたSAE−CD組成物は、別の噴霧乾燥凝集方法によって製造されたSAE−CD組成物のものもより高いタップ密度を有する。 固体SAE−CD組成物は、錠剤、特に打錠の製造に使用することができるため、異なるピーク圧縮圧力でのその圧縮破砕強度を、異なる水分含量を有するSAE−CD組成物で測定した。実施例7の方法は、この関係を測定するのに使用した。SAE−CD組成物の性能を、錠剤製剤の製造の一般に使用される3つの賦形剤であるAvicel pH200、ラクトース及びDicalのものと比較した(図4)。本発明のSAE−CD組成物は、その水分含量、粒子サイズ及び/又は粒子の形状を変えることによってその圧縮挙動を改善できるため高度に有益である。 「そのまま(as is)」使用した、すなわち流動床噴霧乾燥法から得、そして飽和硝酸マグネシウムで平衡化(B3 Eq及びB4 Eq)した本発明のSAE−CD組成物(SBE7−β−CD)試料(B3,B4)について、メガパスカル(MPa)単位のピーク圧縮圧力(Pmax)に対するキロポンド(kP)単位の錠剤の硬度又は錠剤の破砕強度(Crushing Strength)を示した。それらの試料の性能を商業的な直接圧縮バルク賦形剤、例えば微結晶性セルロース又はMCC(Avicel PH 200, FMC)、ラクトース一水和物(SuperTab, The Lactose Co. of New Zealand)、リン酸一水素カルシウム二水和物(Emcompress, Penwest Pharm Co.)のものと比較した。本研究で使用する工具について、100MPaは約6kNの力に等しい。本発明のSAE−CD組成物の「そのまま」の水分含量は、Computrac Model 2000XL (Arizona Instruments, Tempe, AZ)により110Cで乾燥減量(Loss on Drying)(LOD)によって測定してB3及びB4についてそれぞれ2.77%及び2.36%であった。LODによって測定された平衡化後の水分含量は、B3 Eq及びB4 Eqについてそれぞれ5.46%及び5.50%であった。 例えば約2〜約3質量%の範囲の低レベルの水分含量(104°〜110℃で運転するLODによって測定した)では、SAE−CD組成物は、約30〜約275MPa(メガパスカル)の範囲のPmax(ピークの圧縮圧力)を用いて打錠される時に約1〜約20kP(キロ池)の範囲の圧縮破砕強度を有した。例えば約5〜約6質量%(LODによって測定した)の範囲の高レベルの水分含量では、SAE−CD組成物は、約15〜約70MPaの範囲のPmaxを用いて打錠した時に約0.5〜約11kPの範囲の圧縮破砕強度を有した。平均粒径、粒径分布、及びSAE−CD組成物の形態は、当分野の処方者に示される広くさまざまな超微粉砕された薬物の特性に合わせて容易に修正される。本発明の利点は、製剤又は製造方法、薬物の性質又は賦形剤の性質に合わせて又は補充し、それによって最適な製品を得るために、技術者がSAE−CD組成物の生理化学的性質を調節できることである。 本発明の剤形は、広範囲にわたる活性剤を投与するのに使用することができる。活性剤には、一般に動物及びヒトにおいて全身性の又は局在化された効果又は複数の効果を生じる生理学上又は薬理学上活性な物質が含まれる。また、活性剤には、農薬、除草剤、殺虫剤、抗酸化剤、植物成長促進剤(plant growth instigators)、殺菌剤、触媒、化学試薬、食料製品、栄養物、化粧品、ビタミン、鉱物、栄養補助食品、生殖不能阻害剤(sterility inhibitors)、生殖促進剤(fertility instigators)、微生物、香味料、甘味料、クレンジング剤並びに医薬、動物、園芸、家庭、食物、料理、農業、美容、工業、クリーニング、菓子及び香味料の用途のための他のこのような化合物。 活性剤は、抗生物質、抗ヒスタミン剤、鬱血除去剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、局所麻酔剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺アメーバ剤、殺トリコモナス剤、鎮痛剤、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗血液凝固剤、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗腫瘍薬、抗精神病薬、神経弛緩剤、抗高血圧剤、催眠剤、鎮静剤、抗不安賦活剤、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、筋弛緩薬、抗マラリア薬、ホルモン剤、避妊薬、交感神経様作動薬、血糖降下剤、抗高グリセリド血症薬、抗脂質異常症薬、コレステロール低下剤、胆汁酸吸収阻害剤、抗脂血剤、眼病薬、電解剤、診断剤、運動亢進剤、胃酸分泌阻害剤、抗潰瘍形成剤(anti−ulcerant agent)、抗鼓腸剤(anti−flatulent agent)、抗失禁剤、心臓血管作用薬、コルチコステロイド、B2アドレノセプター作動薬、ドーパミンD2受容体作動薬、抗コリン作動薬、IL−5阻害剤、IL−5のアンチセンスモジュレーター、乳酸ミルリノン、トリプターゼ阻害剤、タキキニン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、抗IgE抗体、プロテアーゼ阻害剤又はそれらの組み合わせのような医薬活性剤から、各場合に独立して選択することができる。 本発明に従って使用することができる他の具体的な活性剤としては、ペンタミジンイセチオウエート(pentamidine isethiouate)、硫酸アルブテロール、硫酸メタプロテレノール、フルニソリド、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、酒石酸エルゴタミン、レバルブテロール、テルブタリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、ホルモテロール、フェノテロール、クレンブテロール、バムブテロール、ツロブテロール、ブロキサテロール、エピネフリン、イソプレナリン又はヘキソプレナリン、抗コリン作用剤、例えばチオトロピウム、イプラトロピウム、オキシトロピウム又はグリコピロニウム;ロイコトリエン拮抗剤、例えばアンドラスト、イラルカスト、プランルカスト、イミトロダスト、セラトロダスト、ジレウトン、ザフィルルーカスト又はモンテルーカスト;ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばフィラミナスト又はピクラミラスト;paf阻害剤、例えばアパファント、フォラパファント(forapafant)又はイスラパファント;カリウムチャンネル開口剤、例えばアミロリド又はフロセミド;鎮痛剤、例えばモルヒネ、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、チリジン、メサドン又はヘロイン;強精剤(potency agent)、例えばシルデナフィル、アルプロスタジル又はフェントラミン;ペプチド又はタンパク質、例えばインスリン、エリスロポエチン、ゴナドトロピン又はバソプレッシン;カルシトニン、第ix因子、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー、成長ホルモン、ヘパリン、ヘパリン(低分子量)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−2、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトスタチン類似体、アミリン、毛様体神経栄養因子、成長ホルモン放出因子、インスリン様増殖因子、インスリノトロピン、インターロイキン−1受容体拮抗剤、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、マクロファージコロニー刺激因子(m−csf)、神経成長因子、副甲状腺ホルモン、サイモシンアルファ1、iib/iiia阻害剤、アルファ−1抗トリプシン、抗rsv抗体、嚢胞性線維性膜貫通調節因子(cftr)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(dnase)、殺菌性/浸透性(ards)増加タンパク質、抗cmv抗体、インターロイキン−1受容体、又はこれらの化合物の医薬上許容しうる誘導体若しくは塩が含まれる。 本明細書に記載された活性剤(薬物)は、網羅的なものとみなすべきではなく、単に本発明の範囲内にあるとみなされる多くの実施態様を例示したものである。多くの他の活性剤は、本発明の組成物と共に投与することができる。適切な薬物は、本明細書に含まれる薬物のリストからだけでなく、U.S.F.D.A.又はカナダ(カナダ保健省(Health Canada))、メキシコ(メキシコ保健省(Mexico Department of Health))、欧州(欧州医薬品審査庁(European Medicines Agency)(EMEA))、南アメリカ(特にアルゼンチン(食品薬品医療技術管理局(Administracion Nacional de Medicamentos, Alimentos y Tecnologia Medica) (ANMAT)及びブラジル(保健省(Ministerio da Saude)))、オーストラリア(保健省(Department of Health and Ageing))、アフリカ(特に南アフリカ(厚生省(Department of Health))及びジンバブエ(保健児童福祉省(Ministry of Health and and Child Welfare))又はアジア(特に日本(厚生労働省(Ministry of Health, Labour and Welfare))、台湾(行政院衛生署(Executive Yuans Department of Health))、及び中国(中華人民共和国保健省(Ministry of Health People's Republic of China)))において他の同じように認められた公共機関によって認可され、ヒト又は動物への投与に適している他のすべての薬物から選択される。本発明のいくつかの実施態様としては、活性物質が薬理学上若しくは生物学上活性である又は使用環境が哺乳動物の胃腸管であるものが含まれる。 活性剤は、その中性、イオン性、塩、塩基性、酸性、天然、合成、ジアステレオマー、エピマー、異性体、鏡像体的に純粋、ラセミ体、溶媒和物、水和物、無水物、キレート、誘導体、類似体、エステル化、非エステル化、又は他の一般的な形態で存在することができる。本明細書において活性剤と称する場合、入手可能な全てのこのような形態が含まれる。 本製剤に含まれる活性剤は、その医薬上許容しうる塩又は塩を含まない形態として存在することができる。本明細書に使用されるように、「医薬上許容しうる塩」は、活性剤を、イオン結合対を形成するのに必要な酸又は塩基と反応させることによって改質された、開示された化合物の誘導体のことである。医薬上許容しうる塩の例としては、例えば非毒性無機又は有機酸から形成された親化合物の慣用の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が含まれる。適切な非毒性塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸及び当業者に公知の他のものから誘導されるものが含まれる。有機酸、例えばアミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、その他から製造される塩は、当業者に知られている。本発明の医薬上許容しうる塩は、慣用の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親活性剤から合成することができる。他の適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th. ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985に見出され、この関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書に使用される「医薬上許容しうる」なる成句は、安全な医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症がなく、妥当なベネフィット/リスク比に相応したそれらの化合物、物質、組成物及び/又は剤形のことである。 本明細書に使用されるように、「患者」又は「被験者」なる用語は、温血動物、例えばネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジ及びヒトといったような哺乳動物を意味するものとする。本発明の製剤は、有効量で存在する活性剤を含むことができる。 「有効量」なる用語は、必要な又は所望の応答を誘発するために十分である活性剤の量(amount or quantity)、又は、換言すると、被験者に投与した時に評価可能な生物反応を誘発するのに十分な量を意味する。本発明の製剤は、1つ又はそれ以上の異なる活性剤を送達するのに用いることができる。活性剤の特定の組み合わせは、本製剤によって提供することができる。 活性剤のいくつかの組み合わせとしては、以下のものが含まれる:1)第1の治療クラスからの第1の薬物及び同じ治療クラスからの異なる第2の薬物;2)第1の治療クラスからの第1の薬物及び異なる治療クラスからの異なる第2の薬物;3)第1のタイプの生物活性を有する第1の薬物及びほぼ同じ生物活性を有する異なる第2の薬物;4)第1のタイプの生物活性を有する第1の薬物及び異なる第2のタイプの生物活性を有する異なる第2の薬物。活性剤の例示的な組み合わせは、本明細書に記載されている。 活性剤の組み合わせを使用する場合、活性剤の一方又は両方は、治療量以下の量で存在することができる。本明細書に使用されるように、治療量以下の量は、組み合わせの第2の薬物なしで第1の薬物が投与される患者において正常な治療反応より少なく供給される第1の薬物の量である。換言すれば、第1及び第2の薬物は、それぞれの薬物の単独投与、すなわち、他の薬物がない場合の投与と比較すると、一緒になって高められ、改善された相加的又は相乗的な治療上の利点を提供することができる。 SAE−CD組成物は、その製造に従って、あらゆる公知の医薬製剤又は剤形を含めることができる。本発明の組成物及び製剤は、医薬産業で使用されるいずれかの手段によって被験者に投与するのに適している。投与の典型的な様式としては、気管支内(肺内、気管内、肺胞内)、経口、口腔、眼球、眼、耳、舌下、バッカル、経皮、経粘膜、直腸、膣、子宮、尿道、髄腔内、鼻、非経口、腹腔内、筋内、及び皮下投与が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 剤形は、とりわけ、活性成分及びSAE−CD組成物の量を含んでなる、1回又は複数回投与形態で入手可能であり、前記量は、通常、1つ又はそれ以上の所定の剤形単位が1回の治療投与に必要であるような量である。分割錠のような複数回投与形態の場合、前記所定の単位は、複数回投与形態の半分又は4分の1といったような1画分である。すべての患者についての具体的な用量レベルは、治療する適応症、使用する活性剤、活性剤の活性、適応症の重篤度、患者の健康、年齢、性別、体重、食事及び薬理学的応答、使用する特定の剤形及び他のはこのような要因を含む種々の要因に左右されることが理解される。 SAE−CD組成物の製造後、それを用いてSAE−CD組成物が錯体形成する又は活性剤と錯体形成しない製剤を製造することができる。「錯体形成する」は、「クラスレート又は包接錯体の一部である」、すなわち、錯体形成した活性剤が、シクロデキストリン誘導体とのクラスレート又は包接錯体の一部であることを意味する。 活性剤/CD錯体は、一般にシクロデキストリン誘導体及び活性剤のクラスレート又は包接錯体を意味する。分子錯体中に存在する活性剤:CDの比率は、変化することができ、モル濃度基準において約10〜約0.1の範囲内であることができる。従って、CDは、一般に、活性剤よりも過剰に存在するが、その必要があるわけではない。過剰量は、薬剤に固有の溶解度、予想される薬剤の用量、及び特定の薬物(薬剤)と使用される特定のCD誘導体との間の包接錯体形成の結合定数によって決まる。シクロデキストリン誘導体は、錯体形成してない形態で存在することができ、したがって、存在する活性剤の量の実質的に過剰量で存在することに留意する必要がある。誘導体化されたシクロデキストリン対活性剤の質量比又はモル比は、100、1000又はさらにそれを超えることができる。 いくつかの条件下で、SAE−CD組成物は、正に帯電した酸性イオン化可能な化合物と1つ又はそれ以上のイオン結合を形成することができる。従って、化合物は、誘導体化されたシクロデキストリンとの包接錯体として錯体形成し、そして誘導体化されたシクロデキストリンと非共有結合的に、そしてイオン的に結合することができる。 SAE−CD組成物が製剤中で単独の担体又は賦形剤でありうる場合であっても、その性能をさらに改善するために他の担体を製剤に加えることは可能である。 SAE−CD組成物は、誘導体化されたシクロデキストリンを必要とするあらゆる製剤中に含めることができる。従って、製剤中に含まれる活性剤は、迅速放出(rapid release)、即時放出(immediate release)、パルス放出(pulsatile release)、時限放出(timed release)、標的設定放出(targeted release)、遅延放出(delayed release)及び/又は延長放出(extended release)製剤により送達することができる。 「即時放出(immediate release)」は、投与後、約2分以内に放出が開始され、放出が開始されたら数秒から約30分以内にわたって活性剤が環境へ放出されることを意味する。即時放出は、薬物の放出に有意な遅れを示さない。 「迅速放出(rapid release)」は、投与後、数分以内に又は投与後に遅延期間(ラグ時間)が終了した後、放出を開始することができ、放出が開始されると1〜59分又は0.1分〜3時間の期間にわたって活性剤が環境に放出されることを意味する。 SAE−CD組成物を含む延長放出製剤は、延長された方式で薬物を放出する。このような送達に使用される機構は、pH依存性又はpH非依存性であり;拡散又は溶出が制御された;擬0次(ゼロ次放出に近い)、0次、擬一次(一次放出に近い)、又は一次;又は迅速、緩徐、遅延、時限若しくは持続放出又は他の制御された放出である、活性剤の放出を含むことができる。また、活性剤の放出プロファイルは、S字形であることができ、その際、放出プロファイルは、活性剤の最初の放出速度は遅く、続いて中間の放出速度はより速くそして最終的な放出速度は遅い。本明細書に使用されるように、「延長放出(extended release)」プロファイルなる用語は、薬学分野で広く認められた定義とみなされる。延長放出剤形は、延長された期間にわたって実質的に一定の速度で薬物を放出するか又は延長された期間にわたって実質的に一定量の薬物を増加的に放出する。薬物放出に関して、「延長放出」なる用語には、「制御放出(controlled release)」、「長期放出(prolonged release)」、「持続放出(sustained release)」、又は「緩徐放出(slow release)」、の用語が含まれる。これらの用語は薬学で使用される。制御放出は、投与後に数分以内に又は投与後の遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。延長放出は、投与後数分以内に又は投与後の遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。 「制御放出」は、約8時間から約12時間、16時間、18時間、20時間、1日又はそれ以上の日の期間にわたって活性剤を環境に放出することを意味する。「持続放出」は、デバイスを施された被験者の血液又は標的組織中で一定の薬物レベルを維持して活性剤を持続放出することを意味する。制御放出は、投与後、数分以内又は投与後、遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。 時限放出剤形は、使用の環境に最初に暴露された時から計測して所定期間の後に薬物の放出を開始するものである。 緩徐放出剤形は、薬物が例えば、3時間、6時間、12時間、18時間、1日、2日若しくはそれ以上、1週又は2週若しくはそれ以上の期間かけてゆっくりとほぼ連続的に放出されるように遅い速度の薬物放出を提供するものである。 標的設定放出剤形は、一般に、被験者の消化管の特定の部分に、薬物を送達するように設計された経口剤形のことである。典型的な標的設定剤形は、被験者の胃又は口ではなく、腸管中央から下部に薬物を送達する腸用剤形である。他の標的設定剤形は、胃、空腸、回腸、十二指腸、盲腸、大腸、小腸、結腸又は直腸のような消化管の他のセクションに送達することができる。 パルス放出剤形は、低濃度のトラフを散在させて高い活性成分濃度のパルスを供給するものである。2つのピークを含むパルスプロファイルは、「二蜂性」として記載されうる。 擬一次放出プロファイルは、一次放出プロファイルを近似するものである。一次放出プロファイルは、単位時間当たり最初の薬物装填の一定パーセンテージを放出する剤形の放出プロファイルを特徴とする。 擬0次放出プロファイルは、ゼロ次放出プロファイルを近似するものである。ゼロ次放出プロファイルは、単位時間当たり一定量の薬物を放出する剤形の放出プロファイルを特徴とする。 延長放出製剤は、本明細書又はBiorelated Polymers and Gels:Controlled Release and Applications in Biomedical Engineering(ed. Teruo Okano; 1998);Encyclopedia of Controlled Drug Delivery(ed. Edith Mathiowitz; 1999);Future Strategies for Drug Delivery with Particulate Systems (ed. J.E. Diederichs; 1998);Controlled Release Series (ed. J.M. Anderson; 1987);Controlled Drug Delivery Series (Ed. S.D. Bruck; 1983);Controlled Release of Drugs Series (ed. M. Rosoff; 1989);Controlled Release Technology: Pharmaceutical Applications (ACS Symposium Series No. 348) (eds. P.I. Lee and W.R. Good; 1987);Extended Release Dosage Forms (ed. L. Krowczynski; 1987);Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology (ed. D.L. Wise; 2000);Intelligent Materials for Controlled Release (ed. S.M. Dinh; 1999);Multicomponent Transport in Polymer Systems for Controlled Release (Polymer Science and Engineering Monograph Series) (ed. A. Polishchuk; 1997);Pharmaceutical Technology: Controlled Drug Release (ed. M. Rubenstein; 1987);Polymers for Controlled Drug Delivery (ed. P.J. Tarcha; 1991);Tailored Polymeric Materials for Controlled Delivery Systems (ACS Symposium Series No. 709) (ed. I. McCulloch; 1998);Oral Colon−Specific Drug Delivery (ed. D.R. Friend, 1992);及び当業者に公知の他の刊行物に記載された手法に従って製造することができ、それらの全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 延長放出層は、薬物及び放出速度を変える1つ又はそれ以上の賦形剤及び他の随意的な賦形剤を含んでなるマトリックス拡散、浸食、溶出又は崩壊−制御された組成物であることができる。 「遅延放出」は、それぞれの薬物を含む層からの薬物の最初の放出が、およその遅延(又はラグ)期間が終了した後に起こることを意味する。例えば、延長放出層からの薬物の放出が2時間遅れるならば、その層からの薬物の放出は、被験者に多層錠剤を投与した後、約2時間で開始される。一般に、遅延放出は、薬物の放出が投与後、数分以内に開始される即時放出の反対である。従って、特定層からの薬物放出プロファイルは、遅延−延長放出又は遅延−迅速放出であることができる。「遅延−延長」放出プロファイルは、最初の遅延期間が終了した後、薬物の延長放出が開始されるものである。「遅延−迅速」放出プロファイルは、最初の遅延期間が終了した後、薬物の迅速放出が開始されるものである。 必ずしも必要なわけではないが、本発明の製剤は、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、透過増強剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性ポリマー、保存剤、抗菌剤、着色剤、抗真菌剤、錯体形成促進剤、溶媒、塩、水、張度調整剤、消泡剤、油、透過増強剤、医薬製剤に使用するための当業者に公知の他の賦形剤又はそれらの組み合わせを含むことができる。各場合、これらの物質は、活性剤を含んでいる粒子又は担体粒子中に独立して含めることができる。例えば、担体は、これらの物質の1つ又はそれ以上を含むことがあり、そして活性剤を含む粒子も、またこれらの物質の1つ又はそれ以上を含むことがある。 本明細書に使用されるように、「滑剤」なる用語は、乾燥粉末の流動性を促進するために使われる薬剤を意味するものとする。このような化合物は、例えばステアリン酸マグネシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、コロイダルシリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状ケイ素、ケイ素ヒドロゲル及び当業者に公知の他の物質が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「抗酸化剤」なる用語は、酸化を阻害し、それにより酸化的過程による製剤の劣化を防止するのに使用される薬剤を意味するものとする。このような化合物としては、例えばアセトン、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオグリコール酸、EDTA、ペンテテート、及びメタ重亜硫酸ナトリウム並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「アルカリ化剤」なる用語は、本発明の乾燥粉末が水に曝露された時に、アルカリ性媒体を提供するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばアンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、有機アミン塩基、アルカリ性アミノ酸及びトロラミン並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「酸性化剤」なる用語は、本発明の乾燥粉末を水に曝露した時に酸性媒体を提供すために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えば酢酸、酸性アミノ酸、クエン酸、フマル酸及び他のアルファヒドロキシ酸、塩酸、アスコルビン酸、リン酸、硫酸、酒石酸及び硝酸並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「緩衝剤」なる用語は、異なるpHの媒体に暴露された時にpHの変化に抵抗するために使用される化合物を意味するものとする。緩衝剤は、本組成物においてpHを約2と約8の間、約3〜約7、又は約4〜約5の範囲に調整するために使用される。乾燥粉末のpHを制御することによって、気道に対する刺激を最小限にすることができる。このような化合物には、例えば酢酸、酢酸ナトリウム、アジピン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸、グリシン、マレイン酸、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、HEPES、乳酸、酒石酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、一塩基性酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリス、酒石酸ナトリウム及び無水クエン酸ナトリウム及び二水和物並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。他の緩衝剤としては、クエン酸/ホスフェート混合物、アセテート、バルビタール、ボレート、ブリトン−ロビンソン、カコジレート、シトレート、コリジン、ホルメート、マレエート、Mcllvaine、ホスフェート、Prideaux−Ward、スクシネート、シトレート−ホスフェート−ボレート(Teorell−Stanhagen)、ベロナールアセテート、MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)、BIS−TRIS(ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン)、ADA(N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸)、ACES(N−(カルバモイルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N,N'−ビス(2−エタンスルホン酸))、MOPSO(3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、BIS−TRIS PROPANE(1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン)、BES(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、HEPES(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−エタンスルホン酸)、DIPSO(3−(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MOBS(4−(N−モルホリノ)−ブタンスルホン酸)、TAPSO(3−(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TRIZMATM(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)、HEPPSO(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、POPSO(ピペラジン−N,N'−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸))、TEA(トリエタノールアミン)、EPPS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(3−プロパンスルホン酸)、TRICINE(N−トリス(ヒドロキシメチル)−メチルグリシン)、GLY−GLY(グリシルグリシン)、BICINE(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン)、HEPBS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(4−ブタンスルホン酸))、TAPS(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、及び/又は当業者に公知の他のすべての緩衝剤が含まれる。 錯体形成−促進剤は、活性剤と誘導体化されたシクロデキストリンとの錯体形成を高める一つ又は複数の化合物(a compound, or compounds)である。錯体形成−促進剤が存在する場合、誘導体化されたシクロデキストリン対活性剤の必要な比率は、より誘導体化されてないシクロデキストリンが必要となるように変化させる必要がありうる。適切な錯体形成促進剤としては、1つ又はそれ以上の薬理学上不活性な水溶性ポリマー、ヒドロキシ酸、及び特定の薬剤とシクロデキストリンとの錯体形成を高めるために液体製剤中で典型的に使用される他の有機化合物が含まれる。適切な水溶性ポリマーとしては、水溶性天然ポリマー、水溶性半合成ポリマー(例えばセルロースの水溶性誘導体)及び水溶性合成ポリマーが含まれる。天然ポリマーには、多糖類、例えばイヌリン、ペクチン、アルギン誘導体及び寒天並びにポリペプチド例えばカゼイン及びゼラチンが含まれる。半合成ポリマーには、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、それらの混合エーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他の混合エーテル、例えばヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート並びにカルボキシメチルセルロース及びその塩、特にナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。合成ポリマーには、ポリオキシエチレン誘導体(ポリエチレングリコール)及びポリビニル誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリスチレンスルホネート)及びアクリル酸の種々のコポリマー(例えばカルボマー)が含まれる。適切なヒドロキシ酸には、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸及び酒石酸並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「保存剤」なる用語は、微生物の成長を防ぐために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、チメロサール、メタクレゾール、ミリスチルガンマピコリニウムクロリド、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チモール、及びメチル、エチル、プロピル、又はブチルパラベン並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに限定されない。 本明細書に使用されるように、「着色剤」なる用語は、医薬製剤に色を付与するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばFD&C Red No. 3、FD&C Red No. 20、FD&C Yellow No. 6、FD&C Blue No. 2、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 5、D&C Red No. 8、カラメル、及び酸化鉄(黒色、赤色、黄色)、他のF.D. & C.色素及び天然着色剤、例えばブドウ果皮抽出物、ビートレッド粉末、ベータカロチン、アナトー、カルミン、ターメリック、パプリカ、それらの組み合わせ並びに当業者に公知の他のこのような物質が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「張度調整剤」なる用語は、液体製剤の張度を調整するのに使用することができる一つ又は複数の化合物を意味するものとする。適切な張度調整剤としては、グリセリン、ラクトース、マンニトール、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース及び当業者に公知の他のものが含まれる。 本明細書に使用されるように、「消泡剤」なる用語は、充填する組成物の表面に形成される泡立ちを防止する又は量を減らすための一つ又は複数の化合物を意味するものとする。適切な消泡剤としては、例えばジメチコン、シメチコン、オクトキシノール及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 親水性ポリマーは、シクロデキストリンを含んでなる製剤の性能を改善するために使用することができる。Loftsson(米国特許第5,324,718号及び同第5,472,954号)は、シクロデキストリンの性能及び/又は性質を高めるためにシクロデキストリン(誘導体化されてない又は誘導体化された)と合わせて使用するのに適した多くのポリマーを開示している。適切なポリマーは、Pharmazie (2001), 56(9), 746−747; International Journal of Pharmaceutics (2001), 212(1), 29−40;Cyclodextrin: From Basic Research to Market, International Cyclodextrin Symposium, 10th, Ann Arbor, MI, United States, May 21−24, 2000 (2000), 10−15 (Wacker Biochem Corp.: Adrian, Mich.);PCT国際公開第WO 9942111号;Pharmazie, 53(11), 733−740 (1998);Pharm. Technol. Eur., 9(5), 26−34 (1997);J. Pharm. Sci. 85(10), 1017−1025 (1996);欧州特許出願第EP0579435号;Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 9th, Santiago de Comostela, Spain, May 31−June 3, 1998 (1999), 261−264 (Editor(s): Labandeira, J. J. Torres;Vila−Jato, J. L. Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, Neth);S.T.P. Pharma Sciences (1999), 9(3), 237−242;ACS Symposium Series (1999), 737(Polysaccharide Applications), 24−45;Pharmaceutical Research (1998), 15(11), 1696−1701;Drug Development and Industrial Pharmacy (1998), 24(4), 365−370;International Journal of Pharmaceutics (1998), 163(1−2), 115−121;Book of Abstracts, 216th ACS National Meeting, Boston, August 23−27 (1998), CELL−016, American Chemical Society;Journal of Controlled Release, (1997), 44/1 (95−99);Pharm.Res. (1997) 14(11), S203;Investigative Ophthalmology & Visual Science, (1996), 37(6), 1199−1203;Proceedings of the International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials (1996), 23rd, 453−454;Drug Development and Industrial Pharmacy (1996), 22(5), 401−405;Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 8th, Budapest, Mar. 31−Apr. 2, (1996), 373−376. (Editor(s): Szejtli, J.; Szente, L. Kluwer: Dordrecht, Neth.);Pharmaceutical Sciences (1996), 2(6), 277−279;European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1996) 4(SUPPL.), S144;Third European Congress of Pharmaceutical Sciences Edinburgh, Scotland, UK September 15−17, 1996;Pharmazie, (1996), 51(1), 39−42; Eur. J. Pharm. Sci. (1996), 4(Suppl.), S143;米国特許第5,472,954号及び同第5,324,718号;International Journal of Pharmaceutics (Netherlands), (Dec. 29, 1995) 126, 73−78;Abstracts of Papers of the American Chemical Society, (02 APR 1995) 209(1), 33−CELL;European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1994) 2, 297−301;Pharmaceutical Research (New York), (1994) 11(10), S225;International Journal of Pharmaceutics (Netherlands), (Apr 11, 1994) 104, 181−184;及びInternational Journal of Pharmaceutics (1994), 110(2), 169−77に開示されており、これらの開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。 他の適切なポリマーは、医薬組成物の領域で一般に使用される周知の賦形剤であり、そして例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Alfonso R. Gennaro (editor), Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, pp. 291−294;Alfred Martin, James Swarbrick and Arthur Commarata, Physical Pharmacy. Physical Chemical Principles in Pharmaceutical Sciences, 3rd edition (Lea & Febinger, Philadelphia, PA, 1983, pp. 592−638);A.T. Florence and D. Altwood, (Physicochemical Principles of Pharmacy, 2nd Edition, MacMillan Press, London, 1988, pp. 281−334に記載されている。本明細書に引用された文献の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。さらに他の適切なポリマーとしては、水溶性天然ポリマー、水溶性半合成ポリマー(例えばセルロースの水溶性誘導体)及び水溶性合成ポリマーが含まれる。天然ポリマーとしては、多糖類、例えばイヌリン、ペクチン、アルギン誘導体(例えばアルギン酸ナトリウム)及び寒天、及びポリペプチド、例えばカゼイン及びゼラチンが含まれる。半合成ポリマーとしては、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、それらの混合エーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他の混合エーテル、例えばヒドロキシエチルエチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート並びにカルボキシメチルセルロース及びその塩、特にナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。合成ポリマーとしては、ポリオキシエチレン誘導体(ポリエチレングリコール)及びポリビニル誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリスチレンスルホネート)及びアクリル酸の種々のコポリマー(例えばカルボマー)が含まれる。ここに記載されてない他の天然、半合成及び合成ポリマーで水溶性、医薬許容性及び薬理学的不活性の基準を満たすものは、同様に本発明の範囲内にあると考えられる。 溶解促進剤は、本発明の製剤に加えられることができる。溶解促進剤は、水性又は湿性環境、例えば気道内層で活性剤の溶解度を高める一つ又は複数の化合物である。適切な溶解促進剤としては、1つ又はそれ以上の有機溶媒、洗浄剤、セッケン、界面活性剤及び特定の薬剤の溶解度を高めるために非経口製剤で典型的に使用される他の有機化合物が含まれる。適切な有機溶媒としては、例えばエタノール、グリセリン、ポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポロキサマー、及び当業者に公知の他のものが含まれる。 本明細書に使用されるように、「凍結防止剤」なる用語は、凍結乾燥中に活性剤を物理的又は化学的分解から保護するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばジメチルスルホキシド、グリセロール、トレハロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 また、可塑剤は、性質及び特性を改良するために本発明の製剤に含めることができる。本明細書に使用されるように、「可塑剤」なる用語には、本発明に使用されるポリマー又は結合剤を可塑化若しくは軟化することができる全ての化合物が含まれる。可塑剤は、ポリマー又は結合剤の融点若しくはガラス転移温度(軟化点温度)を下げることができなければならない。低分子量PEGのような可塑剤は、一般に、それが含まれているポリマーの平均分子量を広げ、それによってそのガラス転移温度又は軟化点を下げる。また、可塑剤は、一般にポリマーの粘度を下げる。可塑剤は、本発明の浸透性デバイスにいくつかの特に有益な物理的性質を与えることができる。 本発明に有用な可塑剤は、例えば低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、有機低分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、単一ブロックポリマー、低分子量ポリ(エチレングリコール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコール及びグリセリンが含まれうるが、これらに制限されるわけではない。また、このような可塑剤としては、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及び他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリルが含まれうる。全てのこのような可塑剤は、Aldrich又はSigma Chemical Co.のような供給源から商業的に入手可能である。また、可塑剤の組み合わせを本発明の製剤に使用しうることが企図され、それは本発明の範囲内にある。PEGベースの可塑剤は、商業的に入手可能であるか、又はPoly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications (J.M. Harris, Ed.; Plenum Press, NY)に開示されたような種々の方法によって製造することができ、この開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書に使用されるように、「香味料」なる用語は、医薬製剤に心地よい香味、そして多くの場合香りを与えるために使用される化合物を意味するものとする。典型的な香味料又は香味剤としては、合成香味油及び香味芳香薬及び/又は天然油、植物、葉、花、果実などからの抽出物及びそれらの組み合わせが含まれる。また、これには桂皮油、冬緑油、ハッカ油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、セージ油、苦扁桃油及びカッシア油が含まれうる。他の有用な香味料としては、バニラ、(レモン、オレンジ、ブドウ、ライム及びグレープフルーツを含む)カンキツ油並びに(リンゴ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、キイチゴ、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコットなどを含む)果実エッセンスが含まれる。特に有用であることがわかっている香味料としては、商業的に入手可能なオレンジ、ブドウ、チェリー及びバブルガム香料並びにそれらの混合物が含まれる。香味料の量は、所望の感覚刺激効果を含む多くの要因に左右されうる。香味料は、当業者によって所望されるいずれかの量で存在する。特に香味料は、ブドウ及びチェリー香料並びにオレンジのようなカンキツ香料である。 本明細書に使用されるように、「甘味料」なる用語は、製剤に甘味を与えるのに使用される化合物を意味するものとする。このような化合物には、例えばアスパルテーム、デキストロース、グリセリン、マンニトール、サッカリンナトリウム、ソルビトール、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、マルトデキストリン、スクラロース、スクロース、当業者に公知の他の物質、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、浸透促進剤は、活性剤が組織を通して浸透するのを高める薬剤又は薬剤の組み合わせである。本発明の製剤に含めることができる浸透促進剤としては、例えばカルシウムキレート剤、例えばEDTA、メチル化P−シクロデキストリン、及びポリカルボン酸;界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、カルニチン、カルニチンエステル及びトゥイーン;胆汁酸塩、例えばタウロコール酸ナトリウム;脂肪酸、例えばオレイン酸及びリノール酸;及び非界面活性剤、例えばAZONETM及びジアルキルスルホキシド;E−フラックス阻害剤(E−flux inhibitors)、例えばAV171 (AyMax, Inc., South San Francisco, CA)、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、及びハッカ油;キトサン及びキトサン誘導体、例えばN−メチルキトサン、N−トリメチルキトサン、モノ−N−カルボキシメチルキトサン、第四級化キトサン誘導体;SNAC(N−(8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレート)及びSNAD(N−(10−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ) − デカノエート)(Emisphere Technologies, Inc., Tarrytown, NY);N−アシル化非アルファアミノ酸;HEMISPHEREブランドの送達剤;Gelucire 44/14又はVitamin E TPGS;CARBOPOL(R) 934P;当業者に公知の他のもの;及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、芳香剤は、検出可能な芳香、におい又は香りを生じる比較的揮発性の物質又は物質の組み合わせである。典型的な芳香剤としては、FD&Cとして一般に認められるものが含まれる。 「表面張力調整剤」は、本発明の組成物の表面の性質を改良することができる物質又は物質の組み合わせである。表面張力調整剤には、界面活性剤、洗浄剤又はセッケンが含まれうる。それは、担体粒子、活性剤を含む粒子又は両方に含まれうる。 「密度調整剤」は、密度を高める又は低下させるために本発明の組成物中に含まれる物質又は物質の組み合わせである。それは、担体粒子、活性剤を含む粒子又は両方に含まれうる。密度調整剤は、担体から活性剤の分散を高めるために、担体の密度を(必要に応じて)高める又は低下させるのに使用することができる。同様に、密度調整剤は、活性剤を含む粒子の密度をそれぞれ(必要に応じて)低下させる又は高めるために使用することができる。 「揮発性調整剤」は、活性剤の揮発性を改良するために加えられる物質又は物質の組み合わせである。一実施態様において、揮発性調整剤は、活性剤の揮発性を高める。別の実施態様において、揮発性調整剤は、活性剤の揮発性を低下させる。 本明細書に使用されるように、「安定剤」なる用語は、薬剤の治療活性を低下させる物理的、化学的、又は生化学的プロセスに対して治療剤を安定化するのに使用される化合物を意味するものとする。適切な安定剤としては、例えばアルブミン、シアル酸、クレアチニン、グリシン及び他のアミノ酸、ナイアシンアミド、アセチルトリプトホン酸ナトリウム、酸化亜鉛、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、カプリル酸ナトリウム及びナトリウムサッカリン及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「増量剤(bulking agent)」なる用語は、凍結乾燥した生成物に嵩(bulk)を加える及び/又は凍結乾燥中に製剤の性質を制御するのを助けるために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばデキストラン、トレハロース、スクロース、ポリビニルピロリドン、ラクトース、イノシトール、ソルビトール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルブミン、ラクトビオン酸カルシウム、及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 医薬製剤の分野で使用される化合物は、一般に、種々の機能又は目的に役立つことを理解すべきである。従って、本明細書に明記された化合物が1回しか記載されてない又は本明細書において複数の用語を定義するのに使用されている場合、その目的又は機能は、明記された目的又は機能にのみ制限されるものとして解釈すべきではない。 先の説明及び以下の実施例を鑑みて、当業者は、不必要な実験をすることなく、請求された本発明を実施することができる。前記は、本発明の組成物及び製剤を製造するためのある種の手法を詳述する以下の実施例を参照してさらに理解される。これらの実施例に対して為された全ての言及は、説明のためである。以下の実施例は、網羅的なものとみなすべきではなく、本発明によって企図される多くの実施態様のいくつかのみを例示したものに過ぎない。実施例1 以下の一般的な手法に従って典型的な製剤を製造した。方法A 混合物中の固形製剤 シクロデキストリンを含む固形組成物を、活性剤を含む固形組成物と均質になるまで混合した。シクロデキストリンを含み、そして活性剤を含む組成物は、約20質量%未満の水を含む。また、2つの組成物の混合には、同時のそれらを摩滅させることを含めることができ又は摩滅は個々の製造工程として実施することができる。例えば、シクロデキストリンを含む組成物及び活性剤を含む組成物を混合前にそれぞれ別々に摩滅させる。1つ又はそれ以上のさらなる賦形剤をSAE−CD組成物及び/又は活性剤組成物中に含めることができる。方法B 液体製剤 SAE−CD組成物を場合により活性剤を含む液体担体と混合する。SAE−CD組成物は、活性剤が存在する場合、それを添加する前、後又は添加中のいずれかに液体担体と混合することができる。1つ又はそれ以上の他の賦形剤を製剤中に含めることができる。必要に応じて、加熱して混合又は溶解を促進することができる。実施例2SAE−CD固形組成物の製造 以下の方法A及びBでは、SAE−CD出発物質を水性液体担体中に提供し、そしてSAE−CD出発物質は、公知の文献の方法に従って製造した。特定の実施態様には、水に溶解されたSAE−CD出発物質が含まれる。液体担体中のSAE−CDの濃度は、所望の粘度又は固形物含量の液体フィードを提供するために必要に応じて変化させた。方法A 流動床噴霧乾燥 以下のように、FSD−16流体噴霧乾燥装置(GEA Niro Inc., Columbia MD)中で噴霧凝集によってSAE−CD担体を製造した。固形物20.1〜49.8%のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(置換度〜7,SBE7−BCD)のいくつかの溶液をFSD−16中、上部に取り付けた噴霧系の加圧ノズルを用いて噴霧圧力1,500〜2,000psig及び供給温度〜25℃で凝集させた。プロセス条件は、入口/出口温度210〜250/83〜100℃、流動床入口温度80〜100℃、及び流体生成物床温度67〜87℃であった。噴霧器のノズル及び室の円錐体で戻る微粒子を個々の運転中に調べた。乾燥ガス流を電気的に加熱した。 フィードタンク中、加熱及び撹拌下で粉末状成分を必要量の水に加えてSAE−CDを含むフィード溶液を製造した。方法B 流動床噴霧乾燥 3−室流動化床を取り付けられたFSD−12.5流体噴霧乾燥装置(GEA Niro Inc., Columbia MD)中で噴霧凝集によってSAE−CD組成物を製造した。内側の流動床室(室1)は、乾燥室に直接開放されており、そして最終的な凝集、凝集物の乾燥及び脱塵に使用した。外側の環流動床室2及び3は室1に順に接続されており、プロセス条件によって制御されて生成物が室1から室2、室3へ移動する。室2は、後乾燥及び連続脱塵に使用した。室3は、冷却及び最終的な脱塵に使用した。最終生成物を室3から取り出した。乾燥ガス(N2)流を電気的に加熱し、そして天井の空気分散機を通して主要乾燥ガスを乾燥室に導入した。3つの流動床室への乾燥ガスは、多孔板を通して均一に分散させた。乾燥ガス流は、異なる流動床室にそれぞれ調整した。 固形物48〜52質量%のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(置換度〜7,SBE7−BCD)の溶液をFSD−12.5中で上部に取り付けた噴霧システムの加圧ノズルを用いて噴霧圧力10〜50bar及び溶液温度45〜55℃で凝集させた。プロセス条件は、入口/出口温度150〜170/70〜90℃、室1の流動床入口温度100〜150℃、及び室1の生成物床温度60〜100℃であった。微粒子は、噴霧器のノズル隣接した場所で戻った。実施例3 いくつかのSAE−CD組成物(スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、置換度〜7)の粒径(サイズ)分布を、乾燥粉末フィーダーアタッチメントを備えたレーザー回折(Malvern Instruments Inc, Model 2000, South Borough, MA)によって測定した。分散圧力60psiに基づいて分散圧力対粒径曲線を作成した。統計的妥当性のため検出器スウィープ500を用いて粉末をサンプリングした。妥当なデータを確実に収集するため掩蔽値(obscuration values)をモニターした。焦点距離300mmの検出器レンズを用いて5.8〜564μの粒径範囲を得た。 平均置換度〜7のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンの典型的なSAE−CD組成物、SBE7−BCDについての粒径分析データを下の表に記載した。各組成物についてのデータは、De Brouckere平均径(D[4,3])又は10%、50%若しくは90%の累積体積分率についての粒径カットオフに対応する粒径をミクロンで示した(μは、ミクロンを意味するものとする)。実施例4 SAE−CD組成物の水分含量をカールフィッシャー法(USP<921>,方法Ia)又は水分収支法により測定した。水分収支法 Computrac Model 200 XL moisture balance (Arizona Instruments, Tempe, AZ)を用いて、選択された粉末試料の質量減少を粉末が赤外線加熱に曝露された時間にわたって測定した。粉末を計量(各試料について約1g)し、質量変化が観察されなくなるまで110℃に加熱し、質量減少パーセンテージを算出した。実施例5 固形SAE−CD組成物の流動性を以下を備えた試験装置(FlodexTM, Hanson Research Corp., Northridge, California)で測定した: ・容積約200mLのステンレス鋼の円筒。 ・一連のステンレス鋼ディスク。各ディスクは、直径のサイズが1〜2mm刻みで段階的に異なる正確な穴を中心に有しており、容易に取り付けられて円筒の底面を形成する。 ・穴を覆い振動することなく素早く取り外し、選択された穴を通して粉末を流すことができるシャッター。 ・試験粉末を自由落下させて円筒に試料を装填するための調節可能な漏斗。 ・装置中を流れる粉末を集めるのに適した容器。 漏斗の底面は、粉末表面に近いが、一旦円筒に装填されたら接触しないように、漏斗は円筒より上に取り付けられている。ディスクを円筒の底面に挿入し、ディスクの穴は閉じている。次いで、漏斗を通して円筒の中央へ粉末装填量50gを注いだ。粉末を、円筒中で少なくとも30秒間置いてから、ディスクの穴を、素早く振動させることなく開口した。次いで、ディスクの開口による流れを観察した。正の結果とは、3回の試験のうちの3回とも、粉末が穴を通して流れてさかさまの円錐台のような形状の空洞が残り、そして落下する粉末が粉末全体の高さ(60mm以上)を伴う場合であった。 穴を通して粉末を急激に落下させて、残っている粉末が円筒形空洞を形成している場合、負の結果と記載した。 結果が正の場合、3回の試験のうちの3回で正の結果が得られる最も小さな直径の穴が測定されるまで、より小さな直径の穴を有するディスクで手順を繰り返した。 結果が負の場合、3回の試験のうち3回で正の結果が得られる最も小さな直径の穴が測定されるまで、より大きい直径の穴を有するディスクで手順を繰り返した。 SAE−CD組成物(置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン,SBE7−β−CD)についての測定結果を下に記載した。実施例6 ポンプに取り付けられたガラスフィルターホルダー(Millipore Corp., Billerica, MA)及び貯水器を含む流水式(flow−through)溶出装置によってSAE−CD組成物(平均置換度〜7のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、SBE7−BCD)の平均溶出時間を測定した。フィルタホルダーは、容積〜300mLの漏斗及び金属クランプで保持されたフリットガラスベースを含む。 フィルタホルダーのセクションの間に取り付けられた細孔サイズ47mm×10ミクロンのフィルタ上に粉末試料2.5gを置いて試験を実施した。水がフィルタを通して貯水器中に上昇するように、装置の底面を通して毎分100mLの速度で25<℃の水をポンピングした。試料を観察して全ての固形物が溶出するのに必要な時間を測定した。試料が浮いて溶出するのに2.5分より長くかかる場合、250mLを供給した後にポンプを停止した。 平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−CD)についての代表的なデータを下に表に記載した。実施例7 圧縮研究において、SAE−CD組成物を、錠剤の製造でしばしば使用される市販粉末試料、例えば微結晶性セルロース(アビセル200)、ラクトースUSP、及びリン酸水素カルシウム二水和物(DiCal)と比較した。 機器を取り付けたColton単一端末プレス機(single station press)上で、1分当たり15錠で運転して粉末を圧縮した。プレス機は、上方及び下方のパンチ圧縮力(upper and lower punch compression force)及び変位の機器を備えていた。試料質量は、200mgであり、そして直径0.345インチの平らな面のパンチを用いて試料を約5、10及び15kPの3つの異なる錠剤硬度に圧縮した。4−チャネル、12ビットのデジタルオシロスコープ(Model # 420, Nicolet Instrument Corp., Madison, WI, USA)を用いて力及び変位データを集め;4チャネルのそれぞれについて同時に試料をミリ秒ごと集めた。アセトン中のステアリン酸マグネシウムの10%(w/v)スラリーを綿棒で塗布して金型をなめらかにした。錠剤ごとの一貫性を維持するため、金型壁上にスラリーを塗布して乾燥するための標準化された手順を作成した。また、金型壁の被覆を目視検査によって確認した。信号の雑音を減らすため、Igor Proバージョン3.1 (Wavemetrics, Inc., Oregon)を用いて上方及び下方のパンチデータにおいて高速フーリエ変換(FFT)を実施した。また、FFTを実施した後、Igor Proを使用して平均錠剤圧力曲線におけるPmaxを見出した(すなわち最大パンチ圧力);ソフトウェアアルゴリズムにより曲線の導関数を用いて最小値を見いだした。 KEY(R) HT−300硬度試験機(Englishtown, NJ)を用いて錠剤の破壊強度を測定した。ダイヤルインジケータを用いて圧縮後の錠剤高さを測定した。典型的に、3種の標的硬度レベルのそれぞれの硬度について5つの錠剤を圧縮して試験した。実施例8 以下の方法によってSAE−CD組成物の密度及び圧縮率を測定した:方法A 嵩密度 100mLメスシリンダーを用いてUSP<616>方法Iに従ってSAE−CD組成物の嵩密度を測定した。方法Bタップ密度 100mLメスシリンダーを用いてUSP<616>方法IによってSAE−CD組成物のタップ密度を測定した。方法C Carr圧縮率指数 SAE−CD組成物のCarrの圧縮率指数は、式に従って算出した:方法D 真密度 USP<699>の方法に従ってMultivolume Pycnometer (Micromeritics Instrument Corp., Model 1305, Norcross, GA)を用いてSAE−CD組成物の真密度を測定した。容積1cm3の試料ホルダーを全ての測定で使用した。 SAE−CD組成物(平均置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、SBE7−BCD)について測定の結果を下の表に記載した。実施例9 DPI装置を用いた投与に適した乾燥粉末製剤は、1つ又はそれ以上の活性剤、SAE−CD組成物担体及び場合により抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、又はそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上の賦形剤を含む。SAE−CD担体は、製剤の50%〜99.9質量%を占め、それは420ミクロン未満の中央粒径を有する。活性剤を含む粒子は、約0.1〜10ミクロンの間の中央粒径を有する。担体は、約1.5〜2.9のスパンを有し、そして担体は本発明に従って製造され、そして場合により固形物を摩滅させて粒子状担体を形成した。担体に使用するSAE−CDは、約1〜12の範囲の平均DSを有する。実施例10 平均置換度4を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE4−βCD,SAE−CD組成物)、及びピロキシカムを含んでなる圧縮された迅速放出錠剤を、以下の処方及び手法に従って製造した。 上の成分を用いて迅速放出プロファイルを有する257mgの錠剤核を製造した。成分の横の数は、添加の一般的な順序を示している。各群の成分を加えた後、混合物を5〜10分間乾式混合した。ステアリン酸マグネシウム、ヒュームド二酸化ケイ素(CABOSILTM M5P)及びクロスカルメロースナトリウムを他の成分とは別々に(工程3)加え、そしてさらに5分の乾式混合工程を一般的な手法に加えた。 次いで、粉末を圧縮して硬度約8〜10kgの錠剤を形成した。実施例11 SAE−CD組成物、平均置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−βCD)、及びプレドニソロンを含んでなる制御放出錠剤を以下の処方及び手法に従って製造した。 上の成分を用いて制御放出プロファイルを有する300mgの錠剤核を製造した。成分を手で混合し、そしてカーバープレス機上、圧力1トン下、7秒間で個々の錠剤を製造した。5/16"の標準カップ凹形工具を用いて錠剤を製造した。実施例12 SAE−CD組成物、平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリン(SBE7−γCD)、及びザレプロンを含んでなる口腔分散可能な即時放出錠剤を以下の処方及び手法に従って製造した。 全ての錠剤成分を秤量前に40−メッシュスクリーン(US Standard)によってふるいにかけ、次いで幾何学的希釈技術を用いて、ステアリン酸マグネシウム(Mg)以外の全ての成分をガラス瓶中で混合した。次いで、粉末ブレンドを40−メッシュスクリーンに2回通過させて全ての成分の均質混合を促進した。機械的圧縮前に、ステアリン酸Mgを加え、次いで、さらに1分間混合した。最後に、最終的なブレンドを回転式錠剤プレス機を用いて7mmの凹形工具で錠剤に圧縮し、約3.0キロポンド(kp)の錠剤硬度を有する錠剤を得た。実施例13 ラモトリジン及びSAE−CD組成物、平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−βCD)の調製可能な粉末状製剤を、以下の処方を用いて製造した。 ナトリウムサッカリン、安息香酸、イチゴ香味料、クエン酸及びキサンタンガムを一緒に合わせて十分に混合した。さらに混合しながらラモトリジンをブレンドに加え、次いで、SBE7−βCDを加えて混合を続けた。次いで、生成した粉末に幾何学的希釈を用いてキシリトールを加え、そしてさらに混合した。 粉末は、水で構成することができ、最終容積750mlとなる。 以下の用語は、以下に詳述する通り定義される。 本明細書に使用されるように、「約」なる用語は、示した値の+/−10%を意味する。 上記は、本発明の特定の実施態様の詳述である。説明のため、本発明の特定の実施態様を本明細書に記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の改変を行うことができることは明らかである。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によって制限されない。開示された及び本明細書に請求された全ての実施態様は、本開示を考慮して不必要な実験なしに実施及び実行することができる。本明細書に引用されるすべての特許又は他の公開の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。本発明に従って製造されたSAE−CD組成物の典型的なバッチのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。SAE−CD粒子は、スルホアルキル化後が異なる方法に従って製造されたものである。典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。別の典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。異なる水分量を含有する本発明のSAE−CD組成物についての破砕強度と圧縮圧力の関係を示すグラフである。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が a. スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物の潮解点より下の水分含量; b. 約0.55〜約0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 約0.66〜約0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が約18質量%未満の水分含量を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が約1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が約24%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、約20mm未満の重力流動最小オリフィス径を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、流動床噴霧乾燥によって製造される、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、凝集粒子を含む、請求項1に記載の組成物。 凝集粒子が110ミクロン未満又はそれに等しい平均粒径を有する、請求項7に記載の組成物。 凝集粒子が92〜200ミクロンの平均粒径を有する、請求項7に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、約2〜約3質量%の範囲の水分含量及び約30〜約275MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に約1.0〜約20kPの範囲の圧縮破砕強度を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、約5〜6質量%の範囲の水分含量及び約15〜70MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に約0.5〜11kPの範囲の圧縮破砕強度を有する、請求項1に記載の組成物。 水中に置いた時にスルホアルキルエーテル組成物2.5gが4.5分未満の平均溶出時間を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテル組成物の粒子容積の少なくとも90%が25ミクロンを超える又はそれに等しい算出直径を有する粒子でできている、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、さらに以下の性質: a. 18質量%未満又はそれに等しい水分含量; b. 1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度; c. 24%未満又はそれに等しいCARR指数; d. 20mm未満の重力流動最小オリフィス径; e. 2〜3質量%の範囲の水分含量及び50〜200MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に1.0〜20kPの範囲の圧縮破砕強度;及び f. 5〜6質量%の範囲の水分含量及び15〜70MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に0.5〜11kPの範囲の圧縮破砕強度;の2つ又はそれ以上を有する請求項1に記載の組成物。 方法が、 a. 水及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し; b. 液体フィードに、組み合わせ流動床噴霧乾燥法を実施し、それによってスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを潮解点より下に乾燥させて、凝集粒子を含み、24%未満又はそれに等しいCARR指数、0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度、及び0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度を有する粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させる;ことを含む、粒子状スルホアルキルエーテル組成物の製造方法。 流動床噴霧乾燥法が、液体担体及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し;乾燥室中で第1の平均粒径を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン粒子の流動床を用意し、その際、床は第1の方向に流れている加熱ガス流により流動化され;噴霧器を用いて液体フィードを乾燥室中の粒子上へ噴霧してより大きい第2の平均粒径を有する凝集粒子を含む粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させ、ここにおいて噴霧化を第2の方向で実施し、大多数の液体担体を粒子状組成物から除去し;そして粒子状組成物を集めてスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させることを含む、請求項15に記載の方法。 組み合わせ方法を、円筒状乾燥室を有する装置中で実施する、請求項16に記載の方法。 さらに、粒子状組成物の一部のより小さな粒子を噴霧器と粒子の流動床との間の場所で乾燥室に戻してリサイクルすることを含む、請求項16に記載の方法。 方法が並流方式で実施される、請求項16に記載の方法。 方法が向流方式で実施される、請求項16に記載の方法。 方法が混流方式で実施される、請求項16に記載の方法。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基であり、ここにおいて、R1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そしてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である請求項16に記載の方法。 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.49〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が粒子状であり、平均粒径92〜200を有する、請求項23又は24に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が粒子状であり、110ミクロン又はそれ未満の平均粒径を有する、請求項23又は24に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、20mm又はそれ未満の重力流動最小オリフィス径を有する請求項23又は24に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、24%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項23又は24に記載の組成物。 10mm又はそれ未満の重力流動最小オリフィス径を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 スルホアルキルエーテルが、 式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、ここにおいてR1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そして S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である、請求項1、14、23、24又は29に記載の組成物。 1つ又はそれ以上の活性剤をさらに含む、請求項1〜14、23又は24のいずれか1項に記載の組成物。 1つ又はそれ以上の賦形剤をさらに含む請求項31に記載の組成物。 1つ又はそれ以上の賦形剤をさらに含む請求項1〜14、23又は24のいずれか1項に記載の組成物。 粒子状SAE−CD組成物が提供される。SAE−CD組成物は、公知のSAE−CDの固体形態では見られない物理的性質の有益な組み合わせを有する。特に、SAE−CD組成物は、特定の使用に合わせることができるような有益な物理化学的及び形態学的性質プロファイルを有する。本発明のSAE−CD組成物は、公知のSAE−CDの組成物と比較して改善された流動性及び溶出性能を有する。 20080918A16333全文3 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が a. スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物の潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.49〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が18質量%未満の水分含量を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が24%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、20mm未満の重力流動最小オリフィス径を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、流動床噴霧乾燥によって製造される、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、凝集粒子を含む、請求項1に記載の組成物。 凝集粒子が110ミクロン未満又はそれに等しい平均粒径を有する、請求項7に記載の組成物。 凝集粒子が92〜200ミクロンの平均粒径を有する、請求項7に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、2〜3質量%の範囲の水分含量及び30〜275MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に1.0〜20kPの範囲の圧縮破砕強度を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、5〜6質量%の範囲の水分含量及び15〜70MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に0.5〜11kPの範囲の圧縮破砕強度を有する、請求項1に記載の組成物。 水中に置いた時にスルホアルキルエーテル組成物2.5gが4.5分未満の平均溶出時間を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテル組成物の粒子容積の少なくとも90%が25ミクロンを超える又はそれに等しい算出直径を有する粒子でできている、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、さらに以下の性質: a. 18質量%未満又はそれに等しい水分含量; b. 1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度; c. 24%未満又はそれに等しいCARR指数; d. 20mm未満の重力流動最小オリフィス径; e. 2〜3質量%の範囲の水分含量及び50〜200MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に1.0〜20kPの範囲の圧縮破砕強度;及び f. 5〜6質量%の範囲の水分含量及び15〜70MPaの範囲のPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に0.5〜11kPの範囲の圧縮破砕強度;の2つ又はそれ以上を有する請求項1に記載の組成物。 方法が、 a. 水及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し; b. 液体フィードに、組み合わせ流動床噴霧乾燥法を実施し、それによってスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを潮解点より下に乾燥させて、凝集粒子を含み、24%未満又はそれに等しいCARR指数、0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度、及び0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度を有する粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させる;ことを含む、粒子状スルホアルキルエーテル組成物の製造方法。 流動床噴霧乾燥法が、液体担体及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し;乾燥室中で第1の平均粒径を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン粒子の流動床を用意し、その際、床は第1の方向に流れている加熱ガス流により流動化され;噴霧器を用いて液体フィードを乾燥室中の粒子上へ噴霧してより大きい第2の平均粒径を有する凝集粒子を含む粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させ、ここにおいて噴霧化を第2の方向で実施し、大多数の液体担体を粒子状組成物から除去し;そして粒子状組成物を集めてスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させることを含む、請求項15に記載の方法。 組み合わせ方法を、円筒状乾燥室を有する装置中で実施する、請求項16に記載の方法。 さらに、粒子状組成物の一部のより小さな粒子を噴霧器と粒子の流動床との間の場所で乾燥室に戻してリサイクルすることを含む、請求項16に記載の方法。 方法が並流、向流又は混流方式で実施される、請求項16に記載の方法。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基であり、ここにおいて、R1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そしてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である請求項16に記載の方法。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.49〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、請求項1に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物が、 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度;及び c. 0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度:を有する、請求項1に記載の組成物。 10mm又はそれ未満の重力流動最小オリフィス径を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を含む組成物。 スルホアルキルエーテルが、 式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、ここにおいてR1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そして S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である、請求項1に記載の組成物。 1つ又はそれ以上の活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 1つ又はそれ以上の賦形剤をさらに含む請求項26に記載の組成物。


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特許公報(B2)_スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物及びその製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物及びその製造方法
出願番号:2008537669
年次:2014
IPC分類:C08B 37/16,A61K 47/40,A61K 9/14,A61K 9/20


特許情報キャッシュ

ジェイムズ・ディー・ピプキン ジェロルド・エル・モーシャー ダグラス・ビー・ヘッカー JP 5465432 特許公報(B2) 20140131 2008537669 20051026 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物及びその製造方法 サイデックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 501278788 結田 純次 100127926 三輪 昭次 100105290 竹林 則幸 100140132 高木 千嘉 100091731 ジェイムズ・ディー・ピプキン ジェロルド・エル・モーシャー ダグラス・ビー・ヘッカー 20140409 C08B 37/16 20060101AFI20140319BHJP A61K 47/40 20060101ALI20140319BHJP A61K 9/14 20060101ALI20140319BHJP A61K 9/20 20060101ALI20140319BHJP JPC08B37/16A61K47/40A61K9/14A61K9/20 C08B 37/ A61K 9/ A61K 47/ CAplus/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特表平05−504783(JP,A) 特開平11−060610(JP,A) 特表平06−511513(JP,A) 特表平10−504351(JP,A) 特表2004−528288(JP,A) Smyth,H.D.C.et al,Respiratory Drug Delivery IX,2004年,pp 809-812 Smyth,H.D.C.et al,Respiratory Drug Delivery IX,2004年,pp 805-807 久保田 濃,流動層造粒法,造粒便覧,株式会社 オーム社,1975年,第1版 松下 泰雄,顆粒剤,薬剤学 I 調剤・製剤,朝倉 邦造 株式会社朝倉書店,1995年 32 US2005038933 20051026 WO2007050075 20070503 2009513773 20090402 41 20080918 井上 典之 本発明は、改善された物理的性質を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体及びその製造方法に関する。 組成物の非化学的物理的性質プロファイルは、特定の物質の製造過程の取扱い及び性能、並びにおそらく生体外又は生体内の性能を劇的に変えることができる。換言すれば、第1の物理的性質プロファイルを有する所定の化学組成物は、吸入に適していることがあるが;異なる第2の物理的性質プロファイルを有する同じ化学組成物は、吸入に適していないことがある。同様に、第1の物理的性質プロファイルを有する特定の賦形剤は、異なる第2の物理的性質プロファイルを有する同じ賦形剤よりも打錠成形により適していることがある。 例えば、乾燥粉末吸入用の担体として使用される物質の異なる物理的形態の適性は、物質の種々の物理的形態の非化学的物理的性質プロファイルに従って変化する。吸入による薬物の送達では、気道の異なるセクション、例えばのど、気管、気管支及び肺胞に薬物が沈着することがある。一般に、粒子サイズがより小さいほど、粒子はより長く空気中に浮遊したままになり、気道のよりいっそう下方に薬物を送達することができる。薬物は、ネブライザー、定量吸入器(MDI)又は乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて吸入によって送達される。 乾燥粉末吸入器では、患者にエーロゾル剤の形態で粉末医薬が提供される。エーロゾル剤を生成するには、その静止状態の粉末を流動化して患者の吸気流中に同伴(entraine)させなければならない。粉末は、分散すべき場合、克服しなければならない多くの凝集及び粘着力を受けている。流動化及び同伴(entrainment)は、静的粉末床(static powder bed)にエネルギーの入力を必要とする。担体粒子の粒径、形状、表面形態及び化学組成は、エーロゾル分散液に影響を及ぼしうる。一般に、高められた薬物分散及び沈着(deposition)は、より小さな担体サイズ及び微粒子の高められた比率で観察される。細長い担体は、おそらく気流のけん引力中で増加した持続時間により、一般にエーロゾル剤の分散性及び薬物のFPF(微粒子画分)を高める。平滑な表面を有する担体では、呼吸に適した画分(respirable fractions)がより多くなる。巨視的な表面粗さ又は平滑な表面を有する担体では、呼吸に適した画分が少なくなるのに対して、微視的な表面粗さを有する担体では呼吸に適した画分が多くなり、この場合、より接触面積が小さくなり、表面の突出が小さく、薬物付着が低下する。従って、乾燥粉末吸入器製剤について、担体粒径は、これらの互いに関係する性能特性間のバランスに基づいて選択しなければならない。具体的には、薬物粒子が担体に付着するには、粒子間力(inter−particulate forces)がなければならず(混ぜて均一にし、そして吸気流に薬物を同伴させるため)、さらにまた、より粗い担体粒子の表面から微細薬物粒子が脱離することで、肺への送達を促進できる。上記を鑑みて、公知の固形担体ラクトースの異なる物理的形態は、乾燥粉末吸入に適していることもあるし、又は適していないこともある。 賦形剤の挙動における物理的形態の同様の一般的な影響は、錠剤、液剤、懸濁剤、乳剤、フィルム、ラミネート、ペレット剤、散剤、ビーズ、顆粒剤、坐剤、軟膏剤、クリーム、などのような剤形の製造に使用される他の製薬過程にとってもあてはまる。換言すれば、単一の賦形剤を、特定の使用により適したものにするためには、さまざまな物理的形態で製造する必要がある。打錠成形を改善するには、例えば、賦形剤は改善された流れを有することが好ましい。錠剤プレス機又はカプセル充填器における取扱い及び加工を容易にするためには良好な流動特性が望ましい。それは、また、錠剤中の賦形剤の役割に応じて特定の範囲内の圧縮率を有するであろう。賦形剤が調製可能な(constitutable)液体製剤中に使用される場合、賦形剤は、液体中に置いた時に凝集することなく完全にかつ急速に溶解することが好ましい。これらの多くは固体賦形剤に非常に望ましい特徴であっても、これらの特徴の全てを有するいずれか単一の賦形剤を得ることは非常に困難である。そのため、とりわけ、多くの異なるグレードの賦形剤が医薬産業で開発されている。 とりわけ、トレー乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、流動床噴霧造粒及び流動床噴霧凝集のような乾燥方法は、フィード溶液(feed solutions)、乳濁液、懸濁液又はスラリーから固形物を製造するために医薬産業で使用される。単離された固形物の物理的性質は、フィード物質の性質並びに使用する乾燥方法で用いるパラメーター及び使用する乾燥方法に用いる装置に左右される。 噴霧乾燥は、固形物を含むフィード溶液又は懸濁液を霧化して乾燥室中で熱ガス流に導かれる霧化された液滴を形成し、それによって液滴から液体担体を蒸発させて球状粒子を形成することを伴う。流動床噴霧乾燥は、噴霧乾燥を改良した形態であり、ここでは、噴霧乾燥法は、霧化された液滴が流動化された粒子と衝突して付着するように微粒子の流動床(熱ガスの流れによって流動化される)の存在下で実施される。噴霧乾燥装置は、フィード溶液の及び乾燥室中の固形物含量を変更することによって、それぞれ流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒と称する方法で固形物を凝集又は造粒するようにすることができる。さらに、円筒状の噴霧乾燥装置に対して長方形のものを使用すると、得られた生成物の物理的性質に影響を与える。 円筒状装置を用いた典型的な流動床噴霧凝集/造粒では、粉末フィード(powder feed)は、制御可能な速度で固形物フィード入口に入り、そして液体噴霧系は、流動床の上部又は底面から物質へ液体フィードを噴霧する。加熱された流動化ガスは、底面のスクリーンを通しての入口から上に流れており、流動床室中で粉末フィード又は種粒子を流動化している。同時に、分級ガス(classifying gas)は、微粒子が流動床へと吹き戻るように制御された速度で排出管中を上方へ流れ、排出管の分級空気速度よりも速い沈降速度を有するより大きい粒子のみを管を通して排出させる。これにより生成物の粒径を制御することができると同時に生成物を無塵に保持できる。環状ユニットの外部脱塵装置によって排出空気から除去された粉塵は、さらなる処理のためリサイクル入口に再循環させることができる。このプロセス中に、より小さな粒子は、相互に又はより大きい粒子と融合して集塊を形成する。その結果、流動床中の粒子の粒径分布は、高められて生成物中に存在する微粒子のパーセンテージが流動化されたフィード物質と比較して低下する。 水性媒体中で水に難溶性の化合物を可溶化することは、多くの場合きわめて困難である。従って、技術者は、水性媒体中でシクロデキストリンのような可溶化促進剤を使用してきた。親(誘導体化されてない)シクロデキストリン及びそれらの誘導体は、6、7又は8個のグルコピラノース単位を含む周知の賦形剤であり、それぞれα−、β−及びγ−シクロデキストリンと称する。それぞれのシクロデキストリンサブユニットは、2及び3位に第二級ヒドロキシル基、そして6位に第一級ヒドロキシル基を有する。シクロデキストリンは、親水性の外部表面及び疎水性の内部空洞を有する中空の円錐台として描くことができる。 β−CDは、異なる仕上げ方法を用いた種々の異なる形態で製造されることが報告されている。American Maize Products(仏国特許第2,597,485号)は、水溶液からシクロデキストリンエーテルを回収するための適切な方法として凍結乾燥及び噴霧法を推奨している。しかし、これらの種々の技術によって得られた粉末は溶出性に乏しい。さらに、これらの粉末は、容易に流動せず、平凡な圧縮性を有する。 Sharmaへの米国特許第6,555,139号は、平滑なラテックスのようなマイクロ懸濁液(microsuspension)を得るため疎水性薬物と組み合わせてβ−CDを微小流動化(microfluidizing)する方法を開示している。 Bodleyらへの米国特許第5,674,854号は、β−CD及びジクロフェナクの包接錯体を含んでなる組成物を開示している。組成物は、噴霧凝集によって製造することができる。 Schleifenbaumへの米国特許出願公開第20040234479号は、シクロデキストリン粒子及び香味料又は芳香剤を含有してなるシクロデキストリン粒子を含んでなる香味料又は芳香剤を開示しており、ここでは、シクロデキストリン粒子は、50〜1000μの範囲の粒子サイズを有する。シクロデキストリン粒子は、セルロースエーテル及びシクロデキストリンを含み、ここにおいて、シクロデキストリン粒子は、噴霧混合物から一段階流動床法によって得られ、その際、ガス導入温度は、80°〜180℃であり、そしてガス出口温度は40°〜95℃である。 欧州特許出願第EP 392 608号は、粒子サイズが12μ未満、好ましくは5μ未満である粉末状シクロデキストリン錯体の製造方法を開示している。これを実施するのに適した方法としては、噴霧乾燥及び凍結乾燥が含まれる。‘608出願では、小さな粒径のCDは、多くの場合、低い注入性(pourability)又は流動性を示し、発塵((dusting))しやすくなりうると記載されている。このため、当分野では、少なくとも50μの粒径を有するシクロデキストリン錯体粒子を使用することが示唆されている。 Lisらへの米国特許出願公開第20030065167号は、直接圧縮可能なβ−CDの製造方法を開示している。その方法には、水和したβ−シクロデキストリンを水分含量6質量%未満、好ましくは4質量%未満、そしてさらにより好ましくは2質量%未満又はそれに等しくなるまで脱水し、その後、水分含量10質量%を超える、好ましくは12質量%を超える、そしてさらにより好ましくは13質量%を超える又はそれに等しくなるまで強制的に再水和させる工程が含まれる。 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)を含むシロップから得たヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)の製造における乾燥工程又は仕上げの工程の影響を調査した。Sikorskiらへの米国特許出願公開第20030028014号は、凝集したHP−β−CD及びその製造方法を開示している。凝集した生成物は、ダブルドラム乾燥機中で製造される。低い発塵及び水中で良好に溶出することが報告されている。この生成物の粒径は約30〜200μである。 Fuertesらへの米国特許第5,756,484号は、粉状のHP−β−CD組成物及びその製造方法を開示している。HP−β−CDは、中心となる粒径が微粒子を含まず、水性媒体中で溶出する能力がかなり改善されている。HP−β−CDは、HP−β−CD粒子の移動粉状床にHP−β−CDの溶液を噴霧することによって製造される。 親シクロデキストリンの物理的及び化学性質は、ヒドロキシル基を他の官能基で誘導体化することによって修飾することができる。そのような誘導体の一つが、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンである。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)誘導体は、それらの使用が広範囲にわたるのでよく知られている。SAE−CD誘導体は、薬物の可溶化及び/又は安定化に特に有用である。βシクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体(SBE−β−CD)、特にシクロデキストリン分子当たり平均約7個の置換基を有する誘導体(SBE7−β−CD)は、CAPTISOL(R)としてCyDex社によって商業化されている。アニオン性スルホブチルエーテル置換基は、親シクロデキストリンの水溶解度を劇的に改善する。さらに、電荷の存在は、ヒドロキシプロピル誘導体と比較して、コレステロールと錯体形成するための分子の能力を低下させる。薬物とCAPTISOL(R)シクロデキストリンとの可逆的な非共有結合性の錯体形成は、一般に水溶液中での薬物の溶解度と安定性を高めることができる。 噴霧乾燥によって製造されたCAPTISOL(R)は、商業的な製剤VFEND(R)及びGEODON(R)中に使用される。それは、医薬製剤に使用するための主要なシクロデキストリン誘導体であり、従って産業に重要である。 SAE−CD誘導体の製造方法は、多様であるが、一般に、スルホアルキル化してその後に単離する一般的工程が含まれる。SAE−CDの化学的性質プロファイルは、スルホアルキル化工程中で確立される。例えば、スルホアルキル化中の反応条件を変えることで、SAE−CD中のスルホアルキル基の平均置換度及び平均位置化学的分布を変化させることができる。スルホアルキル官能基のアルキル鎖長は、使用するスルホアルキル化剤によって決まる。そして、アルキル化中に特定のアルカリ化剤を使用すると、スルホアルキル化後にイオン交換工程を実施しなければ、特定のSAE−CD塩が形成されることになると考えられる。 一般に、スルホアルキル化工程の公知の方法には、例えば、以下が含まれる:1)誘導体化されてない親シクロデキストリンをアルカリ性条件下でアルキル化剤、例えばアルキルスルトン又はハロアルキルスルホネートに暴露し;2)反応環境にさらなるアルカリ化剤を場合により添加して過剰のアルキル化剤を消費し;そして3)反応媒体を酸性化剤で中和する。大多数の文献の方法は、水性媒体中でスルホアルキル化工程を実施しているが;しかし、いくつかの文献は、スルホアルキル化の反応溶媒としてピリジン、ジオキサン又はDMSOの使用を開示している。文献は、スルホアルキル化反応を促進するために、アルカリ化剤の使用を開示している。スルホアルキル化工程終了後、SAE−CDの単離及び精製を実施する。 スルホアルキル化及び中和後のSAE−CDのいくつかの異なる単離方法が記載されている。一般に、SAE−CDを含む水性液体を乾燥して水を除去し、固形物を形成する。文献は、SAE−CDを含む水溶液からの脱水についての種々の方法を示唆している。このような方法には、慣用の凍結乾燥、噴霧乾燥、オーブン乾燥、真空オーブン乾燥、減圧下の回転蒸発、真空乾燥又はバキュームドラム乾燥が含まれる。例えばMa (S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261−266)、CAPTISOL(R)(スルホブチルエーテルベータ−シクロデキストリンナトリウム;Pharmaceutical Excipients 2004; Eds. R. C. Rowe, P. J. Sheskey, S. C. Owen; Pharmaceutical Press and American Pharmaceutical Association, 2004)及びSAE−CD誘導体の製造に関する他の文献を参照のこと。 従って、当分野では、特定の非化学的物理的性質プロファイルを有するSAE−CD誘導体の製造及び使用方法における教示が不足している。SAE−CDが医薬産業にとって重要であれば、形態を特定の目的に合わせることができるような特定の非化学的物理的性質プロファイルを有するSAE−CD誘導体を提供することは、当分野における有意な改善となりうる。 本発明は、SAE−CDの公知の乾燥粉末組成物にある欠点を克服することを目的とする。 このように、誘導体化されたシクロデキストリン−ベースの、例えばスルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)−ベースの組成物が提供される。本発明のSAE−CD組成物は、主要な活性剤が除かれている。しかしながら、組成物は、予想外に有益な物理的性質を有し、これはSAE−CDを含む水性媒体から水を除去するのに用いた方法の結果として得られた。本発明の方法によって製造される組成物は、粒子状形態の固体SAE−CDを提供する。 種々の技術によりSAE−CDの物理的性質を調節してさまざまなグレードのSAE−CD(SAE−CDグレード又はSAE−CD組成物)が得られ、その際、それぞれは、錠剤、カプセル、調製可能な粉末(constitutable powder)、乾燥粉末吸入器、サシェ、トローチ及びロゼンジのような特定の剤形に使用するために合わせられる。また、改善された取扱い、包装、保存及び活性に関連する他の方法のために性質を修正することができる。また、対イオンの特徴、SAE−CDを製造する親シクロデキストリンのアルキル鎖長、平均置換度、又は環サイズを変えることによって化学的性質を特定の使用に合わせることができる。また、SAE−CDの非化学的物理的性質を変えることによって、例えば平均粒径(mean or average particle diameter)、粒径分布のスパン、SAE−CDの水分含量、SAE−CD粒子の表面特性、粒子の溶出速度、嵩密度、タップ密度、Carr指数、圧縮率、流動性などを変えることによって性質を特定の使用に合わせることができる。 本発明のSAE−CD組成物は、公知のSAE−CD組成物、すなわち、スルホアルキル化後の工程が異なる公知の方法に従って製造されたものよりも多くの利点を有する。本明細書におけるSAE−CD組成物は、予想外に改善された水溶出速度、圧縮破砕強度(compression crushing strength)、錠剤化の容易さ、及び/又は改善された固形物の取扱いを提供する。 SAE−CD組成物の1つの形態として、水分含量約20質量%以下のものが提供される。SAE−CD組成物は、活性剤の全て又は実質的に全てがSAE−CDと錯体形成しないように、活性剤との混合物で乾燥製剤中に含まれうる。SAE−CD組成物は、1つ又はそれ以上の賦形剤との混合物で乾燥製剤中に含まれうる。また、SAE−CD組成物は、調製可能な製剤中に含まれうる。 本発明の粒子状SAE−CD組成物は、以前から公知のSAE−CD組成物、例えば噴霧乾燥によって製造されたものよりもより急速に溶出しやすいという形態学的及び物理化学的性質を有する。本明細書に記載された方法によって製造されるSAE−CD組成物は、形態学的及び物理化学的性質の特定の組み合わせを有する。いくつかの実施態様において、方法は流動床噴霧凝集による。いくつかの実施態様において、粒子状SAE−CD組成物は、流動床噴霧造粒によって製造され、生成したSAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集によって製造されるSAE−CD組成物とは物理的性質の異なる組み合わせを有する。 SAE−CD粒子が公知の方法によって製造される場合、それらは、本発明のSAE−CD組成物に見出される物理的性質の有益な組み合わせを有しない。本明細書に開示されるSAE−CD組成物は、以下の方法によって製造される:水及びSAE−CDを含む水性液体フィードを用意し;そして液体フィードに、組み合わせた流動床噴霧乾燥法を実施し、それによってSAE−CDを凝集(及び/又は粒状化)させ、そして潮解点より下に乾燥させて、凝集(及び/又は粒状化)した粒子を含む粒子状SAE−CD組成物を形成し、その際、SAE−CD組成物の粒子容積の少なくとも90%は、約25ミクロンを超える又はそれに等しい算出直径を有する粒子でできている(10%の累積容積分率の粒径カットオフは、25ミクロン又はそれ以上である)。SAE−CD組成物は、USP<616>方法1に従って測定した場合、約0.66〜0.75g/cm3又は約0.49〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度及び/又はUSP<616>方法1に従って測定した場合、約0.55〜0.66g/cm3又は約0.38〜約0.66g/cm3の範囲の嵩密度を有することができる。特定のSAE−CD組成物では、タップ密度は嵩密度より高い。 SAE−CD組成物の水分含量は、その潮解点より下にある。しかしながら、特定の実施態様として、≦18%質量%、≦16%質量%、≦15%質量%、≦10%質量%、又は≦5%質量%の水分含量を有するものが含まれる。 SAE−CD組成物は、粒子状であり、そして約92〜約200ミクロン、又は約110ミクロン未満若しくはそれに等しい、又は約200ミクロン未満若しくはそれに等しい平均粒径を有する。平均粒径は、Malvern機器を用いて実施例3に従って測定した。この機器は、小角レーザー光散乱により粒径を測定し、そして推定される球面形状容積に基づいて粒径を算出する。「平均粒径」なる用語は、容積モーメント平均(volume moment mean)として定義され、別途、De Brouckere平均径、D[4,3]として知られている。SAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒によって製造することができる。 本発明のSAE−CD組成物は、打錠での使用に関して、以前から公知のSAE−CD組成物よりも、製剤をより適切なものにする物理的性質の組み合わせを有する。例えば、SAE−CD組成物は、約30〜約275MPaの範囲のPmax(ピーク圧縮圧力)を用いてSAE−CD組成物200mgを直径0.345インチの錠剤に圧縮した時に、約1.0〜約20kPの範囲の圧縮破砕強度を有し、そしてSAE−CD組成物は、LODで測定して約2〜約3質量%の範囲の水分含量を有する。別法として、SAE−CD組成物は、約15〜70MPaの範囲のPmax MPaを用いてSAE−CD組成物200mgを直径0.345インチの錠剤に圧縮した時に約0.5〜11KPの範囲の圧縮破砕強度を有し、そしてSAE−CDは、約5〜6質量%の範囲の水分含量を有する。 SAE−CD組成物は、慣用の噴霧乾燥によって製造されたSAE−CDのものより水中でより速い溶出速度を有する。SAE−CD組成物2.5gを実施例6に従って試験した場合、水中に置いた時に、平均溶出時間は2.5分若しくはそれ未満又は4.5分若しくはそれ未満、又は3.5分若しくはそれ未満である。 本発明により、有益な流動性を有するSAE−CD組成物が提供される。例えば、SAE−CD組成物は、重力流動最小オリフィス径(gravitational−flow minimum orifice diameter)が約3〜7mm若しくは4〜6mm、又は約10mm未満若しくは約20mm未満である。実施例5の方法に従って重力流動最小オリフィス径を測定することができる。 SAE−CD組成物の密度は、制御することができる。SAE−CD組成物は、1.25〜1.35g/cm3又は1.1〜1.5g/cm3の真密度を有する。SAE−CD組成物の実施態様には、USP<616>方法1に従って実施した時に、約0.55〜約0.66g/cm3、約0.38から約0.55g/cm3未満、又は約0.38〜約0.66g/cm3の嵩密度を有するものが含まれる。他の実施態様は、USP<616>方法1に従って実施した時に、約0.66〜約0.75g/cm3、又は約0.49〜約0.66g/cm3若しくは約0.49〜約0.75g/cm3のタップ密度(tapped density)を有する。さらに又は別に、SAE−CD組成物は、約24%若しくはそれ未満又は18%若しくはそれ未満又は16%若しくはそれ未満のCARR指数を有する。 本発明の別の態様は、潮解点より下の水分含量、約0.55〜0.66g/cm3の範囲の嵩密度、及び約0.66〜0.75g/cm3の範囲のタップ密度、約24%又はそれ未満のCARR指数;及び場合により約18質量%未満の水分含量、場合により約1.1〜1.5g/cm3の範囲の真密度、場合により約20mm未満の重力流動最小オリフィス径を有し、場合により、その際、SAE−CD組成物は、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒によって製造される、SAE−CD組成物を提供する。 別の態様としては、錠剤化賦形剤、カプセル賦形剤、DPI(乾燥粉末吸入器)賦形剤、押出賦形剤、PMDI(加圧定量吸入器)賦形剤、DPI又はPMDIによる薬物送達用の担体、口腔分散性錠剤賦形剤、摂取可能な粉末、乾式粒状賦形剤、ペレット化賦形剤、ノンパリエル種(non−pariel seeds)、エアロゾル化可能な粉末、及び/又は調製可能な粉末賦形剤としてのSAE−CD組成物の使用が提供される。 SAE−CD組成物は、1つ又はそれ以上の活性剤及び場合により1つ又はそれ以上の賦形剤を含んでなる製剤(例えば固体、液体、ゲル、懸濁液、乳濁液又は他の公知の製剤)中に含まれうる。したがって、また、本発明は、活性剤をさらに含む製剤としてSAE−CD組成物を被験者に投与することによる疾患又は障害の治療方法を提供する。 一実施態様において、SAE−CD組成物の性質は、乾燥粉末吸入器からの分散液を最適化するためにさまざまな生理化学的性質を薬物粒子の性質に合わせるべく調節することができる。 本発明のさらなる実施態様は、以下のものからなる:1)SAE−CD組成物が、式1の化合物又はその混合物である;2)SAE−CD組成物を含んでなる製剤がさらに、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、透過増強剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤又はそれらの組み合わせを含む;及び/又は3)SAE−CDが、式2の化合物又はその混合物である。 本発明の別の態様は、改善された固形製剤を提供し、その改善は、製剤中に本発明のSAE−CD組成物を含み、その際、SAE−CDは、流動床噴霧乾燥法(凝集又は造粒)によって製造されるか、又はSAE−CD組成物が本明細書に定義された物理的性質プロファイルを有することからなる。本発明のこれらの及び他の態様は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲及び添付の図面を参照して明らかである。 以下の図面は、説明のためにのみ記載され、従って本発明の範囲を制限しようとするものではない。 図1は、本発明に従って製造されたSAE−CD組成物の典型的なバッチのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。SAE−CD粒子は、スルホアルキル化後が異なる方法に従って製造された。 図2は、典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。 図3は、別の典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。 図4は、異なる水分量を含む本発明のSAE−CD組成物についての破砕強度と圧縮圧力の関係を示すグラフである。本発明の詳述 SAE−CD組成物は、特定用途に使用するために適合させられる。それらの用途に使用する場合、本SAE−CD組成物は、それらの用途で以前から公知のSAE−CD組成物よりも有益であり、改善された性能が得られる。仕上げ条件(スルホアルキル化後の工程;スルホアルキル化工程の後に生じる工程)を変えることによって、SAE−CDの物理化学的及び形態学的性質を改良することができる。例えば、乾燥及び単離条件を変えることによって異なるSAE−CD組成物を得ることができる。 本発明のSAE−CD組成物は、摩滅(attritting)を必要としなくとも、摩滅させてなおさらに改良されたSAE−CD組成物を提供することができる。例えば流動床噴霧乾燥によって製造されたSAE−CD組成物を摩滅させると異なる嵩密度、タップ密度及び/又は粒径を有するSAE−CD組成物を得ることができる。本明細書に使用されるように、摩滅なる用語は、その粒径を小さくするために固形物を物理的に研磨することを意味する。医薬産業で使用されるこのような方法はいずれも本発明の方法に使用するために適している。摩滅方法には、例えば超微粉砕、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ピンミル粉砕、タンブリング(tumbling)、篩分け、及び乳鉢と乳棒が含まれる。低及び高エネルギー方法の両方を使用することができる。 本発明は、異なる物理的性質の組み合わせを有し、活性剤又は医薬賦形剤は除かれたスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの組成物を意味する、「SAE−CD組成物」を提供する。SAE−CD組成物に関しては、「除かれた」なる用語は、意図的に加えてないことを意味する。従って、SAE−CD組成物は、その製造方法に内在する賦形剤を含むことは可能である。例えば、第1のSAE−CD組成物は、物理的性質の第1の組み合わせ、すなわち第1の物理的性質プロファイルを有し、そして第2のSAE−CD組成物は、物理的性質の第2の組み合わせを有する。物理的性質の異なる組み合わせによって、第1のSAE−CD組成物は、特定の使用にとってより有益であり、そして第2のSAE−CD組成物は、別の特定の使用にとってより有益である。 本発明は、SAE−CDが式1の化合物又はその組み合わせであるSAE−CD組成物を提供する: 式中: nは4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基であり、ここにおいて、R1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、好ましくは−O−(CH2)mSO3-基であり、ここにおいて、mは2〜6、好ましくは2〜4(例えば−OCH2CH2CH2SO3-又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-)であり;そしてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンであり、それには、例えばH+、アルカリ金属(例えばLi+、Na+、K+)、アルカリ土類金属(例えばCa+2、Mg+2)、アンモニウムイオン及びアミンカチオン、例えば(C1−C6)−アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C1−C6)−アルカノールアミン及び(C4−C8)−シクロアルカノールアミンのカチオンが含まれる。 本発明のSAE−CD組成物の製造に使用するためのSAE−CD原料物質の適切な製造方法は、Stellaらへの米国特許第5,376,645号、同第5,874,418号及び同第5,134,127号;Parmerterらへの米国特許第3,426,011号;Lammersら(Recl. Trav. Chim. Pays−Bas (1972), 91(6), 733−742);Staerke (1971), 23(5), 167−171);Quら(J. Inclusion Phenom. Macro. Chem., (2002), 43, 213−221);Yoshinagaへの米国特許第5,241,059号;Shahへの米国特許第6,153,746号;StellaらへのPCT国際公開第WO 2005/042584号;Adamら(J. Med. Chem. (2002), 45, 1806−1816);ZhangらへのPCT国際公開第WO 01/40316号;Tarverら(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2002), 10, 1819−1827);Ma (S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261−266);Jungら(J. Chromat. 1996, 755, 81−88);及びLunaら(Carbohydr. Res. 1997, 299, 103−110)に開示されており、それらの全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 SAE−CD原料物質は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いる流動床噴霧乾燥法で使用される液体フィード中に含まれる。 また、本発明のSAE−CD組成物は、誘導体化されたシクロデキストリン(SAE−CD)及び誘導体化されてないシクロデキストリンの組み合わせを含むことができる。例えば、SAE−CD組成物は、存在する全シクロデキストリンの0〜50質量%未満の量で誘導体化されてないシクロデキストリンを含むように製造することができる。SAE−CD組成物の典型的な実施態様には、誘導体化されてないシクロデキストリン0〜5質量%、5〜50質量%、5%未満、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、又は50%未満を含むものが含まれる。 「アルキレン」及び「アルキル」なる用語には、それぞれ、本明細書に使用されるように(例えば、−O−(C2−C6−アルキレン)SO3-基中又はアルキルアミン中)、直鎖、環式、又は分枝鎖の飽和又は不飽和(すなわち、1つの二重結合を含む)二価のアルキレン基又は一価のアルキル基が含まれる。同様に、本明細書中の「アルカノール」なる用語には、アルカノール基の直鎖、環式及び分枝鎖の飽和及び不飽和アルキル成分の両方が含まれ、その際、ヒドロキシル基は、アルキル部分のい任意の位置に存在することができる。「シクロアルカノール」なる用語には、非置換の又は置換された(例えば、メチル又はエチルによって)環式アルコールが含まれる。 本発明のいくつかの実施態様では、式(I)に示された構造を有する単一タイプのシクロデキストリン誘導体を含んでなる組成物であって、組成物が、全体としてシクロデキストリン分子当たり平均して少なくとも1個、そして多くとも3n+6個のアルキルスルホン酸部分を含む前記組成物が提供される。また、本発明は、置換度について狭い又は広い範囲及び高い又は低い置換度を有するシクロデキストリン誘導体を含んでなる組成物を含む。これらの組み合わせは、特定の性質を有するシクロデキストリンを得るために、必要に応じて最適化することができる。 典型的なSAE−CD誘導体としては、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE11−β−CD、SBE7−γ−CD及びSBE5−γ−CDが含まれ、これらは式Iにおいて、それぞれn=5、5、5、6及び6;mは4であり;そしてそれぞれ平均して4、7、11、7及び5個のスルホアルキルエーテル置換基が存在する、式IのSAE−CD誘導体に相当する。他の典型的なSAE−CD誘導体としては、式2において、SAEがスルホメチルエーテル(SME)、スルホエチルエーテル(SEE)、スルホプロピルエーテル(SPE)、スルホブチルエーテル(SBE)、スルホペンチルエーテル(SPtE)、又はスルホヘキシルエーテル(SHE)であり;R(親シクロデキストリンの環構造)がそれぞれα、β又はγである時、x(平均又は特定の置換度)が1〜18、1〜21、1〜24であり;そしてCDはシクロデキストリンである式SAEx−R−CD(式2)のものが含まれる。SAE官能基は、本明細書に開示された又は一般に任意の酸性基の対イオンとして医薬産業で使用されるカチオン性対イオンが含まれる。 SAE−CDはポリアニオン性シクロデキストリンであるため、さまざまな塩の形態で得ることができる。SAE官能基に適切な対イオンとしては、カチオン性有機原子又は分子及びカチオン性無機原子又は分子が含まれる。SAE−CDは、単一タイプの対イオン又は異なる対イオンの混合物を含むことができる。SAE−CDの性質は、存在する対イオンの特徴を変えることによって修正することができる。例えば、SAE−CDの第1の塩形態は、SAE−CDの異なる第2の塩形態よりもより大きい静電荷を有することができる。カルシウム塩の形態は、ナトリウム塩の形態よりもより電気的陰性であることがわかっている。同様に、第1の置換度を有するSAE−CDは、異なる置換度を有する第2のSAE−CDよりもより大きい静電荷を有することができる。 SAE−CD組成物を肺内投与しようとする場合、中央粒径(median particle diameter)は、約0.1〜約10ミクロン又は約0.5〜約6.4ミクロンの範囲にあることができる。粒子が気道のより低い領域、すなわち、肺胞及び末端気管支に到達することが望ましい場合、中央粒径の範囲は、約0.5〜約2.5ミクロンの範囲であることができる。粒子が上気道に到達することが望ましい場合、粒径範囲は、2.5ミクロンと10ミクロンの間でありうる。この中央粒径サイズを有するSAE−CD組成物は、より大きい中央粒径範囲を有するSAE−CD組成物を摩滅させることによって製造することができる。 また、SAE−CD組成物の粒径スパン(比率=(90パーセンタイルの平均粒径−10パーセンタイルの平均粒径)/50パーセンタイルの平均粒径として定義される)は、その性能に影響を及ぼすことがある。本発明では、広い、中程度の及び狭い粒径分布を有するSAE−CDを使用することができる。より大きいスパンは、より広い粒径分布を表しており、そしてより小さなスパンは、より狭い粒径分布を表している。特定の実施態様としては、スパンが約1.5〜2.9、1.1〜1.9又は1.4〜1.7の範囲にあるものが含まれる。 粒子はサイズの分布として存在するため、分布は単峰性、二峰性又は多峰性であることがあり、単峰性の分布が好ましい。 SAE−CD組成物は、凝集した及び凝集してない粒子を含んでなる粒子状組成物である。凝集した粒子は、流動床噴霧乾燥によって製造することができ、それには凝集及び/又は造粒が含まれうる。凝集なる用語は、造粒と互いに交換可能に使用することができ、組成物中に分散された微粒子が組成物中の他の粒子と融合してより粗い粒子状組成物を形成し、それによって微粒子の量が減り、組成物の全体的な平均粒径を高める方法を意味するものとする。生成した粒子が集まったものは、凝集物又は粒状物と称することができる。本発明のSAE−CD組成物は、他の方法に従って製造された他のSAE−CD組成物とはSEMによって識別可能である。図1は、流動床噴霧乾燥によって製造された典型的なSAE−CD組成物のSEMを示す。粒子は、粗い表面構造を有し、凝集した粒子の実質的な量を含む。 SAE−CD組成物の典型的な製造方法としては、流動床噴霧凝集又は流動床噴霧造粒が含まれる。 図2は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いられることができる典型的な流動床噴霧乾燥器系を示す。この系は、液体フィードタンク(1)、円筒状流動床噴霧乾燥ユニット(2)、サイクロン粒子分級機(3)、完成した製品捕集容器(4)、ガス濾過ユニット(5)、廃棄製品の捕集容器(6)、コンデンサー(7)、及び流動床室(8〜10)を含んでなる。系は、以下の通り操作することができる。プロセスを開始するには、SAE−CD原料物質を含む水性液体フィードを、タンク(1)から導管(M)を経て乾燥機(2)に移す。液体フィードは、乾燥室中で熱ガス流(A)に対して向流方式で霧化され、粒子の最初の流動床を形成する。形成された微粒子は、乾燥室から排出され、導管(B)を経てサイクロン(3)に運ばれ、ここで粒子が分級され、そして適当なサイズの(appropriately−sized)微粒子を液体フィードに隣接した場所に並流様式で導管(C)を経て乾燥室の上部に戻す。さらなる液体フィードが乾燥室中に霧化されると、より大きい粒子及び微粒子が形成され、そしてより大きい粒子(「微細」粒子とみなされないもの)が、室(8)中で流動床を形成する。粒子が意図された平均粒径サイズに到達した場合、室(9)及び、続いて室(10)に導かれる。それぞれの室は、それ自体のガス入口を備えており、そして粒子の流動床を含む。室(8)のガス入口は、主要熱ガス流(A)であり、乾燥室(8)中の粒子床を流動化する。室(9)のガス流(N)は、流れ(A)よりも温度が低く、そして流れ(P)は温度がさらに低い。粒子は室(8)から室(9)、次いで室(10)に移動するにつれて、冷却される。完成したSAE−CD組成物は、室(10)から集められ、導管(F)を経て容器(4)に導かれる。室(9)及び(10)中に存在する微粒子は、導管(G)を経てサイクロン(3)に運ばれる。サイクロンから出るガスは、導管(H)を経てフィルターユニット(5)に導かれ、なんらかの粒子を集めるか、さもなければサイクロンによって乾燥室にリサイクルされる。フィルターユニット中に集められた粒子は、可能な再処理のため捕集容器(6)に装填される。ガスはフィルターユニットから出て、コンデンサー(7)を通して導かれ、これによりガスから水分が除去される。最終的に、ガスは排出されるか、又は導管(L)及び/又はガス流(A、N又はP)を経て乾燥室に戻るかのいずれかである。 図3は、本発明のSAE−CD組成物の製造に用いることができる別の典型的な流動床噴霧乾燥器系を示している。この系は、図2のものと類似している;しかし、それは、室(9〜10)、粒子−リサイクル導管(G)、及び冷却器(7)が除かれている。さらに、サイクロンは、導管(C)、続いて導管(C1)及び/又は導管(C2)を経て乾燥室に微粒子を戻す。微粒子が導管(C1)を経て乾燥室に導入される場合、乾燥室中に霧化される液体フィードの流れと並流方式で導入される。微粒子が導管(C2)を経て乾燥室に導入される場合、微粒子は、乾燥室及び/又はガス入口(L)に導入されるガス流(A)の流れに対して接線方向又は垂直方向に導入される。この典型的な系は、濾過ユニットから乾燥室にガスを戻さないことに留意すべきであるが;そのように改造することができる。 このような流動床室中のほとんどの粒子は、通常、霧化された液体フィードの雲の高さに到達しない。しかし、プロセス中に形成され、リサイクルされて乾燥室に戻る微粒子は、液体フィードアトマイザーに隣接した場所に又はアトマイザーと流動床との間の場所に導入することができる。 いずれの系の操作中も、床の流動化、乾燥速度、微粒子の分級、及び/又は乾燥室中への微粒子の供給速度を変更するため、ガス流の流れは、系内で種々の場所で調整することができる。流動床噴霧乾燥法には、液体担体及び場合によりSAE−CDを含む液体フィード(溶液、懸濁液又はスラリー)を供給し;第1の平均粒径を有するSAE−CD粒子の流動床を乾燥室に供給し、ここで、床は第1の方向に流れる熱ガス流により流動化され;乾燥室中で流動床上へ液体フィードを霧化してより大きい第2の平均粒径を有する凝集粒子を含む粒子状SAE−CD組成物を形成し、ここにおいて霧化を第2の方向で実施し、そして大多数の液体担体を粒子状組成物から除去し;そして粒子状組成物を集めてSAE−CD組成物を形成することが含まれる。 方法の具体的な実施態様としては、以下のものが含まれる:1)方法が粒子状組成物中の一部のより小さな粒子をリサイクルして乾燥室に戻すことをさらに含む;2)リサイクルされた粒子部分が液体フィードの導入点に隣接した場所で乾燥室に導入される;3)リサイクルされた粒子部分が、液体フィードが乾燥室中に導入される方向に対して接線方向又は垂直方向で乾燥室中に導入される;4)リサイクルされた粒子部分が、乾燥室の円錐部に隣接した場所で乾燥室中に導入される;5)方法が、並流方式で実施される;6)方法が、向流方式で実施される;7)方法が、混流方式(mixed flow manner)で実施される;8)粒子状組成物が液体担体を18質量%未満含む;9)液体担体が水性である;10)液体フィードがSAE−CDを含む;11)SAE−CD組成物が本明細書に記載されたような物理的性質の組み合わせを有する;及び12)流動床噴霧乾燥器が、円筒状及び/又は円錐形の乾燥室を有する。 並流流動床噴霧乾燥法では、乾燥室中の霧化された液体フィードの流れの方向は、粒子床の流動化に用いる熱空気流の方向と同じである。噴霧器は、噴霧ノズル又は回転噴霧器(例えば回転ディスク)であることができる。空気流は、主に層流又は乱流が生じるように制御することができる。 向流流動床噴霧乾燥法では、床を流動化するのに用いる熱空気は、霧化された液体フィードと反対方向に乾燥室中を移動する。 混流流動床噴霧乾燥法では、粒子は、並流及び向流相の両方で乾燥室中を移動する。この様式では、入って来る気流中に上向きに噴霧するノズル噴霧器又は組み込まれた流動床の方へ下向きに液滴を噴霧する噴霧器を使用する必要があり、その際、空気の入口及び出口は、乾燥室の最上部に位置する。さらなる空気入口は、上向きに直接流れて粒子の床を流動化する。 乾燥室中に流動床を形成するために使用される微細な又は小さな粒子は、例えば噴霧乾燥、ミル粉砕、粉砕、その他、摩滅、篩分け又は他の適切な手段によって別に製造することができる。別法として、微粒子は、慣用の噴霧乾燥器として装置を操作し、続いて流動床噴霧乾燥器として装置を操作することによってその場で製造することができる。一実施態様において、微細な又は小さな粒子は、乾燥室から除去された物質からそれらの粒子を分離して微細な又は小さな粒子を乾燥室へ戻してリサイクルすることによって得られる。本発明は、それによって微粒子を乾燥室に導入する、及び/又は霧化された液体フィードの乾燥によってその場で生成する方法を含む。 本発明の方法は、連続的又は半連続的(semicontinuous)なやり方で運転することができ、それによってSAE−CD原料物質を含む液体フィードは、連続的に又は半連続的に乾燥室に導入され、SAE−CD組成物は、連続的に又は半連続的に流動床から除去される。 液体フィードに使用される水性液体担体は、溶液又はスラリーであることができ、別の物質、例えば反応環境のスルホアルキル化反応及びその後の塩基性化の副生物を含んでもよいし又は含まなくてもよい。本明細書に使用されるように、液体担体は、固形物の凝集又は造粒に使用される医薬科学で用いられるすべての水性媒体である。 液体フィードのSAE−CD固形物含量は、固形物0.1〜80質量%、10〜70質量%、30〜70質量%、又は40〜60質量%の範囲であることができる。液体フィードのいくつかの実施態様は、以下を含む:1)スルホアルキルエーテルシクロデキストリン及び水のみ;又は2)スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、水及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの製造に使用される合成方法の副生物のみ。液体フィードに使用されるスルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、本明細書では時々スルホアルキルエーテルシクロデキストリン原料物質と称する。 液体フィードは、乾燥室へ入る前に冷却又は加熱することができる。温度は液体フィードの粘度の制御に用いることができ:温度が高いほど、粘度は低くなる。液体フィードの温度は、0℃〜100℃、又は周囲温度〜70℃であることができる。 系を通じて粒子を導くのに使用されるガスは、一般に空気、ヘリウム又は窒素のようなガスである。系は、操作、パージ及び補充用にガスを装填するためのガス給気ユニットを含むことができる。 入口ガスの温度は、粒子の乾燥速度、製造速度、凝集の程度、SAE−CD組成物の水分含量及び/又は凝集のタイプを制御することに用いることができる。温度は、約100°〜約300℃、約130°〜約180℃、約150°〜約170℃、又は約210°〜約250℃で変化させることができる。 SAE−CD組成物は、約3〜7mm又は4〜6mm、又は約10mm未満又は約20mm未満の範囲の重力流動最小オリフィス径(gravitational−flow minimum orifice diameter)を有する。用語「重力流動最小オリフィス径」は、SAE−CD組成物が許容しうるバルク流を供給するであろうオリフィスの最小直径を意味する。以下、例を挙げてさらに用語を定義する。このパラメーターは、実施例5の方法に従って測定され、その際、FLOWDEX (Hanson Research Corp., Northridge, CA)装置が使用される。本発明者らは、慣用の噴霧乾燥によって製造されるよりも実質的に異なる最小オリフィス径を有するSAE−CD組成物の製造に成功した。 SAE−CD組成物は、圧縮率約24%若しくはそれ未満、又は圧縮率18%若しくはそれ未満、又は圧縮率16%若しくはそれ未満のCARR指数(CARR's index)を有する。これに関して使用されるように、「圧縮率」とは、タップ密度測定中に粒子状の塊が受ける相対的なパーセント縮小のことである。CARR指数は、SAE−CD組成物の圧縮率の尺度である。それは、物質の嵩密度及びタップ密度に基づく。CARR指数は、下記で実施例8に従って測定した。本発明者らは、噴霧乾燥、凍結乾燥又は噴霧凝集によって製造された他のSAE−CD組成物とは実質的に異なるCARR指数を有する噴霧凝集されたSAE−CD組成物の製造に成功した。 SAE−CDは、約1.25〜1.35g/cm3又は1.1〜1.5g/cm3又は1.29〜1.32g/cm3の範囲の真密度を有する。真密度は、下の実施例8に従って測定した。本発明のSAE−CD組成物は、噴霧乾燥によって製造されたSAE−CD組成物とは実質的に異なる真密度を有する。 SAE−CD組成物は、約0.55〜0.66g/cm3、約0.38〜0.55g/cm3未満、又は約0.38〜約0.66g/cm3の嵩密度を有する。本発明の噴霧凝集法に従って製造されたSAE−CD組成物は、別の噴霧乾燥凝集法によって製造されたSAE−CD組成物のものよりもより高い嵩密度を有する。 SAE−CD組成物は、USP<616>方法1に従って実施した時に約0.66〜0.75g/cm3、又は約0.49〜0.66g/cm3又は約0.49〜約0.75g/cm3のタップ密度(タップ密度)を有する。本発明の噴霧凝集法に従って製造されたSAE−CD組成物は、別の噴霧乾燥凝集方法によって製造されたSAE−CD組成物のものもより高いタップ密度を有する。 固体SAE−CD組成物は、錠剤、特に打錠の製造に使用することができるため、異なるピーク圧縮圧力でのその圧縮破砕強度を、異なる水分含量を有するSAE−CD組成物で測定した。実施例7の方法は、この関係を測定するのに使用した。SAE−CD組成物の性能を、錠剤製剤の製造の一般に使用される3つの賦形剤であるAvicel pH200、ラクトース及びDicalのものと比較した(図4)。本発明のSAE−CD組成物は、その水分含量、粒子サイズ及び/又は粒子の形状を変えることによってその圧縮挙動を改善できるため高度に有益である。 「そのまま(as is)」使用した、すなわち流動床噴霧乾燥法から得、そして飽和硝酸マグネシウムで平衡化(B3 Eq及びB4 Eq)した本発明のSAE−CD組成物(SBE7−β−CD)試料(B3,B4)について、メガパスカル(MPa)単位のピーク圧縮圧力(Pmax)に対するキロポンド(kP)単位の錠剤の硬度又は錠剤の破砕強度(Crushing Strength)を示した。それらの試料の性能を商業的な直接圧縮バルク賦形剤、例えば微結晶性セルロース又はMCC(Avicel PH 200, FMC)、ラクトース一水和物(SuperTab, The Lactose Co. of New Zealand)、リン酸一水素カルシウム二水和物(Emcompress, Penwest Pharm Co.)のものと比較した。本研究で使用する工具について、100MPaは約6kNの力に等しい。本発明のSAE−CD組成物の「そのまま」の水分含量は、Computrac Model 2000XL (Arizona Instruments, Tempe, AZ)により110Cで乾燥減量(Loss on Drying)(LOD)によって測定してB3及びB4についてそれぞれ2.77%及び2.36%であった。LODによって測定された平衡化後の水分含量は、B3 Eq及びB4 Eqについてそれぞれ5.46%及び5.50%であった。 例えば約2〜約3質量%の範囲の低レベルの水分含量(104°〜110℃で運転するLODによって測定した)では、SAE−CD組成物は、約30〜約275MPa(メガパスカル)の範囲のPmax(ピークの圧縮圧力)を用いて打錠される時に約1〜約20kP(キロ池)の範囲の圧縮破砕強度を有した。例えば約5〜約6質量%(LODによって測定した)の範囲の高レベルの水分含量では、SAE−CD組成物は、約15〜約70MPaの範囲のPmaxを用いて打錠した時に約0.5〜約11kPの範囲の圧縮破砕強度を有した。平均粒径、粒径分布、及びSAE−CD組成物の形態は、当分野の処方者に示される広くさまざまな超微粉砕された薬物の特性に合わせて容易に修正される。本発明の利点は、製剤又は製造方法、薬物の性質又は賦形剤の性質に合わせて又は補充し、それによって最適な製品を得るために、技術者がSAE−CD組成物の生理化学的性質を調節できることである。 本発明の剤形は、広範囲にわたる活性剤を投与するのに使用することができる。活性剤には、一般に動物及びヒトにおいて全身性の又は局在化された効果又は複数の効果を生じる生理学上又は薬理学上活性な物質が含まれる。また、活性剤には、農薬、除草剤、殺虫剤、抗酸化剤、植物成長促進剤(plant growth instigators)、殺菌剤、触媒、化学試薬、食料製品、栄養物、化粧品、ビタミン、鉱物、栄養補助食品、生殖不能阻害剤(sterility inhibitors)、生殖促進剤(fertility instigators)、微生物、香味料、甘味料、クレンジング剤並びに医薬、動物、園芸、家庭、食物、料理、農業、美容、工業、クリーニング、菓子及び香味料の用途のための他のこのような化合物。 活性剤は、抗生物質、抗ヒスタミン剤、鬱血除去剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、局所麻酔剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺アメーバ剤、殺トリコモナス剤、鎮痛剤、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗血液凝固剤、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗腫瘍薬、抗精神病薬、神経弛緩剤、抗高血圧剤、催眠剤、鎮静剤、抗不安賦活剤、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、筋弛緩薬、抗マラリア薬、ホルモン剤、避妊薬、交感神経様作動薬、血糖降下剤、抗高グリセリド血症薬、抗脂質異常症薬、コレステロール低下剤、胆汁酸吸収阻害剤、抗脂血剤、眼病薬、電解剤、診断剤、運動亢進剤、胃酸分泌阻害剤、抗潰瘍形成剤(anti−ulcerant agent)、抗鼓腸剤(anti−flatulent agent)、抗失禁剤、心臓血管作用薬、コルチコステロイド、B2アドレノセプター作動薬、ドーパミンD2受容体作動薬、抗コリン作動薬、IL−5阻害剤、IL−5のアンチセンスモジュレーター、乳酸ミルリノン、トリプターゼ阻害剤、タキキニン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、抗IgE抗体、プロテアーゼ阻害剤又はそれらの組み合わせのような医薬活性剤から、各場合に独立して選択することができる。 本発明に従って使用することができる他の具体的な活性剤としては、ペンタミジンイセチオウエート(pentamidine isethiouate)、硫酸アルブテロール、硫酸メタプロテレノール、フルニソリド、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、酒石酸エルゴタミン、レバルブテロール、テルブタリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、ホルモテロール、フェノテロール、クレンブテロール、バムブテロール、ツロブテロール、ブロキサテロール、エピネフリン、イソプレナリン又はヘキソプレナリン、抗コリン作用剤、例えばチオトロピウム、イプラトロピウム、オキシトロピウム又はグリコピロニウム;ロイコトリエン拮抗剤、例えばアンドラスト、イラルカスト、プランルカスト、イミトロダスト、セラトロダスト、ジレウトン、ザフィルルーカスト又はモンテルーカスト;ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばフィラミナスト又はピクラミラスト;paf阻害剤、例えばアパファント、フォラパファント(forapafant)又はイスラパファント;カリウムチャンネル開口剤、例えばアミロリド又はフロセミド;鎮痛剤、例えばモルヒネ、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、チリジン、メサドン又はヘロイン;強精剤(potency agent)、例えばシルデナフィル、アルプロスタジル又はフェントラミン;ペプチド又はタンパク質、例えばインスリン、エリスロポエチン、ゴナドトロピン又はバソプレッシン;カルシトニン、第ix因子、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー、成長ホルモン、ヘパリン、ヘパリン(低分子量)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−2、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトスタチン類似体、アミリン、毛様体神経栄養因子、成長ホルモン放出因子、インスリン様増殖因子、インスリノトロピン、インターロイキン−1受容体拮抗剤、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、マクロファージコロニー刺激因子(m−csf)、神経成長因子、副甲状腺ホルモン、サイモシンアルファ1、iib/iiia阻害剤、アルファ−1抗トリプシン、抗rsv抗体、嚢胞性線維性膜貫通調節因子(cftr)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(dnase)、殺菌性/浸透性(ards)増加タンパク質、抗cmv抗体、インターロイキン−1受容体、又はこれらの化合物の医薬上許容しうる誘導体若しくは塩が含まれる。 本明細書に記載された活性剤(薬物)は、網羅的なものとみなすべきではなく、単に本発明の範囲内にあるとみなされる多くの実施態様を例示したものである。多くの他の活性剤は、本発明の組成物と共に投与することができる。適切な薬物は、本明細書に含まれる薬物のリストからだけでなく、U.S.F.D.A.又はカナダ(カナダ保健省(Health Canada))、メキシコ(メキシコ保健省(Mexico Department of Health))、欧州(欧州医薬品審査庁(European Medicines Agency)(EMEA))、南アメリカ(特にアルゼンチン(食品薬品医療技術管理局(Administracion Nacional de Medicamentos, Alimentos y Tecnologia Medica) (ANMAT)及びブラジル(保健省(Ministerio da Saude)))、オーストラリア(保健省(Department of Health and Ageing))、アフリカ(特に南アフリカ(厚生省(Department of Health))及びジンバブエ(保健児童福祉省(Ministry of Health and and Child Welfare))又はアジア(特に日本(厚生労働省(Ministry of Health, Labour and Welfare))、台湾(行政院衛生署(Executive Yuans Department of Health))、及び中国(中華人民共和国保健省(Ministry of Health People's Republic of China)))において他の同じように認められた公共機関によって認可され、ヒト又は動物への投与に適している他のすべての薬物から選択される。本発明のいくつかの実施態様としては、活性物質が薬理学上若しくは生物学上活性である又は使用環境が哺乳動物の胃腸管であるものが含まれる。 活性剤は、その中性、イオン性、塩、塩基性、酸性、天然、合成、ジアステレオマー、エピマー、異性体、鏡像体的に純粋、ラセミ体、溶媒和物、水和物、無水物、キレート、誘導体、類似体、エステル化、非エステル化、又は他の一般的な形態で存在することができる。本明細書において活性剤と称する場合、入手可能な全てのこのような形態が含まれる。 本製剤に含まれる活性剤は、その医薬上許容しうる塩又は塩を含まない形態として存在することができる。本明細書に使用されるように、「医薬上許容しうる塩」は、活性剤を、イオン結合対を形成するのに必要な酸又は塩基と反応させることによって改質された、開示された化合物の誘導体のことである。医薬上許容しうる塩の例としては、例えば非毒性無機又は有機酸から形成された親化合物の慣用の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が含まれる。適切な非毒性塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸及び当業者に公知の他のものから誘導されるものが含まれる。有機酸、例えばアミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、その他から製造される塩は、当業者に知られている。本発明の医薬上許容しうる塩は、慣用の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親活性剤から合成することができる。他の適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th. ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985に見出され、この関連した開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書に使用される「医薬上許容しうる」なる成句は、安全な医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症がなく、妥当なベネフィット/リスク比に相応したそれらの化合物、物質、組成物及び/又は剤形のことである。 本明細書に使用されるように、「患者」又は「被験者」なる用語は、温血動物、例えばネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジ及びヒトといったような哺乳動物を意味するものとする。本発明の製剤は、有効量で存在する活性剤を含むことができる。 「有効量」なる用語は、必要な又は所望の応答を誘発するために十分である活性剤の量(amount or quantity)、又は、換言すると、被験者に投与した時に評価可能な生物反応を誘発するのに十分な量を意味する。本発明の製剤は、1つ又はそれ以上の異なる活性剤を送達するのに用いることができる。活性剤の特定の組み合わせは、本製剤によって提供することができる。 活性剤のいくつかの組み合わせとしては、以下のものが含まれる:1)第1の治療クラスからの第1の薬物及び同じ治療クラスからの異なる第2の薬物;2)第1の治療クラスからの第1の薬物及び異なる治療クラスからの異なる第2の薬物;3)第1のタイプの生物活性を有する第1の薬物及びほぼ同じ生物活性を有する異なる第2の薬物;4)第1のタイプの生物活性を有する第1の薬物及び異なる第2のタイプの生物活性を有する異なる第2の薬物。活性剤の例示的な組み合わせは、本明細書に記載されている。 活性剤の組み合わせを使用する場合、活性剤の一方又は両方は、治療量以下の量で存在することができる。本明細書に使用されるように、治療量以下の量は、組み合わせの第2の薬物なしで第1の薬物が投与される患者において正常な治療反応より少なく供給される第1の薬物の量である。換言すれば、第1及び第2の薬物は、それぞれの薬物の単独投与、すなわち、他の薬物がない場合の投与と比較すると、一緒になって高められ、改善された相加的又は相乗的な治療上の利点を提供することができる。 SAE−CD組成物は、その製造に従って、あらゆる公知の医薬製剤又は剤形を含めることができる。本発明の組成物及び製剤は、医薬産業で使用されるいずれかの手段によって被験者に投与するのに適している。投与の典型的な様式としては、気管支内(肺内、気管内、肺胞内)、経口、口腔、眼球、眼、耳、舌下、バッカル、経皮、経粘膜、直腸、膣、子宮、尿道、髄腔内、鼻、非経口、腹腔内、筋内、及び皮下投与が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 剤形は、とりわけ、活性成分及びSAE−CD組成物の量を含んでなる、1回又は複数回投与形態で入手可能であり、前記量は、通常、1つ又はそれ以上の所定の剤形単位が1回の治療投与に必要であるような量である。分割錠のような複数回投与形態の場合、前記所定の単位は、複数回投与形態の半分又は4分の1といったような1画分である。すべての患者についての具体的な用量レベルは、治療する適応症、使用する活性剤、活性剤の活性、適応症の重篤度、患者の健康、年齢、性別、体重、食事及び薬理学的応答、使用する特定の剤形及び他のはこのような要因を含む種々の要因に左右されることが理解される。 SAE−CD組成物の製造後、それを用いてSAE−CD組成物が錯体形成する又は活性剤と錯体形成しない製剤を製造することができる。「錯体形成する」は、「クラスレート又は包接錯体の一部である」、すなわち、錯体形成した活性剤が、シクロデキストリン誘導体とのクラスレート又は包接錯体の一部であることを意味する。 活性剤/CD錯体は、一般にシクロデキストリン誘導体及び活性剤のクラスレート又は包接錯体を意味する。分子錯体中に存在する活性剤:CDの比率は、変化することができ、モル濃度基準において約10〜約0.1の範囲内であることができる。従って、CDは、一般に、活性剤よりも過剰に存在するが、その必要があるわけではない。過剰量は、薬剤に固有の溶解度、予想される薬剤の用量、及び特定の薬物(薬剤)と使用される特定のCD誘導体との間の包接錯体形成の結合定数によって決まる。シクロデキストリン誘導体は、錯体形成してない形態で存在することができ、したがって、存在する活性剤の量の実質的に過剰量で存在することに留意する必要がある。誘導体化されたシクロデキストリン対活性剤の質量比又はモル比は、100、1000又はさらにそれを超えることができる。 いくつかの条件下で、SAE−CD組成物は、正に帯電した酸性イオン化可能な化合物と1つ又はそれ以上のイオン結合を形成することができる。従って、化合物は、誘導体化されたシクロデキストリンとの包接錯体として錯体形成し、そして誘導体化されたシクロデキストリンと非共有結合的に、そしてイオン的に結合することができる。 SAE−CD組成物が製剤中で単独の担体又は賦形剤でありうる場合であっても、その性能をさらに改善するために他の担体を製剤に加えることは可能である。 SAE−CD組成物は、誘導体化されたシクロデキストリンを必要とするあらゆる製剤中に含めることができる。従って、製剤中に含まれる活性剤は、迅速放出(rapid release)、即時放出(immediate release)、パルス放出(pulsatile release)、時限放出(timed release)、標的設定放出(targeted release)、遅延放出(delayed release)及び/又は延長放出(extended release)製剤により送達することができる。 「即時放出(immediate release)」は、投与後、約2分以内に放出が開始され、放出が開始されたら数秒から約30分以内にわたって活性剤が環境へ放出されることを意味する。即時放出は、薬物の放出に有意な遅れを示さない。 「迅速放出(rapid release)」は、投与後、数分以内に又は投与後に遅延期間(ラグ時間)が終了した後、放出を開始することができ、放出が開始されると1〜59分又は0.1分〜3時間の期間にわたって活性剤が環境に放出されることを意味する。 SAE−CD組成物を含む延長放出製剤は、延長された方式で薬物を放出する。このような送達に使用される機構は、pH依存性又はpH非依存性であり;拡散又は溶出が制御された;擬0次(ゼロ次放出に近い)、0次、擬一次(一次放出に近い)、又は一次;又は迅速、緩徐、遅延、時限若しくは持続放出又は他の制御された放出である、活性剤の放出を含むことができる。また、活性剤の放出プロファイルは、S字形であることができ、その際、放出プロファイルは、活性剤の最初の放出速度は遅く、続いて中間の放出速度はより速くそして最終的な放出速度は遅い。本明細書に使用されるように、「延長放出(extended release)」プロファイルなる用語は、薬学分野で広く認められた定義とみなされる。延長放出剤形は、延長された期間にわたって実質的に一定の速度で薬物を放出するか又は延長された期間にわたって実質的に一定量の薬物を増加的に放出する。薬物放出に関して、「延長放出」なる用語には、「制御放出(controlled release)」、「長期放出(prolonged release)」、「持続放出(sustained release)」、又は「緩徐放出(slow release)」、の用語が含まれる。これらの用語は薬学で使用される。制御放出は、投与後に数分以内に又は投与後の遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。延長放出は、投与後数分以内に又は投与後の遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。 「制御放出」は、約8時間から約12時間、16時間、18時間、20時間、1日又はそれ以上の日の期間にわたって活性剤を環境に放出することを意味する。「持続放出」は、デバイスを施された被験者の血液又は標的組織中で一定の薬物レベルを維持して活性剤を持続放出することを意味する。制御放出は、投与後、数分以内又は投与後、遅延期間(ラグ時間)が終了した後、開始することができる。 時限放出剤形は、使用の環境に最初に暴露された時から計測して所定期間の後に薬物の放出を開始するものである。 緩徐放出剤形は、薬物が例えば、3時間、6時間、12時間、18時間、1日、2日若しくはそれ以上、1週又は2週若しくはそれ以上の期間かけてゆっくりとほぼ連続的に放出されるように遅い速度の薬物放出を提供するものである。 標的設定放出剤形は、一般に、被験者の消化管の特定の部分に、薬物を送達するように設計された経口剤形のことである。典型的な標的設定剤形は、被験者の胃又は口ではなく、腸管中央から下部に薬物を送達する腸用剤形である。他の標的設定剤形は、胃、空腸、回腸、十二指腸、盲腸、大腸、小腸、結腸又は直腸のような消化管の他のセクションに送達することができる。 パルス放出剤形は、低濃度のトラフを散在させて高い活性成分濃度のパルスを供給するものである。2つのピークを含むパルスプロファイルは、「二蜂性」として記載されうる。 擬一次放出プロファイルは、一次放出プロファイルを近似するものである。一次放出プロファイルは、単位時間当たり最初の薬物装填の一定パーセンテージを放出する剤形の放出プロファイルを特徴とする。 擬0次放出プロファイルは、ゼロ次放出プロファイルを近似するものである。ゼロ次放出プロファイルは、単位時間当たり一定量の薬物を放出する剤形の放出プロファイルを特徴とする。 延長放出製剤は、本明細書又はBiorelated Polymers and Gels:Controlled Release and Applications in Biomedical Engineering(ed. Teruo Okano; 1998);Encyclopedia of Controlled Drug Delivery(ed. Edith Mathiowitz; 1999);Future Strategies for Drug Delivery with Particulate Systems (ed. J.E. Diederichs; 1998);Controlled Release Series (ed. J.M. Anderson; 1987);Controlled Drug Delivery Series (Ed. S.D. Bruck; 1983);Controlled Release of Drugs Series (ed. M. Rosoff; 1989);Controlled Release Technology: Pharmaceutical Applications (ACS Symposium Series No. 348) (eds. P.I. Lee and W.R. Good; 1987);Extended Release Dosage Forms (ed. L. Krowczynski; 1987);Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology (ed. D.L. Wise; 2000);Intelligent Materials for Controlled Release (ed. S.M. Dinh; 1999);Multicomponent Transport in Polymer Systems for Controlled Release (Polymer Science and Engineering Monograph Series) (ed. A. Polishchuk; 1997);Pharmaceutical Technology: Controlled Drug Release (ed. M. Rubenstein; 1987);Polymers for Controlled Drug Delivery (ed. P.J. 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Friend, 1992);及び当業者に公知の他の刊行物に記載された手法に従って製造することができ、それらの全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 延長放出層は、薬物及び放出速度を変える1つ又はそれ以上の賦形剤及び他の随意的な賦形剤を含んでなるマトリックス拡散、浸食、溶出又は崩壊−制御された組成物であることができる。 「遅延放出」は、それぞれの薬物を含む層からの薬物の最初の放出が、およその遅延(又はラグ)期間が終了した後に起こることを意味する。例えば、延長放出層からの薬物の放出が2時間遅れるならば、その層からの薬物の放出は、被験者に多層錠剤を投与した後、約2時間で開始される。一般に、遅延放出は、薬物の放出が投与後、数分以内に開始される即時放出の反対である。従って、特定層からの薬物放出プロファイルは、遅延−延長放出又は遅延−迅速放出であることができる。「遅延−延長」放出プロファイルは、最初の遅延期間が終了した後、薬物の延長放出が開始されるものである。「遅延−迅速」放出プロファイルは、最初の遅延期間が終了した後、薬物の迅速放出が開始されるものである。 必ずしも必要なわけではないが、本発明の製剤は、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、透過増強剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性ポリマー、保存剤、抗菌剤、着色剤、抗真菌剤、錯体形成促進剤、溶媒、塩、水、張度調整剤、消泡剤、油、透過増強剤、医薬製剤に使用するための当業者に公知の他の賦形剤又はそれらの組み合わせを含むことができる。各場合、これらの物質は、活性剤を含んでいる粒子又は担体粒子中に独立して含めることができる。例えば、担体は、これらの物質の1つ又はそれ以上を含むことがあり、そして活性剤を含む粒子も、またこれらの物質の1つ又はそれ以上を含むことがある。 本明細書に使用されるように、「滑剤」なる用語は、乾燥粉末の流動性を促進するために使われる薬剤を意味するものとする。このような化合物は、例えばステアリン酸マグネシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、コロイダルシリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状ケイ素、ケイ素ヒドロゲル及び当業者に公知の他の物質が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「抗酸化剤」なる用語は、酸化を阻害し、それにより酸化的過程による製剤の劣化を防止するのに使用される薬剤を意味するものとする。このような化合物としては、例えばアセトン、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオグリコール酸、EDTA、ペンテテート、及びメタ重亜硫酸ナトリウム並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「アルカリ化剤」なる用語は、本発明の乾燥粉末が水に曝露された時に、アルカリ性媒体を提供するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばアンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、有機アミン塩基、アルカリ性アミノ酸及びトロラミン並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「酸性化剤」なる用語は、本発明の乾燥粉末を水に曝露した時に酸性媒体を提供すために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えば酢酸、酸性アミノ酸、クエン酸、フマル酸及び他のアルファヒドロキシ酸、塩酸、アスコルビン酸、リン酸、硫酸、酒石酸及び硝酸並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「緩衝剤」なる用語は、異なるpHの媒体に暴露された時にpHの変化に抵抗するために使用される化合物を意味するものとする。緩衝剤は、本組成物においてpHを約2と約8の間、約3〜約7、又は約4〜約5の範囲に調整するために使用される。乾燥粉末のpHを制御することによって、気道に対する刺激を最小限にすることができる。このような化合物には、例えば酢酸、酢酸ナトリウム、アジピン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸、グリシン、マレイン酸、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、HEPES、乳酸、酒石酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、一塩基性酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリス、酒石酸ナトリウム及び無水クエン酸ナトリウム及び二水和物並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。他の緩衝剤としては、クエン酸/ホスフェート混合物、アセテート、バルビタール、ボレート、ブリトン−ロビンソン、カコジレート、シトレート、コリジン、ホルメート、マレエート、Mcllvaine、ホスフェート、Prideaux−Ward、スクシネート、シトレート−ホスフェート−ボレート(Teorell−Stanhagen)、ベロナールアセテート、MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)、BIS−TRIS(ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン)、ADA(N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸)、ACES(N−(カルバモイルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N,N'−ビス(2−エタンスルホン酸))、MOPSO(3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、BIS−TRIS PROPANE(1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン)、BES(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、HEPES(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−エタンスルホン酸)、DIPSO(3−(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MOBS(4−(N−モルホリノ)−ブタンスルホン酸)、TAPSO(3−(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TRIZMATM(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)、HEPPSO(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、POPSO(ピペラジン−N,N'−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸))、TEA(トリエタノールアミン)、EPPS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(3−プロパンスルホン酸)、TRICINE(N−トリス(ヒドロキシメチル)−メチルグリシン)、GLY−GLY(グリシルグリシン)、BICINE(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン)、HEPBS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(4−ブタンスルホン酸))、TAPS(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、及び/又は当業者に公知の他のすべての緩衝剤が含まれる。 錯体形成−促進剤は、活性剤と誘導体化されたシクロデキストリンとの錯体形成を高める一つ又は複数の化合物(a compound, or compounds)である。錯体形成−促進剤が存在する場合、誘導体化されたシクロデキストリン対活性剤の必要な比率は、より誘導体化されてないシクロデキストリンが必要となるように変化させる必要がありうる。適切な錯体形成促進剤としては、1つ又はそれ以上の薬理学上不活性な水溶性ポリマー、ヒドロキシ酸、及び特定の薬剤とシクロデキストリンとの錯体形成を高めるために液体製剤中で典型的に使用される他の有機化合物が含まれる。適切な水溶性ポリマーとしては、水溶性天然ポリマー、水溶性半合成ポリマー(例えばセルロースの水溶性誘導体)及び水溶性合成ポリマーが含まれる。天然ポリマーには、多糖類、例えばイヌリン、ペクチン、アルギン誘導体及び寒天並びにポリペプチド例えばカゼイン及びゼラチンが含まれる。半合成ポリマーには、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、それらの混合エーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他の混合エーテル、例えばヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート並びにカルボキシメチルセルロース及びその塩、特にナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。合成ポリマーには、ポリオキシエチレン誘導体(ポリエチレングリコール)及びポリビニル誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリスチレンスルホネート)及びアクリル酸の種々のコポリマー(例えばカルボマー)が含まれる。適切なヒドロキシ酸には、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸及び酒石酸並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「保存剤」なる用語は、微生物の成長を防ぐために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、チメロサール、メタクレゾール、ミリスチルガンマピコリニウムクロリド、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チモール、及びメチル、エチル、プロピル、又はブチルパラベン並びに当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに限定されない。 本明細書に使用されるように、「着色剤」なる用語は、医薬製剤に色を付与するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばFD&C Red No. 3、FD&C Red No. 20、FD&C Yellow No. 6、FD&C Blue No. 2、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 5、D&C Red No. 8、カラメル、及び酸化鉄(黒色、赤色、黄色)、他のF.D. & C.色素及び天然着色剤、例えばブドウ果皮抽出物、ビートレッド粉末、ベータカロチン、アナトー、カルミン、ターメリック、パプリカ、それらの組み合わせ並びに当業者に公知の他のこのような物質が含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「張度調整剤」なる用語は、液体製剤の張度を調整するのに使用することができる一つ又は複数の化合物を意味するものとする。適切な張度調整剤としては、グリセリン、ラクトース、マンニトール、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース及び当業者に公知の他のものが含まれる。 本明細書に使用されるように、「消泡剤」なる用語は、充填する組成物の表面に形成される泡立ちを防止する又は量を減らすための一つ又は複数の化合物を意味するものとする。適切な消泡剤としては、例えばジメチコン、シメチコン、オクトキシノール及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 親水性ポリマーは、シクロデキストリンを含んでなる製剤の性能を改善するために使用することができる。Loftsson(米国特許第5,324,718号及び同第5,472,954号)は、シクロデキストリンの性能及び/又は性質を高めるためにシクロデキストリン(誘導体化されてない又は誘導体化された)と合わせて使用するのに適した多くのポリマーを開示している。適切なポリマーは、Pharmazie (2001), 56(9), 746−747; International Journal of Pharmaceutics (2001), 212(1), 29−40;Cyclodextrin: From Basic Research to Market, International Cyclodextrin Symposium, 10th, Ann Arbor, MI, United States, May 21−24, 2000 (2000), 10−15 (Wacker Biochem Corp.: Adrian, Mich.);PCT国際公開第WO 9942111号;Pharmazie, 53(11), 733−740 (1998);Pharm. Technol. Eur., 9(5), 26−34 (1997);J. Pharm. Sci. 85(10), 1017−1025 (1996);欧州特許出願第EP0579435号;Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 9th, Santiago de Comostela, Spain, May 31−June 3, 1998 (1999), 261−264 (Editor(s): Labandeira, J. J. Torres;Vila−Jato, J. L. Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, Neth);S.T.P. Pharma Sciences (1999), 9(3), 237−242;ACS Symposium Series (1999), 737(Polysaccharide Applications), 24−45;Pharmaceutical Research (1998), 15(11), 1696−1701;Drug Development and Industrial Pharmacy (1998), 24(4), 365−370;International Journal of Pharmaceutics (1998), 163(1−2), 115−121;Book of Abstracts, 216th ACS National Meeting, Boston, August 23−27 (1998), CELL−016, American Chemical Society;Journal of Controlled Release, (1997), 44/1 (95−99);Pharm.Res. (1997) 14(11), S203;Investigative Ophthalmology & Visual Science, (1996), 37(6), 1199−1203;Proceedings of the International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials (1996), 23rd, 453−454;Drug Development and Industrial Pharmacy (1996), 22(5), 401−405;Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 8th, Budapest, Mar. 31−Apr. 2, (1996), 373−376. (Editor(s): Szejtli, J.; Szente, L. Kluwer: Dordrecht, Neth.);Pharmaceutical Sciences (1996), 2(6), 277−279;European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1996) 4(SUPPL.), S144;Third European Congress of Pharmaceutical Sciences Edinburgh, Scotland, UK September 15−17, 1996;Pharmazie, (1996), 51(1), 39−42; Eur. J. Pharm. Sci. (1996), 4(Suppl.), S143;米国特許第5,472,954号及び同第5,324,718号;International Journal of Pharmaceutics (Netherlands), (Dec. 29, 1995) 126, 73−78;Abstracts of Papers of the American Chemical Society, (02 APR 1995) 209(1), 33−CELL;European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1994) 2, 297−301;Pharmaceutical Research (New York), (1994) 11(10), S225;International Journal of Pharmaceutics (Netherlands), (Apr 11, 1994) 104, 181−184;及びInternational Journal of Pharmaceutics (1994), 110(2), 169−77に開示されており、これらの開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。 他の適切なポリマーは、医薬組成物の領域で一般に使用される周知の賦形剤であり、そして例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Alfonso R. Gennaro (editor), Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, pp. 291−294;Alfred Martin, James Swarbrick and Arthur Commarata, Physical Pharmacy. Physical Chemical Principles in Pharmaceutical Sciences, 3rd edition (Lea & Febinger, Philadelphia, PA, 1983, pp. 592−638);A.T. Florence and D. Altwood, (Physicochemical Principles of Pharmacy, 2nd Edition, MacMillan Press, London, 1988, pp. 281−334に記載されている。本明細書に引用された文献の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。さらに他の適切なポリマーとしては、水溶性天然ポリマー、水溶性半合成ポリマー(例えばセルロースの水溶性誘導体)及び水溶性合成ポリマーが含まれる。天然ポリマーとしては、多糖類、例えばイヌリン、ペクチン、アルギン誘導体(例えばアルギン酸ナトリウム)及び寒天、及びポリペプチド、例えばカゼイン及びゼラチンが含まれる。半合成ポリマーとしては、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、それらの混合エーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他の混合エーテル、例えばヒドロキシエチルエチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート並びにカルボキシメチルセルロース及びその塩、特にナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。合成ポリマーとしては、ポリオキシエチレン誘導体(ポリエチレングリコール)及びポリビニル誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリスチレンスルホネート)及びアクリル酸の種々のコポリマー(例えばカルボマー)が含まれる。ここに記載されてない他の天然、半合成及び合成ポリマーで水溶性、医薬許容性及び薬理学的不活性の基準を満たすものは、同様に本発明の範囲内にあると考えられる。 溶解促進剤は、本発明の製剤に加えられることができる。溶解促進剤は、水性又は湿性環境、例えば気道内層で活性剤の溶解度を高める一つ又は複数の化合物である。適切な溶解促進剤としては、1つ又はそれ以上の有機溶媒、洗浄剤、セッケン、界面活性剤及び特定の薬剤の溶解度を高めるために非経口製剤で典型的に使用される他の有機化合物が含まれる。適切な有機溶媒としては、例えばエタノール、グリセリン、ポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポロキサマー、及び当業者に公知の他のものが含まれる。 本明細書に使用されるように、「凍結防止剤」なる用語は、凍結乾燥中に活性剤を物理的又は化学的分解から保護するために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばジメチルスルホキシド、グリセロール、トレハロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 また、可塑剤は、性質及び特性を改良するために本発明の製剤に含めることができる。本明細書に使用されるように、「可塑剤」なる用語には、本発明に使用されるポリマー又は結合剤を可塑化若しくは軟化することができる全ての化合物が含まれる。可塑剤は、ポリマー又は結合剤の融点若しくはガラス転移温度(軟化点温度)を下げることができなければならない。低分子量PEGのような可塑剤は、一般に、それが含まれているポリマーの平均分子量を広げ、それによってそのガラス転移温度又は軟化点を下げる。また、可塑剤は、一般にポリマーの粘度を下げる。可塑剤は、本発明の浸透性デバイスにいくつかの特に有益な物理的性質を与えることができる。 本発明に有用な可塑剤は、例えば低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、有機低分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、単一ブロックポリマー、低分子量ポリ(エチレングリコール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコール及びグリセリンが含まれうるが、これらに制限されるわけではない。また、このような可塑剤としては、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及び他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリルが含まれうる。全てのこのような可塑剤は、Aldrich又はSigma Chemical Co.のような供給源から商業的に入手可能である。また、可塑剤の組み合わせを本発明の製剤に使用しうることが企図され、それは本発明の範囲内にある。PEGベースの可塑剤は、商業的に入手可能であるか、又はPoly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications (J.M. Harris, Ed.; Plenum Press, NY)に開示されたような種々の方法によって製造することができ、この開示は、参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書に使用されるように、「香味料」なる用語は、医薬製剤に心地よい香味、そして多くの場合香りを与えるために使用される化合物を意味するものとする。典型的な香味料又は香味剤としては、合成香味油及び香味芳香薬及び/又は天然油、植物、葉、花、果実などからの抽出物及びそれらの組み合わせが含まれる。また、これには桂皮油、冬緑油、ハッカ油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、セージ油、苦扁桃油及びカッシア油が含まれうる。他の有用な香味料としては、バニラ、(レモン、オレンジ、ブドウ、ライム及びグレープフルーツを含む)カンキツ油並びに(リンゴ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、キイチゴ、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコットなどを含む)果実エッセンスが含まれる。特に有用であることがわかっている香味料としては、商業的に入手可能なオレンジ、ブドウ、チェリー及びバブルガム香料並びにそれらの混合物が含まれる。香味料の量は、所望の感覚刺激効果を含む多くの要因に左右されうる。香味料は、当業者によって所望されるいずれかの量で存在する。特に香味料は、ブドウ及びチェリー香料並びにオレンジのようなカンキツ香料である。 本明細書に使用されるように、「甘味料」なる用語は、製剤に甘味を与えるのに使用される化合物を意味するものとする。このような化合物には、例えばアスパルテーム、デキストロース、グリセリン、マンニトール、サッカリンナトリウム、ソルビトール、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、マルトデキストリン、スクラロース、スクロース、当業者に公知の他の物質、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、浸透促進剤は、活性剤が組織を通して浸透するのを高める薬剤又は薬剤の組み合わせである。本発明の製剤に含めることができる浸透促進剤としては、例えばカルシウムキレート剤、例えばEDTA、メチル化P−シクロデキストリン、及びポリカルボン酸;界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、カルニチン、カルニチンエステル及びトゥイーン;胆汁酸塩、例えばタウロコール酸ナトリウム;脂肪酸、例えばオレイン酸及びリノール酸;及び非界面活性剤、例えばAZONETM及びジアルキルスルホキシド;E−フラックス阻害剤(E−flux inhibitors)、例えばAV171 (AyMax, Inc., South San Francisco, CA)、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、及びハッカ油;キトサン及びキトサン誘導体、例えばN−メチルキトサン、N−トリメチルキトサン、モノ−N−カルボキシメチルキトサン、第四級化キトサン誘導体;SNAC(N−(8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレート)及びSNAD(N−(10−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ) − デカノエート)(Emisphere Technologies, Inc., Tarrytown, NY);N−アシル化非アルファアミノ酸;HEMISPHEREブランドの送達剤;Gelucire 44/14又はVitamin E TPGS;CARBOPOL(R) 934P;当業者に公知の他のもの;及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、芳香剤は、検出可能な芳香、におい又は香りを生じる比較的揮発性の物質又は物質の組み合わせである。典型的な芳香剤としては、FD&Cとして一般に認められるものが含まれる。 「表面張力調整剤」は、本発明の組成物の表面の性質を改良することができる物質又は物質の組み合わせである。表面張力調整剤には、界面活性剤、洗浄剤又はセッケンが含まれうる。それは、担体粒子、活性剤を含む粒子又は両方に含まれうる。 「密度調整剤」は、密度を高める又は低下させるために本発明の組成物中に含まれる物質又は物質の組み合わせである。それは、担体粒子、活性剤を含む粒子又は両方に含まれうる。密度調整剤は、担体から活性剤の分散を高めるために、担体の密度を(必要に応じて)高める又は低下させるのに使用することができる。同様に、密度調整剤は、活性剤を含む粒子の密度をそれぞれ(必要に応じて)低下させる又は高めるために使用することができる。 「揮発性調整剤」は、活性剤の揮発性を改良するために加えられる物質又は物質の組み合わせである。一実施態様において、揮発性調整剤は、活性剤の揮発性を高める。別の実施態様において、揮発性調整剤は、活性剤の揮発性を低下させる。 本明細書に使用されるように、「安定剤」なる用語は、薬剤の治療活性を低下させる物理的、化学的、又は生化学的プロセスに対して治療剤を安定化するのに使用される化合物を意味するものとする。適切な安定剤としては、例えばアルブミン、シアル酸、クレアチニン、グリシン及び他のアミノ酸、ナイアシンアミド、アセチルトリプトホン酸ナトリウム、酸化亜鉛、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、カプリル酸ナトリウム及びナトリウムサッカリン及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 本明細書に使用されるように、「増量剤(bulking agent)」なる用語は、凍結乾燥した生成物に嵩(bulk)を加える及び/又は凍結乾燥中に製剤の性質を制御するのを助けるために使用される化合物を意味するものとする。このような化合物としては、例えばデキストラン、トレハロース、スクロース、ポリビニルピロリドン、ラクトース、イノシトール、ソルビトール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルブミン、ラクトビオン酸カルシウム、及び当業者に公知の他のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない。 医薬製剤の分野で使用される化合物は、一般に、種々の機能又は目的に役立つことを理解すべきである。従って、本明細書に明記された化合物が1回しか記載されてない又は本明細書において複数の用語を定義するのに使用されている場合、その目的又は機能は、明記された目的又は機能にのみ制限されるものとして解釈すべきではない。 先の説明及び以下の実施例を鑑みて、当業者は、不必要な実験をすることなく、請求された本発明を実施することができる。前記は、本発明の組成物及び製剤を製造するためのある種の手法を詳述する以下の実施例を参照してさらに理解される。これらの実施例に対して為された全ての言及は、説明のためである。以下の実施例は、網羅的なものとみなすべきではなく、本発明によって企図される多くの実施態様のいくつかのみを例示したものに過ぎない。実施例1 以下の一般的な手法に従って典型的な製剤を製造した。方法A 混合物中の固形製剤 シクロデキストリンを含む固形組成物を、活性剤を含む固形組成物と均質になるまで混合した。シクロデキストリンを含み、そして活性剤を含む組成物は、約20質量%未満の水を含む。また、2つの組成物の混合には、同時のそれらを摩滅させることを含めることができ又は摩滅は個々の製造工程として実施することができる。例えば、シクロデキストリンを含む組成物及び活性剤を含む組成物を混合前にそれぞれ別々に摩滅させる。1つ又はそれ以上のさらなる賦形剤をSAE−CD組成物及び/又は活性剤組成物中に含めることができる。方法B 液体製剤 SAE−CD組成物を場合により活性剤を含む液体担体と混合する。SAE−CD組成物は、活性剤が存在する場合、それを添加する前、後又は添加中のいずれかに液体担体と混合することができる。1つ又はそれ以上の他の賦形剤を製剤中に含めることができる。必要に応じて、加熱して混合又は溶解を促進することができる。実施例2SAE−CD固形組成物の製造 以下の方法A及びBでは、SAE−CD出発物質を水性液体担体中に提供し、そしてSAE−CD出発物質は、公知の文献の方法に従って製造した。特定の実施態様には、水に溶解されたSAE−CD出発物質が含まれる。液体担体中のSAE−CDの濃度は、所望の粘度又は固形物含量の液体フィードを提供するために必要に応じて変化させた。方法A 流動床噴霧乾燥 以下のように、FSD−16流体噴霧乾燥装置(GEA Niro Inc., Columbia MD)中で噴霧凝集によってSAE−CD担体を製造した。固形物20.1〜49.8%のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(置換度〜7,SBE7−BCD)のいくつかの溶液をFSD−16中、上部に取り付けた噴霧系の加圧ノズルを用いて噴霧圧力1,500〜2,000psig及び供給温度〜25℃で凝集させた。プロセス条件は、入口/出口温度210〜250/83〜100℃、流動床入口温度80〜100℃、及び流体生成物床温度67〜87℃であった。噴霧器のノズル及び室の円錐体で戻る微粒子を個々の運転中に調べた。乾燥ガス流を電気的に加熱した。 フィードタンク中、加熱及び撹拌下で粉末状成分を必要量の水に加えてSAE−CDを含むフィード溶液を製造した。方法B 流動床噴霧乾燥 3−室流動化床を取り付けられたFSD−12.5流体噴霧乾燥装置(GEA Niro Inc., Columbia MD)中で噴霧凝集によってSAE−CD組成物を製造した。内側の流動床室(室1)は、乾燥室に直接開放されており、そして最終的な凝集、凝集物の乾燥及び脱塵に使用した。外側の環流動床室2及び3は室1に順に接続されており、プロセス条件によって制御されて生成物が室1から室2、室3へ移動する。室2は、後乾燥及び連続脱塵に使用した。室3は、冷却及び最終的な脱塵に使用した。最終生成物を室3から取り出した。乾燥ガス(N2)流を電気的に加熱し、そして天井の空気分散機を通して主要乾燥ガスを乾燥室に導入した。3つの流動床室への乾燥ガスは、多孔板を通して均一に分散させた。乾燥ガス流は、異なる流動床室にそれぞれ調整した。 固形物48〜52質量%のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(置換度〜7,SBE7−BCD)の溶液をFSD−12.5中で上部に取り付けた噴霧システムの加圧ノズルを用いて噴霧圧力10〜50bar及び溶液温度45〜55℃で凝集させた。プロセス条件は、入口/出口温度150〜170/70〜90℃、室1の流動床入口温度100〜150℃、及び室1の生成物床温度60〜100℃であった。微粒子は、噴霧器のノズル隣接した場所で戻った。実施例3 いくつかのSAE−CD組成物(スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、置換度〜7)の粒径(サイズ)分布を、乾燥粉末フィーダーアタッチメントを備えたレーザー回折(Malvern Instruments Inc, Model 2000, South Borough, MA)によって測定した。分散圧力60psiに基づいて分散圧力対粒径曲線を作成した。統計的妥当性のため検出器スウィープ500を用いて粉末をサンプリングした。妥当なデータを確実に収集するため掩蔽値(obscuration values)をモニターした。焦点距離300mmの検出器レンズを用いて5.8〜564μの粒径範囲を得た。 平均置換度〜7のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンの典型的なSAE−CD組成物、SBE7−BCDについての粒径分析データを下の表に記載した。各組成物についてのデータは、De Brouckere平均径(D[4,3])又は10%、50%若しくは90%の累積体積分率についての粒径カットオフに対応する粒径をミクロンで示した(μは、ミクロンを意味するものとする)。実施例4 SAE−CD組成物の水分含量をカールフィッシャー法(USP<921>,方法Ia)又は水分収支法により測定した。水分収支法 Computrac Model 200 XL moisture balance (Arizona Instruments, Tempe, AZ)を用いて、選択された粉末試料の質量減少を粉末が赤外線加熱に曝露された時間にわたって測定した。粉末を計量(各試料について約1g)し、質量変化が観察されなくなるまで110℃に加熱し、質量減少パーセンテージを算出した。実施例5 固形SAE−CD組成物の流動性を以下を備えた試験装置(FlodexTM, Hanson Research Corp., Northridge, California)で測定した: ・容積約200mLのステンレス鋼の円筒。 ・一連のステンレス鋼ディスク。各ディスクは、直径のサイズが1〜2mm刻みで段階的に異なる正確な穴を中心に有しており、容易に取り付けられて円筒の底面を形成する。 ・穴を覆い振動することなく素早く取り外し、選択された穴を通して粉末を流すことができるシャッター。 ・試験粉末を自由落下させて円筒に試料を装填するための調節可能な漏斗。 ・装置中を流れる粉末を集めるのに適した容器。 漏斗の底面は、粉末表面に近いが、一旦円筒に装填されたら接触しないように、漏斗は円筒より上に取り付けられている。ディスクを円筒の底面に挿入し、ディスクの穴は閉じている。次いで、漏斗を通して円筒の中央へ粉末装填量50gを注いだ。粉末を、円筒中で少なくとも30秒間置いてから、ディスクの穴を、素早く振動させることなく開口した。次いで、ディスクの開口による流れを観察した。正の結果とは、3回の試験のうちの3回とも、粉末が穴を通して流れてさかさまの円錐台のような形状の空洞が残り、そして落下する粉末が粉末全体の高さ(60mm以上)を伴う場合であった。 穴を通して粉末を急激に落下させて、残っている粉末が円筒形空洞を形成している場合、負の結果と記載した。 結果が正の場合、3回の試験のうちの3回で正の結果が得られる最も小さな直径の穴が測定されるまで、より小さな直径の穴を有するディスクで手順を繰り返した。 結果が負の場合、3回の試験のうち3回で正の結果が得られる最も小さな直径の穴が測定されるまで、より大きい直径の穴を有するディスクで手順を繰り返した。 SAE−CD組成物(置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン,SBE7−β−CD)についての測定結果を下に記載した。実施例6 ポンプに取り付けられたガラスフィルターホルダー(Millipore Corp., Billerica, MA)及び貯水器を含む流水式(flow−through)溶出装置によってSAE−CD組成物(平均置換度〜7のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、SBE7−BCD)の平均溶出時間を測定した。フィルタホルダーは、容積〜300mLの漏斗及び金属クランプで保持されたフリットガラスベースを含む。 フィルタホルダーのセクションの間に取り付けられた細孔サイズ47mm×10ミクロンのフィルタ上に粉末試料2.5gを置いて試験を実施した。水がフィルタを通して貯水器中に上昇するように、装置の底面を通して毎分100mLの速度で25<℃の水をポンピングした。試料を観察して全ての固形物が溶出するのに必要な時間を測定した。試料が浮いて溶出するのに2.5分より長くかかる場合、250mLを供給した後にポンプを停止した。 平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−CD)についての代表的なデータを下に表に記載した。実施例7 圧縮研究において、SAE−CD組成物を、錠剤の製造でしばしば使用される市販粉末試料、例えば微結晶性セルロース(アビセル200)、ラクトースUSP、及びリン酸水素カルシウム二水和物(DiCal)と比較した。 機器を取り付けたColton単一端末プレス機(single station press)上で、1分当たり15錠で運転して粉末を圧縮した。プレス機は、上方及び下方のパンチ圧縮力(upper and lower punch compression force)及び変位の機器を備えていた。試料質量は、200mgであり、そして直径0.345インチの平らな面のパンチを用いて試料を約5、10及び15kPの3つの異なる錠剤硬度に圧縮した。4−チャネル、12ビットのデジタルオシロスコープ(Model # 420, Nicolet Instrument Corp., Madison, WI, USA)を用いて力及び変位データを集め;4チャネルのそれぞれについて同時に試料をミリ秒ごと集めた。アセトン中のステアリン酸マグネシウムの10%(w/v)スラリーを綿棒で塗布して金型をなめらかにした。錠剤ごとの一貫性を維持するため、金型壁上にスラリーを塗布して乾燥するための標準化された手順を作成した。また、金型壁の被覆を目視検査によって確認した。信号の雑音を減らすため、Igor Proバージョン3.1 (Wavemetrics, Inc., Oregon)を用いて上方及び下方のパンチデータにおいて高速フーリエ変換(FFT)を実施した。また、FFTを実施した後、Igor Proを使用して平均錠剤圧力曲線におけるPmaxを見出した(すなわち最大パンチ圧力);ソフトウェアアルゴリズムにより曲線の導関数を用いて最小値を見いだした。 KEY(R) HT−300硬度試験機(Englishtown, NJ)を用いて錠剤の破壊強度を測定した。ダイヤルインジケータを用いて圧縮後の錠剤高さを測定した。典型的に、3種の標的硬度レベルのそれぞれの硬度について5つの錠剤を圧縮して試験した。実施例8 以下の方法によってSAE−CD組成物の密度及び圧縮率を測定した:方法A 嵩密度 100mLメスシリンダーを用いてUSP<616>方法Iに従ってSAE−CD組成物の嵩密度を測定した。方法Bタップ密度 100mLメスシリンダーを用いてUSP<616>方法IによってSAE−CD組成物のタップ密度を測定した。方法C Carr圧縮率指数 SAE−CD組成物のCarrの圧縮率指数は、式に従って算出した:方法D 真密度 USP<699>の方法に従ってMultivolume Pycnometer (Micromeritics Instrument Corp., Model 1305, Norcross, GA)を用いてSAE−CD組成物の真密度を測定した。容積1cm3の試料ホルダーを全ての測定で使用した。 SAE−CD組成物(平均置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、SBE7−BCD)について測定の結果を下の表に記載した。実施例9 DPI装置を用いた投与に適した乾燥粉末製剤は、1つ又はそれ以上の活性剤、SAE−CD組成物担体及び場合により抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、滑剤、安定剤、増量剤、凍結防止剤、可塑剤、香味料、甘味料、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、又はそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上の賦形剤を含む。SAE−CD担体は、製剤の50%〜99.9質量%を占め、それは420ミクロン未満の中央粒径を有する。活性剤を含む粒子は、約0.1〜10ミクロンの間の中央粒径を有する。担体は、約1.5〜2.9のスパンを有し、そして担体は本発明に従って製造され、そして場合により固形物を摩滅させて粒子状担体を形成した。担体に使用するSAE−CDは、約1〜12の範囲の平均DSを有する。実施例10 平均置換度4を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE4−βCD,SAE−CD組成物)、及びピロキシカムを含んでなる圧縮された迅速放出錠剤を、以下の処方及び手法に従って製造した。 上の成分を用いて迅速放出プロファイルを有する257mgの錠剤核を製造した。成分の横の数は、添加の一般的な順序を示している。各群の成分を加えた後、混合物を5〜10分間乾式混合した。ステアリン酸マグネシウム、ヒュームド二酸化ケイ素(CABOSILTM M5P)及びクロスカルメロースナトリウムを他の成分とは別々に(工程3)加え、そしてさらに5分の乾式混合工程を一般的な手法に加えた。 次いで、粉末を圧縮して硬度約8〜10kgの錠剤を形成した。実施例11 SAE−CD組成物、平均置換度〜7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−βCD)、及びプレドニソロンを含んでなる制御放出錠剤を以下の処方及び手法に従って製造した。 上の成分を用いて制御放出プロファイルを有する300mgの錠剤核を製造した。成分を手で混合し、そしてカーバープレス機上、圧力1トン下、7秒間で個々の錠剤を製造した。5/16"の標準カップ凹形工具を用いて錠剤を製造した。実施例12 SAE−CD組成物、平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリン(SBE7−γCD)、及びザレプロンを含んでなる口腔分散可能な即時放出錠剤を以下の処方及び手法に従って製造した。 全ての錠剤成分を秤量前に40−メッシュスクリーン(US Standard)によってふるいにかけ、次いで幾何学的希釈技術を用いて、ステアリン酸マグネシウム(Mg)以外の全ての成分をガラス瓶中で混合した。次いで、粉末ブレンドを40−メッシュスクリーンに2回通過させて全ての成分の均質混合を促進した。機械的圧縮前に、ステアリン酸Mgを加え、次いで、さらに1分間混合した。最後に、最終的なブレンドを回転式錠剤プレス機を用いて7mmの凹形工具で錠剤に圧縮し、約3.0キロポンド(kp)の錠剤硬度を有する錠剤を得た。実施例13 ラモトリジン及びSAE−CD組成物、平均置換度7を有するスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE7−βCD)の調製可能な粉末状製剤を、以下の処方を用いて製造した。 ナトリウムサッカリン、安息香酸、イチゴ香味料、クエン酸及びキサンタンガムを一緒に合わせて十分に混合した。さらに混合しながらラモトリジンをブレンドに加え、次いで、SBE7−βCDを加えて混合を続けた。次いで、生成した粉末に幾何学的希釈を用いてキシリトールを加え、そしてさらに混合した。 粉末は、水で構成することができ、最終容積750mlとなる。 以下の用語は、以下に詳述する通り定義される。 本明細書に使用されるように、「約」なる用語は、示した値の+/−10%を意味する。 上記は、本発明の特定の実施態様の詳述である。説明のため、本発明の特定の実施態様を本明細書に記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の改変を行うことができることは明らかである。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によって制限されない。開示された及び本明細書に請求された全ての実施態様は、本開示を考慮して不必要な実験なしに実施及び実行することができる。本明細書に引用されるすべての特許又は他の公開の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。本発明に従って製造されたSAE−CD組成物の典型的なバッチのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。SAE−CD粒子は、スルホアルキル化後が異なる方法に従って製造されたものである。典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。別の典型的な流動床噴霧乾燥器の一般的な配置を示す。異なる水分量を含有する本発明のSAE−CD組成物についての破砕強度と圧縮圧力の関係を示すグラフである。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物であって、 a. 該組成物の潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.66g/cm3の嵩密度;及び c. 0.49〜0.75g/cm3のタップ密度:を有し、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンの凝集粒子を含むことを特徴とするスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物。 18質量%未満の水分含量を有する、請求項1に記載の組成物。 1.1〜1.5g/cm3の真密度を有する、請求項1又は2に記載の組成物。 24%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。 18%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。 16%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 20mm未満の重力流動最小オリフィス径を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。 流動床噴霧乾燥によって製造される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。 凝集粒子が110ミクロン又はそれ未満の平均粒径を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。 凝集粒子が92〜200ミクロンの平均粒径を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。 2〜3質量%の水分含量及び30〜275MPaのPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に1.0〜20kPの圧縮破砕強度を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。 5〜6質量%の水分含量及び15〜70MPaのPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に0.5〜11kPの圧縮破砕強度を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。 水中に置いた時に組成物2.5gが4.5分未満の平均溶出時間を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。 粒子容積の少なくとも90%が25ミクロン又はそれを超える算出直径を有する粒子でできている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。 さらに以下の性質: a. 18質量%又はそれ未満の水分含量; b. 1.1〜1.5g/cm3の真密度; c. 24%又はそれ未満のCARR指数; d. 20mm未満の重力流動最小オリフィス径; e. 2〜3質量%の水分含量及び50〜200MPaのPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に1.0〜20kPの圧縮破砕強度;及び f. 5〜6質量%の水分含量及び15〜70MPaのPmaxを用いて錠剤に圧縮した時に0.5〜11kPの圧縮破砕強度;の2つ又はそれ以上を有する請求項1に記載の組成物。 方法が、 a. 水及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し; b. 液体フィードに、組み合わせ流動床噴霧乾燥法を実施し、それによってスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを潮解点より下に乾燥させて、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンの凝集粒子を含み、24%又はそれ未満のCARR指数、0.38〜0.66g/cm3の嵩密度、及び0.49〜0.75g/cm3のタップ密度を有する粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させる;ことを含む、粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物の製造方法。 流動床噴霧乾燥法が、液体担体及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む水性液体フィードを用意し;乾燥室中で第1の平均粒径を有するスルホアルキルエーテルシクロデキストリン粒子の流動床を用意し、その際、床は第1の方向に流れている加熱ガス流により流動化され;噴霧器を用いて液体フィードを乾燥室中の粒子上へ噴霧してより大きい第2の平均粒径を有する凝集粒子を含む粒子状スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させ、ここにおいて噴霧化を第2の方向で実施し、大多数の液体担体を粒子状組成物から除去し;そして粒子状組成物を集めてスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物を形成させることを含む、請求項16に記載の方法。 組み合わせ方法を、円筒状乾燥室を有する装置中で実施する、請求項16又は17に記載の方法。 さらに、粒子状組成物の一部のより小さな粒子を噴霧器と粒子の流動床との間の場所で乾燥室に戻してリサイクルすることを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。 方法が並流、向流又は混流方式で実施される、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基であり、ここにおいて、R1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そしてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である請求項16〜20のいずれか1項に記載の方法。 組成物が、 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.55g/cm3の嵩密度;及び c. 0.49〜0.66g/cm3のタップ密度:を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。 組成物が、 a. その潮解点より下の水分含量; b. 0.55〜0.66g/cm3の嵩密度;及び c. 0.66〜0.75g/cm3のタップ密度:を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、式1:[式中、 nは、4、5又は6であり; R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して−O−又は−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、ここにおいてR1〜R9の少なくとも1つは、独立して−O−(C2−C6アルキレン)−SO3-基、−O−(CH2)mSO3-基(ここにおいて、mは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3-、又は−OCH2CH2CH2CH2SO3-であり;そして S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は、それぞれ独立して医薬上許容しうるカチオンである]の化合物又はその混合物である、請求項1〜15及び22、23のいずれか1項に記載の組成物。 請求項1〜15及び22〜24のいずれか1項に記載のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物と、1つ又はそれ以上の活性剤を含む、組成物。 1つ又はそれ以上の賦形剤をさらに含む請求項25に記載の組成物。 請求項1〜15及び22〜24のいずれか1項に記載のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物と、1つ又はそれ以上の賦形剤を含む、組成物。 請求項25〜27のいずれか1項に記載の組成物を含む剤形。 スルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物であって、 a. 該組成物の潮解点より下の水分含量; b. 0.38〜0.66g/cm3の嵩密度;及び c. 0.49〜0.75g/cm3のタップ密度:を有し、 前記組成物が、 3室流動化床が取り付けられ、液体フィード噴霧器を備える流動床噴霧乾燥装置の乾燥室中でスルホアルキルエーテルシクロデキストリンからなる粒子の流動床を形成させ; 流動床からの微粒子を液体フィード噴霧器に隣接した場所で乾燥室に戻してリサイクルし; 3室流動化床の第3番目の室から前記組成物を回収する;ことを含む方法によって製造され、 スルホアルキルエーテルシクロデキストリンの凝集粒子を含むことを特徴とするスルホアルキルエーテルシクロデキストリン組成物。 1.1〜1.5g/cm3の真密度を有する、請求項29に記載の組成物。 24%又はそれ未満のCARR指数を有する、請求項29又は30に記載の組成物。 凝集粒子が110ミクロン又はそれ未満の平均粒径を有する、請求項29〜31のいずれか1項に記載の組成物。


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