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タイトル:特許公報(B2)_高純度第4級アンモニウム塩の製造方法
出願番号:2008535420
年次:2013
IPC分類:C07C 209/84,C07D 295/08,C07C 211/63


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西田 哲郎 平野 一孝 岡 昭範 阿部 吉伸 鍋島 亮浩 JP 5130218 特許公報(B2) 20121109 2008535420 20070919 高純度第4級アンモニウム塩の製造方法 大塚化学株式会社 000206901 ステラケミファ株式会社 000162847 田村 巌 100081536 西田 哲郎 平野 一孝 岡 昭範 阿部 吉伸 鍋島 亮浩 JP 2006252230 20060919 20130130 C07C 209/84 20060101AFI20130110BHJP C07D 295/08 20060101ALI20130110BHJP C07C 211/63 20060101ALI20130110BHJP JPC07C209/84C07D295/08 ZC07C211/63 C07C 209/84 C07C 211/63 C07D 295/08 H01G 9/035 H01G 9/038 WPI JSTPlus(JDreamII) 特開昭63−233956(JP,A) 特開2000−026473(JP,A) 特開2004−186246(JP,A) 5 JP2007068741 20070919 WO2008035808 20080327 9 20090305 爾見 武志 本発明は、電気二重層キャパシタや電解コンデンサなどの蓄電素子の電解質として使用される第4級アンモニウム塩中に、不純物として含まれる第3級アミンおよび第3級アミンのプロトン酸塩を低減させる第4級アンモニウム塩の製造方法に関するものである。 従来、第4級アンモニウム塩の製造方法は、第3級アミンにアルキルハライドを反応させて、第4級アンモニウムハライドとし、これに酸を反応させる方法、また、第3級アミンに炭酸ジエステルを反応させて第4級アンモニウム塩を生成させ、次いで酸を反応させて脱炭酸させる方法が知られている。 いずれの方法も第3級アミンの第4級化反応が完全に行われなかった場合、未反応の第3級アミンは、次工程で酸と反応して第3級アミンのプロトン酸塩を生成し、主生成物である第4級アンモニウム塩中に混入することになる。 また、第4級アンモニウムハライドや第4級アンモニウム塩の熱分解により第3級アミンが生成する場合がある。生成した第3級アミンは第4級アンモニウム塩の製造過程において第3級アミンのプロトン酸塩を生成させる。第3級アミンのプロトン酸塩のカチオンの水素原子はプロトンとして放出されやすいため、特に還元反応に対して不安定であり、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサの耐電圧および長期信頼性低下の原因となることが知られている(例えば、特許文献1)。 従って、信頼性の高い電気二重層キャパシタ、電解コンデンサを得るためには、電解質として使用する第4級アンモニウム塩中の第3級アミンおよび第3級アミンのプロトン酸塩を低減する必要がある。 第4級アンモニウム塩中の第3級アミンおよび第3級アミンのプロトン酸塩の低減方法としては、該塩を有機溶媒中で再結晶する方法が知られている(特許文献1、2)。 しかしながら、再結晶を行うことによる収率の低下等、工業的に実施する方法としては適切ではない。また、第4級アンモニウム塩が、常温で液体の物質である場合、再結晶を行うことは困難である。 本発明の課題は、第4級アンモニウム塩中に、不純物として含まれる第3級アミンおよび第3級アミンのプロトン酸塩を低減させる第4級アンモニウム塩の製造方法を提供することにある。特開2000−311839号公報特開2004−186246号公報 本発明は、以下の発明に係る。1.(1)不純物として第3級アミンのプロトン酸塩を含む、第4級アンモニウム塩に、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加して、上記第3級アミンのプロトン酸塩を第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩により中和して、第3級アミンと水に変換すると同時に該第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は第4級アンモニウム塩に変換させ、(2)生成した第3級アミンと水は系外に除去する、ことを特徴とする高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法。2.(1)第3級アミンと置換基を有しても良いアルキルハライドを反応させて第4級アンモニウムハライド塩を得て、(2)これに酸化合物を反応させて不純物として第3級アミンのプロトン酸塩を含む、第4級アンモニウム塩を得て、(3)これに、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加して、上記第3級アミンのプロトン酸塩を第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩により中和して、第3級アミンと水に変換すると同時に該第該第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は第4級アンモニウム塩に変換させ、(4)生成した第3級アミンと水を系外に除去する、ことを特徴とする高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法。 本発明において、第3級アミンのプロトン酸塩とは、分子中に放出可能なH+を持っている第3級アミン塩をいう。 本発明は、(1)不純物として第3級アミンのプロトン酸塩を含む、第4級アンモニウム塩に、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加して、上記第3級アミンのプロトン酸塩を第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩により中和して、第3級アミンと水に変換すると同時に該第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は第4級アンモニウム塩に変換させ、(2)生成した第3級アミンと水は系外に除去する、高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法である。 本発明に用いられる第4級アンモニウム塩の第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、トリアゾリウム、ピリダジニウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、ピリミジニウム、ピラジニウム等を挙げることができる。 具体的には、例えば、下記のような化合物を示すことができる。 テトラアルキルアンモニウムとしては、テトラエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、ジメチルエチルプロピルアンモニウム、メチルエチルプロピルブチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム、N−エチル−N−プロピルピロリジニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−メチル−N−エチルピペリジニウム、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム、N−エチル−N−プロピルピペリジニウム、N,N−ジメチルモルホリニウム、N−メチル−N−エチルモルホリニウム、N−メチル−N−プロピルモルホリニウム、N−エチル−N−プロピルモルホリニウム、トリメチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルブチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルメチルメトキシメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリエチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルブチルメトキシメチルアンモニウム、ジプロピルメチルメトキシメチルアンモニウム、ジプロピルエチルメトキシメチルアンモニウム、トリプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリブチルメトキシメチルアンモニウム、トリメチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルブチルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルメチルエトキシメチルアンモニウム、トリエチルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルプロピルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルブチルエトキシメチルアンモニウム、ジプロピルメチルエトキシメチルアンモニウム、ジプロピルエチルエトキシメチルアンモニウム、トリプロピルエトキシメチルアンモニウム、トリブチルエトキシメチルアンモニウム、N−メチル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−プロピル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−エトキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロポキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−ブトキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−メトキシメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−エトキシメチルピロリジニウム、N−プロピル−N−メトキシメチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロポキシメチルピロリジニウム、4−アゾニアスピロ[3,4]オクタン、3−アゾニアスピロ[2,4]ヘプタン、5−アゾニアスピロ[4,4]ノナン、6−アゾニアスピロ[5,5]ウンデカン等を挙げることができる。 テトラアルキルホスホニウムとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニウム、ジメチルエチルプロピルホスホニウム、メチルエチルプロピルブチルホスホニウム等を挙げることができる。 イミダゾリウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム等を挙げることができる。 ピラゾリウムとしては、1,2−ジメチルピラゾリウム、1−メチル−2−エチルピラゾリウム、1−プロピル−2−メチルピラゾリウム、1−メチル−2−ブチルピラゾリウム等を挙げることができる。 ピリジニウムとしては、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−プロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム等を挙げることができる。 トリアゾリウムとしては、1−メチルトリアゾリウム、1−エチルトリアゾリウム、1−プロピルトリアゾリウム、1−ブチルトリアゾリウム等を挙げることができる。 ピリダジニウムとしては、1−メチルピリダジニウム、1−エチルピリダジニウム、1−プロピルピリダジニウム、1−ブチルピリダジニウム等を挙げることができる。 チアゾリウムとしては、1,2−ジメチルチアゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルチアゾリウム等を挙げることができる。 オキサゾリウムとしては、1−エチル−2−メチルオキサゾリウム、1,3−ジメチルオキサゾリウム等を挙げることができる。 ピリミジニウムとしては、1,2−ジメチルピリミジニウム、1−メチル−3−プロピルピリミジニウム等を挙げることができる。 ピラジニウムとしては、1−エチル−2−メチルピラジニウム、1−ブチルピラジニウム等を挙げることができる。 本発明に用いられる第4級アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、CF3CO2−、CF3SO3−、BF4−、AlF4−、ClBF3−、(FSO2)2N−、PF6−、AsF6−、ClO4−、N(CF3SO3)2−、C(CF3SO2)3−、RfSO3−、RfCO2−(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)N−、(Rr1SO2)(Rr2CO2)−(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)等を挙げることができる。好ましくは、CF3CO2−、CF3SO3−、BF4−、AlF4−、ClBF3−または(FSO2)2N−を挙げることができる。 本発明に用いられる第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩の第4級アンモニウムカチオンとしては、上記第4級アンモニウム塩の第4級アンモニウムカチオンで挙げた同様のものを挙げることができる。 本発明の不純物である第3級アミンのプロトン酸塩は、第4級アンモニウム塩を製造するときに生成する。また、第4級アンモニウム塩が熱分解を受けた時にも生成する。具体的には、例えば、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムのBF4塩を合成する際、原料のクロロメチルメチルエーテルに不純物として含まれる塩酸が、もう一つの原料である3級アミンのメチルピロリジンと反応してメチルピロリジンのプロトン酸塩を生成する。又はメチルピロリジン、更には溶媒に含まれる微量の水によってクロロメチルメチルエーテルが加水分解し、塩酸を生成、同反応によりメチルピロリジンのプロトン酸塩を生成する。該プロトン酸塩はHBF4を使用した塩変換反応により除去が非常に困難なメチルピロリジンのHBF4塩となる。更にBF4塩合成を高温130〜200℃で行った場合もN−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウム塩(塩酸塩、BF4塩)の熱分解により少量ながら、メチルピロリジンのHBF4塩が生成する。またメチルピロリジンを過剰に使用した場合、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウム塩酸塩中にメチルピロリジンが残存してしまい、続くHBF4塩への変換で、N−メチルピロリジニウムのHBF4塩を生成してしまう。 第3級アミンとしては、具体的には、例えば、下記のような化合物を示すことができる。 トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ジエチルブチルアミン、ジプロピルブチルアミン、ジブチルプロピルアミン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルブチルアミン、エチルプロピルブチルアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−プロピルモルホリン、N−ブチルモルホリン、ジメチルメトキシメチルアミン、ジエチルメトキシメチルアミン、ジプロピルメトキシメチルアミン、ジブチルメトキシメチルアミン、エチルメチルメトキシメチルアミン、メチルプロピルメトキシメチルアミン、メチルブチルメトキシメチルアミン、エチルプロピルメトキシメチルアミン、エチルブチルメトキシメチルアミン、プロピルブチルメトキシメチルアミン、ジメチルエトキシメチルアミン、ジエチルエトキシメチルアミン、ジプロピルエトキシメチルアミン、ジブチルエトキシメチルアミン、エチルメチルエトキシメチルアミン、メチルプロピルエトキシメチルアミン、エチルプロピルエトキシメチルアミン、エチルブチルエトキシメチルアミン、プロピルブチルエトキシメチルアミン、N−メトキシメチルピロリジン、N−エトキシメチルピロリジン、N−プロポキシメチルピロリジン、N−ブトキシメチルピロリジン、N−エトキシメチルピロリジン、N−プロポキシメチルピロリジン等を挙げることができる。 1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール等を挙げることができる。 ピラゾリウムとしては、1−メチルピラゾール、1−エチルピラゾール、1−プロピルピラゾール、3−メチルピラゾール等を挙げることができる。 ピリジン、トリアゾール、ピリダジン、ピラジン、1−メチルチアゾール、1−メチルオキサゾール等を挙げることができる。 また、第3級アミンのプロトン酸塩としては、具体的には、上記の第3級アミンの、CF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3または(FSO2)2NH、HPF6、HAsF6、HClO4、NH(CF3SO3)2、HC(CF3SO2)3、RfSO3H、RfCO2H(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)NH、(Rr1SO2)(Rr2CO2)H(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)等のプロトン酸の塩を挙げることができる。 本発明の高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法を以下に説明する。 原料の第3級アミンと置換基を有しても良いアルキルハライドを反応させることにより、第4級アンモニウムハライド塩が製造される。次に第4級アンモニウムハライド塩と酸化合物と反応させることにより、第4級アンモニウム塩が製造される。 酸化合物としては、例えば、CF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3、(FSO2)2NH、HPF6、HAsF6、HClO4、NH(CF3SO3)2、CH(CF3SO2)3、RfSO3H、RfCO2H(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)NH、(Rr1SO2)(Rr2CO2)H(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)等を挙げることができる。好ましくは、CF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3または(FSO2)2NHを挙げることができる。 この時、該第4級アンモニウム塩中には、原料由来の第3級アミンから第3級アミンのプロトン酸塩が不純物として微量含まれる。 次いで、該不純物が含有した該第4級アンモニウム塩に、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加し反応(中和)させる。第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩の添加量としては、第3級アミンのプロトン酸塩のモル数に対して、0.5〜10当量、好ましくは、0.5〜2当量、さらに好ましくは、1〜2当量が良い。 添加する温度としては、−20℃〜200℃、好ましくは10℃〜100℃が良い。さらに好ましくは、25℃〜80℃が良い。反応時間は10分間〜20時間、好ましくは、30分間〜5時間が良い。 反応後、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は、第4級アンモニウム塩に変換され、第3級アミンのプロトン酸塩は、第3級アミンと水に変換される。第3級アミンおよび水の留去方法は、常法により蒸留でき、減圧あるいは加熱する、これらを組み合わせてもよい。また、加熱を行いながら、第4級アンモニウム酸性塩と反応しない窒素、アルゴン、空気などを吹き込んで除去を行うことができる。 第3級アミン、水を留去する温度は、20℃〜200℃、好ましくは、90℃〜170℃が良い。時間は、0.5時間〜24時間、好ましくは、5時間〜18時間が良い。 不純物を除去後の第4級アンモニウム塩は、不純物である第3級アミン、第3級アミンのプロトン酸塩が低減されている。 本発明で製造される高純度の第4級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、電池等の電解質あるいは電解液として、好適に使用することができる。このような非水電解液用電解質に求められる電解質中の第3級アミンのプロトン酸塩の含有量は、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ又は電池の耐電圧の低下、長期信頼性の低下の観点からより少ないほど良い。好ましくは、200ppm以下、さらに好ましくは、100ppm以下、特に好ましくは、30ppm以下が良い。最も好ましくは、10ppm以下が良い。 第3級アミンのプロトン酸塩の濃度は、液体クロマトグラフィーにより分析することができる。液体クロマトグラフィーによる分析は、例えば、次に示す条件で行える。 カラムInertsilODS−3 250mm×4.6mmI.D. 5.0μm(ジーエルサイエンス社製)、検出器L−7490 RI検出器(日立製作所社製)、移動相{Na2HPO41mM+KH2PO49mM+NaClO4100mM}/H2O、流速1.0mL/min、カラム温度40℃。 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが何らこれらに限定されるものではない。 露点−60℃のアルゴン雰囲気のグローブボックス内で、N−メチルピロリジン・HBF4塩 410ppmを含有するN−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート 100gに、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(35重量%)0.2gを添加し、130℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、2時間反応した。反応終了後、1mmHgの減圧下、25℃にて1時間保持した。露点−60℃のアルゴンガスにて常圧に戻し、分析に供した。N−メチルピロリジン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 N−メチルピロリジン・HBF4塩 410ppmを含有するN−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート 100gに、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(35重量%)0.2gを添加し、120℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、2時間反応した。N−メチルピロリジン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 露点−60℃のアルゴン雰囲気のグローブボックス内で、N−メチルピロリジン・HBF4塩 410ppmを含有するN−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート 100gに、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムヒドロキシド0.23gを添加し、130℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、2時間反応した。反応終了後、1mmHgの減圧下、25℃にて1時間保持した。露点−60℃のアルゴンガスにて常圧に戻し、分析に供した。N−メチルピロリジン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 N−メチルピロリジン・HBF4塩 410ppmを含有するN−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート 100gに、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムヒドロキシド水溶液(5重量%)1.0gを添加し、120℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、2時間反応した。反応終了後、1mmHgの減圧下、25℃にて1時間保持した。N−メチルピロリジン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 トリエチルアミン・HBF4塩 100ppmを含有するトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート50gをメチルアルコール70gに溶解し、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムヒドロキシドのメチルアルコール溶液(20重量%)0.2gを添加し、120℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、12時間反応した。トリエチルアミン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 トリエチルアミン・HBF4塩 100ppmを含有するトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート50gを水50gに溶解し、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(35重量%)0.1gを添加し、120℃にて、窒素を5L/minで吹き込みながら、12時間反応した。トリエチルアミン・HBF4塩の含有量は、検出限界(10ppm)以下であった。 本発明によれば、第4級アンモニウム塩中に不純物として含まれる、第3級アミンおよび第3級アミンのプロトン酸塩を低減することができる。 不純物を低減した第4級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタや電解コンデンサなどの蓄電素子の電解質として好適に使用することができる。 また、該電解質を使用した電気二重層キャパシタ、電解コンデンサは、耐電圧および長期信頼性を向上することができる。 (1)不純物として第3級アミンのプロトン酸塩を含む、第4級アンモニウム塩であって、該第4級アンモニウム塩のアニオンがCF3CO2−、CF3SO3−、BF4−、AlF4−、ClBF3−、(FSO2)2N−、PF6−、AsF6−、ClO4−、N(CF3SO3)2−、C(CF3SO2)3−、RfSO3−、RfCO2−(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)N−、(Rr1SO2)(Rr2CO2)−(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれ、該プロトン酸がCF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3または(FSO2)2NH、HPF6、HAsF6、HClO4、NH(CF3SO3)2、HC(CF3SO2)3、RfSO3H、RfCO2H(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)NH、(Rr1SO2)(Rr2CO2)H(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれる第4級アンモニウム塩に、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加して、上記第3級アミンのプロトン酸塩を第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩により中和して、第3級アミンと水に変換すると同時に該第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は第4級アンモニウム塩に変換させ、(2)生成した第3級アミンと水は系外に除去する、ことを特徴とする高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法。 不純物である第3級アミンのプロトン酸塩の含有量が10ppm以下である請求項1に記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 (1)第3級アミンと置換基を有しても良いアルキルハライドを反応させて第4級アンモニウムハライド塩を得て、(2)これにCF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3、(FSO2)2NH、HPF6、HAsF6、HClO4、NH(CF3SO3)2、CH(CF3SO2)3、RfSO3H、RfCO2H(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)NH、(Rr1SO2)(Rr2CO2)H(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれる酸化合物を反応させて不純物として第3級アミンのプロトン酸塩を含む、第4級アンモニウム塩であって、該第4級アンモニウム塩のアニオンがCF3CO2−、CF3SO3−、BF4−、AlF4−、ClBF3−、(FSO2)2N−、PF6−、AsF6−、ClO4−、N(CF3SO3)2−、C(CF3SO2)3−、RfSO3−、RfCO2−(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)N−、(Rr1SO2)(Rr2CO2)−(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれ、該プロトン酸がCF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3または(FSO2)2NH、HPF6、HAsF6、HClO4、NH(CF3SO3)2、HC(CF3SO2)3、RfSO3H、RfCO2H(但し、Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示す。)、(Rr1SO2)(Rr2SO2)NH、(Rr1SO2)(Rr2CO2)H(但し、Rr1、Rr2は炭素数1〜8のフルオロアルキル基を示し、Rr1、Rr2は同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれる第4級アンモニウム塩を得て、(3)これに、第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩を添加して、上記第3級アミンのプロトン酸塩を第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩により中和して、第3級アミンと水に変換すると同時に該第4級アンモニウム水酸化物塩あるいは第4級アンモニウム炭酸塩は第4級アンモニウム塩に変換させ、(4)生成した第3級アミンと水は系外に除去する、ことを特徴とする高純度の第4級アンモニウム塩の製造方法。 不純物である第3級アミンのプロトン酸塩の含有量が10ppm以下である請求項3に記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。 酸化合物が、CF3CO2H、CF3SO3H、HBF4、HAlF4、HClBF3または(FSO2)2NHである請求項3に記載の製造方法。


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